JP6046547B2 - ステンレス鋼部品の不動態化処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ステンレス鋼部品の不動態化処理方法に係り、特に、水門等のステンレス鋼部品の不動態化処理方法に関する。
水門や原子力設備部品等のステンレス鋼部品の製作工程において、溶接・切断などの加工によりステンレス鋼部品の耐食性を担う不動態皮膜が除去されることから、一般的に組み立て後は不動態化処理が行われている。ステンレス鋼部品の不動態化処理方法としては、硝酸、フッ酸、クロム酸などの酸性水溶液に浸漬させる方法もしくは酸性およびアルカリ性水溶液でアノード電解させる方法などが提案されている。
特許文献1には、質量%で、C:0.003〜0.10%,Si:0.05〜1.0%,Mn:0.05〜1.0%,P:0.04%以下,S:0.01%以下,Cr;10.5〜22.0%,N:0.003〜0.10%を含有し、残部がFeおよび実質的に不可避的不純物で構成された冷間鍛造品を、温度が10〜80℃、硝酸濃度が10〜50%の溶液中に、振動,回転攪拌,超音波振動,溶液攪拌の1種類以上の攪拌や振動を伴って1分間以上浸漬するフェライト系ステンレス鋼製の冷間鍛造部品の不動態化処理方法が記載されている。
特開2008−266677号公報
ところで、ステンレス鋼部品を硝酸等を含む酸性水溶液に浸漬させるだけでは、酸化力が十分得られずにステンレス鋼部品の表面に耐食性の高い不動態皮膜を形成できない可能性がある。また、塩害が発生しやすい環境で使用される水門等のステンレス鋼部品では、より一層の耐食性が要求される場合がある。
そこで本発明の目的は、より耐食性を向上させた不動態皮膜を形成可能なステンレス鋼部品の不動態化処理方法を提供することである。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法は、前記ステンレス鋼部品を酸性水溶液に浸漬させて不動態皮膜を形成する不動態皮膜形成工程を備え、前記不動態皮膜形成工程は、前記ステンレス鋼部品を浸漬させた酸性水溶液に超音波を照射すると共に、酸素を含むガスの気泡を導入してキャビテーションを発生させる第1の処理を有することを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法において、前記不動態皮膜形成工程は、前記第1の処理の前に、前記酸性水溶液に浸漬された前記ステンレス鋼部品の浸漬電位が一定となるまで浸漬保持する第2の処理を有することを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法において、前記不動態皮膜形成工程は、前記第1の処理の後に、前記ステンレス鋼部品を前記酸性水溶液に浸漬保持する第3の処理を有することを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法において、前記気泡は、マイクロバブルまたはナノバブルであることを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法において、前記酸素を含むガスは、空気であることを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法において、前記酸性水溶液に含まれる酸化剤は、過酸化水素であることを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法は、前記不動態皮膜形成工程の前に、前記ステンレス鋼部品の表面を研磨して前処理する前処理工程を備えていることを特徴とする。
上記構成におけるステンレス鋼部品の不動態化処理方法によれば、ステンレス鋼部品を浸漬させた酸性水溶液に、超音波を照射すると共に酸素を含むガスの気泡を導入してキャビテーションを発生させることにより、ステンレス鋼部品の表面の酸化力が増し、不動態皮膜の形成が促進されるので、より耐食性を向上させた不動態皮膜の形成が可能となる。
本発明の実施の形態において、ステンレス鋼部品の不動態化処理方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態において、不動態化処理したステンレス鋼部品の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態において、ステンレス鋼部品の不動態化処理装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、他のステンレス鋼部品の不動態化処理装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、耐食性評価試験結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、実施例1及び比較例1の試験片における不動態皮膜形成時の浸漬電位を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、ステンレス鋼部品の不動態化処理方法を示すフローチャートである。図2は、不動態化処理したステンレス鋼部品10の構成を示す断面図である。
まず、不動態化処理したステンレス鋼部品10について説明する。ステンレス鋼部品12は、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化型ステンレス鋼等で形成されている。これらのステンレス鋼は、Fe−Cr系合金、Fe−Cr−Ni系合金、Fe−Cr−Ni−Mo系合金、Fe−Cr−Ni−Mo―Cu系合金、Fe−Cr−Ni−Mn系合金等からなり、例えば、クロム(Cr)を12質量%以上含有しているFe系合金である。ステンレス鋼部品12としては、例えば、水門や原子力設備部品等がある。
ステンレス鋼部品12の表面には、ステンレス鋼部品12に含まれるクロムが酸素と結びついて不動態皮膜14が形成されている。不動態皮膜14は、酸化クロムまたは酸化クロムを主体とする酸化物で形成されている。不動態皮膜14の厚みは、例えば、1nmから2nmである。ステンレス鋼部品12の表面に不動態皮膜14を形成することにより、ステンレス鋼部品12の耐食性が向上する。
次に、ステンレス鋼部品12の不動態化処理方法について説明する。前処理工程(S10)は、ステンレス鋼部品12の表面を研磨して前処理する工程である。ステンレス鋼部品12に不動態皮膜14を形成する前に、ステンレス鋼部品12の表面を機械研磨等で研磨して前処理することが好ましい。ステンレス鋼部品12の表面を機械研磨等で前処理することにより、ステンレス鋼部品12の表面に自然発生的に形成された耐食性が低い自然酸化皮膜が除去される。また、溶接や切断等の加工で形成された加工面がより平滑化される。なお、ステンレス鋼部品12の前処理として、脱脂洗浄処理や酸洗処理を合わせて行うことが好ましい。ステンレス鋼部品12の研磨、脱脂洗浄処理、酸洗処理については、一般的な金属材料の前処理に用いられる方法が適用可能である。
不動態皮膜形成工程(S12)は、ステンレス鋼部品12を酸性水溶液に浸漬させて不動態皮膜14を形成する工程である。ステンレス鋼部品12の表面に酸化クロムまたは酸化クロムを主体とする酸化物からなる不動態皮膜14を形成することにより、ステンレス鋼部品12の耐食性が向上する。
不動態皮膜形成工程(S12)は、ステンレス鋼部品12を浸漬させた酸性水溶液に超音波を照射すると共に、酸素を含むガスの気泡を導入してキャビテーションを発生させる第1の処理を有している。
ステンレス鋼部品12を浸漬させた酸性水溶液に超音波を照射すると共に、酸素を含むガスの気泡を導入してキャビテーションを発生させることにより、ステンレス鋼部品12の表面における酸化力が高められるので、不動態皮膜14の形成を促進すると共に、強固な不動態皮膜14を形成することが可能となる。
不動態皮膜14の形成に寄与する因子としては、酸化力と酸素濃度とが挙げられる。マクロ的には常温であるがキャビテーションによりミクロ的に高温反応場が形成され、水と酸素とは酸化力かつ反応性の高いラジカル(水素ラジカル、ヒドロキシラジカル、酸素ラジカル)に分解される。このような反応性の高いヒドロキシラジカルや酸素ラジカルによりステンレス鋼部品12の表面における不動態化反応が促進される。また、キャビテーション気泡は微細な気泡であることから比表面積が大きくなり、ステンレス鋼部品12の表面との接触面積が増加する。このような理由により、不動態皮膜14の形成を促進すると共に、強固な不動態皮膜14を形成することが可能となる。
酸性水溶液には、硝酸、過酸化水素等の酸化剤を添加した酸性水溶液が用いられる。酸化剤については、一般的なステンレス鋼の不動態皮膜形成に用いられるものを適用可能である。また、酸化剤には、環境への負荷を低減するために、過酸化水素を用いることが好ましい。酸化剤に過酸化水素を用いた場合でも、酸性水溶液中にキャビテーションを生じさせることでステンレス鋼部品12の表面の酸化力を補って高めることが可能となる。
また、酸性水溶液の液温については、特に限定されないが、常温(20℃から30℃)であることが好ましい。酸性水溶液中にキャビテーションを生じさせることでステンレス鋼部品12の表面の酸化力が高められているので、酸性水溶液を加温する必要がなく、不動態化の処理設備や処理工程をより簡素化できるからである。
酸素を含むガスには、空気等を用いることが可能である。酸素を含むガスに空気を用いることにより、製造コストを低減することができる。また、酸素を含むガスとして、酸素と不活性ガス(例えば、アルゴンガス等)とを混合させた混合ガスを用いてもよいし、酸素のみを用いることも可能である。酸性水溶液に酸素を含むガスの気泡を導入することにより、酸性水溶液に含まれる溶存酸素に加えて、更に酸素を供給することができる。
酸性水溶液に導入する気泡には、例えば、気泡直径が10mm以下の気泡が用いられる。気泡が大きすぎると酸性水溶液中に滞留する時間が短くなるからである。気泡直径が1mmから10mmの通常気泡を用いる場合には、簡易な気泡発生装置で気泡を発生させることができるので、製造コストを低減することが可能となる。また、気泡直径が1mmより小さく、例えば、1μmから50μmのマイクロバブルや、気泡直径が1μmより小さいナノバブル等の微小な気泡を用いる場合には、酸性水溶液中に気泡が滞留する時間が通常気泡より長くなるので、酸化力をより高めて不動態皮膜14の形成速度を速めると共に、より強固な不動態皮膜14を形成することが可能となる。酸化力をより高める観点からは、通常気泡よりもマイクロバブルやナノバブルが好ましく、マイクロバブルよりもナノバブルがより好ましい。
酸性水溶液に照射する超音波の周波数は、例えば、1MHz以下であり、10kHzから100kHzが好ましい。超音波の周波数が高くなりすぎると、キャビテーションが発生し難くなるからである。超音波の照射方法については、直接照射法を用いてもよいし、間接照射法を用いてもよい。
酸性水溶液に超音波を照射すると共に、酸素を含むガスの気泡を導入する方法としては、酸性水溶液に超音波を照射した後に、酸素を含むガスの気泡を導入してもよいし、酸性水溶液に酸素を含むガスの気泡を導入した後に、超音波を照射してもよいし、超音波の照射と酸素を含むガスの気泡の導入とを同時に行ってもよい。
不動態皮膜形成工程(S12)では、第1の処理の前に、ステンレス鋼部品12を酸性水溶液に浸漬させて、ステンレス鋼部品12の浸漬電位が一定となるまで浸漬保持する第2の処理を設けるようにしてもよい。ステンレス鋼部品12を酸性水溶液に浸漬した初期には、ステンレス鋼部品12の表面に不動態皮膜14が速く形成されるので、ステンレス鋼部品12の浸漬電位が急速に高電位側(貴側)へシフトする。
そのため、ステンレス鋼部品12の表面に不動態皮膜14が形成されてステンレス鋼部品12の浸漬電位が上昇している間は、超音波照射及び気泡の導入を行わずに、ステンレス鋼部品12を浸漬保持する。そして、ステンレス鋼部品12の浸漬電位が一定となり不動態皮膜14の形成速度が低下してきた段階で第1の処理を行うことで、超音波の照射や気泡を導入するための機器の可動時間をより短くできるので、これらの機器の消耗を抑制することが可能となり、不動態皮膜14の形成を効率よく行うことができる。また、ステンレス鋼部品12の浸漬電位が一定とは、例えば、浸漬時間に対するステンレス鋼部品12の浸漬電位の変化が+0.001〔(V vs SCE)/min.〕以下となる場合である。なお、第2の処理では、超音波照射及び気泡の導入のどちらか一方を行うようにしてもよい。
不動態皮膜形成工程(S12)では、第1の処理の後に、ステンレス鋼部品12を酸性水溶液に浸漬保持する第3の処理を設けるようにしてもよい。超音波照射と気泡の導入とを停止した後においても、酸性水溶液中にはキャビテーションの残留等により不動態皮膜14の形成が促進される。そのため、超音波の照射や気泡を導入するための機器の可動時間をより短くできるので、これらの機器の消耗を抑制することが可能となり、不動態皮膜14の形成を効率よく行うことができる。
なお、勿論、不動態皮膜形成工程(S12)では、第1の処理のみで不動態皮膜14の形成を行ってもよい。第1の処理のみで不動態皮膜14を形成することにより、不動態皮膜14の形成をより短時間で行うことが可能となる。また、不動態皮膜形成工程(S12)では、第2の処理、第1の処理、第3の処理の順に第1の処理から第3の処理の全てを行って不動態皮膜14を形成してもよいし、第1の処理と第3の処理とを繰り返し行って不動態皮膜14を形成してもよい。第1の処理と第3の処理とを繰り返し行って不動態皮膜14を形成する場合には、第3の処理において、ステンレス鋼部品12の浸漬電位が上昇している間は、不動態皮膜14の形成が進行しているので、ステンレス鋼部品12の浸漬電位が一定となるまで浸漬保持することが好ましい。
次に、ステンレス鋼部品12の不動態化処理装置について説明する。図3は、ステンレス鋼部品12の不動態化処理装置20の構成を示す図である。
不動態化処理装置20には、ステンレス鋼部品12を浸漬させるための酸性水溶液22を入れた金属製または樹脂製の処理槽24が設けられている。処理槽24は、ステンレス鋼部品12を挿入可能な大きさで形成されている。
超音波発生機26は、ステンレス鋼部品12を浸漬させた酸性水溶液22に超音波照射するための超音波発生手段としての機能を有している。超音波発生機26は、超音波振動子26aと超音波発振器26bとを備えている。超音波振動子26aは、酸性水溶液22中に浸漬されている。超音波発生機26には、一般に市販されている超音波発生装置等を用いることが可能である。
気泡発生機28は、ステンレス鋼部品12を浸漬させた酸性水溶液22に、酸素を含むガスの気泡を導入する気泡発生手段としての機能を有している。気泡発生機28には、通常気泡を発生させるためのエアーポンプ、マイクロバブルを発生させるためのマイクロバブル発生装置、ナノバブルを発生させるためのナノバブル発生装置等が用いられる。これらのエアーポンプ、マイクロバブル発生装置、ナノバブル発生装置には、一般に市販されている装置を用いることが可能である。
電位計測器30は、ステンレス鋼部品12と参照電極32とにリード線等で接続されており、ステンレス鋼部品12の浸漬電位を計測する浸漬電位計測手段としての機能を有している。電位計測器30には、エレクトロメータ等が用いられる。参照電極32には、飽和カロメル電極、銀−塩化銀電極等が用いられる。
制御手段34は、超音波発生機26、気泡発生機28、電位計測器30等を制御する機能を有している。制御手段34は、例えば、一般的なコンピュータシステムで構成されている。制御手段34は、超音波発生機26と気泡発生機28とを制御して、酸性水溶液22に超音波を照射すると共に、酸素を含むガスの気泡を導入することができる。
制御手段34は、演算部と記憶部とを有している。演算部では、ステンレス鋼部品12の浸漬電位等のデータが演算される。記憶部では、超音波の周波数等の超音波照射条件、気泡発生条件、ステンレス鋼部品12の浸漬電位等が記憶される。
また、酸性水溶液22に超音波照射すると共に、酸素を含むガスの気泡を導入する第1の処理の前に、ステンレス鋼部品12を酸性水溶液22に浸漬させて、ステンレス鋼部品12の浸漬電位が一定となるまで浸漬保持する第2の処理を設ける場合には、制御手段34に、ステンレス鋼部品12の浸漬電位が一定となったか否かを判定する判定部を設けることが好ましい。
ステンレス鋼部品12における浸漬時間に対する浸漬電位の変化量(浸漬電位の上昇速度)を演算部で演算すると共に、浸漬時間に対する浸漬電位の変化量の閾値(例えば、上述した+0.001〔(V vs SCE)/min.〕)を設定し、演算部で演算された浸漬時間に対する浸漬電位の変化量が閾値より大きければ第2の処理を継続し、演算部で演算された浸漬時間に対する浸漬電位の変化量が閾値以下であれば第2の処理から第1の処理へ切り替えるようにしてもよい。
図4は、他のステンレス鋼部品12の不動態化処理装置40の構成を示す図である。図3に示す不動態化処理装置20では、超音波発生機26は直接照射法で超音波照射するものであるが、図4に示す不動態化処理装置40では、間接照射法で超音波照射する超音波発生機42を用いている点で相違している。超音波発生機42は、例えば、一般的な超音波洗浄装置等で構成されている。超音波振動子(図示せず)は超音波洗浄装置に内蔵されており、超音波洗浄装置の洗浄槽内に貯められた水44等を介して酸性水溶液22へ超音波照射する。その他の構成については、図3に示す不動態化処理装置20の各構成と同様であるので同じ符号を付けて詳細な説明を省略する。
以上、上記構成によれば、不動態皮膜形成工程では、ステンレス鋼部品を浸漬させた酸性水溶液に超音波を照射すると共に、酸素を含むガスの気泡を導入してキャビテーションを発生させる第1の処理を備えているので、ステンレス鋼部品の表面の酸化反応が促進されて、ステンレス鋼部品の表面により耐食性を向上させた不動態皮膜の形成が可能となる。
上記構成によれば、不動態皮膜形成工程では、第1の処理を備えていることから、常温で耐食性を向上させた不動態皮膜の形成が可能であり、酸性水溶液を加温する必要がないので、より簡易に不動態皮膜の形成を行うことができる。
不動態皮膜の耐孔食性を評価するため耐食性評価試験を行った。
(試験片の前処理)
試験片には、ステンレス鋼SUS304で形成された矩形状の板材を用いた。試験片の寸法については、幅60mm、長さ100mm、板厚1.5mmとした。前処理として、試験片の表面を機械研磨して、自然酸化皮膜を除去した。
(不動態皮膜の形成)
実施例1の試験片における不動態皮膜の形成方法について説明する。不動態皮膜の形成には、上述した図4に示す構成の不動態化処理装置を使用した。ます、機械研磨した試験片を、常温(20℃から30℃)で20wt%硝酸水溶液に浸漬させて30分間超音波照射した。次に、超音波照射と共に、硝酸水溶液に空気を入れて気泡を導入するエアレーションを10分間行った。そして、超音波照射とエアレーションとを停止して、試験片の浸漬電位が浸漬時間に対して略一定となるまで硝酸水溶液に浸漬保持した。なお、試験片の浸漬電位測定には、参照電極として飽和カロメル電極を用いた。
超音波発生機には、アズワン株式会社の超音波装置(型番USK−3R)を使用した。超音波装置の出力は120Wであり、発振周波数は40kHzである。硝酸水溶液に超音波照射したときの超音波の周波数については、40kHzとした。
気泡発生機として、エアーポンプとセラミックエアストーン(直径30mm×長さ50mm、重量50g)とを使用し、エアーポンプには株式会社ニッソーのCHIKARA α 1500を使用した。気泡サイズについては、気泡直径1mmから10mm程度とした。
比較例1の試験片における不動態皮膜の形成方法について説明する。機械研磨した試験片を常温で20wt%硝酸水溶液に浸漬させて、試験片の浸漬電位が浸漬時間に対して略一定となるまで浸漬保持した。比較例1の試験片における不動態皮膜の形成方法では、上述した図4に示す構成の不動態化処理装置を用いているが、硝酸水溶液中での超音波照射とエアレーションとについては行わずに浸漬保持のみとした。なお、試験片の浸漬電位測定には、実施例1の試験片と同じく飽和カロメル電極を用いた。
比較例2の試験片における不動態皮膜の形成方法について説明する。機械研磨した試験片を常温で20wt%硝酸水溶液に浸漬させた後に、硝酸水溶液に超音波照射して不動態皮膜を形成した。超音波照射については、試験片の浸漬電位が浸漬時間に対して略一定となるまで行った。
比較例2の試験片における不動態皮膜の形成方法では、上述した図4に示す構成の不動態化処理装置を用いているが、硝酸水溶液中でのエアレーションについては行わずに超音波照射のみとした。また、超音波の周波数については、実施例1の試験片における不動態皮膜の形成方法と同じ40kHzとした。なお、試験片の浸漬電位測定には、実施例1の試験片と同じく飽和カロメル電極を用いた。
比較例3の試験片として、不動態皮膜を形成せずに機械研磨のみを行ったもの(自然酸化皮膜を除去した試験片)を用いた。比較例4の試験片として機械研磨していない未処理材(自然酸化皮膜を除去していない試験片)を用いた。
(耐食性評価試験)
実施例1、比較例1から4の各試験片について耐孔食性を評価するため耐食性評価試験を行った。まず、耐食性評価試験方法について説明する。耐食性評価試験については、JIS G 0578のステンレス鋼の塩化第二鉄腐食試験方法に準拠して行った。具体的には、各試験片を50℃、0.2mol/L塩酸酸性の20wt%塩化第二鉄溶液に浸漬させて、各試験片の浸漬時間に対する重量変化を測定した。
図5は、耐食性評価試験結果を示すグラフである。図5のグラフでは、横軸に塩化第二鉄溶液への浸漬時間(h)を取り、縦軸に各試験片の腐食減量(単位面積当たりの質量減少量)を取り、実施例1の試験片の腐食減量を黒四角形で表し、比較例1の試験片の腐食減量を黒丸で表し、比較例2の試験片の腐食減量を白四角形で表し、比較例3の試験片の腐食減量を黒菱形で表し、比較例4の試験片の腐食減量を黒三角形で表している。図5のグラフから明らかなように、実施例1の試験片の腐食減量は、比較例1から4の試験片の腐食減量よりも小さい結果が得られた。
また、図5のグラフにおける各試験片の直線の傾きを最小二乗法で算出して腐食速度(単位時間当たりの腐食減量)を求めた結果、実施例1の試験片では139〔(g/m)/h〕であり、比較例1の試験片では175〔(g/m)/h〕であり、比較例2の試験片では214〔(g/m)/h〕であり、比較例3の試験片では223〔(g/m)/h〕であり、比較例4の試験片では171〔(g/m)/h〕であった。腐食速度に基づいて比較したところ、実施例1の試験片は、比較例1の試験片に対して約21%耐食性が向上し、比較例4の試験片に対して約19%耐食性が向上していることが明らかになった。
この耐食性評価試験結果から、実施例1の試験片における単位時間当たりの腐食減量が最も小さく、実施例1の試験片の耐食性が最も優れていることがわかった。すなわち、不動態皮膜の形成において、硝酸水溶液に超音波照射すると共にエアレーションを行う処理を備えることで、硝酸水溶液に浸漬保持のみする場合、硝酸水溶液に浸漬して超音波照射のみ行う場合及び自然酸化皮膜が形成されている未処理材よりも、ステンレス鋼の耐食性が向上することが明らかとなった。
次に、この耐食性評価試験結果の理由について検討した。図6は、実施例1及び比較例1の試験片における不動態皮膜形成時の浸漬電位を示すグラフである。図6のグラフでは、横軸に硝酸水溶液への浸漬時間(min.)を取り、縦軸に浸漬電位(V vs SCE)を取り、実施例1の試験片における浸漬電位を実線で表し、比較例1の試験片における浸漬電位を点線で表している。
また、実施例1の試験片の浸漬電位において、Aの部分が超音波照射のみを行った箇所(エアレーションなし)であり、Bの部分が超音波照射とエアレーションとを併用した箇所であり、Cの部分が浸漬のみを行った箇所(超音波照射及びエアレーションなし)である。
実施例1の試験片では、硝酸水溶液へ超音波照射のみを行った浸漬直後から試験片の浸漬電位が−0.25(V vs SCE)から上昇し、20分間浸漬させた後には試験片の浸漬電位が+0.1(V vs SCE)で略一定となった。そして、超音波照射とエアレーションとを併用することにより、試験片の浸漬電位が+0.5(V vs SCE)まで上昇し、超音波照射とエアレーションとを停止した後も、試験片の浸漬電位が+0.6(V vs SCE)まで上昇した。
これに対して比較例1の試験片では、硝酸水溶液への浸漬直後から試験片の浸漬電位が上昇し、10分間浸漬後には試験片の浸漬電位が+0.1(V vs SCE)で略一定となり、その後、試験片の浸漬電位の上昇は認められなかった。
ステンレス鋼の浸漬電位は、その表面に不動態皮膜が形成されることにより高電位側(貴側)へシフトしていく。実施例1の試験片では最終的な浸漬電位が+0.6(V vs SCE)であり、比較例1の試験片では最終的な浸漬電位が+0.1(V vs SCE)であることから、実施例1の試験片の浸漬電位は、比較例1の試験片の浸漬電位よりも+0.5(V vs SCE)だけ浸漬電位が高電位側(貴側)にシフトしている。この結果から、実施例1の試験片では耐食性に優れた不動態皮膜が形成されていると考えられる。
また、図6のグラフから明らかなように、試験片を硝酸水溶液へ浸漬のみした場合(比較例1の試験片)や、試験片を硝酸水溶液へ浸漬して超音波照射のみした場合(実施例1の試験片のAの部分)は、試験片の浸漬電位が+0.1(V vs SCE)までしか上昇せず略一定となる。これに対して、硝酸水溶液に超音波照射とエアレーションとを併用することにより(実施例1の試験片のBの部分)、試験片の浸漬電位が更に高電位側(貴側)へシフトすることから、超音波照射とエアレーションとを併用する処理は、不動態皮膜の形成を促進することがわかった。
そして、超音波照射とエアレーションとを停止した後においても(実施例1の試験片のCの部分)、試験片の浸漬電位の高電位側(貴側)へのシフトが認められていることから、超音波照射とエアレーションとを停止して浸漬保持した場合でも、硝酸水溶液中に残留しているキャビテーション等により更に不動態皮膜の形成が行われることがわかった。
10 不動態化処理したステンレス鋼部品、12 ステンレス鋼部品、14 不動態皮膜、20、40 不動態化処理装置、22 酸性水溶液、24 処理槽、26、42 超音波発生機、28 気泡発生機、30 電位計測器、32 参照電極、34 制御手段、44 水。

Claims (6)

  1. ステンレス鋼部品の不動態化処理方法であって、
    前記ステンレス鋼部品を酸性水溶液に浸漬させて不動態皮膜を形成する不動態皮膜形成工程を備え、
    前記不動態皮膜形成工程は、前記ステンレス鋼部品を浸漬させた酸性水溶液に超音波を
    照射すると共に、酸素を含むガスの気泡を導入してキャビテーションを発生させる第1の
    処理と、前記第1の処理の前に、前記酸性水溶液に浸漬された前記ステンレス鋼部品の浸漬電位が一定となるまで浸漬保持する第2の処理と、を有することを特徴とするステンレス鋼部品の不動態化処理方法。
  2. ステンレス鋼部品の不動態化処理方法であって、
    前記ステンレス鋼部品を酸性水溶液に浸漬させて不動態皮膜を形成する不動態皮膜形成工程を備え、
    前記不動態皮膜形成工程は、前記ステンレス鋼部品を浸漬させた酸性水溶液に超音波を
    照射すると共に、酸素を含むガスの気泡を導入してキャビテーションを発生させる第1の
    処理と、前記第1の処理の後に、前記ステンレス鋼部品を前記酸性水溶液に浸漬保持する第3の処理と、を有することを特徴とするステンレス鋼部品の不動態化処理方法。
  3. 請求項1または2に記載のステンレス鋼部品の不動態化処理方法であって、
    前記気泡は、マイクロバブルまたはナノバブルであることを特徴とするステンレス鋼部
    品の不動態化処理方法。
  4. 請求項1からのいずれか1つに記載のステンレス鋼部品の不動態化処理方法であって、
    前記酸素を含むガスは、空気であることを特徴とするステンレス鋼部品の不動態化処理
    方法。
  5. 請求項1からのいずれか1つに記載のステンレス鋼部品の不動態化処理方法であって、
    前記酸性水溶液に含まれる酸化剤は、過酸化水素であることを特徴とするステンレス鋼
    部品の不動態化処理方法。
  6. 請求項1からのいずれか1つに記載のステンレス鋼部品の不動態化処理方法であって、
    前記不動態皮膜形成工程の前に、前記ステンレス鋼部品の表面を研磨して前処理する前
    処理工程を備えていることを特徴とするステンレス鋼部品の不動態化処理方法。
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