JP6264529B2 - ガラス基板用研磨材 - Google Patents

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本発明は、研磨対象物であるガラス基板を研磨するためのガラス基板用研磨材に関する。
従来から、磁気ディスク用ガラス基板や液晶ディスプレイ用ガラス基板等のガラス質の研磨対象物の研磨加工では、高精度な平坦性や高い研磨能率が要求されている。このような研磨対象物に対して研磨を行う際は、一般的に研磨対象物をホルダー等に保持した状態で、研磨材を水に分散させた研磨スラリーを供給しながら、研磨定盤上に設けられた研磨パッドの研磨面に研磨対象物の被研磨面を押圧させて回転させることにより研磨が行われる。
このような磁気ディスク用ガラス基板や液晶ディスプレイ用ガラス基板等のガラス研磨の研磨材としては、従来から、例えば、セリア(酸化セリウム)、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、酸化鉄(べんがら)等の様々な材料が用いられている。近年では、研磨能率を向上させるために、酸化セリウムを主成分とする研磨材を用いたガラス研磨が多く行われているが(例えば、特許文献1参照)、酸化セリウムは、材料となるセリウムがレアアース(希少金属)であり、特定産出国への依存度が高いため、使用量を軽減させるために代替材料の利用が求められている。
また、本発明者らは、セリウムの代替材料として、ジルコニウム、珪素、又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に金属酸化物、非酸化物、金属又はこれらの混合物を含有させることにより、研磨加工を行う際の研磨パッド上での滞留性を向上させ、研磨能率を向上させることができる研磨材を発明した(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−060282号公報 特開2013−121649号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2では、非常に高い純度で化学的に安定している石英ガラスを研磨対象物とした場合には、効率的に表面粗さを改善し、研磨能率を向上させることが難しいという問題があった。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、研磨加工を行う際の研磨パッド上での滞留性を向上させ、研磨対象物が化学的に安定している石英ガラスの場合にも、効率的に研磨特性を向上させることができるガラス基板用研磨材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のガラス基板用研磨材は、研磨材用砥粒に酸化亜鉛(ZnO)を含有させた混合粉体又は固溶体からなるガラス基板用研磨材であって、
当該ガラス基板用研磨材を分散させた研磨スラリーのpHが、7.0<pH<8.0の範囲で、前記研磨材用砥粒と前記酸化亜鉛(ZnO)の ゼータ電位が異符号の領域にあり、更に、前記酸化亜鉛の平均粒径は、前記研磨材用砥粒の平均分散粒径に対して10%以上60%以下であることを特徴としている。
請求項2に記載のガラス基板用研磨材は、前記研磨材用砥粒の平均分散粒径は、0.3μm以上2.0μm以下であることを特徴としている。
請求項3に記載のガラス基板用研磨材は、ダイヤモンド、炭化ケイ素あるいはジルコニウム、セリウム、珪素、アルミニウム、クロム又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒であることを特徴としている。
請求項に記載のガラス基板用研磨材は、前記酸化亜鉛が、前記ガラス基板用研磨材全体の質量を100wt%とした場合の5wt%以上45wt%以下の割合で含まれることを特徴としている。
請求項1に記載のガラス基板用研磨材によれば、研磨材用砥粒に含有させる酸化亜鉛(ZnO)は、凝集作用が優れており、7.0<pH<8.0で、メイン砥粒である研磨材用砥粒と、添加する酸化亜鉛のゼータ電位が異符号となるスラリーの領域としているので、研磨材用砥粒を凝集させ、沈殿を速めることで、研磨パッド上での滞留性を向上させ、研磨加工に作用する研磨材(砥粒)の個数を増加させることができるので、化学的に安定している石英ガラスに対しても研磨能率を向上させることができる。また、研磨能率を向上させることができるので、研磨材用砥粒の使用量も軽減することができ、コストも軽減することができる。また、使用後の洗浄も比較的容易であり、環境にも優しいので、研磨装置や作業者への負担を軽減することができる。
請求項2に記載のガラス基板用研磨材によれば、研磨材用砥粒の平均分散粒径は、0.3μm以上2.0μm以下であるので、効率的に表面粗さを改善させることができる。
請求項3に記載のガラス基板用研磨材によれば、研磨材用砥粒は、ダイヤモンド、炭化ケイ素あるいはジルコニウム、セリウム、珪素、アルミニウム、クロム又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒であり、酸化亜鉛は、これらの砥粒に比べて硬度が低いので、研磨加工の際に研磨対象物の被研磨面に傷やスクラッチ等が生じるのを抑制することができる。
請求項に記載のガラス基板用研磨材によれば、酸化亜鉛は、前記研磨材全体の質量を100wt%とした場合の5wt%以上45wt%以下の割合で含まれるので、研磨材用砥粒の研磨作用を阻害することなく、より効率的に研磨能率を改善することができる。
本発明に係るガラス基板用研磨材による作用を説明するための概略説明図である。 本発明に係るガラス基板用研磨材を用いた研磨スラリーの沈降特性を示すグラフである。 本発明に係るガラス基板用研磨材を用いた研磨スラリーの滑落角の比較を示す図である。
以下、本発明に係るガラス基板用研磨材について説明する。本発明のガラス基板用研磨材は、研磨材用砥粒に酸化亜鉛(ZnO)を含有させた混合粉体又は固溶体からなるものである。研磨材用砥粒としては、例えば、ダイヤモンド、炭化ケイ素あるいはジルコニウム、セリウム、珪素、アルミニウム、クロム又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒等を用いることができるが、これに限定されるものではなく、従来公知のガラス研磨に使用される砥粒を用いても良い。尚、ジルコニウム、セリウム、珪素、鉄の酸化物は、それぞれジルコニア(ZrO)、セリア(CeO)、シリカ(SiO)、酸化鉄(FeO、Fe、Fe)であり、ジルコニアの複酸化物としては、例えば珪酸ジルコニウム等がある。これらの研磨材用砥粒の平均分散粒径としては、研磨加工の際の表面粗さを効率的に改善させるために、0.3μm以上2.0μm以下、より好ましくは、0.7μm以上1.3μm以下のものを用いる。
尚、ダイヤモンド、炭化ケイ素あるいはジルコニウム、セリウム、珪素、アルミニウム、クロム又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒は、特に制限はないが、例えば、ジルコニアを主成分とする砥粒としては、従来から一般に市販されているユニバーサル・フォトニクス社やフェロ社製のジルコニアが80〜85wt%程度含まれているもの、フジミインコーポレーテッド社や第一稀元素化学工業社製のジルコニアが95wt%程度含まれているもの等がある。また、ジルコニウムの複酸化物を主成分とする砥粒としては、珪酸ジルコニウム等を用いることができる。セリアを主成分とする砥粒としては、従来から一般に市販されているセリアを主成分として80wt%以上含む砥粒を用いることができる。シリカを主成分とする砥粒としては、従来から一般に市販されているシリカを主成分として80wt%以上含む砥粒を用いることができる。また、酸化鉄を主成分とする砥粒としては、従来から一般に市販されている酸化鉄を主成分として80wt%以上含む砥粒を用いることができる。
ダイヤモンド、炭化ケイ素あるいはジルコニウム、セリウム、珪素、アルミニウム、クロム又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に添加される酸化亜鉛(ZnO)は、亜鉛(Zn)の酸化物であって、比重が5.67であり、モース硬度が4〜5である。この酸化亜鉛としては、例えば、平均粒径が前記砥粒の平均分散粒径に対して10%以上60%以下、より好ましくは40%以上60%以下のものを用いる。また、酸化亜鉛は、ダイヤモンド、炭化ケイ素あるいはジルコニウム、セリウム、珪素、アルミニウム、クロム又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に比べてモース硬度が低いので、研磨加工の際に研磨対象物の被研磨面に傷やスクラッチ等が生じるのを抑制することができる。
また、酸化亜鉛は、ダイヤモンド、炭化ケイ素あるいはジルコニウム、セリウム、珪素、アルミニウム、クロム又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒の研磨作用を阻害することなく、滞留性を向上させるために、研磨材全体の質量を100wt%とした場合の5wt%以上45wt%以下、より好ましくは20wt%以上40wt%以下の割合で含められる。このように、本発明のガラス基板用研磨材では凝集作用が優れた酸化亜鉛が、ダイヤモンド、炭化ケイ素あるいはジルコニウム、セリウム、珪素、アルミニウム、クロム又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒に含まれることにより、砥粒を凝集させ、砥粒の沈殿を速めることで、研磨パッド上での滞留性を向上させることができる。つまり、図1に示すように、本発明のガラス基板用研磨材1を水に分散させた研磨スラリーを研磨パッド2上に供給しながら、研磨対象物となる石英ガラス基板3を研磨した場合には、吸着性に優れる酸化亜鉛11により砥粒12を吸着し、複合体として働くことで砥粒12の沈殿を速め、研磨パッド2上での滞留性を向上させることができる。これにより、研磨パッド2上での研磨加工に作用する研磨材(砥粒)の個数を増加させることができるので、研磨能率を向上させることができる。
尚、本発明のガラス基板用研磨材の平均粒径は、研磨加工を行う際の表面粗さ、研磨能率、及び水等の液体に分散させた場合の研磨スラリーの分散性を考慮して、0.5μm以上3.0μm以下になるよう形成されることが好ましい。また、pHは、砥粒の凝集性を高めるために、4〜10の範囲、好ましくは6〜8、より好ましくは7〜8の範囲に調整される。つまり、メイン砥粒である研磨材用砥粒(例えば、酸化ジルコニウム砥粒:等電点pH6.7)と、添加する酸化亜鉛(等電点pH9.4)のゼータ電位が異符号となるスラリーの領域になることが好ましい。
本発明のガラス基板用研磨材の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ダイヤモンド、炭化ケイ素あるいはジルコニウム、セリウム、珪素、アルミニウム、クロム又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒と添加物である酸化亜鉛とを目的とする配合(比率)で混合し、これを湿式分級することにより、同じ沈降特性を示す混合粉体を得ることができる。この際、生成される混合粉体が上述した平均粒径を超えるような場合には、平均粒径が0.5μm以上3.0μm以下になるように適宜粉砕処理を行うことにより調整すれば良い。また、ダイヤモンド、炭化ケイ素あるいはジルコニウム、セリウム、珪素、アルミニウム、クロム又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒を水に分散させた研磨スラリーに酸化亜鉛を適量添加し、酸化亜鉛の凝集作用を利用しても良い。また、その他、従来公知の方法を適用しても良い。
以下、本発明のガラス基板用研磨材を用いた研磨の実施例及び従来の研磨材との比較について説明する。
(実施例1)
実施例1では、本発明のガラス基板用研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均分散粒径0.7μmの酸化ジルコニウム砥粒(Universal Photonics社製):3wt%、平均粒径0.3μmの酸化亜鉛:1wt%、水:96wt%、pH7.33の研磨スラリーを用いて石英ガラスの研磨を行った。
研磨条件については、以下に示すような条件で研磨を行った。また、実施例1及び比較例1〜3の研磨結果については、研磨開始から開始後30分後の研磨能率、表面粗さ、及び研磨能率を表面粗さで割ったもの(P/R)を表1に示している。尚、P/Rは、研磨特性の優劣を示す指標の1つであり、値が高いほど研磨特性が優れていることを示すものである。
(研磨条件)
研磨装置:MAT−BC15(MAT社製)
研磨パッド:KSP90(九重電気社製)
研磨圧力:20kPa
研磨定盤回転数:60rpm
ワークホルダー回転数:60rpmスラリー流量:25mL/min
(比較例1)
比較例1では、研磨材として酸化ジルコニウム砥粒(Universal Photonics社製):3wt%を水:97wt%に分散させたpH6.9の研磨スラリーを用いて実施例1と同様の研磨条件にて石英ガラスの研磨を行った。
(比較例2)
比較例2では、研磨材として酸化ジルコニウム砥粒:3wt%、酸化銅(CuO):1wt%を水:96wt%に分散させたpH7.01の研磨スラリーを用いて実施例1と同様の研磨条件にて石英ガラスの研磨を行った。
(比較例3)
比較例3では、研磨材として酸化ジルコニウム砥粒:3wt%、三酸化タングステン(WO):1wt%を水:96wt%に分散させたpH5.56の研磨スラリーを用いて実施例1と同様の研磨条件にて石英ガラスの研磨を行った。
表1に示すように、酸化ジルコニウム砥粒に酸化亜鉛を添加させた本発明のガラス基板用研磨材を用いて石英ガラスの研磨を行った実施例1では、酸化ジルコニウム砥粒のみを用いた比較例1よりも研磨能率が改善されており、比較例2及び3と比較しても研磨能率が改善されている。研磨特性の優劣を示すP/Rでも最も高い値を示しており、化学的に安定している石英ガラスに対して有効であることがわかる。
Figure 0006264529
また、図2は、それぞれの研磨スラリーに対して、光電センサPX−10(キーエンス社製)を用いて計測を行った際の沈降特性を示しており、図2に示すように、酸化ジルコニウム砥粒に酸化亜鉛を添加させた実施例1の研磨スラリーの沈降速さは、酸化ジルコニウム砥粒のみを用いた比較例1よりも約30倍の速さになっており、他の比較例2及び3と比較しても沈降速度は速くなっている。
また、図3は、実施例1の平均粒径0.7μmの酸化ジルコニウム砥粒(Universal Photonics社製):3wt%、平均粒径0.3μmの酸化亜鉛:1wt%、水:96wt%、pH7.33の研磨スラリーと、比較例1の酸化ジルコニウム砥粒:3wt%を水:97wt%に分散させたpH6.9の研磨スラリーを研磨パッド(KSP90)にそれぞれ液量100μlを供給した際の滑落角の測定結果を示している。図3に示すように、比較例1では、滑落角43°で既に研磨パッドから研磨スラリーが滑落しているのに対して、本発明のガラス基板用研磨材を分散させた実施例1では、まだ研磨パッド上に研磨スラリーが滞留した状態であり、滑落角が大きいことがわかる。このようにメイン砥粒に酸化亜鉛を添加した研磨材を用いた場合には、研磨加工を行う際に、研磨パッドの回転に伴う遠心力によって研磨スラリーが研磨パッド上から排除されるのを抑制することができる。つまり、研磨パッド上での砥粒の滞留性を改善され、研磨加工に作用する研磨材(砥粒)の個数を増加させることができるので、研磨能率を向上させることができる。
次に、表2では、比較例4〜6として、酸化ジルコニウム砥粒に添加させる酸化亜鉛の平均粒径が実施例1とは異なる粒径のものを使用した際の石英ガラスの研磨結果を示している。
(比較例4)
比較例4では、研磨材として平均分散粒径0.7μmの酸化ジルコニウム砥粒:3wt%、平均粒径1.1μmの酸化亜鉛:1wt%、水:96wt%、pH7.53の研磨スラリーを用いて実施例1と同様の研磨条件にて石英ガラスの研磨を行った。
(比較例5)
比較例5では、研磨材として平均分散粒径0.7μmの酸化ジルコニウム砥粒:3wt%、平均粒径0.6μmの酸化亜鉛:1wt%、水:96wt%、pH7.55の研磨スラリーを用いて実施例1と同様の研磨条件にて石英ガラスの研磨を行った。
(比較例6)
比較例6では、研磨材として平均分散粒径0.7μmの酸化ジルコニウム砥粒:3wt%、平均粒径0.065μmの酸化亜鉛:1wt%、水:96wt%、pH7.63の研磨スラリーを用いて実施例1と同様の研磨条件にて石英ガラスの研磨を行った。
表2に示すように、メイン砥粒である酸化ジルコニウム砥粒の平均分散粒径に対して、半分程度の粒径である酸化亜鉛を添加させた実施例1が、比較例4のように酸化ジルコニウム砥粒の平均分散粒径より大きな粒径の酸化亜鉛を添加させた場合、比較例5のように酸化ジルコニウム砥粒の平均分散粒径と同程度の粒径の酸化亜鉛を添加させた場合、及び比較例6のように酸化ジルコニウム砥粒の平均分散粒径よりも1/10未満の粒径の酸化亜鉛を添加させた場合よりも研磨能率が大きく改善され、研磨特性も向上していることがわかる。
Figure 0006264529
(実施例2)
次に、実施例2では、本発明のガラス基板用研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均分散粒径1.2μmの酸化セリウム砥粒:3wt%、平均粒径0.3μmの酸化亜鉛:1wt%、水:96wt%、pH7.7の研磨スラリーを用いて実施例1と同様の条件にてソーダガラスの研磨を行った。
(実施例3)
実施例3では、本発明のガラス基板用研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均分散粒径1.2μmの酸化セリウム砥粒:3wt%、平均粒径0.6μmの酸化亜鉛:1wt%、水:96wt%、pH7.5の研磨スラリーを用いて実施例1と同様の条件にてソーダガラスの研磨を行った。
(比較例7)
比較例7では、研磨材として平均分散粒径1.2μmの酸化セリウム砥粒:3wt%を水:97wt%に分散させたpH6.9の研磨スラリーを用いて実施例1と同様の研磨条件にてソーダガラスの研磨を行った。
表3に示すように、酸化セリウム砥粒に酸化亜鉛を添加させた本発明のガラス基板用研磨材を用いてソーダガラスの研磨を行った実施例2及び3では、酸化セリウム砥粒のみを用いた比較例7よりも8%以上の研磨能率の改善がみられた。
Figure 0006264529
(実施例4)
次に、実施例4では、本発明のガラス基板用研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均分散粒径1.2μmの酸化セリウム砥粒:3wt%、平均粒径0.3μmの酸化亜鉛:1wt%、水:96wt%、pH7.7の研磨スラリーを用いて実施例2と同様の条件で、実施例2の研磨対象物であるソーダガラスに代えて、石英ガラスの研磨を行った。
(実施例5)
実施例5では、本発明のガラス基板用研磨材を分散させた研磨スラリーとして、平均分散粒径径1.2μmの酸化セリウム砥粒:3wt%、平均粒径0.6μmの酸化亜鉛:1wt%、水:96wt%、pH7.5の研磨スラリーを用いて実施例4と同様の条件にて石英ガラスの研磨を行った。
(比較例8)
比較例8では、研磨材として平均分散粒径1.2μmの酸化セリウム砥粒:3wt%を水:97wt%に分散させたpH6.9の研磨スラリーを用いて実施例4と同様の研磨条件にて石英ガラスの研磨を行った。
表4に示すように、酸化セリウム砥粒に酸化亜鉛を添加させた本発明のガラス基板用研磨材を用いて石英ガラスの研磨を行った実施例4及び5では、酸化セリウム砥粒のみを用いた比較例8よりも大幅に研磨特性が改善されており、特に酸化セリウム砥粒の粒径の半分程度の粒径の酸化亜鉛を用いた実施例5では、40%以上の研磨能率の改善がみられた。また、実施例4及び5では、実施例2及び3のソーダガラスを研磨対象とした結果よりも顕著な研磨特性の改善が得られており、メイン砥粒に対して酸化亜鉛を添加することにより、化学的に安定している石英ガラスに対する研磨特性を飛躍的に改善できることがわかる。
Figure 0006264529
尚、本発明に係るガラス基板用研磨材は、上述の形態に限るものではなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
本発明に係るガラス基板用研磨材は、研磨パッドを用いてガラス基板の研磨加工を行う際の研磨能率を改善することができる研磨材として利用することができ、化学的に安定している石英ガラスの研磨加工において特に有効に利用することができる。
ガラス基板用研磨材
11 酸化亜鉛
12 砥粒
2 研磨パッド
3 石英ガラス基板

Claims (4)

  1. 研磨材用砥粒に酸化亜鉛(ZnO)を含有させた混合粉体又は固溶体からなるガラス基板用研磨材であって、
    当該ガラス基板用研磨材を分散させた研磨スラリーのpHが、7.0<pH<8.0の範囲で、前記研磨材用砥粒と前記酸化亜鉛(ZnO)の ゼータ電位が異符号の領域にあり、更に、前記酸化亜鉛の平均粒径は、前記研磨材用砥粒の平均分散粒径に対して10%以上60%以下であることを特徴とするガラス基板用研磨材。
  2. 前記研磨材用砥粒の平均分散粒径は、0.3μm以上2.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板用研磨材。
  3. 前記研磨材用砥粒は、ダイヤモンド、炭化ケイ素あるいはジルコニウム、セリウム、珪素、アルミニウム、クロム又は鉄のいずれかの酸化物あるいは複酸化物を主成分とする砥粒であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス基板用研磨材。
  4. 前記酸化亜鉛は、前記ガラス基板用研磨材全体の質量を100wt%とした場合の5wt%以上45wt%以下の割合で含まれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガラス基板用研磨材。
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