JP5839818B2 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
今日、パーソナルコンピュータ、あるいはDVD(Digital Versatile Disc)記録装置等には、データ記録のためにハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)が内蔵されている。特に、ノート型パーソナルコンピュータ等の可搬性を前提とした機器に用いられるハードディスク装置では、ガラス基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられ、磁気ディスクの面上を僅かに浮上させた磁気ヘッド(DFH(Dynamic Flying Height)ヘッド)で磁性層に磁気記録情報が記録され、あるいは読み取られる。この磁気ディスクの基板として、金属基板(アルミニウム基板)等に比べて塑性変形し難い性質を持つことから、ガラス基板が好適に用いられる。
磁気ヘッドは例えば磁気抵抗効果型素子を備えているが、このような磁気ヘッドに固有の障害としてサーマルアスペリティ障害を引き起こす場合がある。サーマルアスペリティ障害とは、磁気ディスクの微小な凹凸形状の主表面上を磁気ヘッドが浮上飛行しながら通過するときに、空気の断熱圧縮または接触により磁気抵抗効果型素子が加熱され、読み出しエラーを生じる障害である。そのため、サーマルアスペリティ障害を回避するため、磁気ディスクの基板表面の粗さ、マイクロウェービネス(以下、総称して適宜「表面凹凸」という。)は良好なレベルとなるように作製されている。
磁気ディスクの主表面の表面凹凸のレベルと共に、磁気ディスク中央に設けられた円孔における内径寸法誤差も厳しい精度管理が求められている。これは磁気ディスクの内周端面の寸法誤差が、磁気ディスクをHDDのスピンドルモータに嵌設する際の設置精度に直接影響するためである。磁気ディスクの内径寸法誤差が大きいと、磁気ディスクをHDDに搭載して動作させたときに、磁気ディスクの回転ぶれが生じるため、HDDのヘッドを磁気ディスク上の適切な位置に配置することが困難となり、データの記録・再生ができなくなる場合がある。
また、磁気ディスク用ガラス基板としては、例えば、内周端部及び外周端部に面取り加工を施したガラス基板が用いられる。この場合、サーマルアスペリティ障害の発生を適切に防止するためには、ガラス基板の内周端部及び外周端部のそれぞれについて、主表面と垂直な側壁部、及び、主表面と側壁部の間に介在する面取り(チャンファ)部の両方を鏡面研磨する必要がある。十分な鏡面研磨がなされず、側壁部又は面取り部に傷(ヒビ、カケ等)が残っていると、傷にパーティクルが捕捉される虞がある。傷に捕捉されたパーティクルは、後の工程中等にガラス基板の主表面に付着して、サーマルアスペリティ障害の発生の原因になる虞がある。
上述した観点から、磁気ディスク用ガラス基板を作製する工程には、円環状のガラス基板の内周端部及び外周端部を鏡面研磨する端面研磨工程が含まれている。例えば特許文献1には、複数枚の円環状のガラス基板を積層させた積層ワークの内孔に研磨ブラシ(ロールブラシ)をセットし、積層ワークおよび/または研磨ブラシを積層ワークの中心軸回りに相対的に回転させることで、ガラス基板の内周面を研磨することが開示されている。
特開2008−142792号公報
ところで、ガラス基板の端部の研磨工程において、従来の研磨ブラシは、研磨ブラシの中心軸から毛先までの距離がほぼ一定となっている。そのため、ガラス基板の端部のうち面取り部に対する研磨が十分でない場合があった。
よって、本発明は、ガラス基板の端部を適切に研磨することができるようにした磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上述した課題に鑑み鋭意研究した結果、研磨ブラシの中心軸から毛先までの距離がほぼ一定となっている研磨ブラシを使用すると、ガラス基板の端部の側壁部は十分に研磨されるものの、研磨ブラシの中心軸から見て側壁部よりも遠くに在る面取り部までブラシの毛先が届かない場合があり、面取り部に対する研磨が十分に行われない(つまり、面取り部の面が粗いか、またはキズが残留する)ことが分かった。
そこで、発明者らは、ガラス基板の端部における側壁部又は面取り部に均一に研磨ブラシの毛先を当てるべく(つまり、均一に研磨すべく)、研磨ブラシの毛材の先端形状を、実質的に凹状である基本形態が中心軸に沿って繰り返された形状とすることを考案した。
すなわち、本発明は、研磨ブラシを用いて円環状のガラス基板の端部を鏡面研磨する工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、ガラス基板の主表面と垂直な側壁部と、主表面と側壁部の間に介在する面取り部とを均一に研磨すべく、前記研磨ブラシの毛材の先端形状は、実質的に凹状である基本形態が研磨ブラシの中心軸に沿って繰り返された形状となっていることを特徴とする。
好ましくは、前記研磨ブラシは、チャンネルブラシを軸芯に巻き付けて固定したチャンネルロールブラシであり、前記チャンネルブラシは、毛材をその中央部分で芯線の回りに二つ折りにして巻き付けることで形成され、毛材の一端の毛先と他端の毛先とが互いに当接して寄りかかる状態でまとまっていることを特徴とする。
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、研磨ブラシは、前記凹状の基本形態の凹み量が0.1〜0.3mmであり、チャンネル幅が2.3〜3mmであることを特徴とする。
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、研磨ブラシは、円環状のガラス基板の内周端部を鏡面研磨する工程に用いられることを特徴とする。
また、本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、円環状のガラス基板の端部を鏡面研磨する工程に用いられる研磨ブラシであって、ガラス基板の主表面と垂直な側壁部と、主表面と側壁部の間に介在する面取り部とを均一に研磨すべく、前記研磨ブラシの毛材の先端形状は、実質的に凹状である基本形態が中心軸に沿って繰り返された形状となっており、かつ、前記基本形態をなす研磨ブラシの毛材の毛先が集中していることを特徴とする。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によれば、ガラス基板の内周端部を適切に研磨することができる。
実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の形状を示す図。 実施形態の端面研磨装置に装填する積層ワークの構成を示す図。 実施形態の端面研磨装置の構成例を示す側面図。 実施形態の研磨ブラシの構造を説明するための図。 実施形態の研磨ブラシを構成するチャンネルブラシの正面図。 実施形態の研磨ブラシの先端形状の変形例を示す図。 実施形態の端面研磨装置において、研磨ブラシによる研磨作用について説明する図。 実施形態の研磨ブラシを構成する他のチャンネルブラシの正面図。 研磨ブラシの座屈強度を測定するための治具を示す図。
以下、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明する。
[磁気ディスク用ガラス基板]
本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板の材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦度及び基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の組成を限定するものではないが、本実施形態のガラス基板は好ましくは、酸化物基準に換算し、モル%表示で、SiOを50〜75%、Alを1〜15%、LiO、NaO及びKOから選択される少なくとも1種の成分を合計で5〜35%、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOから選択される少なくとも1種の成分を合計で0〜20%、ならびにZrO、TiO、La、Y、Ta、Nb及びHfOから選択される少なくとも1種の成分を合計で0〜10%、有する組成からなるアルミノシリケートガラスである。
本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板は、円環状の薄板のガラス基板である。磁気ディスク用ガラス基板のサイズは問わないが、例えば、公称直径2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板として好適である。
図1は、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の形状を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は内孔側の端部近傍の断面図、をそれぞれ示す。図1(a)に示すように、磁気ディスク用ガラス基板には内孔15が設けられている。直径2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板の場合、内孔15の径は例えば18〜21mmである。本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板において、主表面10と、内周端部および外周端部は鏡面研磨されている。図1(b)に示すように、内周端部20は、主表面10と垂直な側壁部21と、主表面10と側壁部21の間に介在する面取り部22とから構成される。磁気ディスク用ガラス基板の板厚Tは、0.635mm以下、例えば0.2〜0.6mm程度である。側壁部21の高さは、例えば0.1〜0.5mmである。面取り部22の幅は、例えば0.05〜0.2mmである。なお、面取り部22の幅とは、例えば、主表面10を含む平面に面取り部22を投影した領域の幅である。また、主表面10と面取り部22とがなす角度は、好ましくは40〜50度であり、さらに好ましくは45度である。
なお、図1(b)については、内周端部20についてのみ示しているが、外周端部についても同様に、側壁部と面取り部が形成されている。
[磁気ディスク用ガラス基板の製造方法]
以下、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について、工程毎に説明する。ただし、各工程の順番は適宜入れ替えてもよい。
(1)板状ガラスの成形およびラッピング工程
例えばフロート法による板状ガラスの成形工程では先ず、錫などの溶融金属の満たされた浴槽内に、例えば上述した組成の溶融ガラスを連続的に流し入れることで板状ガラスを得る。溶融ガラスは厳密な温度操作が施された浴槽内で進行方向に沿って流れ、最終的に所望の厚さ、幅に調整された板状ガラスが形成される。この板状ガラスから、磁気ディスク用ガラス基板の元となる所定形状の板状ガラス素材が切り出される。浴槽内の溶融錫の表面は水平であるために、フロート法により得られる板状ガラス素材は、その表面の平坦度が十分に高いものとなる。
また、例えばプレス成形法よる板状ガラスの成形工程では、受けゴブ形成型である下型上に、溶融ガラスからなるガラスゴブが供給され、下型と対向ゴブ形成型である上型を使用してガラスゴブがプレス成形される。より具体的には、下型上に溶融ガラスからなるガラスゴブを供給した後に上型用胴型の下面と下型用胴型の上面を当接させ、上型と上型用胴型との摺動面および下型と下型用胴型との摺動面を超えて外側に肉薄板状ガラス成形空間を形成し、さらに上型を下降してプレス成形を行い、プレス成形直後に上型を上昇する。これにより、磁気ディスク用ガラス基板の元となる板状ガラス素材が成形される。
なお、板状ガラス素材は、上述した方法に限らず、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することができる。
次に、所定形状に切り出された板状ガラス素材の両主表面に対して、必要に応じて、アルミナ系遊離砥粒を用いたラッピング加工を行う。具体的には、板状ガラス素材の両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液(スラリー)を板状ガラス素材の主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行う。なお、フロート法で板状ガラス素材を成形した場合には、成形後の主表面の粗さの精度が高いため、このラッピング加工を省略してもよい。
(2)コアリング工程
円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、円板状ガラス素材の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板とする。
(3)チャンファリング工程
コアリング工程の後、端部(外周端部及び内周端部)に面取り部を形成するチャンファリング工程が行われる。チャンファリング工程では、円環状のガラス基板の外周端部及び内周端部に対して、例えば、ダイヤモンド砥粒を用いたメタルボンド砥石等によって面取りが施され、面取り部が形成される。
(4)端面研磨工程(機械加工工程)
次に、ガラス基板の端面研磨(エッジポリッシング)が行われる。
端面研磨では、ガラス基板の内周端面及び外周端面をブラシ研磨により鏡面仕上げを行う。このとき、酸化セリウム等の微粒子を遊離砥粒として含むスラリーが用いられる。端面研磨を行うことにより、ガラス基板の端面での塵等が付着した汚染、ダメージあるいはキズ等の損傷の除去を行うことにより、サーマルアスペリティの発生の防止や、ナトリウムやカリウム等のコロージョンの原因となるイオン析出の発生を防止することができる。
ここで、本実施形態における端面研磨工程について、以下で詳しく説明する。なお、以下では、ガラス基板の内周端面に対する研磨のみを説明するが、外周端面についても同様にして研磨が行われる。
[端面研磨装置]
図2は、端面研磨装置に装填する積層ワークの構成を示す図である。図3は、端面研磨装置の構成例を示す側面図である。
図2に示すように、積層ワークLは、チャンファリング工程後のガラス基板を複数積層させて形成される。このとき、ガラス基板間には、面取り部に対して研磨ブラシの毛先が十分に当たるようにスペーサ100が挿入される。スペーサ100の材料は問わないが、例えば樹脂材料、繊維材料、ゴム材料、金属材料、セラミック材料の薄厚のスペーサを使用しうる。スペーサの厚さは、例えば0.1mm〜0.3mm程度である。積層ワークLに収納可能なガラス基板の枚数は、端面研磨装置の装填スペースにもよるが、例えば50〜200枚程度である。
図3に示すように、端面研磨装置は、積層ワークLを収納し保持する円筒状の保持冶具60を備えている。なお、図3に示す端面研磨装置では、積層ワークLを横置きとしているが、縦置きとしてもよい。保持冶具60は、軸方向からプッシャ61を締め込むことで積層ワークLを端面研磨装置内で固定するようにしている。保持冶具60は、図3に 示すように、回転保持台62上において、ハウジング63,63を介して、軸回りに回動自在に保持されている。そして、この保持冶具60は、図示しない駆動用モータによって、50rpm程度の所定の回転速度にて軸回りに回転操作される。このとき、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を、研磨ブラシ40による積層ワークLの研磨加工部分に与えながら回転操作を行う。
また、ハウジング63,63は、直動ガイドによって支持されており、図3中矢印Dで示すように、保持冶具60の軸方向に往復移動することが可能となっている。そして、このハウジング60は、駆動用モータ64及びカム機構によって、保持冶具60の軸方向に一定周期で往復移動操作される。端面研磨装置は、保持冶具60によって保持した積層ワークLの内孔内に、研磨ブラシ40を挿入させた状態において、この研磨ブラシ40を保持し、図示しない駆動用モータによって、回転操作できるようになっている。この端面研磨装置において、研磨ブラシ40の回転方向は、いずれの方向とすることもでき、また、この研磨ブラシ40の回転速度は、低速(例えば500rpm)より高速(例えば5000rpm)まで可変とすることができる。
なお、ガラス基板の外周端面に対する研磨を行う場合には、積層ワークLの外周側に保持冶具が設けられるような端面研磨装置を準備することは言うまでもない。
[研磨ブラシ]
図3に示した端面研磨装置で使用される研磨ブラシ40について、図4および図5を参照して説明する。図4は、研磨ブラシ40の構造を説明するための図であり、(a)はチャンネルブラシ(ブラシ列)を軸芯に巻き付けた状態の研磨ブラシ40の斜視図を示し、(b)は研磨ブラシの側面図を示す。図5は、研磨ブラシ40を構成するチャンネルブラシの正面図である。
研磨ブラシ40は、図4に示すように、軸芯41の周囲にチャンネルブラシ42を所定の間隔で所定の進み角θで螺旋状に巻き付けて固定して形成されるチャンネルロールブラシである。チャンネルブラシ42は、図5に示すように、毛材45を、曲げを規制する芯材としての芯線43を巻くようにその中央部分で二つ折りにし、その芯線43を巻回する屈曲部分を外側からブラシ基材としてのU字状の基部金具44でカシメることによって作製される。これによって、チャンネルブラシ42の毛材45は芯線43に一体に固定される。その結果、毛先45L,45Rは芯線43から放射状に延びた状態で芯線43に植毛された状態となる。毛材45は、基部金具44に覆われた部分では芯線43の周囲に沿っており、基部金具44の開口端から毛先に向かって延びている。本実施形態の研磨ブラシ40では、図5に示すように、基部金具44によるカシメによって、毛材45の両側の毛先45L,45Rが先端で互いに当接して寄りかかる状態でまとまっている(つまり、毛材の毛先が集中した状態となっている)。これにより、毛先の芯線43からの延伸方向とは逆方向の入力に対する剛性が高くなる(つまり、ブラシ硬度が高くなる)。
なお、毛材45としては、例えば、ポリアミド合成繊維、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)等が挙げられる。毛材45の線径は例えば0.05〜0.3mm程度である。
また、図5に示すように、本実施形態の研磨ブラシ40のチャンネルブラシ42を正面から見た場合、毛材の先端形状は、実質的に凹状に形成されている。つまり、毛材45は、その毛先45L,45Rが集中した状態となっているが、毛先45Lの毛先端部51Lと、毛先45Lと毛先45Rが合わさる毛先中央部50Cと、毛先45Rの毛先端部51Rとが、全体として凹状に形成されている。その結果、このチャンネルブラシ42を軸芯41に所定の進み角θで螺旋状に巻いた結果、研磨ブラシ40の略円筒状のブラシの表面は、実質的に凹状である基本形態が中心軸に沿って繰り返された形状となる。かかる形状のチャンネルブラシ42を作製するには、毛材45を芯線43に巻き付けて基部金具44でカシメた後、所望の毛丈および図5に示す先端形状となるように、毛材45の毛先を切断する。
なお、図5に示した、チャンネルブラシ42を正面から見た場合の毛材の先端形状の凹状は、別の形状としてもよい。図5に示した先端形状では、対称な凹形状となっているが、図6(a)に示すように非対称であってもよい。また、図6(b)に示すように、毛先中央部51Cが平坦となっており、毛先端部51L,51Rが毛先中央部51Cから直線上に延びているように形成してもよい。図6のいずれの場合も毛材の先端形状は実質的に凹状であるといえる。
[研磨作用]
次に、本実施形態における端面研磨工程において、研磨ブラシ40による研磨作用について、図7を参照して説明する。図7は、研磨ブラシ40による研磨作用について説明するものであって、端面研磨装置の研磨ブラシ40が積層ワークLを研磨している状態を示す図(図3に示す研磨状態について一部を拡大した図)である。
図7に示すように、本実施形態の研磨ブラシ40は、毛材の先端形状が、実質的に凹状である基本形態が中心軸に沿って繰り返された形状となっているため、研磨加工時には、比較的短い毛丈である毛先の中央部(図5の毛先中央部51C)に在る毛先部分の毛材が、ガラス基板の側壁部21に当接して研磨を行い、比較的長い毛丈である毛先の端部(図5の毛先端部51L,51R)が、研磨ブラシ40の中心軸から見て遠くに在るガラス基板の面取り部22に当接して研磨を行う。その結果、研磨加工時には、積層ワークLを構成する各ガラス基板の側壁部21および面取り部22に均一に(つまり、均一な研磨圧力で)研磨されることになる。
なお、研磨ブラシ40における基本形態をなす毛材のピッチ次第で、研磨性能が大きく変化することはない。端面研磨装置は、研磨ブラシ40を揺動(つまり、軸方向に往復運動)させてよく、基本形態をなす毛材のピッチに関わらず、比較的長い毛丈である毛先の端部が、研磨ブラシ40の揺動中においてガラス基板の面取り部22に当接させるようにすることができる。また、本実施形態の研磨ブラシ40は、毛材の毛先が集中した状態となっているため、研磨ブラシ40が積層ワークLに当接したときに、研磨ブラシ40の毛先がばらけることが回避され、毛先中央部50Cが側壁部21を、毛先端部51L,51Rが面取り部22を、それぞれ安定的に研磨することが可能となっている。
なお、上述したように、図5に示した研磨ブラシ40はその毛材の毛先45Lと毛先45Rが中央で寄り添った状態で集中しているため、毛先がばらけることなく安定的に研磨できる点で好ましい形態を備えた研磨ブラシであるが、必ずしも毛材の毛先が集中している必要はない。例えば、図8に例示する研磨ブラシのように、毛材が芯線43からそれぞれ直立に延び毛先が集中していない形態であっても研磨中に毛先がばらけることがなければ安定的に研磨することが可能である。また、図8に示す研磨ブラシは図5に示したものと同様に芯線43に毛材を巻き付けるものであるが、適切な基材に直接植毛して基材から直立した毛材を設けるようにした研磨ブラシでもよい。
[研磨ブラシの硬度]
本実施形態の研磨ブラシ40の植毛方向に対する硬度に関しては、適切な範囲の硬度とすることが好ましい。
つまり、ブラシ硬度が低過ぎる場合には、ガラス基板の内周端部に対して研磨に必要な圧力が掛からず、研磨レートが極めて低くなってしまう。また、研磨ブラシの使用初期では、硬度が低すぎるゆえ、ブラシのうち側壁部21に当接する部分が容易に座屈し、その結果、ブラシのうち面取り部22に当接する部分が面取り部22の奥の方(ガラス基板の中心に近い方)まで入り込むことで、所望の面取り角度(例えば45度)が得られにくい。硬度が低過ぎる研磨ブラシを使用し続けると、毛先が早期に潰れて初期の毛先が集中した状態からばらけた状態となり、毛先が面取り部22に入り込まなくなる。その結果、所望の面取り角度が得られにくいことになる。
一方、ブラシ硬度が高過ぎる場合には、研磨加工中に研磨ブラシが積層ワークLに対してバンピングを生じさせ、これにより研磨ブラシによる積層ワークLに対する接触が行われない場合が生じ、研磨レートが低下する。バンピングの発生を抑制するために研磨ブラシの回転速度を低下させれば、研磨ブラシの毛先が面取り部22に十分に入り込まない場合が生じ、やはり研磨レートが低下する。また、上記バンピングが生ずると、バッチ(同時に研磨加工される積層ワークL内の複数のガラス基板)内で、研磨ブラシの当たりが強い所と弱い所が生ずるため、ガラス基板の研磨による取り代差のばらつきが大きくなるという問題もある。また、研磨ブラシ40の硬度が高過ぎる場合には、研磨ブラシ40の毛先が面取り部22に十分に入り込まずに所望の面取り角(例えば45度)が得られないか、あるいは側壁部21に対する当たりが強過ぎて側壁部21に溝を生じさせる虞がある。
以上の観点から、本実施形態の研磨ブラシ40により、研磨レートを最適なものとするには、研磨ブラシ40の植毛方向に対する硬度を適切な範囲に設定することが好ましいことが分かる。発明者らは、研磨ブラシ40の使用条件に鑑み、研磨ブラシ40の硬度に関して、その評価のための測定条件とそのときの座屈強度の基準として、以下のものが適切であると考えている。
[測定条件とそのときの座屈強度の基準]
以下の測定条件において座屈強度が150〜250mNの範囲であること。
[測定条件]
外径20mmの研磨ブラシの両端を固定し、測定用圧子を研磨ブラシの毛先にセットして鉛直方向に荷重を加える。研磨ブラシの軸に沿った100mmの間に亘って、測定用圧子と研磨ブラシの毛先との接触面は、研磨ブラシの外形が示す円柱の面に対して研磨ブラシの軸回りに1/3を占めるようにする。測定用圧子との接触面における研磨ブラシの毛先が、鉛直方向に1mm変位したときの研磨ブラシの応力を、研磨ブラシの座屈強度として測定する。
図9に上記測定条件に従った測定治具の一例を示す。図9では、測定用圧子200を使用して研磨ブラシの座屈強度を測定する場合の(a)正面図と、(b)側面図(矢視Aの拡大図)とを示している。図9(a)に示すように、研磨ブラシ40の軸芯41の両端を支持台201で支持して研磨ブラシ40を固定する。チャンネルブラシ42の外形は概ね円柱形であるが、測定用圧子200と研磨ブラシ40の接触面が軸に沿った100mmの間に亘って、このチャンネルブラシ42の円柱面に対して軸回りに1/3を占めるように、測定用圧子20が形成されている。すなわち、図9(b)に示すように、測定用圧子200とチャンネルブラシ42の接触面の側面から見た線は、チャンネルブラシ42の円形断面の120°の円弧となっている。また、チャンネルブラシ42の外径(研磨ブラシ40の外径)はφ20mmである。このとき、測定用圧子200に対して鉛直方向に荷重を加えていき、測定用圧子200が鉛直方向に1mm(図9(b)でD=1mm)変位したときに、測定用圧子200がチャンネルブラシ42から受ける応力を座屈強度として測定する。
(5)固定砥粒による研削工程
固定砥粒による研削工程では、遊星歯車機構を備えた両面研削装置を用いてガラス基板の主表面に対して研削加工を行う。研削による取り代は、例えば数μm〜100μm程度である。両面研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間にガラス基板が狭持される。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させることで、ガラス基板Gと各定盤とを相対的に移動させることにより、このガラス基板の両主表面を研削することができる。
(6)第1研磨(主表面研磨)工程
次に、研削されたガラス基板の主表面に第1研磨が施される。第1研磨による取り代は、例えば数μm〜50μm程度である。第1研磨は、固定砥粒による研削により主表面に残留したキズ、歪みの除去、表面凹凸(マイクロウェービネス、粗さ)の調整を目的とする。第1研磨工程では、研削工程と同様の構造の両面研磨装置を用いて、研磨液を与えながら研磨する。研磨液に含有させる研磨剤は、例えば、酸化セリウム砥粒、あるいはジルコニア砥粒である。
なお、第1研磨工程では、ガラス基板の主表面の表面凹凸について、粗さ(Ra)を0.5nm以下とし、かつマイクロウェービネス(MW-Rq)を0.5nm以下とするように研磨を行う。ここで、マイクロウェービネスは、主表面全面の半径14.0〜31.5mmの領域における波長帯域100〜500μmの粗さとして算出されるRMS(Rq)値で表すことができ、例えば、ポリテック社製のModel−4224を用いて計測できる。
主表面の粗さは、JIS B0601:2001により規定される算術平均粗さRaで表され、0.006μm以上200μm以下の場合は、例えば、ミツトヨ社製粗さ測定機SV−3100で測定し、JIS B0633:2001で規定される方法で算出できる。その結果、粗さが0.03μm以下であった場合は、例えば、日本Veeco社製走査型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡;AFM)ナノスコープで計測しJIS R1683:2007で規定される方法で算出できる。本願においては、1μm×1μm角の測定エリアにおいて、512×512ピクセルの解像度で測定したときの算術平均粗さRaを用いることができる。
(7)化学強化工程
次に、第1研磨後の円環状のガラス基板は化学強化される。
化学強化液として、例えば硝酸カリウム(60重量%)と硫酸ナトリウム(40重量%)の混合液等を用いることができる。化学強化では、化学強化液が、例えば300℃〜400℃に加熱され、洗浄したガラス基板が、例えば200℃〜300℃に予熱された後、ガラス基板が化学強化液中に、例えば3時間〜4時間浸漬される。
ガラス基板を化学強化液に浸漬することによって、ガラス基板の表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化液中のイオン半径が相対的に大きいナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板が強化される。なお、化学強化処理されたガラス基板は洗浄される。例えば、硫酸で洗浄された後に、純水等で洗浄される。
(8)第2研磨(最終研磨)工程
次に、化学強化されて十分に洗浄されたガラス基板に第2研磨が施される。第2研磨による取り代は、例えば1μm程度である。第2研磨は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨では例えば、第1研磨で用いた研磨装置を用いる。このとき、第1研磨と異なる点は、遊離砥粒の種類及び粒子サイズが異なることと、樹脂ポリッシャの硬度が異なることである。
第2研磨に用いる遊離砥粒として、例えば、スラリーに混濁させたコロイダルシリカ等の微粒子(粒子サイズ:直径10〜50nm程度)が用いられる。
研磨されたガラス基板を中性洗剤、純水、IPA等を用いて洗浄することで、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
第2研磨工程を実施することは必ずしも必須ではないが、ガラス基板の主表面の表面凹凸のレベルをさらに良好なものとすることができる点で実施することが好ましい。第2研磨工程を実施することで、主表面の算術平均粗さ(Ra)を0.1nm以下かつ前記主表面のマイクロウェービネス(MW-Rq)を0.1nm以下とすることができる。
[磁気ディスク]
磁気ディスクは、磁気ディスク用ガラス基板を用いて以下のようにして得られる。
磁気ディスクは、例えば磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に、主表面に近いほうから順に、少なくとも付着層、下地層、磁性層(磁気記録層)、保護層、潤滑層が積層された構成になっている。
例えば基板を真空引きを行った成膜装置内に導入し、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、基板主表面上に付着層から磁性層まで順次成膜する。付着層としては例えばCrTi、下地層としては例えばCrRuを用いることができる。磁性層としては、例えばCoPt系合金を用いることができる。また、L10規則構造のCoPt系合金やFePt系合金を形成して熱アシスト磁気記録用の磁性層とすることもできる。上記成膜後、例えばCVD法によりCを用いて保護層を成膜し、続いて表面に窒素を導入する窒化処理を行うことにより、磁気記録媒体を形成することができる。その後、例えばPFPE(パーフルオロポリエーテル)をディップコート法により保護層上に塗布することにより、潤滑層を形成することができる。
以下に、本発明を実施例によりさらに説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
(1)溶融ガラスの作製
以下の組成のガラスが得られるように原料を秤量し、混合して調合原料とした。この原料を熔融容器に投入して加熱、熔融し、清澄、攪拌して泡、未熔解物を含まない均質な熔融ガラスを作製した。得られたガラス中には泡や未熔解物、結晶の析出、熔融容器を構成する耐火物や白金の混入物は認められなかった。
[ガラスの組成]
酸化物基準に換算し、モル%表示で、SiOを50〜75%、Alを1〜15%、LiO、NaO及びKOから選択される少なくとも1種の成分を合計で5〜35%、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOから選択される少なくとも1種の成分を合計で0〜20%、ならびにZrO、TiO、La、Y、Ta、Nb及びHfOから選択される少なくとも1種の成分を合計で0〜10%、有する組成からなるアルミノシリケートガラス
(2)板状ガラス素材の作製
清澄、均質化した上記熔融ガラスをパイプから一定流量で流出するとともにプレス成形用の下型で受け、下型上に所定量の熔融ガラス塊が得られるよう流出した熔融ガラスを切断刃で切断した。そして熔融ガラス塊を載せた下型をパイプ下方から直ちに搬出し、下型と対向する上型および胴型を用いて、薄肉円盤状にプレス成形した。プレス成形品を変形しない温度にまで冷却した後、型から取り出してアニールする。その後、プレス成形により得られた板状ガラス素材に対して、ラッピング加工を行った。ラッピング加工では、遊離砥粒としてアルミナ砥粒(#1000の粒度)を用いた。
(3)コアリング加工、およびチャンファリング加工
円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、板状ガラス素材の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板とした(コアリング)。そして内周端面および外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施した(チャンファリング)。加工後の内孔の直径はφ19.99mmであった。
(4)端面研磨工程
次に、100枚の円環状のガラス基板を積層ワークとして端面研磨装置に装填し、研磨ブラシによる端面研磨を行った。端面研磨装置内で積層ワークを固定して保持し、積層ワークの内孔にセットした研磨ブラシを4000rpmで10分間回転させた。このときに使用するスラリーは、平均粒子径1μmの酸化セリウム(CeO)砥粒を20重量%、純水ろ過水(RO水)もしくは純水に混入し十分に攪拌して生成した。
なお、従来例、比較例および実施例に使用された研磨ブラシの仕様は以下のとおりである。
[従来例]
先端形状が平坦となっている研磨ブラシを用いて積層ワークの内周端部について研磨を行った。研磨ブラシのチャンネル幅、進み角、ピッチはそれぞれ、2.5mm、10〜20度、2.5mmとした。研磨ブラシの毛先端部における直径はφ20mmとした。図9に示した測定条件で研磨ブラシの座屈強度を測定したところ、変位1mmのときの応力が236mNであった。
[実施例1]
先端形状が凹状となっている研磨ブラシを用いて積層ワークの内周端部について研磨を行った。研磨ブラシのチャンネル幅、進み角、ピッチは、従来例と同様にそれぞれ、2.5mm、15度、2.5mmとした。研磨ブラシの毛先端部における直径はφ20mmとした。また、毛先の凹状部分の両端に対する中央部の凹み量は、0.1〜0.3mmとした。実施例1で使用した研磨ブラシの、軸芯に巻き付ける前のチャンネルブラシは、図8に示したように、毛材の両側の毛先が直立に延びており寄りかかっていないものとした。図9に示した測定条件で研磨ブラシの座屈強度を測定したところ、変位1mmのときの応力が151mNであった。
[実施例2]
研磨ブラシのチャンネル幅、進み角、ピッチは、従来例および実施例1と同一とした。研磨ブラシの毛先端部における直径、従来例および実施例1と同一とした。また、毛先の凹状部分の両端に対する中央部の凹み量は、実施例1と同一とした。実施例2で使用した研磨ブラシの、軸芯に巻き付ける前のチャンネルブラシは、図5に示したように、毛材の両側の毛先が先端で互いに当接して寄りかかる状態でまとまっているものとした。図9に示した測定条件で研磨ブラシの座屈強度を測定したところ、変位1mmのときの応力が182mNであった。
Figure 0005839818
なお、表1に示す評価基準は以下のとおりとした。
・バッチ内取り代差:
同一バッチ(つまり、同一の積層ワーク)内でブラシ研磨された各ガラス基板の研磨量を測定し、研磨量の取り代の標準偏差が5μm以下である場合に「○」と評価し、5μmより大きいときに「×」と評価した。
・研磨加工レート:
1.5μm/min以上の場合に「○」とし、1.5μm/min未満の場合に「×」とした。
・ブラシライフ:
上記(4)端面研磨工程に示した条件でブラシを動作させ、端部形状が品質異常になるまでの時間(ブラシ交換を要する時間)を評価した。600[min]以上であれば「◎」と評価し、500[min]以上であれば「○」と評価し、500[min]未満であるときに「×」と評価した。
・端部形状品質:
ブラシ研磨後のガラス基板の端部を200倍に拡大してビデオスコープで拡大して観察し、端部形状のプロファイルが適切か否か、面取り部のチャンファ角が適切か否か、面取り部および側壁部に溝が無いかどうかを評価した。このとき、端部形状に問題がないときに「○」と評価し、問題があるときに「×」と評価した。
表1に示すように、従来例の研磨ブラシを使用した場合には端部形状品質がNGとなることが分かる。これは、研磨ブラシの先端形状が平坦であるがゆえに、内周端部の面取り部まで研磨ブラシの先端が十分に届いていないことに起因する。
表1に示すように、実施例2では、実施例1よりもブラシライフが良好であることが分かる。これは、実施例2の研磨ブラシの毛材の両側の毛先が先端で互いに当接して寄りかかる状態でまとまっているために、実施例1の研磨ブラシに比べて毛先がばらけにくいことによる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
(磁気ディスク用ガラス基板)
10…主表面
15…内孔
20…内周端部
21…側壁部
22…面取り部
(端面研磨装置)
40…研磨ブラシ
60…保持冶具
61…プッシャ
62…回転保持台
63…ハウジング
64…駆動用モータ
(研磨ブラシ)
41…軸芯
42…チャンネルブラシ
43…芯線
44…基部金具
45…毛材
45L,45R…毛先
50C…毛先中央部
51L,51R…毛先端部

Claims (4)

  1. 研磨ブラシを用いて円環状のガラス基板の端部を鏡面研磨する工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    ガラス基板の主表面と垂直な側壁部と、主表面と側壁部の間に介在する面取り部とを研磨すべく、前記研磨ブラシは、チャンネルブラシを軸芯に巻き付けて固定したチャンネルロールブラシであって、
    前記チャンネルブラシは、毛材をその中央部分で芯線の回りに二つ折りにして巻き付けることで形成され、チャンネルの延伸方向から見たときに、毛先の短い第1部分と、第1部分の両側の毛先の長い第2部分とが形成され、かつ芯線から毛先に行くにつれて毛材の幅が短くなっていることを特徴とする、
    磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記研磨ブラシは、第1部分と第2部分の毛先の長さの差が0.1〜0.3mmであることを特徴とする、請求項1に記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記研磨ブラシは、円環状のガラス基板の内周端部を鏡面研磨する工程に用いられることを特徴とする、請求項1または2に記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、円環状のガラス基板の端部を鏡面研磨する工程に用いられる研磨ブラシであって、
    ガラス基板の主表面と垂直な側壁部と、主表面と側壁部の間に介在する面取り部とを研磨すべく、前記研磨ブラシは、チャンネルブラシを軸芯に巻き付けて固定したチャンネルロールブラシであって、
    前記チャンネルブラシは、毛材をその中央部分で芯線の回りに二つ折りにして巻き付けることで形成され、チャンネルの延伸方向から見たときに、毛先の短い第1部分と、第1部分の両側の毛先の長い第2部分とが形成され、かつ芯線から毛先に行くにつれて毛材の幅が短くなっていることを特徴とする、
    研磨ブラシ。
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