JP6038457B2 - 遊技板の成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ、アレンジボール、雀球等の弾球遊技機の内部に設けられる合成樹脂製の遊技板の成形方法、成形用金型、およびその遊技板に関するものである。
パチンコ遊技機の遊技板は、遊技球を遊技領域に誘導する2本のガイドレールが装着されると共に、ガイドレールで囲まれた遊技領域に図柄変動表示装置、入賞装置等の遊技部品が配置される。そして、これらの遊技部品の周辺に障害釘、風車等が植設され、これにより遊技領域を落下する遊技球の経路に変化を与えている。
近年、遊技板は、環境保護の観点や意匠上の観点から、従来の合板に代えて合成樹脂製のものが提案され、特に透明な合成樹脂により成形された遊技板は、裏面に配置した図柄変動表示装置や電飾等各種装飾部材をも遊技者から見ることができるので、従来の合板製のものではできない斬新なデザイン構成を採ることを可能にしている。
ところで、合成樹脂製の遊技板を製造するには、特許文献1に示された押出成形による方法と、特許文献2および特許文献3に示された射出成形による方法とが従来から知られている。
特許文献1に示された押出成形による方法は、先ず厚手の平板を押出成形し、該平板の所定位置に切削加工により上記のような遊技部品を取り付けるための貫通状の開口を形成するものである。このような押出成形による方法は、加工時間を要し生産効率がよくない欠点があるほか、貫通状の開口を切削することで生じた切削屑が無駄になるので材料歩留まりが悪く、特に大型ディスプレイや大型役物を取り付けるための大きな開口部を形成すると大量の切削屑が生じ、切削屑を廃材として処分する費用が嵩むと同時に資源の無駄になるといった問題がある。
一方、射出成形による方法は、金型によって遊技板を成形すると同時に遊技部品を取り付けるための開口も形成することができるので、生産性がよく、切削屑も生じないといった利点がある。しかし、周知のように一般に射出成形法は、合成樹脂が冷却する際の不揃いな収縮を防止し、ヒケ、反り、変形等が生じないようにするために、製品の肉厚を製品全体でほぼ均一になるように設定する必要がある。そのために、遊技板を射出成形する場合は、特許文献2および特許文献3に示されたように、多数のボスを遊技領域の裏面に一体に成形することで、肉厚をほぼ均一にしている。即ち、障害釘を打ち込むための釘孔が中心部に形成された多数のボスを遊技領域の裏面に突出状に形成することにより、該釘孔が一定以上の深さになるようにすることで、障害釘がぐら付くことなく固植できるようにしている。なお、特許文献2および特許文献3に示された方法では、射出成形用金型が離型する際にボスの上端面をスリーブピンと呼ばれる突出ピン(エジェクトピン)により突き出して、遊技板を該金型の成形面から離間させることにより、突出ピンの押圧跡が該ボスの上端面以外に残らないようにしている。
ところがこのようにボスが形成された遊技板では、遊技機の機種に従い障害釘の位置をいろいろ変更しようとすると、該ボスの成形位置をも変更しなければならないので、射出成形用金型自体を変えなければならず、即座に機種に応じた微細な対処をすることが困難になるという問題がある。また、透明な合成樹脂により成形され、多数のボスを形成してなる遊技板は、該ボスが光を屈折、乱反射させ、透明性、透光性を損うために、上記のように遊技板内に図柄変動表示装置や電飾等各種装飾部材を配置しても、これらを透視し難くなるとともに光が透過し難くなるので、斬新で効果的な演出、装飾ができないという問題があった。
そこで、ボスを形成することなく、遊技板全体の肉厚を厚くすることで一定以上の深さの釘孔を確保し、障害釘がぐら付かないようにすることが考えられるが、そうすると、図18に示した透明なる遊技板のように、遊技部品を取り付けるための開口a〜eの周囲に突出ピンの押圧跡fが付き、特に遊技板の肉厚が厚くしかも大きな開口を形成する必要があるものでは該開口の付近を変形することなく離型させるために多数の突出ピンを配備する必要があるので遊技領域gに多数の押圧跡fが付き、該押圧跡によって該遊技板の遊技領域の透視性が損なわれる。このため、遊技板全体の肉厚を厚くすることによっても透視性が損なわれるとういう問題点は解決できない状況であった。なお、図18の符号hは、遊技領域gの外側(ガイドレールが装着されるラインの外側)の非遊技領域を示す。
このように押出成形による方法と射出成形による方法には一長一短がある。このために従来では未だ大多数の遊技板が押出成形と切削加工により製造されており非効率的であった。
特許第3720829号公報 特開平4−354959号公報(図3を参照) 特許第3118617号公報(図6を参照)
本発明は上記のような問題点を解決し、生産効率が優れた射出成形により製造される合成樹脂製の遊技板でありながらも、遊技領域の透明性を確保し得る成形方法、成形用金型および遊技板を提供しようとするものである。
そのために本発明に係る遊技板の成形方法は、固定型または可動型を一方型とし、該一方型と相対する固定型または可動型を他方型とする射出成形用金型により、遊技領域に遊技部品を取り付けるための開口が形成され、外周縁に額縁状の外縁リブが形成される合成樹脂製の遊技板を成形する方法であって、前記遊技領域を含む遊技板の前面全体を成形するための型面が一方型に形成され、前記開口を形成するコア部が他方型に設けられ、前記遊技領域の裏面を成形する遊技領域成形用型板が前記コア部の外周に前記コア部に対して相対的に進退動可能なるように他方型に設けられ、さらに該遊技領域成形用型板とともに前記外縁リブを成形する外周域成形用型板が該遊技領域成形用型板に対して独立して相対的に進退動可能なるように他方型に設けられ、遊技領域成形用型板と外周域成形用型板とを同時に一体的に前記コア部に対して相対的に突き出すことにより前記コア部から遊技板を離脱させ、その後に外周域成形用型板を遊技領域成形用型板からさらに相対的に突き出すことにより該遊技板を遊技領域成形用型板から離脱させることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技板成形用金型は、遊技領域に遊技部品を取り付けるための開口が形成され、外周縁に額縁状の外縁リブが形成される合成樹脂製の遊技板を成形する射出成形用金型であって、該射出成形用金型は固定型または可動型を一方型とし該一方型と相対する固定型または可動型を他方型とし、前記遊技領域を含む遊技板の前面全体を成形するための型面が一方型に形成され、前記開口を形成するコア部が他方型に設けられ、前記遊技領域の裏面を成形する遊技領域成形用型板が前記コア部の外周に前記コア部に対して相対的に進退動可能なるように他方型に設けられ、さらに該遊技領域成形用型板とともに前記外縁リブを成形する外周域成形用型板が該遊技領域成形用型板に対して独立して相対的に進退動可能なるように他方型に設けられ、遊技領域成形用型板と外周域成形用型板とを同時に一体的に前記コア部に対して相対的に突き出すことにより前記コア部から遊技板を離脱させる先行離型手段と、該先行離型手段が作動した後に外周域成形用型板を遊技領域成形用型板からさらに相対的に突き出すことにより該遊技板を遊技領域成形用型板から離脱させる後行離型手段を備えてなることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技板の成形方法は、固定型または可動型を一方型とし、該一方型と相対する固定型または可動型を他方型とする射出成形用金型により、遊技領域に遊技部品を取り付けるための開口が形成され、外周縁に額縁状の外縁リブが形成された合成樹脂製の遊技板の成形方法であり、前記遊技領域を含む遊技板の前面全体は一方型の型面により成形され、前記開口は他方型に設けられたコア部により成形され、前記遊技領域の裏面は前記コア部に対して相対的に進退動可能なるように他方型に設けられた遊技領域成形用型板により成形され、前記外縁リブは該遊技領域成形用型板の外周縁に該遊技領域成形用型板に対して独立して相対的に進退動可能なるように他方型に設けられた外周域成形用型板により成形されていることを特徴とする。
本発明によれば、射出成形により遊技板を製造しても該遊技板の特に遊技領域の裏面に傷や押圧跡が付くことなく、その透明性、透光性を確保することができるので、遊技板内に配置した図柄変動表示装置や電飾等各種装飾部材による斬新な演出を行うことができる。
本発明に係る遊技板の斜視図。 本発明に係る遊技板の裏面の斜視図。 図1のA−A線断面図。 本発明の実施例1に係る成形用金型の型閉状態の縦断面図。 図4に示した成形用金型の型開状態の縦断面図。 図4に示した成形用金型の先行離型手段が作動したときの縦断面図。 図4に示した成形用金型の後行離型手段が作動したときの縦断面図。 本発明の実施例1に係る成形用金型の後行離型手段が作動したときの縦断面図。 本発明の実施例2に係る成形用金型の型閉状態の縦断面図。 図9に示した成形用金型の型開状態の縦断面図。 図9に示した成形用金型の先行離型手段が作動したときの縦断面図。 図9に示した成形用金型の後行離型手段が作動したときの縦断面図。 本発明の実施例3に係る成形用金型の型閉状態の縦断面図。 図13に示した成形用金型の型開状態の縦断面図。 図13に示した成形用金型の先行離型手段が作動したときの縦断面図。 図13に示した成形用金型の後行離型手段が作動したときの縦断面図。 図16の部分拡大図。 従来の透明な合成樹脂製遊技板の正面図。
図1〜図3に示した長方形板状の遊技板1は、本発明に係る射出成形用金型に透明なポリカーボネイト樹脂、ABS樹脂、アクリロニトリル樹脂等の合成樹脂を射出することにより一体成形されたもので、該遊技板1の中央部に厚さ10mm程度で表面が平坦なるように遊技領域2が成形され、該遊技領域2に機種に応じた配置にて多数の障害釘が打ち込まれる。3は電子ディスプレイやセンター役物等の大型の遊技部品を取り付けるために該遊技領域に表裏貫通状に形成された大きな開口、4は該開口3の下部であって始動用可変入賞装置等の遊技部品を取り付けるために表裏貫通状に形成された開口、5はさらに該開口4の下部であって大入賞口装置等の遊技部品を取り付けるために表裏貫通状に形成された開口、6は該遊技板1の下部両側に普通入賞装置、装飾部材等の遊技部品を取り付けるために表裏貫通状に形成された開口、7は通過チャッカー等の遊技部品を取り付けるために遊技領域2に表裏貫通状に形成された小さな開口である。なお、8は遊技板1の表面にガイドレール(図示せず)を固定ピンにより固定するためにガイドレールの長手方向に沿って所定間隔で多数形成した固定ピン差込用の小孔、9は遊技板1の四隅角部にその組付、位置合わせ、配線通し等のために形成された貫通孔である。また、10は該遊技板1の外周縁に裏側へ額縁状に突出するように成形された外縁リブである。11は遊技領域2の外側(ガイドレールが装着されるラインの外側)の非遊技領域を示す。
次にこの遊技板1を成形する射出成形用金型および成形方法の実施例を図4〜図7に従い説明する。同図において、20は固定盤18に固設された射出成形用金型の固定型、21は該固定型と相対するように可動盤19の前面に桁部材19aを介して固設された可動型で、図4に示した状態では固定型20に対し可動型21を進出させて型閉状態とすることにより、両型間にキャビティーが形成される。そして射出成形機の射出ノズル(図示しない)から合成樹脂が固定盤18に設けられたスプルーブッシュ18aを介して固定型20内に形成されたホットランナ20aを経て該キャビティーに射出されることにより、遊技板1が成形される。なお、固定型20には遊技板1の遊技領域2を含む前面全体を成形するため凹窪状の型面22が該キャビティーに面するように形成されている。
一方、可動型21には、図示したように、遊技領域2にある前記開口3〜5を形成するためのコア部23〜25が形成され、図4に示した型閉状態では該各コア部は先端面を固定型20の型面22に圧接させた状態としている。そしてこれらのコア部23〜25の外周に相当する可動型21前面の凹窪部26に遊技領域成形用型板30が進退動可能に設けられる。なお、図示していないが、可動型21にはコア部23〜25の他、前記開口6,7を形成するためのコア部、および前記小孔8、貫通孔9を形成するための突状部もそれぞれ形成される。31は遊技領域成形用型板30を進退動させるために該型板30の背後に縦に設けられた突出棒、32は該突出棒の基端部を当接させている突出プレート、33は該突出プレートに固設した油圧シリンダで、該油圧シリンダのピストンロッドが可動盤19の前面に止着され、該油圧シリンダを作動することにより、該突出プレート32を進退動させ、突出棒31を突出させる。該突出棒31と突出プレート32と油圧シリンダ33とにより先行離型手段が構成される。なお、突出棒31および油圧シリンダ33は図面ではそれぞれ1本であるが、これらは遊技領域成形用型板30を進退動させるために必要に応じて複数本設けられる。
また、35は遊技領域成形用型板30に対して独立して進退動可能なるように設けられた外周域成形用型板、36は該外周域成形用型板を進退動させるために該型板35の背後に縦に設けられた突出棒、37は該突出棒の基端部を当接させている突出プレート、38は該突出プレートに固設した油圧シリンダで、該油圧シリンダのピストンロッドが可動盤19の前面に止着され、該油圧シリンダを作動することにより、該突出プレート37を進退動させ、突出棒36を突出させる。該突出棒36と突出プレート37と油圧シリンダ38とにより後行離型手段が構成され、後述するように、該油圧シリンダ38は前記油圧シリンダ33が作動した後に作動するよう設定される。なお、突出棒36および油圧シリンダ38は図面ではそれぞれ1本であるが、これらについても外周域成形用型板35を進退動させるために必要に応じて複数本設けられる。39は該突出棒36の基端部を突出プレート37上に保持するために設けられた保持プレートである。
このように構成された射出成形用金型では、図4に示したようにキャビティーに射出された合成樹脂が冷却・固化することにより遊技板1が成形される。そして、図5に示したように可動盤19、可動型21を後退させることにより型開する。この型開時に図6に示したように先ず油圧シリンダ33を作動させることにより突出プレート32を介して突出棒31を突出させ遊技領域成形用型板30と外周域成形用型板35とを同時に一体的に突き出す。この作動によりコア部23〜25から遊技板1を離脱させる。なおこのとき遊技板1はその他のコア部および前記突状部からも離脱する。この離脱作動時に遊技領域成形用型板30と外周域成形用型板35とが該遊技板1の裏面全体を押圧することによりその押圧力が分散する。このため、遊技板1が肉厚で大きな開口3が存在することで離型抵抗が大きいにも拘わらず、遊技領域2の裏面を傷付けたり、押圧跡を残したりするおそれがない。
その後、油圧シリンダ38を作動させ、図7に示したように、突出プレート37を介して突出棒36を突出させ、外周域成形用型板35をさらに突き出し、該外周域成形用型板35によって遊技板1の外縁リブ10の端面を押圧することにより該遊技板1を遊技領域成形用型板30から離脱させる。このように、遊技板1を遊技領域成形用型板30から離脱させる際も、外周域成形用型板35が遊技板1の外縁リブ10の端面を押圧することから、遊技領域2の裏面を傷付けたり、押圧跡を残したりすることがない。
なお、この実施形態では、油圧シリンダ33と油圧シリンダ38を設け、第1段階で油圧シリンダ33を作動させ、第2段階で油圧シリンダ38を作動させるようにしたが、可動盤19、可動型21が後退動する過程で、先ず突出プレート32が射出成形機に設けられた固定体(図示しない)に当たることで油圧シリンダ33を作動させるのと同様に突出棒31を突出させ遊技領域成形用型板30と外周域成形用型板35とが同時に一体的に突き出され、次いで突出プレート37が固定体(図示しない)に当たることで油圧シリンダ38を作動させるのと同様に突出棒36を突出させ外周域成形用型板35がさらに突き出されるように構成することもできる。この射出成形用金型は、可動型21内に独立して進退動する突出プレート32と突出プレート37とを設けたことにより、自由なタイミングで2段階にて遊技板を離型させることを可能にしている。
このように本発明に係る遊技板1は射出成形により製造され、押出成形のように開口等を切削加工しないため、材料の歩留まりがよく、生産性もよい。そして本発明によっては、遊技板1の裏面に傷や押圧跡が付いて遊技領域の透明性、透光性が損なわれるようなおそれがなく、図柄変動表示装置や電飾等各種装飾部材をパチンコ遊技機等の遊技機における遊技板1の内側に配置することにより、遊技者が遊技板1内を鮮明に透視することができるとともに、電飾の光がよく通り、斬新な演出を行うことができる。なお、本発明によって成形される遊技板は、無色透明のものに限らず、有色透明のものや半透明、透光性のものにすることができる。
本発明によれば、遊技板の裏面に傷や押圧跡が全く付かないように成形することを可能にするが、透明性、透光性の遊技板であっても、例えば、非遊技領域11のように、透明性、透光性を必要とせず押圧跡があっても支障がないような部位を突出ピンによって補助的に押圧することで遊技板を離型させてもよい。例えば、図8に示したように、突出プレート37上に突出ピン40を設け、該突出ピン40を遊技領域成形用型板30に貫通させて遊技板の裏面に対向させ、油圧シリンダ38を作動させることにより外周域成形用型板35が突き出されるのと同時に該突出ピン40が突き出されるようにする。このように、突出ピン40を併用することによっても、面積の広い大型の遊技板を変形のおそれなく高精度に成形することができる。なお、図8について図7と同一符号は同一部分を示す。
実施例1に示した射出成形用金型は、固定型20に遊技板1の遊技領域2を含む前面全体を成形するため型面22を形成し、可動型21にコア部23〜25、遊技領域成形用型板30および外周域成形用型板35を設けたが、本発明の実施例2として図9〜図12に示した射出成形用金型は、固定型20にコア部23〜25、遊技領域成形用型板30および外周域成形用型板35を設け、可動型21に型面22を形成したものである。即ち、この実施例では、可動型21に平面状の型面22を形成する一方、固定盤18の前面に桁部材19aを介して固定型20を固設し、該固定型20に開口3〜5を形成するためのコア部23〜25を形成するとともに、該固定型20前面の凹窪部26に遊技領域成形用型板30を進退動可能に設け、該型板30の背後に突出棒31を設け、該突出棒31を突出させるために該突出棒31と突出プレート32と油圧シリンダ33とにより先行離型手段を構成し、さらに、該遊技領域成形用型板30に対して独立して進退動可能なるように外周域成形用型板35を設け、該型板35の背後に突出棒36を設け、該突出棒36を突出させるために該突出棒36と突出プレート37と油圧シリンダ38とにより後行離型手段を構成し、該油圧シリンダ38を油圧シリンダ33が作動した後に作動するよう設定したものである。なお、20bはキャビティーに樹脂を射出するためホットランナ20aと連通するように固定盤18の前面に突出するように設けられた射出ノズルである。その他、この実施例2における実施例1と同一符号は同一部分または相当部分を示す。
このように構成した射出成形用金型では、図10に示したように可動盤19、可動型21を後退させ型開した状態にて、図11に示したように、先ず油圧シリンダ33を作動させることにより、突出プレート32を介して突出棒31を突出させ遊技領域成形用型板30と外周域成形用型板35とを同時に一体的に突き出し、コア部23〜25から遊技板1を離脱させる。このとき遊技領域成形用型板30と外周域成形用型板35とが該遊技板1の裏面全体を押圧することにより押圧力が分散され、遊技領域2の裏面を傷付けたり、押圧跡を残すおそれがない。その後、油圧シリンダ38を作動させ、図12に示したように、外周域成形用型板35のみをさらに突き出し、該外周域成形用型板35によって遊技板1の外縁リブ10の端面を押圧することにより該遊技板1を遊技領域成形用型板30から離脱させる。
また、図13〜図16に示した実施例3は、実施例2と同様に、固定型20にコア部23〜25、遊技領域成形用型板30および外周域成形用型板35を設け、可動型21に型面22を形成したものであるが、油圧シリンダ33と突出プレート32と突出棒31とからなる先行離型手段を作動させることにより図15に示したようにコア部23〜25が後退動し、その後に油圧シリンダ38と突出プレート37と突出棒36とからなる後行離型手段を作動させることにより図16に示したように外周域成形用型板35が突出するように構成したものである。このような型構造とした場合にも裏面に傷や押圧跡がない遊技板1を成形することができる。この実施例3についても実施例1、2と同一符号は同一部分または相当部分を示す。
なお、この実施例3に場合も実施例1と同様に、油圧シリンダ38を作動させることにより外周域成形用型板35が突出されるのと同時に突出ピンが突出されるようにしてもよい。この場合に、突出ピンを非遊技領域11に配置することにより、遊技領域2に押圧跡を残さないようにすることができる。
なお、実施例2および実施例3では、図17に拡大図を示したように、遊技板1の外縁リブ10の外周面がテーパ面状に形成され、該テーパ面に外周域成形用型板35を係合させることで、遊技板1を押し出し得るようにしている。このようにテーパ面状に形成することにより、遊技板1が外周域成形用型板35から離脱し易くなる。
以上、実施例について説明したように本発明は、遊技板の前面全体を成形するための型面22が固定型20または可動型21のいずれか一方に形成され、コア部23〜25、遊技領域成形用型板30および外周域成形用型板35が該型面22と相対する固定型20または可動型21に設けられる。即ち、固定型20または可動型21を一方型とし、該一方型と相対する固定型または可動型を他方型とすると、一方型に型面22を形成し、他方型にコア部23〜25、遊技領域成形用型板30および外周域成形用型板35を設ければよい。そして、先行離型手段を作動させて遊技領域成形用型板30と外周域成形用型板35とを同時に一体的にコア部23〜25に対して相対的に突き出すことにより該コア部から遊技板1を離脱させた後、後行離型手段を作動させて外周域成形用型板35を遊技領域成形用型板30からさらに相対的に突き出して該遊技板1を遊技領域成形用型板30から離脱させることにより、遊技領域に傷や押圧跡のない合成樹脂製の遊技板1を射出成形により効率よく製造することを可能にする。
1 遊技板
2 遊技領域
3〜7 開口
10 外縁リブ
11 非遊技領域
20 固定型
21 可動型
22 型面
23〜25 コア部
26 凹窪部
30 遊技領域成形用型板
31 突出棒
32 突出プレート
33 油圧シリンダ
35 外周域成形用型板
36 突出棒
37 突出プレート
38 油圧シリンダ

Claims (2)

  1. 固定型または可動型を一方型とし、該一方型と相対する固定型または可動型を他方型とする射出成形用金型により、遊技領域に遊技部品を取り付けるための開口が形成され、外周縁に額縁状の外縁リブが形成される合成樹脂製の遊技板を成形する方法であって、前記遊技領域を含む遊技板の前面全体を成形するための型面が一方型に形成され、前記開口を形成するコア部が他方型に設けられ、前記遊技領域の裏面を成形する遊技領域成形用型板が前記コア部の外周に前記コア部に対して相対的に進退動可能なるように他方型に設けられ、さらに該遊技領域成形用型板とともに前記外縁リブを成形する外周域成形用型板が該遊技領域成形用型板に対して独立して相対的に進退動可能なるように他方型に設けられ、遊技領域成形用型板と外周域成形用型板とを同時に一体的に前記コア部に対して相対的に突き出すことにより前記コア部から遊技板を離脱させ、その後に外周域成形用型板を遊技領域成形用型板からさらに相対的に突き出すことにより該遊技板を遊技領域成形用型板から離脱させることを特徴とした遊技板の成形方法。
  2. 遊技領域に遊技部品を取り付けるための開口が形成され、外周縁に額縁状の外縁リブが形成される合成樹脂製の遊技板を成形する射出成形用金型であって、該射出成形用金型は固定型または可動型を一方型とし該一方型と相対する固定型または可動型を他方型とし、前記遊技領域を含む遊技板の前面全体を成形するための型面が一方型に形成され、前記開口を形成するコア部が他方型に設けられ、前記遊技領域の裏面を成形する遊技領域成形用型板が前記コア部の外周に前記コア部に対して相対的に進退動可能なるように他方型に設けられ、さらに該遊技領域成形用型板とともに前記外縁リブを成形する外周域成形用型板が該遊技領域成形用型板に対して独立して相対的に進退動可能なるように他方型に設けられ、遊技領域成形用型板と外周域成形用型板とを同時に一体的に前記コア部に対して相対的に突き出すことにより前記コア部から遊技板を離脱させる先行離型手段と、該先行離型手段が作動した後に外周域成形用型板を遊技領域成形用型板からさらに相対的に突き出すことにより該遊技板を遊技領域成形用型板から離脱させる後行離型手段を備えてなることを特徴とした遊技板成形用金型。
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