JP2013111725A - 研磨材およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】ガラス等の研磨性を確保しつつ、酸化セリウム量を低減できる研磨材を提供する。
【解決手段】本発明の研磨材は、酸化ジルコニウムからなる基粒子により形成されたコア部と、該基粒子よりも粒径が小さく酸化セリウムからなる微粒子が該基粒子の外表面上に結合または生成して形成されたシェル部とにより構成された複合砥粒を含むことを特徴とする。この複合砥粒は、研磨性に影響するシェル部に酸化セリウムからなる微粒子を有し、研磨性に直接影響しないコア部はそれより比重の小さい酸化ジルコニウム粒子(基粒子)からなる。このため、酸化セリウムによる研磨性の確保と酸化セリウムの低減が両立されることに加えて、複合砥粒のスラリー中における分散安定性も高まり、さらなる研磨性の向上も図られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種分野で用いられるガラス(特に光学ガラス)等の研磨に適した研磨材およびその製造方法に関する。
ガラスは種々の製品に用いられている。この中でも、光学用レンズ、記録媒体用ガラス、プラズマまたは液晶のディスプレイパネル用ガラス、液晶TV用カラーフィルター用ガラス、LSI用フォトマスク用ガラス等は、平坦性や表面粗さなどの要求が厳しく、高精度な表面研磨がなされる。
このようなガラスの研磨材には、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化クロム等もあるが、最近では化学機械研磨作用を発揮する酸化セリウムを含有する酸化セリウム系研磨材が主に用いられている。この研磨材に関連する記載が例えば下記の特許文献1にある。
WO2006/107116号公報
ところで、セリウムなどの希土類元素を含む稀少原料の需要は年々増加しており、その価格も年々高騰する傾向にある。しかし、日本はそれらの殆どを中国からの輸入に依存しているのが現状である。そこで、酸化セリウム等の使用量を削減しつつも、従来と同等以上の高精度なガラス研磨等を行える研磨材の開発が求められている。
また、研磨材中の酸化セリウム粒子は比重が相当に大きいため、研磨スラリー中における分散性が好ましくない。このため従来の研磨材では、少量の酸化セリウム粒子を有効に活用して安定した研磨を行うことも困難であった。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、酸化セリウムの使用量を抑制しつつガラスなどを効率的に安定して研磨し得る研磨材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、酸化セリウムよりも比重の小さな無機粒子である酸化ジルコニウム粒子の外殻部に、研磨に有効な酸化セリウムを存在させることを思いつき、実際にコア部とシェル部で材質が異なる複合砥粒を得ることに成功した。この成果を発展させることにより、以降に述べる一連の本発明を完成するに至った。
《研磨材》
(1)本発明の研磨材は、酸化ジルコニウムからなる基粒子により形成されたコア部と、該基粒子よりも粒径が小さく酸化セリウムからなる微粒子が該基粒子の外表面上に結合または生成して形成されたシェル部とにより構成された複合砥粒を含むことを特徴とする。
(2)本発明の研磨材を用いると、貴重な酸化セリウムの使用量を抑制しつつ、従来の酸化セリウムのみからなる研磨材とほぼ同等かそれ以上の研磨性が得られる。この理由は次のように考えられる。
先ず本発明の研磨材中の複合砥粒は、ガラス等の研磨に有効な酸化セリウムからなる微粒子をその外殻部分であるシェル部に有する。このため本発明の研磨材によっても、従来の酸化セリウム粒子からなる研磨材と同様に、酸化セリウムが被研磨材の研磨面に接触等して化学機械研磨作用が発揮され得る。
次に複合砥粒のコア部は、酸化セリウムよりも比重の小さい酸化ジルコニウムからなる。このため本発明に係る複合砥粒は、従来の酸化セリウム(または希土類元素の酸化物)のみからなる研磨粒子よりも軽く(比重が小さく)て、水などの分散媒中でより沈降し難く、分散安定性に優れる。従って本発明に係る複合砥粒を用いれば、従来の酸化セリウム粒子等よりも分散性に優れた研磨スラリーが得られ、この研磨スラリーを用いることにより安定した研磨が可能となる。ちなみに、コア部の形態を調整することにより、研磨粒子の要求仕様(例えば、粒径、粒形等の形態)を確保することもできる。
そして本発明に係る複合砥粒の場合、その体積の大部分を占めるコア部が酸化セリウム以外の酸化ジルコニウムからなる基粒子によって構成されているため、上述したような研磨性が確保されると共に酸化セリウム量の大幅な低減が可能となる。
《研磨材の製造方法》
(1)本発明は上述の研磨材自体のみならずその製造方法としても把握できる。すなわち本発明は、酸化ジルコニウムからなる基粒子と酸化セリウムからなる微粒子が分散媒に分散した混合分散液を得る調製工程と、該混合分散液を固液分離して固体を抽出する分離工程と、該分離工程後の固体を加熱して焼成させた焼成物を得る焼成工程と、該焼成物を解砕して粉末とする粉末化工程とを備え、上述した本発明に係る複合砥粒を含有する研磨材が得られることを特徴とする研磨材の製造方法としても把握できる。
(2)また本発明は、酸化ジルコニウムからなる基粒子が存在する状況下でセリウム溶液を中和してセリウムを含む粒子を生成させた中和液を得る中和工程と、該中和液を固液分離して固体を抽出する分離工程と、該分離工程後の固体を加熱して焼成させた焼成物を得る焼成工程と、該焼成物を解砕して粉末とする粉末化工程とを備え、上述した本発明に係る複合砥粒を含有する研磨材が得られることを特徴とする研磨材の製造方法としても把握される。
(3)このような製造方法により、上述した本発明に係る複合砥粒を含む研磨材が得られるが、その形成されるメカニズムは、現状、必ずしも定かではない。勿論、本発明の研磨材は、上記以外の製造方法によっても得ることが可能である。例えば、種々のバインダーを用いて、基粒子である酸化ジルコニウム粒子の表面に微粒子である酸化セリウム粒子を結合等させた複合砥粒を得ることも可能である。ちなみにバインダーとして、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化鉄、酸化アルミニウムゾルや酸化セリウムゾル等の各種ゾル、各種ポリマー等を用いることができる。
《その他》
特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した具体的な数値または数値範囲に含まれる任意の数値を、新たな下限値または上限値として「a〜b」のような数値範囲を任意に新設し得る。
試料No.1に係る砥粒のSEM像である。 試料No.1に係る砥粒のZrに関するEDX像である。 試料No.1に係る砥粒のCeに関するEDX像である。 試料No.4に係る砥粒のSEM像である。 試料No.4に係る砥粒のZrに関するEDX像である。 試料No.4に係る砥粒のCeに関するEDX像である。
発明の実施形態を挙げて本発明をより詳しく説明する。上述した本発明の構成に、本明細書中から選択した一つまたは二つ以上の構成を任意に付加し得る。本明細書で説明する内容は、本発明に係る研磨材のみならず、その製造方法にも適宜適用され、製造方法に関する構成は、プロダクトバイプロセスとして理解すれば物に関する構成ともなり得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《研磨材》
(1)本発明に係る複合砥粒のコア部を構成する基粒子は、酸化ジルコニウム(ZrO)を主成分とすれば足り、改質元素や不可避不純物等を含み得る。また、その形状、サイズ、製法等も問わない。基粒子は、例えば、平均粒径が0.1〜5μm、0.3〜3μm、さらには0.5〜1.5μmであると好ましい。なお、これらの粒径はレーザー回折散乱式粒度分布計または動的光散乱式粒度分布計により特定される。
基粒子は、球状粒子に限らず、酸化ジルコニウムからなる無機材を破砕した破砕粒子でもよい。例えば、略球状の酸化ジルコニウム粒子を破砕することにより、平均粒径がより小さい基粒子を得ることができる。このような破砕粒子は、複数の平面が交差した尖頭部を多数有する鋭利な表面から構成されることが多い。このため破砕粒子からなる複合砥粒は、被研磨材の研磨面上における転動抵抗が大きく、研磨パッド中により長く滞留し易くなり、研磨性が向上し得る。
特に体積平均粒径が0.01〜5μmさらには0.1〜3μmの破砕粒子を用いると、表面粗さの小さい高精度な研磨を高い研磨レートで行うことが可能となり得る。なお、「体積平均粒径」は、測定対象であるサンプル(破砕粒子の粉末)について、その構成する各粒子の直径(粒径:d)にそれぞれの粒子の体積占有率(重み:v/V)をかけて求めた総和(Σd・v/V)である(Vはサンプル全体の体積)。具体的には、レーザー回折散乱式粒度分布計(堀場製作所製LA750)を用いてJIS Z8825−1に準じて測定される。
なお、酸化ジルコニウムからなる無機材(酸化ジルコニウム粒子等)の粉砕は、乾式ジェットミル、湿式ジェットミル、乾式ボールミル、湿式ボールミル、ビーズミル、撹拌ミル等を用いて行うことができる。
(2)本発明に係る複合砥粒のシェル部を構成する微粒子は、酸化セリウム(CeO)を主成分とすれば足り、セリウム以外の希土類元素(La、Nd、Pr等)、改質元素、不可避不純物等を含有していてもよい。微粒子の形状、サイズ、製法等も問わない。微粒子は、例えば、平均粒径が3〜100nmさらには5〜50nmであると好ましい。その平均粒径が過小では研磨能率が低下し、過大では基粒子表面に結合しにくくなる。
(3)本発明の研磨材は、上述した複合砥粒を少なくとも一部含むものであればよい。従って複合砥粒以外の異なる研磨粒子(砥粒)を一種または複数種含むものでもよい。複合砥粒の具体的な組成、サイズ、形状等も問わない。
複合砥粒を構成する基粒子と微粒子の割合も問わないが、複合砥粒全体を100質量%としたときに、基粒子は50〜95質量%さらには55〜90質量%、逆にいうと微粒子は5〜50質量%さらには10〜45質量%であると好ましい。微粒子が過少になると研磨性の向上を図れず、微粒子が過多になると酸化セリウム量の低減を図れない。
また基粒子の粒径(D)と微粒子の粒径(d)は相対的であり、粒径比(D/d)が500〜2さらには200〜3であると好ましい。微粒子である酸化セリウム粒子(セリア粒子)は凝集し易い粒子であるため、粒径比が過小では複合化が困難となる。逆に粒径比が過大では均一的なシェル部の形成が困難となる。
(4)なお、本発明に係る複合砥粒を用いた場合も、そのシェル部は酸化セリウムの微粒子からなるため、化学機械研磨(CMP)作用が生じていると考えられる。化学機械研磨作用とは、研磨中に酸化セリウムがガラスと化学反応を生じて研磨対象の研磨面が化学的に軟らかくなり、研磨性が向上する現象である。この化学機械研磨作用が生じると、研磨材よりも硬質な対象も研磨可能となり、さらには研磨粒子の粒径等を厳しく管理しなくても高精度な研磨が可能となる。
しかも、酸化セリウムによる化学機械研磨作用は水中で生じるため、研磨対象と化学反応し得る分散媒をわざわざ用いる必要もない。研磨スラリーの分散媒等に水を用いることにより、研磨対象以外の腐食等が低減されて好都合である。
《研磨材の製造方法》
本発明に係る複合砥粒は、例えば、前述したような調製工程または中和工程を行った後、分離工程、焼成工程および粉末化工程を経て得られる。
(1)調製工程は、例えば、イオン交換水などの分散媒に基粒子(酸化ジルコニウム粒子)を分散させた基粒子分散液と微粒子(酸化セリウム粒子)を分散させた微粒子分散液を混合して混合分散液を得る工程である。
一方、中和工程は、酸化ジルコニウムからなる基粒子が存在する状況下で、セリウム溶液を中和して、中和液中からセリウムを含む粒子を生成させる工程である。この中和工程は、例えば、硝酸セリウム等のセリウム塩をイオン交換水等に溶解させたセリウム溶液へ酸化ジルコニウム粒子(基粒子)を加えた後、さらに、塩基を加えて中和する工程である。このような塩基(アルカリ性液)として、例えば、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液、炭酸アンモニウム水溶液、炭酸水素アンモニウム水溶液等を用いることができる。
この他、中和工程は、アンモニア水などのアルカリ性液に酸化ジルコニウム粒子を分散させた基粒子分散液へ、セリウム溶液を加えて中和する工程でもよい。いずれの場合でも、溶液を撹拌しつつ徐々に中和工程を行うことにより、最終的に、基粒子の外表面に酸化セリウムが均一的に分布した複合砥粒が得られ易くなる。なお、中和工程後に得られる中和液のpHは問わない。
中和工程で得られた中和液中には、基粒子の他、Ce(OH)、Ce(CO 等の固体(沈殿物)が共存した状態となっている。この中和液を固液分離して得られた固体を加熱等すると、Ce(OH)、Ce(CO 等が脱水されて非常に微細な酸化セリウム粒子が生成(合成)される(焼成工程)。しかも、これら微細な酸化ジルコニウム粒子は、酸化ジルコニウム粒子の表面に付着(結合)した状態となって生成される。こうして得られた塊状物を適当に解砕すると、所望の複合砥粒を得ることができる(粉末化工程)。
調製工程を行う場合も中和工程を行う場合も、具体的な条件設定を別にすれば、それら工程後に行う分離工程、焼成工程および粉末化工程は基本的に共通している。例えば、分離工程は、濾別や遠心分離などにより行える。焼成工程は、電気炉を用いて大気中で900〜1200℃で1〜3時間程度の加熱することにより行える。粉末化工程は、焼成物を乾式ジェットミル、ミキサー等で解砕または粉砕することにより行える。
《研磨対象》
本発明の研磨材による研磨対象(被研磨材)として、各種のガラス、半導体基板、金属基板などがある。もっとも酸化セリウムの化学機械研磨作用から、ガラスを被研磨材とすると好適である。特に高精度の研磨が要求される光学用レンズ、記録媒体用ガラス、プラズマまたは液晶のディスプレイパネル用ガラス、液晶TV用カラーフィルター用ガラス、LSI用フォトマスク用ガラス等の研磨に本発明の研磨材は好適である。
実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
《研磨材の製造》
〈試料No.1〜3〉
(1)原料
酸化ジルコニウム粒子(基粒子)からなるジルコニア粉末 (株式会社アドマテックス製を用意した。酸化ジルコニウム粒子は平均粒径0.8μmの破砕粒子であった。平均粒径はレーザー回折散乱式粒度分布計により求めた。この点は以下同様である。
また平均粒径20nmの酸化セリウム粒子(微粒子)がイオン交換水に分散したセリア分散液(多木化学株式会社製 ニードラールB−10)を用意した。
(2)製造
上記のジルコニア粉末とセリア分散液を撹拌しつつ混合して混合分散液を調製した(調製工程)。この際、酸化ジルコニウムと酸化セリウムが表1に示す割合となるように配合した。
こうして得られた混合分散液を素早く濾過操作により固液分離した(分離工程)。分離した固体(沈殿物)を電気炉により、1000℃×3時間加熱した(焼成工程)。得られた焼成物をミキサーを用いて解砕した(粉末化工程)。こうして表1に示す試料No.1〜3の研磨材となる粉末を得た。
〈試料No.4〉
硝酸セリウムをイオン交換水に溶解させて、濃度20質量%の硝酸セリウム水溶液を得た。この硝酸セリウム水溶液中へ前述したジルコニア粉末を加えて撹拌した。この際、最終的に酸化ジルコニウムと酸化セリウムが表1に示す割合となるように配合した。
得られた分散溶液中へ、塩基であるテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を少量ずつ撹拌しながら滴下した(中和工程)。なお、TMAH水溶液の滴下にはチューブポンプを用いた。こうして酸化ジルコニウムを含む硝酸セリウム溶液の中和液を得た。
上述した場合と同様にして、得られた中和液を固液分離し、分離した固体物を焼成し、その焼成物を解砕した。こうして表1に示す試料No.4の研磨材となる粉末を得た。
〈試料No.C1〜C3〉
比較試料として、市販の酸化セリウム研磨材(昭和電工製 SHOROX A−10)を用意した(試料No.C1)。また上述したジルコニア粉末のみからなる研磨材も用意した(試料No.C2)。さらに上述したジルコニア粉末とセリア分散液を表1に示す割合で混合しただけの研磨材も用意した(試料No.C3)。
《研磨》
(1)各試料の研磨材を分散媒中にそれぞれ分散させた研磨スラリーを調製した。分散媒にはpH調整したイオン交換水を用いた。研磨スラリー中における研磨材の分散量は、いずれも、スラリー全体に対して3質量%とした。なお、研磨スラリーの調製にはホモミキサーを用いた。
(2)研磨
こうして得られた各研磨スラリーを用いて、被研磨材であるソーダガラス(直径50mm、厚み2mmを研磨した。なお、研磨前に、ソーダガラスの表面を予めサンドペーパー(#400)ですりガラス状に粗らしておいた。
研磨には、片面研磨装置(株式会社エム・エー・ティ社製、BC−15)を用いた。この際、各研磨スラリーを25cc/minの割合で、ウレタン樹脂製の研磨パッド(九重電気株式会社製、KSP66A)上に滴下させつつ研磨した。
研磨スラリーを内包した研磨パッドと被研磨材であるソーダガラスとの面圧は約200g/cm、ソーダガラス上を摺動する研磨パッドの回転数は60r.p.m.とした。この研磨を30分間行った。
《測定》
(1)研磨レート
被研磨材(ソーダガラス)の質量を、研磨前および研磨後に測定した。研磨前後の質量変化をソーダガラスの断面積で除して、被研磨材の厚みの減少量に換算した研磨レート(μm/min)を求めた。この結果を表1に併せて示した。
(2)表面粗さ
研磨後のソーダガラスの表面を、非接触表面形状測定機(キャノン株式会社製NewView7200)により測定し、0.70mm×0.53mmの範囲の算術平均粗さRa(JIS)を求めた。この結果を表1に併せて示した。ちなみに研磨前のソーダガラスの表面粗さRaは約0.1〜0.2μm程度であった。
《観察》
上述した試料No.1および試料No.4の粒子(砥粒)を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。それぞれのSEM像を図1および図3に示した。また、各粒子について、SEM−EDX(エネルギー分散型X線分光法)により元素分析を行った結果を図2Aおよび図2B(両者をまとめて図2という。)と図4Aおよび図4B(両者をまとめて図4という。)にそれぞれ示した。
《評価》
(1)先ず、図1および図2から明らかなように、試料No.1に係る砥粒は、コア部を構成する酸化ジルコニウム粒子(基粒子)の表面に、シェル部を構成する酸化セリウム粒子(微粒子)が結合された複合砥粒となっていることが確認された。試料No.4に係る砥粒の場合、図3に示したSEM像ではコア部を構成する酸化ジルコニウム粒子の表面にシェル部を構成する酸化セリウム粒子が確認し難い。しかし、図4に示したZrおよびCeに関するEDX像では、ジルコニウムおよびセリウムが同様な場所で検出されている。このことから試料No.4に係る砥粒粒も、酸化ジルコニウム表面に酸化セリウムが合成された複合砥粒となっていることが確認された。
(2)このような複合砥粒からなる試料No.1〜4に係る研磨材を用いて研磨すると、試料No.C2のように酸化ジルコニウム粒子のみからなる砥粒や、試料No.C3のように酸化ジルコニウム粒子と酸化セリウム粒子が混在しただけの砥粒を用いた場合よりも、高い研磨レートが得られた。しかも、試料No.1〜4に係る研磨レートは、試料No.C1の酸化セリウム粒子のみからなる砥粒を用いた場合の研磨レートに近いものであった。
また試料No.1〜4に係る表面粗さは、試料No.C2に係る表面粗さと同等であり、試料No.C1や試料No.C3に係る表面粗さよりも良好であった。
(3)いずれにしも、試料No.1〜4のような本発明に係る複合砥粒を用いると、希少な希土類元素からなる砥粒(酸化セリウム粒子)の使用量を大幅に抑制しつつ、良好で効率的な研磨を行うことが可能となることがわかった。

Claims (4)

  1. 酸化ジルコニウムからなる基粒子により形成されたコア部と、該基粒子よりも粒径が小さく酸化セリウムからなる微粒子が該基粒子の外表面上に結合または生成して形成されたシェル部とにより構成された複合砥粒を含むことを特徴とする研磨材。
  2. 前記基粒子は、酸化ジルコニウムからなる無機材を破砕した破砕粒子である請求項1に記載の研磨材。
  3. 酸化ジルコニウムからなる基粒子と酸化セリウムからなる微粒子を分散媒に分散させた混合分散液を得る調製工程と、
    該混合分散液を固液分離して固体を抽出する分離工程と、
    該分離工程後の固体を加熱して焼成させた焼成物を得る焼成工程と、
    該焼成物を解砕して粉末とする粉末化工程とを備え、
    請求項1に記載の複合砥粒が得られることを特徴とする研磨材の製造方法。
  4. 酸化ジルコニウムからなる基粒子が存在する状況下でセリウム溶液を中和してセリウムを含む粒子を生成させた中和液を得る中和工程と、
    該中和液を固液分離して固体を抽出する分離工程と、
    該分離工程後の固体を加熱して焼成させた焼成物を得る焼成工程と、
    該焼成物を解砕して粉末とする粉末化工程とを備え、
    請求項1に記載の複合砥粒が得られることを特徴とする研磨材の製造方法。
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