JP2011049379A - 電子部品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外部端子と積層体内部の導体が確実に導通接続された電子部品を提供し、該電子部品の製造方法において、工程を簡略化し、生産性を向上させる。
【解決手段】 本発明の電子部品は、樹脂絶縁層と内部導体パターンと導体板が積み重ねられた積層体を備えており、前記導体板はその一部が前記積層体の表面より外部に突出されており、前記内部導体パターンとは異なる材料で、かつ、Agに比べて半田喰われが生じ難い材料で構成されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電子部品およびその製造方法に関し、詳しくは、樹脂絶縁層を介して内部導体パターンが積層されてなる電子部品およびその製造方法に関する。
近年、絶縁層と内部導体パターンが交互に積層された積層型の電子部品が種々の用途に広く用いられるに至っている。そして、これまでは、セラミック絶縁層と内部導体パターンが積層された構造を有するセラミック積層型の電子部品が多用されてきたが、近年、樹脂絶縁層と内部導体パターンが積層された構造を有する積層型の電子部品も用いられるに至っている。
ところで、これら積層型の電子部品においては、通常、絶縁層と内部導体パターンを積み重ねて積層体を形成した後、内部導体パターンと導通接続するように外部端子を塗布、スパッタリング、蒸着などによって形成する。特許文献1には、図8に示すような、積層型の電子部品およびその製造方法が開示されている。
図8に記載の電子部品100の製造方法では、まず、正方形形状を有する絶縁層101a,101bの所定の位置に、レーザの照射などによりその厚み方向に貫通してビアホールを形成する。
この後、絶縁層101a,101b上にAgを主成分とする導電ペーストをスクリーン印刷し、所望の形状を有する内部導体パターン104,引き出し用ビアホール導体105a,層間接続用ビアホール導体105bを形成する。
絶縁層101a,101bは、例えば図8(A)に示されるような所望の順に積層され、積層体109が形成される。これにより、絶縁層101bに設けられた層間接続用ビアホール導体105bを介して内部導体パターン104が電気的に直列に接続され、絶縁層101bの積み重ね方向に対して平行な中心軸を有する螺旋状のコイル導体L100が形成される。該コイル導体L100の両端は引き出し用ビアホール導体105aに電気的に接続され、該引き出し用ビアホール導体105aを介して積層体109の両端面に引き出される。引き出し用ビアホール導体105aはコイル導体L100の中心軸と平行に配置されており、電子部品100の実装面106の方向にコイル導体L100の中心軸からずれて配置されている。
図8(B)および(C)に示されるように、積層体109の両端面の下部には、実装面106へ回り込んで、外部電極端子102a,102bがAgを主成分とする導電ペーストの塗布によって形成される。外部電極端子102a,102bは引き出し用ビアホール導体105aと導通接続するように形成される。図8には図示していないが、外部電極端子102a,102bの表面には、はんだ喰われを防止するためにNiめっきが施されたのち、Snめっきが施される。
特開2000−138120号公報
しかしながら、上述した従来技術は、絶縁層101a,101bを積層することにより積層体109を形成した後、外部電極端子102a,102bを塗布などの方法により形成するものである。このため、工程が煩雑となり、多大な手間及び労力を要し、生産性を低下させるという問題もあった。さらに、外部電極端子102a,102bと引き出し用ビアホール導体105aとの接続部に気泡などの異物が挟み込まれ、外部電極端子102a,102bと引き出し用ビアホール導体105aや内部導体パターン104との導通接続の信頼性が低下するという問題があった。
そこで、本発明は上記のような問題点を解決するものであり、外部端子と積層体内部の導体が確実に導通接続された電子部品を提供し、該電子部品の製造方法において、工程を簡略化し、生産性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の電子部品は、樹脂絶縁層と内部導体パターンと導体板が積み重ねられた積層体を備え、
前記導体板はその一部が前記積層体の表面より外部に突出されており、前記内部導体パターンとは異なる材料で、かつ、Agに比べて半田喰われが生じ難い材料で構成されていること、を特徴としている。
また、本発明の電子部品は、前記導体板が内部導体パターンとしての機能を有していることが好ましい。
また、本発明の電子部品は、前記導体板の前記積層体の外部への突出部が、前記積層体の表面に沿って折り曲げられていることが好ましい。
また、本発明の電子部品は、前記導体板の前記積層体の外部への突出部が、前記積層体の表面に沿って前記積層体の実装面方向に折り曲げられ、前記積層体の実装面を含む面内にて更に折り曲げられていることが好ましい。
また、本発明の電子部品は、前記導体板の前記積層体の外部への突出部が、前記積層体の実装面から突出され、前記積層体の実装面に沿って折り曲げられていることが好ましい。
また、本発明の電子部品は、前記導体板の前記積層体の外部への突出部が、前記積層体の表面に沿って前記積層体の実装面とは逆の方向に折り曲げられており、
該突出部と該表面の隙間に、前記積層体の表面の少なくとも一部を覆う導電性のシールドケースの端部が挟み込まれていることが好ましい。
また、本発明によれば、内部導体パターンが樹脂絶縁層上に形成されている第1の集合基板と、前記内部導体パターンとは異なる材料で、かつ、Agに比べて半田喰われが生じ難い材料で構成されている導体板が、樹脂絶縁層上に形成されている第2の集合基板とを準備する工程と、前記第1の集合基板と前記第2の集合基板を積み重ねることで積層集合体を形成する工程と、前記積層集合体における所定の樹脂部分を除去することによって、前記導体板が外部に突出されるように、前記積層集合体を積層体に個片化する工程と、を有することを特徴とする電子部品の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、内部導体パターンが樹脂絶縁層上に形成されている第1の集合基板と、前記内部導体パターンとは異なる材料で、かつ、Agに比べて半田喰われが生じ難い材料で構成されている導体板が、樹脂絶縁層上に形成されている第2の集合基板とを準備する工程と、前記第1の集合基板を分割することで第1の基板に個片化する工程と、前記第2の集合基板の所定の樹脂部分を除去することによって、前記導体板が外部に突出されるように、前記第2の集合基板を第2の基板に個片化する工程と、前記第1の基板と前記第2の基板を積み重ねることで積層体を形成する工程と、を有することを特徴とする電子部品の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、前記所定の樹脂部分の除去がレーザ加工またはサンドブラスト加工によって行われることが好ましい。
以上のように本発明によれば、樹脂絶縁層と内部導体パターンと導体板が積み重ねられた積層体を備え、前記導体板はその一部が前記積層体の表面より外部に突出されることで突出部を形成しており、該突出部が外部端子として機能する。このため、外部端子と積層体内部の導体が確実に導通接続された電子部品を得ることが可能となる。
また、積層体を形成した後に、積層体の表面の所定の位置に外部端子を塗布、スパッタリング、蒸着などの方法により形成する必要がないため、工程が簡略化され、生産性が向上する。
本発明の第1の実施の形態による電子部品の製造方法を説明するためのもので、同図(A)はパターニングおよびビアホール導体の形成が行われる前の樹脂配線層の外観斜視図、同図(B)はパターニングおよびビアホール導体の形成が行われた後の樹脂配線層(第1の集合基板)の外観斜視図、同図(C)はパターニングおよびビアホール導体の形成が行われた後の樹脂配線層(第1の集合基板)の断面図である。 本発明の第1の実施の形態による電子部品の製造方法を説明するためのもので、同図(A)はパターニング前の樹脂配線層の外観斜視図、同図(B)はパターニング後の樹脂配線層(第2の集合基板)の外観斜視図、同図(C)はパターニング後の樹脂配線層(第2の集合基板)の断面図である。 本発明の第1の実施の形態による電子部品の製造方法を説明するためのもので、同図(A)は積層後の積層集合体の断面図、同図(B)は前記積層集合体の一方の表面からレーザビームを照射した後の積層集合体の状態を示す断面図、同図(C)は前記積層集合体が切断により個片化されることで得られる積層体の断面図である。 本発明の第1の実施の形態による電子部品の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態による電子部品の変形例の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態による電子部品の構成を示すためのもので、同図(A)は分解斜視図、同図(B)は構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態による電子部品の構成を模式的に示すための断面図である。 従来の電子部品の構成を示すためのものであり、同図(A)は分解斜視図、同図(B)は外観斜視図、同図(C)は構成を模式的に示す断面図である。
以下において、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態による第1の集合基板の製造方法を説明するための図である。同図(A)はパターニングおよびビアホール導体の形成が行われる前の樹脂配線層の外観斜視図である。同図(B)はパターニングおよびビアホール導体の形成が行われた後の樹脂配線層(第1の集合基板)の外観斜視図、同図(C)はパターニングおよびビアホール導体の形成が行われた後の樹脂配線層(第1の集合基板)の断面図である。図2は、本発明の第1の実施の形態による第2の集合基板の製造方法を説明するための図である。同図(A)はパターニング前の樹脂配線層の外観斜視図、層図(B)はパターニング後の樹脂配線層(第2の集合基板)の外観斜視図、同図(C)はパターニング後の樹脂配線層(第2の集合基板)の断面図である。図3は、本発明の第1の実施の形態による、電子部品の製造方法を説明するための図である。同図(A)は積層後の積層集合体の断面図、同図(B)は前記積層集合体の一方の表面からレーザビームを照射した後の積層集合体の状態を示す断面図、同図(C)は前記積層集合体が切断により個片化されることにより得られる積層体の断面図である。図4は、本発明の第1の実施の形態による、電子部品の構成を模式的に示す断面図である。図5は、本発明の第1の実施の形態による電子部品の変形例の構成を模式的に示す断面図である。
以下に、図1を参照しながら、第1の集合基板の製造方法について説明する。
まず、エポキシ系樹脂や液晶ポリマー系樹脂などからなる樹脂絶縁層11と、銅などの材料からなる内部導体板14が準備される。前記樹脂絶縁層11と前記内部導体板14の表面が粗化処理され、前記樹脂絶縁層11と前記内部導体板14の粗化処理面同士を熱圧着にて接着することにより、パターニング前の内部導体板14が樹脂絶縁層11の表面に配設された樹脂配線層10が用意される。
前記樹脂絶縁層11上の前記内部導体板14がエッチングされることにより、図1(B)および(C)に示すような、所望のパターンの内部導体パターン14’が樹脂絶縁層11の表面に形成される。なお、予めパターニングされた内部導体パターンを樹脂絶縁層に張り付けるようにすることも可能である。
次に、レーザ加工により、樹脂絶縁層11の所定の位置にビアホール用貫通孔を形成する。なお、レーザ加工においては、内部導体パターン14’が形成されていない方の面からレーザを照射して、内部導体パターン14’の裏面に達するようにビアホール用貫通孔が形成される。これにより、ビアホール用貫通孔が形成された樹脂絶縁層11の表面に、内部導体パターン14’が、その一部が前記ビアホール用貫通孔を覆うように配設される。
次に、印刷などにより前記ビアホール用貫通孔に銀を主成分とする導電性ペーストを充填して固化させることにより、ビアホール導体15が形成される。以上のようにして、第1の集合基板10’が得られる。
なお、前記樹脂絶縁層11は、前記第1の集合基板10’が切断により個片化される際に除去される部分(除去部13)を一部分に有している。
以下に、図2を参照しながら、第2の集合基板の製造方法について説明する。
まず、エポキシ系樹脂や液晶ポリマー系樹脂などからなる樹脂絶縁層21と、前記内部導体板14とは異なる材料であり、かつ、銀に比べて半田喰われが生じ難い材料である、ベリリウム銅などの材料からなる導体板22が準備される。前記樹脂絶縁層21と前記導体板22の表面が粗化処理され、前記樹脂絶縁層21と前記導体板22の粗化処理面同士を熱圧着にて接着することにより、パターニング前の導体板22が樹脂絶縁層21の表面に配設された樹脂配線層20が用意される。
前記樹脂絶縁層21上の前記導体板22がエッチングされることにより、図2(B)および(C)に示すような、所望のパターンの導体板22’が樹脂絶縁層21の表面に形成された第2の集合基板20’が得られる。なお、予めパターニングされた導体板を樹脂絶縁層に張り付けるようにすることも可能である。
なお、前記樹脂絶縁層21は、前記第2の集合基板20’が切断により個片化される際に除去される部分(除去部23)を一部分に有している。前記所望のパターンの導体板22’の一部分は、前記樹脂絶縁層21上において前記除去部23上に突出されており、突出部22”を形成している。
次に、前記第1の集合基板10’と前記第2の集合基板20’、および、導体を備えていない樹脂絶縁層31が所定の順に積層され、熱圧着されることで、図3(A)に示すような積層集合体30が形成される。前記樹脂絶縁層31は、切断により個片化される際に除去される部分(除去部33)を一部分に有している。前記積層集合体30は、前記除去部13,23,33が積層方向から見て重なるように積層される。
前記積層集合体30がレーザ加工によって切断されることにより、図3(C)に示すような個片化された積層体39が得られる。この切断工程は、前記積層集合体30の所定の樹脂部分である前記除去部13,23,33が除去されることにより行われる。
より詳細には、まず、図3(A)に示すように、前記積層集合体30の積層方向と垂直な一方の表面36aからレーザビーム37aを照射する。このとき、レーザビーム37aの照射方向から見て前記導体板22’の裏側に位置する樹脂部分は、前記導体板22’がレーザビーム37aを遮るため、レーザビーム37aが照射されず、除去されずに残る。このため、図3(B)に示すように、前記積層集合体30の所定の樹脂部分である前記除去部13,23,33の内の一部分が除去されずに残っている状態の積層集合体30’が得られる。
次に、図3(B)に示すように、前記積層集合体30’の積層方向と垂直な表面の内、前記表面36aと対向する表面36bからレーザビーム37bを照射する。これにより、除去すべき所定の樹脂部分である前記除去部13,23,33は全て除去され、前記積層集合体30’は個片化された積層体39に切断される。
前記積層集合体30を形成している前記第2の集合基板20’においては、除去部23に位置する樹脂部分が除去され、図3(C)に示すように、前記突出部22”が前記積層体39の表面より外部に突出される。
次に、図4に示すように、前記突出部22”は、前記積層体39の表面に沿って前記積層体39の実装面36a’の方向に折り曲げられ、さらに、前記実装面36a’を含む面内にて前記積層体39側に折り曲げられることにより、外部端子とされる。以上により、電子部品40が得られる。
また、図5に示すように、前記突出部22”は、前記積層体39の表面に沿って前記積層体39の実装面36a’の方向に折り曲げられ、さらに、前記実装面36a’を含む面内にて前記積層体39とは逆側に折り曲げられることにより、外部端子とされてもよい。以上により、電子部品50が得られる。
なお、前記積層集合体の切断はレーザ加工に限るものではなく、サンドブラスト加工やウォータージェット加工やウェットブラスト加工(砥粒と水とを空気圧により噴射させる方法)などを用い、導体板を残して所定の樹脂部分が除去されることで行われてもよい。
また、本実施の形態では積層集合体を形成した後にこれが切断され、個片化されることで積層体を得た。しかし、前記第1の集合基板10’や前記第2の集合基板20’、および、前記樹脂絶縁層31が切断され、個片化された後に、積層されることで積層体が形成されてもよい。
以上のように本実施の形態によれば、樹脂絶縁層上に形成されている導体板の積層体からの突出部を外部端子とするため、外部端子と積層体内部の導体が確実に導通接続された電子部品を得ることができる。
また、積層体を形成した後に、積層体の表面の所定の位置に外部端子を塗布、スパッタリング、蒸着などの方法により形成する必要がないため、工程が簡略化され、生産性が向上する。
また、銀に比べて半田喰われが生じ難い材料からなる導体板の積層体からの突出部を外部端子とするため、外部端子の表面に、はんだ喰われを防止するためのめっきを施す必要がない。このため、工程が簡略化され、生産性が向上する。
(実施の形態2)
図6は、本発明の第2の実施の形態による電子部品の構成を示すためのもので、同図(A)は分解斜視図、同図(B)は構成を模式的に示す断面図である。
本実施の形態の、樹脂絶縁層61bと内部導体パターン64とビアホール導体65bを有する第1の集合基板(図6では、個片化された基板の状態で図示している)や、樹脂絶縁層61c,61dと所望のパターンの導体板62c,62dを有する第2の集合基板60c,60d(図6では、個片化された基板の状態で図示している)は、実施の形態1と同様の方法・手順で作製されることから、ここでは重複を避けるため、詳しい説明は省略する。
なお、第2の集合基板60dにはビアホール導体65dが形成されている。ビアホール導体65dは以下のようにして形成される。
まず、レーザ加工により、所望のパターンの導体板62dが表面に配設された樹脂絶縁層61dの所定の位置にビアホール用貫通孔を形成する。なお、レーザ加工においては、導体板62dが形成されていない方の面からレーザを照射して、導体板62dの裏面に達するようにビアホール用貫通孔が形成される。これにより、ビアホール用貫通孔が形成された樹脂絶縁層61dの表面に、導体板62dが、その一部が前記ビアホール用貫通孔を覆うように配設される。
次に、印刷などにより前記ビアホール用貫通孔に銀を主成分とする導電性ペーストを充填して固化させることにより、ビアホール導体65dが形成される。
次に、前記第2の集合基板60c,60dと前記第1の集合基板、および、導体を備えていない樹脂絶縁層61aが所定の順に積層され、熱圧着されることで積層集合体が形成される。これにより、前記樹脂絶縁層61b,61dに設けられた前記ビアホール導体65b,65dを介して前記内部導体パターン64と所望のパターンの前記導体板62c,62dが電気的に直列に接続される。このようにして、樹脂絶縁層61bの積み重ね方向に対して平行な中心軸を有する螺旋状のコイル導体L60が形成される。
次に、前記積層集合体がレーザ加工によって切断されることにより、図6(B)に示すような、コイル導体L60を内部に有する個片化された積層体が得られる。この切断工程は、実施の形態1と同様の方法・手順で、前記積層集合体の所定の樹脂部分が除去されることにより行われる。本実施の形態においては、この切断工程により、所望のパターンの導体板62c,62dの突出部62c’,62d’が前記積層体の実装面66から外部に突出される。
なお、前記突出部62c’,62d’は前記積層集合体の積層方向から平面視したときに重ならないように形成されている。このため、前記積層集合体の積層方向からのレーザビームの照射にて、前記所定の樹脂部分は全て除去される。よって、前記突出部の間の所定の樹脂部分を、前記積層集合体の積層方向からのレーザビームの照射とは別の方法を用いて別途除去する必要がないため、工程が簡略化され、生産性が向上する。
次に、図6(B)に示すように、前記突出部62c’,62d’は、前記積層体の実装面に沿って折り曲げられることにより、外部端子とされる。以上により、電子部品60が得られる。
以上のように本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。更に、電子部品60は、前記コイル導体L60の中心軸と垂直な前記積層体の端面に外部端子が形成されていないため、コイル導体L60が発生する磁束と外部端子の間に不必要な電磁気的結合が生じない。このため、電子部品60は良好な高周波特性が得られる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の第3の実施の形態による、電子部品の構成を模式的に示す図である。
本実施の形態の、樹脂絶縁層71bと内部導体パターン74bとビアホール導体75bを有する第1の集合基板(図7では、個片化された基板の状態で図示している)や、樹脂絶縁層71cと所望の形状の導体板72を有する第2の集合基板(図7では、個片化された基板の状態で図示している)は、実施の形態2と同様の方法・手順で作製されることから、ここでは重複を避けるため、詳しい説明は省略する。
以下に、樹脂絶縁層71aと素子搭載用の電極74aを有する第3の集合基板(図7では、個片化された基板の状態で図示している)と、樹脂絶縁層71dと外部電極用の電極74dとビアホール導体75dを有する第4の集合基板(図7では、個片化された基板の状態で図示している)の製造方法について説明する。
まず、エポキシ系樹脂や液晶ポリマー系樹脂などからなる樹脂絶縁層71a,71dと、銅などの材料からなる導体板が準備される。前記樹脂絶縁層71a,71dと前記導体板の表面が粗化処理され、前記樹脂絶縁層71a,71dと前記導体板の粗化処理面同士を熱圧着にて接着することにより、パターニング前の導体板が樹脂絶縁層71a,71dの表面に配設された樹脂配線層が用意される。
前記樹脂絶縁層71a,71d上の前記導体板がエッチングされることにより、図7に示すように、所望の形状の素子搭載用の電極74aが前記樹脂絶縁層71aの表面に、所望の形状の外部電極用の電極74dが前記樹脂絶縁層71dの表面にそれぞれ形成される。なお、予めパターニングされた素子搭載用の電極や外部電極用の電極を樹脂絶縁層に張り付けるようにすることも可能である。
次に、レーザ加工により、前記樹脂絶縁層71a,71dの所定の位置にビアホール用貫通孔を形成する。なお、レーザ加工においては、前記素子搭載用の電極74aや前記外部電極用の電極74dが形成されていない方の面からレーザを照射して、前記素子搭載用の電極74aや前記外部電極用の電極74dの裏面に達するようにビアホール用貫通孔が形成される。これにより、ビアホール用貫通孔が形成された前記樹脂絶縁層71a,71dの表面に、前記素子搭載用の電極74aや前記外部電極用の電極74dが、その一部が前記ビアホール用貫通孔を覆うように配設される。
次に、印刷などにより前記ビアホール用貫通孔に銀を主成分とする導電性ペーストを充填して固化させることにより、ビアホール導体75dが形成される。なお、前記樹脂絶縁層71aに形成されるビアホール導体は図示していない。以上のようにして、第3と第4の集合基板が得られる。
次に、前記第1,第2,第3,第4の集合基板が所定の順に積層され、熱圧着されることで積層集合体が形成される。前記積層工程においては、前記第4の集合基板は、前記積層集合体の最下層に配置され、前記外部電極用の電極74dが形成されている方の表面が積層方向の下側となるように配置される。これによって、前記第4の集合基板の前記外部電極用の電極74dが形成されていない方の表面と前記第1の集合基板の前記内部導体パターン74bが形成されていない方の表面が接着される。また、前記ビアホール導体75bと前記ビアホール導体75dが導通接続される。
また、前記積層工程においては、前記第3の集合基板は、前記積層集合体の最上層に配置され、前記素子搭載用の電極74aが形成されている方の表面が積層方向の上側となるように配置される。
次に、前記積層集合体上に素子77a,77bが供給され、前記素子搭載用の電極74aに接続して固定されることで実装される。素子77a,77bは、あらかじめ供給されたバンプ78bや接着剤等を介して、前記素子搭載用の電極74aに接続される。前記素子77a,77bの実装にはマウンタを用いた。
次に、前記素子77a,77bが実装された前記積層集合体がレーザ加工によって切断されることにより、図7に示すような個片化された積層体が得られる。この切断工程は、実施の形態1と同様の方法・手順で、前記積層集合体の所定の樹脂部分が除去されることにより行われる。本実施の形態においては、この切断工程により、所望の形状の導体板72の突出部72’が前記積層体の表面から外部に突出される。
次に、図7に示すように、前記積層体の前記素子77a,77bが実装された表面を覆うように導電性のシールドケース79が供給され、前記導体板72に接続して固定される。より詳細には、前記シールドケース79の端部は、前記突出部72’が前記積層体の表面に沿って前記積層体の実装面76とは逆の方向に折り曲げられることによって形成された該突出部72’と該表面の隙間に挟み込まれる。前記シールドケース79の端部は、あらかじめ供給されたはんだ78a等を介して、前記突出部72’に接続される。前記シールドケース79には、ニッケル−鉄合金の表面をニッケルめっきで覆ったものを用いた。以上により、電子部品70が得られる。
なお、必要に応じて樹脂絶縁層71cには、前記導体板72をグランドに落とすためのビアホール導体や、前記素子搭載用の電極74aと前記内部導体パターン74bを導通接続させるためのビアホール導体等が形成される。
また、本実施の形態では積層集合体に素子77a,77bを実装した後にこれが切断され、個片化されることで積層体が得られたが、前記積層集合体が切断され、個片化された後に、素子77a,77bを実装してもよい。
以上のように本実施の形態によれば、実施の形態1とほぼ同様の作用効果を奏することができる。例えば、樹脂絶縁層上に形成されている導体板の積層体からの突出部をシールドケースを固定するための外部端子とするため、該外部端子やシールドケースと、積層体内部の導体が確実に導通接続された電子部品を得ることができる。
更に、積層体の素子を実装する表面上にシールドケースを固定するための外部端子を形成する必要がない。このため、素子を実装するためのエリアをより広く確保することが可能となる。また、電子部品を小型化することも可能となる。
10,20 樹脂配線層
10’ 第1の集合基板
11,21,31,61a,61b,61c,61d,71a,71b,71c,71d 樹脂絶縁層
13,23,33 除去部
14 内部導体板
14’,64,74b,104 内部導体パターン
15,65b,65d,75b,75d ビアホール導体
20’,60c,60d 第2の集合基板
22,22’,62c,62d,72 導体板
22”,62c’,62d’,72’ 突出部
30,30’ 積層集合体
36a,36b 表面
36a’,66,76,106 実装面
37a,37b レーザビーム
39,109 積層体
40,50,60,70,100 電子部品
74a 素子搭載用の電極
74d 外部電極用の電極
77a,77b 素子
78a はんだ
78b バンプ
79 シールドケース
101a,101b 絶縁層
102a,102b 外部電極端子
105a 引き出し用ビアホール導体
105b 層間接続用ビアホール導体
L60,L100 コイル導体

Claims (11)

  1. 樹脂絶縁層と内部導体パターンと導体板が積み重ねられた積層体を備え、
    前記導体板はその一部が前記積層体の表面より外部に突出されており、
    前記内部導体パターンとは異なる材料で、
    かつ、Agに比べて半田喰われが生じ難い材料で構成されていること、
    を特徴とする電子部品。
  2. 前記導体板が内部導体パターンとしての機能を有していることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記導体板の前記積層体の外部への突出部が、前記積層体の表面に沿って折り曲げられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品。
  4. 前記導体板の前記積層体の外部への突出部が、前記積層体の表面に沿って前記積層体の実装面方向に折り曲げられ、
    前記積層体の実装面を含む面内にて更に折り曲げられていること、
    を特徴とする請求項3に記載の電子部品。
  5. 前記導体板の前記積層体の外部への突出部が、前記積層体の実装面から突出され、
    前記積層体の実装面に沿って折り曲げられていること、
    を特徴とする請求項3に記載の電子部品。
  6. 前記導体板の前記積層体の外部への突出部が、前記積層体の表面に沿って前記積層体の実装面とは逆の方向に折り曲げられており、
    該突出部と該表面の隙間に、前記積層体の表面の少なくとも一部を覆う導電性のシールドケースの端部が挟み込まれていること、
    を特徴とする請求項3に記載の電子部品。
  7. 前記導体板の前記積層体の外部への突出部が複数あり、該複数の突出部が前記積層体の積層方向から平面視したときに互いに重なっていないこと、
    を特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の電子部品。
  8. 内部導体パターンが樹脂絶縁層上に形成されている第1の集合基板と、
    前記内部導体パターンとは異なる材料で、かつ、Agに比べて半田喰われが生じ難い材料で構成されている導体板が、樹脂絶縁層上に形成されている第2の集合基板とを準備する工程と、
    前記第1の集合基板と前記第2の集合基板を積み重ねることで積層集合体を形成する工程と、
    前記積層集合体における所定の樹脂部分を除去することによって、前記導体板が外部に突出されるように、前記積層集合体を積層体に個片化する工程と、
    を有することを特徴とする電子部品の製造方法。
  9. 内部導体パターンが樹脂絶縁層上に形成されている第1の集合基板と、
    前記内部導体パターンとは異なる材料で、かつ、Agに比べて半田喰われが生じ難い材料で構成されている導体板が、樹脂絶縁層上に形成されている第2の集合基板とを準備する工程と、
    前記第1の集合基板を分割することで第1の基板に個片化する工程と、
    前記第2の集合基板の所定の樹脂部分を除去することによって、前記導体板が外部に突出されるように、前記第2の集合基板を第2の基板に個片化する工程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板を積み重ねることで積層体を形成する工程と、
    を有することを特徴とする電子部品の製造方法。
  10. 前記所定の樹脂部分の除去がレーザ加工またはサンドブラスト加工によって行われることを特徴とする請求項8または9に記載の電子部品の製造方法。
  11. 前記導体板の前記積層体の外部への突出部が複数あり、該複数の突出部が前記積層体の積層方向から平面視したときに互いに重ならないように形成されていること、
    を特徴とする請求項8乃至10の内いずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
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JP2016139742A (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 株式会社村田製作所 コイル部品

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