JP6057251B2 - 粒子分別装置および粒子分別方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子分別装置および粒子分別方法に関する。より詳細には、本発明は、細胞や化学合成された粒子等の、粒子毎に異なる密度を有する粒子群を密度差に従って分別することができる、マイクロメートルオーダーの流路を有する粒子分別装置および粒子分別方法に関する。
従来、細胞や化学合成された粒子等の、粒子毎に異なる性質の粒子群を分別する方法として、質量差により分別する方法、大きさにより分別する方法、密度差により分別する方法等、さまざまな方法が知られている。
例えば、異なる密度を有する粒子群を密度差により分別する方法としては、密度を調節した分離液を用いる沈殿平衡法や沈殿速度法、遠心分離法等の方法が挙げられる(特許文献1〜6を参照)。
また、粒子として細胞を分別する場合には、細胞等の生体試料が有する固有の免疫学的な特性である特異的な抗原抗体反応を活用し、磁気粒子や蛍光分子を結合させ、磁気細胞分別または蛍光活性化細胞分別のような細胞分別機により分別する方法が知られている。
また、マイクロ流路を用い、電気泳動や凝集剤等を用いた方法も検討されている(特許文献7を参照)。また、マイクロ流路で超音波やピンチド流路を用いて密度に従って粒子群を分別する装置(非特許文献1,2を参照)および微粒子群を分級する方法(特許文献8,9を参照)が開発されている。
特表平10−508190号公報(1998年8月18日公開) 特表2002−505866号公報(2002年2月26日公開) 特開2007−282552号公報(2007年11月1日公開) 特開2008−105010号公報(2008年5月8日公開) 特開2005−98704号公報(2005年4月14日公開) 特開2004−314068号公報(2004年11月11日公開) 特開2005−292092号公報(2005年10月20日公開) 特許第4462058号公報(2010年2月26日登録) 特開2010−75820号公報(2010年4月8日公開)
Anal Chem,2007 July 15;79(14) p5117-5123 Microfluid Nanofluid,2011 March 8;11 p105-110
しかしながら、上述したような沈殿平衡法や沈殿速度法、遠心分離法等の方法を用いた場合では、分別した粒子の回収時に、ピペッティング等により目的の粒子を採取する操作を行うが、粒子のコンタミネーションを避けるため、分別する粒子群同士の距離を離す必要がある。そのため、粒子の移動距離を長くする必要があり、例えば遠心分離法では、より強い遠心力で、長時間の遠心分離を行うことが必要である。
そのため、例えば、粒子として体細胞を用いた場合には、体細胞に大きなストレスがかかるので、体細胞を用いた研究において、体細胞の細胞機能の低下が観測される場合や、十分な細胞応答を観察することができない場合が多いという問題がある。また、分別した粒子の回収時に、操作が煩雑で、多くの手間と時間がかかるという問題もある。
また、細胞分別機を用いた方法でも、高度な技術が要求され、操作が煩雑で、多くの手間と時間がかかるという問題がある。
また、マイクロ流路を用い、電気泳動や凝集剤等を用いた方法や、マイクロ流路で超音波やピンチド流路を用いた方法では、以下の問題がある。すなわち、特許文献7に記載の方法は、粘度差により細胞を分離する手法であり、それゆえ、密度が互いに近い細胞の分別には向いていない。また、非特許文献1に記載の方法は、粒子のサイズと密度とを超音波により分別する手法であるが、体細胞を用いた場合は大きなストレスがかかる。非特許文献2に記載の方法は、粒子のサイズと密度とを分別するものであるが、分別の精度が十分でない。また、特許文献8,9に記載の方法は、例えば細胞のように、サイズが同じで密度等の性質が異なる粒子を対象としておらず、従って当該粒子を分別することはできない。
このようなことから、粒子径(サイズ)が同じであっても、密度等の性質の異なる粒子群を低刺激で短時間に分別および回収する容易な方法が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、粒子に重力負荷等の大きなストレスをかけずに、短時間で粒子群を分別することができ、分別した粒子群を容易に回収することができる粒子分別装置および粒子分別方法を提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明者は、液体中において、体細胞や化学合成された粒子は、ストークスの式に従って、粒子径や密度が互いに異なる粒子群同士の挙動が異なることに着目し、これら粒子群を分別液が流れる流路において分別することができると考え、本発明に係る粒子分別装置および粒子分別方法を発明するに至った。
すなわち、本発明に係る粒子分別装置は、上記課題を解決するために、分別液および少なくとも二種類の密度を有する粒子群が供給され、一定方向に分別液が流れる分別流路と、上記分別流路の上記分別液が流れる方向の少なくとも末端に接続された分岐部と、上記分岐部から上方向に向かって形成された第1流路と、上記分岐部から下方向に向かって形成された第2流路と、を少なくとも備えることを特徴としている。なお、ここにおける「下方向」とは「重力方向」であり、「上方向」とは「重力に逆らう方向」である。
上記の構成によれば、ストークスの式に従い、一定方向に流れる分別液中を、より高い密度を有する粒子群は、分別流路中の比較的下方向の領域を流れ、また、より低い密度を有する粒子群は、分別流路中の比較的上方向の領域を流れる。そのため、それぞれの粒子群が、上記分岐部から上方向または下方向に向かって形成された第1流路または第2流路に供給され、結果として、粒子径(サイズ)が同じであっても、密度の差に従って粒子群を分別することができる。
これにより、粒子に大きなストレスをかけずに、短時間で粒子群を分別することができ、分別した粒子群を容易に回収することができる粒子分別装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る粒子分別装置は、上記分別流路が水平方向に形成されていることがより好ましい。上記の構成によれば、分別流路の流れに従って、粒子群を効率的に分別することができる。
本発明に係る粒子分別装置は、上記分別液の密度が、上記第1流路に供給される低い密度を有する粒子群における粒子の最大密度より低く、且つ、上記第2流路に供給される高い密度を有する粒子群における粒子の最小密度より高いことがより好ましい。上記の構成によれば、第1流路に供給される低い密度を有する粒子群は、ストークスの式に従って全て浮上し、逆に、第2流路に供給される高い密度を有する粒子群は、全て沈降するため、より効率的に、より精確に粒子群を分別することができる粒子分別装置を提供することができる。
本発明に係る粒子分別装置は、上記分別流路、分岐部、第1流路および第2流路を構成する溝が形成された第一部材、および、上記分別流路、分岐部、第1流路および第2流路を構成する溝が形成された第二部材を、上記溝で分別流路、分岐部、第1流路および第2流路が構成されるように重ね合わせてなることがより好ましい。上記の構成によれば、粒子分別装置をより簡単に形成することができる。また、分別流路、分岐部、第1流路および第2流路をより簡単に清掃することができる。
本発明に係る粒子分別装置は、上記分別流路、分岐部および第1流路を構成する溝が形成された第一部材、および、上記分別流路、分岐部および第2流路を構成する溝が形成された第二部材を、上記溝で分別流路、分岐部、第1流路および第2流路が構成されるように重ね合わせてなることがより好ましい。上記の構成によれば、粒子分別装置をより簡単に形成することができる。また、分別流路、分岐部、第1流路および第2流路をより簡単に清掃することができる。さらに、上記の構成によれば、第1流路および第2流路を分別流路から見て段違いに(二層構造に)形成することができるので、粒子分別装置の上下方向の幅(高さ)をより狭くすることができる。
本発明に係る粒子分別装置は、上記分別流路、分岐部、第1流路および第2流路を構成する溝が形成された第一部材、および、溝が形成されていない平滑な第二部材を、上記溝で分別流路、分岐部、第1流路および第2流路が構成されるように重ね合わせてなることがより好ましい。上記の構成によれば、粒子分別装置をさらに簡単に形成することができる。また、分別流路、分岐部、第1流路および第2流路をさらに簡単に清掃することができる。
本発明に係る粒子分別装置は、上記第1流路および上記第2流路のそれぞれに分別された粒子群の最小密度差が、0.002g/mL以上であることがより好ましい。上記の構成によれば、分別した粒子同士のコンタミネーションを防ぐことができ、より精度の高い分別が可能な粒子分別装置を提供することができる。
本発明に係る粒子分別装置は、上記分別流路、第1流路および第2流路の最小径が、上記粒子群の粒子径の3倍以上、1,000倍以下の範囲であることがより好ましい。上記の構成によれば、分別流路、第1流路および第2流路において粒子が詰まるおそれを、より低減することができる。
本発明に係る粒子分別装置は、上記粒子群の粒子径が、1〜1,000μmの範囲内であることがより好ましい。上記の構成によれば、粒子がより精確にストークスの式を満たすため、粒子群をより効率的に分別することができる。また、浮上または沈降速度が極端に速すぎない、または遅すぎないため、適度な長さの分別流路を備えるより実用的な粒子分別装置を提供することができる。
本発明に係る粒子分別装置は、上記粒子群が体細胞であることがより好ましい。上記の構成によれば、粒子(体細胞)を分別するときに、体細胞の細胞機能が低下する、または十分な細胞応答性が得られない等という不都合を防止することができる。
本発明に係る粒子分別装置は、上記粒子群が低品質の細胞と中品質ないし高品質の細胞との混合物であることがより好ましい。中品質ないし高品質の細胞は、低品質の細胞よりも物質の取り込み速度が速いため、密度がより高くなり、分別液中において先に沈降する。そのため、上記の構成によれば、低刺激で迅速かつ簡便に、低品質の細胞と中品質ないし高品質の細胞とを容易に分別することができる。
また、本発明に係る粒子分別方法は、上記課題を解決するために、上記粒子分別装置を用いた粒子分別方法であって、粒子群を、密度が高い粒子群と、密度の低い粒子群に分別することを特徴としている。
上記の構成によれば、従来行われてきた粒子群の分別方法に比べて、粒子群を短時間で容易に分別する粒子分別方法を提供することができる。
本発明に係る粒子分別装置および粒子分別方法によれば、ストークスの式に従い、一定方向に流れる分別液中を、より高い密度を有する粒子群は、分別流路中の比較的下方向の領域を流れ、また、より低い密度を有する粒子群は、分別流路中の比較的上方向の領域を流れる。つまり、密度の差に従って粒子群が重力方向に異なる挙動を示すため、粒子径(サイズ)が同じであっても、異なる密度を有する粒子群を分別し回収することができる。従って、粒子に重力負荷等の大きなストレスをかけずに、短時間で粒子群を容易に分別することができ、分別した粒子群を容易に回収することができるという効果を奏する。
一実施形態に係る実施例1における粒子分別装置の概略の構成を示す(a)は側面図であり、(b)は(a)のX−X’線矢視断面図である。 (a),(b)共に、実施例1における分別評価試験での粒子分別装置の分岐部近傍を、水平方向から観察した側面図である。 一実施形態に係る実施例2における粒子分別装置の概略の構成を示す(a)は平面図であり、(b)は(a)のY−Y’線矢視断面図であり、(c)は(a)のY”−Y'''線矢視断面図である。 (a)は、実施例2における分別評価試験での粒子分別装置の分岐部近傍を、垂直方向から観察した平面図であり、(b)は(a)に対応する水平方向から見た概略の断面図である。 (a)は、実施例2における分別評価試験での粒子分別装置の分岐部近傍を、垂直方向から観察した平面図であり、(b)は(a)に対応する水平方向から見た概略の断面図である。 一実施形態に係る実施例3における粒子分別装置の概略の構成を示す(a)は平面図であり、(b)は(a)のZ−Z’線矢視断面図であり、(c)は(a)のZ”−Z'''線矢視断面図である。 (a)は、実施例3における分別評価試験での粒子分別装置の分岐部近傍を、垂直方向から観察した平面図であり、(b)は(a)に対応する水平方向から見た概略の断面図である。 分別流路内における、ストークスの式に従った粒子の挙動を説明する説明図である。 (a)〜(c)はそれぞれ、他の実施形態における粒子分別装置の変形例を示すものであり、概略の構成を説明する説明図である。 一実施形態に係る実施例6における粒子分別装置の概略の構成を示す(a)は平面図であり、(b)は(a)のW−W線矢視断面図であり、(c)は(a)のW−W線矢視断面図であり、(d)は(a)のW−W線矢視断面図であり、(e)は(a)のW−W線矢視断面図である。 実施例6における粒子分別装置としての細胞分別装置の合流部近傍、分別流路および分岐部近傍を水平方向から見た概略の断面図である。 実施例6における低品質の卵子Aと中品質ないし高品質の卵子Bとで沈降の速度が異なることを説明する説明図である。 (a)は、実施例6における低品質の卵子Aと中品質ないし高品質の卵子Bとを垂直方向から観察した平面図であり、(b)は実施例6における分別評価試験での粒子分別装置の分岐部近傍を、垂直方向から観察した平面図である。
以下の説明において、「密度」とは「25℃における密度」を示すものとする。また、図面において「g」は重力方向を示すものとする。
〔実施の形態1〕
本発明に係る実施の一形態を、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、後述する実施例1における粒子分別装置の概略の構成を示す(a)は側面図であり、(b)は(a)のX−X’線矢視断面図である。本実施の形態に係る粒子分別装置は、図1(a)に示すように、粒子分別装置の要部であるチップ1を備え、チップ1はその内部に、導入口2、分別流路3、分岐部4、第1流路5、第1排水口6、第2流路7および第2排水口8を少なくとも備えている。
チップ1は、例えば、金属や樹脂にて形成することができる。用いることができる金属や樹脂としては、分別すべき粒子が吸着したり、分別液により溶解や変質したりしない限り、特に限定されない。樹脂は透明であってもよく、不透明であってもよい。樹脂の具体例としては、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等を挙げることができる。チップ1の形状としては、図1(a)に示すように直方体形状である以外に、円板形状、三角柱形状、平行四辺形を底面とする四角柱形状、不定形状等、どのような形状であってもよい。
導入口2は、分別流路3内に粒子群を含む分別液を導入する導入口である。導入口2の大きさや形状は、分別流路3の大きさや形状に従って定めればよい。例えば、導入口2の形状は、外部から粒子群を含む分別液を導入するための送液管等を固定することができる形状であってもよい。また、粒子群を一点から分別流路3内に放出することができるように、導入口2を分別流路3の大きさに比べて細い構造としてもよく、または絞りを設けてもよい。
分別流路3は、分別液に含まれる粒子群を、下記式(1)(ストークスの式)に従って、粒子径および分別液との密度の差に基づいて分別する流路である。分別液中の粒子群は、分別流路3を一定方向に流れながらストークスの式である下記式(1)に従い、一定の速度で、重力方向に沈降、または、重力に逆らう方向に浮上する。また、理論上、粒子の密度と分別液の密度とが等しいとき、粒子は浮上も沈降もしない。
Figure 0006057251
(但し、式(1)において、vは粒子の分岐部4における理論上の浮上速度または沈降速度、Dpは粒子の粒子径、ρは粒子の密度、ρは分別液の密度、gは重力加速度、ηは分別液の粘度を表す。)
図8に従って、式(1)について理論的に説明する。図8に示された粒子a、粒子b、粒子cおよび粒子dの各密度は、粒子dが一番高く、粒子c、粒子b、粒子aの順に低いと仮定する。さらに、粒子cの密度は分別液と等しいと仮定する。この場合、密度が一番低い(最小密度の)粒子aの浮上速度が一番大きいので浮上する。また、密度が二番目に低い粒子bは、粒子aに比べて浮上速度が小さいものの浮上する。また、分別液と密度が等しい粒子cは、浮上も沈降もしない。さらに、密度が一番高い(最大密度の)粒子dは、沈降する。
結果として、図8に示すように、分別流路3内では流れに従って、粒子a〜dは沈降または浮上する。つまり、粒子a〜dは、理論上、直線の流形を描きながら浮上または沈降する。そして、粒子aが重力に逆らう方向に浮上した距離a’は、粒子bが浮上した距離b’に比べ大きくなる。また、粒子dは、重力方向に距離d’だけ沈降する。
すなわち、チップ1においては、上記式(1)に従って、分別する粒子群の粒子径や密度に応じて、分別流路3の長さや流路径、分別液の密度や粘度、流速等を最適な値に設定すればよい。
例えば、分別流路3が重力に対して水平であり、分別液との密度差がそれぞれ0.002g/mLである密度が低い粒子と密度が高い粒子とからなる粒子群がある場合には、分別流路3内の分別液の線速を7cm/分、分別液の流速を20μL/分、分別液の粘度を0.0018kg/(m・s)、粒子の粒子径を150μm、滞留時間を30秒とすると、粒子群は重力方向(または重力に逆らう方向)に450μm浮上または沈降する。これに従えば、粒子群が分別流路3内に無秩序に導入された場合、分別流路3の重力方向の流路径を450μm以下にすれば、全ての粒子が浮上または沈降し得る。また、粒子群が分別流路3内の一点に導入された場合、その一点から重力方向(または重力に逆らう方向)に向かって450μm付近に粒子群が浮上または沈降することがわかる。
また、分別流路3は、ある程度の傾斜を有していても構わない。傾斜角は、分別液の流速や分別流路3の流路径等に従えばよい。分別流路3の傾斜角としては、具体的には、水平方向を0degとすると、−30〜30degの範囲内であることが好ましく、−15〜15degの範囲内であることがより好ましく、−5〜5degの範囲内であることがさらに好ましい。
分別流路3の断面形状としては、図1(b)に示されるような長方形状に限定されずに、正方形状や円形状、楕円形状であってもよい。分別流路3の流路径(最小径)は、分別される粒子群の粒子径の3倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましく、10倍以上であることがさらに好ましい。流路径は粒子径に対して大きいほどよく、粒子群が分別流路3内で詰まるおそれを、より低減することができる。但し、チップ1が過度に大きくならないように、分別流路3の流路径(最小径)は、分別される粒子群の粒子径の1,000倍以下であることが好ましい。同様に、分岐部4、第1流路5および第2流路7の流路径(最小径)は、分別される粒子群の粒子径の3倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましく、10倍以上であることがさらに好ましい。
また、分別流路3の流路径(最大径)は、具体的には、100,000μm以下であることが好ましく、10,000μm以下であることがより好ましく、1,000μm以下であることがさらに好ましい。流路径が大きすぎると、分別が困難になり、分別効率が低下するおそれがある。また、分別流路3の流路径(最小径)は、具体的には、1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることがさらに好ましい。流路径が小さすぎると、粒子群が分別流路3内で詰まるおそれがある。
また、分別流路3の長さは、分別すべき粒子群に従って設定すればよいものの、具体的には、0.1〜100cmであることが好ましく、1〜10cmであることがより好ましい。分別流路3が短すぎる場合には、分別の精度が低下し、コンタミネーションの原因となるおそれがある。また、分別流路3が長すぎる場合には、分別の効率が低下する。
分岐部4は、分別流路3に接続され、分別流路3の少なくとも末端で式(1)に従って重力方向に分布した粒子群を含む分別液を、上方向(重力に逆らう方向)に向かって延びる第1流路5および下方向(重力方向)に向かって延びる第2流路7に分別する分岐点を備えている。分岐部4の構造は、例えば垂直Y字構造(図1の構造)であるが、この構成に限定されない。分岐部4の他の構造としては、例えば、垂直T字構造、二層構造、平面二層Y字構造(図3の構造)等が挙げられる。垂直Y字構造は、分別流路3から垂直方向にY字状に枝分かれしている構造であり、分別する粒子群が沈降する粒子および浮上する粒子の混合物である場合に、効率的に分別することができる構造である。本実施の形態に係る粒子分別装置を使用する場合には、チップ1の最大面を重力方向に対して凡そ垂直にして当該チップ1を固定すればよい。凡そ垂直とは、垂直を含むと共に、ある程度の傾斜角を有していてもよいという意味であり、チップ1の最大面を垂直にしたときを90degとした場合、当該傾斜角は60〜120degの範囲内であればよく、70〜110degの範囲内であることがより好ましい。当該傾斜角が小さすぎる場合、または大きすぎる場合には、分別の精度が低下するおそれがある。
また、垂直T字構造は、分別流路3から垂直方向にT字状に枝分かれしている点以外は、垂直Y字構造と同様の構造である。二層構造はチップ1の最大面と並行に二層に分かれている構造であり、チップ1の最大面を重力に対して水平にしてチップ1を固定して使用することができる。平面二層Y字構造は、二層に分かれている第1流路5および第2流路7がチップ1の最大面と並行にY字状に分かれていく構造である以外は二層構造と同様の構造である。
第1流路5は、分岐部4の上方向(重力に逆らう方向)に向かって延びる流路である。分別流路3において、分別流路3から分岐部4の方向(一定方向)に流れる分別液中を密度が低い粒子(分別液の密度より密度が低い粒子)群が浮上して上方向に分布しているため、分岐部4にて、密度が低い粒子群を含む分別液は、上方向に向かって形成された第1流路5に供給される。すなわち、第1流路5には、分別液に含まれる密度が低い粒子群が供給される。
第1流路5の流路の形状は、長方形状であってもよく、正方形状や円形状、楕円形状、不定形状であってもよい。また、第1流路5の流路径(最大径)は、具体的には、100,000μm以下であることが好ましく、10,000μm以下であることがより好ましく、1,000μm以下であることがさらに好ましい。また、第1流路5の流路径(最小径)は、具体的には、1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることがさらに好ましい。流路径が小さすぎると、粒子群が第1流路5内で詰まるおそれがある。また、第1流路5の長さは特に限定されない。
第1流路5の断面積は、特に限定されないが、分別液の滞留や逆流等を防ぐ目的から、後述する第2流路7の断面積との合計が、分別流路3の断面積の値以下であることが好ましい。
第1排水口6は、チップ1で分別された密度の低い粒子群を含む分別液を排出する排水口である。第1排水口6の大きさや形状は、第1流路5の大きさや形状に従って定めればよい。例えば、第1排水口6の形状は、チップ1で分別された粒子群を含む分別液を回収するための送液管等を固定するための形状であってもよい。或いは、第1排水口6の形状は、チップ1で分別された粒子群を含む分別液を回収するための液溜りを構成する形状であってもよい。
第2流路7は、分岐部4の下方向(重力方向)に向かって延びる流路である。分別流路3において、分別流路3から分岐部4の方向(一定方向)に流れる分別液中を密度が高い粒子(分別液の密度より密度が高い粒子)群が沈降して下方向に分布しているため、分岐部4にて、密度が高い粒子群を含む分別液は、下方向に向かって形成された第2流路7に供給される。すなわち、第2流路7には、分別液に含まれる密度が高い粒子群が供給される。
第2流路7の流路の形状や流路径(最小径)については、第1流路5の流路の形状や流路径(最小径)と同様にすればよい。但し、第1流路5および第2流路7は互いに異なった構成であってもよく、例えば粒子径に応じて、第1流路5の流路径(最小径)を小さく、第2流路7の流路径(最小径)を大きくした構造であってもよい。
第2排水口8は、チップ1で分別された密度の高い粒子群を含む分別液を排出する排水口である。第2排水口8の大きさや形状は、第2流路7の大きさや形状に従って定めればよい。例えば、第2排水口8の形状は、チップ1で分別された粒子群を含む分別液を回収するための送液管等を固定するための形状であってもよい。或いは、第2排水口8の形状は、チップ1で分別された粒子群を含む分別液を回収するための液溜りを構成する形状であってもよい。
本発明に係る粒子分別装置の要部であるチップ1は、例えば、マイクロ流路(マイクロメートルオーダーの流路)である上記分別流路3、分岐部4、第1流路5および第2流路7を構成する溝が形成された第一部材、および、上記分別流路3、分岐部4、第1流路5および第2流路7を構成する溝が形成された第二部材を、上記溝で分別流路3、分岐部4、第1流路5および第2流路7が構成されるように重ね合わせることにより、より簡単に形成することができる。また、このようにチップ1を形成することにより、分別流路3、分岐部4、第1流路5および第2流路7をより簡単に清掃することができる。
また、本発明に係る粒子分別装置の要部であるチップ1は、例えば、マイクロ流路である上記分別流路3、分岐部4および第1流路5を構成する溝が形成された第一部材、および、上記分別流路3、分岐部4および第2流路7を構成する溝が形成された第二部材を、上記溝で分別流路3、分岐部4、第1流路5および第2流路7が構成されるように重ね合わせることにより、より簡単に形成することができる。また、このようにチップ1を形成することにより、分別流路3、分岐部4、第1流路5および第2流路7をより簡単に清掃することができる。さらに、上記の構成によれば、第1流路5および第2流路7を分別流路3から見て段違いに(二層構造に)形成することができる(図3の構造)ので、粒子分別装置のチップ1の上下方向における幅(高さ)をより狭くすることができる。
さらには、本発明に係る粒子分別装置の要部であるチップ1は、例えば、マイクロ流路である上記分別流路3、分岐部4、第1流路5および第2流路7を構成する溝が形成された第一部材、および、溝が形成されていない平滑な第二部材を、上記溝で分別流路3、分岐部4、第1流路5および第2流路7が構成されるように重ね合わせることにより、さらに簡単に形成することができる。また、このようにチップ1を形成することにより、分別流路3、分岐部4、第1流路5および第2流路7をさらに簡単に清掃することができる。
粒子分別装置の分別流路3に供給する分別液は、粒子群を分散または懸濁させることができる液であればよい。分別液は、具体的には、例えば、水や有機溶媒であればよく、分別すべき粒子が溶解や変質したり、分別流路3、分岐部4、第1流路5および第2流路7が形成されているチップ1を溶解や変質したりしない性質の液体である限り、特に限定されない。また、分別液は、上記式(1)に基づき、分散させる粒子群の密度や粒子径、分別流路3等の流路径や流路の長さ等に従って、適宜、密度や粘度を変化させればよい。分別液の密度や粘度を変化させる方法としては、粒子を変質させない例えば塩や糖類等の有機化合物を予め溶解させておく方法が挙げられる。
分別液は、分別流路3内、分岐部4内、第1流路5内および第2流路7内を層流で流れる。すなわち、分別液は、チップ1内を層流で流れる。これにより、粒子群は、上記式(1)に従った挙動を行うことになる。
本発明において分別対象となる粒子群は、分別液中において安定に存在することができる粒子群であればよく、例えば、生体粒子、樹脂粒子、金属粒子等の粒子群が挙げられる。生体粒子としては、例えば、卵子を含む体細胞、赤血球、血小板、細菌類、酵母細菌、細胞フラクション、脂質小球、たんぱく質ミセル、プランクトン、藻類等であって、殆ど生体運動を伴わない粒子が挙げられる。例えば、本発明によれば、密度が互いに異なる受精卵と未受精卵との分別を行うことができる。また、樹脂粒子としては、有機高分子や無機高分子からなる粒子群が挙げられる。金属粒子としては、粒子状の合金、砂鉄、砂金等が挙げられる。粒子の形状は、球形であることが好ましいものの、概略球形や楕円球形、不定形破砕形であってもよい。
粒子の粒子径は、0.1μm以上であればよく、1μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがさらに好ましい。粒子の粒子径が小さすぎる場合には、上記式(1)を満たさなくなる上、粒子の浮上または沈降の速度が極めて遅くなるため、分別流路3を極端に長くする必要があり、粒子分別装置が大型化する。また、第1排水口6または第2排水口8から回収される粒子のロスが大きくなる場合がある。
また、粒子の粒子径は、5,000μm以下であればよく、1,000μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。粒子の粒子径が大きすぎる場合には、上記式(1)を満たさなくなる上、粒子の浮上または沈降の速度が極めて速くなるため、分別液の流速が遅い場合には、粒子群が分別流路3内で詰まるおそれがある。また、精度の高い分別を容易に行うことが難しくなる場合がある。
また、第1流路5および第2流路7のそれぞれに分別される粒子同士の最小密度差は、特に限定されないものの、0.001g/mL以上であればよく、0.002g/mL以上であることがより好ましく、0.005g/mL以上であることがさらに好ましく、0.01g/mL以上であることが特に好ましい。これにより、分別した粒子同士のコンタミネーションを防ぐことができ、より精度の高い分別が可能となる。
すなわち、本実施の形態に係る粒子分別装置は、上記構成により、分別した粒子同士のコンタミネーションを防ぐことができ、より精度の高い分別が可能となる。
粒子分別装置は、要部であるチップ1の他に、必要に応じて、分別液を供給するシリンジポンプ等の送液装置や、粒子群を含む分別液を攪拌するスターラーやボルテックスミクサ等の攪拌装置、シリコーン等からなる送液管、水槽、吸引装置等を備えていてもよい。つまり、粒子分別装置は、攪拌装置で粒子群を含む分別液を攪拌して懸濁させ、当該分別液を送液装置で送液管を介して導入口2からチップ1内の分別流路3に供給してもよい。或いは、重力差を用いて高い位置から、粒子群を含む分別液を、懸濁させながら送液管等を介して導入口2からチップ1内の分別流路3に供給してもよい。或いは、第1排水口6および第2排水口8から吸引装置で分別液を吸引することで、粒子群を含む分別液を分別流路3に供給してもよい。そして、第1排水口6または第2排水口8から排出される粒子群を含む分別液は、送液管等を介して水槽に回収してもよい。また、第1排水口6および第2排水口8から送液管を介して吸引装置で分別液を吸引して水槽に回収してもよい。
また、第1排水口6または第2排水口8から排出される粒子群を含む分別液から当該粒子群を取り出す方法としては、例えば、濾過する方法、沈殿させる方法等が挙げられる。
従って、本発明は、上記粒子分別装置を用いた、粒子群を、密度が高い粒子群と、密度の低い粒子群に分別する粒子分別方法も提供する。
〔実施の形態2〕
本発明に係る実施の他の形態を、図面を参照しながら以下に説明する。図3は、後述する実施例2における粒子分別装置の概略の構成を示す(a)は平面図であり、(b)は(a)のY−Y’線矢視断面図であり、(c)は(a)のY”−Y'''線矢視断面図である。本実施の形態に係る粒子分別装置は、図3(a)に示すように、粒子分別装置の要部であるチップ11を備え、チップ11はその内部に、第1導入口12、第1導入流路21、第2導入口19、第2導入流路20、合流部22、分別流路13、分岐部14、第1流路15、第1排水口16、第2流路17および第2排水口18を少なくとも備えている。
なお、チップ11は実施の形態1におけるチップ1に、第1導入口12および第2導入口19は導入口2に、分別流路13は分別流路3に、第1流路15は第1流路5に、第1排水口16は第1排水口6に、第2流路17は第2流路7に、第2排水口18は第2流路8に対応する。従って、以下の説明において特に記載していない構成または形態は、上記実施の形態1の構成または形態と同様である。
第1導入口12および第2導入口19は、第1導入流路21内または第2導入流路20内に粒子群を含む分別液を導入する導入口である。第1導入口12および第2導入口19の大きさや形状は、第1導入流路21および第2導入流路20の大きさや形状に従って定めればよい。例えば、第1導入流路21および第2導入流路20の形状は、実施の形態1の導入口2と同様に、外部から粒子群を含む分別液を導入するための送液管等を固定することができる形状であってもよい。また、粒子群を一点から分別流路13内に放出することができるように、第1導入口12および第2導入口19を分別流路13の大きさに比べて細い構造としてもよく、または絞りを設けてもよい。
第1導入口12および第2導入口19からは、それぞれ異なった粒子群を含む分別液を供給してもよい。また、一方から粒子群を含む分別液を供給し、他方から緩衝液や異なる密度の別の分別液を供給してもよい。緩衝液は、粒子群を含む分別液の密度を一定に保つため、或いは、粒子を安定に保つために導入される。また、異なる密度の別の分別液を供給することにより、分別流路13内において粒子群を含む分別液の密度とは異なる特定の密度の分別液(混合液)を形成することができる。つまり、上記式(1)に従って粒子を分別するのに好適な密度の分別液に調節することができる。
第1導入流路21および第2導入流路20は、それぞれ、第1導入口12および第2導入口19から合流部22へ粒子群を含む分別液を送液するための管である。第1導入流路21および第2導入流路20の流路径(最大径)は、分別流路13の流路径(最大径)と同一にすればよく、具体的には、50,000μm以下であることが好ましく、5,000μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらに好ましい。また、第1導入口12および第2導入口19の流路径(最小径)は、具体的には、1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることがさらに好ましい。
流路径(最小径)が小さすぎると、粒子群が第1導入流路21内および第2導入流路20内で詰まるおそれがある。第1導入流路21および第2導入流路20のそれぞれの流路径は、互いに異なっていてもよい。また、特に限定されないが、分別液の滞留や逆流等を防ぐ目的から、第1導入流路21と第2導入流路20との断面積との合計は、分別流路13の断面積の値以下であることが好ましい。
合流部22は、第1導入流路21と第2導入流路20とが合流する合流点を備えている。合流部22の構造は、実施の形態1の分岐部4と同様な構造であればよく、例えば平面Y字構造(図1の分岐部4の構造)、平面T字構造、二層構造、平面二層Y字構造(図3の構造)等が挙げられる。合流部22では、第1導入流路21および第2導入流路20の両方から流れてきた分別液や緩衝液を効率的に混合するために、その一部を徐々に細くした後、徐々に太くした構造としてもよい。または絞り構造を設けてもよい。
分別流路13は、実施の形態1の分別流路3と同様に、分別液に含まれる粒子群が上記式(1)に従って、粒子径および分別液との密度の差に基づき分別される流路である。したがって、チップ11は、上記式(1)に従って、分別する粒子群の粒子径や密度に応じて、分別流路13の長さや流路径、分別液の密度や粘度、流速等を最適な値に設定すればよい。
分岐部14は、図3において、平面二層Y字構造として形成されているが、実施の形態1の分岐部4と同様、これに限定されるものではない。
本実施の形態に係る粒子分別装置は、上記構成により、分別した粒子同士のコンタミネーションを防ぐことができ、より精度の高い分別が可能となる。
〔実施の形態3〕
本発明に係る実施の他の形態を、図面を参照しながら以下に説明する。図6は、後述する実施例3における粒子分別装置の概略の構成を示す(a)は平面図であり、(b)は(a)のZ−Z’線矢視断面図であり、(c)は(a)のZ”−Z'''線矢視断面図である。本実施の形態に係る粒子分別装置は、図6(a)に示すように、粒子分別装置の要部であるチップ31を備え、チップ31はその内部に、第1導入口32、第1導入流路41、第2導入口39、第2導入流路40、粒子挿入部43、合流部42、分別流路33、分岐部34、第1流路35、第1排水口36、第2流路37および第2排水口38を少なくとも備えている。
なお、チップ31は実施の形態2におけるチップ11に、第1導入口32は第1導入口12に、第2導入口39は第2導入口19に、合流部42は合流部22に、分別流路33は分別流路13に、分岐部34は分岐部14に、第1流路35は第1流路15に、第1排水口36は第1排水口16に、第2流路37は第2流路17に、第2排水口38は第2排水口18に対応する。従って、以下の説明において特に記載していない構成または形態は、上記実施の形態2の構成または形態と同様である。
第1導入流路41および第2導入流路40は、合流部42を介して分別流路33に向かって滑らかな曲線を描くようにして(ある曲率を有する曲線状に)接続されている。これにより、分別液または粒子群を含む分別液が円滑に流れるため、粒子群が詰まるおそれを、より低減することができる。また、粒子群を分別液中に効率的に分散することができるため、粒子分別装置の分別精度がより向上する。
粒子挿入部43は、粒子群を懸濁液として、または、粒子群のみを挿入して合流部22にて分別液と混合、分散して、分別流路33に供給するための挿入口である。粒子群の挿入方法としては、当該粒子群を挿入することができる限り、特に限定されないが、例えば、シリンジポンプ等の送液装置を使用し、送液装置から管を介して粒子群を懸濁液として挿入する方法、分別液が粒子挿入部43から逆流しないように、重力差を用いて高い位置から粒子群を直接挿入する方法等が挙げられる。粒子挿入部43から直接挿入可能な粒子群としては、ゲル状の粒子群や弾力を有する粒子群が挙げられる。粒子挿入部43を介して粒子群を挿入することにより、粒子群を分別液中に効率的に分散させることができ、粒子群をより効率的に分別することができる。
第1流路35および第2流路37は、第1導入流路41および第2導入流路40と同様に、分岐部34を介して分別流路33に向かって滑らかな曲線を描くようにして(ある曲率を有する曲線状に)接続されている。これにより、分別液または粒子群を含む分別液が円滑に流れるため、粒子群が詰まるおそれを、より低減することができる。
〔実施の形態4〕
上記実施の形態1〜3で示される粒子分別装置の構成は、図9に示す構成であってもよい。図9は、粒子分別装置の分別流路および分岐部の変形例を示すものであり、概略の構成を説明する説明図である。具体的には、図9(a)は、分別液の密度よりも低い密度の粒子群同士を分別する構成を示した説明図であり、図9(b)は、分別液の密度に比べて極めて低い密度の粒子群だけを先に分別する構成を示した説明図であり、図9(c)は、分別液の密度よりも低い密度の粒子群、高い密度の粒子群に加え、分別液の密度に近い密度の粒子群を分別する構成を示した説明図である。以下、より具体的に説明する。
図9(a)に示される構造においては、導入口(または分岐部)の流路径が分別流路の流路径に比べて狭い構造となっており、密度が互いに異なる二種類の粒子群が、下方向(重力方向)の一領域から第1流路201および第2流路202に供給される。分別液の密度よりも低い密度であって、密度が互いに異なる二種類の粒子群は、上記式(1)に従って、それぞれの浮上速度で浮上する。一定の条件において、式(1)に従えば、密度が互いに異なる二種類の粒子群は、分別流路の末端である分岐部において、それぞれ異なった高さ(重力方向に対する高さ)に位置する。すなわち、分岐部において上方向(重力に逆らう方向)に集まる粒子群と、分岐部において下方向(重力方向)に集まる粒子群とに別れることになり、それぞれ、第1流路201および第2流路202によって分別が可能となる。
図9(b)に示される構造においては、導入口(または分岐部)の流路径が分別流路の流路径に比べて狭い構造となっており、密度が互いに異なる少なくとも二種類の粒子群が、中央の一領域から第2流路202に供給される。密度が互いに異なる少なくとも二種類の粒子群のうち、分別液の密度に比べて極めて低い密度の粒子群は、上方向(重力に逆らう方向)に比較的速い浮上速度で浮上する。従って、導入口(または分岐部)から一定の距離における位置を分岐点として、上方向(重力に逆らう方向)に第1流路201を設けることにより、一定の条件において、極めて低い密度の粒子群のみが第1流路201に供給されることによって分別が可能となる。また、残りの粒子群は、第2流路202に供給されることによって分別が可能となり、必要に応じて第2流路202に分岐部を設けることにより、さらに分別が可能となる。
図9(c)に示される構造においては、導入口(または分岐部)の流路径が分別流路の流路径に比べて狭い構造となっており、分別液の密度よりも低い密度の粒子群、高い密度の粒子群、および、分別液の密度に近い密度の粒子群の混合物からなる粒子群が、中央の一領域から第1流路301、第2流路302および第3流路303に供給される。混合物からなる上記粒子群のうち、分別液の密度よりも低い密度の粒子群は、上方向(重力に逆らう方向)に浮上する。また、分別液の密度よりも高い密度の粒子群は、下方向(重力方向)に沈降する。そして、分別液の密度に近い密度の粒子群は、上記式(1)に従えば、浮上も沈降もしないで、流路内を一定の高さを維持しながら流れる。従って、分別液の密度よりも低い密度の粒子群は上方向(重力に逆らう方向)に設けられた第1流路301に供給され、分別液の密度よりも高い密度の粒子群は下方向(重力方向)に設けられた第2流路302に供給され、分別液の密度に近い密度の粒子群は第1流路301と第2流路302との間(中央付近)に設けられた第3流路303に供給される。これにより、それぞれの粒子群は、第1流路301、第2流路302および第3流路303によって分別が可能となる。
〔実施の形態5〕
本発明に係る実施のさらに他の形態を、図面を参照しながら以下に説明する。図10は、後述する実施例6における粒子分別装置の概略の構成を示す(a)は平面図であり、(b)は(a)のW−W線矢視断面図であり、(c)は(a)のW−W線矢視断面図であり、(d)は(a)のW−W線矢視断面図である。本実施の形態に係る粒子分別装置は、図10(a)に示すように、粒子分別装置の要部であるチップ51を備え、チップ51はその内部に、第1導入口52、第1導入流路61、第2導入口59、第2導入流路60、粒子挿入部63、合流部62、分別流路53、分岐部54、第1流路55、第1液溜り56、第2流路57および第2液溜り58を少なくとも備えている。
なお、チップ51は実施の形態3におけるチップ31に、第1導入口52は第1導入口32に、第2導入口59は第2導入口39に、第1導入流路61は第1導入流路41に、第2導入流路60は第2導入流路40に、合流部62は合流部42に、分別流路53は分別流路33に、分岐部54は分岐部34に、第1流路55は第1流路35に、第1液溜り56は第1排水口36に、第2流路57は第2流路37に、第2液溜り58は第2排水口38に対応する。従って、以下の説明において特に記載していない構成または形態は、上記実施の形態3の構成または形態と同様である。
第1液溜り56は、チップ51で分別された密度の低い粒子群を含む分別液を排出する排水口の代わりに設けられ、チップ51で分別された粒子群を含む分別液を回収するための液溜りを構成する形状となっている。第2液溜り58は、チップ51で分別された密度の高い粒子群を含む分別液を排出する排水口の代わりに設けられ、チップ51で分別された粒子群を含む分別液を回収するための液溜りを構成する形状となっている。
本実施の形態に係る粒子分別装置は、上記構成により、実施の形態3で示される粒子分別装置と同様に、分別した粒子同士のコンタミネーションを防ぐことができ、より精度の高い分別が可能となる。
以下、本発明を、実施例を用いてさらに説明する。
〔実施例1〕
図1は、粒子分別装置の概略の構成を示す(a)は側面図であり、(b)は(a)のX−X’線矢視断面図である。本実施例に係る粒子分別装置は、実施の形態1に係る粒子分別装置の一具体例である。チップ1は、従来公知の製造方法で製造した。すなわち、精密機械を用いてポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂を加工して、マイクロ流路となる矩形状の凸部を有する型を形成し、この型を鋳型として、ポリジメチルシロキサン(PDMS)樹脂を用いて、チップ1となる溝が形成された第一部材を製造すると共に、溝が形成されていない平滑な第二部材(ガラス基板)を製造し、両部材を重ね合わせてチップ1を製造した。
分別流路3の断面は、垂直方向に600μm、水平方向に200μmの長方形となるように加工した。また、分別流路3の長さは、4cmとした。第1流路5および第2流路7の断面は、垂直方向に300μm、水平方向に200μmの長方形となるように加工した。また、分岐部4は、垂直Y字構造を形成するように加工した。さらに、ポリジメチルシロキサン樹脂からなるチップ1の強度を高めるために、当該チップ1の表面(最大面)に、補強のためのガラス基板を、従来公知の酸素プラズマ処理を用いることによって接合した。
このようにして製造したチップ1を含む粒子分別装置の分別評価試験を行った。分別評価試験の方法を以下に具体的に説明する。チップ1は分別評価試験時に、その最大面が重力方向と垂直になるようにして固定した。すなわち、チップ1は垂直に固定して用いた。
分別評価試験に用いる分別液として、濃度1.2g/mLに調製したショ糖水溶液を用いた。分別評価試験に用いる粒子群として、一般的にゲル濾過に用いられるポリアクリルアミドゲルを用いた。当該ポリアクリルアミドゲルとして、低い密度を有するポリアクリルアミドゲルA、および、高い密度を有するポリアクリルアミドゲルBの二種類を用いた。ポリアクリルアミドゲルAは、ショ糖水溶液(濃度1.2g/mL)による膨潤時において、密度1.0g/mL以下、且つ、粒子径45〜90μmである。また、ポリアクリルアミドゲルBは、ショ糖水溶液(濃度1.2g/mL)による膨潤時において、密度1.3g/mL以上、且つ、粒子径45〜90μmである。
粒子群を含む分別液は、シリンジポンプを使用して、送液管を介して導入口2から分別流路3に送液した。粒子を含む分別液の流速は4.0μL/分とし、マイクロ流路内の流速は3.3cm/分とした。そして、第1流路5および第2流路7から排出される粒子群を含む分別液は、第1排水口6および第2排水口8から送液管を介して回収した。その後、分別液から粒子群を取り出した。
分別評価試験の結果、ポリアクリルアミドゲルAは、分別流路3内を流れながら浮上し、分岐部4にて上方向に接続している第1流路5に供給された。ポリアクリルアミドゲルAにポリアクリルアミドゲルBは混入しておらず、第1排水口6からはポリアクリルアミドゲルAのみが回収された。一方、ポリアクリルアミドゲルBは、分別流路3内を流れながら沈降し、分岐部4にて下方向に接続している第2流路7に供給された。ポリアクリルアミドゲルBにポリアクリルアミドゲルAは混入しておらず、第2排水口8からはポリアクリルアミドゲルBのみが回収された。
図2は、(a),(b)共に、分別評価試験での粒子分別装置の分岐部4近傍を、水平方向から観察した側面図である。図2(a)では、ポリアクリルアミドゲルAが分別流路3内を流れながら浮上し、分岐部4にて上方向に接続している第1流路5に供給される様子が示されている。また、図2(b)では、ポリアクリルアミドゲルBが分別流路3内を流れながら沈降し、分岐部4にて下方向に接続している第2流路7に供給される様子が示されている。
〔実施例2〕
図3は、粒子分別装置の概略の構成を示す(a)は平面図であり、(b)は(a)のY−Y’線矢視断面図であり、(c)は(a)のY”−Y'''線矢視断面図である。本実施例に係る粒子分別装置は、実施の形態2に係る粒子分別装置の一具体例である。チップ11は、実施例1のチップ1と同様にして、鋳型を用いて第一部材および第二部材を製造し、両部材を重ね合わせて製造した。
分別流路13の断面は、垂直方向に400μm、水平方向に400μmの正方形となるように加工した。また、分別流路13の長さは、4cmとした。第1流路15および第2流路17の断面は、垂直方向に200μm、水平方向に400μmの長方形となるように加工した。また、合流部22および分岐部14は、平面二層Y字構造を形成するように加工した。すなわち、合流部22および分岐部14は垂直方向から見た形状がY字状であり、立体的には二つの流路が重なって「く」の字状となるように形成した。
チップ11は分別評価試験時に、その最大面が水平方向と垂直になるようにして固定した。すなわち、チップ11は水平に固定して用いた。また、粒子を含む分別液の流速は4.0μL/分とし、マイクロ流路内の流速は2.5cm/分とした。さらに、第1導入口12および第2導入口19の両方から同一の速度で粒子群を含む分別液を導入した。それ以外の条件は、実施例1の条件と同じにした。
分別評価試験の結果、ポリアクリルアミドゲルAは、分別流路13内を流れながら浮上し、分岐部14にて上方向に接続している第1流路15に供給された。ポリアクリルアミドゲルAにポリアクリルアミドゲルBは混入しておらず、第1排水口16からはポリアクリルアミドゲルAのみが回収された。一方、ポリアクリルアミドゲルBは、分別流路13内を流れながら沈降し、分岐部14にて下方向に接続している第2流路17に供給された。ポリアクリルアミドゲルBにポリアクリルアミドゲルAは混入しておらず、第2排水口18からはポリアクリルアミドゲルBのみが回収された。
図4(a)および図5(a)は、分別評価試験での粒子分別装置の分岐部14近傍を、垂直方向から観察した平面図であり、図4(b)および図5(b)はそれぞれ(a)に対応する水平方向から見た概略の断面図である。図4(a),(b)では、ポリアクリルアミドゲルAが分別流路13内を流れながら浮上し、分岐部14にて上方向に接続している第1流路15に供給される様子が示されている。また、図5(a),(b)では、ポリアクリルアミドゲルBが分別流路13内を流れながら沈降し、分岐部14にて下方向に接続している第2流路17に供給される様子が示されている。
〔実施例3〕
図6は、粒子分別装置の概略の構成を示す(a)は平面図であり、(b)は(a)のZ−Z’線矢視断面図であり、(c)は(a)のZ”−Z'''線矢視断面図である。本実施例に係る粒子分別装置は、実施の形態3に係る粒子分別装置の一具体例である。チップ31は、実施例2のチップ11と同様にして製造した。
分別流路33の断面は、垂直方向に400μm、水平方向に700μmの長方形となるように加工した。また、分別流路33の長さは、4cmとした。第1導入流路41、第2導入流路40、第1流路35および第2流路37の断面は、垂直方向に200μm、水平方向に400μmの長方形となるように加工した。さらに、粒子挿入部43の断面は、垂直方向に200μmまたは300μm、水平方向に200μmまたは300μmの正方形となるように加工した。また、合流部42および分岐部34は、平面二層Y字構造を形成するように加工した。すなわち、合流部42および分岐部34は垂直方向から見た形状がY字状であり、立体的には二つの流路が重なって「く」の字状となるように形成した。第1導入流路41および第2導入流路40は、合流部42を介して分別流路33に向かって滑らかな曲線を描くようにして(ある曲率を有する曲線状に)形成した。第1流路35および第2流路37は、分岐部34を介して分別流路33に向かって滑らかな曲線を描くようにして(ある曲率を有する曲線状に)形成した。
このようにして製造したチップ31を含む粒子分別装置の分別評価試験(二回)を行った。チップ31は分別評価試験時に、その最大面が水平方向と垂直になるようにして固定した。すなわち、チップ31は水平に固定して用いた。
分別評価試験に用いる分別液として、濃度1.05g/mLに調製したショ糖水溶液を用いた。分別評価試験に用いる粒子群として、粒子径の標準として用いられるポリスチレン粒子を用いた。当該ポリスチレン粒子として、低い密度を有するポリスチレン粒子A、および、高い密度を有するポリスチレン粒子Bの二種類を用いた。ポリスチレン粒子Aは、ショ糖水溶液(濃度1.05g/mL)による膨潤時において、密度1.04〜1.05g/mL以下、且つ、粒子径150μmである。また、ポリスチレン粒子Bは、ショ糖水溶液(濃度1.05g/mL)による膨潤時において、密度1.05〜1.06g/mL以上、且つ、粒子径140μmである。
分別液は、シリンジポンプを使用して、送液管を介して第1導入口32および第2導入口39から同一の流速で分別流路33に送液した。粒子群は、粒子挿入部43から挿入した。粒子を含む分別液の流速は20μL/分とし、マイクロ流路である分液流路33内の流速は7.1cm/分とした。そして、第1流路35および第2流路37から排出される粒子群を含む分別液は、第1排水口36および第2排水口38から送液管を介して回収した。その後、分別液から粒子群を取り出した。それ以外の条件は、実施例2の条件と同じにした。
分別評価試験の結果、二回とも、ポリスチレン粒子Aは、分別流路33内を流れながら浮上し、分岐部34にて上方向に接続している第1流路35に供給された。ポリスチレン粒子Aにポリスチレン粒子Bは混入しておらず、第1排水口36からはポリスチレン粒子Aのみが回収された。一方、ポリスチレン粒子Bは、分別流路33内を流れながら沈降し、分岐部34にて下方向に接続している第2流路37に供給された。ポリスチレン粒子Bにポリスチレン粒子Aは混入しておらず、第2排水口38からはポリスチレン粒子Bのみが回収された。
図7(a)は、分別評価試験での粒子分別装置の分岐部34近傍を、垂直方向から観察した平面図であり、(b)は(a)に対応する水平方向から見た概略の断面図である。図7(a)では、ポリスチレン粒子Aが分別流路33内を流れながら浮上し、分岐部34にて上方向に接続している第1流路35に供給される様子が示されている。また、図7(b)では、ポリスチレン粒子Bが分別流路33内を流れながら沈降し、分岐部34にて下方向に接続している第2流路37に供給される様子が示されている。
〔実施例4〕
粒子挿入部43の断面を、垂直方向に300μm、水平方向に300μmの正方形となるように加工した以外は、実施例3と同様にしてチップ31を製造した。そして、実施例3と同様にして、チップ31を含む粒子分別装置の分別評価試験を行った。
分別評価試験の結果、ポリスチレン粒子Aは、分別流路33内を流れながら浮上し、分岐部34にて上方向に接続している第1流路35に供給された。ポリスチレン粒子Aにポリスチレン粒子Bは混入しておらず、第1排水口36からはポリスチレン粒子Aのみが回収された。一方、ポリスチレン粒子Bは、分別流路33内を流れながら沈降し、分岐部34にて下方向に接続している第2流路37に供給された。ポリスチレン粒子Bにポリスチレン粒子Aは混入しておらず、第2排水口38からはポリスチレン粒子Bのみが回収された。
〔実施例5〕
粒子挿入部43の断面を、垂直方向に200μm、水平方向に200μmの正方形となるように加工した以外は、実施例3と同様にしてチップ31を製造した。そして、実施例3と同様にして、チップ31を含む粒子分別装置の分別評価試験を行った。
分別評価試験の結果、ポリスチレン粒子Aは、分別流路33内を流れながら浮上し、分岐部34にて上方向に接続している第1流路35に供給された。ポリスチレン粒子Aにポリスチレン粒子Bは混入しておらず、第1排水口36からはポリスチレン粒子Aのみが回収された。一方、ポリスチレン粒子Bは、分別流路33内を流れながら沈降し、分岐部34にて下方向に接続している第2流路37に供給された。ポリスチレン粒子Bにポリスチレン粒子Aは混入しておらず、第2排水口38からはポリスチレン粒子Bのみが回収された。
〔実施例6〕
図10は、粒子分別装置の概略の構成を示す(a)は平面図であり、(b)は(a)のW−W線矢視断面図であり、(c)は(a)のW−W線矢視断面図であり、(d)は(a)のW−W線矢視断面図である。本実施例に係る粒子分別装置は、実施の形態5に係る粒子分別装置の一具体例であり、細胞分別装置である。チップ51は、実施例3のチップ31と同様にして製造した。但し、粒子挿入部63を構成する溝は、第一部材にのみ形成した。
分別流路53の断面は、垂直方向に1,000μm、水平方向に700μmの長方形となるように加工した。また、分別流路53の長さは、1cmとした。第1導入流路61、第2導入流路60、第1流路55および第2流路57の断面は、垂直方向に500μm、水平方向に700μmの長方形となるように加工した。さらに、粒子挿入部63の断面は、垂直方向に400μm、水平方向に400μmの正方形となるように加工した。また、合流部62および分岐部54は、平面二層Y字構造を形成するように加工した。すなわち、合流部62および分岐部54は垂直方向から見た形状がY字状であり、立体的には二つの流路が重なって「く」の字状となるように形成した。第1導入流路61および第2導入流路60は、合流部62を介して分別流路53に向かって滑らかな曲線を描くようにして(ある曲率を有する曲線状に)形成した。第1流路55および第2流路57は、分岐部54を介して分別流路53に向かって滑らかな曲線を描くようにして(ある曲率を有する曲線状に)形成した。
第1液溜り56および第2液溜り58は、分別された粒子群を含む分別液をそれぞれ回収するのに十分な大きさに形成した。
このようにして製造したチップ51を含む細胞分別装置の分別評価試験を行った。チップ51は分別評価試験時に、その最大面が水平方向と垂直になるようにして固定した。すなわち、チップ51は水平に固定して用いた。
分別評価試験に用いる分別液として、濃度(流体密度)1.05g/mLに調製したショ糖水溶液(ポリビニルアルコールを0.05重量%含有)を用いた。分別評価試験に用いる粒子群として、直径が約150μmであるウシの卵子(粒子群)を用いた。当該ウシの卵子は、密度が比較的低い低品質の卵子A(細胞)と、密度が比較的高い中品質ないし高品質の卵子B(細胞)との混合物であった。なお、低品質の卵子Aは主に未成熟卵子であり、中品質ないし高品質の卵子Bは主に成熟卵子である。
分別液は、シリンジポンプを使用して、送液管を介して第1導入口52および第2導入口59から同一の流速で分別流路53に送液した。卵子(粒子群)は、粒子挿入部63から挿入した。卵子を含む分別液の流速は15μL/分とし、マイクロ流路である分液流路53内の流速は4.3cm/分とした。そして、第1流路55および第2流路57から排出される卵子を含む分別液は、第1液溜り56および第2液溜り58にそれぞれ溜めて回収した。その後、分別液から卵子を取り出した。それ以外の条件は、実施例3の条件と同じにした。
分別評価試験の結果、低品質の卵子Aは、分別流路53内を流れながら浮上ないし僅かに(ゆっくりと)沈降し、分岐部54にて上方向に接続している第1流路55に供給された。低品質の卵子Aに中品質ないし高品質の卵子Bは混入しておらず、第1液溜り56からは低品質の卵子Aのみが回収された。一方、中品質ないし高品質の卵子Bは、分別流路53内を流れながら大きく(速く)沈降し、分岐部54にて下方向に接続している第2流路57に供給された。中品質ないし高品質の卵子Bに低品質の卵子Aは混入しておらず、第2液溜り58からは中品質ないし高品質の卵子Bのみが回収された。従って、図12に示すように、低品質の卵子Aと中品質ないし高品質の卵子Bとで沈降の速度が異なること(時間差)を利用して、両者を分別し回収することができた。
図11は、分別評価試験での細胞分別装置の合流部62近傍(図10(c)に記載の部位に相当、図11では「a」と記載した箇所)、分別流路53(図10(b)に記載の部位に相当、図11では「b」と記載した箇所)および分岐部54近傍(図10(e)に記載の部位に相当、図11では「c」と記載した箇所)を、水平方向から見た概略の断面図である。倒立顕微鏡で観察した結果、図11から明らかなように、低品質の卵子Aは、分別流路53内を流れながら浮上ないし僅かに沈降し、分岐部54にて上方向に接続している第1流路55に供給される様子を確認することができた。また、中品質ないし高品質の卵子Bは、分別流路53内を流れながら大きく沈降し、分岐部54にて下方向に接続している第2流路57に供給される様子を確認することができた。
また、分別液の流速等を変更して、さらに分別評価試験を行った。図13における(a)は、低品質の卵子Aと中品質ないし高品質の卵子Bとを垂直方向から観察した平面図であり、(b)は細胞分別装置の分岐部54近傍を、垂直方向から観察した平面図である。
当該分別評価試験の条件として、第1導入口52および第2導入口59から各流速40μL/分で分別液を送液するとともに、粒子挿入部63から流速10μL/分で卵子A・Bを含む分別液を送液した。そして、粒子挿入部63から第1流路55または第2流路57までの距離(卵子A・Bの移動距離)を114μmとし、卵子A・Bの滞留時間(114μmを移動する時間)を8秒とした。また、粒子挿入部63から供給する卵子の個数を50個とした。
その結果、第1液溜り56には23個の卵子が回収され、第2液溜り58には27個の卵子が回収された。図13(b)では、卵子が分別流路53内を流れながら僅かにまたは大きく沈降し、分岐部54にて上下方向に接続している第1流路55または第2流路57に供給される様子が示されている。
回収された卵子を体外受精させて発生を確認したところ、第1液溜り56に回収された卵子は低品質の卵子Aであり、第2液溜り58に回収された卵子は中品質ないし高品質の卵子Bであることを確認することができた。
一方、第1導入口52および第2導入口59から各流速20μL/分で分別液を送液するとともに、粒子挿入部63から流速10μL/分で卵子A・Bを含む分別液を送液し、かつ、移動距離を191μmとし、滞留時間を14秒とし、供給する卵子の個数を23個として分別評価試験を行った。その結果、全ての卵子が沈降して第2液溜り58に回収された。
従って、細胞分別装置を用い、滞留時間を好適に制御することで、低品質の卵子Aと中品質ないし高品質の卵子Bとを分別し回収することができることがわかった。
本発明に係る粒子分別装置および粒子分別方法によれば、密度の差に従って粒子群が重力方向に異なる挙動を示すため、粒子径(サイズ)が同じであっても、異なる密度を有する粒子群を分別し回収することができる。従って、粒子に重力負荷等の大きなストレスをかけずに、短時間で粒子群を容易に分別することができ、分別した粒子群を容易に回収することができる。本発明に係る粒子分別装置および粒子分別方法は、特に、体細胞、赤血球、血小板、細菌類、酵母細菌、細胞フラクション、脂質小球、たんぱく質ミセル、プランクトン、藻類等の生体粒子、樹脂粒子、金属粒子等の粒子群の分別に好適である。
3 分別流路
4 分岐部
5 第1流路
7 第2流路
13 分別流路
14 分岐部
15 第1流路
17 第2流路
33 分別流路
34 分岐部
35 第1流路
37 第2流路
56 第1液溜り
58 第2液溜り

Claims (12)

  1. 分別液および少なくとも二種類の密度を有する粒子群が供給され、一定方向に分別液が流れる分別流路と、
    上記分別流路の上記分別液が流れる方向の少なくとも末端に接続された分岐部と、
    上記分岐部から上方向に向かって形成された第1流路と、
    上記分岐部から下方向に向かって形成された第2流路と、
    を少なくとも備え、
    上記分岐部は、
    鉛直方向から見た形状がY字状であり、
    上記分岐部から分かれる上記第1流路および上記第2流路が、粒子分別装置を構成するチップの最大面と並行にY字状に分かれていき、かつ、上記第1流路および上記第2流路が「く」の字状となるように分かれていく構造である平面二層Y字構造を有しており、
    上記分別液が、上記粒子群を分散または懸濁させることができ、かつ、上記チップ内を層流で流れる分別液であることを特徴とする粒子分別装置。
  2. 上記分別流路が水平方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の粒子分別装置。
  3. 上記分別液の密度が、上記第1流路に供給される低い密度を有する粒子群における粒子の最大密度より低く、且つ、上記第2流路に供給される高い密度を有する粒子群における粒子の最小密度より高いことを特徴とする請求項1または2に記載の粒子分別装置。
  4. 上記分別流路、分岐部、第1流路および第2流路を構成する溝が形成された第一部材、および、上記分別流路、分岐部、第1流路および第2流路を構成する溝が形成された第二部材が、上記溝で分別流路、分岐部、第1流路および第2流路を構成するように重ね合わされていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の粒子分別装置。
  5. 上記分別流路、分岐部および第1流路を構成する溝が形成された第一部材、および、上記分別流路、分岐部および第2流路を構成する溝が形成された第二部材が、上記溝で分別流路、分岐部、第1流路および第2流路を構成するように重ね合わされていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の粒子分別装置。
  6. 上記分別流路、分岐部、第1流路および第2流路を構成する溝が形成された第一部材、および、溝が形成されていない平滑な第二部材が、上記溝で分別流路、分岐部、第1流路および第2流路を構成するように重ね合わされていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の粒子分別装置。
  7. 上記第1流路および上記第2流路のそれぞれに分別された粒子群の最小密度差が、0.002g/mL以上であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の粒子分別装置。
  8. 上記分別流路、第1流路および第2流路の最小径が、上記粒子群の粒子径の3倍以上、1,000倍以下の範囲であることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の粒子分別装置。
  9. 上記粒子群の粒子径が、1〜1,000μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の粒子分別装置。
  10. 上記粒子群が体細胞であることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の粒子分別装置。
  11. 上記粒子群が、密度がより低い低品質の細胞と密度がより高い中品質ないし高品質の細胞との混合物であることを特徴とする請求項10に記載の粒子分別装置。
  12. 請求項1から11の何れか1項に記載の粒子分別装置を用いた粒子分別方法であって、
    粒子群を、密度が高い粒子群と、密度の低い粒子群に分別することを特徴とする粒子分別方法。
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