JP2002012990A - 金属被加工物表面のキャビテーションによる耐食処理法およびキャビテーション浸食の低減方法及び耐食性およびキャビテーション浸食防止性を向上させる加工処理をした加工物 - Google Patents

金属被加工物表面のキャビテーションによる耐食処理法およびキャビテーション浸食の低減方法及び耐食性およびキャビテーション浸食防止性を向上させる加工処理をした加工物

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JP2002012990A
JP2002012990A JP2000193686A JP2000193686A JP2002012990A JP 2002012990 A JP2002012990 A JP 2002012990A JP 2000193686 A JP2000193686 A JP 2000193686A JP 2000193686 A JP2000193686 A JP 2000193686A JP 2002012990 A JP2002012990 A JP 2002012990A
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Hitoshi Soyama
均 祖山
Takeshi Sato
佐藤  岳
Masumi Saka
真澄 坂
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、炭素鋼、フェライト系の低合金
鋼、鉄系鋳物、ステンレス鋼、アルミニウムおよびアル
ミニウム合金のグループから選択された材料で構成され
ている機械部品や流体機器などの被加工物に対する耐食
処理法またはキャビテーション浸食の低減方法、および
耐食性および/またはキャビテーション浸食防止性を向
上させる加工処理をした加工物を提供するのが目的であ
る。 【構成】 液中液噴流又は液中超音波を用いてキャビテ
ーション気泡を発生させて、これを被加工物表面に衝当
させてキャビテーション気泡を圧壊させる際に、当該液
体をアルカリ性となるようにpH調整するとともに、そ
の圧壊による被加工物表面の電位を上昇させ、当該被加
工物表面に不動態層を生成させるように構成した被加工
物の耐食処理法および/またはキャビテーション浸食の
低減方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素鋼、フェライ
ト系の低合金鋼、鉄系鋳物、ステンレス鋼、アルミニウ
ムおよびアルミニウム合金のグループから選択された材
料で構成されている機械部品や流体機器などの被加工物
に対する耐食処理法またはキャビテーション浸食の低減
方法、および耐食性および/またはキャビテーション浸
食防止性を向上させる加工処理をした加工物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、キャビテ−ションを伴う高速
水中水噴流によるピーニング効果を利用した金属部材の
残留応力改善や疲労強度改善、加工硬化などの表面改質
が行われている(特開昭59‐193215号、特開平
4−240073号)。しかるに、尚、これらの表面改
質は、あくまでも気泡の崩壊衝撃力という機械的作用に
よるものである。圧縮残留応力の導入は、応力腐食割れ
にも効果的なので、腐食を低減するという表現が用いら
れることがあった。しかしこれはあくまでも気泡の崩壊
衝撃力という機械的作用により、化学的作用である腐食
を抑制するものである。
【0003】しかるに、近年、液中においてキャビテ−
ションを伴う液噴流を加工物に衝突させることにより耐
食処理を行うキャビテ−ションによる耐食処理法につい
ても見出された(特開平7−328859号)。これに
よると、「キャビテ−ション気泡の急速崩壊時に、水中
の溶存酸素が気泡中に含まれて、材料の表面に輸送され
る。この輸送が、気泡の崩壊回数だけ繰り返され、鉄
(Fe)が触媒的作用をし、安定な安定な不動態被膜が形
成される。このようにして、材料の表面が電気化学的に
きわめて安定になり、腐食の進行が停止する。このよう
な不動態被膜を安定に形成するためには、噴流あるいは
キャビテ−ションの状態にも最適な現象が存在する。例
えば、水中ウォータージェットを利用する場合、材料に
対する崩壊力が強すぎると、壊食(エロ−ジョン)を起
こし、材料から離脱した微小破片が材料表面を強くこす
り、不動態被膜が剥離してしまう。」と記載されてい
る。この公開公報の記載は、キャビテ−ション気泡の急
速崩壊により、不動態被膜が形成される場合があること
を示唆してはいるが、それがなぜ起こるのか、どうすれ
ばこのような不動態被膜を安定に形成することができる
かについては、明らかにされていない。しかもキャビテ
ーション噴流を噴射すると、逆に腐食が促進する場合が
あるので、この明細書の記載は正確ではない。しかし、
キャビテ−ション気泡の急速崩壊が不動態被膜を形成す
る可能性のあることを見出した点に意義がある。また、
その記載では不動態被膜を形成する現象の支配因子を把
握しておらず、技術として反復継続してこの現象を再現
活用することができないものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこうした
キャビテーション気泡の圧潰衝撃力およびキャビテーシ
ョン噴流による表面改質の現象について研究を進めるう
ち、キャビテーションは圧潰衝撃力などの物理的作用だ
けの問題ではなく、化学的作用についても同時に考慮す
べきであること、また、キャビテーションによる浸食に
は、キャビテーション腐食(コロージョン)と、キャビ
テーション壊食(エロージョン)とがあるが、両者は異
なる損傷形態であるから明確な区別をすべきであること
に気付いた。
【0005】更に研究の結果、本発明者らは、キャビテ
−ション気泡の崩壊時には、物理的作用である高衝撃圧
や、数千度にも及ぶ高温スポットを発生することだけで
なく、電気化学的作用としてキャビテーション気泡の崩
壊面において電位が生じていることを見出したのであ
る。この発見により、キャビテ−ション噴流による機械
材料の耐食性向上の実証とその機構解明を目的として、
電気化学的手法により腐食速度を計測し、ガスクロマト
グラフィーによるキャビテーション気泡崩壊後に残存す
る気泡中の水素濃度の分析を行い、これに基づいて次の
ように耐食性や不動態形成現象の支配因子を明らかにす
ることができたのである。
【0006】キャビテ−ション噴流により炭素鋼の腐食
電位は貴にシフトする。またアノード分極曲線がキャビ
テーション噴流により低電流密度側に移動する。即ち、
炭素鋼をキャビテ−ション噴流にさらすと、腐食速度が
小となり、炭素鋼の耐食性が向上する。耐食性向上に及
ぼすキャビテーション噴流中の溶存酸素濃度の影響か
ら、耐食性向上には酸化不動態層が係わっているといえ
る。キャビテ−ション噴流衝突面は、水素が生成するよ
うな卑の電位を生じる特殊な環境である。キャビテーシ
ョン噴流による耐食性向上は飲料水のpHなどの水質に
影響されることが明らかになった。従って、キャビテー
ション噴流により材料の表面改善を行う場合には、イオ
ン交換水を用いなくても、安価で無害な弱アルカリ性の
塩を溶解することにより、腐食を抑制できるといえる。
【0007】本発明者らは、これらの研究成果の中か
ら、キャビテーション噴流による機械材料の耐食性向上
を確実に再現するためのコントロール因子に関して「腐
食(コロージョン)を伴うキャビテーション壊食(エロ
ージョン)においては、溶液が酸性だとキャビテーショ
ンによるコロージョンが著しく進行する。アルカリを添
加することにより、腐食を抑制できるばかりでなく、キ
ャビテーションのアタックを受ける部分を不動態化でき
る。」との知見に注目し、本発明を完成したのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】特許を受けようとする第
1発明は、液中液噴流又は液中超音波を用いてキャピテ
ーション気泡を発生させて、これを被加工物表面に衝当
させてキャビテーション気泡を圧壊させる際に、当該液
体をアルカリ性となるようにpH調整するとともに、そ
の圧壊による被加工物表面の電位を上昇させ、当該被加
工物表面に不動態層を生成させるようにしたことを特徴
とする被加工物の耐食処理法および/またはキャビテー
ション浸食の低減方法である。
【0009】液体が純水の場合には、電位は卑に移行
し、酸性・アルカリ性では貴に移行する。電位が貴と
は、貴金属のように電位がプラス側となることであり、
電位が卑とはマイナス側になることである。卑になると
一般にはイオンになり易く、錆やすいことを意味する。
このようにキャビテ−ション噴射による材料表面の耐食
性向上は、キャビテ−ションの化学的作用を利用して水
中で行われるので、水質に大きく影響されるのである。
一般の水では、電位が貴に移行する場合、プルベイ線図
(Pourbaix線図)では鉄は腐食するが、アルカリを添加
すれば不動態となることが解った。したがって、溶液を
アルカリ性に調整することにより、キャビテーションに
よる腐食(コロージョン)を抑制できるのである。即
ち、腐食(コロージョン)を伴うキャビテーション壊食
においては、溶液が酸性だとキャビテーションによる腐
食(コロージョン)が著しく進行するが、アルカリ性に
調整することにより、腐食を抑制できるばかりでなく、
キャビテーションのアタックを受ける部分を不動態化で
きるのである。
【0010】特許を受けようとする第2発明は、アルカ
リ性液体中にて噴流又は超音波を用いてキャビテーショ
ン気泡を発生させ、これを被加工物表面に衝当させてキ
ャビテーション気泡を圧壊させ、その圧壊による被加工
物表面の電位を上昇させることにより、当該被加工物表
面に不動態層を生成させるようにしたことを特徴とする
被加工物の耐食処理法および/またはキャビテーション
浸食の低減方法である。
【0011】特許を受けようとする第3発明は、被加工
物上にアルカリ性の液体を満たしたキャビテーション加
工容器を配置し、前記内に液体を流入して内を加圧し、
該加圧された内にキャビテーションを発生させるための
加圧液体を噴出してキャビテーション気泡の圧潰衝撃力
を増大させ、当該衝撃力により被加工物表面の電位を上
昇させ、当該被加工物表面に不動態層を生成させるよう
にしたことを特徴とする被加工物の耐食処理法および/
またはキャビテーション浸食の低減方法である。
【0012】特許を受けようとする第4発明は、液中液
噴流又は液中超音波によりキャビテーション気泡を発生
させる構造を有し、且つこの発生したキャビテーション
気泡が衝当して圧壊する構造を有する流体機器である場
合に、当該液体としてアルカリ性溶液を用いるか、又は
当該液体にアルカリ性剤を添加してアルカリ性となした
ものを用いたことを特徴とする流体機器の耐食処理法お
よび/またはキャビテーション浸食の低減方法である。
【0013】特許を受けようとする第5発明は、第1発
明若しくは第2発明若しくは第3発明又は第4発明にお
いて、キャビテーション浸食とは、キャビテーション壊
食および/またはキャビテーション腐食を含むことを特
徴とする被加工物の耐食処理法および/またはキャビテ
ーション腐食浸食の低減方法である。
【0014】特許を受けようとする第6発明は、第1発
明若しくは第2発明若しくは第3発明又は第4発明にお
いて、前記被加工物が炭素鋼、フェライト系の低合金
鋼、鉄系鋳物、ステンレス鋼、アルミニウムおよびアル
ミニウム合金のグループから選択された材料で構成され
ていることを特徴とする被加工物の耐食処理法および/
またはキャビテーション浸食の低減方法である。
【0015】特許を受けようとする第7発明は、液中液
噴流又は液中超音波を用いてキャビテーション気泡を発
生させて、これを被加工物表面に衝当させてキャビテー
ション気泡を圧壊させる際に、当該液体をアルカリ性と
なるようにpH調整するとともに、その圧壊による被加
工物表面の電位を上昇させて、当該被加工物表面に不動
態層を生成させるようにしたことを特徴とする耐食性お
よび/またはキャビテーション浸食防止性を向上させる
加工処理をした加工物である。
【0016】特許を受けようとする第8発明は、液体中
にて噴流又は超音波を用いてキャビテーション気泡を発
生させ、これを被加工物表面に衝当させてキャビテーシ
ョン気泡を圧壊させ、その崩壊衝撃力のピーニング効果
により被加工物表面の加工硬化、圧縮残留応改善、疲労
強度向上などの表面改質をしたり、その圧壊による衝撃
力により被加工物の洗浄をしたりする際に、当該液体を
アルカリ性に調整するとともに、被加工物表面の電位を
上昇させて、当該被加工物表面に不動態層を生成させた
ことを特徴とする耐食性および/またはキャビテーショ
ン浸食防止性を向上させた加工処理をした加工物であ
る。
【0017】特許を受けようとする第9発明は、第7発
明又は第8発明において、前記被加工物が炭素鋼、フェ
ライト系の低合金鋼、鉄系鋳物、ステンレス鋼、アルミ
ニウムおよびアルミニウム合金のグループから選択され
た材料で構成されている加工製品、機械部品を含むこと
を特徴とする耐食性および/またはキャビテーション浸
食防止性を向上させた加工処理をした加工物である。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施し被加工物表面に不動態
層を生成させるため装置について図示に基づき説明す
る。図1は、本発明の原理と効果が実行性のあるもので
あることを立証するための、ASTM規格のキャビテー
ション噴流装置を示す構成説明図である。図2は、当該
キャビテーション噴流装置に示すキャビテーション噴流
作用試験部の構造を示す構成説明図である。図3は、本
件発明を実施するための加圧式キャビテーション噴流装
置の実施例を示す構成説明図であり、図4は、本件発明
を実施するための加圧式キャビテーション噴流装置の他
実施例を示す構成説明図である。図5は、試料水におけ
るキャビテーション噴流の衝突時又は衝突後の腐食電位
の測定結果を示すグラフであり、図6は、図1に示した
キャビテーション噴流装置を用いて実験した際のプルベ
イ線図(Pourbaix線図)を示す。
【0019】図1に示すキャビテーション噴流装置は、
噴出する液体を貯留したタンク1からキャビテーション
噴流作用試験部2までを液体供給路3とバイバス供給路
3aとで連結し、前者の液体供給路3の途中に液体を加
圧して送り出すプランジャポンプ4と流入圧力計5とを
設け、後者のバイバス供給路3aの途中には流入量調整
弁6を設けておき、また、キャビテーション噴流作用試
験部2から液体を貯留したタンク1までを液体排出路7
で連結し、その途中には温度計8と流出圧力計9と流出
量調整弁10を配設しておく。
【0020】図2に示すキャビテーション噴流作用試験
部2は、キャビテーション噴流が衝突し得る空間を有し
た測定室11の中に液体供給路3と連結しキャビテーシ
ョン噴流を発生させるノズル12で、その流入される高
圧水をノズル12の先端から噴出させるものであり、図
中13はキャビテーション噴流が衝突する面に設けられ
た腐食電位計測用センサである。当該腐食電位計測用セ
ンサ13は、試験片や供試材を埋め込んだものであり、
当該試験片およびセンサの噴流にさらす面は、噴流軸に
垂直に取り付けてある。供試材には、炭素鋼S45Cを
使用した。前記のノズル12には、スロート部直径0.4
mm、スロート部長さ1.2mmのASTM規格のシリン
ドリカルノズルを用いた。14は、測定室11内のキャ
ビテーション噴流の衝突面付近に固定したステンレス製
の溶液収集管であり、これを外部に設けた溶液貯留容器
15内にまで延出して、これを経路16として当該溶液
貯留容器15内に収集した溶液を貯留する。その隣りに
は塩分貯留槽17を置き、溶液貯留容器15との間を塩
橋18で連結しておく。更に当該塩分貯留槽17内に
は、塩化銀電極19を配設しておきこれを照合電極とし
て前記センサ13との間に配した電位測定器20により
腐食電位を測定した。尚、21は、測定室11中に設け
た噴流シャッターである。
【0021】試料水には、イオン交換水を用い、これに
炭酸カルシウムを0.9g溶解させて、炭酸ガスを25
分、0.02MPaで吹き込んで弱酸性とした水、およ
び炭酸水素ナトリウムを60g溶解させて弱アルカリ性
とした水を使用した。試験条件は、試料水のpHならび
に溶存イオンによる水質の影響明らかにするために、
(a)イオン交換水、(b)イオン交換水に炭酸カルシ
ウムと炭酸ガスが溶存している水、(c)イオン交換水
に炭酸水素ナトリウムが溶存している水、の三種類の試
料水を用意した。その上で、キャビテーション噴流の支
配パラメータであるキャビテーション係数α=0.014、
s=18mm、噴射時間t−jet=5minの条件でキャビテ
ーション噴流を噴射して、噴射中および噴射後の腐食電
位を測定した。
【0022】耐食性の評価方法として供試材炭素鋼S4
5Cの各試料水中の腐食電位を図1に示すキャビテーシ
ョン噴流作用試験部2で噴流停止後200秒計測した。
腐食電位EVはSHE(標準水素電極)で表示した。セ
ンサ13には、キャビテーション噴流によりアタックを
受ける領域における供試材の耐食性を評価するために、
直径6mmの円柱状炭素鋼S45Cを絶縁体であるテフ
ロン(登録商標)に埋め込んだ。
【0023】上記実施例の結果について、図5は、各試
料水におけるキャビテーション噴流を噴射した後の腐食
電位を噴射中の腐食電位と併せて示す。(a)最も貴な
値を示し、次いで(b)(c)の順に卑な値を示した。
(a)に比べ(b)、(c)はイオンの種類が多いこと
から溶存イオンの影響によるものと考えられる。
【0024】表1には、試料水のpHと噴流噴射直前と
噴流噴射中の腐食電位を示す。(a)のみ噴射中の腐食
電位が直前の腐食電位より卑な値になる。つまりイオン
交換水の場合のみ特異な変化が起こっていると考えられ
る。
【0025】
【表1】
【0026】尚(a)および(c)おける噴射後の試験
片表面は腐食しないが、(b)における噴射後の試験片
表面はキャビテーションのアタックを受ける領域がリン
グ状に腐食していた。これによりキャビテーション噴流
の試料水により耐食性が著しく変化することがわかっ
た。
【0027】上記の実験結果から、炭素鋼がキャビテー
ション噴流の衝突により不動態を生成する条件が明らか
になった。つまり試料水により、キャビテーション噴流
を噴射すると耐食性が向上する場合と、逆に腐食が促進
する場合があるので、この大差について考察するため
に、図6に鉄のプルベイ線図(Pourbaix線図)を示す。
キャビテーション噴流を噴射中(a)は不変態の条件で
あり、(c)は不動態の条件であるために(a)(c)
ともに表面に腐食見られない。一方、(b)は腐食傾向
の条件であるために表面は耐食する。溶存イオンが存在
する場合には、キャビテーション噴流により衝突面の腐
食電位は貴な方向にシフトするので、図6に示すプルベ
イ線図(Pourbaix線図)を考慮して、使用するアルカリ
性にすれば腐食条件ではなく、不動態の条件になること
が明らかになった。
【0028】即ち、キャビテーション噴流による耐食性
向上は試料水のpHなどの水質に影響されることが明ら
かになった。キャビテーション噴流により材料の表面改
質を行う場合には、イオン交換水を用いなくても、安価
で無害な弱アルカリ性の塩を溶解することにより、腐食
を抑制できることが確認できた。
【0029】図2は、加圧式キャビテーション噴流装置
の一実施例を示す構成図である。図3中の22は、被加
工物Aを容易に出し入れでき、且つ蓋23によって密閉
可能に構成された被加工物Aの表面改質を行うことので
きるキャビテーション加工容器であり、24は、同キャ
ビテーション加工容器22を収納でき、且つキャビテー
ション加工容器22の高さよりも深く形成されていて、
収納されたキャビテーション加工容器22が収納された
液体中に水没されるように構成された収納容器である。
前記キャビテーション加工容器22内には、キャビテー
ション噴流Bを噴射するノズル25と、当該ノズル25
には、ポンプPからの高圧液体を供給するための供給管
路26が連結されており、その途中には高圧液体の流量
制御弁27が設けられている。また、キャビテーション
加工容器22には、その容器内の流体を容器外に排出す
る排出管路28が設けられてそれは収納容器24の外側
まで延出されており、当該排出管路28には、キャビテ
ーション加工容器22内の圧力を調整する圧力制御弁2
9が配設されている。なお、ノズル21は、キャビテー
ション加工容器22に複数設けることができ、また流量
制御弁27は高圧ポンプPとノズル25とを接続する供
給管路26に直接設けるよりも分岐した管路26a内に
設ける方が好ましい。
【0030】被加工物Aは、容易に出し入れおよび密閉
可能な水またはオイル等の液体で満たしたキャビテーシ
ョン加工容器22に入れられ、また、当該キャビテーシ
ョン加工容器22と収納容器24との間にも水またはオ
イル等の液体が満たされている。
【0031】上記流量制御弁27、圧力制御弁29およ
びポンプP等は、図示せぬ電子制御装置と接続され、キ
ャビテーション加工容器22内に配置して図示せぬ圧
力、温度センサー等からの信号をもとに最適値となるよ
うに制御される。
【0032】上記実施例の具体的作用(作動)は、被加
工物Aをキャビテーション加工容器22内に入れたあ
と、開閉可能な蓋23によって密閉し、ノズル25から
高圧水を噴出して、噴流まわりにキャビテーションを発
生させて、キャビテーション気泡Bを被加工物Aに衝突
させる。するとキャビテーション気泡Bの圧潰衝撃力が
被加工物Aの表面に作用して、被加工物Aの表面の加工
硬化、残留応力改善、疲労強度向上などをもたらす。こ
のとき、キャビテーション加工容器22内を満たし、且
つキャビテーション噴流を起こす液体をアルカリ性にす
ることにより、鉄又は鉄を含む被加工物Aが貴へ電位を
シフトし、不動態となる。液体をアルカリ性にするに
は、当該液体として当初からアルカリ性溶液を用いても
よいし、当該液体に重曹や石灰やその他のアルカリ性剤
を添加してアルカリ性となしてもよい。尚、当該溶液を
逆に酸性にすると、鉄又は鉄を含む被加工物Aが貴へ電
位シフトするが、その場合には腐食の状態となる。
【0033】キャビテーション気泡Bの圧潰衝撃力を増
大させるために、ノズル25からキャビテーション加工
容器22に流入する加圧水の流量を流量制御弁27で制
御し、またキャビテーション加工容器22から流出する
流量を圧力制御弁29によって制御し、両者を調整して
キャビテーション加工容器22内の液体の圧力を制御す
る。
【0034】また、キャビテーション加工容器22に気
相部分があると、気相部分が加圧水により圧縮されるた
めに、加圧するために一定時間を要する。このため、本
形態ではキャビテーション加工容器22を短時間で加圧
するために収納容器24の深さを深くし、当該収納容器
24に充満した液体の圧力でキャビテーション加工容器
22内に所定の圧力を与えておく。こうすることでキャ
ビテーション加工容器22内を短時間で加圧し、キャビ
テーション加工容器22内の気相部分を短時間で極力少
なくすることができる。
【0035】以上にようにキャビテーション加工容器2
2を加圧しない場合に比べて、本形態では残留応力を大
きく改善でき、疲労強度も改善できるし、圧縮残留応力
を被加工面の表面から奥深くまで入れられるうえ、耐食
性を向上できる。更に、加圧しない場合に比べて、短時
間処理によって被加工物表面の耐食性を向上させる効果
を奏することができる。
【0036】つづいて図4はキャビテーション噴流装置
の他実施例を示す構成図である。当該第2実施例のもの
は、キャビテーション加工容器22のものに比較して収
納容器24の深さが浅くなっており、キャビテーション
加工容器22の上縁から液体が溢れ出る構成となってお
り、加工の作用は第1実施例の形態と同様である。第2
実施例のものもキャビテーション加工容器22内を加圧
する必要があるため第1実施例の場合と同様に蓋23を
閉じ、蓋23の隙間から液体が溢れ出るようにする。な
お、キャビテーション加工容器22の蓋23の上に錘を
乗せたり、あるいは蓋と容器とを所定のバネ定数のバネ
等で連結しておくことにより、蓋の開放に抵抗を与えキ
ャビテーション加工容器22内を機械的に加圧すること
もできる。なお、この加圧力も当然のことながら電子制
御装置等により制御することが可能である。
【0037】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明
は、液中液噴流又は液中超音波を用いてキャビテーショ
ン気泡を発生させて、これを被加工物表面に衝当させて
キャビテーション気泡を圧壊させる際に、当該液体をア
ルカリ性となるようにpH調整するとともに、その圧壊
による被加工物表面の電位を上昇させ、当該被加工物表
面に不動態層を生成させるようにしたことを特徴とする
被加工物の耐食処理法および/またはキャビテーション
浸食の低減方法と、耐食性および/またはキャビテーシ
ョン浸食防止性を向上させる加工処理をした加工物であ
る。
【0038】このように、キャビテーション噴流を衝突
させて、材料の表面改質を行う場合に、溶液をアルカリ
性にpH調整するとともに被加工物表面の電位を上昇さ
せだけで、簡単に材料表面の腐食を抑制できるだけでな
く、キャビテーション噴流の衝突部分を不動態にして、
その耐食性を向上させ、同時にキャビテーション浸食を
低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理と効果が実行性のあるものであ
ることを立証するための、ASTM規格のキャビテーシ
ョン噴流装置を示す構成説明図である。
【図2】 前記ASTM規格のキャビテーション噴流装
置中のキャビテーション噴流作用試験部を示す構成説明
図である。
【図3】 本件発明を実施するための加圧式キャビテー
ション噴流装置の一実施例を示す構成説明図である。
【図4】 本件発明を実施するための加圧式キャビテー
ション噴流装置の他実施例を示す構成説明図である。
【図5】 試料水におけるキャビテーション噴流の衝突
時又は衝突後の腐食電位の測定結果を示すグラフであ
る。
【図6】 図1に示したキャビテーション噴流装置を用
いて実験した際のプルベイ線図(Pourbaix線図)を示
す。
【符号の説明】
1 タンク 2 キャビテーション噴流作用試験部 3 液体供給路 3a バイパス液体供給路 4 プランジャポンプ 5 流入圧力計 6 流入量調整弁 7 液体排出路 8 温度計 9 流出圧力計 10 流出量調整弁 11 測定室 12 ノズル 13 腐食電位計測用センサ 14 溶液収集管 15 溶液貯留容器 16 経路 17 塩分貯留槽 18 塩橋 19 塩化銀電極 20 電位測定器 21 噴流シャッター 22 キャビテーション加工容器 23 蓋 24 収納容器 25 ノズル 26 供給管路 26a 管路 27 流量制御弁 28 排出管路 29 圧力制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K026 AA02 AA04 AA09 BB08 CA15 CA18 DA04 DA05 4K062 AA10 BA11 DA10 EA09 FA20 GA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液中液噴流又は液中超音波を用いてキャ
    ビテーション気泡を発生させて、これを被加工物表面に
    衝当させてキャビテーション気泡を圧壊させる際に、当
    該液体をアルカリ性となるようにpH調整するととも
    に、その圧壊による被加工物表面の電位を上昇させ、当
    該被加工物表面に不動態層を生成させるようにしたこと
    を特徴とする被加工物の耐食処理法および/またはキャ
    ビテーション浸食の低減方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ性液体中にて噴流又は超音波を
    用いてキャビテーション気泡を発生させ、これを被加工
    物表面に衝当させてキャビテーション気泡を圧壊させ、
    その圧壊による被加工物表面の電位を上昇させることに
    より、当該被加工物表面に不動態層を生成させるように
    したことを特徴とする被加工物の耐食処理法および/ま
    たはキャビテーション浸食の低減方法。
  3. 【請求項3】被加工物上にアルカリ性の液体を満たした
    キャビテーション加工容器を配置し、前記容器内に液体
    を流入して内を加圧し、該加圧された内にキャビテーシ
    ョンを発生させるための加圧液体を噴出してキャビテー
    ション気泡の圧潰衝撃力を増大させ、当該衝撃力により
    被加工物表面の電位を上昇させ、当該被加工物表面に不
    動態層を生成させるようにしたことを特徴とする被加工
    物の耐食処理法および/またはキャビテーション浸食の
    低減方法。
  4. 【請求項4】 液中液噴流又は液中超音波によりキャビ
    テーション気泡を発生させる構造を有し、且つこの発生
    したキャビテーション気泡が衝当して圧壊する構造を有
    する流体機器である場合に、当該液体としてアルカリ性
    溶液を用いるか、又は当該液体にアルカリ性剤を添加し
    てアルカリ性となしたものを用いたことを特徴とする流
    体機器の耐食処理法および/またはキャビテーション浸
    食の低減方法。
  5. 【請求項5】 請求項1若しくは請求項2若しくは請求
    項3又は請求項4において、キャビテーション浸食と
    は、キャビテーション壊食および/またはキャビテーシ
    ョン腐食を含むことを特徴とする被加工物の耐食処理法
    および/またはキャビテーション腐食浸食の低減方法。
  6. 【請求項6】 請求項1若しくは請求項2若しくは請求
    項3又は請求項4において、前記被加工物が炭素鋼、フ
    ェライト系の低合金鋼、鉄系鋳物、ステンレス鋼、アル
    ミニウムおよびアルミニウム合金のグループから選択さ
    れた材料で構成されていることを特徴とする被加工物の
    耐食処理法および/またはキャビテーション浸食の低減
    方法。
  7. 【請求項7】 液中液噴流又は液中超音波を用いてキャ
    ビテーション気泡を発生させて、これを被加工物表面に
    衝当させてキャビテーション気泡を圧壊させる際に、当
    該液体をアルカリ性となるようにpH調整するととも
    に、その圧壊による被加工物表面の電位を上昇させて、
    当該被加工物表面に不動態層を生成させるようにしたこ
    とを特徴とする耐食性および/またはキャビテーション
    浸食防止性を向上させる加工処理をした加工物。
  8. 【請求項8】 液体中にて噴流又は超音波を用いてキャ
    ビテーション気泡を発生させ、これを被加工物表面に衝
    当させてキャビテーション気泡を圧壊させ、その崩壊衝
    撃力のピーニング効果により被加工物表面の加工硬化、
    圧縮残留応改善、疲労強度向上などの表面改質をした
    り、その圧壊による衝撃力により被加工物の洗浄をした
    りする際に、当該液体をアルカリ性に調整するととも
    に、被加工物表面の電位を上昇させて、当該被加工物表
    面に不動態層を生成させたことを特徴とする耐食性およ
    び/またはキャビテーション浸食防止性を向上させた加
    工処理をした加工物。
  9. 【請求項9】 請求項7又は請求項8において、前記被
    加工物が炭素鋼、フェライト系の低合金鋼、鉄系鋳物、
    ステンレス鋼、アルミニウムおよびアルミニウム合金の
    グループから選択された材料で構成されている加工製
    品、機械部品を含むことを特徴とする耐食性および/ま
    たはキャビテーション浸食防止性を向上させた加工処理
    をした加工物。
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