JP4247390B2 - 微粒子分級方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粒径が数ミクロン以下の微粒子でも時間的に完全連続方式で精密分級が可能な微粒子分級方法及び装置に関するものである。
微粒子の分級方法としては、気相(または真空)中で分級する方法と、液相中で分級する方法がある。このうち、気相中で分級する方法は、処理容量が小さく、また微粒子が会合しやすいため、真の粒径による分級にはなかなかならないという問題があった。一方、液相中では気相中と異なり、微粒子は会合しにくく、また微粒子が分散媒中を移動する際に大きな抵抗が発生し、その抵抗は粒径に鋭敏に依存することから、真の粒径により微粒子を容易に分別することが可能となる利点がある。そこで、これらの観点から液相中で分級する方法が着目されている。
微粒子の分級の手法としては、回分(バッチ)方式と、半連続方式と、完全連続方式の3つの方式がある。
回分方式は、チューブやその他の形状の処理容器を用いて、一回の運転毎の対象微粒子を分級処理する方式である。回分方式では、少量ずつの処理しか行えず、バッチ間の粒子の粒径の均一性の保証が困難であるという問題がある。
半連続方式は、連続的な運転が可能な方式である。しかし、この方式では、例えば分級装置内に蓄積された分級微粒子の回収などのために、一定時間運転後には必ず定常運転状態を破らなければならないという問題がある。
完全連続方式は、原理的には定常運転状態を無限に続けることが可能な方式である。定常運転状態の中で試料の供給及び回収を完全に行うことができる。微粒子分級においてこの方式を用いると、分級処理量が飛躍的に増大するだけでなく、分級した回収微粒子の粒径を精密に揃えることへの道が開かれる。なぜなら回分方式の場合、上記のように、たとえ一回のバッチで精密に粒径を揃えた画分が得られたとしても、別のバッチでそれと粒径を精密に揃えることは難しく、どうしても粒径が微妙にずれがちとなる。ところが、完全連続方式では、このような問題はなく、また半連続方式におけるように一定時間運転後には必ず定常運転状態を破らなければならないという問題もないからである。
一方、液相中での微粒子分級の方法として、遠心分離を利用する方法が用いられており、大別して、沈降平衡法と、沈降速度法がある。
沈降平衡法は、微粒子をその浮游密度の差で分級する方法である。図1に沈降平衡法を利用したスイングローターによる遠心分離分級の原理の概念図を示す。遠心管の中にあらかじめ階段状の密度勾配を形成させ、種種の浮遊密度を有する成分の混合物をその上で沈降させると、各成分はその浮遊密度と等しい層のところに移動する、そういう形で各成分をその浮遊密度により分離することが出来るのである。図1の方法は回分方式に相当する。
次に図2は、沈降平衡法を完全連続方式で実現するための装置原理を、従来のスイングローターとの比較で示したものである。完全連続方式の装置においては、試料溶液も階段状の密度勾配もローター内に時間的に連続して供給されるが、密度勾配の上を試料成分が沈降するに伴い浮遊密度の違いにより分離される機構に関しては、完全連続方式の場合もスイングローターの場合と全く同様であることが分る。さらに、このように沈降平衡法を完全連続方式で実現するための装置構造を図3に模式的に示す(米国特許第4425112号(特許文献1)、Pittsburgh Conference, March 2000, New Orleans、 LO、 USA(非特許文献1))。
それに対し沈降速度法は、微粒子をその沈降速度の差で分級する方法である。この沈降速度法では、液相中の微粒子の密度が等しく、形状も一定(例えば球状)ならば、粒子をサイズにより一義的に分離することが可能となる。図4において、スイングローターを用いた場合を例にとり、沈降速度法による遠心分離の原理を述べる。スイングローターで用いる遠沈管(遠心チューブ)の中にあらかじめ(階段状ではなく)空間的に連続した密度勾配を形成させ、種種のサイズを有する粒子の混合物をその上で沈降させると、各粒子はそのサイズに応じた沈降速度により液相内を移動するので、沈降開始後ある時間だけ経過させると、各粒子はそのサイズにより異なる沈降距離の位置に存在する、そういう形で、各粒子成分をそのサイズにより分離することが出来るのである。なお、沈降速度法において、階段状ではなく空間的に連続した密度勾配を用いるのは、液相内の擾乱を最大限抑止するためである。沈降速度法は沈降平衡法と異なり、液相が擾乱すると(粒子の沈降位置が乱され、その結果)分離能が大幅に悪化するのであるが、ローターの動径方向に連続的に増大する密度勾配材の濃度勾配によりもたらされる「連続的に増大する密度勾配」を用いることで液相の擾乱を抑止出来ることが回分法において知られている。ローター回転数が大きくなると、コリオリ力が飛躍的に増大、ひとたび液相内で擾乱が起きると、それに正のフィードバックがかかると考えられる(そのことは我々の実験でも示された)が、強大な遠心力場における順方向の密度差による擾乱抑止効果がそれを上回ると考えられる。図4の方法は回分方式に分類される。
さて、図3に示したように、完全連続運転モードにより微粒子を分級出来る装置(ないしその原理)が既に存在するのであるが、その方式は沈降平衡法である。ここで留意すべき点は、産業技術一般の観点からすると、沈降平衡法より沈降速度法を利用した分級装置の方が遥かに意義が大きいことである。しかしながら沈降速度法は上述のように沈降平衡法と異なり、流れ層内の乱流により分離能が大幅に悪化することからこれまで、沈降速度法による完全連続モードの分級装置実現には困難があった。そのような(液相中における沈降速度法により微粒子を分級する連続運転モードの)装置としては、これまでハイドロクロンが唯一の装置であったが、しかしハイドロクロンは、粒径数ミクロン以上の微粒子の分級にしか適用できないという問題があった。
本発明は、このような従来技術の実状に鑑みてなされたもので、粒径が数ミクロン以下の微粒子でも完全連続方式で精密分級が可能な微粒子分級方法及び装置を提供することをその課題とする。
本発明によれば、上記課題は下記の技術的手段により解決される。
(1)遠心ローター内の分離流路にて、分離対象とする微粒子試料を液相中において沈降速度法により分離する遠心分離方式を用いた微粒子分級方法であって、
分離流路の入口に連続密度勾配形成器を設け、この連続密度勾配形成器により、液相の溶液密度が遠心ローターの動径方向において連続的に増大する連続密度勾配を形成させ、かつ、原材料の供給及び分級した微粒子の回収を完全連続方式により行い、
前記連続密度勾配形成器は、その内部に液相が流れる流路が存在し、この流路の幅がローター動径方向に圧縮されている圧縮部を有し、この圧縮部において密度勾配材の拡散距離を短縮するとともに濃度勾配を増大させ、ローター動径方向における密度勾配材の拡散に要する時間を短縮するものであることを特徴とする微粒子分級方法。
(2)分離対象とする微粒子試料を液相中において沈降速度法により分離するための分離流路、原材料の供給のための入口及び分級した微粒子の回収のための出口が形成された遠心ローターを有し、
この遠心ローターの入口の前に、分離流路内で液相の溶液密度が遠心ローターの動径方向において連続的に増大する連続的密度勾配を形成させる連続的密度勾配形成器を設け、原材料の供給及び分級した微粒子の回収を完全連続方式により行い、
前記連続密度勾配形成器は、その内部に液相が流れる流路が存在し、この流路の幅がローター動径方向に圧縮されている圧縮部を有し、この圧縮部において密度勾配材の拡散距離を短縮するとともに濃度勾配を増大させ、ローター動径方向における密度勾配材の拡散に要する時間を短縮するものであることを特徴とする微粒子分級装置。
(3)遠心ローター内の分離流路にて、分離対象とする微粒子試料を液相中において沈降速度法により分離する遠心分離方式を用いた微粒子分級方法であって、
液相の溶液密度が遠心ローターの動径方向において連続的に増大する連続密度勾配を液相の温度勾配により形成させ、かつ、原材料の供給及び分級した微粒子の回収を完全連続方式により行うことを特徴とする微粒子分級方法。
(4)分離対象とする微粒子試料を液相中において沈降速度法により分離するための分離流路、原材料の供給のための入口及び分級した微粒子の回収のための出口が形成された遠心ローターを有し、
遠心ローター上において、高熱源をローター回転軸に近い方の全周に、低熱源をローターの外周側全周に設けて、遠心ローターの動径方向において連続的に増大する連続的密度勾配を形成させ、原材料の供給及び分級した微粒子の回収を完全連続方式により行うようにしたことを特徴とする微粒子分級装置。
(5)ヒーターによる電熱を高熱源、低温に温度調節した遠心室温度を低熱源としたことを特徴とする微粒子分級装置。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、粒径が数ミクロン以下の微粒子でも完全連続方式で精密分級が可能な微粒子分級方法及び装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を好ましい実施例に基づいて詳述する。
先ず、本発明の微粒子分級方法及び装置で用いる遠心分離の原理について説明する。
この原理は装置の種類によらず成り立つものである。
液相中では、微小な粒子の場合、当該粒子に働く遠心力と液相中を移動する際に生じる抵抗力は速やかに等しくなる。簡単のために粒子形状を球とすると、
遠心力=1/6πd(ρ−ρ)g
抵抗力=3πdμv (ストークスの法則)
d: 粒子直径
ρ: 粒子の浮游密度
ρ: 液相の密度
g: 遠心力場の加速度
μ: 液相の粘度
v: 沈降速度
という関係がある。
ここで、両者を等しいとおき、沈降速度vについて解くと、
v=d(ρ−ρ)g/18μ ・・・式(1)
となる。
式(1)より、ρp−ρl=0ならば、v=0になる。即ち、微粒子がその浮游密度と等しい液相部位に到達するとそこで停止する。沈降平衡法はこの現象を利用するものである。
これに対し、沈降速度法では、粒子密度が同一(ρ−ρが同一)の場合でも、粒径が異なると沈降速度も異なる(式(1)より沈降速度は粒径の2乗に比例する)という現象を利用するものである。同様に式(1)から分かるように、液相の粘度μは、沈降速度を遅くする(遠心の所要時間を長くする)因子であり、どの方式を用いる場合でも小さい方が望ましい。そして本発明では、一定の沈降時間の間に一定の距離を沈降(または浮上)する画分として、ある値の沈降速度をもつ画分を回収するものである。
なお、遠心力場の加速度gは、
g=rωで与えられる。
r: ローター回転軸からの距離
ω: ローター回転の角速度
本発明の微粒子分級方法及び装置は、遠心ローター内分離流路にて、分離対象とする微粒子試料を液相中において沈降速度法により分離する遠心分離方式を用いた微粒子分級手法であって、分離流路内で液相の密度が遠心ローターの動径方向に連続的に増大する連続密度勾配を形成させ、かつ、原材料の供給及び分級した微粒子の回収を時間的に完全連続方式により行うことを特徴とするものである。
図5に、沈降速度法を完全連続方式で実現するという本発明の装置原理を、従来のスイングローターとの比較で示す。本発明では、試料溶液も空間的に連続した密度勾配もローターの分離流路内に時間的に連続して供給されるが、密度勾配の上を粒径の異なる各粒子が沈降速度の違いにより分離される機構に関しては、本発明の場合も従来のスイングローターの場合と全く同様であることが分る。まず、一つの好ましい実施例について説明する。本実施例においては、遠心ローター上で液相の密度が遠心ローターの動径方向に連続的に増大する連続密度勾配を形成させるために、後述するような連続密度勾配形成器が使用される。そこでは、液相密度の制御は、溶解している溶質(密度勾配材と呼ばれる)の濃度を変えることにより行われる。本実施例における装置の全体構成としては、各種の構造のものが使用できるが、例えば、分離流路の上流側に、図6及び図7等に示すような連続密度勾配形成器を配置すること以外は図3と同様な構造のものを利用できる(後述のように出入口のチューブ数が2本のみになりうる点も除かれる)。即ち、試料液は試料ポンプを介して遠心ローターの分離流路(分離チャンネル)入口付近に連続的に供給される。それと平行して、2つまたはそれ以上の異なるバルク密度を有する密度勾配材溶液が遠心ローターの分離流路上流側に配置された連続密度勾配形成器入口に連続的に供給される。
図8はこの連続密度勾配形成器を遠心ローターに配置した様子を示したものである。連続密度勾配形成器の入口には2本またはそれ以上のチューブが接続され、それらのチューブを通して異なる密度を持つ液相がチューブと同数供給される。連続密度勾配形成器の出口からは遠心ローターの動径方向rの変化方向に対して連続的密度勾配を持つ液相が出てくることになる。連続密度勾配形成器の構造としては、液相の連続的密度勾配を形成する(不連続な密度変化を必要なだけ滑らかにする)のに必要な長さ(図9参照)をローター円周方向(流れの方向)に有するものとする。そして連続密度勾配形成器の下流において、狭い幅(小さいΔr)の試料導入ポートを設け、密度勾配形成器入口に接続されるチューブとは別のチューブを介して試料液が供給される。さらに図中の「出口」のところに、狭い幅(小さいΔr)の目的試料回収ポートと液相(及び微粒子のその他の画分)回収ポートを設ける。本装置では試料回収ポートは1カ所で済ませる方式も可能である(後述)。その場合には、液相(及び試料のその他の画分)回収ポートは通常、目的試料回収ポートの内周側と外周側の2カ所となるが、それらをまとめて1本のチューブによりローター外に取り出せばよいので、出口側のチューブ総数は2本で済むことになる。
試料導入ポートと目的試料回収ポートの幅を狭く(小さいΔrと)するのは、沈降(又は浮上)距離に関する微粒子毎の差異を小さくするためである。
本実施例において、連続密度勾配形成器を遠心ローターにどのように配置するか、その概略は図8に示した通りである。同形成器の出口はそのままローター内流路(試料分離流路)に接続するだけであるが、同形成器の入口においてローター外から来た2本またはそれ以上の数のチューブがどのように接続されるかについては、液相に擾乱を起こしうる因子を極力除去するための工夫例を図10に示す。
図10において、上から見た図(全体構造)は、例として5本のチューブが連続密度勾配形成器に接続されている様をローター回転軸上方から見たものである。矢印は5本のチューブ各々からの液相の流入を表している。各々のチューブは各々コネクターを介して連続密度勾配形成器に接続されている。個々のコネクターの形状の詳細については、「立体図(単位構造)」、「上から見た図(単位構造)」など3つの図で示してある。これらはいずれも、液相を連続密度勾配形成器に流線形状に導入するためのものである。本図では、流路断面の「円形→四角」変換は図に示したコネクタの最も細くくびれた部分とチューブの間で行うことになるが、もっと断面の太い部分、即ち、コネクタ(単位構造)の途中で「円形→四角」変換を行う手も考えられる。
また、コネクタの開口部における上下方向(ローター回転軸に平行な方向)のうちのりは、連続密度勾配形成器のそれに等しいが、コネクタの開口部における横幅(ローター回転軸および流路に直角な方向の幅)は、それぞれのコネクタ開口部における流速の平均線速度の(ローター回転軸から見た)角速度が全てのコネクタの間で等しくなるように設定する。
本実施例において用いる連続密度勾配形成器では、分離流路内で液相の溶液密度が遠心ローターの動径方向において連続的に変化する連続的密度勾配を形成させることがポイントの一つであり、その動作原理について説明する。この動作原理は、溶質の拡散という、普遍的に成り立つ自然の法則を利用するものである。
遠心力場に図9のAのような階段状の密度を持つ液相があったとする。この階段状の密度勾配は、まず、密度勾配材の拡散により、次第に図9のBの実線のように液相各部位の密度が変化してゆく。さらに時間が経過すると、図9のCのように、液相各部位の密度はほとんど直線状の値をとることになる。もっと時間が経過すると、図9のDのように、ほぼ直線状の値をとる密度勾配の長さが次第に短くなってゆく。
図3に示す沈降平衡モードの装置では、液相密度の絶対値が重要であるため、ほとんど図9のAの状態での液相を使用している。そのため、粘度をあまり増やさずかつ拡散速度も小さな密度勾配材として、シリカなどの超微粒子を用いている。
それに対し本実施例では、図9のC近傍の状態(BとCの中間からCとDの中間まで利用できる)の液相を用いて対象微粒子を分級する。まず、A→Cの過程を促進するため、「連続密度勾配形成器」を用いて液相を動径方向に大幅圧縮することにより、密度(密度勾配材の濃度)勾配ΔC/Δrを大きくし、かつ密度勾配材の拡散距離も小さくてすむようにしている。連続密度勾配形成器の下流で動径方向の圧縮を元に戻す。この区間で試料粒子の分離が行われるが、Dから分かるように、密度勾配が直線状の区間はその長さこそ短くなるが直線状という勾配形状とその勾配値はかなり長い時間保持されることを利用する。また仮に、密度勾配の勾配値が多少減少したとしても、液相の擾乱さえ起きず、そしてその減少の程度が安定していさえすれば(時間によって変化しないということでありさえすれば)問題とはならない。以上を踏まえ、密度勾配材としては、密度勾配材としてありふれた低分子のもの(水に対しては蔗糖や塩類)を用いればよい。
液相での微粒子の遠心分離による分級において、沈降平衡モードの場合、沈降平衡点(沈降平衡ゾーン)に到達するまでに対象微粒子の浮游密度と液相の密度との間の差が小さいゾーンを通過していく必要があるの対し、沈降速度モードの場合、対象微粒子の浮游密度と液相の密度との間の差は大きく設定できる(その方が定常状態の安定性(=回収微粒子粒径の揺らぎの小ささ)の観点からも望ましい)ので、同等の遠心力場を用いる場合でもより小さな微粒子を扱えることになる。
本発明では、沈降速度モードを利用しているので、沈降平衡モードの場合と異なり、形成された液相密度勾配の絶対密度値は重要でない。液相の擾乱が抑止されるとともに運転中の定常状態が保たれさえすればよい。
本実施例では、回収試料粒子の粒径分布をシャープにするためには、図3の装置とは異なり、目的微粒子回収ポートの幅Δrを狭くする必要があるそのような場合には、たとえ出力側のチューブ数を少々増やしても、全r値を同時にカバーすることは難しいが、次のような方法により対処が可能である。一つは、液相の流速を変えることで微粒子のローター内滞在時間を制御する方法である。回収ポートの動径方向の位置により決まる沈降距離の沈降に要する時間をそのように制御することで、回収ポートから回収される微粒子粒径を制御できるのである。また、ローターの回転速度を変える方法もある。一定の沈降距離を一定の時間の間に沈降させる際の遠心力場の強さを制御することで回収ポートから回収される微粒子粒径を制御するのである。
次に別の望ましい実施例について説明する。本実施例は、遠心ローター上で液相の密度が遠心ローターの動径方向において連続的に変化する連続的密度勾配を形成させるために、ローター上で液相の温度勾配を形成させるものである。前述の実施例では、Ito博士の発明したチューブ接続機構(但し、特許は切れている)を装置システムの一部として用いていたが、本実施例ではそれを用いていない。その結果、本実施例では装置構造は複雑なものとなるが、回転角速度をあげることやローター径を大きくすることにより、より大きな遠心力場を発生させることが可能で、より微細な粒子を分別することが可能となる。(サブミクロンに留まらず、100nm以下の所謂ナノ領域まで適用出来る可能性がある。)また本実施例では、前述の実施例とは異なり 液相の密度勾配を形成するためにグラジエント材と呼ばれる溶質を用いる必要がないので、試料の分画後にグラジエント材を除去する必要が発生しない、などの特長がある。但し、前述の実施例は、構造が比較的簡単であるだけでなく、温度勾配を用いないことから、生体試料など試料処理温度に制約がある場合などにはより好適な手段となりうる。
引き続き、第2に実施例について説明する。図11にそのための用いる遠心ローター本体の構造の一例を示す。以下にその特徴を列記する。
(1)ローター上の分離流路の動径範囲r〜rより広い動径範囲について、ローターの全周を温調している。ローター上の位置によらず、動径値により温度が一義的に決まるようにするためである。
(2)温調のための高熱源としては、肉厚の金属環の内側に、表面を絶縁したヒーター線を全周均一に貼り付けたものを用いる。低熱源としては、低温に精密温調した(ローターの収納されている)遠心室と温度平衡にあるローターの外縁部を用いる。ローター外縁部と遠心室との間の温度平衡は、大気圧下の遠心室内におけるローターの高速回転により達成されるが念のため、ローター外縁部に小さなフィンをつけておく。そして、高熱源と低熱源の間をローターの全周において伝熱体(厚めの金属など)で連結する。伝熱体は分離流路の一方(下方)のみでよい。
(3)ヒーター線と外界との間の導通手段としては、通常のモーターと同様の回転ブラシなどでよい。
(4)試料溶液の温度を、注入される位置の液相温度にあらかじめ等しくしておくため、試料溶液導入用に、分離流路とは別の流路を動径rに沿って設定する。図においては、伝熱体の裏側において動径rに沿って設定された流路をしばらく通ったあと、伝熱体の中を通して動径r3の位置で分離流路に対して開口している。
(5)上記開口部は、グラジエント液相導入部より、分離流路に沿ってある程度下流に行ったところに設定する。分離流路に導入されたグラジエント液相の中では、温度が安定する(流れも安定する)までしばらくの区間において乱流が起こるからである。
(6)グラジエント液相は、その上に形成された温度勾配により密度勾配を実現するための液相であるが、純溶媒(混合溶媒を含む)でも良いし、試料の安定化などの理由により特定の溶質成分を含む溶液でも良い。
(7)試料溶液の分離流路への導入は、流路への開口部から少し勢いをもって行われるようにする。試料溶液が流路壁に張り付いてしまい、流路壁の効果を強く受ける状況を避けるためである。
(8)目的分画を回収するための試料回収ポートは、その他の分画やグラジエント液相を回収するポートより流路の上流側に設置する。流路上の擾乱により、回収画分の品質が劣化することを防ぐためである。
(9)目的分画をよりシャープなものとして回収するためには、試料液を導入する開口部の直系および試料回収ポートの幅を狭くする。
引き続き第2の実施例について、遠心ローターの支持の方法、外界との流路連結の方法などに関して図12により説明する。図12に示したタイプの高遠心力型装置では、信頼性・耐久性のあるものとしては流路数を4本までしか取れないが、温度勾配により液相の密度勾配を形成させる方式の場合、4流路でも事足りるのである。
(1)遠心ローターの両端において大口径ベアリングにより遠心ローターを支持する方式とする。
(2)遠心ローター回転軸を経由せずにギアなどにより回転駆動力を遠心ローターに伝える方式とする。例えばギアを用いる場合、駆動力を伝えるギアと、それとは別にフリーのギアをローターを挟んで反対側に設置し、両者でローターを挟み込む形式とすることによりローター回転軸の安定を図る方法も考えられる。
(3)遠心ローター回転軸に沿って回転軸両端から回転シールなどにより流路を接続する。2流路用の回転シールは既にFFFなどで確立した技術であるが、それを遠心ローターの上下両端に設けることにより、外界と遠心ローターの間に合計4流路を確保出来ることになる。この合計4流路を、導入側2流路(試料溶液、グラジエント液相)と回収側2流路(目的分画、その他の分画とグラジエント液相)に割り振ることになる。
なお、液相内の温度勾配による液相の擾乱の抑制効果であるが、
我々は普段の生活において、温度による密度変化が有機溶媒より小さい水の場合でも温度差が存在すると対流が生じうることを経験している。通常の重力の強さのもとでも、より温度の低い液相が下方に位置を変え、より温度の高い液相が上方に位置を変えようとして実際に移動するわけである。このことは逆に言うと、温度の低い液相を上方に移動させようとしたり、温度の高い液相を下方に移動させようとしても、液相自身がそのような移動には抵抗する、ということである。遠心力場という、非常に強い重力場の元では、そのような抵抗力は非常に強いものとなる。さらに、温度による密度変化が水より大きい有機溶媒を液相として用いる場合には、より小さな温度勾配でも液相擾乱に対して十分な抵抗力を得られると考えられる。
以上、本発明を好ましい実施例により説明してきたが、本発明は上記実施例に加えて、種々の変形、変更が可能である。
例えば、本発明では、原料導入部の途中においてフィルターを使用することができる。処理対象物の中に大きな粒子が混入していると、ローターの流路壁などにたまってしまう可能性があるので、それを避けるためには流路途中にフィルターをおくのである。フィルター設置位置は別にローター上でなくてよく、むしろずっと上流の、原料液容器から原料を採取するあたりの方がよい。フィルターの網目は処理対象となる微粒子径より大きくなければならないが、その設置目的が達成されるよう大き過ぎないものが好ましい。
また、本発明では、遠心ローターの分離流路においてクッション液相を使用することもできる。上述のように処理対象物(微粒子)の中に大きめの粒子が混入していると、ローターの外側流路壁などに貯まってしまう可能性があるのであるが、ローター内流路の一番外側に試料粒子より密度の高い液相を流すことで、大きな粒子などが外側流路壁に到達することを防止するのである。その場合、クッション液相は、連続密度勾配形成器の下流にポートを設けてそこからローター内の最外周に流し込めばよい。このポートも原料導入ポートも、その上流から流れてくる密度勾配を乱しにくい形状(流線形)とすることが好ましい。
単分散性シリカ微粒子、単分散性ポリマー微粒子、磁気記録媒体、トナー、顔料、シリコンナノ粒子など、種種の微粒子の製造手段としての利用が見込まれる。
従来のスイングローターを用いた場合を例に取り、沈降平衡法による遠心分離の原理を説明した図である。 沈降平衡法を完全連続方式で実現するための装置原理を、従来のスイングローターとの比較で説明した図である。 沈降平衡法を完全連続方式で実現するための装置の全体構成例を模式的に示した図である。 スイングローターを用いた場合を例にとり、沈降速度法による遠心分離の原理を説明した図である。 本発明の分級方法及び装置の原理をスイングローターの場合と比較して示す図である。 本発明で用いる連続密度勾配形成器の構成例を示す図である。 図6の連続密度勾配形成器を上から見た図である。 連続密度勾配形成器を遠心ローターに組み込んだ様子を示す図である。 密度勾配形成器の動作原理を説明する図である。 流路の途中において液相に擾乱が起きることを極力防止するための具体例を示す図である。 液相の密度勾配を形成させるのに温度勾配を用いる方式における遠心ローター本体の構造例を示す図である。 4流路・高遠心力型装置におけるローターの支持方法、駆動力伝達方法などを示す図である。

Claims (5)

  1. 遠心ローター内の分離流路にて、分離対象とする微粒子試料を液相中において沈降速度法により分離する遠心分離方式を用いた微粒子分級方法であって、
    分離流路の入口に連続密度勾配形成器を設け、この連続密度勾配形成器により、液相の溶液密度が遠心ローターの動径方向において連続的に増大する連続密度勾配を形成させ、かつ、原材料の供給及び分級した微粒子の回収を完全連続方式により行い、
    前記連続密度勾配形成器は、その内部に液相が流れる流路が存在し、この流路の幅がローター動径方向に圧縮されている圧縮部を有し、この圧縮部において密度勾配材の拡散距離を短縮するとともに濃度勾配を増大させ、ローター動径方向における密度勾配材の拡散に要する時間を短縮するものであることを特徴とする微粒子分級方法。
  2. 分離対象とする微粒子試料を液相中において沈降速度法により分離するための分離流路、原材料の供給のための入口及び分級した微粒子の回収のための出口が形成された遠心ローターを有し、
    この遠心ローターの入口の前に、分離流路内で液相の溶液密度が遠心ローターの動径方向において連続的に増大する連続的密度勾配を形成させる連続的密度勾配形成器を設け、原材料の供給及び分級した微粒子の回収を完全連続方式により行い、
    前記連続密度勾配形成器は、その内部に液相が流れる流路が存在し、この流路の幅がローター動径方向に圧縮されている圧縮部を有し、この圧縮部において密度勾配材の拡散距離を短縮するとともに濃度勾配を増大させ、ローター動径方向における密度勾配材の拡散に要する時間を短縮するものであることを特徴とする微粒子分級装置。
  3. 遠心ローター内の分離流路にて、分離対象とする微粒子試料を液相中において沈降速度法により分離する遠心分離方式を用いた微粒子分級方法であって、
    液相の溶液密度が遠心ローターの動径方向において連続的に増大する連続密度勾配を液相の温度勾配により形成させ、かつ、原材料の供給及び分級した微粒子の回収を完全連続方式により行うことを特徴とする微粒子分級方法
  4. 分離対象とする微粒子試料を液相中において沈降速度法により分離するための分離流路、原材料の供給のための入口及び分級した微粒子の回収のための出口が形成された遠心ローターを有し、
    遠心ローター上において、高熱源をローター回転軸に近い方の全周に、低熱源をローターの外周側全周に設けて、遠心ローターの動径方向において連続的に増大する連続的密度勾配を形成させ、原材料の供給及び分級した微粒子の回収を完全連続方式により行うようにしたことを特徴とする微粒子分級装置
  5. ヒーターによる電熱を高熱源、低温に温度調節した遠心室温度を低熱源としたことを特徴とする請求項4に記載の微粒子分級装置。
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