JP6196064B2 - ステンレス鋼部品の不動態化処理方法 - Google Patents

ステンレス鋼部品の不動態化処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6196064B2
JP6196064B2 JP2013092813A JP2013092813A JP6196064B2 JP 6196064 B2 JP6196064 B2 JP 6196064B2 JP 2013092813 A JP2013092813 A JP 2013092813A JP 2013092813 A JP2013092813 A JP 2013092813A JP 6196064 B2 JP6196064 B2 JP 6196064B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
test piece
passive film
aqueous solution
steel part
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013092813A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014214349A (ja
Inventor
雄一 井合
雄一 井合
健一 赤嶺
健一 赤嶺
麻里 福岡
麻里 福岡
憲明 福島
憲明 福島
典宏 高遠
典宏 高遠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
IHI Infrastructure Systems Co Ltd
Original Assignee
IHI Corp
IHI Infrastructure Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp, IHI Infrastructure Systems Co Ltd filed Critical IHI Corp
Priority to JP2013092813A priority Critical patent/JP6196064B2/ja
Publication of JP2014214349A publication Critical patent/JP2014214349A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6196064B2 publication Critical patent/JP6196064B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)

Description

本発明は、ステンレス鋼部品の不動態化処理方法に係り、特に、水門等のステンレス鋼部品の不動態化処理方法に関する。
水門や原子力設備部品等のステンレス鋼部品の製作工程において、溶接・切断などの加工によりステンレス鋼部品の耐食性を担う不動態皮膜が除去されることから、一般的に組み立て後は不動態化処理が行われている。ステンレス鋼部品の不動態化処理方法としては、過酸化水素、硝酸、フッ酸、クロム酸などの酸性水溶液に浸漬させる方法、これらの酸性水溶液を塗布する方法もしくは酸性およびアルカリ性水溶液でアノード電解させる方法などが提案されている。
特許文献1には、中性塩電解質濃度が0.1%以上5%以下で、過酸化水素濃度が0.1%以上1%以下含有する溶液を液膜状態に塗布し水洗するステンレス鋼の不動態化処理方法が記載されている。
特開平10−280163号公報
ところで、ステンレス鋼部品を過酸化水素や硝酸等の酸性水溶液に浸漬等させるだけでは、ステンレス鋼部品の表面に十分な耐食性を有する不動態皮膜を形成できない可能性がある。また、塩害が生じやすい環境で使用される水門等のステンレス鋼部品では、より一層の耐食性が要求される場合がある。
そこで本発明の目的は、より耐食性を向上させた不動態皮膜を形成可能なステンレス鋼部品の不動態化処理方法を提供することである。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法は、前記ステンレス鋼部品を、酸化剤と、水に可溶な水溶性モリブデン化合物とを含む酸性水溶液に浸漬または塗布して、前記ステンレス鋼部品の表面にモリブデンを含む不動態皮膜を形成する不動態皮膜形成工程を備えることを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法において、前記水溶性モリブデン化合物は、リンモリブデン酸n水和物、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物、リンモリブデン酸アンモニウム三水和物、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸ナトリウム、七モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸リチウムまたはモリブデン酸ニアンモニウムであることを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法において、前記水溶性モリブデン化合物は、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物であることを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法において、前記酸化剤は、過酸化水素または硝酸であることを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法は、前記不動態皮膜形成工程の前に、前記ステンレス鋼部品の表面の自然酸化皮膜を除去する前処理工程を備えることを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法は、前記不動態皮膜に含まれるモリブデンの濃度が、前記ステンレス鋼部品の表面側から前記不動態皮膜の表面側へ向かう膜厚方向で増加していることを特徴とする。
上記構成によれば、ステンレス鋼部品を、酸化剤と、水溶性モリブデン化合物とを含む酸性水溶液に浸漬または塗布して、ステンレス鋼部品の表面にモリブデンを含む不動態皮膜を形成する不動態皮膜形成工程を備えていることから、モリブデンを含んだ不動態皮膜が形成されるので、ステンレス鋼部品の耐食性をより向上させることが可能となる。
本発明の実施の形態において、ステンレス鋼部品の不動態化処理方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態において、不動態化処理したステンレス鋼部品の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態において、実施例1及び比較例1の各試験片における耐食性評価試験結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、実施例1及び比較例1の各試験片の腐食速度(単位時間当たりの腐食減量)を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、実施例1及び比較例1の各試験片の外観観察結果を示す写真である。 本発明の実施の形態において、実施例2及び比較例2の各試験片における耐食性評価試験結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、実施例2及び比較例2の各試験片の腐食速度(単位時間当たりの腐食減量)を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、実施例2及び比較例2の各試験片の外観観察結果を示す写真である。 本発明の実施の形態において、実施例3及び比較例3の各試験片における耐食性評価試験結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、実施例3及び比較例3の各試験片の腐食速度(単位時間当たりの腐食減量)を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、X線光電子分光分析法(XPS)による不動態皮膜の表面分析結果を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、ステンレス鋼部品の不動態化処理方法を示すフローチャートである。図2は、不動態化処理したステンレス鋼部品10の構成を示す断面図である。
まず、不動態化処理したステンレス鋼部品10の構成について説明する。ステンレス鋼部品12は、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化型ステンレス鋼等で形成されている。これらのステンレス鋼は、Fe−Cr系合金、Fe−Cr−Ni系合金、Fe−Cr−Ni−Mo系合金、Fe−Cr−Ni−Mo―Cu系合金、Fe−Cr−Ni−Mn系合金等からなり、例えば、クロム(Cr)を12質量%以上含有しているFe系合金である。ステンレス鋼部品12としては、例えば、水門、インペラ、原子力設備部品等がある。
ステンレス鋼部品12の表面には、ステンレス鋼部品12に含まれるクロムが酸素と結びついて不動態皮膜14が形成されている。不動態皮膜14は、酸化クロムまたは酸化クロムを主体とする酸化物で形成されている。不動態皮膜14の厚みは、例えば、1nmから2nmである。
不動態皮膜14には、モリブデンが含まれている。不動態皮膜14にモリブデンを含ませることで、モリブデンを含まない不動態皮膜よりも耐食性をより向上させることが可能となる。不動態皮膜14に含まれるモリブデンの濃度は、ステンレス鋼部品12の表面側から不動態皮膜14の表面側へ向かう膜厚方向で増加していることが好ましい。不動態皮膜14の最表面におけるモリブデンの濃度を最も高くすることにより、不動態化処理したステンレス鋼部品10の表面に塩化物等が付着した場合でも腐食をより低減できるからである。例えば、不動態皮膜14に含まれるモリブデンの濃度分布(X線光電子分光分析法で測定した原子濃度)は、試験片の表面側から不動態皮膜14の表面側へ向かう膜厚方向で0at%より大きく5at%以下であり、不動態皮膜14の最表面で約5at%である。
モリブデンが耐食性に優れていることについては、例えば、ステンレス鋼の耐食性を示すパラメータとして用いられている耐孔食性指標PI値からも明らかである。フェライト系ステンレス鋼のPI値は、PI値=〔Cr%〕+3.3×〔Mo%〕で算出される。オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼のPI値は、PI値=〔Cr%〕+3.3×〔Mo%〕+16×〔N%〕で算出される。オーステナイト系ステンレス鋼のPI値は、PI値=〔Cr%〕+3.3×〔Mo%〕+30×〔N%〕で算出される。〔Cr%〕、〔Mo%〕及び〔N%〕については、ステンレス鋼に含まれるクロム、モリブデン及び窒素の含有率を表している。PI値が大きくなるに従い孔食電位が高くなって貴になり、孔食が発生し難くなる。また、すき間腐食深さもCr、Mo、Nを多く含むほど浅くなる。このことからもモリブデンは耐食性向上に有効な成分であることが理解される。
次に、ステンレス鋼部品12の不動態化処理方法について説明する。
前処理工程(S10)は、ステンレス鋼部品12の表面の自然酸化皮膜を除去する工程である。ステンレス鋼部品12に不動態皮膜14を形成する前に、ステンレス鋼部品12の表面に自然発生的に形成された耐食性が低い自然酸化皮膜を除去することが好ましい。
ステンレス鋼部品12の前処理には、硝フッ酸溶液等を使用した酸洗処理や、機械研磨等の研磨が用いられる。ステンレス鋼部品12の表面を研磨することにより、自然酸化皮膜の除去と共に、溶接や切断等の加工で形成された加工面をより平滑化することができる。なお、ステンレス鋼部品12の前処理として、脱脂洗浄処理を合わせて行うことが好ましい。ステンレス鋼部品12の酸洗処理、脱脂洗浄処理、研磨については、一般的な金属材料の前処理に用いられる方法が適用可能である。
不動態皮膜形成工程(S12)は、ステンレス鋼部品12を、酸化剤と、水に可溶な水溶性モリブデン化合物とを含む酸性水溶液に浸漬または塗布して、ステンレス鋼部品12の表面にモリブデンを含む不動態皮膜14を形成する工程である。酸化剤と、水溶性モリブデン化合物とを含む酸性水溶液を用いて不動態化処理することで、不動態皮膜14の中にモリブデンを含有させることができる。この理由として、酸性水溶液中で水溶性モリブデン化合物から生じたモリブデンを含むイオン(例えば、リンモリブデン酸イオンやモリブデン酸イオン等)が酸化クロムや酸化クロムを主体とする酸化物に取り込まれることにより、モリブデンを含む不動態皮膜14が形成されると考えられる。
酸化剤には、過酸化水素、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸等のステンレス鋼の不動態化処理に用いられる一般的な酸化剤を用いることが可能である。また、酸化剤には、過酸化水素を用いることが好ましい。過酸化水素は時間の経過に伴って水と酸素とに分解するため環境負荷を低減することができる。
酸性水溶液における酸化剤の含有率は、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。酸化剤の含有率が0.01質量%以上であるのは、酸化剤の含有率が0.01質量%より小さい場合には、酸化力が弱くなり不動態皮膜14を形成し難くなるからである。酸化剤の含有率が30質量%以下であるのは、酸化剤の含有率が30質量%であれば不動態皮膜14の形成が十分可能だからである。
水溶性モリブデン化合物には、リンモリブデン酸n水和物、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物、リンモリブデン酸アンモニウム三水和物、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸ナトリウム、七モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸リチウム、モリブデン酸ニアンモニウム等のリンモリブデン酸化合物やモリブデン酸化合物を用いることが可能である。これらのリンモリブデン酸塩やモリブデン酸塩等については、水に可溶であるので酸性水溶液に溶かすことができる。また、これらの水溶性モリブデン化合物を単独で用いてもよいし、複数の水溶性モリブデン化合物を組み合わせて用いてもよい。
酸性水溶液における水溶性モリブデン化合物の含有率については、0質量%より大きく、水溶性モリブデン化合物の溶解可能な最大量以下である。なお、水溶性モリブデン化合物の水への溶解度については、各水溶性モリブデン化合物や温度によって相違する。不動態皮膜14により多くのモリブデンを含ませるために、酸性水溶液により多くの水溶性モリブデン化合物を含有させることが好ましい。
水溶性モリブデン化合物には、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物を用いることが好ましい。リンモリブデン酸ナトリウムn水和物は、リンモリブデン酸n水和物、リンモリブデン酸アンモニウム三水和物等よりも水への溶解度が大きいので、不動態皮膜14により多くのモリブデンを含ませることができるからである。例えば、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物(n=63)を用いる場合には、酸性水溶液におけるリンモリブデン酸ナトリウムn水和物(n=63)の含有率は、5質量%以上で、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物(n=63)の溶解度以下であることが好ましい。
次に、酸性水溶液の作製方法について説明する。酸性水溶液については、酸化剤と水溶性モリブデン化合物と水とを同時に混合攪拌して酸性水溶液を作製してもよいし、予め酸化剤と水とを混合攪拌して酸化剤水溶液を作製した後に、酸化剤水溶液に水溶性モリブデン化合物を添加して混合攪拌して酸性水溶液を作製してもよいし、予め水溶性モリブデン化合物と水とを混合攪拌してモリブデン化合物水溶液を作製した後に、モリブデン化合物水溶液に酸化剤を添加して混合攪拌して酸性水溶液を作製してもよい。また、酸性水溶液を作製するときには、水溶性モリブデン化合物を水に分散し易くするために加熱してもよい。
次に、ステンレス鋼部品12を酸性水溶液に浸漬または塗布する方法について説明する。ステンレス鋼部品12を酸性水溶液に浸漬する場合には、酸性水溶液を入れた容器にステンレス鋼部品12を入れて浸漬させる等の一般的な浸漬方法が適用可能である。酸性水溶液の塗布方法については、刷毛塗り、へら塗り、ローラ塗り、スプレーによる噴射等の一般的な塗布方法が適用可能である。塗装手段や塗装装置についても、塗料等の塗布に用いられる一般的な刷毛、へら、ローラ、スプレーガン等を用いることができる。
酸性水溶液の液温については、特に限定されないが、常温(20℃から30℃)であることが好ましい。酸性水溶液を加熱するためのヒータや液温管理等が不要になるので、製造コストを低減することができる。また、不動態皮膜14にはモリブデンが含まれているので、常温の酸性水溶液で不動態化処理した場合でも十分な耐食性が得られるからである。ステンレス鋼部品12を酸性水溶液に浸漬または塗布した後には、水洗や乾燥を行うようにしてもよい。このようにして、ステンレス鋼部品12の表面にモリブデンを含む不動態皮膜14が形成される。
以上、上記構成によれば、ステンレス鋼部品を、酸化剤と、水に可溶な水溶性モリブデン化合物とを含む酸性水溶液に浸漬または塗布して、ステンレス鋼部品の表面にモリブデンを含む不動態皮膜を形成する不動態皮膜形成工程を備えていることから、モリブデンを含んだ不動態皮膜を形成することができるので、ステンレス鋼部品の耐食性をより向上させることが可能となる。また、上記構成によれば、モリブデンを含まないステンレス鋼で形成されたステンレス鋼部品に対しても、モリブデンを含んだ不動態皮膜を形成して耐食性を向上させることが可能となるので、製造コストを低減することができる。
不動態皮膜の耐孔食性を評価するため耐食性評価試験を行った。
(試験片の前処理)
試験片には、ステンレス鋼SUS304―HP(熱間圧延ステンレス鋼)で形成された矩形状の板材を用いた。試験片の寸法については、幅60mm、長さ100mm、板厚3.0mmとした。前処理として、試験片を酸洗処理して自然酸化皮膜を除去した。酸洗処理については、試験片を硝フッ酸溶液に1時間浸漬させた後に水洗して行った。硝フッ酸溶液には、ラスノンウエルM500−Fを使用した。
(不動態皮膜の形成)
実施例1の試験片における不動態皮膜の形成方法について説明する。実施例1の酸性水溶液には、1質量%の過酸化水素を含む過酸化水素水に、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物(n=63)を添加して混合攪拌し、5質量%のリンモリブデン酸ナトリウムn水和物(n=63)を含有する酸性水溶液を使用した。この酸性水溶液中に前処理した試験片を常温(20℃から30℃)で2時間浸漬させた後、水洗して不動態皮膜を形成した。
比較例1の試験片における不動態皮膜の形成方法について説明する。比較例1の酸性水溶液には、1質量%の過酸化水素を含む過酸化水素水を使用した。比較例1の酸性水溶液には、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物(n=63)が含まれていない。この酸性水溶液中に前処理した試験片を常温(20℃から30℃)で2時間浸漬させた後、水洗して不動態皮膜を形成した。
実施例2の試験片における不動態皮膜の形成方法について説明する。実施例2の酸性水溶液には、20質量%の硝酸を含む硝酸水溶液に、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物(n=63)を添加して混合攪拌し、5質量%のリンモリブデン酸ナトリウムn水和物(n=63)を含有する酸性水溶液を使用した。この酸性水溶液中に前処理した試験片を常温(20℃から30℃)で2時間浸漬させた後、水洗して不動態皮膜を形成した。
比較例2の試験片における不動態皮膜の形成方法について説明する。比較例2の酸性水溶液には、20質量%の硝酸を含む硝酸水溶液を使用した。比較例2の酸性水溶液には、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物(n=63)が含有されていない。この酸性水溶液中に前処理した試験片を常温(20℃から30℃)で2時間浸漬させた後、水洗して不動態皮膜を形成した。
実施例3の試験片における不動態皮膜の形成方法について説明する。実施例3の酸性水溶液には、30質量%の過酸化水素を含む過酸化水素水に、リンモリブデン酸アンモニウム三水和物を溶解可能な最大量添加して混合攪拌し、0.1質量%のリンモリブデン酸アンモニウム三水和物を含有する酸性水溶液を使用した。この酸性水溶液中に前処理した試験片を常温(20℃から30℃)で2時間浸漬させた後、水洗して不動態皮膜を形成した。
比較例3の試験片における不動態皮膜の形成方法について説明する。比較例3の酸性水溶液には、30質量%の過酸化水素を含む過酸化水素水を使用した。比較例3の過酸化水素水には、リンモリブデン酸アンモニウム三水和物が含まれていない。この酸性水溶液中に前処理した試験片を常温(20℃から30℃)で2時間浸漬させた後、水洗して不動態皮膜を形成した。
(耐食性評価試験)
実施例1から3、比較例1から3及び酸洗処理をしていない未処理材(自然酸化皮膜を除去していないもの)の各試験片について耐孔食性を評価するため耐食性評価試験を行った。まず、耐食性評価試験方法について説明する。耐食性評価試験については、JIS G 0578−2000のステンレス鋼の塩化第二鉄腐食試験方法に準拠して行った。具体的には、各試験片を50℃、0.2mol/L塩酸酸性の20wt%塩化第二鉄溶液に浸漬させて、各試験片の浸漬時間に対する重量変化を測定した。
図3は、実施例1及び比較例1の各試験片における耐食性評価試験結果を示すグラフである。図3のグラフでは、横軸に塩化第二鉄溶液への浸漬時間(h)を取り、縦軸に各試験片の腐食減量(単位面積当たりの質量減少量)を取り、実施例1の試験片の腐食減量を黒丸で表し、比較例1の試験片の腐食減量を黒三角形で表し、未処理材の試験片の腐食減量を黒菱形で表している。
図3のグラフから明らかなように、実施例1の試験片の腐食減量は、比較例1及び未処理材の各試験片の腐食減量よりも小さい結果が得られた。この結果から、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物(n=63)を含む酸性水溶液を用いて不動態化処理した実施例1の試験片は、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物(n=63)を含まない酸性水溶液を用いて不動態化処理した比較例1の試験片、及び自然酸化皮膜が形成されている未処理材の試験片より耐食性が向上することが明らかとなった。
図4は、実施例1及び比較例1の各試験片の腐食速度(単位時間当たりの腐食減量)を示すグラフである。各試験片の腐食速度については、図3のグラフにおける各試験片の直線の傾きを最小二乗法で算出して腐食速度(単位時間当たりの腐食減量)を求めた。実施例1の試験片の腐食速度は59.42〔(g/m)/h〕であり、比較例1の試験片の腐食速度は95.71〔(g/m)/h〕であり、未処理材の試験片の腐食速度は301.25〔(g/m)/h〕であった。腐食速度に基づいて比較したところ、実施例1の試験片は、比較例1の試験片に対して約37%耐食性が向上し、未処理材の試験片に対して約80%耐食性が向上していることが明らかになった。
図5は、実施例1及び比較例1の各試験片の外観観察結果を示す写真である。図5に示す写真では、実施例1及び比較例1の試験片について、浸漬前(0h)、2時間浸漬後(2h)、4時間浸漬後(4h)の外観観察結果を示している。また、各写真において、不動態化処理した試験片の表面に、黒く斑点状に認められる部分が孔食が生じている箇所である。図5に示す外観観察写真からも明らかなように、実施例1の試験片では、比較例1の試験片よりも孔食が生じている箇所が少ない結果が得られた。
図6は、実施例2及び比較例2の各試験片における耐食性評価試験結果を示すグラフである。図6のグラフでは、横軸に塩化第二鉄溶液への浸漬時間(h)を取り、縦軸に各試験片の腐食減量(単位面積当たりの質量減少量)を取り、実施例2の試験片の腐食減量を黒丸で表し、比較例2の試験片の腐食減量を黒三角形で表し、未処理材の試験片の腐食減量を黒菱形で表している。
図6のグラフから明らかなように、実施例2の試験片の腐食減量は、比較例2及び未処理材の各試験片の腐食減量よりも小さい結果が得られた。この結果から、酸化剤として硝酸を用いた場合でも、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物(n=63)を含む酸性水溶液を用いて不動態化処理した実施例2の試験片は、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物(n=63)を含まない酸性水溶液を用いて不動態化処理した比較例2の試験片、及び自然酸化皮膜が形成されている未処理材の試験片より耐食性が向上することが明らかとなった。
図7は、実施例2及び比較例2の各試験片の腐食速度(単位時間当たりの腐食減量)を示すグラフである。各試験片の腐食速度については、図6のグラフにおける各試験片の直線の傾きを最小二乗法で算出して腐食速度(単位時間当たりの腐食減量)を求めた。実施例2の試験片の腐食速度は94.96〔(g/m)/h〕であり、比較例2の試験片の腐食速度は345.25〔(g/m)/h〕であった。腐食速度に基づいて比較したところ、実施例2の試験片は、比較例2の試験片に対して約73%耐食性が向上し、未処理材の試験片に対して約69%耐食性が向上していることが明らかになった。
図8は、実施例2及び比較例2の各試験片の外観観察結果を示す写真である。図8に示す写真では、実施例2及び比較例2の試験片について、浸漬前(0h)、2時間浸漬後(2h)、4時間浸漬後(4h)の外観観察結果を示している。また、各写真において、不動態皮膜を形成した試験片の表面に、黒く斑点状に認められる部分が孔食が生じている箇所である。図8に示す外観観察写真からも明らかなように、実施例2の試験片では、比較例2の試験片よりも孔食が生じている箇所が少ない結果が得られた。
図9は、実施例3及び比較例3の各試験片における耐食性評価試験結果を示すグラフである。図9のグラフでは、横軸に塩化第二鉄溶液への浸漬時間(h)を取り、縦軸に各試験片の腐食減量(単位面積当たりの質量減少量)を取り、実施例3の試験片の腐食減量を黒丸で表し、比較例3の試験片の腐食減量を黒三角形で表し、未処理材の試験片の腐食減量を黒菱形で表している。
図9のグラフから明らかなように、実施例3の試験片の腐食減量は、比較例3及び未処理材の各試験片の腐食減量よりも小さい結果が得られた。この結果から、リンモリブデン酸アンモニウム三水和物を含む酸性水溶液を用いて不動態化処理した実施例3の試験片は、リンモリブデン酸アンモニウム三水和物を含まない酸性水溶液を用いて不動態化処理した比較例3の試験片、及び自然酸化皮膜が形成されている未処理材の試験片より耐食性が向上することが明らかとなった。
図10は、実施例3及び比較例3の各試験片の腐食速度(単位時間当たりの腐食減量)を示すグラフである。各試験片の腐食速度については、図9のグラフにおける各試験片の直線の傾きを最小二乗法で算出して腐食速度(単位時間当たりの腐食減量)を求めた。実施例3の試験片の腐食速度は96.00〔(g/m)/h〕であり、比較例3の試験片の腐食速度は125.04〔(g/m)/h〕であった。腐食速度に基づいて比較したところ、実施例3の試験片は、比較例3の試験片に対して約23%耐食性が向上し、未処理材の試験片に対して約68%耐食性が向上していることが明らかになった。
(表面分析)
次に、この耐食性評価試験結果の理由について検討するために、実施例1及び比較例1の各試験片における耐食性評価試験前の不動態皮膜の表面分析を行った。表面分析については、X線光電子分光分析法(XPS)による元素分析(アルゴンイオンスパッタリングを併用)により行った。分析条件については、X線源をAlKα線とし、アルゴンイオン加速電圧を3kVとした。
図11は、X線光電子分光分析法(XPS)による不動態皮膜の表面分析結果を示すグラフであり、図11(a)は、比較例1の試験片における不動態皮膜の表面分析結果を示すグラフであり、図11(b)は、実施例1の試験片における不動態皮膜の表面分析結果を示すグラフである。図11(a)及び図11(b)のグラフにおいて、横軸にスパッタ時間(min.)を取り、縦軸に原子濃度(at%)を取り、モリブデン(Mo3d)を白丸、酸素(O1s)を白四角形、クロム(Cr2p)を×、鉄(Fe2p)を黒丸で表している。なお、炭素(C1s)、マグネシウム(Mg2s)、ニッケル(Ni2p)については省略した。また、スパッタ時間についてはスパッタ深さと対応しており、スパッタ開始(0分)が不動態皮膜の最表面の元素分析結果を示しており、スパッタ時間が長くなるほど不動態皮膜における深さ方向(膜厚方向)の元素分析結果を示している。
図11(a)及び図11(b)に示すように、酸素(O1s)の原子濃度については、スパッタ開始(0分)から約0.6分までは濃度が高く、約0.6分以降は濃度が低下し、逆に、鉄(Fe2p)の原子濃度については、スパッタ開始(0分)から約0.6分までは濃度が低く、約0.6分以降は濃度が高くなることから、スパッタ開始(0分)から約0.6分までが不動態皮膜の元素分析結果を示している。
図11(a)に示すように、比較例1の試験片の不動態皮膜には、モリブデン(Mo3d)が検出されなかったことから、比較例1の試験片の不動態皮膜にはモリブデンが含まれていないことがわかる。これに対して図11(b)に示すように、実施例1の試験片の不動態皮膜には、モリブデン(Mo3d)が検出されたことから、実施例1の試験片の不動態皮膜にはモリブデンが含まれていることがわかった。
また、実施例1の試験片では、不動態皮膜に含まれるモリブデンの濃度が、試験片基材の表面側から不動態皮膜の表面側へ向かう膜厚方向で増加していることがわかった。不動態皮膜に含まれるモリブデンの濃度分布は、試験片基材の表面側から不動態皮膜の表面側へ向かう膜厚方向で、0at%より大きく5at%以下であり。不動態皮膜の最表面におけるモリブデンの濃度が約5at%であった。
このように上記試験結果から、過酸化水素、硝酸等の酸化剤と、水溶性モリブデン化合物とを含む酸性水溶液を用いて不動態化処理することにより、不動態皮膜にモリブデンを含ませることが可能であることが明らかとなった。また、モリブデンを含んだ不動態皮膜は、モリブデンを含まない不動態皮膜よりも耐食性に優れていることがわかった。リンモリブデン酸ナトリウムn水和物(n=63)を含有する酸性水溶液で不動態化処理した試験片は、リンモリブデン酸アンモニウム三水和物を含有する酸性水溶液で不動態化処理した試験片よりも耐食性に優れていた。更に、モリブデンを含まないステンレス鋼SUS304で形成された試験片に対しても、モリブデンを含んだ不動態皮膜を形成して耐食性を向上させることが可能となることがわかった。
10 不動態化処理したステンレス鋼部品、12 ステンレス鋼部品、14 不動態皮膜。

Claims (3)

  1. ステンレス鋼部品の不動態化処理方法であって、
    前記ステンレス鋼部品を、酸化剤と、水に可溶な水溶性モリブデン化合物とを含む酸性水溶液に浸漬または塗布して、前記ステンレス鋼部品の表面にモリブデンを含む不動態皮膜を形成する不動態皮膜形成工程を備え、
    前記酸化剤は、過酸化水素または硝酸であり、
    前記水溶性モリブデン化合物は、リンモリブデン酸ナトリウムn水和物であることを特徴とするステンレス鋼部品の不動態化処理方法。
  2. 請求項1に記載のステンレス鋼部品の不動態化処理方法であって、
    前記不動態皮膜形成工程の前に、前記ステンレス鋼部品の表面の自然酸化皮膜を除去する前処理工程を備えることを特徴とするステンレス鋼部品の不動態化処理方法。
  3. 請求項1または2に記載のステンレス鋼部品の不動態化処理方法であって、
    前記不動態皮膜に含まれるモリブデンの濃度が、前記ステンレス鋼部品の表面側から前記不動態皮膜の表面側へ向かう膜厚方向で増加していることを特徴とするステンレス鋼部品の不動態化処理方法。
JP2013092813A 2013-04-25 2013-04-25 ステンレス鋼部品の不動態化処理方法 Active JP6196064B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013092813A JP6196064B2 (ja) 2013-04-25 2013-04-25 ステンレス鋼部品の不動態化処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013092813A JP6196064B2 (ja) 2013-04-25 2013-04-25 ステンレス鋼部品の不動態化処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014214349A JP2014214349A (ja) 2014-11-17
JP6196064B2 true JP6196064B2 (ja) 2017-09-13

Family

ID=51940410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013092813A Active JP6196064B2 (ja) 2013-04-25 2013-04-25 ステンレス鋼部品の不動態化処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6196064B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105256300B (zh) * 2015-11-19 2018-07-13 佛山市湾厦新材料科技有限公司 一种不锈钢钨酸盐钝化剂及其应用
CN106756946A (zh) * 2016-12-16 2017-05-31 安徽宝恒新材料科技有限公司 一种不锈钢表面钝化液
CN107419259B (zh) * 2017-08-15 2019-08-06 江苏新行健实业有限公司 一种不锈钢件表面钝化处理工艺
CN108220937A (zh) * 2018-01-18 2018-06-29 浙江苏泊尔股份有限公司 一种不锈钢工件抗高温变色的处理方法
CN113755830A (zh) * 2021-08-30 2021-12-07 温州瑞银不锈钢制造有限公司 一种表面改性不锈钢的生产工艺以及表面改性不锈钢
CN115125529A (zh) * 2022-06-07 2022-09-30 中国航发成都发动机有限公司 航空发动机不锈钢零组件局部钝化的方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4913703B1 (ja) * 1970-12-29 1974-04-02
JPS644494A (en) * 1987-06-27 1989-01-09 Nisshin Steel Co Ltd Surface treatment of stainless steel
DK187391D0 (da) * 1991-11-15 1991-11-15 Inst Produktudvikling Fremgangsmaade til efterbehandling af zinkbelagte materialer samt behandlingsoploesning til brug ved fremgangsmaaden
JP3218156B2 (ja) * 1993-10-27 2001-10-15 大阪瓦斯株式会社 吸収式冷凍機の運転方法及び吸収液
JP2005089804A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Kyodo Yushi Co Ltd 水素含有環境下で使用されるトライボロジー金属部材及び潤滑剤
WO2011111391A1 (ja) * 2010-03-12 2011-09-15 マルイ鍍金工業株式会社 ステンレスの不動態化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014214349A (ja) 2014-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6196064B2 (ja) ステンレス鋼部品の不動態化処理方法
Man et al. The enhancement of microstructure on the passive and pitting behaviors of selective laser melting 316L SS in simulated body fluid
TWI452181B (zh) 在氧化、電解酸浴中之不銹鋼酸漬法
JP5527860B2 (ja) ステンレスの不動態化方法
JP6694693B2 (ja) ステンレス鋼部品の処理方法
JP6167411B2 (ja) 耐塩素孔食性及び耐全面腐食性及び防錆性に優れたステンレス鋼の表面改質処理方法
JP6526406B2 (ja) ステンレス鋼部品の不動態化処理方法及びステンレス鋼部品用の不動態化処理液
CN105256296B (zh) 一种35CrMnSi钢用常低温化学转化液及其制备方法
Li et al. Electrolytic pickling of the oxide layer on hot-rolled 304 stainless steel in sodium sulphate
CN104520473B (zh) 用于制造奥氏体不锈钢冷轧钢板的高速酸洗方法
CN109208058B (zh) 一种提高17-4ph材料防腐蚀性能的表面处理方法
JP6040094B2 (ja) ステンレス鋼部品の不動態化処理方法
Ajeel et al. Effects of H2SO4 and HCL concentration on the corrosion resistance of protected low carbon steel
CN103898525A (zh) 去除钢材的锈皮的方法
JP6592624B2 (ja) ステンレス鋼部品の不動態化処理方法及びステンレス鋼部品用の不動態化処理液
JP5607450B2 (ja) 塗装皮膜の密着性に優れたステンレス鋼鈑及びその製造方法
TWI527938B (zh) 快速電解除鏽方法
CN114829682A (zh) 用于酸洗不锈钢的离子液体和通过使用其酸洗不锈钢的方法
Chowwanonthapunya The monitoring of pitting corrosion in stainless steel in the simulated corrosive conditions of marine applications
JP2020109217A (ja) ステンレス鋼部品の処理方法
JP5755508B2 (ja) ステンレス鋼用の電解研磨液およびステンレス鋼
Kim et al. Electrochemical Corrosion Characteristics of Maraging Steel Welds Depending on Chromium Content
JP2017110242A (ja) ステンレス鋼用の電解処理液、及びステンレス鋼部品の塗装方法
Khadiri et al. The corrosion behaviour of Ti-Cu (2%) in phosphoric acid
JP2023011146A (ja) ステンレス鋼部品の景観と耐食性を向上させる方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151029

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170817

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6196064

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250