JP6048719B2 - プリント配線板及び該プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板及び該プリント配線板の製造方法 Download PDF

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本発明は、電気回路から発生する電磁波ノイズを好適に遮断(シールド)できると共に、電磁波シールド層の破断を効果的に防止することができ、良好な電気特性を維持することができるプリント配線板及びプリント配線板の製造方法に関する。
電子機器に内蔵されるプリント配線板の電気回路から発生する電磁波ノイズは、他の電気回路や電気製品、人体等へ好ましくない影響を与えることがある。
そこで近年、電磁波ノイズを遮断する電磁波シールド層をプリント配線板に設けることで、発生する電磁波ノイズの外部への漏出を防止することができるプリント配線板が開発されてきている。
このような電磁波シールド層を備えるプリント配線板は、樹脂からなる基材層と、基材層上に形成される導電層と、基材層及び導電層を被覆する絶縁層とから形成されると共に、金属膜層及び導電性接着剤層を備える樹脂からなるフィルムを、絶縁層及び導電層の表面に被覆させて(貼り付けて)形成されるものが一般的である。
また金属膜層及び導電性接着剤層を備える樹脂からなるフィルムを、カバーレイ等の絶縁層に備える開口部の側面に沿って屈曲させて導電層に備える電極に貼り付けることで、電極と金属膜層とを電気接続させ、グランド配線回路たる導電層と金属膜層とで共振回路を形成し、発生した電磁波ノイズを遮断するものが一般的である。
このような電磁波ノイズを遮断する電磁波シールド層を備えるプリント配線板を示す従来技術として、例えば下記特許文献1がある。
特開2006−7589号公報
上記特許文献1に示すような電磁波ノイズを遮断する電磁波シールド層を備えるプリント配線板においては、近年における電子機器の高密度配線化、高機能化、多様化等に伴い、プリント配線板の良好な電気特性を維持するために、例えば絶縁層を厚肉に形成したり、複数枚のプリント配線板を貼り合わせたりというように、プリント配線板を厚肉に設計する必要性が生じてきている。
このようにプリント配線板を厚肉に設計する場合、例えば絶縁層を厚肉に設計する場合、既述したフィルム状の電磁波シールド層を絶縁層に備える開口部の側面に沿って屈曲させた状態で電極に貼り付ける際に(押圧させる際に)、電磁波シールド層に過度な応力が負荷されることで、金属膜層や導電性接着剤層に破断が生じ、電磁波シールド特性の低下やグランド接続の信頼性低下が生じるという問題があった。
そこで本発明は上記従来における問題点を解決し、電気回路から発生する電磁波ノイズを好適に遮断することができると共に、特にプリント配線板を厚肉に設計する場合でも、電磁波シールド層の破断を効果的に防止することができ、良好な電気特性を維持することができるプリント配線板の提供を課題とする。
本発明のプリント配線板は、導電層と、前記導電層を被覆する絶縁層と、最外層にフィルム状の電磁波シールド層とを少なくとも備えるプリント配線板であって、前記導電層は電極部を備え、前記絶縁層は前記電極部を囲む開口部を備え、前記電磁波シールド層は、厚みが2μm〜12.5μmである樹脂フィルム層と、厚みが0.01μm〜10μmである金属膜層と、厚みが1μm〜30μmである導電性接着剤層とからなると共に、前記開口部の側面に沿って屈曲可能な屈曲片を1乃至複数備え、少なくとも1つの前記屈曲片を屈曲させた状態で前記電極部と電気接続させてあると共に、前記屈曲片は、前記絶縁層の厚さ以上の長さを有し、且つ前記開口部の内部で交差する2本の直線からなる切り込みで構成されていることを第1の特徴としている。
上記本発明の第1の特徴によれば、プリント配線板は、導電層と、前記導電層を被覆する絶縁層と、最外層にフィルム状の電磁波シールド層とを少なくとも備えるプリント配線板であって、前記導電層は電極部を備え、前記絶縁層は前記電極部を囲む開口部を備え、前記電磁波シールド層は、厚みが2μm〜12.5μmである樹脂フィルム層と、厚みが0.01μm〜10μmである金属膜層と、厚みが1μm〜30μmである導電性接着剤層とからなると共に、前記開口部の側面に沿って屈曲可能な屈曲片を1乃至複数備え、少なくとも1つの前記屈曲片を屈曲させた状態で前記電極部と電気接続させてあると共に、前記屈曲片は、前記絶縁層の厚さ以上の長さを有し、且つ前記開口部の内部で交差する2本の直線からなる切り込みで構成されていることから、電磁波シールド層を設ける構成とすることで、電気回路から発生する電磁波ノイズを好適に遮断(シールド)することができる。
また開口部の側面に沿って屈曲可能な屈曲片を1乃至複数備え、少なくとも1つの前記屈曲片を屈曲させて前記電極部と電気接続させる構成とすることで、フィルム状の電磁波シールド層を電極部と電気接続させる際に、電磁波シールド層に負荷される応力を効果的に緩和させることができる。よって特にプリント配線板を厚肉に設計する場合(例えば絶縁層を厚肉に設計する場合)でも、フィルム状の電磁波シールド層に破断が生じることを防止することができ、良好な電気特性を維持することができる。
また、前記屈曲片は、前記絶縁層の厚さ以上の長さを有することから、屈曲片と電極部とを確実に電気接続させることができる
更に、前記屈曲片は、前記開口部の内部で交差する2本の直線からなる切り込みで構成されていることから、屈曲片の形成を一段と容易なものとすることができる。
また本発明のプリント配線板の製造方法は、基材層に導電層を形成する導電層形成工程と、前記基材層及び前記導電層に絶縁層を被覆させる絶縁層被覆工程と、最外層に、厚みが2μm〜12.5μmである樹脂フィルム層と、厚みが0.01μm〜10μmである金属膜層と、厚みが1μm〜30μmである導電性接着剤層とからなるフィルム状の電磁波シールド層を被覆させる電磁波シールド層被覆工程とを少なくとも備えるプリント配線板の製造方法であって、前記絶縁層被覆工程は、前記絶縁層に開口部を形成することで前記導電層の一部を電極部とする工程を備え、前記電磁波シールド層被覆工程は、前記電磁波シールド層のうち、前記開口部を囲む部分に前記絶縁層の厚さ以上の長さを有すると共に、前記開口部の内部で交差する2本の直線からなる切り込みを設けることで、前記開口部の側面に沿って屈曲可能な屈曲片を1乃至複数形成し、少なくとも1つの前記屈曲片を屈曲させて前記電極部に貼り付ける工程を備えることを第2の特徴としている。
上記本発明の第2の特徴によれば、プリント配線板の製造方法は、基材層に導電層を形成する導電層形成工程と、前記基材層及び前記導電層に絶縁層を被覆させる絶縁層被覆工程と、最外層に、厚みが2μm〜12.5μmである樹脂フィルム層と、厚みが0.01μm〜10μmである金属膜層と、厚みが1μm〜30μmである導電性接着剤層とからなるフィルム状の電磁波シールド層を被覆させる電磁波シールド層被覆工程とを少なくとも備えるプリント配線板の製造方法であって、前記絶縁層被覆工程は、前記絶縁層に開口部を形成することで前記導電層の一部を電極部とする工程を備え、前記電磁波シールド層被覆工程は、前記電磁波シールド層のうち、前記開口部を囲む部分に前記絶縁層の厚さ以上の長さを有すると共に、前記開口部の内部で交差する2本の直線からなる切り込みを設けることで、前記開口部の側面に沿って屈曲可能な屈曲片を1乃至複数形成し、少なくとも1つの前記屈曲片を屈曲させて前記電極部に貼り付ける工程を備えることから、電磁波シールド層を設ける構成とすることで、電気回路から発生する電磁波ノイズを好適に遮断(シールド)することができるプリント配線板を製造することができる。
また前記開口部を囲む部分に前記絶縁層の厚さ以上の長さを有すると共に、前記開口部の内部で交差する2本の直線からなる切り込みを設けることで、前記開口部の側面に沿って屈曲可能な屈曲片を1乃至複数形成し、少なくとも1つの前記屈曲片を屈曲させて前記電極部に貼り付ける構成とすることで、フィルム状の電磁波シールド層を電極部と電気接続させる際に、電磁波シールド層に負荷される応力を効果的に緩和させることができる。
よって特にプリント配線板を厚肉に設計する場合(例えば絶縁層を厚肉に設計する場合)でも、フィルム状の電磁波シールド層に破断が生じることを防止することができ、良好な電気特性を維持することができる。
本発明のプリント配線板によれば、電気回路から発生する電磁波ノイズを好適に遮断できると共に、プリント配線板を厚肉に設計する場合でも、電磁波シールド層の破断を効果的に防止することができ、良好な電気特性を維持することができる。また屈曲片を容易に形成することができる。
また本発明のプリント配線板の製造方法によれば、電気回路から発生する電磁波ノイズを好適に遮断できると共に、プリント配線板を厚肉に設計する場合でも、電磁波シールド層の破断を効果的に防止することができ、良好な電気特性を維持することができるプリント配線板を製造することができる。
本発明の実施形態に係るプリント配線板を示す図で、(a)はプリント配線板の要部を示す断面図、(b)は電磁波シールド層の要部を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るプリント配線板を示す図で、(a)は電磁波シールド層を開口部の側面に沿って屈曲させる前の状態を示す要部の平面図、(b)は電磁波シールド層を開口部の側面に沿って屈曲させた後の状態を示す要部の平面図である。 本発明の実施形態に係るプリント配線板の製造方法を簡略化して示す断面図である。 本発明の実施形態に係るプリント配線板の製造方法を簡略化して示す断面図である。 本発明の実施形態に係るプリント配線板の変形例1を示す図で、(a)は電磁波シールド層を開口部の側面に沿って屈曲させる前の状態を示す要部の平面図、(b)は電磁波シールド層を開口部の側面に沿って屈曲させた後の状態を示す要部の平面図である。 本発明の実施形態に係るプリント配線板の変形例2を示す図で、(a)は電磁波シールド層を開口部の側面に沿って屈曲させる前の状態を示す要部の平面図、(b)は電磁波シールド層を開口部の側面に沿って屈曲させた後の状態を示す要部の平面図である。 従来のプリント配線板を示す図で、(a)は電磁波シールド層を開口部の側面に沿って屈曲させる前の状態を示す要部の平面図、(b)は電磁波シールド層に破断が生じた状態を示す要部の断面図である。
以下の図面を参照して、本発明の実施形態に係るプリント配線板1及び該プリント配線板1の製造方法を説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は本発明の実施形態であって、特許請求の範囲に記載の内容を限定するものではない。
まず図1、図2を参照して、本発明の実施形態に係るプリント配線板1を説明する。
本発明の実施形態に係るプリント配線板1は、携帯電話機等の電子機器の内部に配設される、いわゆる片面フレキシブルプリント配線板である。
このプリント配線板1は、図1(a)に示すように、基材層10と、導電層20と、絶縁層30と、電磁波シールド層40とから構成される。
前記基材層10は、プリント配線板1の基台となるものであり、絶縁性の樹脂フィルムで形成されている。
樹脂フィルムとしては、柔軟性に優れた樹脂材料からなるものが使用される。例えばポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等、プリント配線板の基材を形成する樹脂フィルムとして通常用いられるものであれば、如何なるものを用いてもよい。
また特に、柔軟性に加えて高い耐熱性をも有しているものが望ましい。例えばポリアミド系の樹脂フィルムや、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのポリイミド系の樹脂フィルムや、ポリエチレンナフタレートを好適に用いることができる。
また耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等、プリント配線板を形成する耐熱性樹脂として通常用いられるものであれば、如何なるものを用いてもよい。
なお基材層10の厚みは、5μm以上、より好ましくは10μm以上とすることが望ましい。5μm未満だと絶縁性が維持できなくなるからである。
前記導電層20は、基材層10上に積層される導電性金属からなる層であり、プリント配線板1の電極や配線回路等を構成する層である。
本実施形態においては、図1(a)に示すように、絶縁層30に形成される開口部Aの側面Dの下にある導電層20(導電層20のうち、開口部Aで囲まれる領域)を電極部21とすると共に、電極部21と連通する導電層20を、いわゆるグランド配線回路としてある。
この導電層20は、基材層10上に導電性金属箔をめっきにより積層する(いわゆるアディティブ法)等の公知の形成方法で形成することができる。
なお本実施形態においては、導電性金属箔として銅(Cu)を用いる構成としてある。勿論、銅(Cu)に限るものではなく、プリント配線板の導電層を形成する導電性金属箔として通常用いられるものを用いることができる。
また導電層20の厚みは、5μm〜50μm程度、より好ましくは9μm〜35μm程度とすることが望ましい。5μm未満だと断線し易くなり、また電気抵抗が上がるからであり、50μmを超えるとエッチングによる配線回路の形成が難しくなるからである。
また導電層20に形成する電極部21や配線回路の本数等は、本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
前記絶縁層30は、プリント配線板1の絶縁を確保するための層である。
この絶縁層30は、図1(a)に示すように、絶縁性接着剤層31と、絶縁性樹脂層32とから構成される。
前記絶縁性接着剤層31は、導電層20上に絶縁性樹脂層32を接着させるための接着剤層である。
なお絶縁性接着剤層31を形成する絶縁性接着剤としては、エポキシ系接着剤等、プリント配線板を形成する絶縁性接着剤として通常用いられるものであれば、如何なるものを用いてもよい。
前記絶縁性樹脂層32は、プリント配線板1の絶縁を確保するための層である。
なお絶縁性樹脂層32を形成する絶縁性樹脂としては、ポリイミドフィルム等、プリント配線板における絶縁層を形成する絶縁性樹脂として通常用いられるものであれば、その材質、性状等は如何なるものを用いてもよい。
また本実施形態においては図1、図2に示すように、絶縁層30の一部に円形の開口部Aを形成すると共に、開口部Aの側面Dの下にある導電層20を電極部21としてある。
なお絶縁層30の総厚みは、10μm〜1000μm程度、より好ましくは40μm〜800μm程度とすることが望ましい。10μm未満だと絶縁性が維持できなくなるからであり、1000μmを超えるとコンパクト化できないからである。
また開口部Aの直径は、1.5mm〜5mm程度、より好ましくは、2mm〜3mm程度とすることが望ましい。1.5mm未満だと後述する金属膜層42と電極部21との電気接続がうまくとれないからであり、5mmを超えるとコンパクト化できないからである。
前記電磁波シールド層40は、プリント配線板1の最外層(最表面層)を構成し、プリント配線板1の配線回路から発生する電磁波のノイズを遮断(シールド)すると共に、インピーダンス整合を実現させるための層である。
この電磁波シールド層40は、図1(b)に示すように、樹脂フィルム層41と、金属膜層42と、導電性接着剤層43とから構成される。
前記樹脂フィルム層41は、電磁波シールド層40の基材となるものである。
なお樹脂フィルムとしては、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド等、電磁波シールド層40を形成する樹脂フィルムとして通常用いられるものであれば、如何なるものを用いてもよい。
また樹脂フィルム層41の厚みは、2μm〜12.5μm程度、より好ましくは3μm〜8μm程度とすることが望ましい。2μm未満だと絶縁性が維持できなくなるからであり、12.5μmを超えるとコンパクト化できないからである。
前記金属膜層42は、導電性接着剤層43を介して電極部21と電気接続されることで、グランド配線回路と共振回路を形成し、プリント配線1から発生する電磁波ノイズを遮断すると共に、インピーダンス整合を実現させるための層である。
なお金属膜層42を形成する導電性金属としては、銀、銅、金等、プリント配線板の電磁波シールド層を形成する導電性金属として通常用いられるものであれば、如何なるものを用いてもよい。
またこの金属膜層42は、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の公知の薄膜形成方法を用いて樹脂フィルム層41上に形成することができる。
また金属膜層42の厚みは、0.01μm〜10μm程度、より好ましくは0.05μm〜6μm程度とすることが望ましい。0.01μm未満だとシールド性が維持できないからであり、10μmを超えるとフレキシブル性が失われるからである。
前記導電性接着剤層43は、金属膜層42を備える樹脂フィルム層41を、絶縁層30及び電極部21の表面に接着させると共に、金属膜層42と電極部21とを電気接続させるための層である。
本実施形態においては、図1(b)に示すように、絶縁性接着剤43aの中に導電性粒子43bを分散させてなる異方導電性接着剤を用いて導電性接着剤層43を形成している。
なお絶縁性接着剤43aとしては、エポキシ樹脂系接着剤等、異方導電性接着剤を構成する絶縁性接着剤として通常用いられるものであれば、如何なるものを用いてもよい。
また導電性粒子43bとしては、ニッケル等、異方導電性接着剤を構成する導電性粒子として通常用いられるものであれば、如何なるものを用いてもよいし、その粒径や形状等も適宜変更可能である。
また導電性接着剤層43の性状は、シート状、ペースト状等、適宜変更可能である。
なお導電性接着剤層43の厚みは、1μm〜30μm程度、より好ましくは3μm〜20μm程度とすることが望ましい。1μm未満だと接着と電気接続がうまくいかないからであり、30μmを超えるとコンパクト化できないからである。
また本実施形態においては図2に示すように、電磁波シールド層40うち、開口部Aを囲む部分(領域)に、開口部Aの内部で交差する2本の直線からなる切り込みCを設けてある。
より具体的には、電磁波シールド層40うち、開口部Aを囲む部分(領域)に、開口部Aよりも外側に起点を有し、該起点から開口部Aの径(直径)を渡って、開口部Aよりも外側に終点を有する直線で、且つ開口部Aの中央(中心)で直交する2本の直線からなる切り込みCを設けてある。
また本実施形態においては、このような構成からなる切り込みCを設けることで、図1(a)、図2に示すように、電磁波シールド層40のうち、開口部Aを囲む部分(領域)に、開口部Aの側面Dに沿って屈曲可能な端部となる屈曲片44を4つ(屈曲片44a〜屈曲片44d)具備する構成としてある。より具体的には図2(a)に斜線で示すように、開口部Aの中央で直交する2本の直線と開口部Aの外周とで囲まれる領域からなる屈曲片44を4つ具備する構成としてある。
また本実施形態においては、図1、図2に示す屈曲片44のうち、側面Dに沿って屈曲される部分の長さLを、図1(a)に示す絶縁層30の厚みMよりも長くする構成としてある。
また本実施形態においては、図2(b)に簡略化して示すように、4つの屈曲片44a〜屈曲片44dを側面Dに沿って屈曲させると共に、側面Dの下にある電極部21に貼り付けることで、電極部21と4つの屈曲片44a〜44dとを接続させてある。これにより、電極部21と金属膜層42とが電気接続される。
なおこの切り込みCは、電磁波シールド層40を切断刃で厚み方向に切断すること(いわゆる切り込み加工)等により形成することができる。
このような構成からなる本発明の実施形態に係るプリント配線板1は、以下の効果を奏する。
電磁波シールド層40を備える構成とすることで、プリント配線板1の電気回路から発生する電磁波ノイズを遮断(シールド)することができ、発生する電磁波ノイズの外部への漏出を防止することができる。よって他の電気回路や電気製品、人体等へ好ましくない影響を与えることを防止することができる。またインピーダンス整合を実現することができる。
また切り込みCを設けることで屈曲片44を形成する構成とすることで、電磁波シールド層40(屈曲片44)を開口部Aの側面Dに沿って押圧し、屈曲させて電極部21に貼り付ける際に(圧着等を行う際に)、電磁波シールド層40に負荷される応力を効果的に緩和させることができる。よって特にプリント配線板1を厚肉に設計する場合(絶縁層30を厚肉に設計する場合)でも、電磁波シールド層40(特に金属膜層42)に過度な応力が負荷されることを効果的に防止することができる。
より具体的には、図2に示すように、電磁波シールド層40うち、開口部Aを囲む部分(領域)に、開口部Aよりも外側に起点を有し、該起点から開口部Aの径(直径)を渡って、開口部Aよりも外側に終点を有する直線で、且つ開口部Aの中央(中心)で直交する2本の直線からなる切り込みCを設ける構成とすることで、電磁波シールド層40における開口部Aを囲む部分(領域)を、屈曲片44a〜屈曲片44dからなる4つの領域に分割することができる。また4つの屈曲片44a〜屈曲片44dを側面Dに沿って押圧し、屈曲させる際に、開口部Aの外周を構成する4つの円弧A1〜円弧A4をそれぞれ個別に屈曲基準線とすることができる。
よって電磁波シールド層40のうち、開口部Aを囲む部分(領域)を側面Dに沿って押圧し、屈曲させて電極部21に貼り付ける際、4つの屈曲片44a〜屈曲片44dをそれぞれ個別に側面Dに沿って押圧し、屈曲させることができる。よって電磁波シールド層40に負荷される応力を効果的に分散(分割)させることができると共に、屈曲片44を一段と容易且つ効率的に側面Dに沿って押圧し、屈曲させることができる。
従ってプリント配線板1を厚肉に設計する場合(絶縁層30を厚肉に設計する場合)でも、プリント配線板1の製造段階において、電磁波シールド層40に破断が生じることを防止することができ、良好な電気特性を維持することができると共に、製造効率の良いプリント配線板1とすることができる。
更に切り込みCを開口部Aの中央(中心)で直交する2本の直線とすることで、図2(a)に簡略化して示すように、4つの屈曲片44a〜屈曲片44dの面積を同一面積とすることができる。よって電磁波シールド層40(屈曲片44)を側面Dに沿って押圧し、屈曲させて電極部21に貼り付ける際に、4つの屈曲片44a〜屈曲片44dは図示しない押圧手段で一体的に押圧されるところ、電磁波シールド層40に負荷される応力を一段と均等に分散させ、緩和させることができる。
従って特にプリント配線板1を厚肉に設計する場合(絶縁層30を厚肉に設計する場合)でも、製造段階において電磁波シールド層40(特に金属膜層42)に破断が生じることを一段と効果的に防止することができ、一段と良好な電気特性を維持することができる。
また切り込みCを設けることで屈曲片44を形成する構成とすることで、プリント配線板1の使用時においても、電磁波シールド層40に過度な応力が負荷されることを効果的に防止することができ、電磁波シールド層40(特に金属膜層42)に破断が生じることを防止することができる。従って使用段階においても良好な電気特性を維持することができるプリント配線板1とすることができる。
また開口部Aよりも外側に起点を有し、該起点から開口部Aの径(直径)を渡って、開口部Aよりも外側に終点を有する直線で、且つ開口部Aの中央(中心)で直交する2本の直線からなる切り込みCを、電磁波シールド層40を切断刃で厚み方向に切断して(いわゆる切り込み加工を用いて)形成することで、屈曲片44を形成する構成とすることで、屈曲片44の形成を容易なものとすることができ、製造効率の良いプリント配線板1とすることができる。
また屈曲片44のうち、側面Dに沿って屈曲される部分の長さLを絶縁層30の厚みMよりも長くする構成とすることで、屈曲片44と電極部21とを確実に電気接続させることができる。
また導電性接着剤層43を異方導電性接着剤で形成する構成とすることで、電磁波シールド層40において、導電性接着剤層43が加圧される加圧方向(垂直方向)においては良好な導電性及び接着性を実現することができ、同時に導電性接着剤層43が加圧されることのない非加圧方向(水平方向)においては良好な絶縁性及び接着性を実現することができる。
これに対して、図7に示す電磁波シールド層6を備える従来のプリント配線板2においては、開口部Aの側面Dの下に設ける電極部4aに向けて、電磁波シールド6における開口部Aを囲む部分(領域)を側面Dに沿って一体的に押圧し、屈曲させることで、電磁波シールド層6を電極部4aに貼り付け、電磁波シールド層6と電極部4aとを電気接続させるものが一般的であった。
よってこのような構成からなる従来のプリント配線板2においては、特にプリント配線板2を厚肉に設計する場合、例えば絶縁層5を厚肉に設計する場合(具体的には、70μm程度以上の厚みとする場合)、電磁波シールド層6を側面Dに沿って電極部4aに押し込む際に、電磁波シールド層6に過度な応力が負荷されることで、電磁波シールド層6に破断Hが生じ、電磁波シールド特性の低下やグランド接続の信頼性低下が生じるという問題があった。
よって本発明の実施形態に係るプリント配線板1の構成とすることで、プリント配線板1を厚肉に設計する場合(絶縁層30を厚肉に設計する場合)でも、電磁波シールド層40を側面Dに沿って電極部21に押し込む際に、電磁波シールド層40に過度な応力が負荷されることを効果的に防止することができる。従って電磁波シールド層40の破断、特に金属膜層42に破断が生じることを効果的に防止することができ、良好な電気特性を維持することができるプリント配線板1とすることができる。
次に図3、図4を参照して、本発明の実施形態に係るプリント配線板1の製造方法を説明する。
まず図3(a)を参照して、基材層準備工程Eにより、ポリイミドフィルム等の絶縁性の樹脂フィルムからなる基材層10を準備する。
そして図3(b)を参照して、導電層形成工程Fにより、基材層10上にめっきを用いて銅(Cu)を積層することで、導電層20を形成する。その後、詳しくは図示していないが、導電層20に配線回路等を形成する。
より具体的には、基材層10上に下地となる導体薄膜(図示しない)を公知の形成方法を用いて形成し、その上に銅を用いて無電解めっき、電解めっき等の公知のめっき法により導電層20を形成する。その後、導電層20及び導体薄膜の所定領域(配線回路等を形成しない領域)をエッチング等により除去することで、導電層20に配線回路等を形成する(いわゆるアディティブ法)。
そして図3(c)、図4(a)を参照して、絶縁層被覆工程Gにより、導電層20上の所定領域(電極部21を形成しない領域)に、絶縁性接着剤からなる絶縁性接着剤層31と、絶縁性樹脂からなる絶縁性樹脂層32とを順次被覆させることで、導電層20上に絶縁層30を形成する。
これにより図1(a)、図4(a)に示すように、絶縁層30に円形の開口部Aが形成されると共に、導電層20に電極部21が形成される。より具体的には、開口部Aの側面Dの下に(開口部Aで囲まれる領域)導電層20からなる電極部21が形成される。
そして図4(b)を参照して、電磁波シールド層被覆工程Jにより、絶縁層30及び電極部21の上方に電磁波シールド層40を準備する。
より具体的には、図2(a)に示すように、開口部Aに対して電磁波シールド層40を位置合わせさせた状態において、電磁波シールド層40のうち開口部Aを囲む部分(領域)に、開口部Aよりも外側に起点を有し、該起点から開口部Aの径(直径)を渡って、開口部Aよりも外側に終点を有する直線で、且つ開口部Aの中央(中心)で直交する2本の直線からなる切り込みCを形成することで、開口部Aを囲む部分(領域)に電極部21と電気接続させるための屈曲片44を形成してある電磁波シールド層40を、絶縁層30及び電極部21の上方に準備する。なおこの切り込みCは、例えば電磁波シールド層40を切断刃で厚み方向に切断して(いわゆる切り込み加工を用いて)形成する。なおこの際、図2に示す屈曲片44のうち、側面Dに沿って屈曲される部分の長さLが、絶縁層30の厚みMよりも長くなることが必要である。
そして図4(b)、図4(c)を参照して、押圧手段50を用いて、開口部Aの側面Dに沿って電磁波シールド層40を押圧し(図示しない屈曲片44a〜屈曲片44dを押圧し)、屈曲させて絶縁層30及び電極部21に貼り付ける(圧着させる)。
これにより絶縁層30及び電極部21の表面に電磁波シールド層40が形成されると共に、金属膜層42と電極部21とが導電性接着剤層43を介して電気接続される。
以上の工程により、本発明の実施形態に係るプリント配線板1が製造される。
このような構成からなる本発明の実施形態に係るプリント配線板1の製造方法は、以下の効果を奏する。
電磁波シールド層40を備える構成とすることで、プリント配線板1の電気回路から発生する電磁波ノイズを遮断(シールド)することができ、発生する電磁波ノイズの外部への漏出を防止することができる。よって他の電気回路や電気製品、人体等へ好ましくない影響を与えることを防止することができるプリント配線板1を製造することができる。またインピーダンス整合を実現可能なプリント配線板1を製造することができる。
また切り込みCを設けることで屈曲片44を形成する構成とすることで、電磁波シールド層40(屈曲片44)を側面Dに沿って押圧し、屈曲させて電極部21に貼り付ける際に(圧着等を行う際に)、電磁波シールド層40に負荷される応力を効果的に緩和させることができる。よって特にプリント配線板1を厚肉に設計する場合(絶縁層30を厚肉に設計する場合)でも、電磁波シールド層40(特に金属膜層42)に過度な応力が負荷されることを効果的に防止することができる。
より具体的には図1、図2に示すように、電磁波シールド層40うち、開口部Aを囲む部分(領域)に、開口部Aよりも外側に起点を有し、該起点から開口部Aの径(直径)を渡って、開口部Aよりも外側に終点を有する直線で、且つ開口部Aの中央(中心)で直交する2本の直線からなる切り込みCを設ける構成とすることで、電磁波シールド層40における開口部Aを囲む部分(領域)を、屈曲片44a〜屈曲片44dからなる4つの領域に分割することができる。また4つの屈曲片44a〜屈曲片44dを側面Dに沿って押圧し、屈曲させる際に、開口部Aの外周を構成する4つの円弧A1〜円弧A4をそれぞれ個別に屈曲基準線とすることができる。
よって電磁波シールド層40のうち、開口部Aを囲む部分(領域)を側面Dに沿って押圧し、屈曲させて電極部21に貼り付ける際、4つの屈曲片44a〜屈曲片44dをそれぞれ個別に側面Dに沿って押圧し、屈曲させることができる。よって電磁波シールド層40に負荷される応力を効果的に分散(分割)させることができると共に、屈曲片44を一段と容易且つ効率的に側面Dに沿って押圧し、屈曲させることができる。
従ってプリント配線板1を厚肉に設計する場合(絶縁層30を厚肉に設計する場合)でも、プリント配線板1の製造段階において、電磁波シールド層40に破断が生じることを防止することができ、良好な電気特性を維持することができると共に、製造効率の良いプリント配線板1の製造方法とすることができる。
更に切り込みCを開口部Aの中央(中心)で直交する2本の直線とすることで、図2(a)に簡略化して示すように、4つの屈曲片44a〜屈曲片44dの面積を同一面積とすることができる。よって電磁波シールド層40(屈曲片44)を側面Dに沿って押圧し、屈曲させて電極部21に貼り付ける際に、4つの屈曲片44a〜屈曲片44dは図4(b)に示す押圧手段50で一体的に押圧されるところ、電磁波シールド層40に負荷される応力を一段と均等に分散させ、緩和させることができる。
従って特にプリント配線板1を厚肉に設計する場合(絶縁層30を厚肉に設計する場合)でも、製造段階において電磁波シールド層40(特に金属膜層42)に破断が生じることを一段と効果的に防止することができ、一段と良好な電気特性を維持することができるプリント配線板1を製造することができる。
また切り込みCを設けることで屈曲片44を形成する構成とすることで、プリント配線板1の使用時においても、電磁波シールド層40に過度な応力が負荷されることを効果的に防止することができ、電磁波シールド層40(特に金属膜層42)に破断が生じることを防止することができる。従って使用段階においても良好な電気特性を維持することができるプリント配線板1の製造方法とすることができる。
また開口部Aよりも外側に起点を有し、該起点から開口部Aの径(直径)を渡って、開口部Aよりも外側に終点を有する直線で、且つ開口部Aの中央(中心)で直交する2本の直線からなる切り込みCを、電磁波シールド層40を切断刃で厚み方向に切断して(いわゆる切り込み加工を用いて)形成することで、屈曲片44を形成する構成とすることで、屈曲片44の形成を容易なものとすることができ、製造効率の良いプリント配線板1の製造方法とすることができる。
また屈曲片44のうち、側面Dに沿って屈曲される部分の長さLを、絶縁層30の厚みMよりも長くする構成とすることで、屈曲片44と電極部21とを確実に電気接続させることができる。
また導電性接着剤層43を異方導電性接着剤で形成する構成とすることで、電磁波シールド層40において、導電性接着剤層43が加圧される加圧方向(垂直方向)においては良好な導電性及び接着性を実現することができ、同時に導電性接着剤層43が加圧されることのない非加圧方向(水平方向)においては良好な絶縁性及び接着性を実現することができるプリント配線板1を製造することができる。
次に図5を参照して、本発明の実施形態に係るプリント配線板1の変形例1を説明する。
図5を参照して、本変形例1は、既述した本発明の実施形態に係るプリント配線板1の開口部A及び切り込みCの構成を変形させたものである。その他の構成は既述した本発明の実施形態に係るプリント配線板1と同一であることから、同一部材、同一機能を果たすものには、同一番号を付し、以下の詳細な説明は省略するものとする。
本変形例1においては、図5に示すように、開口部Aの形状を四角形とする構成としてある。また電磁波シールド層40と開口部Aとを位置合わせした状態において、開口部Aを形成する四角形の頂点を結ぶ方向で、且つ開口部Aの内部で交差する(開口部Aの中央で直交する)2本の直線として切り込みCを設ける構成としてある。
また切り込みCを、開口部Aよりも外側に起点を有し、該起点から開口部Aの径を渡って、開口部Aよりも外側に終点を有する直線として設ける構成としてある。
このような構成とすることで、電磁波シールド層40における開口部Aを囲む部分(領域)を、屈曲片44a〜屈曲片44dからなる4つの領域に分割させることができる。更に4つの屈曲片44a〜屈曲片44dを側面D(図示しない)に沿って押圧し、屈曲させる際に、開口部Aの外周を構成する4つの辺B1〜辺B4をそれぞれ個別に屈曲基準線とすることができる。
よって電磁波シールド層40(屈曲片44)を側面Dに沿って屈曲させる際に、電磁波シールド層40に負荷される応力を一段と効果的に分散(分割)させることができると共に、屈曲片44を一段と容易且つ効率的に側面Dに沿って押圧し、屈曲させることができる。従って特にプリント配線板1を厚肉に設計する場合(絶縁層を厚肉に設計する場合)でも、製造段階において電磁波シールド層40(特に金属膜層42)に破断が生じることを効果的に防止することができ、良好な電気特性を維持することができると共に、製造効率の良いプリント配線板とすることができる。
更に切り込みCを開口部Aの中央(中心)で直交する2本の直線とすることで、図5(a)に簡略化して示すように、4つの屈曲片44a〜屈曲片44dの面積を同一面積とすることができる。よって電磁波シールド層40(屈曲片44)を側面Dに沿って押圧し、屈曲させて電極部21に貼り付ける際に、電磁波シールド層40に負荷される応力を一段と均等に分散させることができる。
従って特にプリント配線板を厚肉に設計する場合でも、製造段階において電磁波シールド層40(特に金属膜層42)に破断が生じることを一段と効果的に防止することができ、一段と良好な電気特性を維持することができる。
またプリント配線板の使用時においても電磁波シールド層40に過度な応力が負荷されることを効果的に防止することができ、電磁波シールド層40(特に金属膜層42)に破断が生じることを防止することができる。従って使用段階においても良好な電気特性を維持することができるプリント配線板とすることができる。
また本変形例1においては、図5(a)に示す屈曲片44のうち、側面D(図示しない)に沿って屈曲される部分の長さLを、図示しない絶縁層の厚みよりも長くする構成としてある。このような構成とすることで、屈曲片44と電極部21とを確実に電気接続させることができる。
次に図6を参照して、本発明の実施形態に係るプリント配線板1の変形例2を説明する。
図6を参照して、本変形例2は、既述した本発明の実施形態に係るプリント配線板1の切り込みCの構成を変形させたものである。その他の構成は既述した本発明の実施形態に係るプリント配線板1と同一であることから、同一部材、同一機能を果たすものには、同一番号を付し、以下の詳細な説明は省略するものとする。
本変形例2においては図6に示すように、電磁波シールド層40と開口部Aとを位置合わせした状態において、開口部Aの内部で交差する2本の直線からなる切り込みCを設ける構成としてある。
より具体的には、円からなる開口部Aの外周上にある任意の1点と、開口部Aの外周上にある他の任意の1点とを開口部Aを渡って結ぶ2本の直線が、開口部Aの外周上における任意の1点で交差するように切り込みCを設ける構成としてある。
つまり本発明において、「開口部Aの内部で交差する2本の直線」とは、開口部Aの外周よりも内側で2本の直線が交差する場合と、開口部Aの外周上で2本の直線が交差する場合との何れの場合も含む概念である。
このような構成とすることで、電磁波シールド層40における開口部Aを囲む部分(領域)に1つの屈曲片44を形成することができる。更に1つの屈曲片44を側面D(図示しない)に沿って押圧し、屈曲させる際に、開口部Aの外周を構成する1つの円弧A5を屈曲基準線とすることができる。
よって電磁波シールド層40(屈曲片44)を側面Dに沿って屈曲させる際に、電磁波シールド層40に負荷される応力を効果的に分散させることができると共に、屈曲片44を容易且つ効率的に側面Dに沿って押圧し、屈曲させることができる。従って特にプリント配線板を厚肉に設計する場合(絶縁層を厚肉に設計する場合)でも、製造段階において電磁波シールド層40(特に金属膜層42)に破断が生じることを効果的に防止することができ、良好な電気特性を維持することができると共に、製造効率の良いプリント配線板とすることができる。
またプリント配線板の使用時においても電磁波シールド層40に過度な応力が負荷されることを効果的に防止することができ、電磁波シールド層40(特に金属膜層42)に破断が生じることを防止することができる。従って使用段階においても良好な電気特性を維持することができるプリント配線板とすることができる。
また本変形例2においては、図6(a)に示す屈曲片44のうち、側面D(図示しない)に沿って屈曲される部分の長さLを、図示しない絶縁層の厚みよりも長くする構成としてある。このような構成とすることで、屈曲片44と電極部21とを確実に電気接続させることができる。
なお本実施形態においては、プリント配線板1として、いわゆる片面フレキシブルプリント配線板を用いる構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、いわゆる両面フレキシブルプリント配線板を用いる構成としてもよい。
またプリント配線板も、フレキシブルプリント配線板に限るものではなく、例えばリジットフレキシブルプリント配線板等、他のプリント配線板を用いる構成としてもよい。
また本実施形態においては、絶縁層30の構成を絶縁性接着剤層31と、絶縁性樹脂層32とからなる絶縁層とする構成とすると共に、導電層20において開口部Aを形成しない領域に絶縁層30を被覆させることで開口部Aを形成する構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、絶縁層30の構成及び開口部Aの形成方法は適宜変更可能である。例えば感光性の絶縁性樹脂を用い、公知の露光工程、現像工程を行うことで絶縁層30及び開口部Aを形成する構成とすることができる。このような構成とすることで、高密度配線に一段と適応可能な絶縁層とすることができる。
また開口部Aの形状も本実施形態及び本変形例のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
また本実施形態においては、絶縁層30の厚みを厚肉に形成することで、プリント配線板1を厚肉に形成する構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、プリント配線板を厚肉に形成する構成は適宜変更可能である。例えば接着剤層を介して2枚のプリント配線板を貼り付ける(組み合わせる)ことで、プリント配線板を厚肉に形成する構成とすることができる。このような構成とすることで、電子機器の高密度配線化、高機能化、多様化を実現することができるプリント配線板とすることができる。また例えば導電層30と電磁波シールド層40との間に、他の絶縁層や金属層(導電層)等を介在させることで、プリント配線板を厚肉に形成する構成とすることができる。
また本実施形態においては、電磁波シールド層40の構成を、樹脂フィルム層41と、金属膜層42と、導電性接着剤層43との3層からなる構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではない。例えば樹脂フィルム層41と、導電性接着剤層43との2層で電磁波シールド層40を形成する構成としてもよい。この場合は、導電性接着剤層43が、プリント配線1から発生する電磁波ノイズを遮断すると共に、インピーダンス整合を実現させるための層となる。このような構成とすることで、省コスト化を実現することができる。
また電磁破シールド層40に形成する切り込みCの構成(形状、数、形成位置等)及び形成方法も本実施形態及び本変形例のものに限るではなく、適宜変更可能である。但し、切り込みCを設けることで形成される屈曲片44を少なくとも1つ屈曲させて電極部21と電気接続させることができる構成であることが必要である。より具体的には、切り込みCを設けることで形成される少なくとも1つの屈曲片44のうち、側面Dに沿って屈曲される部分の長さLが絶縁層30の厚みM以上であることが必要である。
また本実施形態及び本変形例1においては、電磁波シールド層40うち、開口部Aを囲む部分(領域)に形成される複数の屈曲片44(具体的には4つの屈曲片44)の全てを側面Dに沿って屈曲させて電極部21と電気接続させる構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、複数設ける屈曲片44のうち、少なくとも1つの屈曲片44を側面Dに沿って屈曲させて電極部21と電気接続させる構成とするものであれば、屈曲片44を複数備える場合において、側面Dに沿って屈曲させて電極部21と電気接続させる屈曲片44の数は適宜変更可能である。
また本実施形態においては、導電性接着剤層43を異方導電性接着剤で形成する構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、等方導電性接着剤で形成する構成としてもよい。
またプリント配線板1の製造工程、特に導電層20の形成工程も本実施形態のもの(いわゆるアディティブ法)に限るものではなく、適宜変更可能である。例えばサブトラクティブ法を用いて導電層20を形成することができる。サブトラクティブ法を用いる構成とすることで、基材層10、導電層20、絶縁層30の厚みを均一化させ易く、良好な電気特性を実現することができるプリント配線板とすることができる。
本発明によれば、プリント配線板において、プリント配線板を厚肉に設計する場合でも、電磁波シールド層に過度な応力が負荷されることを効果的に防止することができることで、電磁波シールド層の破断が生じることを防止することができ、良好な電気特性を維持することができることから、電磁波シールド層を備えるプリント配線板の分野における産業上の利用性が高い。
1 プリント配線板
2 プリント配線板
3 基材層
4 導電層
4a 電極部
5 絶縁層
5a 絶縁性接着剤層
5b 絶縁性樹脂層
6 電磁波シールド層
10 基材層
20 導電層
21 電極部
30 絶縁層
31 絶縁性接着剤層
32 絶縁性樹脂層
40 電磁波シールド層
41 樹脂フィルム層
42 金属膜層
43 導電性接着剤層
43a 絶縁性接着剤
43b 導電性粒子
44 屈曲片
44a 屈曲片
44b 屈曲片
44c 屈曲片
44d 屈曲片
50 押圧手段
A 開口部
A1 円弧
A2 円弧
A3 円弧
A4 円弧
A5 円弧
B1 辺
B2 辺
B3 辺
B4 辺
C 切り込み
D 側面
E 基材層準備工程
F 導電層形成工程
G 絶縁層被覆工程
H 破断
J 電磁波シールド層被覆工程
L 長さ
M 厚み

Claims (2)

  1. 導電層と、前記導電層を被覆する絶縁層と、最外層にフィルム状の電磁波シールド層とを少なくとも備えるプリント配線板であって、前記導電層は電極部を備え、前記絶縁層は前記電極部を囲む開口部を備え、前記電磁波シールド層は、厚みが2μm〜12.5μmである樹脂フィルム層と、厚みが0.01μm〜10μmである金属膜層と、厚みが1μm〜30μmである導電性接着剤層とからなると共に、前記開口部の側面に沿って屈曲可能な屈曲片を1乃至複数備え、少なくとも1つの前記屈曲片を屈曲させた状態で前記電極部と電気接続させてあると共に、前記屈曲片は、前記絶縁層の厚さ以上の長さを有し、且つ前記開口部の内部で交差する2本の直線からなる切り込みで構成されていることを特徴とするプリント配線板。
  2. 基材層に導電層を形成する導電層形成工程と、前記基材層及び前記導電層に絶縁層を被覆させる絶縁層被覆工程と、最外層に、厚みが2μm〜12.5μmである樹脂フィルム層と、厚みが0.01μm〜10μmである金属膜層と、厚みが1μm〜30μmである導電性接着剤層とからなるフィルム状の電磁波シールド層を被覆させる電磁波シールド層被覆工程とを少なくとも備えるプリント配線板の製造方法であって、前記絶縁層被覆工程は、前記絶縁層に開口部を形成することで前記導電層の一部を電極部とする工程を備え、前記電磁波シールド層被覆工程は、前記電磁波シールド層のうち、前記開口部を囲む部分に前記絶縁層の厚さ以上の長さを有すると共に、前記開口部の内部で交差する2本の直線からなる切り込みを設けることで、前記開口部の側面に沿って屈曲可能な屈曲片を1乃至複数形成し、少なくとも1つの前記屈曲片を屈曲させて前記電極部に貼り付ける工程を備えることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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