JP2005276770A - 燃料電池用セパレータ、並びにその製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成形時におけるイジェクトピン跡の生成、更には燃料電池用セパレータの破損を防止し、イジェクトピン跡の無い高性能の燃料電池用セパレータを提供する。
【解決手段】 枠体23と底面22とが別体で構成される金型を用い、成形後に前記底面22の上面を少なくとも前記枠体23の上端面まで押し上げた後、前記成形体を前記金型から脱型して、イジェクトピン跡の無い燃料電池用セパレータを得る。
【選択図】 図2

Description

本発明は燃料電池用セパレータ、並びにその製造方法及び製造装置に関する。
例えば図1に概略的に上面図にて示すように、燃料電池用セパレータ10は、所定間隔で複数の隔壁11を立設して形成されている。燃料電池とするには、多数の燃料電池用セパレータ10を、隔壁11の突出方法(図中、紙面手前側)に積層する。そして、この積層により、隣接する一対の隔壁11で形成されるチャネル12が水路またはガス路となり、反応ガス(水素や酸素)を流通させる構成となっている。この水路またはガス路が設けられている部分を集電部と呼ぶ。この外縁部にマニホールド13と呼ばれる穴が設けられており、ここからチャンネルにガスまたは水が供給される。
燃料電池用セパレータは、樹脂材料と、黒鉛等の導電性材料とを含有する導電性樹脂組成物を上記したような形状に成形して製造される。成形方法として、導電性樹脂組成物を金型に充填して熱間でプレスする熱圧縮成形によるものが一般的であるが、熱圧縮成形は生産性が低いため、生産性の向上を目的として、近年は射出成形により燃料電池用セパレータを成形することが試みられている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
射出成形では、成形後に、金型に設けられたイジェクトピンにより成形体を押し上げ、金型から脱型することが一般的である(例えば、特許文献4参照)。しかし、射出成形を行うために導電性樹脂組成物は流動性が高くなるように調製されており、成形体も軟質であるため、成形体にはイジェクトピンの痕跡が残りやすい。また、樹脂材料として熱硬化性樹脂を用いた場合は、成形に際して、未硬化状態の樹脂の軟化温度以上にシリンダーで加熱し、シリンダー温度よりも高い温度の金型内で硬化させるために高い金型温度が必要であり、成形体も脱型時における温度が高く、イジェクトピン跡が更に残り易くなっており、脱型時にイジェクトピンが成形体を突き破り破損することもある。特に燃料電池用セパレータの集電部分は、外周部分と比較して厚さが薄く、破損が発生しやすい。
そして、イジェクトピン跡が存在すると、燃料電池スタックを組み立てた際、セパレータ同士あるいはMEA表面に設けられた拡散層と燃料電池用セパレータとの接触面積が低下して接触抵抗が増大する、または、水路やガス路に段差が生じるためガスや冷却水の流速が低下する等の原因で発電性能の低下をもたらす可能性がある。特に、イジェクトピン跡の段差が0.01mmを超える場合は、上記の不具合が発生しやすい。更には、イジェクトピン跡を起点にしてクラックが発生し、ガスが漏れる可能性もあり、特に集電部のイジェクトピン跡の存在は燃料電池用セパレータとしては致命的な欠陥となり得る。
また、導電性材料として膨張黒鉛を用いた燃料電池用セパレータは、高い導電性が発現する反面、導電性樹脂組成物が柔軟であるが故に射出成形で成形する場合は、上記したイジェクトピン跡が更に残り易く、脱型時に破損しやすくなる。
特開2003-338294号公報 特開2003-297386号公報 特開2003-242994号公報 特開2003-338294号公報
上述したように、従来の射出成形による燃料電池用セパレータの製造においては、脱型に使用されるイジェクトピンの痕跡が燃料電池用セパレータに残存したり、燃料電池用セパレータが破損に至るおそれもある。そこで、本発明は、成形時におけるイジェクトピン跡の生成、更には燃料電池用セパレータの破損を防止し、イジェクトピン跡の無い高性能の燃料電池用セパレータを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下を提供する。
(1)樹脂と導電性材料とを含有する導電性樹脂組成物を射出成形して燃料電池用セパレータを製造する方法であって、
枠体と底面とが別体で構成される金型を用い、成形後に前記底面の上面を少なくとも前記枠体の上端面まで押し上げた後、前記成形体を前記金型から脱型することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
(2)前記底面が複数に分割され、かつ、前記成形体を押し上げる部分が、成形体に対する投影面積で20〜100%の面積を有する金型を用いることを特徴とする上記(1)記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
(3)樹脂と導電性材料とを含有する導電性樹脂組成物を射出成形して燃料電池用セパレータを製造するための装置であって、
枠体と底面とが別体で構成される金型を具備し、成形後に前記底面の上面を少なくとも前記枠体の上端面まで押し上げる機構を備えることを特徴とする燃料電池用セパレータの製造装置。
(4)前記金型の前記底面が複数に分割され、かつ、前記成形体を押し上げる部分が、成形体に対する投影面積で20〜100%の面積を有することを特徴とする上記(3)記載の燃料電池用セパレータの製造装置。
(5)樹脂と導電性材料とを含有する導電性樹脂組成物を射出成形して燃料電池用セパレータを製造するための装置に組み込まれる金型であって、
枠体と底面とが別体で構成され、かつ、前記底面が昇降可能に構成されていることを特徴とする金型。
(6)前記底面が複数に分割され、かつ、成形体に対する投影面積で20〜100%の面積を有する押し上げ部分を備えることを特徴とする上記(5)記載の金型。
(7)上記(1)または(2)に記載の製造方法、または上記(4)または(5)に記載の製造装置により成形される燃料電池用セパレータであって、
熱硬化性樹脂と導電性材料とを含有し、かつ、集電部の脱型痕跡の段差が0.01mm以下であることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
(8)熱硬化性樹脂と導電性材料が、重量比で、熱硬化性樹脂:膨張黒鉛=20:80〜60:40であり、かつ、導電性材料の5〜100質量%が膨張黒鉛であることを特徴とする上記(7)記載の燃料電池用セパレータ。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明における導電性材料は、具体的には膨張黒鉛、鱗辺状人造黒鉛、球状人造黒鉛、天然の鱗辺状黒鉛、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドライクカーボン、フラーレン、カーボンナノホーン等を指すがこれらに限定されない。中でも、膨張黒鉛を必須の成分とすることが好ましい。
通常の鱗辺状黒鉛は薄板状の結晶が積層されたものである。これに対して、膨張黒鉛とは、鱗片状黒鉛を濃硫酸や硝酸や過酸化水素水等で処理し、薄板状結晶の隙間にこれら薬液をインターカレートさせ、さらに加熱してインターカレートされた薬液が気化する際に薄板状結晶の隙間を広げることによって得られる黒鉛を指す。膨張黒鉛は、鱗片状黒鉛や球状黒鉛と比較して嵩密度が低く、表面積が大きく、粒子はより薄い薄板状となっている。このため、樹脂と混合した際に容易に導電パスを形成し、高導電性の燃料電池用セパレータを得ることが出来る。また、膨張黒鉛は薄板状となっているため、人造黒鉛や天然黒鉛と比較して柔軟であり、これを使用する燃料電池用セパレータも柔軟なものとなる。
導電性材料の全てを膨張黒鉛としてもよく、一部を膨張黒鉛とし、それ以外を上述した他の導電性材料としても良い。併用する場合、全導電性材料中の膨張黒鉛の割合は好ましくは5〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%、特に好ましくは40〜60重量%である。膨張黒鉛の比率が低い場合は、導電性が低くなり、柔軟性に劣る。また、膨張黒鉛は嵩密度が低いため、膨張黒鉛の比率が高い場合はコンパウンド作製の混練時の材料ハンドリング性が悪く、作業環境を汚す懸念がある。
本発明で使用する熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等が挙げられるがこれらに限定されない。これらを混合して使用することも出来る。特にフェノール樹脂またはエポキシ樹脂は強度の高い燃料電池用セパレータが得られるため好ましい。
フェノール樹脂としては、従来公知のものとしてレゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されず、いずれのフェノール樹脂を用いても良い。ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤を用いることも可能である。
エポキシ樹脂としては、従来公知のものとしてビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられるがこれらに限定されない。
エポキシ樹脂は、硬化剤と反応することによって、エポキシ硬化物を生成する。硬化剤も各種公知の化合物を使用することができる。例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N-アミノエチルピペラジン、m-キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の脂肪族、脂環式、芳香族のポリアミンまたはその炭酸塩;無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、ポリアゼライン酸無水物等の酸無水物;フェノールノボラック、クレゾールノボラックのようなポリフェノール;ポリメルカプタン;トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、イミダゾール、エチルメチルイミダゾール等のアニオン重合触媒;BF3やその錯体のようなカチオン重合触媒;さらには熱分解や光分解によって上記化合物を生成する潜在性硬化剤等が挙げられるが、これらに限定されない。複数の硬化剤を併用することもできる。上記の内、ポリアミンやその炭酸塩、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等の硬化剤は、自身がエポキシ化合物と重付加反応してエポキシ硬化物を構成するので、重付加型硬化剤と呼ばれる。重付加型硬化剤の過不足は未反応官能基の残存につながる故、添加量には適正域が存在する。一般に、エポキシ樹脂前駆体のエポキシ基1個当たり0.7〜1.2当量の、特に0.8〜1.1当量の重付加型硬化剤を使用するのが好ましい。一方、アニオン重合触媒及びカチオン重合触媒は、エポキシ基の付加重合触媒として作用するものであり、それ故、適正添加域は存在せず、添加量は反応速度に応じて決定することができる。これら触媒は、触媒型硬化剤あるいは付加型硬化剤と呼ばれる。また、これら触媒を重付加型硬化剤と併用して用いる場合は、重合付加型硬化剤による硬化反応を促進させるため、硬化促進剤とも呼ばれる。
尚、先記したように、本発明において熱硬化性樹脂量とは、使用した熱硬化性樹脂と硬化剤及び硬化促進剤との合計重量に等しい。これら硬化剤の種類、量と熱硬化性樹脂樹脂の種類、硬化促進剤の種類、量を種々に選択することにより、熱硬化性樹脂樹脂の硬化速度を任意に変化させることができる。当業者であれば、所望の硬化条件に合わせ、熱硬化性樹脂や硬化剤や硬化促進剤の種類及び使用量を決定することは容易であろう。
本発明では、熱硬化性樹脂と導電性材料との比率は、重量比で、熱硬化性樹脂:膨張黒鉛=20:80〜60:40とすることが好ましい。熱硬化性樹脂の比率がこれより高すぎる場合は、導電性が低下する。一方、導電性材料の比率がこれより高すぎる場合は強度が低くなり、また、コンパウンドの流動性が低くなるため、金型内に射出した再に金型内で成形材料の圧力分布が大きくなり、得られる燃料電池用セパレータの寸法精度が悪くなる。
本発明では、カルナバワックス等の滑剤を添加して、成形加工時に金型への貼りつきを防止することも可能である。滑剤としてはステアリン酸やモンタン酸ワックスやこれらの金属塩等の使用も可能である。また、導電性を低下させない範囲で、ガラス繊維、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム等の無機充填材や、木粉等の有機充填材、可塑剤を添加することも可能である。
上記の導電性樹脂組成物は、種々の慣用の方法によって製造することができる。例えば、熱硬化性樹脂と導電性材料等とをドライミックスして得ることができる。また、熱硬化性樹脂を加熱溶融または溶剤に溶解させて、導電性材料等を添加してもよい。また、ドライミックスによって予備混合を行った材料を加熱溶融させる等、複数の混合方法を併用しても良い。
混合に使用する装置としては各種の混合装置を使用することができる。例えば、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー、プラネタリーミキサー、モルタルミキサー、コーンミキサー、Vミキサー、加圧ニーダー、パドルミキサー、二軸押出機、単軸押出機、バンバリーミキサー、二本ロールミル、三本ロールミル等が挙げられるがこれらに限定されない。さらに必要に応じて、混合した材料を粉砕又は造粒化さらに分級することもできる。
こうして得られた導電性樹脂組成物は、射出成形によって所望の形状に成形される。射出成形は公知の技術であり、射出成形条件は使用する熱硬化性樹脂の粘度や硬化特性から適宜設定すればよい。
一般的には、シリンダー温度はホッパ下からノズルに向かって段階的に温度を高く設定する。ホッパ下の設定温度は好ましくは30℃〜80℃、さらに好ましくは40〜60℃である。ホッパ下の温度が高すぎる場合は、射出成形時にシリンダー内で樹脂が逆流し、金型のキャビティに材料が充填できない場合がある。また、ホッパ下の温度が低すぎる場合は、スクリューでシリンダーの先端に移送されたコンパウンドが十分に溶融せず、コンパウンドの流動性が不足して金型のキャビティに材料が充填できない場合がある。また、ノズル部の温度は好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは70〜100℃である。ノズル部の温度が高すぎる場合は、シリンダー内で樹脂が硬化し、シリンダーから材料が射出できなくなる場合がある。また、ノズル部の温度が低すぎる場合は、コンパウンドが十分に溶融せず、コンパウンドの流動性が不足して金型のキャビティに材料が充填できない場合がある。
金型温度は好ましくは150〜200℃、さらに好ましくは160〜190℃である。金型温度が低すぎる場合は、材料の流動性が不足して金型のキャビティに材料が充填できない場合が発生したり、硬化に長時間要する。また、金型温度が高すぎる場合は金型への射出開始から硬化による流動停止までの時間が短くなるため、金型のキャビティに材料が充填できなくなる場合がある。
その他の成形条件としては、射出圧力10〜150MPa、硬化時間20秒〜10分の条件で成形し得るが、シリンダー温度や金型温度と同様に使用する樹脂の種類、硬化剤、硬化促進剤、成形体の形状により適宜条件を設定すればよい。
本発明では金型を閉じた状態で金型内に材料を射出する通常の射出成形以外に、金型を開いた状態で材料を射出し、射出中または射出完了後の型締めを行う射出圧縮成形を行っても良い。通常の射出成形を行うか射出圧縮成形を行うかは、成形体の形状や使用する射出成形機の構造から適宜選択すればよい。また、射出成形後、必要に応じて二次架橋や切削加工を等の処理を施しても良い。
本発明では、上記の射出成形を、後述するような枠体と底部とが別体で、底部が押し上げ可能に構成された金型を用いて行う。ここで、底部は分割されていてもよく、押し上げ部分の面積を、燃料電池用セパレータの投影面積の20〜100%とする。従来のイジェクトピンでは、燃料電池用セパレータの投影面積に占める突き出し部分の面積は概ね10%以下である。以下に、金型の具体例を図面を基に説明する。
図2は金型を閉じた状態を示し、図中の符号21はキャビティ、22は昇降可能な底部、23は枠体であり、底部22及び枠体23で構成される移動側金型の上に、固定側金型24が配置される。金型を閉じた状態、すなわち移動側金型と固定側金型24とが接した状態で、金型に設けられたスプルー、ランナー、ゲート(図示せず)を介して射出成形機のシリンダーから材料がキャビティ21内に射出され、キャビティ21が成形材料で満たされる。成形材料は金型内で加熱され、熱硬化性樹脂が硬化して成形体となる。この後に金型を開き、突き出し動作により、脱型、すなわち成形体が金型から取り出される。
図3は充填された成形材料が硬化して成形体(即ち、燃料電池用セパレータ)31となり、固定側金型24を開いた状態を示す図であり、本発明では、その後、図4に示すように、底部22を押し上げて成形体31を枠体23の上方に露出させる。次いで、成形体31を底部22から取り除く。このような脱型操作によれば、成形体が全面で押し挙げられるため、従来のようなイジェクトピン跡が発生することがない。
ここで、成形体の投影面積に対して押し上げ部分の面積が広いほど、成形体31の破損や変形を防ぐことが容易となるが、金型構造の制約上、底部22の全体を押し上げることが難しい場合は、底部22の一部を押し上げればよい。図5及び図6は、底部22の一部を押し上げ可能にした例を示している。図5は成形体31の中央部分を押し上げる構成としたもので、図6は成形体31の周縁部分を押し上げる構成としている。尚、符号51は、押し上げに関与しない部分である。
但し、このような部分的に押し上げる場合は、押し上げ部分の面積を、成形体31の投影面積に対して20%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上とし、特に好ましくは90%以上とする。押し上げ部分の面積が上述した範囲より狭い場合は、金型の押し上げ部分と成形体31との接触部分の面圧が高くなり、成形体31に接触部分の跡が残ったり、あるいは脱型時にそこから亀裂が発生する場合がある。
また、図7に示すように、成形体31の中央部分を押し上げ部分で押し上げ、更に成形体31の周縁部分をイジェクトピン61による押し上げを行うこともできる。但し、イジェクトピン61は、イジェクトピン跡が残ることを考慮して、集電部には配置しないことが好ましい。
また、図8に示すように、底部22全体で成形体31を押し上げた後、成形体31をこの底部22から分離させるために、底部22に設けられたイジェクトピン61で成形体31を押し上げる、所謂2段方式の押し上げを行うこともできる。但し、この場合も、イジェクトピン61は集電部ではなく、外縁部に配置することが好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜3)
表1に示す配合に従い、材料合計500gを10Lのヘンシェルミキサーで予備混合した後、1Lの加圧ニーダーで、チャンバー温度100℃で5分間混練した。これを粉砕機で粒径約2mmの粒子状に粉砕し、成形材料とした。射出成形機は型締め力80tの熱硬化性樹脂用成形機(菱屋精工製)を用い、シリンダー温度はホッパ下50℃、ノズル温度は90℃とし、金型温度は170℃とし、射出速度20mm/sec、硬化時間180秒とした。成形圧力は10〜200MPaの範囲で適宜設定した。このような条件で、成形材料を、1辺100mm、厚さ2mmの正方形薄板状の形状に射出成形した。
金型は、実施例及び比較例2については、1辺の長さが25mm、50mm、75mm及び100mmの正方形の押し上げ部分を備えるものを用いた。尚、成形体の投影面積に占める割合は、一辺が25mmの場合は6.25%、50mmの場合は25%、75mmの場合は56.25%、100mmの場合は100%である。また、比較例1及び3では、直径3mmのイジェクトピンを成形体の四隅及び中央部の計5個所に配置した金型を用意した。この比較用の金型では、成形体の投影面積に占める押し上げ部分の面積比は0.12%である。
成形体の脱型を行い、成形体の破損、並びに押し上げに伴う痕跡の有無を目視にて確認した。それぞれの結果を表1に併記する。
また、成形体から試験片を切り出して試験体とし、導電性を評価した。評価は、図9に示すように、試験体91を、カーボンペーパー92を介して電極93にセットし、電極間に流した電流とカーボンペーパー間の電圧から、電気抵抗を計算し、その値に試験体91の面積を掛けて貫通方向の抵抗率とした。尚、図中の符号94は電流発生器、95は電圧計である。結果を表1に併記する。
Figure 2005276770
表1に示すように、実施例1〜3、比較例1及び比較例2は配合は同一であり、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂、導電性材料として膨張黒鉛を使用している。また、これらは、押し上げ部分の形状または成形体の投影面積に対する押し上げ部分の面積比が異なる。実施例4と実施例5は、何れも熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用しているが、実施例4では膨張黒鉛のみを使用し、実施例5では膨張黒鉛と人造黒鉛とを50:50の比率でブレンドしたものを使用している。比較例3と比較例4は人造黒鉛のみを使用しており、更に比較例3はイジェクトピンで押し上げを行っている。
本発明に従う各実施例は、何れも押し上げ動作により成形体が破損することもなく、押し上げ跡も確認されなかった。更には、何れも低い電気抵抗を保持しており、燃料電池用セパレータとしては好ましい。
一方で、比較例1は実施例1〜3と同一の配合であるにもかかわらず、イジェクトピンにより押し上げているため、イジェクトピンが成形体を突き破り、成形体を取り出すことは出来なかった。また、比較例2は実施例1〜3と同一の配合であるにもかかわらず、押し上げ部分の面積比が本発明の範囲よりも小さいため、比較例1のような成形体を突き破る現象は見られなかったが、成形体の押し上げ部分に0.01mmを越える大きな段差が見られた。また、比較例3は人造黒鉛のみを導電性材料として用いており、更にイジェクトピンによる押し上げを行っているが、人造黒鉛を用いた成形体は各実施例のような膨張黒鉛を導電性材料として使用したものと比較して剛直であるため、イジェクトピンによる押し上げでも脱型することが出来たが、段差0.01mmを越えるイジェクトピン跡が残っており、更に、成形体の電気抵抗が高く燃料電池用セパレータとしては問題がある。即ち、導電性材料として人造黒鉛のみを用いればイジェクトピンによる押し上げで脱型可能であるが、段差0.01mmを超えるイジェクトピン跡が成形体に残り、更には電気抵抗が高くなるという問題がある。
以上の結果から、本発明によれば、成形時の破損や押し上げに伴う痕跡の発生を防止し、生産性の高い方法である射出成形により成形することが可能で、低い電気抵抗を有する燃料電池用セパレータが得られることは明らかである。
本発明及び従来の燃料電池用セパレータの一例を示す上面図である。 本発明の金型の一例を示す概略断面図である。 図2の金型を用いて脱型する方法を説明する図である。 図2の金型を用いて脱型する方法を説明する図である。 本発明の金型の他の例を示す概略断面図である。 本発明の金型の更に他の例を示す概略断面図である。 本発明の金型の更に他の例を示す概略断面図である。 本発明の金型の更に他の例を示す概略断面図である。 抵抗率測定方法を表す図である。
符号の説明
10 燃料電池用セパレータ
11 平板部
12 隔壁
13 チャネル
21 キャビティ
22 底部
23 枠体
24 固定側金型
31 成形体(燃料電池用セパレータ)
51 押し上げに関与しない部分
61 イジェクトピン
91 試験体
92 カーボンペーパー
93 電極
94 電流発生器
95 電圧計

Claims (8)

  1. 樹脂と導電性材料とを含有する導電性樹脂組成物を射出成形して燃料電池用セパレータを製造する方法であって、
    枠体と底面とが別体で構成される金型を用い、成形後に前記底面の上面を少なくとも前記枠体の上端面まで押し上げた後、前記成形体を前記金型から脱型することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
  2. 前記底面が複数に分割され、かつ、前記成形体を押し上げる部分が、成形体に対する投影面積で20〜100%の面積を有する金型を用いることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  3. 樹脂と導電性材料とを含有する導電性樹脂組成物を射出成形して燃料電池用セパレータを製造するための装置であって、
    枠体と底面とが別体で構成される金型を具備し、成形後に前記底面の上面を少なくとも前記枠体の上端面まで押し上げる機構を備えることを特徴とする燃料電池用セパレータの製造装置。
  4. 前記金型の前記底面が複数に分割され、かつ、前記成形体を押し上げる部分が、成形体に対する投影面積で20〜100%の面積を有することを特徴とする請求項3記載の燃料電池用セパレータの製造装置。
  5. 樹脂と導電性材料とを含有する導電性樹脂組成物を射出成形して燃料電池用セパレータを製造するための装置に組み込まれる金型であって、
    枠体と底面とが別体で構成され、かつ、前記底面が押し上げ可能に構成されていることを特徴とする金型。
  6. 前記底面が複数に分割され、かつ、成形体に対する投影面積で20〜100%の面積を有する押し上げ部分を備えることを特徴とする請求項5記載の金型。
  7. 請求項1または2に記載の製造方法、または請求項4または5に記載の製造装置により成形される燃料電池用セパレータであって、
    熱硬化性樹脂と導電性材料とを含有し、かつ、集電部の脱型痕跡の段差が0.01mm以下であることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  8. 熱硬化性樹脂と導電性材料が、重量比で、熱硬化性樹脂:膨張黒鉛=20:80〜60:40であり、かつ、導電性材料の5〜100質量%が膨張黒鉛であることを特徴とする請求項7記載の燃料電池用セパレータ。


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