JP6050968B2 - 鉄骨鉄筋コンクリート造建物へのアンカー設置工法 - Google Patents

鉄骨鉄筋コンクリート造建物へのアンカー設置工法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄骨鉄筋コンクリート造建物へのアンカー設置工法に関するものである。
既存の鉄骨鉄筋コンクリート造建物(SRC造建物)に設備機器類を直接あるいは支持構造物を介して据え付ける際や、補強架構などの補強部材を増設する際には、アンカー筋が用いられることがある。この際、アンカー筋は鉄骨鉄筋コンクリート造建物の躯体に打設されるが、躯体の鉄骨かぶり厚さが少ない場合などには、強度面などから躯体コンクリートにアンカー筋を打設することが困難である。したがって、このような場合には、鉄骨に対してアンカー筋を溶接固定する。
例えば特許文献1には、柱や梁などの既存のSRC部におけるスタッド取付部位を穿孔して既存SRC部内の鋼材に届く挿着孔を設け、挿着孔にスタッドを挿通して挿着孔内でアークスタッド溶接を施すことで鋼材にスタッドを溶接固定することが示されている。スタッド溶接後には、挿着孔の間隙にモルタルなどを充填して挿着孔の間隙を埋めている。
特開平11−343701号公報
ここで、粘土状の充填材を用いて挿着孔の間隙を埋めると、粘土状の充填材の流動性が悪いため、挿着孔内に多数の空隙ができる。これにより、アンカー筋のせん断剛性やせん断耐力および引張剛性や引張耐力が低下する。したがって、アンカー筋のせん断剛性やせん断耐力および引張剛性や引張耐力を確保するためには、液状の充填材を用いて挿着孔の間隙を隙間無く埋めることが重要である。挿着孔の間隙に液状の充填材を充填する場合には、充填口を覆う蓋(シール)が必要となる。
シール施工法としては、1)ベニヤ板を挿着孔の開口端に被せ、ベニヤ板の外側にモルタルを塗ってベニヤ板の端縁と躯体のコンクリート面との隙間を塞ぐ方法、2)ベニヤ板を挿着孔の開口端に被せ、ベニヤ板の外側に発泡ウレタンを塗ってベニヤ板の端縁と躯体のコンクリート面との隙間を塞ぐ方法、3)挿着孔の開口端に粘土状の充填材を盛って開口端を塞ぐ方法などが考えられる。
しかしながら、上記1)や2)の方法では、液状の充填材を充填後にベニヤ板や発泡ウレタンを除去する必要があり、工程が多い。また、上記3)の方法では、粘土状の充填材によって挿着孔内がどこまで埋められているか判別できないため、液状の充填材を注入するための注入管や排気管の先端が挿着孔内の適正な位置に配置されたかどうか判別できない。排気管が適正な位置に配置されないと、液状の充填材を注入したときに排気が十分に行われず、挿着孔内に空隙(空気だまり)ができてアンカー筋のせん断剛性やせん断耐力および引張剛性や引張耐力が低下する。また、モルタルの盛り上がった部分は見栄えが悪いだけでなく、後工事の邪魔にもなる。
本発明が解決しようとする課題は、施工が簡単であるとともにアンカー筋のせん断剛性やせん断耐力および引張剛性や引張耐力に優れる鉄骨鉄筋コンクリート造建物へのアンカー設置工法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る鉄骨鉄筋コンクリート造建物へのアンカー設置工法は、鉄骨鉄筋コンクリート造建物におけるアンカー打設部位の躯体コンクリートを鉄骨表面までコア抜きしてアンカー筋を挿着する挿着孔を設け、該挿着孔内の鉄骨表面にアンカー筋を溶接した後、充填材注入管および排気管を装着した管装着プレートを該挿着孔内の所定深さに挿着し、該挿着孔の開口端から管装着プレートまでの間を粘土状の充填材で埋めてシール部を設けるとともに、該挿着孔内のシール部奥の空隙部分に前記充填材注入管を通じて液状の充填材を注入して該空隙部分を埋めることを要旨とするものである。
この際、前記排気管の先端は、前記液状の充填材の注入過程で空気だまりが形成される位置に配置することが好ましい。
また、前記充填材注入管と前記排気管のいずれか一方の先端を挿入孔の最奥に配置するとともに他方の先端を管装着プレートに近接する位置に配置することが好ましい。そしてこの場合、挿入孔の最奥に配置する前記充填材注入管と前記排気管のいずれか一方の先端口が挿入孔奥の鉄骨の面に対して斜めに向いているとよい。
そして、前記管装着プレートには前記挿着孔の開口端に引っ掛かるフック片がプレート外周縁から所定長さに延設され、該フック片の長さによって挿着孔内における管装着プレートの挿着位置を決めても良い。
また、前記管装着プレートには前記挿着孔の内壁に引っ掛かる爪片がプレート外周縁から延設され、該爪片を挿着孔の内壁に引っ掛けることによって挿着孔内の所定深さに管装着プレートを固定しても良い。
そして、前記管装着プレートには、充填材注入管または排気管が挿入されるホルダ孔とホルダ孔内で互いに向かい合ってホルダ孔内に挿入された充填材注入管または排気管を係止する一対のバネ片とを備えたホルダが設けられており、該ホルダによって充填材注入管または排気管の挿着孔内への挿入長さを調整してもよい。
本発明に係る鉄骨鉄筋コンクリート造建物へのアンカー設置工法によれば、鉄骨鉄筋コンクリート造建物におけるアンカー打設部位の躯体コンクリートを鉄骨表面までコア抜きして設けたアンカー筋を挿着する挿着孔内の所定深さに充填材注入管および排気管を装着した管装着プレートを挿着して、挿着孔の開口端から管装着プレートまでの間を粘土状の充填材によるシール部とすることから、シール部の範囲が明確であり、充填材注入管や排気管の先端を挿着孔内の適正な位置に配置することができる。これにより、液状の充填材を注入したときに排気が正しく行われ、挿着孔内で空隙(空気だまり)の発生が抑えられるため、アンカー筋のせん断剛性やせん断耐力および引張剛性や引張耐力に優れる。また、挿着孔内における管装着プレートの挿着位置によって粘土状の充填材によるシール部の厚さを調整することができる。
そして、用いた管装着プレートや粘土状の充填材は、挿着孔内にそのまま埋め残されるので、撤去する必要がない。また、最初に管装着プレートを挿着して挿着孔の開口端から管装着プレートまでの間を粘土状の充填材で埋めるだけでシール部を形成できる。したがって、施工が簡単である。さらに、粘土状の充填材よりなるシール部は挿着孔内に形成され、挿着孔内でシール部としての厚さは十分に確保される。したがって、粘土状の充填材を挿着孔の開口端よりも外にはみ出させる必要がなく、挿着孔の開口端で粘土状の充填材の表面を均すことができる。これにより、完成後の見栄えが良く、後工事の邪魔にもならない。
この際、排気管の先端が、液状の充填材の注入過程で空気だまりが形成される位置に配置されれば、液状の充填材を注入したときに排気が正しく行われ、挿着孔内で空隙(空気だまり)の発生が抑えられるため、アンカー筋のせん断剛性やせん断耐力および引張剛性や引張耐力に優れる。
また、充填材注入管と排気管のいずれか一方の先端を挿入孔の最奥に配置するとともに他方の先端を管装着プレートに近接する位置に配置すると、液状の充填材を隙間なく充填しやすくなる。このとき、挿入孔の最奥に配置する前記充填材注入管と前記排気管のいずれか一方の先端口が挿入孔奥の鉄骨の面に対して斜めに向いていると、挿着孔奥の鉄骨と充填材注入管あるいは排気管排気管の先端が接触することによる閉塞を防止することができ、これにより、液状の充填材を隙間なく充填しやすくなる。
そして、管装着プレートには挿着孔の開口端に引っ掛かるフック片がプレート外周縁から所定長さに延設され、フック片の長さによって挿着孔内における管装着プレートの挿着位置を決めるようにすれば、挿着孔内における管装着プレートの挿着位置を常に一定の位置に決めることができる。これにより、粘土状の充填材によるシール部の厚さを常に一定にできるため、均質な構造性能(せん断剛性やせん断耐力および引張剛性や引張耐力)が得られる。
また、管装着プレートには挿着孔の内壁に引っ掛かる爪片がプレート外周縁から延設され、爪片を挿着孔の内壁に引っ掛けることによって挿着孔内の所定深さに管装着プレートを固定するようにすれば、挿着位置に位置決めされた管装着プレートが挿着孔から脱落したり所定位置からずれたりするのが抑えられる。
さらに、管装着プレートには充填材注入管または排気管が挿入されるホルダ孔とホルダ孔内で互いに向かい合ってホルダ孔内に挿入された充填材注入管または排気管を係止する一対のバネ片とを備えたホルダが設けられ、ホルダによって充填材注入管または排気管の挿着孔内への挿入長さを調整できれば、充填材注入管の先端や排気管の先端を所望の位置に配置することができる。
本発明を説明するための柱体の要部を一部切り欠いて示した斜視図である。 柱体のアンカー打設部位の躯体コンクリートを鉄骨表面までコア抜きしてアンカー筋を挿着する挿着孔を設けた状態を示した断面図である。 挿着孔内の鉄骨表面にアンカー筋を溶接した状態を示した断面図である。 充填材注入管および排気管を装着した管装着プレートを挿着孔内の所定深さに挿着した状態を示した断面図である。 挿着孔の開口端から管装着プレートまでの間を粘土状の充填材で埋めてシール部を設けた状態を示した断面図である。 挿着孔内のシール部奥の空隙部分に充填材注入管を通じて液状の充填材を注入している段階の断面図(a)と、液状の充填材を注入して空隙部分を埋めた状態を示した断面図(b)である。 管装着プレートの展開図(a)と、挿着孔への挿着に適した状態に変形させた模式図(b)である。 管装着プレートに充填材注入管と排気管を装着した状態を示した斜視図である。 上梁に対し上向きに挿着孔を形成した場合での充填材注入管と排気管の最適な配置を示した断面図である。
以下に、本発明の実施形態について図を用いて詳細に説明する。
図1には、鉄骨鉄筋コンクリート造建物の柱体10を例示している。鉄骨鉄筋コンクリート造建物の柱体10は、鉄骨12とその外周に巻かれているフープ筋14がコンクリート16内に埋設されたもので構成されている。本発明に係るアンカー設置工法は、鉄骨鉄筋コンクリート造建物に施工されるアンカー設置工法であり、柱体10などの躯体に対してアンカー筋18を設置する工法である。
まず、図2に示すように、アンカー打設部位の躯体コンクリート16を鉄骨12の表面までコア抜きしてアンカー筋18を挿着する挿着孔20を設ける。挿着孔20の孔径は、挿着するアンカー筋18の外径に応じて適宜設定すればよい。
次に、図3に示すように、挿着孔20にアンカー筋18を挿入し、アンカー筋18の先端を挿着孔20奥の鉄骨12の表面に突き当て、アンカー筋18の先端を鉄骨12の表面に溶接固定する。このとき、溶接に必要なスペースを確保するなどの理由でアンカー筋18と挿着孔20の内壁との間には隙間が形成されている。このため、次に、モルタルやセメントミルクなどの充填材でこの隙間を埋める作業を行う。
この際、粘土状の充填材のみでこの隙間を埋めようとすると、この隙間内に粘土状の充填材に起因する多数の空隙が形成されてアンカー筋18のせん断剛性やせん断耐力および引張剛性や引張耐力を低下させる要因となる。一方、液状の充填材のみでこの隙間を埋めようとすると、挿着孔20の方向によっては、液状の充填材が挿着孔20から流れ出ることがある(例えば、柱体10や梁体に対し水平方向に挿着孔を形成する場合や、上梁に対し上向きに挿着孔を形成する場合など)。よって、まず、粘土状の充填材によって挿着孔20の入口にシール部を形成した後、挿着孔20内のシール部の奥に液状の充填材を注入する。
シール部を形成するに際し、金属製の管装着プレートを用いる。図7(a)に示すように、管装着プレート22は、リング状のプレート24と、プレート外周縁から所定長さに延設された3つのフック片26と、プレート外周縁から延設された3つの爪片28と、を備えており、リング状のプレート24には、さらに、充填材注入管や排気管を装着するためのホルダ30が2カ所形成されている。
リング状のプレート24は挿着孔20内に挿着されるものであり、挿着孔20内に収まる程度にその外径は挿着孔20の内径よりも小さくなっている。リング状のプレート24の中央位置にはアンカー筋18が挿通される中央孔24aが形成されている。中央孔24aの内径はアンカー筋18の外径よりも大きく、中央孔24aの内周縁とアンカー筋18との間に隙間が形成される程度の大きさとされており、挿着孔20の中心位置とアンカー筋18の溶接位置とがずれていてもこの隙間によって位置ずれが吸収できるようになっている。
リング状のプレート24の2つのホルダ30はリング状のプレート24の対称位置に配置されている。ホルダ30はホルダ孔32と一対のバネ片34a,34bによって構成されている。ホルダ孔32は充填材注入管や排気管が挿入される孔であり、その内径は充填材注入管や排気管の外径よりも大きくなっている。バネ片34a,34bは、ホルダ孔32からリング状のプレート24の周方向に沿って形成された2つの切れ込みによって形成されたものであり、一対のバネ片34a,34bはホルダ孔32の両側からそれぞれホルダ孔32に向かって延びる片となっている。一対のバネ片34a,34bの先端はそれぞれホルダ孔32内に進入しており、ホルダ孔32内で互いに向かい合っている。一対のバネ片34a,34bの先端間の距離は充填材注入管や排気管の外径よりも小さくなっており、図8に示すように、充填材注入管36や排気管38は一対のバネ片34a,34bに接触し、リング状のプレート24の面内から一対のバネ片34a,34bの先端を押し出しながらホルダ孔32内に挿入され、一対のバネ片34a,34bによって係止される。充填材注入管36や排気管38は一対のバネ片34a,34bによって係止されるので、挿入長さを自由に調整することができる。
プレート外周縁から延設された3つのフック片26は、図7(b)に示すように、その基端でリング状のプレート24の面に対して同じ方向にそれぞれ折り曲げられる。フック片26の基端には切り込み26aが形成されており、この位置でフック片26が折り曲げられやすくなっている。3つのフック片26の先端側にはそれぞれ同じ位置に切り込み26bが形成されており、この位置でフック片26の先端部がさらに折り曲げられるようになっている。フック片26の先端側の切り込み26bよりも先端側がリング状のプレート24の外周縁よりも外側に向くように折り曲げられることで、フック片26はL字状に変形される。フック片26の先端側の切り込み26bよりも先端側は挿着孔20の開口縁に引っ掛かるフックとなる部分であり、フック片26のこれよりも基端側の長さによって挿着孔20内におけるリング状のプレート24(管装着プレート22)の挿着位置が決められる。すなわち、フック片26の先端側の切り込み26bよりも基端側の部分がリング状のプレート24(管装着プレート22)の挿着位置を決める長さ調整部となる。したがって、フック片26の先端側の切り込み26bの位置を変えることによってリング状のプレート24(管装着プレート22)の挿着深さを変えることができる。
プレート外周縁から延設された爪片28はプレート外周縁と挿着孔20の内壁との間の隙間よりも大きい長さに形成されており、リング状のプレート24を挿着孔20内に挿入したときに挿着孔20の内壁に引っ掛かる部分となり、リング状のプレート24(管装着プレート22)を挿着孔20内の所定深さに固定するものとなる。
上記構成よりなる管装着プレート22は、図8に示すように充填材注入管36および排気管38が装着された後、図4に示すように、挿着孔20内の所定深さに挿着される。このとき、フック片26の先端側のフックとなる部分が挿着孔20の開口縁に引っ掛かることで、管装着プレート22の挿着位置が挿着孔20内の所定深さに決定される。フック片26の先端側のフックとなる部分によってリング状のプレート24は挿着孔20内の奥にそれ以上入っていかないようにされている。また、プレート外周縁から延設された爪片28によってリング状のプレート24は挿着孔20内で固定されるので、挿着孔20から脱落したり所定位置からずれたりするのが抑えられている。
次に、図5に示すように、挿着孔20の開口端から管装着プレート22までの間を粘土状の充填材で埋めてシール部40を設ける。挿着孔20内に挿着されたリング状のプレート24は粘土状の充填材を受け止めるものとなる。本発明においては、このようにシール部40の範囲が明確である。したがって、充填材注入管36や排気管38の先端を挿着孔20内の適正な位置に配置することができる。これにより、液状の充填材を注入したときに排気が正しく行われ、挿着孔20内で空隙(空気だまり)の発生が抑えられるため、アンカー筋18のせん断剛性やせん断耐力および引張剛性や引張耐力に優れる。
また、挿着孔20内における管装着プレート22の挿着位置を一定にすることができるため、粘土状の充填材によるシール部40の厚さを一定にすることができる。これにより、せん断剛性やせん断耐力および引張剛性や引張耐力の設計が行いやすいという利点がある。また、均質な構造性能(せん断剛性やせん断耐力および引張剛性や引張耐力)が得られやすいという利点がある。
そして、シール部40は挿着孔20内に形成され、挿着孔20内でシール部40としての厚さは十分に確保される。したがって、粘土状の充填材を挿着孔20の開口端よりも外にはみ出させる必要がなく、挿着孔20の開口端で粘土状の充填材の表面を均すことができる。これにより、完成後の見栄えが良く、後工事の邪魔にもならない。
次に、図6(a)に示すように、挿着孔20内のシール部40の奥の空隙部分42に充填材注入管36を通じて液状の充填材44を注入する。挿着孔20の入口はシール部40によって塞がれているので、液状の充填材44が挿着孔20から流れ出すのが抑えられている。注入された液状の充填材44はシール部40の奥の空隙部分42に下から溜められる。シール部40の奥の空気は上に向かって押し出され、排気管38を通じて外に排気される。こうして、図6(b)に示すように、液状の充填材44によってシール部40の奥の空隙部分42が埋められる。
充填材を乾燥させた後、アンカー筋18の設置が完了する。充填材注入管36や排気管38の充填材から突出する部分は、必要に応じてアンカー筋18の設置後に切断して除去すれば良い。用いた管装着プレート22や粘土状の充填材は、挿着孔20内にそのまま埋め残されるので、撤去する必要がない。また、最初に管装着プレート22を挿着して挿着孔20の開口端から管装着プレート22までの間を粘土状の充填材で埋めるだけでシール部40を形成できる。したがって、施工が簡単である。
図2〜6では、柱体10に対し水平方向に挿着孔20を形成した場合が例示されている。したがって、図4では、挿着孔20内に注入された液状の充填材44がたまりやすい下側(鉛直方向の下側)に充填材注入管36が配置され、空気だまりが形成される上側(鉛直方向の上側)に排気管38が配置されている。また、挿着孔20の最奥まで液状の充填材44が注入されやすくなるように充填材注入管36の先端は挿着孔20の最奥に配置されている。
充填材注入管36はホルダ30の一対のバネ片34a,34bによって係止されているだけなので、挿着孔20への挿入長さを調整できる。したがって、充填材注入管36を装着した管装着プレート22を挿着孔20内に挿着した状態で充填材注入管36を挿入孔20の最奥に突き当てることにより容易に充填材注入管36の先端は挿着孔20の最奥に配置される。このとき、挿着孔20最奥の鉄骨12と充填材注入管36の先端が接触することによる閉塞を防止するため、充填材注入管36の先端口は鉄骨12の面に対して斜めに向いていることが好ましい。すなわち、図4に示すように、充填材注入管36の先端が斜めに尖っていることが好ましい。
排気管38の先端は、液状の充填材44が注入される空間内で充填材注入管36の先端位置から最も離れた位置となる、挿着孔20の入口側でリング状のプレート24に近接する位置に配置されている。排気管38の先端が配置された位置は液状の充填材44の注入過程で空気だまりが形成される位置となるので、液状の充填材44を注入したときに排気が正しく行われ、挿着孔20内で空隙(空気だまり)の発生が抑えられる。
図4では、柱体10に対し水平方向に挿着孔20を形成した場合での充填材注入管36と排気管38の最適な配置を示しているが、図9には、上梁に対し上向きに挿着孔20を形成した場合での充填材注入管36と排気管38の最適な配置を示す。
図9に示すように、上梁に対し上向きに挿着孔20を形成した場合には、挿着孔20の入口側でリング状のプレート24に近接する位置(鉛直方向の下側)に液状の充填材が溜まりやすいため、この位置に充填材注入管36の先端が配置される。一方、排気管38の先端は、液状の充填材の注入過程で空気だまりが形成される位置となる挿着孔20の奥(鉛直方向の上側)に配置される。したがって、この場合には、挿着孔20最奥の鉄骨12と排気管38の先端が接触することによる閉塞を防止するため、排気管38の先端口は鉄骨12の面に対して斜めに向いていることが好ましい。排気管38の先端が配置された位置は、液状の充填材が注入される空間内で充填材注入管36の先端位置から最も離れた位置となっている。
以上に示す本発明に係るアンカー設置工法は、鉄骨鉄筋コンクリート造建物(SRC造建物)においてコンクリート16のかぶりがうすく(例えば150mm以下)、アンカー筋18のコンクリート16への埋め込み深さが十分でなく、コンクリート16にアンカー筋18を打設するのが困難な場合などに特に有効な工法である。
設置されたアンカー筋18を介して、鉄骨鉄筋コンクリート造建物(SRC造建物)に、直接あるいは支持構造物を介して設備機器類が据え付けられたり、補強架構などの耐震補強部材が取り付けられる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば挿着孔20の形状は円孔に限定されるものではなく、角孔などであってもよい。また、アンカー筋18の形状、種類も限定されるものではなく、スタッドボルト、異形スタッドなどであってもよい。また、アンカー筋18の設置部位は柱体10に限定されるものではなく、梁体、壁体などであってもよい。さらに、充填材注入管36や排気管38は、リング状のプレート24に対し、ネジ止めにより固定されてもよい。
10 柱体
12 鉄骨
14 フープ筋
16 コンクリート
18 アンカー筋
20 挿着孔
22 管装着プレート
24 リング状のプレート
26 フック片
28 爪片
30 ホルダ
32 ホルダ孔
36 充填材注入管
38 排気管
40 シール部
42 空隙部分
44 液状の充填材

Claims (7)

  1. 鉄骨鉄筋コンクリート造建物におけるアンカー打設部位の躯体コンクリートを鉄骨表面までコア抜きしてアンカー筋を挿着する挿着孔を設け、該挿着孔内の鉄骨表面にアンカー筋を溶接した後、充填材注入管および排気管を装着した管装着プレートを該挿着孔内の所定深さに挿着し、該挿着孔の開口端から管装着プレートまでの間を粘土状のモルタルからなる充填材で埋めてシール部を設けるとともに、該挿着孔内のシール部奥の空隙部分に前記充填材注入管を通じて液状のモルタルまたはセメントミルクからなる充填材を注入して該空隙部分を埋め、用いた管装着プレートおよび粘土状のモルタルからなる充填材は、前記挿着孔内にそのまま埋め残すことを特徴とする鉄骨鉄筋コンクリート造建物へのアンカー設置工法。
  2. 前記排気管の先端は、前記液状の充填材の注入過程で空気だまりが形成される位置に配置することを特徴とする請求項1に記載の鉄骨鉄筋コンクリート造建物へのアンカー設置工法。
  3. 前記充填材注入管と前記排気管のいずれか一方の先端を挿入孔の最奥に配置するとともに他方の先端を管装着プレートに近接する位置に配置することを特徴とする請求項1または2に記載の鉄骨鉄筋コンクリート造建物へのアンカー設置工法。
  4. 挿入孔の最奥に配置する前記充填材注入管と前記排気管のいずれか一方の先端口が挿入孔奥の鉄骨の面に対して斜めに向いていることを特徴とする請求項3に記載の鉄骨鉄筋コンクリート造建物へのアンカー設置工法。
  5. 前記管装着プレートには、前記挿着孔の開口端に引っ掛かるフック片がプレート外周縁から所定長さに延設されており、該フック片の長さによって挿着孔内における管装着プレートの挿着位置を決めることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の鉄骨鉄筋コンクリート造建物へのアンカー設置工法。
  6. 前記管装着プレートには、前記挿着孔の内壁に引っ掛かる爪片がプレート外周縁から延設されており、該爪片を挿着孔の内壁に引っ掛けることによって挿着孔内の所定深さに管装着プレートを固定することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の鉄骨鉄筋コンクリート造建物へのアンカー設置工法。
  7. 前記管装着プレートには、充填材注入管または排気管が挿入されるホルダ孔とホルダ孔内で互いに向かい合ってホルダ孔内に挿入された充填材注入管または排気管を係止する一対のバネ片とを備えたホルダが設けられており、該ホルダの一対のバネ片でホルダ孔内に挿入された充填材注入管または排気管を係止することにより充填材注入管または排気管の挿着孔内への挿入長さを調整することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の鉄骨鉄筋コンクリート造建物へのアンカー設置工法。
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