JP3467236B2 - アンカー及びその施工構造並びに施工方法 - Google Patents
アンカー及びその施工構造並びに施工方法Info
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Description
壁面に形成した孔内に挿入固定して各種の物品等を取付
け支持させる場合などに用いるアンカー及びその施工構
造並びに施工方法に関する。更に詳しくは、例えば古い
トンネルで覆工材が老朽化したコンクリートブロックや
レンガ等である場合に、その天端から吊下げ物を支持す
る際に適用するに好適なアンカー及びその施工構造並び
に施工方法に関するものである。
支持金具やその他の各種物品を吊下げ支持させる場合に
は、例えば図15に示すような金属製の拡開式アンカー
や図16に示すような接着式アンカーが用いられてい
る。
端側にすり割りS1を有する略円筒状のスリーブSと、
一端側に略円錐台形の楔Kを一体的に設けたボルトBと
よりなり、そのボルトBにスリーブSを嵌めた状態で図
15(a)のようにコンクリート壁面等に形成した孔h
内に挿入し、スリーブSを有底筒状体P等を介してハン
マH等で打ち込むことにより、スリーブSの先端を同図
(b)のように拡開させて抜け止め固定する構成であ
る。
(a)のようにコンクリート壁面等に形成した孔h内に
カプセル入りの接着剤Cを挿入した後、ボルトBを回転
させながら打ち込むことによってカプセルを破壊し、そ
のカプセルから流出した接着剤Cで上記のボルトB1を
同図(b)のように接着固定する構成である。
固定した各ボルトBに、図に省略したナット等をねじ込
むことによって前記の架線支持金具やその他の各種物品
を取付け支持させている。
トンネル内面の覆工材が老朽化したコンクリートブロッ
クやレンガ等である場合には、上記のようなアンカーを
良好に固定できない等の問題がある。
Tは、所定形状に掘削形成したトンネル空間の内周面
に、その周囲の地山を支持するレンガRが内外方向に複
数層の層状に、かつ図18に示すように千鳥格子状に配
置されており、そのレンガ覆工全体の厚さは通常300
mm〜600mm程度に形成されている。
年変化により劣化して脆弱になり、前記のような拡開式
アンカーや接着式アンカーを打設しても充分な引き抜き
強度を確保できないおそれがある。
ると、拡開式アンカーでは、母材強度の不足からアンカ
ー強度が確保できず、また接着式アンカーでは、接着剤
が流失したり、孔内面との接着力が低下して充分な強度
を確保するのが困難となる。しかも、スリーブやボルト
が錆びる等の不具合がある。
工全体の強度は使用に耐える状態であっても、打設した
拡開式アンカーの拡開部や接着式アンカーの接着部が目
地部分に位置してしまった場合には充分な強度が得られ
ないおそれがある。
であった所謂在来工法では、覆工背面と地山との間に空
隙があるのが普通であり、アンカー打設のために孔開け
を行って、その孔が上記の空隙と貫通して、拡開式アン
カーの拡開部が空隙部分に位置してしまったり、或いは
接着式アンカーの接着剤が覆工背面に流失して固定不能
となる等の問題があった。
に鑑みて提案されたもので、例えば上記のような老朽化
した覆工材のように脆弱な母材に対しても良好に施工す
ることのできるアンカー及びその施工構造並びに施工方
法を提供することを目的とする。
めに本発明によるアンカー及びその施工構造並びに施工
方法は以下の構成としたものである。
形成した孔内に挿入して抜け止め固定するアンカーであ
って、一端側にねじ部を有する基部の他端側に、拡縮可
能な複数本の棒状の拡開アームを、それぞれ自由状態に
おいて非拡開状態で上記基部に一体的に設け、それらの
拡開アームを上記孔内に挿入する前に拡開させるための
拡開部材を備えると共に、上記各拡開アームの自由端側
に、上記孔内の所定深さ位置に形成した拡径部に引っ掛
けて係合保持させる抜け止め係止用突部を一体的に設け
たことを特徴とする。或いは壁面等に形成した孔内に挿
入して抜け止め固定するアンカーであって、一端側にね
じ部を有する基部の他端側に、拡縮可能な複数本の棒状
の拡開アームを、それぞれ自由状態において拡開した状
態で上記基部に一体的に設け、上記各拡開アームの自由
端側に、上記孔内の所定深さ位置に形成した拡径部に引
っ掛けて係合保持させる抜け止め係止用突部を一体的に
設けたことを特徴とする。
端側にねじ部を有する基部の他端側に、拡縮可能な複数
本の棒状の拡開アームを、それぞれ自由状態において非
拡開状態で上記基部に一体的に設け、それらの拡開アー
ムを壁面等に形成した孔内に挿入する前に拡開させる拡
開部材を備えると共に、その各拡開アームの自由端側に
抜け止め係止用突部を一体的に設けてなるアンカーを、
上記孔内に収容配置することによって、上記拡開部材で
拡開した上記各拡開アームの係止用突部を上記孔内の所
定深さ位置に形成した拡径部に引っ掛けて係合保持させ
たことを特徴とする。或いは一端側にねじ部を有する基
部の他端側に、拡縮可能な複数本の棒状の拡開アーム
を、それぞれ自由状態において拡開した状態で上記基部
に一体的に設け、その各拡開アームの自由端側に抜け止
め係止用突部を一体的に設けてなるアンカーを、壁面等
に形成した孔内に収容配置することによって、上記自由
状態で拡開した上記各拡開アームの係止用突部を上記孔
内の所定深さ位置に形成した拡径部に引っ掛けて係合保
持させたことを特徴とする。
一端側にねじ部を有する基部の他端側に拡縮可能な複数
本の棒状の拡開アームをそれぞれ一体的に設け、その各
拡開アームの自由端側に抜け止め係止用突部を一体的に
設けてなるアンカーを、上記各拡開アームが拡開方向に
付勢させた状態で壁面等に形成した孔内に挿入すること
によって、その各拡開アームの自由端側に設けた抜け止
め係止用突部を、上記孔内の所定深さ位置に形成した拡
径部に引っ掛けて係合保持させるようにしたことを特徴
とする。
それを用いた施工構造並びに施工方法を図に示す実施形
態に基づいて具体的に説明する。
実施形態を示す縦断面図、図2は図1におけるA−A線
断面図、図3(a)は上記実施形態に用いたアンカーの
正面図、同図(b)はその平面図、同図(c)は底面
図、図4(a)はアンカー拡開部材の平面図、同図
(b)はその正面図、同図(c)は側面図、同図(d)
は底面図である。
を取付けるために、その吊下げ支持用の金具Mを本発明
によるアンカー1を用いて覆工天端部分の壁面Wに取付
けたものである。上記壁面Wには、アンカー挿入用の孔
hが形成され、その孔h内の所定深さFの位置には断面
三角形のリング状の拡径部h1が形成されている。上記
孔hの深さは適宜であるが、本実施形態においては約4
90mmの深さに形成され、上記拡径部h1は孔hの開
口部から約300mmの位置に形成されている。
図2に示すように一端側(図の場合は下端側)にねじ部
としての雄ねじ11を有する基部1aを、また他端側に
はスリット溝12によって複数本に分岐された拡開アー
ム1bをそれぞれ一体的に設け、上記各拡開アーム1b
の自由端側に前記の拡径部h1に係合する抜け止め係止
用突部1cを一体的に設けた構成である。
おいては拡開部材2によって拡開する構成であり、その
拡開部材2は図3に示すように下窄まりの楔状に形成さ
れ、該拡開部材2を隣り合う拡開アーム1b・1b間に
挿入することによって上記各拡開アーム1bを図1のよ
うに拡開させている。又それによって各拡開アーム1b
の先端の係止用突部1cが拡径部h1に係合して抜け止
め保持されている。
孔hおよび拡径部h1内には、必要に応じてモルタルや
樹脂もしくは接着材等の固着材Gを充填するとよく、本
実施形態においては孔hの開口部をゴム等の弾性体より
なるパッキン3等で閉塞して上記孔h内に固着材Gとし
てモルタルを充填して固化させた構成である。
固化させると、孔h内のアンカー1は、前記各拡開アー
ム1bの先端の係止用突部1cが拡径部h1に引っ掛か
ることによる機械的な引き抜き強度と、上記固着材Gに
よる接着剤的な固着強度とが相まって強固に固定するこ
とが可能となる。
1に示すようにワッシャ4およびナット5により前記の
支持金具Mが取付けられ、その支持金具Mには架線が吊
下げ支持されているが図には省略した。なお上記孔hに
固着材Gを充填しない場合にも、図1のように孔hの開
口部とアンカーとの間に前記のようなパッキン3等を設
けるとよい。
の基部1aと反対側の端部をスリット溝12により2つ
割りにして拡開アーム1bを2本設けたが、その拡開ア
ーム1bの本数は適宜であり、例えば図5に示すように
4つ割りして拡開アーム1bを4本設けたものを用いる
こともできる。
示すような平面十字状の拡開部材2を用いて図7に示す
ように拡開させればよく、その各拡開アーム1bの先端
部に設けた係止用突部1cは同図(a)および(b)に
示すように孔hの拡径部h1に係合して前記実施形態と
同様に抜け止め保持させることができる。
は、その先端の係止用突部1cを拡径部h1に係合させ
た状態においても更に拡開方向に付勢された状態となる
ようにするとよく、そのようにすると、係止用突部1c
と拡径部h1との係合状態を更に良好に維持させること
が可能となる。
は、自由状態においては前記図3および図5のように非
拡開状態にあり、前記拡開部材2によって拡開させるよ
うにしたが、自由状態において各拡開アーム1bの係止
用突部1cが拡径部h1と係合し得る状態もしくはそれ
よりも広く拡開した状態に形成してもよい。そのように
すると、前記の拡開部材2を省略することができる。
当たっては、例えば以下の要領で施工すればよい。即
ち、先ず図11(a)に示すようにトンネル天端部等の
壁面Wの所定位置にアンカー挿入用のストレートの孔h
を削孔用ドリルD等で形成する。その孔hの穿孔径およ
び深さは適宜であるが、本実施形態においては穿孔径
(直径)52mm、穿孔深さは約490mmとした。
に装着した公知の拡径用削孔機(拡径ビット)E等を用
いて、上記孔hの所定深さ位置に拡径部h1を形成す
る。図中、E1はビット、E2はそのビットE1を開閉
する操作アームである。
に孔の開口端から所定の深さFの位置に拡径部h1を有
するアンカー挿入用の孔hを形成するもので、本実施形
態においては上記の深さFを約300mmとし、拡径部
h1の最大径(直径)を82mmとした。
アンカー1を挿入するもので、その際、アンカー1の隣
り合う拡開アーム1b・1b間に拡開部材2を挿入して
拡開させる、あるいは自由状態において拡開アーム1b
が拡開したアンカーを用い、それら各拡開アーム1bの
係止用突部1cを上記孔hの径よりも縮径させてその孔
h内に挿入する。
1bの係止用突部1cを縮径させた状態に保持する拘束
部材6を用いるとよく、図8はその拘束部材6の一例を
示すものである。その拘束部材6は鋼管等の筒体6aの
一端に把持用フランジ6bを一体的に設けると共に、そ
の把持用フランジ6bと反対側の筒体端部から所定の長
さ位置にストッパフランジ6cを一体的に設けた構成で
あり、上記筒体6aの外径寸法は前記孔hの内径よりも
やや小径に形成され、上記把持用フランジ6bと反対側
の筒体端部からストッパフランジ6cまでの長さLは、
前記拡径部h1の深さFと略等しく形成されている。
に示すように各拡開アーム1bが拡開部材2により、も
しくは自由状態において拡開した状態で、かつ各拡開ア
ーム1bの係止用突部1cを縮径させた状態で収容する
もので、図10(a)は前記図3に示すアンカーを拘束
部材6内に収容した状態の平面図、図10(b)は前記
図5に示すアンカーを拘束部材6内に収容した状態の平
面図である。
束部材6を、図12(a)のように前記の孔h内に挿入
し、拘束部材6のストッパフランジ6cを同図(b)の
ように孔hの開口部壁面Wに当接させる。すると、拘束
部材6の先端部(図で上端部)が孔hの拡径部h1に位
置し、その状態でアンカー1のみを孔h内に押し込む
と、各拡開アーム1bの自由端側の係止用突部1cが拘
束部材6の先端部を越えたところで、前記拡開部材2に
よって拡開方向に付勢されている拡開アーム1bの自由
端部の係止用突部1cが拡開方向に開いて、その突部1
cが拡径部h1に係合する。
6bを掴んで拘束部材6を、図12(c)のように孔h
から引き抜く方向に移動させると、アンカー1は移動す
ることなく、その各拡開アームの自由端部および係止用
突部1cが拡開部材6の略板厚分だけ更に拡開して係止
用突部1cが拡径部h1に深く係合し、拘束部材6を孔
hからすべて引き抜くと、図13(a)のようにアンカ
ーのみが孔h内に残留する。
固着材を充填する場合には、図13(b)のように孔h
の開口部にパッキン3を嵌め、そのパッキン3を貫くよ
うにして注入パイプ7と抜気パイプ8とを装着する。そ
して、上記注入パイプ7から固着材Gを注入すると共
に、孔h内に残留した空気を抜気パイプ8を介して外部
に排出させながら孔h内に固着材Gを充填する。
塞ぐことによって、未硬化固着材の漏出を防ぐだけでな
く、万一孔h内に水が浸入した場合には、その水がトン
ネル内に漏出するのを防止することができる。特に上記
アンカーで架線を吊下げる場合には、架線に水がかかる
のを防ぐことができる。
されたところで、図13(c)のように、注入パイプ7
および抜気パイプ8を引き抜いて固着材Gを固化させる
もので、上記孔h内に固着材Gが充分に充填されたか否
かは、孔h内に充填した固着材Gが排気パイプ8から溢
出することで容易に認知することができる。
Gが固化することによって、その固着材Gによる接着剤
的な固着作用と、前記係止用突部1cと拡径部h1との
機械的な係合とによってアンカー1を確実にかつ強固に
固定することができる。
ートブロック間の目地やひび割れ個所に位置してしまっ
た場合でも、上記のように固着材Gを孔h内に注入する
ことによって、目地やひび割れが上記固着材で塞がれて
確実なアンカー定着が図られる。また覆工材の厚さが予
想されたよりも薄くて孔hが覆工材を貫通してしまった
り、或いは覆工材中の空洞に位置してしまった場合にお
いても、上記貫通部あるいは空洞部でアンカーの拡開ア
ームを拡開させて固着を図ることができる。
されていることが望ましいが、上記の空洞やひび割れが
多かったり、孔hが覆工材の外側に貫通している場合に
は、孔の全部に充填されていなくても差し支えない。こ
うした状況は、固着材を所定量以上注入しても排気パイ
プからの流出がないことで容易に確認可能であり、この
場合には、固着材の注入作業を適宜中断すればよい。
なくても、図示例のように上向きに形成された孔hにあ
っては、アンカーの下側部分に固着材Gが溜まって孔h
を塞ぐので、その孔hからトンネル内に漏水が生じるの
を防止することができる。
材等の母材の状態が悪く、固着材を充分に若しくは全く
に充填できない場合、或いは固着材の充填を省略した場
合でも、拡開アームの係止用突部1cが拡径部h1に係
合することによる機械的な固着は確保されているので、
アンカーとしては充分に機能を発揮することができる。
め固定したアンカー1のねじ部、図の場合は基部1aに
形成した雄ねじ11に、前記図1のようにワッシャ4を
嵌めたのちナット5をねじ込むことによって前記の支持
金具M等を取付け支持させればよい。上記孔hに固着材
Gを充填しない場合にも前述のように孔hの開口部とア
ンカー1との間に前記図1に示すようなパッキン3等を
設けるとよい。
3は、全体略筒状に形成して孔hとアンカー1との間に
挿入するようにしたが、平板状のパッキンを孔hの開口
縁部外面に設けるようにしてもよい。図14はその一例
を示すもので、ゴム等の弾性体よりなる方形平板状のパ
ッキン本体31の一側面に、それと同形の金属板等より
なる補強用プレート32を一体もしくは一体的に重ね
て、該パッキン本体31および補強用プレート32に形
成した穴にアンカー1の基部1aを挿通し、その基部1
aの雄ねじ11にねじ込んだナット5で上記パッキン本
体31を孔hの開口縁部外面に圧接させた構成である。
ように上記パッキン本体31および補強用プレート32
に形成した穴に前記例と同様に注入パイプ7と抜気パイ
プ8とを装着して孔h内に固着材Gを充填すればよい。
充填後は上記注入パイプ7と抜気パイプ8とを抜き取
り、固着材Gが固化したところでナット5を一旦外し、
場合によってはパッキン本体31および補強用プレート
32も外して前記例と同様の要領で支持金具M等を取付
け支持させればいよい。
1のねじ部としてアンカー1の基部1aの外周面に雄ね
じ11を有するボルト状に形成したが、雌ねじ孔を有す
る筒状もしくはナット状に形成してもよく、その場合に
は上記雌ねじ孔にボルトを螺合して前記の支持金具M等
を取付ければよい。
1を拘束部材6内に収容してから孔h内に挿入するよう
にしたが、先に拘束部材6のみを孔h内に挿入してか
ら、その拘束部材6内にアンカー1を挿入するようにし
てもよい。また図示例は拘束部材6を鋼管等の筒体6a
で構成したが、その拘束部材6の構成は適宜であり、例
えば棒材の一端にそれと略直角なリング状体を一体的に
形成し、そのリング状体を拡開アーム1bの外周に嵌め
て収縮させるようにしてもよい。さらに上記孔hの内面
がきれいに自立していて、孔荒れの心配がない場合に
は、上記のような拘束部材を用いることなく挿入するこ
ともできる。
ンガ覆工という条件の天端部に架線等の電気設備を取付
けるために、アンカーを取付けた孔内に固着材の注入を
行ったが、アンカーを施工する母材及び取り付け物の条
件如何によっては必ずしも固着材の注入を必要としない
場合もある。
れを用いた施工構造並びに施工方法は、特に古いトンネ
ルで、覆工材が老朽化したコンクリートブロックやレン
ガ等であって、その天端から吊下げ物を取付け支持させ
る場合などに好適であり、上記のような壁面を構成する
母材が老朽化して脆弱な場合にも良好に固着できるもの
である。
しては、上記以外にも例えば母材が強度の低いコンクリ
ートや発泡コンクリート、石、ブロック、アスファルト
等、既存のアンカーでは施工が困難であったような場合
にも、好適に適用可能であり、それらは勿論トンネルの
覆工材の天端部分に限定されるものではなく、その他各
種構造物の天井や側壁面および床などへの適用も可能で
ある。
ルの補強工法は、上記の構成であるから、施工する部分
が古いトンネルの覆工材のように脆弱な母材であって
も、下孔に拡径部を形成して、その拡径部に本発明アン
カーの拡開アームを引っ掛ける形で機械的に固着するの
で、母材への負担が少なく、効率的にアンカー施工が可
能である。また、拘束部材を利用してアンカーを孔内に
挿入し、その拘束部材を引き抜くことによってアンカー
の拡開アームを拡開させれば、一層効率的にアンカー施
工を行うことができる。また、本発明では、拡開後のア
ンカーと孔壁との間に空隙ができるので、その空隙を利
用して注入パイプを差し込み、モルタルや樹脂もしくは
接着剤等の固着材を、必要に応じて注入して固着するこ
とができる。これにより、アンカーを機械的固定と接着
剤的な固定の両方で強固に固着することができるので、
覆工材にひび割れやクラックが発生していたり強度が落
ちている場合でも信頼性の高いアンカー施工が可能とな
る。さらに、アンカー固定用の孔が貫通している場合に
も施工できる等の効果がある。
示す縦断面図。
図。(b)はその平面図。(c)は底面図。
材の平面図。(b)はその正面図。(c)はその側面
図。(d)は底面図。
(b)はその平面図。(c)は底面図。
図。(b)はその正面図。(c)はその側面図。(d)
は底面図。
態の正面図。(b)は(a)におけるA−A線断面図。
断面図。
収容した状態の平面図。(a)は上記拘束部材内に図5
のアンカーを収容した状態の平面図。
明図。
を示す説明図。
を示す説明図。
(b)はその底面図。
の施工状態を示す説明図。
の施工状態を示す説明図。
Claims (9)
- 【請求項1】 壁面等に形成した孔内に挿入して抜け止
め固定するアンカーであって、一端側にねじ部を有する
基部の他端側に、拡縮可能な複数本の棒状の拡開アーム
を、それぞれ自由状態において非拡開状態で上記基部に
一体的に設け、それらの拡開アームを上記孔内に挿入す
る前に拡開させるための拡開部材を備えると共に、上記
各拡開アームの自由端側に、上記孔内の所定深さ位置に
形成した拡径部に引っ掛けて係合保持させる抜け止め係
止用突部を一体的に設けたことを特徴とするアンカー。 - 【請求項2】 壁面等に形成した孔内に挿入して抜け止
め固定するアンカーであって、一端側にねじ部を有する
基部の他端側に、拡縮可能な複数本の棒状の拡開アーム
を、それぞれ自由状態において拡開した状態で上記基部
に一体的に設け、上記各拡開アームの自由端側に、上記
孔内の所定深さ位置に形成した拡径部に引っ掛けて係合
保持させる抜け止め係止用突部を一体的に設けたことを
特徴とするアンカー。 - 【請求項3】 一端側にねじ部を有する基部の他端側
に、拡縮可能な複数本の棒状の拡開アームを、それぞれ
自由状態において非拡開状態で上記基部に一体的に設
け、それらの拡開アームを壁面等に形成した孔内に挿入
する前に拡開させる拡開部材を備えると共に、その各拡
開アームの自由端側に抜け止め係止用突部を一体的に設
けてなるアンカーを、上記孔内に収容配置することによ
って、上記拡開部材で拡開した上記各拡開アームの係止
用突部を上記孔内の所定深さ位置に形成した拡径部に引
っ掛けて係合保持させたことを特徴とするアンカー施工
構造。 - 【請求項4】 一端側にねじ部を有する基部の他端側
に、拡縮可能な複数本の棒状の拡開アームを、それぞれ
自由状態において拡開した状態で上記基部に一体的に設
け、その各拡開アームの自由端側に抜け止め係止用突部
を一体的に設けてなるアンカーを、壁面等に形成した孔
内に収容配置することによって、上記自由状態で拡開し
た上記各拡開アームの係止用突部を上記孔内の所定深さ
位置に形成した拡径部に引っ掛けて係合保持させたこと
を特徴とするアンカー施工構造。 - 【請求項5】 前記孔内に固着材を充填固化させてなる
請求項3または4記載のアンカー施工構造。 - 【請求項6】 一端側にねじ部を有する基部の他端側に
拡縮可能な複数本の棒状の拡開アームをそれぞれ一体的
に設け、その各拡開アームの自由端側に抜け止め係止用
突部を一体的に設けてなるアンカーを、上記各拡開アー
ムが拡開方向に付勢させた状態で壁面等に形成した孔内
に挿入することによって、その各拡開アームの自由端側
に設けた抜け止め係止用突部を、上記孔内の所定深さ位
置に形成した拡径部に引っ掛けて係合保持させるように
したことを特徴とするアンカー施工方法。 - 【請求項7】 前記の拡開方向に付勢された各拡開アー
ムの抜け止め係止用突部を、拘束部材により前記の孔径
よりも縮径させた状態で前記孔内に挿入するようにした
請求項6記載のアンカー施工方法。 - 【請求項8】 前記拘束部材には、その一端側から前記
拡径部の深さ位置と略等しい長さ位置にストッパフラン
ジを設けてなる請求項7記載のアンカー施工方法。 - 【請求項9】 前記アンカーを挿入した孔の開口部をパ
ッキンで閉塞すると共に、そのパッキンを貫通する注入
パイプと抜気パイプとを設け、その注入パイプを介して
前記孔内に固着材を充填するようにした請求項6〜8の
いずれかに記載のアンカー施工方法。
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