JP2002144155A - 液体中での超音波振動付加による引張残留応力の除去方法 - Google Patents

液体中での超音波振動付加による引張残留応力の除去方法

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JP2002144155A
JP2002144155A JP2000346972A JP2000346972A JP2002144155A JP 2002144155 A JP2002144155 A JP 2002144155A JP 2000346972 A JP2000346972 A JP 2000346972A JP 2000346972 A JP2000346972 A JP 2000346972A JP 2002144155 A JP2002144155 A JP 2002144155A
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liquid
ultrasonic vibration
stress
tensile stress
ultrasonic
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Takehiko Watanabe
健彦 渡辺
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パイプやタンクのような内面に残留する引張
応力を高温に加熱することなく除去して圧縮応力を残留
させること。 【解決手段】 対象物を液体中に浸漬した後、容器の外
部に取り付けた超音波振動子あるいは液体中に導入した
振動子で液体に超音波振動を付加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば金属パイ
プ内面やタンク内面のアーク溶接部に残留する引張応力
を除去して、圧縮応力を付与する場合に適用できる引張
残留応力の除去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属製品や構造物の溶融溶接部には引張
応力が残留する。従来、この引張残留応力を除去するた
めに、応力除去焼なましやショットピーニングを施して
いる。
【0003】応力除去焼なましでは、加熱炉を用いるた
めに大型製品や大型構造物の応力除去焼なましは不可能
であり、また、高温に長時間加熱するために材質が劣化
する問題がある。一方、ショットピーニングにおいては
ショット(鋼球)を衝突させることができる面の引張残
留応力は除去することができるが、パイプやタンクのよ
うな内面の残留応力の除去は不可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、パイプ
やタンクのような内面に残留する引張応力を高温に加熱
することなく除去し、圧縮応力を付与する方法の開発が
切望されていた。この発明の目的は、上記の問題を解決
して、引張残留応力を除去して圧縮応力を付与する方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0006】固体粒子を分散させた液体中あるいは固体
粒子を含有しない液体中に金属材料1を浸漬し、液体中
で液体2あるいは金属材料1に超音波振動を与えること
によって、金属材料1中の残留引張応力を除去して圧縮
応力を付与することを特徴とする液体中での超音波振動
付加による引張残留応力の除去方法に係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態
(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてそ
の作用効果を示して簡単に説明する。
【0008】本発明は、引張応力が残留する金属製品や
構造物を、固体粒子を分散させた液体中あるいは固体粒
子を含まない液体中に浸漬した後、液体に超音波振動を
適当な時間だけ付加する方法である。液体への超音波振
動の付加は、液体の入っている容器の外部に超音波振動
子を取り付けて外側から行うか、あるいは、容器の中へ
超音波振動子を導入して行う。この場合、製品や構造物
に超音波振動子を接触させても良い。
【0009】例えば図1に示したように、アーク溶接部
のような引張応力が残留している金属製品や構造物を固
体粒子を分散させた液体中あるいは固体粒子を含有しな
い液体中に浸漬して、容器の外側に超音波振動子を取り
付けて液体に超音波振動を与える。あるいは、超音波振
動子を液体中に投げ込んで液体に超音波振動を与える。
このとき、パイプやタンクのような形状の製品や構造物
の場合は、図2に示すように、超音波振動子をパイプや
タンクの内部に設置しても良い。また、超音波振動子は
製品や構造物に直接接触しても良い。
【0010】液体に超音波振動を適当な時間付与するこ
とによって、液体中に生じるキャビテーション空洞の消
滅に伴って発生する衝撃力によって製品や構造物の表面
が圧縮変形され、引張残留応力が除去されて圧縮応力が
残留するようになる。
【0011】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づ
いて説明する。
【0012】図1は本発明を実施する装置を示す。この
図1において、1は引張残留応力を除去しようとする対
象物である。これを水などの液体2で満たした容器3に
浸漬して、固定用の金網4の上に静置する。容器3の外
側に取り付けられている超音波振動子5を振動させて、
そのまま適当な時間発振を続ける。
【0013】以下、さらに具体的に説明すると、厚さ
1.5mmで外径40mmのオーステナイトステンレス
鋼SUS310Sパイプにティグ溶接部を作製して全体
の長さを70mmにして、この対象物(金属材料1)を
12リットルの常温水2で満たされた容器3へ浸漬して
固定用の金網4の上に静置する。この状態で、容器3の
底に取り付けられている振動周波数42kHz,出力1
20Wの超音波振動子5を超音波発振器6により120
分間振動させる。その結果、最初に溶接部には約700
MPaの引張応力が残留しているが、120分間の超音
波振動を付加後は、約150MPaの圧縮応力に変化し
た。
【0014】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、超
音波振動を付加した液体中に浸漬することによって、引
張残留応力は除去されて圧縮応力が付加されることにな
る。これは、例えばパイプやタンクの内面に引張応力が
残留している場合にも同じ効果が得られる。また、超音
波振動子を投げ込み型にしてパイプやタンクの内面に直
接挿入して超音波振動を付加するとさらに効果が大き
い。
【0015】本発明によって引張残留応力を圧縮応力に
変えることができると、製品や構造物を高温に長時間加
熱する必要も無くなり加熱による材料劣化の問題も無く
なる。また,ショットブラスト法では不可能なパイプや
タンクの内面への適用も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の超音波振動子を容器の外部に取り付
けた場合の模式図である。
【図2】本実施例の超音波振動子をパイプ内部に設置し
た場合の模式図である。
【符号の説明】
1 金属材料(ティグ溶接されたオーステナイトステン
レス鋼製パイプ片) 2 液体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体粒子を分散させた液体中あるいは固
    体粒子を含有しない液体中に金属材料を浸漬し、液体中
    で液体あるいは金属材料に超音波振動を与えることによ
    って、金属材料中の残留引張応力を除去して圧縮応力を
    付与することを特徴とする液体中での超音波振動付加に
    よる引張残留応力の除去方法。
JP2000346972A 2000-11-14 2000-11-14 液体中での超音波振動付加による引張残留応力の除去方法 Pending JP2002144155A (ja)

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