JP2013122795A - 磁気ディスクガラス研磨用スラリー、該研磨用スラリーを用いた磁気ディスクガラス基板の製造方法及び磁気ディスクガラス基板 - Google Patents

磁気ディスクガラス研磨用スラリー、該研磨用スラリーを用いた磁気ディスクガラス基板の製造方法及び磁気ディスクガラス基板 Download PDF

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克明 宮谷
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Abstract

【課題】本発明は、研磨工程時にガラス板の外周側面が研磨用キャリアに含まれる繊維により損傷することを防止できる、磁気ディスクガラス研磨用スラリー、該研磨用スラリーを用いるガラス基板の製造方法及び磁気ディスクガラス基板を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、酸化セリウムを主成分とする粒子を含む磁気ディスクガラス研磨用スラリーであって、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子であり、且つチタニア、炭酸カルシウム、ベーマイト、酸化亜鉛、2酸化マンガンおよび3酸化2マンガンから選ばれる少なくとも1の酸化物粒子を含む磁気ディスクガラス研磨用スラリー、該研磨用スラリーを用いる磁気ディスクガラス基板の製造方法及び磁気ディスクガラス基板に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は研磨工程で使用する磁気ディスクガラス研磨用スラリー、磁気ディスクガラス基板の製造方法及び磁気ディスクガラス基板に関する。
一般に、磁気ディスクガラス基板の製造ラインは、少なくとも以下の工程1〜工程7を含む。
(工程1)フロート法、フュージョン法、リドロー法、またはプレス成形法などにより成形されたガラス板を、中央部に円形孔を有する円盤形状に加工した後、内周側面および外周側面を面取り加工する。
(工程2)ガラス板の内周または外周の少なくとも一方の側面部および面取り部を端面研磨する。
(工程3)ガラス板の上下主平面を研磨加工する。
(工程4)ガラス板を精密洗浄する。
(工程5)洗浄されたガラス板を乾燥させる。
(工程6)乾燥したガラス板の欠陥を目視又は光学方式表面観察機により検査する。
(工程7)検査したガラス基板をガラス基板収納容器に収納して包装する。
少なくとも上記工程1〜工程7を含むガラス基板の製造ラインにより製造されたガラス基板は製品として出荷される。
上記工程3の研磨工程においては、研磨用キャリアが研磨装置の遊星歯車機構により回転(自転しながら公転)することで、研磨用キャリアの保持穴に挿入されたガラス板と研磨面との相対変位によりガラス板の主平面を研磨する(例えば、特許文献1参照)。
研磨用キャリアは、樹脂材により円盤状に成形されており、外周側面に研磨装置のサンギヤと、研磨装置の外周縁部に形成されたインターナルギヤとに噛合する複数の歯が形成されたギヤ部が設けられ、ギヤ部の内側平面に複数のガラス板保持穴が設けられている。
研磨工程においては、研磨液を研磨パッドの研磨面に供給しながらガラス板の主平面(上下面)を研磨しており、研磨用キャリアの各ガラス板保持穴に収納保持されたガラス板は、研磨用キャリアのギヤ部が研磨装置のサンギヤ及びインターナルギヤに噛合して回転する際に主平面が研磨される。このように研磨用キャリアは、ギヤ部による回転駆動力及びガラス板と研磨パッドとの間の相対運動によって生じる研磨抵抗を受けるため、樹脂材のみでは強度不足になる。研磨用キャリアの強度は、ガラス等の繊維を樹脂材に含浸して積層することで高められている。
また、研磨用キャリアに含まれる繊維は硬いので、特に繊維が研磨用キャリアのガラス板保持穴内にはみ出していると、ガラス板に繊維が接触してガラス板の外周側面を傷つけるという問題が発生する。
そのため、研磨用キャリアの製造工程では、繊維と樹脂材料とを含む複合材料を用いて研磨用キャリアを成型し、研磨用キャリア平面部に複数のガラス板保持穴を加工した後に、ガラス板保持穴の内周壁面をバリ取り加工している。これにより、ガラス板保持穴の内周壁面は、大きな凹凸の無い平滑面に形成されるため、ガラス板の外周側面における損傷がある程度抑制される。
特開2008−6526号公報
上記従来の研磨用キャリアは、ガラス板保持穴の内周壁面にバリ取り加工を施しているが、ガラス板保持穴の内周壁面を平滑に加工しても、内周壁面と繊維とが同一面である。そのため、ガラス板の外周側面がガラス板保持穴の内周壁面に接触した際に研磨用キャリアに含まれる硬い繊維にも接触し、ガラス板の外周側面にキズが発生することを充分に防止できない。
また、研磨用キャリアの使用回数が増加するに伴いガラス板の外周側面がガラス板保持穴の内周壁面に接触する回数が増加すると、徐々に研磨用キャリアに含まれる繊維がガラス板保持穴の内周壁面からはみ出してガラス板の外周側面により強く接触し、ガラス板の外周側面にキズが発生しやすくなる。
また、研磨工程において、研磨用キャリアに含まれる繊維が擦られて微細な破片(例えば、ガラス粉)が発生すると、当該破片が研磨面に付着または研磨液に混入してガラス板の主平面を傷つけることがあった。
特に、研磨で用いる砥粒が平均粒子径0.1μmφ以上の酸化セリウムの場合、研磨パッドとガラス板との間での摩擦係数が大きく、研磨用キャリアにガラス板が強く接触される。この為、酸化セリウムの濃度を小さくした場合、この現象が顕著に現れることが問題となっている。
したがって、本発明は上記事情に鑑み、研磨工程時にガラス板の外周側面が研磨用キャリアに含まれる繊維により損傷することを防止できる、磁気ディスクガラス研磨用スラリー、該研磨用スラリーを用いるガラス基板の製造方法及び磁気ディスクガラス基板の提供を目的とする。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1.酸化セリウムを主成分とする粒子を含む磁気ディスクガラス研磨用スラリーであって、
酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子であり、且つチタニア、炭酸カルシウム、ベーマイト、酸化亜鉛、2酸化マンガンおよび3酸化2マンガンから選ばれる少なくとも1の酸化物粒子を含む磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
2.磁気ディスクガラス研磨用スラリーのpHが8以上であり、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子のpH8以上におけるζ電位がマイナスである前項1に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
3.酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子がチタニア、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、2酸化マンガンおよび3酸化2マンガンから選ばれる少なくとも1である前項1または2に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
4.酸化セリウムを主成分とする粒子を含む磁気ディスクガラス研磨用スラリーであって、
酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子を含み、
酸化セリウムを主成分とする粒子および酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子のpH8以上におけるζ電位をマイナスとする分散剤を含む磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
5.前記酸化セリウムを主成分とする粒子と、前記酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子との総固形分濃度が8質量%以上20質量%以下である前項1〜4のいずれか1に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
6.前記酸化セリウムを主成分とする粒子濃度が3質量%以上10質量%以下である前項1〜5のいずれか1に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
7.前記酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子が8未満のモース硬度をもつ酸化物の粒子である前項1〜6のいずれか1に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
8.前記酸化セリウムを主成分とする粒子の平均粒子径が前記酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子の平均粒子径より大きく、且つ体積分布の累積分布において、酸化セリウムを主成分とする粒子のD50から最大値の範囲と、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子のD50から最大値の範囲が交差せず、かつ酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子のD50から最大値が小さい値をとる前項1〜7のいずれか1に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
9.酸化セリウムを主成分とする粒子の平均粒子径が0.3μm以上2μm以下であり、前記研磨用スラリーに含有される酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子の平均粒子径が0.1μm以上である前項1〜8のいずれか1に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
10.pHが8以上12以下である前項1〜9のいずれか1に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
11.前項1〜10のいずれか1に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリーを用いる研磨工程を含むことを特徴とする磁気ディスクガラス基板の製造方法。
12.前項1〜10のいずれか1に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリーとガラス繊維と樹脂材とを含む複合材料からなる研磨用キャリアとを用いてガラス板を研磨する工程を含む磁気ディスクガラス基板の製造方法。
13.前記樹脂材が、エポキシ樹脂、アラミド樹脂およびフェノール樹脂から選ばれる少なくとも1を含む前項12に記載の磁気ディスクガラス基板の製造方法。
14.前項12または13に記載の磁気ディスクガラス基板の製造方法によって製造された磁気ディスクガラス基板であって、
外周側面は、最大径または縦横寸法が10μm以上となる凹形状欠陥の数が5個/mm以下である磁気ディスクガラス基板。
15.主平面と、内周側面と、外周側面と、中央部の円形孔とを有する円盤形状である前項14に記載の磁気ディスクガラス基板。
本発明の磁気ディスクガラス研磨用スラリーによれば、研磨用キャリアに形成されたガラス板保持穴の内周壁面から繊維がはみ出してきた場合でも、研磨工程時にガラス板保持穴に挿入されたガラス板の外周側面が損傷することを防止できる。
また、本発明の磁気ディスクガラス研磨用スラリーによれば、研磨用スラリーに含まれる酸化セリウムの濃度を下げた場合でもガラス板における傷の発生頻度が上がらないようにすることが可能である。
図1は、ガラス板の一実施例を示す斜視図である。 図2は、ガラス板の断面形状を示す断面斜視図である。 図3は、研磨用キャリアを示す図である。 図4は、本発明による研磨用キャリアが用いられる両面研磨装置の構成を示す正面図である。 図5は、研磨用キャリアを両面研磨装置に取付けた研磨工程を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、本明細書において、「磁気ディスクガラス」とは、磁気ディスクガラス基板になる前のガラス板をいう。
〔磁気ディスクガラス基板の構成、製造〕
図1はガラス板の一実施例を示す斜視図である。図1に示されるように、磁気ディスクガラス基板を製造する工程では、先ず、フロート法、フュージョン法、リドロー法、またはプレス成形法で成形されたSiOを主成分とするガラス板を製作し、外径65mm、内径20mm、板厚0.635mmの寸法のガラス板10が得られるようにガラス板を加工する。ガラス板10は、両主平面11の中央部に円形孔12を有する円盤状に形成され、内周側面13と、外周側面14とを有する。
図2はガラス板の断面形状を示す断面斜視図である。図2に示されるように、ガラス板10の内周側面13及び外周側面14を面取り幅0.15mm、面取り角度45度の面取り部15、16のガラス板が得られるように加工を施す。その後、ガラス板10の内周側面13、外周側面14及び内周面取り部15、外周面取り部16を、研磨ブラシと酸化セリウム砥粒を用いて研磨して微細なキズを除去する。次いでガラス板10の表面に付着した砥粒を洗浄し、除去する。
ガラス板10の上下主平面11を研磨する研磨方法としては以下の研磨方法がある。
本実施例の磁気ディスクガラスの研磨方法では、研磨装置の定盤の研磨面を、研磨用キャリアのガラス板保持穴に保持されたガラス板10の主平面11に押圧し、研磨液を研磨面とガラス板10との間に供給すると共に、研磨用キャリアと研磨面とを相対的に動かしてガラス板10の主平面11を研磨する。
ここで、磁気ディスクガラスの研磨方法の具体例について説明する。
(I)研磨方法Aとしては、研磨装置の定盤に装着した固定砥粒工具の研磨面と研磨液を用いてガラス板10の主平面11を研磨する固定砥粒研磨方法(固定砥粒研磨工程)がある。
(II)研磨方法Bとしては、研磨装置の定盤の研磨面と砥粒を含有する研磨液を用いてガラス板10の主平面11を研磨する遊離砥粒研磨方法(遊離砥粒研磨工程)がある。
(III)研磨方法Cとしては、研磨装置の定盤に装着した研磨パッドの研磨面と砥粒を含有する研磨液を用いてガラス板10の主平面11を研磨する鏡面研磨方法(鏡面研磨工程)がある。
尚、上記研磨方法A〜Cは、目的に応じて適宜選択される。例えば、ガラス板の板厚を揃える、ガラス板の平坦度を所望の値とするように研磨する場合は、アルミナ砥粒などの遊離砥粒を含む研磨液を用いてガラス板10の上下主平面11をラップ加工する上記研磨方法B、または固定砥粒工具と研磨液を用いてガラス板10の上下主平面11を研削加工する上記研磨方法Aが適用される。
また、磁気ディスク用のガラス板10の両主平面11を、例えば、波長405nmのレーザー光を用いて測定した60nm〜160nmの表面うねりnWaが0.3nm以下となるように研磨する場合は、上記研磨方法Cが適用される。
〔磁気ディスクガラス基板の製造工程〕
(形状加工工程)
フロート法、フュージョン法、リドロー法、またはプレス成形法により成形されたガラス板を、中央部に円形孔を有する円盤形状に加工した後、内周側面と外周側面を面取り加工する。
(端面研磨工程)
上記面取り加工したガラス板10の外周側面14と外周面取り部16を研磨して、外周側面14と外周面取り部16のキズを除去し、鏡面にする(外周端面研磨)。外周端面研磨は、例えは研磨ブラシと砥粒を含有する研磨液を用いて行う。ガラス板10の内周側面13と内周面取り部15も、鏡面となるように研磨することが好ましい(内周端面研磨)。
(固定砥粒研磨工程又は遊離砥粒研磨工程)
上記端面加工が終了したガラス板10の上下主平面11を、ダイヤモンド砥粒を含有する固定砥粒工具と研磨液、又はアルミナ砥粒を含有する研磨液とラップ定盤を用いて研磨加工する[前述した研磨方法A(固定砥粒研磨工程)又は研磨方法B(遊離砥粒研磨工程)に相当する]。
(1次鏡面研磨工程〔以下、「1次研磨」という。〕)
ガラス板10は、後述する両面研磨装置(図5を参照)により上下主平面11が1次研磨される。1次研磨工程では、例えば、研磨具として硬質ウレタン製の研磨パッドと、酸化セリウムを主成分とする砥粒を含有する研磨液とを用いる(前述した研磨方法C(鏡面研磨工程)に相当する)。
1次研磨終了後のガラス板10は、研磨具として軟質ウレタン製の研磨パッドと、平均粒子直径が酸化セリウムを主成分とした研磨液とを用いて上記両面研磨装置により上下主平面11を2次研磨する。
(3次鏡面研磨工程〔以下、「3次研磨」という。〕)
2次研磨終了後のガラス板10は、研磨具として軟質ウレタン製の研磨パッドと、コロイダルシリカを含有する研磨液を用いて上記両面研磨装置により上下主平面11が3次研磨される。3次研磨では、一次粒子の平均粒子直径が20〜30nmのコロイダルシリカを主成分とする研磨液を用いてガラス板10の上下主平面11を研磨して仕上げる。
(洗浄、乾燥工程)
3次研磨が終了したガラス板10は、洗剤によるスクラブ洗浄、洗剤溶液に浸漬した状態での超音波洗浄、および純水に浸漬した状態での超音波洗浄を順次行い、イソプロピルアルコール蒸気にて乾燥される。
(検査工程)
上記洗浄および乾燥を施したガラス板10は、ガラス板10の上下主平面11のキズなどの欠陥の有無またはガラス板10の形状特性を検査し、検査に合格したものが製品として出荷される。
〔磁気ディスクガラス研磨用スラリーの構成〕
本発明の磁気ディスクガラス研磨用スラリーは、1次研磨および2次研磨について、ガラス繊維と樹脂材とを含む複合材料からなる研磨用キャリアを用いる場合に好適に用いられる。前記樹脂材は、エポキシ樹脂、アラミド樹脂およびフェノール樹脂から選ばれる少なくとも1を含むことが好ましい。
本発明の磁気ディスクガラス研磨用スラリー(以下、「本発明の研磨用スラリー」ともいう)は、酸化セリウムを主成分とする粒子、酸化セリウムを含まない酸化物粒子(「酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子」ともいう)、及び水を含む。
本発明の研磨用スラリーは、さらに、粒子の分散性を付与する分散剤、ガラス板または研磨パッドとの濡れ性を改善させる目的で界面活性剤、pHを調整する為の酸またはアルカリなどのpH調整剤を含んでもよい。
(酸化セリウムを主成分とする粒子)
本発明の研磨用スラリーには酸化セリウムを主成分とする粒子が含まれる。「酸化セリウムを主成分とする粒子」とは、粒子における酸化セリウムの含有量が50質量%以上である粒子をいう。酸化セリウムを主成分とする粒子としては、例えば、一般的にガラス研磨用として市販されているランタニウムとフッ素を含む粒子、ランタニウムのみを含む粒子、または純セリアが挙げられる。
研磨レートの観点から考えると、研磨用スラリーにおける酸化セリウムを主成分とする粒子(固形分)の濃度は3質量%以上10質量%以下であることが好ましい。3質量%以上とすることにより、十分なレートを得ることができる。
酸化セリウムを主成分とする粒子の平均粒子径は、0.3μm以上2μm以下であることが好ましく、0.2μm以上1μm以下であることがより好ましい。0.3μm以上とすることにより、研磨レートを向上することができる。また、2μm以下とすることにより、研磨用スラリーにおける酸化セリウムを主成分とする粒子の分散性を維持し易いため好ましい。なお、平均粒子径は実施例で後述する方法により測定する。
(酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子)
本発明の研磨用スラリーには酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子が含まれる。酸化セリウムを主成分とする粒子を含む研磨用スラリーに、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子を添加することで、研磨用スラリーの粘度を高めて、ガラスの端面と研磨用キャリアのホールの内周部分との接触確率を下げることが可能になり、ガラス外周部の傷を低減することが出来るようになる。
酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子としては、研磨に寄与する酸化セリウムを主成分とする粒子の分散性を悪化させない、また、研磨の邪魔になるような作用(遮蔽効果、またはガラスに吸着する効果)がない酸化物粒子であることが好ましい。また、粒子の硬度が一般的なガラスの硬度と同等か、それ以下であることが好ましい。
酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子は、好ましくはpH8以上、より好ましくはpH8〜12の溶液中でζ電位がマイナスである酸化物粒子であることが好ましい。このような酸化物粒子としては、チタニア、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、2酸化マンガンおよび3酸化2マンガンが挙げられる。
酸化セリウムはpH8以上でζ電位がマイナスであることから、同じマイナス電位を持つ酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子を研磨用スラリーに含有させることで、酸化セリウムを主成分とする粒子と酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子とがお互いに反発し、凝集沈殿するのを抑制し、研磨用スラリーの分散性が悪化するのを防ぎ、研磨工程時にガラス板保持穴に挿入されたガラス板の外周側面が損傷することを防止できる。
また、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子としては、酸化セリウムを含む粒子と共通の分散剤を使用できる粒子であれば、なおよい。
遮蔽効果を小さくする為には、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子の平均粒子径が酸化セリウムを主成分とする粒子の平均粒子径より小さいことが好ましい。
また、レーザー散乱法を用いた測定装置(例えば、日機装製MT3300−EX2または堀場製作所製LA950)を用いて測定した場合の粒度分布曲線が、酸化セリウムを主成分とする粒子を測定した場合の粒度分布曲線を大粒径側に超えないことがより好ましい。
すなわち、体積分布の累積分布において、横軸を粒子径、縦軸を頻度とした場合、酸化セリウムを主成分とする粒子のD50から最大値の範囲と、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子のD50から最大値の範囲が交差せず、かつ酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子のD50から最大値が小さい値をとることが好ましい。
ガラス面を研磨する際に、研磨能力が酸化セリウムを主成分とする粒子より低い、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子の平均粒子径を小さくすることにより、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子が酸化セリウムを主成分とする粒子とガラス板との接触を妨げることなく、ガラス板を研磨することができる。
酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子の平均粒子径は、0.1μm以上であることが好ましく、0.2μm以上であることがより好ましい。0.1μm以上とすることにより、研磨用スラリーにおける分散状態を維持し易いため好ましい。
酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子の硬度については、研磨されるガラスまたは酸化セリウムを含む粒子より柔らかいものが好ましい。一般的なガラスはモース硬度が7〜8であることから、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子は、硬度は8未満である酸化物の粒子であることが好ましい。酸化アルミニウムおよびジルコニアに関しては、モース硬度が9であり不適である。
研磨されるガラスよりも粒子の硬度を低くすることにより、ガラスに傷が入りにくくなり、好ましい。また、酸化セリウムを主成分とする粒子より酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子の硬度を低くすることにより、酸化セリウムを主成分とする粒子により形成される良質な研磨面を荒らすのを抑制できるため好ましい。
このような硬度に係る条件を満たす粒子としては、チタニア、炭酸カルシウム、ベーマイト、酸化亜鉛、2酸化マンガンおよび3酸化2マンガンから選ばれる少なくとも1の粒子を含む粒子が挙げられる。
研磨用スラリー中にガラス成分が混入し、溶解度を超えるとゲルとなり、該ゲルが研磨パッドの目詰まりを促進するか、または研磨砥粒の周りに付着して研磨レートを低下させるなど、研磨に悪影響を及ぼす。酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子としてシリカ系の粒子を用いるとシリカ系の粒子は、該ゲルが成長する核となるおそれがあることから、シリカ系以外の粒子を用いることが好ましい。
研磨用スラリーにおける前記酸化セリウムを主成分とする粒子と、前記酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子との総固形分濃度は8質量%以上20質量%以下であることが好ましく、8質量%以上12質量%以下であることがより好ましい。前記酸化セリウムを主成分とする粒子と、前記酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子との総固形分濃度を8質量%以上とすることにより粘度が上がり端面のダメージを抑制できる。また、20質量%以下とすることにより、スラリーの分散を維持しやすい。
(分散剤)
本発明の研磨用スラリーは、酸化セリウムを主成分とする粒子と酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子とのpH8以上におけるζ電位をマイナスとする分散剤を含むことが好ましい。特にベーマイトの粒子を含む場合はそのような分散剤を含有することが好ましい。
このような分散剤を研磨用スラリーに含有させることで、酸化セリウムを主成分とする粒子と酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子とのpH8以上におけるζ電位のマイナスの電荷を大きくし、研磨用スラリーにおける分散性を向上することができる。
なお、研磨用スラリーに含まれる研磨砥粒のζ電位をマイナスとする理由としては、ガラスの研磨のメカニズムとして、ガラス表面のSi−OHと酸化セリウム表面のCe−OHとがこすれてSi−O−Ceの結合を作り、ガラスのSiが抜かれて、ガラス表面が研磨される。そのため、研磨砥粒表面およびガラス表面のζ電位をマイナスとしておくことが好ましい。
分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸塩、ポリスルフォン酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、クエン酸塩または2リン酸塩が挙げられる。酸化セリウムを主成分とする粒子と酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子の種類により、適宜好ましい種類の分散剤を研磨用スラリーに添加することが好ましい。
研磨用スラリーに酸化セリウムが含まれる場合の分散剤としては、ポリアクリル酸塩、ポリスルフォン酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、クエン酸塩、または2リン酸塩が好ましい。
研磨用スラリーにチタニアが含まれる場合の分散剤としては、ポリアクリル酸塩、またはアクリル酸−マレイン酸共重合体の塩が好ましい。
研磨用スラリーに炭酸カルシウムが含まれる場合の分散剤としては、ポリアクリル酸塩、ポリスルフォン酸塩、またはアクリル酸−マレイン酸共重合体の塩が好ましい。
研磨用スラリーにベーマイトが含まれる場合の分散剤としては、ポリアクリル酸塩、ポリスルフォン酸塩、またはアクリル酸−マレイン酸共重合体の塩が好ましい。
研磨用スラリーに酸化亜鉛が含まれる場合の分散剤としては、ポリアクリル酸塩、またはアクリル酸−マレイン酸共重合体の塩が好ましい。
研磨用スラリーに2酸化マンガンまたは3酸化2マンガンが含まれる場合の分散剤としては、ポリアクリル酸塩、ポリスルフォン酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、クエン酸塩、または2リン酸塩が好ましい。
研磨用スラリーに添加する分散剤の量は、酸化物粒子全部を100質量部として、0.1質量部以上2質量部以下であることが好ましい。0.1質量部以上とすることにより、pH8以上において酸化セリウムを主成分とする粒子と酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子とのζ電位をマイナスとすることができる。また、2質量部以下とすることにより、分散剤が凝集剤として機能するのを抑制することができる。
〔両面研磨装置の構成〕
図3は、研磨用キャリアを示す図であり、図4は研磨用キャリアが用いられる両面研磨装置の概略構成を示す正面図であり、図5は、研磨用キャリアを両面研磨装置に取付けた研磨工程を示す斜視図である。
図4に示されるように、両面研磨装置200は、複数のガラス板の上主平面及び下主平面を同時に研磨するように構成されており、基台220と、上定盤201と、下定盤202と、昇降機構208とを有する。基台220の上部には、下定盤202が回転可能に支持されており、基台220の内部には、上定盤201を駆動する定盤駆動モータが取り付けられている。
上定盤201は、下定盤202の上方に対向配置され、研磨用キャリア20A(又は研磨用キャリア20B)に保持された複数のガラス板10の上主平面11を研磨する上側研磨面130を有する。また、下定盤202は、研磨用キャリア20A(又は研磨用キャリア20B)に保持された複数のガラス板10の下主平面11を研磨する下側研磨面140を有する。
昇降機構208は、基台220の上方に起立する門型のフレーム206により支持されており、ガラス板交換時に上定盤201を上昇させる昇降用シリンダ装置209を有する。昇降用シリンダ装置209は、フレーム206の中央に取り付けられている。昇降用シリンダ装置209のピストンロッド254は、下方に延在しており、その下端部には上定盤201を支持する支持機構207が連結されている。
支持機構207は、下方に延在する支柱207aと、上定盤201の上面に固定された固定ベース207bとを有する。固定ベース207bには、定盤駆動モータの回転軸150に設けられた溝262aに結合されるロック機構260が設けられている。
ロック機構260は、溝262aに結合されるロックピン281と、ロックピン281を固定ベース207bに連結する軸282とを有する。
上定盤201は、昇降用シリンダ装置209のピストンロッド254の昇動作によりガラス板交換時に上昇し、研磨時には降下する。また、昇降機構208の昇降用シリンダ装置209、及び定盤駆動モータは、制御部210により制御される。
〔磁気ディスクガラスの研磨の作業手順〕
ここで、ガラス板の研磨の作業手順について説明する。
(手順A1) 研磨用キャリア20Aを下側研磨面140上に装着する。そして、未研磨のガラス板10をガラス板用の研磨用キャリア20Aの各ガラス板保持穴21に挿入する。
(手順A2) 次に、図4に示されるように、両面研磨装置200の昇降用シリンダ装置209を作動させてピストンロッド254を降下させ、上定盤201の上側研磨面130を被研磨体であるガラス板10の上主平面11に当接させる。
(手順A3) ロック機構260のロックピン281を、回転軸150の溝262aに結合させる。この後は、駆動モータにより上定盤201及び下定盤202、サンギヤ203及びインターナルギヤ205を回転させて上記研磨用キャリア20Aの各ガラス板保持穴21に挿入された各ガラス板10の上、下主平面11を同時に研磨する。
(手順A4) ガラス板10の研磨終了後、両面研磨装置200の昇降用シリンダ装置209を作動させてピストンロッド254を上昇させ、上定盤201の上側研磨面130を研磨用キャリア20A(20B)から離間させる。そして、各ガラス板10を取出す。
前述した、固定砥粒研磨工程、遊離砥粒研磨工程、1次研磨工程〜3次研磨工程では、研磨条件(研磨パッドの種類、砥粒の種類、回転数、研磨時間など)を変えてそれぞれ上記手順1〜手順4を行う。
(手順A5) ガラス板10の研磨を終了したときは、両面研磨装置200による研磨を停止し、各ガラス板を取出して洗浄して検査工程へ搬送する。
〔磁気ディスクガラス基板〕
上記の磁気ディスクガラス基板の製造方法により得られる本発明の磁気ディスクガラス基板の外周側面は、最大径または縦横寸法が10μm以上となる凹形状欠陥の数が5個/mm以下であることが好ましい。
前記凹形状欠陥の数が5個/mmであることにより、端面部分にゴミがたまり発塵する恐れが小さくなくなる為好ましい。凹形状欠陥の数は実施例において後述する方法により評価する。
また、本発明の磁気ディスクガラス基板は、主平面と、内周側面と、外周側面と、中央部の円形孔とを有する円盤形状であることが好ましい。
以下に本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
〔予察試験〕
(1)酸化セリウムを含む粒子のみで構成された研磨用スラリーの粘度測定
酸化セリウムを含む粒子のみで構成された研磨用スラリーにおいて、粒子(固形分)濃度を下げていくことで、研磨用キャリア内周部とガラス端面の接触が増えることから、ガラス端面の傷が増えるものと想定される。液物性としては、粘度が低下することでより接触しやすくなるものと考えられるため、粘度測定を実施した。
酸化セリウムを含む粒子としては、三井金属製のE30を用いた。この粒子を2.5質量%〜10質量%に各スラリーを調整し、粒子100質量部に対して1質量部の割合になるようにクエン酸ナトリウムを添加し、2時間攪拌した。この時の分散粒径(D50)は1.371μmであった。この後、L型粘度計(TOKI製RE−80L)を用いて25℃で粘度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2013122795
表1に示すように、研磨用スラリーの固形分濃度を下げることで、粘度が下がり、ガラス端面と研磨用キャリア内周部が接触しやすくなることがわかった。粘度と液膜とは相関があることから、粘度が高い研磨用スラリーの方が、研磨用キャリアの内周部分とガラス端面の接触が防ぐことが可能となる。
(2)酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子を添加した場合の研磨用スラリーの粘度測定
酸化セリウムを含む粒子を5質量%に固定し、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子を研磨用スラリーに添加することで、研磨用スラリーの粘度が上昇し、該研磨用スラリーを研磨工程に用いた際のガラス板への傷が付きにくくなる。
この現象を確認する為に各種酸化物粒子を添加し、あるいは添加なしとして研磨用スラリーの粘度を測定し、その効果を確認した。その結果を表2に示す。
表2において、分散粒子径(平均粒子径、D50)は、日機装製MT3300EXIIにより測定した。また、添加した各種酸化物粒子のモース硬度は、チタニアは7、酸化亜鉛は4、ベーマイトは3.5、炭酸カルシウムは3、マンガン酸化物(3酸化2マンガン)は、4である。
Figure 2013122795
表2に示すように、各種酸化物粒子を加えることにより、粘度が上昇し、ガラス端面と研磨用キャリア内周部との接触を抑える効果が発生すると考えられる。
〔研磨試験〕
モル%表示組成が概略、SiO:62%、Al:13%、MgO:3%、TiO:1%、ZrO:1%、LiO:11%、NaO:7%、KO:3%、であるガラス板から外径65mm、内径20mm、板厚0.635mmのドーナツ状ガラス円板を切り出し、内周面および外周面をダイヤモンド砥石により研削加工し、上下主表面を酸化アルミニウム砥粒を用いてラッピングした。
次に、内外周の端面について幅0.15mm、角度45°の面取り部を設ける面取り加工を行った。面取り加工後、内外周の端面について、研磨材として酸化セリウム砥粒を含むスラリーを用い、研磨具としてブラシを用いて、ブラシ研磨により鏡面加工を行った。
次に主表面の研磨を行った。研磨機は浜井産業製16B研磨機(研磨用キャリアはガラスエポキシ)を用いた。硬質ウレタン樹脂製の研磨パッドを用い、表3に示す研磨用スラリーを循環させて研磨試験を行った。その後、ガラスを取り上げ、流水洗浄後、アルカリ洗剤を含む洗浄液で超音波洗浄を行い、再び流水洗浄を行った。その後、ガラス板を乾燥させた。
その後、光学顕微鏡によりガラス端面の単位面積当たり(例えば、1mm当たり)に発生した最大径または縦横寸法が10μm以上のキズなどの凹形状欠陥をカウントした。ガラス板10の外周側面14において、大きさが10μm以上となる凹形状欠陥の数が5個/mm以下であれば、可(○)とした。結果を表3に示す。
Figure 2013122795
表3に示すように、酸化セリウムを主成分とする粒子に加え、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子であり、且つpH8以上でζ電位がマイナスである酸化物粒子(酸化チタンまたは酸化亜鉛)を含有する研磨用スラリーを用いてガラス板を研磨加工した実施例1および2は得られるガラスの端面における凹形状欠陥の数が5個/mm以下であったのに対し、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子を含有しない研磨用スラリーを用いてガラス板を研磨加工した比較例1は得られるガラスの端面における凹形状欠陥の数が5個/mm超であった。
この結果から、酸化セリウムを主成分とする粒子に加え、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子であり、且つpH8以上でζ電位がマイナスである酸化物粒子を含有する本発明の研磨用スラリーによれば、ガラス板の研磨工程時にガラス板保持穴に挿入されたガラス板の外周側面が損傷するのを抑制できることがわかった。
10 ガラス板
11 主平面
12 円形孔
13 内周側面
14 外周側面
15 内周面取り部
16 外周面取り部
20A、20B 研磨用キャリア
21 ガラス板保持穴
22 保持部
24 ギヤ部
130 上側研磨面
140 下側研磨面
150 回転軸
200 両面研磨装置
201 上定盤
202 下定盤
203 サンギヤ
205 インターナルギヤ
206 フレーム
207 支持機構
208 昇降機構
209 昇降用シリンダ装置
210 制御部
220 基台
254 ピストンロッド
260 ロック機構

Claims (15)

  1. 酸化セリウムを主成分とする粒子を含む磁気ディスクガラス研磨用スラリーであって、
    酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子であり、且つチタニア、炭酸カルシウム、ベーマイト、酸化亜鉛、2酸化マンガンおよび3酸化2マンガンから選ばれる少なくとも1の酸化物粒子を含む磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
  2. 磁気ディスクガラス研磨用スラリーのpHが8以上であり、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子のpH8以上におけるζ電位がマイナスである請求項1に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
  3. 酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子がチタニア、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、2酸化マンガンおよび3酸化2マンガンから選ばれる少なくとも1である請求項1または2に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
  4. 酸化セリウムを主成分とする粒子を含む磁気ディスクガラス研磨用スラリーであって、
    酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子を含み、
    酸化セリウムを主成分とする粒子および酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子のpH8以上におけるζ電位をマイナスとする分散剤を含む磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
  5. 前記酸化セリウムを主成分とする粒子と、前記酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子との総固形分濃度が8質量%以上20質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
  6. 前記酸化セリウムを主成分とする粒子濃度が3質量%以上10質量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
  7. 前記酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子が8未満のモース硬度をもつ酸化物の粒子である請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
  8. 前記酸化セリウムを主成分とする粒子の平均粒子径が前記酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子の平均粒子径より大きく、且つ体積分布の累積分布において、酸化セリウムを主成分とする粒子のD50から最大値の範囲と、酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子のD50から最大値の範囲が交差せず、かつ酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子のD50から最大値が小さい値をとる請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
  9. 酸化セリウムを主成分とする粒子の平均粒子径が0.3μm以上2μm以下であり、前記研磨用スラリーに含有される酸化セリウムを主成分とする粒子以外の酸化物粒子の平均粒子径が0.1μm以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
  10. pHが8以上12以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリー。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリーを用いる研磨工程を含むことを特徴とする磁気ディスクガラス基板の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の磁気ディスクガラス研磨用スラリーとガラス繊維と樹脂材とを含む複合材料からなる研磨用キャリアとを用いてガラス板を研磨する工程を含む磁気ディスクガラス基板の製造方法。
  13. 前記樹脂材が、エポキシ樹脂、アラミド樹脂およびフェノール樹脂から選ばれる少なくとも1を含む請求項12に記載の磁気ディスクガラス基板の製造方法。
  14. 請求項12または13に記載の磁気ディスクガラス基板の製造方法によって製造された磁気ディスクガラス基板であって、
    外周側面は、最大径または縦横寸法が10μm以上となる凹形状欠陥の数が5個/mm以下である磁気ディスクガラス基板。
  15. 主平面と、内周側面と、外周側面と、中央部の円形孔とを有する円盤形状である請求項14に記載の磁気ディスクガラス基板。
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