JP2013121649A - 研磨材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 研磨加工を行う際の研磨パッド上での滞留性を向上させ、効率的に表面粗さを改善することができる研磨材を提供する。
【解決手段】 ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物を含有させた混合粉体又は固溶体からなる研磨材4。
【選択図】図1
【解決手段】 ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物を含有させた混合粉体又は固溶体からなる研磨材4。
【選択図】図1
Description
本発明は、研磨対象物を研磨するための研磨材に関する。
従来から、シリコン等の半導体基板、磁気ディスク用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板等の高精度な平坦性が要求される研磨対象物では、研磨パッドを用いた研磨加工が行われている。このような研磨対象物に対して研磨を行う際は、一般的に研磨対象物をホルダー等に保持した状態で、研磨材を水に分散させた研磨スラリーを供給しながら、研磨定盤上に設けられた研磨パッドの研磨面に研磨対象物の被研磨面を押圧させて回転させることにより研磨が行われる。
このような磁気ディスク用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板等のガラス研磨の研磨材としては、従来から、例えば、セリア(酸化セリウム)、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、酸化鉄(べんがら)等の様々な材料が用いられている。近年では、研磨能率を向上させるために、酸化セリウムを主成分とする研磨材を用いたガラス研磨が多く行われているが(例えば、特許文献1参照)、酸化セリウムは、材料となるセリウムがレアアース(希少金属)であり、特定産出国への依存度が高いため、使用量を軽減させるために代替材料の利用が求められている。また、シリコンウェハ等の研磨材としては、例えば、シリカ(酸化珪素)等の材料が従来から用いられている。
しかしながら、従来から研磨材として用いられているジルコニア、酸化鉄、及びシリカは、研磨加工を行う際の研磨パッド上での滞留性が低いため、効率的に表面粗さを良くすることが難しいという問題がある。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、研磨加工を行う際の研磨パッド上での滞留性を向上させ、効率的に表面粗さを改善することができる研磨材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の研磨材は、ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物を含有させた混合粉体又は固溶体からなることを特徴としている。
請求項2に記載の研磨材は、平均粒径が0.1μm以上3.0μm以下であることを特徴としている。
請求項3記載の研磨材は、前記金属酸化物、前記非酸化物、前記金属又はこれらの混合物が、前記研磨材全体の質量を100wt%とした場合の10wt%以上40wt%以下の割合で含まれることを特徴としている。
請求項1に記載の研磨材によれば、ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物を含んでいるので、前記砥粒の動きを妨げ、研磨加工を行う際の研磨パッド上での滞留性を向上させることができる。これにより、研磨パッド上の研磨加工に作用する研磨材(砥粒)の個数を増加させることができるので、研磨能率を向上させることができるとともに表面粗さを低減させることができる。
請求項2に記載の研磨材によれば、平均粒径が0.1μm以上3.0μm以下であるので、水等に分散させた際の分散性を向上させることができる。
請求項3に記載の研磨材によれば、金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物は、前記研磨材全体の質量を100wt%とした場合の10wt%以上40wt%以下の割合で含まれるので、ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒の研磨作用を阻害することなく、より効率的に表面粗さを改善することができる。
以下、本発明に係る研磨材について説明する。本発明の研磨材は、ジルコニウム(Zr)、珪素(Si)、又は鉄(Fe)のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物を含めた混合粉体又は固溶体からなるものである。ジルコニウム、珪素、鉄の酸化物は、それぞれジルコニア(ZrO2)、シリカ(SiO2)、酸化鉄(FeO、Fe2O3、Fe3O4)であり、ジルコニアの複酸化物としては、例えば珪酸ジルコニウム等がある。
ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に添加される金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物としては、例えば比重が前記砥粒よりも大きいものを用いる。例えば、ジルコニウムの複酸化物である珪酸ジルコニウムを主成分とする砥粒を用いる場合には、比重が5以上、ジルコニウムの酸化物であるジルコニアを用いる場合には、比重が6以上の金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物を添加する。珪素の酸化物であるシリカを主成分とする砥粒の場合には、比重が3以上の金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物を添加すれば良い。また、酸化鉄を主成分とする砥粒の場合には、比重が5以上の金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物を添加すれば良い。尚、ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に添加される金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物は、必ずしも比重が前記砥粒よりも大きいものである必要はなく、滞留性を向上させることができる金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物であれば良く、例えばジルコニア(ZrO2:比重5.9)にシリカ(SiO2:比重2.2)等の比重が小さい金属酸化物等を添加しても良い。
このようなジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に添加する金属酸化物としては、例えば、酸化鉛(PbO:比重9.5)、三酸化タングステン(WO3:比重7.16)、酸化スズ(SnO2:比重6.95)、酸化ニッケル(NiO:比重6.7)、酸化銅(CuO:比重6.3)、酸化銀(Ag2O:比重7.14)等が用いられる。珪酸ジルコニウム又はシリカを主成分とする砥粒を用いる場合には、酸化鉄(FeO、Fe2O3、Fe3O4:比重4.9〜5.9)、酸化ジルコニウム(ZrO2:比重5.89)、酸化クロム(Cr2O3:比重5.21)等も用いることができる。また、金属酸化物としては、2種類の金属からなる酸化物である金属複酸化物を用いることも可能である。金属複酸化物としては、例えば、酸化バリウムジルコニウム(BaZrO3:比重5.52)、タングステン酸ジルコニウム(ZrW2O8:比重6.52)、酸化タングステンストロンチウム(SrWO4:比重6.2)、チタン酸バリウム(BaTiO3:比重6.1)等を用いることができる。シリカを主成分とする砥粒の場合には、珪酸ジルコニウム(ZrSiO4:3.9〜4.7)等の金属複酸化物を用いることもできる。
ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に添加する非酸化物としては、例えば、タングステンカーバイド(WC:比重15.5〜15.7)、炭化ジルコニウム(ZrC:比重6.73)等の炭化物の他、塩化銀(AgCl:比重5.56)、窒化チタン(TiN:比重5.24)等が用いられる。尚、非酸化物とは、金属単体ではなく、金属に酸素以外の元素を結合したものである。
ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に添加する金属としては、例えば、鉄(Fe:比重7.85)、タングステン(W:比重19.3)、錫(Sn:比重7.3)、鉛(Pb:比重11.3)、銅(Cu:比重9.0)、銀(Ag:比重10.5)、ニッケル(Ni:比重8.7)、真鍮(比重8.5)等が用いられる。尚、研磨材が混合粉体からなる場合には、ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に添加される金属酸化物、非酸化物、金属、又はこれらの混合物としては、研磨加工の際に研磨対象物の被研磨面に傷やスクラッチ等が生じるのを抑制するために硬度が前記砥粒よりも低く(ジルコニアを主成分とする砥粒の場合にはモース硬度7以下、シリカを主成分とする砥粒の場合にはモース硬度7未満、酸化鉄を主成分とする砥粒の場合にはモース硬度6未満)、前記砥粒の平均粒径よりも粒径分布で小さいものを含んでいることが好ましい。
ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒は、特に制限はないが、例えば、ジルコニアを主成分とする砥粒としては、従来から一般に市販されているユニバーサル・フォトニクス社やフェロ社製のジルコニアが80〜85wt%程度含まれているもの、フジミインコーポレーテッド社や第一稀元素化学工業社製のジルコニアが95wt%程度含まれているもの等がある。また、ジルコニウムの複酸化物を主成分とする砥粒としては、珪酸ジルコニウム等を用いることができる。シリカを主成分とする砥粒としては、従来から一般に市販されているシリカを主成分として80wt%以上含む砥粒を用いることができる。また、酸化鉄を主成分とする砥粒としては、従来から一般に市販されている酸化鉄を主成分として80wt%以上含む砥粒を用いることができる。
ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に含められる金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物は、研磨加工を行う際にジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒の研磨作用を阻害することなく、滞留性を向上させるために、研磨材全体の質量を100wt%とした場合の10wt%以上40wt%以下の割合で含められる。これにより、本発明の研磨材では、ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に含められる金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物が、研磨パッド上での動きを制限するように作用するので、図1に示すように、従来の研磨材として使用されていたジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒1を研磨材として水に分散させた研磨スラリーを研磨パッド2上に供給しながら、研磨対象物となる基板3を研磨した場合に比べて、本発明の研磨材4を用いた場合には、研磨パッド2上での滞留性を向上させることができる。つまり、図1の左側に示すように、従来のジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒1を研磨材として使用した場合には、滞留性が低いため、研磨を行う際に砥粒1が研磨パッド2上から流れやすいが、本発明の研磨材4は、図1の右側に示すように、従来と比べて研磨パッド2上から流れ難いため、研磨を行う際に作用する研磨材4が多く研磨パッド2上にある状態で滞留時間を長く維持することができるので、表面粗さを効率良く改善させることができる。尚、本発明の研磨材が、2種類以上の元素が互いに溶け合い、全体が均一の固相となる固溶体の場合には、ジルコニア、シリカ又は酸化鉄以外の元素の割合が50%以内になるように構成されていれば良い。
本発明の研磨材の平均粒径は、研磨加工を行う際の表面粗さ、研磨能率、及び水等の液体に分散させた場合の研磨スラリーの分散性を考慮して、0.1μm以上3.0μm以下になるよう形成されることが好ましい。尚、ジルコニアを主成分とする砥粒に金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物を含有させた混合粉体又は固溶体からなる研磨材の場合には、平均粒径は0.5μm以上3.0μm以下であれば分散性を向上させることができる。また、この研磨材の平均粒径は、研磨材の比重とも関連するものであり、より研磨特性を向上させるために、比重5の研磨材では平均粒径が5μm以下、比重6の研磨材では平均粒径が3μm以下、比重7の研磨材では平均粒径が2μm以下となるように形成されることが好ましい。また、研磨材の形状が、板状等の場合には、短径が上記の0.1μm以上3.0μm以下の範囲で、長径は10μm程度であっても良い。
本発明の研磨材の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒と添加物である金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物とを目的とする配合(比率)で混合し、これを湿式分級することにより、同じ沈降特性を示す混合粉体を得ることができる。この際、生成される混合粉体が上述した平均粒径を超えるような場合には、平均粒径が0.1μm以上3.0μm以下になるように適宜粉砕処理を行うことにより調整すれば良い。また、その他、従来公知の方法を適用しても良い。
以下、本発明の研磨材を用いた研磨の実施例及び従来の研磨材との比較について説明する。
(実施例1)
実施例1では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、酸化ジルコニウム砥粒(Universal Photonics社製ZIROX K0007):3wt%、酸化鉛:1wt%、水:96wt%、pH10.1の研磨スラリーを用いてソーダガラスの研磨を行った。
実施例1では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、酸化ジルコニウム砥粒(Universal Photonics社製ZIROX K0007):3wt%、酸化鉛:1wt%、水:96wt%、pH10.1の研磨スラリーを用いてソーダガラスの研磨を行った。
研磨条件については、以下に示すような条件で研磨を行った。また、実施例1,2及び比較例1,2の研磨結果については、研磨開始から開始後30分までの10分毎の研磨能率及び表面粗さを表1に示している。
(研磨条件)
研磨装置:MAT−BC25(MAT社製)
研磨パッド:KSP90(九重電気社製)
研磨圧力:20kPa
研磨定盤回転数:60rpm
ワークホルダー回転数:60rpm
スラリー流量:25mL/min
(研磨条件)
研磨装置:MAT−BC25(MAT社製)
研磨パッド:KSP90(九重電気社製)
研磨圧力:20kPa
研磨定盤回転数:60rpm
ワークホルダー回転数:60rpm
スラリー流量:25mL/min
(実施例2)
実施例2では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、酸化ジルコニウム砥粒(Universal Photonics社製ZIROX K0007):3wt%、三酸化タングステン:1wt%、水:96wt%、pH4.9の研磨スラリーを用いて実施例1と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
実施例2では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、酸化ジルコニウム砥粒(Universal Photonics社製ZIROX K0007):3wt%、三酸化タングステン:1wt%、水:96wt%、pH4.9の研磨スラリーを用いて実施例1と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
(比較例1)
比較例1では、研磨材として従来の酸化セリウム(昭和電工社製SHOROX A-10):3wt%を水:97wt%に分散させたpH7.1の研磨スラリーを用いて実施例1及び実施例2と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
比較例1では、研磨材として従来の酸化セリウム(昭和電工社製SHOROX A-10):3wt%を水:97wt%に分散させたpH7.1の研磨スラリーを用いて実施例1及び実施例2と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
(比較例2)
また、比較例2では、研磨材として従来の酸化ジルコニウム(Universal Photonics社製ZIROX K0007):3wt%を水:97wt%に分散させたpH6.7の研磨スラリーを用いて実施例1及び実施例2と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
また、比較例2では、研磨材として従来の酸化ジルコニウム(Universal Photonics社製ZIROX K0007):3wt%を水:97wt%に分散させたpH6.7の研磨スラリーを用いて実施例1及び実施例2と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
表1に示すように、金属酸化物として酸化鉛を用いた本発明の研磨材によりガラス研磨を行った実施例1では、研磨開始後20分及び30分での表面粗さが、従来の酸化セリウム砥粒及び酸化ジルコニウム砥粒を用いてガラス研磨を行った場合(比較例1及び比較例2)に比べて改善されている。また、金属酸化物として三酸化タングステンを用いた本発明の研磨材によりガラス研磨を行った実施例2では、研磨開始後10分での表面粗さが、従来の酸化セリウム砥粒及び酸化ジルコニウム砥粒を用いたガラス研磨よりも良い結果を得ている。また、実施例2では、従来の酸化セリウム砥粒を用いたガラス研磨よりも研磨能率が向上していることが示されている。このように、本発明の研磨材では、研磨パッド上での滞留性を向上させることができるので、研磨パッド上のガラス研磨に作用する研磨材の個数を増加させることができ、酸化セリウムを用いることなく、短時間で効率良く表面粗さを改善することができる。
(実施例3)
実施例3では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均粒径1μmのシリカ砥粒:3wt%、平均粒径0.7μmの三酸化タングステン:1wt%、水:96wt%、pH9.2の研磨スラリーを用いて2インチサファイア基板の研磨を行った。
実施例3では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均粒径1μmのシリカ砥粒:3wt%、平均粒径0.7μmの三酸化タングステン:1wt%、水:96wt%、pH9.2の研磨スラリーを用いて2インチサファイア基板の研磨を行った。
研磨条件については、以下に示すような条件で研磨を行った。また、表2は、当該実施例3及び比較例3の研磨結果について、研磨開始から1時間後の研磨能率及び表面粗さを示している。
(研磨条件)
研磨装置:片面研磨盤SPL−15(岡本工作機械製作所社製)
研磨パッド:SUBA800(ニッターハース社製)
研磨圧力:50kPa
加工速度:20m/min(研磨定盤回転数:60rpm)
研磨時間:1時間
スラリー流量:25mL/min
(研磨条件)
研磨装置:片面研磨盤SPL−15(岡本工作機械製作所社製)
研磨パッド:SUBA800(ニッターハース社製)
研磨圧力:50kPa
加工速度:20m/min(研磨定盤回転数:60rpm)
研磨時間:1時間
スラリー流量:25mL/min
(比較例3)
比較例3では、研磨材として平均粒径1μmのシリカ砥粒:3wt%を水:97wt%に分散させたpH9.2の研磨スラリーを用いて実施例3と同様の研磨条件にて2インチサファイア基板の研磨を行った。
比較例3では、研磨材として平均粒径1μmのシリカ砥粒:3wt%を水:97wt%に分散させたpH9.2の研磨スラリーを用いて実施例3と同様の研磨条件にて2インチサファイア基板の研磨を行った。
表2に示すように、研磨開始1時間後での表面粗さ及び研磨能率において、比較例3の三酸化タングステンを添加させていない従来のシリカ砥粒を用いて研磨を行った場合には、研磨能率が5.84nm/min、表面粗さが38nmRaであるのに対して、シリカ砥粒に金属酸化物として三酸化タングステンを用いた本発明の研磨材によりガラス研磨を行った実施例3では、研磨能率が7.69nm/min、表面粗さが32nmRaとなり、表面粗さとともに研磨能率も改善されている。
(実施例4)
次に、実施例4では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均粒径1μmの酸化鉄(べんがら)砥粒:3wt%、平均粒径3μmの酸化銅:1wt%、水:96wt%、pH6.3の研磨スラリーを用いてソーダガラスの研磨を行った。
次に、実施例4では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均粒径1μmの酸化鉄(べんがら)砥粒:3wt%、平均粒径3μmの酸化銅:1wt%、水:96wt%、pH6.3の研磨スラリーを用いてソーダガラスの研磨を行った。
研磨条件については、以下に示すような条件で研磨を行った。また、表3は、実施例4〜7及び比較例4の研磨結果について、研磨開始から開始後30分までの10分毎の表面粗さ及び研磨開始後30分の研磨能率を示している。
(研磨条件)
研磨装置:MAT−BC15(MAT社製)
研磨パッド:KSP90(九重電気社製)
研磨圧力:20kPa
研磨定盤回転数:60rpm
ワークホルダー回転数:60rpm
スラリー流量:25mL/min
(研磨条件)
研磨装置:MAT−BC15(MAT社製)
研磨パッド:KSP90(九重電気社製)
研磨圧力:20kPa
研磨定盤回転数:60rpm
ワークホルダー回転数:60rpm
スラリー流量:25mL/min
(実施例5)
実施例5では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均粒径1μmの酸化鉄(べんがら)砥粒:3wt%、平均粒径1μmの酸化ジルコニウム:1wt%、水:96wt%、pH5.1の研磨スラリーを用いて実施例4と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
実施例5では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均粒径1μmの酸化鉄(べんがら)砥粒:3wt%、平均粒径1μmの酸化ジルコニウム:1wt%、水:96wt%、pH5.1の研磨スラリーを用いて実施例4と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
(実施例6)
実施例6では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均粒径1μmの酸化鉄(べんがら)砥粒:3wt%、平均粒径1μmの酸化セリウム:1wt%、水:96wt%、pH6.1の研磨スラリーを用いて実施例4と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
実施例6では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均粒径1μmの酸化鉄(べんがら)砥粒:3wt%、平均粒径1μmの酸化セリウム:1wt%、水:96wt%、pH6.1の研磨スラリーを用いて実施例4と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
(実施例7)
また、実施例7では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均粒径1μmの酸化鉄(べんがら)砥粒:6wt%、平均粒径1μmの酸化ジルコニウム:2wt%、水:92wt%、pH5.1の研磨スラリーを用いて実施例4と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
また、実施例7では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均粒径1μmの酸化鉄(べんがら)砥粒:6wt%、平均粒径1μmの酸化ジルコニウム:2wt%、水:92wt%、pH5.1の研磨スラリーを用いて実施例4と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
(比較例4)
また、比較例4では、研磨材として従来の酸化鉄(べんがら)砥粒:3wt%を水:97wt%に分散させたpH6.1の研磨スラリーを用いて実施例4と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
また、比較例4では、研磨材として従来の酸化鉄(べんがら)砥粒:3wt%を水:97wt%に分散させたpH6.1の研磨スラリーを用いて実施例4と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
表3に示すように、酸化鉄砥粒に金属酸化物として、酸化銅、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムを添加させた本発明の研磨材によりガラス研磨を行った実施例4〜7では、研磨開始後10分、20分での表面粗さが、従来の酸化鉄砥粒を用いてガラス研磨を行った場合(比較例4)に比べて大幅に改善されている。特に、添加物として酸化ジルコニウムを用いた実施例5及び7では、研磨開始10分後から表面粗さが非常に改善されていることがわかる。また、表3に示すように、研磨能率においても実施例4〜7では、比較例4よりも研磨能率が向上している。尚、添加物として酸化銅を用いた実施例4の研磨開始10分後の表面粗さの向上の程度が低いのは、平均粒径が大きいために、酸化鉄砥粒とともに作用する粒径の細かいものの個数が少ないためと考えられ、添加する酸化銅の粒径を調整することにより表面粗さを改善することができる。
(実施例8)
実施例8では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均粒径0.56μmの酸化ジルコニウム砥粒:3wt%、平均粒径0.48μmのシリカ:1wt%、水:96wt%、pH6.89の研磨スラリーを用いてソーダガラスの研磨を行った。
実施例8では、本発明の研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均粒径0.56μmの酸化ジルコニウム砥粒:3wt%、平均粒径0.48μmのシリカ:1wt%、水:96wt%、pH6.89の研磨スラリーを用いてソーダガラスの研磨を行った。
研磨条件については、以下に示すような条件で研磨を行った。また、表4は、実施例8及び比較例5の研磨結果について、研磨開始から開始後30分までの10分毎の表面粗さ及び研磨開始後30分の研磨能率を示している。
(研磨条件)
研磨装置:MAT−BC15(MAT社製)
研磨パッド:KSP90(九重電気社製)
研磨圧力:20kPa
研磨定盤回転数:60rpm
ワークホルダー回転数:60rpm
スラリー流量:25mL/min
(研磨条件)
研磨装置:MAT−BC15(MAT社製)
研磨パッド:KSP90(九重電気社製)
研磨圧力:20kPa
研磨定盤回転数:60rpm
ワークホルダー回転数:60rpm
スラリー流量:25mL/min
(比較例5)
比較例5では、研磨材として従来の平均粒径0.56μmの酸化ジルコニウム砥粒:3wt%、水:97wt%に分散させたpH6.84の研磨スラリーを用いて実施例8と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
比較例5では、研磨材として従来の平均粒径0.56μmの酸化ジルコニウム砥粒:3wt%、水:97wt%に分散させたpH6.84の研磨スラリーを用いて実施例8と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
表4に示すように、酸化ジルコニウムに金属酸化物としてシリカを添加させた本発明の研磨材によりガラス研磨を行った実施例8では、研磨開始後10分での表面粗さが、従来の酸化ジルコニウム砥粒を用いてガラス研磨を行った場合(比較例5)に比べて大幅に改善されている、また、表4に示すように、研磨能率においても実施例8では、比較例5よりも研磨能率が3割以上向上している。
以上のように本発明では、ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物を添加させることによって、滞留性を向上させているが、これに代えて、砥粒の凝集性を利用することにより滞留性を向上させることもできる。つまり、従来は傷やスクラッチ等の原因として問題とされていた凝集を酸化ジルコニウム砥粒において意図的に生じさせ、図2に示すように、凝集された酸化ジルコニウム砥粒(凝集砥粒)11として平均粒径を大きくさせることによって動き難くし、研磨パッド2上での滞留性を向上させる。
具体的には、酸化ジルコニウム砥粒は、pH4.3〜pH5.2の範囲において凝集が起こりやすいことから、pH調整剤として硫酸第一鉄(FeSO4:比重1.78)を用いることにより酸化ジルコニウム砥粒の凝集を促進させる。実際に、この硫酸第一鉄:1wt%、酸化ジルコニウム砥粒(Universal Photonics社製ZIROX K0007):3wt%を水96wt%に分散させたpH4.3の研磨スラリーを用いて実施例1及び実施例2と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った結果、研磨開始後10分での表面粗さが0.86nmRa、研磨開始後20分での表面粗さが0.85nmRaとなり、研磨開始後10分での表面粗さについては、従来の酸化セリウムを用いたガラス研磨(比較例1)よりも良い結果を得ることができた。また、研磨能率については、研磨開始後10分での研磨能率が0.334μm/min、研磨開始後20分での研磨能率が0.36μm/minとなり、従来の酸化ジルコニウムを用いたガラス研磨(比較例2)よりも良い結果を得ることができた。尚、硫酸第一鉄の添加量は上記に限定されるものではなく、適宜調整しても良い。
尚、本発明に係る研磨材は、上述の形態に限るものではなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
本発明に係る研磨材は、研磨加工を行う際の表面粗さを短時間で効率良く改善することができる研磨材として特に有効に利用することができる。
1 ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒
2 研磨パッド
3 研磨対象物
4 研磨材
2 研磨パッド
3 研磨対象物
4 研磨材
Claims (3)
- ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物を含有させた混合粉体又は固溶体からなることを特徴とする研磨材。
- 平均粒径が0.1μm以上3.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の研磨材。
- 前記金属酸化物、前記非酸化物、前記金属又はこれらの混合物は、前記研磨材全体の質量を100wt%とした場合の10wt%以上40wt%以下の割合で含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨材。
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