JP2000219985A - ステンレス線材の脱スケールに用いる超音波水洗槽および超音波水洗方法並びにこれを用いた脱スケール装置 - Google Patents

ステンレス線材の脱スケールに用いる超音波水洗槽および超音波水洗方法並びにこれを用いた脱スケール装置

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JP2000219985A
JP2000219985A JP11021174A JP2117499A JP2000219985A JP 2000219985 A JP2000219985 A JP 2000219985A JP 11021174 A JP11021174 A JP 11021174A JP 2117499 A JP2117499 A JP 2117499A JP 2000219985 A JP2000219985 A JP 2000219985A
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Yoshihiro Yamada
義博 山田
Izumi Muto
泉 武藤
Yoshio Mizuta
賀夫 水田
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波を線材表面に確実に印加できる構造に
より、酸洗効率を向上させることができる酸洗装置を提
供する。 【解決手段】 粗酸洗槽、超音波水洗槽、仕上げ酸洗
槽、水洗槽、および中和槽の順に配置するステンレス線
材の脱スケール装置の超音波水洗槽で、コイルを回動さ
せる機構を持つ装置において、長さがコイルの高さ以上
かつ槽の長さ以下で、幅がコイルの1回当たりにおける
回動距離以上、かつ槽の深さ以下の超音波振動子列をコ
イルの軸と平行に配置し、コイルを回動させることによ
って、超音波水洗時に少なくとも一回はコイルの全周が
超音波振動子列に近接することを特徴とするステンレス
線材の脱スケール装置および方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、線材コイルの酸
洗装置に関し、詳細には酸洗を促進し、酸洗効率を向上
させる線材コイルの酸洗装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、酸洗を促進し、酸洗効率を向
上させる線材コイルの酸洗装置が提案されている。この
酸洗を促進し、酸洗効率を向上させることに関する技術
は、例えば、 (1)「予備処理槽,ソルト浴,湯洗槽,酸洗浄槽,H
F/HNO3洗浄槽等を備えた脱スケ−ル処理ライン内
に超音波洗浄槽を配記する。この洗浄槽はFRP製槽本
体と超音波振動子を有するボツクスで構成され,ボツク
スの組成成分としてNi;32%以上,Cr;15〜2
3%,Mo;13〜17%,Si;1%以下,C;0.
15%以下,Mn;2%以下を含有させる」超音波振動
付与槽(特開昭62−270213号公報;以下、「引
用例1」という) (2)「熱間圧延した鋼線材コイルをトレ−に積載して
焼鈍炉内で軟化焼鈍を行つた後,ロ−ラにて炉外に送り
出し,その表面温度が650℃以下になるまで空冷す
る。コイルが650℃以下になると,クレ−ンにて冷媒
を収容した冷却槽中に入れて急冷すると共に,磁歪振動
子によつて超音波を付与する。このためコイル全長にわ
たつてスケ−ルに多数のクラツクが発生し,一部のスケ
−ルに剥離が起り,次の仕上酸洗工程にて脱スケ−ルを
容易に行うことができる」スケール処理方法(特開昭6
2−37384号公報;以下、「引用例2」という)な
どがある。図10は、従来のフツクを振動させコイルに
振動を加える図である。図11は、従来の、超音波を線
材表面に印加するときに酸液を介して間接的に印加する
図である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図10の線材コイルの
酸洗装置において、酸液2が満たされた酸洗槽1に、線
材コイル3を浸漬させ、線材コイル3表面のスケールを
溶解させる処理を行っていた。近年、生産性向上のた
め、酸液の攪拌を良くするために、フック4を振動させ
コイル3を振動させたり、図11に示すように酸洗槽1
内に超音波振動子6を設置し、酸液2を介して超音波を
線材コイルに印加する技術開発が行われている。しかし
ながら、引用例1ないし引用例2に開示された酸洗装置
にあっては、振動させない場合と比較すると酸洗効率が
良くなるものの、超音波振動子に近い側は完全に酸洗さ
れるのに対し、超音波振動子から離れた側では酸洗ムラ
が残るという問題があった。これは、超音波を線材表面
に印加するときに酸液を介して印加するため、超音波の
エネルギーが減衰することによると考えられる。また、
引用例1ないし引用例2に開示された酸洗装置にあって
は、酸洗槽で脱スケールされて脱落した鉄の成分により
酸が劣化されるという問題があった。本発明は、上記課
題に鑑み、線材コイルの脱スケールに用いる超音波水洗
槽および方法において、超音波を線材表面に確実に印加
でき、また酸の劣化を少なくし、酸洗効率を向上させる
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、線材コイル
の酸洗装置において、超音波を線材コイルに確実に印加
でき、また酸の劣化を少なくでき、酸洗効率を向上させ
ることができる酸洗装置について鋭意検討を重ねた結
果、ステンレス線材の脱スケールに用いる超音波水洗槽
で、コイルを回動させる機構を持つ装置において、長さ
がコイルの高さ以上かつ槽の長さ以下で、幅がコイルの
1回当たりの回動距離以上かつ槽の深さ以下の超音波振
動子列をコイルの軸と平行に配置し、コイルを回動させ
ることによって、超音波水洗時に少なくとも一回はコイ
ルの全周が超音波振動子列に近接させることにより、酸
洗効率の向上を図ることができることを見いだした。
【0005】本発明は以上の知見に基づいてなされたも
のであって、その要旨とするところは、(1)ステンレ
ス線材の脱スケールに用いるコイルを回動させる機構を
持つ超音波水洗槽において、振動面が平面あるいはコイ
ル外周と同じ曲率半径を持つ凹面であり、長さがコイル
の高さ以上かつ槽の長さ以下で、幅がコイルの1回当た
りの回動距離以上、かつ槽の深さ以下の超音波振動子列
をコイルの軸と平行に配置し、コイルを回動させること
によって、超音波水洗時に少なくとも一回はコイルの全
周が超音波振動子列に近接すること、また(2)前記
(1)に記載のステンレス線材の脱スケールに用いる超
音波水洗槽において、コイル直径をA、コイル回動回数
をN、超音波振動子の幅をC、超音波振動子の長さを
D、超音波振動子の列数をMとするとき、πA≦CNM
を満たすこと、(3)前記(1)または(2)に記載の
ステンレス線材の脱スケールに用いる超音波水洗槽にお
いて、コイルと超音波振動子の振動面との最も接近する
距離をHとするとき、H≦0.1mを満たす超音波振動
子をコイルの周に沿って配置すること、(4)前記
(1)〜(3)の何れかに記載のステンレス線材の脱ス
ケールに用いる超音波水洗槽において、超音波振動子列
の振動面の前方に位置するコイルの下方にキャビテーシ
ョンの元になる直径1μm以上1mm以下のマイクロバ
ブルを発生させる装置を超音波水洗槽内に配置するこ
と、(5)前記(1)〜(4)の何れかに記載のステン
レス線材の脱スケールに用いる超音波水洗槽において、
コイルと超音波振動子の振動面の間に、振動面にコイル
が直接接触しないように、格子状のステーを設けるこ
と、(6)前記(1)〜(5)の何れか1項に記載のス
テンレス線材の脱スケールに用いる超音波水洗槽を用い
て、超音波水洗槽の水温を摂氏0度以上摂氏20度以下
とすること、(7)ステンレス線材の脱スケールに用い
る機構として、粗酸洗槽、超音波水洗槽、仕上げ酸洗
槽、水洗槽、および中和槽の順に配置するとともに、超
音波水洗槽として、(1)〜(5)の何れか1項に記載
のステンレス線材の脱スケールに用いる超音波水洗槽を
用ること、を特徴とする酸洗装置および方法、およびこ
れを用いた脱スケール装置にある。
【0006】
【発明の実施の形態】ステンレス線材の脱スケールに用
いる超音波水洗槽で、コイルを回動させる機構を持つ装
置において、超音波振動子列をコイルの軸と平行に配置
し、コイルを回動させることによって、超音波水洗時に
少なくとも一回はコイルの全周が超音波振動子列に近接
することを特徴とするステンレス線材の脱スケール装置
および方法について図面に基づき説明する。
【0007】図1は、粗酸洗槽、超音波水洗槽、仕上げ
酸洗槽、水洗槽、および中和槽の順に配置した脱スケー
ル装置の工程図である。従来のステンレス線材の酸洗に
おいては、粗酸洗槽、水洗槽、仕上げ酸洗槽、水洗槽、
中和槽の順に線材をコイルのまま搬送して液中に浸漬す
る方法が取られている。ここで、粗酸洗槽および仕上げ
酸洗槽では酸を2種類用いるために、2つの槽を用いて
いる。従来では、粗酸洗槽でスケールを浮かせ、仕上げ
酸洗槽でスケールを完全に剥離させていた。本発明で
は、粗酸洗槽の次の水洗槽で線材コイルに超音波を印加
することにより、仕上げ酸洗槽に持ち込まれていた容易
に剥離するスケールを水洗槽において超音波であらかじ
め落としておき、仕上げ酸洗槽での酸の消費量を低減さ
せることができる。
【0008】図10は従来のコイルを回動させる機構を
持つステンレス線材の脱スケール装置の超音波水洗槽を
示す図である。また、図11は従来の酸洗装置におい
て、超音波を線材コイルに印加する図である。酸洗槽1
の中に水2が満たされており、コイル直径Amの線材コ
イル3はフック4に釣り下げられて搬送されて水2の中
に浸けられる。線材コイル3は酸洗槽1の壁に触れない
ように一定時間保持した後、フック4の高さを低くする
ことにより、線材コイル3を酸洗槽傾斜部5に到達す
る。さらにフック4の高さを低くすると、線材コイル3
は酸洗槽傾斜部5によって、安定な位置に達するまで、
コイル回動角度B度だけ回動する。その後フック4の高
さを高くすることにより、コイル回動角度がB度に保持
される。このフック4の高さを低くしたり高くしたりす
ることをコイル回動回数N回だけ繰り返すことにより、
線材コイル3は(πABN/360)mだけ回動するこ
とになる。
【0009】従来の酸洗装置においては、酸洗促進のた
めに、酸洗槽1の壁に超音波振動子6を設置していた。
しかし、振動させない場合と比較すると酸洗効率が良く
なるものの、超音波振動子6に近い側は完全に酸洗され
るのに対し、超音波振動子6から離れた側では酸洗ムラ
が残るという問題があった。図2は本発明の超音波水洗
槽1において、超音波振動子6を線材コイル3に近接さ
せて超音波印加する図である。図3は本発明の超音波水
洗槽1において、槽を横から見た図である。図4は本発
明の超音波水洗槽1において、超音波振動子6を線材コ
イル3に近接させて超音波を印加し、数回コイルを回動
させてスケール剥離した領域11を示す図である。
【0010】本発明においては、ステンレス線材の脱ス
ケールに用いるコイルを回動させる機構を持つ超音波水
洗槽において、振動面が平面あるいはコイル外周と同じ
曲率半径を持つ凹面であり、長さがコイルの高さ以上か
つ槽の長さ以下で、幅がコイルの1回当たりの回動距離
以上、かつ槽の深さ以下の超音波振動子列をコイルの軸
と平行に配置し、コイルを回動させることによって、超
音波水洗時に少なくとも一回はコイルの全周が超音波振
動子列に近接させるものである。すなわち、コイル直径
をA、1回当たりのコイル回動角度をB度、コイル回動
回数をN回、超音波振動子6の幅をC、超音波振動子6
の長さをD、槽1の水深をE、槽1の長さをF、コイル
3高さをG、超音波振動子6の列数をM、コイル3と超
音波振動子6の振動面と最も接近する距離をHとすると
き、(πAB/360)≦C≦E,かつG≦D≦Fの範
囲となる。ここで、(πAB/360)≦C≦E,かつ
G≦D≦Fとしたのは、超音波振動子6の幅Cと長さD
は、槽1内に収納できる大きさで、1回当たりのコイル
回動角度B度の円周距離より、超音波振動子6の大きさ
を大きくすることにより、コイル3の回動の前後で、コ
イル3の周面に、超音波の印加し残しの部分が無いよう
にしたものである。これにより、図4に示すように、本
発明の酸洗装置において、超音波振動子6を線材コイル
3の超音波印加1回当たりで脱スケールされるコイル部
位10だけに近接させて超音波印加でき、コイル3の内
部までムラ無く脱スケールすることができた。これを繰
り返すと、超音波印加数回で脱スケールされるコイル部
位11が形成される。なお、Cの大きさは、0.15m
以上であることが、好ましい。Cの大きさは前述のよう
にコイル3の回動距離以上ではあるが、この大きさが、
0.15以下の場合には脱スケールむらが生じ場合があ
るからである。ただし、特殊な小型のコイル以外は、ほ
とんどの場合、これ以上の移動距離となり、問題はほと
んどない。
【0011】次に、フック4の高さを低くしたり高くし
たりする回数を減らすためには、超音波振動子6の列を
コイルの周に沿って等間隔に配置することで実現可能で
ある。例えば、コイル直径をA、コイル回動回数をN、
超音波振動子の幅をC、長さをDとして、M列の超音波
振動子をコイルの周に沿って等間隔に配置し、πA≦C
NMを満足する数値に設定する。即ち、1回のコイルの
回動による移動が最大でCであることより、コイルの回
動回数N回回動すれば、コイル3の周面は、M個の超音
波振動子で全周にわたって脱スケールすることが出来る
ことになる。図5は本発明の酸洗装置において、2方向
から超音波振動子を線材コイルに近接させて超音波印加
する図である。図5において、超音波振動子61と超音
波振動子62を図4の超音波印加数回で脱スケールされ
るコイル部位11がほぼ180度ずれるように配置して
いる。この配置により、フック4の高さを低くしたり高
くしたりする回数を半減できる。さらに図6は本発明の
酸洗装置において、3方向から超音波振動子を線材コイ
ルに近接させて超音波印加する図である。図6のよう
に、超音波振動子61と超音波振動子62と超音波振動
子63を図4の超音波印加数回で脱スケールされるコイ
ル部位11が120度ずれるように配置している。この
配置により、フック4の高さを低くしたり高くしたりす
る回数を1/3に減少できる。なお、超音波振動子6
1、62、63はあらかじめあらかじめ所定の位置に棒
等で水洗槽内に固定しておけば良い。
【0012】コイル3と超音波振動子6の振動面と間隔
Hは、離れれば超音波の効果が薄れることより、0.1
m以下が良好である。これは、発明者の実験によれば、
0.2m以上で使用した場合、スケール部分にむらが発
生し、0.1m以下では良好であったためである。特に
安全率を想定して、0.05m以下が好ましい。以上に
より、超音波を線材表面に確実に印加でき、超音波水洗
槽で脱スケール量が増加するため仕上げ酸洗槽に持ち込
まれるスケール量が減るため、酸の劣化が減少し、酸洗
効率を向上させることができる。
【0013】図7は本発明の超音波水洗槽において、水
温を管理しながら、線材コイルの脱スケールしようとす
る部位にエアレータで微小気泡を供給し、超音波振動子
を線材コイルに近接させて超音波印加する図である。超
音波振動子列とコイルの間にキャビテーションの元にな
る直径1μm以上1mm以下の細かい気泡であるマイク
ロバブル(微小気泡)を発生させる装置を超音波水洗槽
内に配置すると、脱スケール効果が確実となる。すなわ
ち、エアレータ7に空気供給管8を介して空気を供給
し、微小気泡12を発生させ、線材コイルの脱スケール
しようとする部位に微小気泡12を供給することによ
り、確実にキャビテーションが発生し、脱スケール効果
が確実となった。なお、1μm以下の微細気泡は、製造
しにくく、また1mm以上の気泡では、粒が大きすぎ、
キャビテーションの発生が不確実となるからである。
【0014】また、超音波振動子を設置する水洗槽の水
温を摂氏0度以上摂氏20度以下とすると水の飽和水蒸
気圧が下がり、確実にキャビテーションが発生する。本
発明では、温度計測器9を設置し、水洗槽の水温を摂氏
0度以上摂氏20度以下とすることで確実にキャビテー
ションが発生し、脱スケール効果が確実となった。水温
が0℃未満だと液が凝固するため、コイルが持ち込めな
くなるという問題が発生し、20℃超だと飽和水蒸気圧
が上昇するため、キャビテーションが発生しにくくなる
という問題が発生するので好ましくない。
【0015】超音波振動子の振動を確実に発生させるた
めには、線材コイルが超音波振動子の振動面に接しない
ようにする必要がある。従って、図8に示すような、超
音波振動子の振動面をカバーするステーあるいは格子を
超音波振動子に取り付けることが好ましい。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の実施例
について具体的に説明する。図9は本発明の酸洗効率向
上の効果を示した図である。ステンレス線材の脱スケー
ル装置の超音波水洗槽で、コイルを回動させる機構を持
つ超音波水洗槽において、超音波振動子列をコイルの軸
と平行に配置し、コイルを回動させることによって、超
音波水洗時に少なくとも一回はコイルの全周が超音波振
動子列に近接することを特徴とするステンレス線材の脱
スケール装置および方法の実施例について図面を見なが
ら説明する。
【0017】図1では、粗酸洗槽および仕上げ酸洗槽で
は塩酸と硝弗酸と2種類の酸を用いている。粗酸洗槽の
次の水洗槽で線材コイルに超音波を印加することによ
り、仕上げ酸洗槽に持ち込まれていた容易に剥離するス
ケールを水洗槽内の超音波であらかじめ落とし、仕上げ
酸洗槽での酸の消費量を低減させるようにしている。
【0018】図11の従来の酸洗装置において、超音波
を線材コイルに印加する図である。酸洗槽1の中に水2
が満たされており、コイル直径A=1mの線材コイル3
はフック4に釣り下げられて搬送されて水2の中に浸け
られる。線材コイル3は酸洗槽1の壁に触れないように
一定時間保持した後、フック4の高さを低くすることに
より、線材コイル3を酸洗槽傾斜部5に到達する。さら
にフック4の高さを低くすると、線材コイル3は酸洗槽
傾斜部5によって、安定な位置に達するまで、コイル回
動角度B=31.4度だけ回動する。その後フック4の
高さを高くすることにより、コイル回動角度がB=3
1.4度に保持される。このフック4の高さを低くした
り高くしたりすることをコイル回動回数N=18回だけ
繰り返すことにより、線材コイル3は(πABN/36
0)=3.14mだけ回動することになる。
【0019】図2の本発明の酸洗装置において、コイル
直径をA=1m、1回当たりのコイル回動角度をB=3
1.4度、コイル回動回数をN=18回、超音波振動子
の幅をC=0.3m、超音波振動子の長さをD=2.5
m、槽の水深をE=2m、槽の長さをF=3m、コイル
高さをG=2m、超音波振動子の列数をM=1列、コイ
ルと超音波振動子の振動面との最も接近する距離をH=
0.05mとするとき、πAB/360(=0.28
m)≦C(=0.3)≦E(=2m),G(=2m)≦
D(=2.5)≦F(=3m)、πA(=3.14m)
≦CNM(=3.6m)≦2πA(=6.28m)、か
つH(=0.05)≦0.05m、の各式を満たし、こ
の条件の下全周にわたって、超音波振動子6で、コイル
3の内部までムラ無く脱スケールすることができた。
【0020】また、図5において、超音波振動子61と
超音波振動子62を図4の超音波印加数回で脱スケール
されるコイル部位11が180度ずれるように配置し、
フック4の高さを低くしたり高くしたりする回数を減ら
す配置としている。この配置により、フック4の高さを
低くしたり高くしたりする回数を1列の場合のN=18
回から、N=9回に半減できる。さらに図6のように、
超音波振動子61と超音波振動子62と超音波振動子6
3を図4の超音波印加数回で脱スケールされるコイル部
位11が120度ずれるように配置している。この配置
により、フック4の高さを低くしたり高くしたりする回
数を1列の場合のN=18回から、N=6回というよう
に1/3に減少できる。以上により、超音波を線材表面
に確実に印加でき、超音波水洗槽で脱スケール量が増加
するため仕上げ酸洗槽に持ち込まれるスケール量が減る
ため、酸の劣化が減少し、酸洗効率を向上させることが
できる。
【0021】図7の本発明の酸洗装置において、キャビ
テーションの元になる直径1μm以上1mm以下の細か
い気泡であるマイクロバブル(微小気泡)を発生させる
装置を超音波振動子列の振動面の前方に位置するコイル
の下方に配置すると、脱スケール効果が確実となる。す
なわち、マイクロバブルを発生させる多孔質の空気吐出
部を持つセラミックス製のエアレータ7に直径20mm
の空気供給管8を介して空気を毎分1ノルマル立方メー
トル供給し、微小気泡12を発生させ、線材コイルの脱
スケールしようとする部位の下方0.1mのところから
微小気泡12を供給することにより、確実にキャビテー
ションが発生し、脱スケール効果が確実となった。ま
た、超音波振動子を設置する水洗槽の水温を摂氏0度以
上摂氏20度以下とすると水の飽和水蒸気圧が下がり、
確実にキャビテーションが発生する。本発明では、温度
計測器9を設置し、水洗槽の水温を摂氏0度以上摂氏2
0度以下とすることで確実にキャビテーションが発生
し、脱スケール効果が確実となった。
【0022】超音波振動子の振動を確実に発生させるた
めには、線材コイルが超音波振動子の振動面に接しない
ようにする必要がある。図8は本発明の超音波振動子の
振動面をカバーする塩化ビニル製のステーを示した図で
ある。この材質では、ステーあるいは格子の材質により
異なるが、超音波振動子の振動面からJの距離のところ
に、直径Kのステーあるいは格子を間隔Lで配置した場
合には、強度の関係から、0.005m≦K≦0.01
m、L≦0.05mが好ましい。また、これらからの変
数より物理的に、0.01m≦J≦Hを満たす必要があ
る。具体的には、超音波振動子の振動面からJ=0.0
1mの距離のところに、直径K=0.005mのステー
あるいは格子を間隔L=0.05mで配置し、それぞれ
の変数が、0.01m≦J≦Hかつ0.005m≦K≦
0.01m、かつL≦0.05mを満たすので、線材コ
イルが直接超音波振動子の振動面に接しないようにで
き、超音波振動子の振動を確実に発生させることができ
た。以上の効果を酸消費量で比較し、図9に示すよう
に、大幅な酸使用量を削減することが出来た。
【0023】
【発明の効果】本発明により、超音波を線材コイルに確
実に印加でき、超音波水洗槽で脱スケール量が増加する
ため仕上げ酸洗槽に持ち込まれるスケール量が減るた
め、酸の劣化が減少し、酸洗効率を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、粗酸洗槽、超音波水洗槽、仕上げ酸
洗槽、水洗槽、および中和槽の順に配置した工程図であ
る。
【図2】本発明の酸洗装置において、超音波振動子を線
材コイルに近接させて超音波印加する図である。
【図3】本発明の酸洗装置において、槽を横から見た図
である。
【図4】本発明の酸洗装置において、超音波振動子を線
材コイルに近接させて超音波印加し、数回コイルを回動
させてスケール剥離した領域を示す図である。
【図5】本発明の酸洗装置において、2方向から超音波
振動子を線材コイルに近接させて超音波印加する図であ
る。
【図6】本発明の酸洗装置において、3方向から超音波
振動子を線材コイルに近接させて超音波印加する図であ
る。
【図7】本発明の酸洗装置において、水温を管理しなが
ら、線材コイルの脱スケールしようとする部位にエアレ
ータで微小気泡を供給し、超音波振動子を線材コイルに
近接させて超音波印加する図である。
【図8】本発明の超音波振動子の振動面をカバーするス
テーを示した図である。
【図9】本発明の酸洗効率向上の効果を示した図であ
る。
【図10】コイルを回動させる機構を持つステンレス線
材の脱スケール装置における超音波水洗槽の図である。
【図11】従来の酸洗装置において、超音波を線材コイ
ルに印加する図である。
【符号の簡単な説明】
1 酸洗槽 2 水 3 線材コイル 4 フツク 5 酸洗槽傾斜部 6 超音波振動子 7 エアレータ 8 空気供給管 9 温度計測器 10 超音波印加1回当たりで脱スケールされるコイ
ル部位 11 超音波印加数回で脱スケールされるコイル部位 12 微小気泡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水田 賀夫 光市大字島田3434番地 新日本製鐵株式会 社光製鐵所内 Fターム(参考) 3B201 AA18 AB33 AB42 BB02 BB82 BB84 BB85 BB88 BB96 BB98 CB15 4K053 PA03 PA14 QA01 SA18 TA16 TA17 TA18 XA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステンレス線材の脱スケールに用いるコイ
    ルを回動させる機構を持つ超音波水洗槽において、振動
    面が平面あるいはコイル外周と同じ曲率半径を持つ凹面
    であり、長さがコイルの高さ以上かつ槽の長さ以下で、
    幅がコイルの1回当たりの回動距離以上、かつ槽の深さ
    以下の超音波振動子列をコイルの軸と平行に配置し、コ
    イルを回動させることによって、超音波水洗時に少なく
    とも一回はコイルの全周が超音波振動子列に近接するこ
    とを特徴とするステンレス線材の脱スケールに用いる超
    音波水洗槽。
  2. 【請求項2】コイル直径をA、コイル回動回数をN、超
    音波振動子の幅をC、超音波振動子の長さをD、超音波
    振動子の列数をMとするとき、πA≦CNMを満たすこ
    とを特徴とする請求項1記載のステンレス線材の脱スケ
    ールに用いる超音波水洗槽。
  3. 【請求項3】コイルと超音波振動子の振動面との最も接
    近する距離をHとするとき、H≦0.1mを満たす超音
    波振動子をコイルの周に沿って配置することを特徴とす
    る請求項1または2記載のステンレス線材の脱スケール
    に用いる超音波水洗槽。
  4. 【請求項4】超音波振動子列の振動面の前方に位置する
    コイルの下方にキャビテーションの元になる直径1μm
    以上1mm以下のマイクロバブルを発生させる装置を超
    音波水洗槽内に配置することを特徴とする請求項1〜3
    の何れか1項に記載のステンレス線材の脱スケールに用
    いる超音波水洗槽。
  5. 【請求項5】コイルと超音波振動子の振動面の間に、振
    動面にコイルが直接接触しないように、格子状のステー
    を設けることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に
    記載のステンレス線材の脱スケールに用いる超音波水洗
    槽。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の何れか1項に記載のステン
    レス線材の脱スケールに用いる超音波水洗槽を用いて、
    超音波水洗槽の水温を摂氏0度以上摂氏20度以下とす
    ることを特徴とするステンレス線材の脱スケール用いる
    超音波水洗方法。
  7. 【請求項7】ステンレス線材の脱スケールに用いる機構
    として、粗酸洗槽、超音波水洗槽、仕上げ酸洗槽、水洗
    槽、および中和槽の順に配置するとともに、超音波水洗
    槽として、請求項1〜5の何れか1項に記載のステンレ
    ス線材の脱スケールに用いる超音波水洗槽を用いること
    を特徴とするステンレス線材の脱スケール装置。
JP11021174A 1999-01-29 1999-01-29 ステンレス線材の脱スケールに用いる超音波水洗槽および超音波水洗方法並びにこれを用いた脱スケール装置 Withdrawn JP2000219985A (ja)

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