JP2013186948A - 燃料電池セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】熱硬化性樹脂と黒鉛からなる材料を基本的に用いながら、従来より高い温度である中温においても良好なガス透過性を発揮することができるように改善され、中温型固体高分子形燃料電池に好適に適用可能となる燃料電池セパレータを提供する。
【解決手段】燃料電池セパレータにおいて、膨張黒鉛Bと黒鉛Cと熱硬化性樹脂Jとを有し、膨張黒鉛Bの重量%が15%以上かつ65%以下であり、黒鉛Cの重量%が15%以上かつ70%以下であり、熱硬化性樹脂Jの重量%が7%以上かつ30%以下にそれぞれ設定されている原料から成る。
【選択図】図6

Description

本発明は、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(エネファーム)や、家庭用燃料電池システムに用いられる固体高分子形燃料電池(PEFC)などにおいて好適に使用される燃料電池セパレータに関するものである。
節電を目的とする家庭用燃料電池コージェネレーションシステムにおいては、都市ガス・LPガス・灯油などから、改質器を用いて燃料となる水素を取り出し、空気中の酸素と反応させて発電するシステムで、発電時の排熱を給湯に利用する。なお、発電の際には水素を用いるため二酸化炭素が発生しないが、改質で水素を取り出す過程では二酸化炭素が排出される。燃料電池には、主に固体高分子形燃料電池が使用される。
家庭用燃料電池コージェネレーションシステムには、下記1.〜6.のような利点があり、今後の展望が期待されている。
1.発電で発生した排熱を直接利用できるため、排熱を利用しないタイプの火力発電や原子力発電と比べて発電時のエネルギー利用効率が高い。
2.自宅で発電をするため、送電ロスがほぼない。
3.ガス会社によっては専用料金メニューを用意しており、ガス料金の割引を受けられる。
4.給湯時の発電により家庭で使用する4〜6割程度の電力量をまかなえるため、電気料金が安くなる。
5.補助熱源機を組み合わせて使用するため、湯切れの心配がない。
従来からの家庭用燃料電池コージェネレーションシステムは、いわゆる低温型と呼ばれるものである。即ち、低温型家庭用燃料電池コージェネレーションシステムは、80℃程度の温度域で作動するものであって、さらなる普及に向けては、システムの一層の低コスト化と高システム効率化が必要とされている。
しかしながら、低温型の場合には作動温度が低いため、セル・スタックの一酸化炭素(CO)耐性が低く、大きなCO変成器やCO選択酸化器を必要とするばかりではなく、排熱回収系や給湯タンクも大きくなる。さらに、低温型固体高分子形燃料電池の電解質膜は加湿を必要とし、そのために必要となる加湿系も複雑な構成となり、コストの大半を占めるシステムの低コスト化が依然、大きな課題である。
そこで、低温型の弱点を補える中温型のものが提案されてきている。中温型家庭用燃料電池コージェネレーションシステムは、作動温度が低温型よりも高いため、CO耐性が高く、排熱温度も高いため排熱回収系や給湯タンクがコンパクトになる。また、電解質膜の加湿も必要なく、低温型より低コスト化が図れる可能性が高い。85〜200℃の温度域で作動する中温型の場合には、燃料電池からの排熱によって蒸気を作ることができ、燃料利用率を高めることも可能である。
さて、上述のような家庭用燃料電池コージェネレーションシステムであるが、その固体高分子形燃料電池に使用される燃料電池セパレータについては、次のような経緯がある。
一般に、燃料電池セパレータとは、MEA(膜・電極接合体)を適切に燃料電池セル(燃料電池セパレータの間にMEAを挟み込んだ単位体)内に保持するとともに前記電気化学反応に必要な燃料(水素)及び空気(酸素)を供給する役割、さらには燃料電池として機能するための電気化学反応により得られた電子を損失なく集電する役割等を担っている。これらの役割を担うために燃料電池セパレータには、ガスの通り難さを示す「ガス透過」、機械的強度を示す「曲げ強度」、導電性を示す「接触抵抗」、成形加工性を示す「成形性」という各特性が要求される。
従来、固体高分子形燃料電池用の燃料電池セパレータの材料としては、コスト的な問題から近年ではフェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と黒鉛とのコンパウンドを成形材料としており、そのコンパウンドを圧縮成形することによって燃料電池セパレータとする手段が採られていた。このように、熱硬化性樹脂と黒鉛との混合材料(ボンドカーボン)で燃料電池セパレータを形成する例としては、特許文献1や特許文献2において開示されたものがある。
ところが、低温型固体高分子形燃料電池に使用されていた上記従来の燃料電池セパレータを、より効率に優れる中温型固体高分子形燃料電池に組み込んで使用してみたところ、ガス透過が要求される性能を満足できないことがわかってきた。原因を検討したところ、熱硬化性樹脂は、85〜200℃で規定される中温では分子移動が活発化されて間隔が広狭に変化するため、ガスが通り易くなってしまうと考えられる。
特開2000−077079号公報 特開2003−048934号公報
本発明の目的は、熱硬化性樹脂と黒鉛からなる材料を用いながら、従来より高い温度である中温においても良好なガス透過性を発揮することができるように改善され、中温型固体高分子形燃料電池に好適に適用可能となる燃料電池セパレータを提供する点にある。
請求項1に係る発明は、燃料電池セパレータにおいて、膨張黒鉛Bと黒鉛Cと熱硬化性樹脂Jとを有し、前記膨張黒鉛Bの重量%が15〜%65に、かつ、前記黒鉛Cの重量%が15〜70%に、かつ、前記熱硬化性樹脂Jの重量%が7〜30%にそれぞれ設定されている原料から成ることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の燃料電池セパレータにおいて、前記熱硬化性樹脂Jは、フェノール樹脂とエポキシ樹脂と不飽和ポリエステル樹脂とポリイミドとのうちの何れかが選択されていることを特徴とするものである。
前述したように、熱硬化性樹脂は、85〜200℃の中温で分子移動が活発化されて間隔が広狭に変化するため、ガスが通り易くなってしまうが、請求項1の発明によれば、これが改善されるようになる。即ち、膨張黒鉛と黒鉛という2種の黒鉛を使用することで、図6(a)に示すように、比較的硬い黒鉛の間に比較的柔らかい膨張黒鉛が入り込む状況となり、従来に比べて複雑な黒鉛配向を示すようになる。これにより、セパレータに求められるガス透過、曲げ強度の各要求特性の向上が得られ、従来よりも高温となる中温においても特性を満足できるようになった。
つまり、柔らかい膨張黒鉛が15〜65重量%の範囲で添加されることにより、加圧加熱成形時に、柔らかい膨張黒鉛が硬い黒鉛の間に入り込んだり纏わり付いたりしながら方向性が出るようになるので、透過経路が複雑に入組んで長くなり、従来に比べてガスが通り難くなるのである。そして、黒鉛の重量%を15〜70%に設定すること、熱硬化性樹脂の重量%を7〜30%に設定することにより、ガス透過、曲げ強度、接触抵抗、成形性におけるいずれかがより改善可能となる。
その結果、熱硬化性樹脂と黒鉛からなる材料を基本的に用いながら、従来より高い温度である中温においても良好なガス透過性を発揮することができるように改善され、中温型固体高分子形燃料電池に好適に適用可能となる燃料電池セパレータを提供することができる。また、請求項2のように、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミドから選択設定することができる。
固体高分子形燃料電池のスタック構造を示す分解斜視図 固体高分子形燃料電池のセパレータを示す正面図 単セルの構成を示す要部の拡大断面図 燃料電池セパレータの成分と物性評価(実施例1〜7) 燃料電池セパレータの成分と物性評価(比較例1〜10) 燃料電池セパレータの断面構造を示し、(a)は発明品、(b)は従来品
以下に、本発明による燃料電池セパレータ(以下、単に「セパレータ」と略称する)の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
最初に、セパレータ、及びそれを備えた固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)の構成及び動作について、図1〜図3を参照して簡単に説明する。固体高分子形燃料電池Eは、電解質膜1とアノード2及びカソード3とセパレータ4,4とから構成される単セル5の複数を積層するとともに、その両端に集電板(図示省略)が配置されたスタック構造のものに構成されている。なお、電解質膜1とアノード2とカソード3とでMEA(膜・電極接合体)が構成される。
電解質膜1は、例えばフッ素系樹脂より形成されるイオン交換膜のことである。アノード2及びカソード3は、炭素繊維糸で織成したカーボンクロスやカーボンペーパー或いはカーボンフェルトにより形成され、電解質膜1を両側から挟んでサンドイッチ構造をなすガス拡散電極のことである。セパレータ4は、サンドイッチ構造のMEAを両側から挟むものである。
セパレータ4は、図2に示すように、その周辺部に、水素ガス孔6,7と酸素ガス孔8,9と冷却水孔10とが形成されており、前記単セル5の複数組を積層した時、各セパレータ4の各孔6,7、8,9、10がそれぞれ固体高分子形燃料電池E内部をその長手方向に貫通して水素ガス供給マニホールド、水素ガス排出マニホールド、酸素ガス供給マニホールド、酸素ガス排出マニホールド、冷却水路が形成されるようになされている。
各セパレータ4は、基本の断面形状が角波型となるように表裏に凸条(リブ)11が形成されており、アノード2と各凸条11とが当接することによる水素ガス流路12、及びカソード3と各凸条11とが当接することによる酸素ガス流路13が形成されている。また、電解質膜1の存在側を内とした場合において、各セパレータ4,4における外向き凸条11の裏側(内側)部分が隣合わされることにより、冷却水孔10を独立した通路に形成することができる。
前記構成の固体高分子形燃料電池Eにおいては、外部に設けられた水素ガス供給装置から供給される水素ガスが、上記水素ガス供給マニホールドを経由して各単セル5の水素ガス流路12に供給される。そして、各単セル5のアノード2側において電気化学反応を呈し、その反応後の水素ガスは、各単セル5の水素ガス流路12から水素ガス排出マニホールドを経由して外部に排出される。
同時に、外部に設けられた酸素ガス供給装置から供給される酸素ガス(空気)が、上記酸素ガス供給マニホールドを経由して各単セル5の酸素ガス流路13に供給される。そして、各単セル5のカソード3側において電気化学反応を呈し、その反応後の酸素ガスは、各単セル5の酸素ガス流路13から上記酸素ガス排出マニホールドを経由して外部に排出される。
前述の電気化学反応に伴い、固体高分子形燃料電池E全体としての電気化学反応が進行して、燃料が有する化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換することで、所定の電池性能が発揮される。この固体高分子形燃料電池Eは、電解質膜1の性質から常温より明確に高い温度範囲で運転されるために発熱を伴う。そこで、固体高分子形燃料電池Eの運転中は、外部に設けられた冷却水供給装置から固体高分子形燃料電池Eに対して冷却水を供給し、これを前記冷却水路に循環させることにより、固体高分子形燃料電池E内部の温度上昇を抑制している。
なお、「常温より明確に高い温度範囲」とは、従来は80℃前後(低温)であったが、本発明においては85〜200℃の範囲(中温)に設定される。
〔実施形態1〕
さて、セパレータ4は、膨張黒鉛Bと黒鉛Cと熱硬化性樹脂Jとを有し、膨張黒鉛Bの重量%が15%以上、かつ、65重量%以下(15wt%≦B≦65wt%)含まれている原料から成る。黒鉛Cの重量%は15〜70%(15wt%≦C≦70wt%)に設定され、熱硬化性樹脂Jの重量%は7〜30%(7wt%≦J≦30wt%)に設定されている。熱硬化性樹脂Jは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミドのうちの何れか一つが選択されている。なお、黒鉛Cは、天然黒鉛Nと人造黒鉛Mの総称である。
実施形態1に係るセパレータ4は、下記a.〜h.の特徴を備えているものである。
a.2種類以上の黒鉛B,Cが混合された黒鉛粉から構成されている。
b.前記2種類以上の黒鉛粉のうちの少なくとも1種類は膨張黒鉛Bの粉である。
c.前記黒鉛粉が樹脂Jで被覆されるように構成されている。
d.前記黒鉛粉が、膨張黒鉛Bの粉と天然黒鉛N(C)の粉とで構成されている。
e.前記膨張黒鉛Bの重量%が15〜65重量%に設定されている。
f.前記天然黒鉛Nの重量%が15〜70重量%に設定されている。
g.前記樹脂Jの重量%が7〜30重量%に設定されている。
h.前記樹脂Jは熱硬化性樹脂(フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル)のうちの少なくとも一つ以上で構成されている。
また、黒鉛(1)である膨張黒鉛Bの粒径d1(単位:μm)は、20〜200μm(20μm≦d1≦200)であるのが好ましく、黒鉛(2)である天然黒鉛Nや人造黒鉛Mの粒径d2(単位:μm)は、20〜200μm(20μm≦d2≦200)であるのが好ましい。
このような構成によるセパレータ4においては、使用時の温度域が85〜200℃の温度領域である中温においても、良好なガス透過(=ガスを透過させ難いこと)を有している。これは、膨張黒鉛と黒鉛という2種類の黒鉛を用いることにより、膨張黒鉛並びに黒鉛の各粒子間の隙間(隙間形状)がより複雑なものとなり、ガスがセパレータ内部をより透過し難くなることの効果である。2種類以上の黒鉛を混合して用いることにより、成形後フクレなどが生じ難い良好な成形性を得ることができる。
フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を含むカーボンセパレータを加圧加熱成形すると、樹脂硬化の際に生じる水が加熱されて蒸気が出て、表面に脹れが生じる不都合がある。これを防ぐには、成形時における材料はガスが透過し易い(ガス透過の値が大きい)状態にする必要がある。反面、成形後にはガスが透過し難い(ガス透過の値が小さい)状態が望ましいという相反する特性が求められる。従って、ガスの通り道を迂回化させる膨張黒鉛の配合割り合いは、ガス透過の上限及び下限に伴って範囲が定まるものとなる。つまり、成形時の蒸気の抜け易さの点から下限(15重量%)が定まり、製品時のガスの抜け難さから上限(65重量%)が定まる。また、膨張黒鉛の存在により、前述の高温領域における曲げ強度が向上する。
膨張黒鉛の重量%が15〜65重量%に設定されることによりガス透過が改善される理由は、次のように考えられる。即ち、所定割合の膨張黒鉛が添加されることにより、加圧加熱成形時に、柔らかい膨張黒鉛が硬い黒鉛の間に入り込んだり纏わり付いたりしながら方向性が出ることによって、透過経路が複雑に入組んで長くなるからである。これにより、ガス透過の値が所定範囲に収まるようになる。
従来におけるセパレータの拡大断面図を図6(b)に、そして、本発明によるセパレータの拡大断面図を図6(a)にそれぞれ示す。ここで示す従来のセパレータは、単一種類の黒鉛C(天然黒鉛N)と樹脂Jとで成形されたものである。本発明によるセパレータ4においては、図6(a)からわかるように、膨張黒鉛B(C)が天然黒鉛N(C)の間を埋めるように流動するために、綿密な構造を示すことで特性が向上した。
次に、実施例1〜7に係るセパレータの成分、作製方法、物性評価などについて、図4を参照して説明する。実施例1〜7によるセパレータは、それらのいずれも前述の特徴a.〜h.を備えている。実施例1では比較的詳しく説明し、実施例2〜8については、実施例1の説明を援用することにより、簡略した説明とする。なお、図4,図5において、ガス透過、曲げ強度,接触抵抗、成形性の各項目においては、それらの目標値を満たすものを合格(○)、目標値を満たさないものを不合格(×)で表すものとする。
〔実施例1〕
実施例1によるセパレータ4は、図4の表に示すように、黒鉛(1)としての膨張黒鉛Bと、黒鉛(2)としての天然黒鉛N(C)と、熱硬化性樹脂Jとしてのフェノール樹脂とを有する材料を用いて形成されている。即ち、膨張黒鉛Bと天然黒鉛Nとフェノール樹脂Jとを混合したコンパウンドを、常温で面圧25MPaにて一次成型体を作製し、その作製された一次成型体を、170℃に加温されている金型に投入し、面圧100MPaで5分間加熱加圧成型を行う。それによって作製されたセパレータ(試験片)4について、ガス透過、曲げ強度、接触抵抗(電気特性)、成形性の各評価を行った。
実施例1のセパレータ4の材料成分及び物性評価は次のとおりである(図4参照)。
(a)成分について
・黒鉛(1):膨張黒鉛B、35重量%
・黒鉛(2):天然黒鉛N、35重量%
・樹脂:フェノール樹脂J、30重量%
(b)物性評価について
ガス透過は、試験条件である80℃及び200℃でそれぞれが5E−11,1E−10(mol・m/m・s・MPa )であり、共に目標値である3E−10未満を満たしている。曲げ強度は、試験条件である80℃及び200℃でそれぞれが70,55(MPa)であり、共に目標値である50超えを満足している。接触抵抗は5(mΩ・cm)であり、目標値である10未満を満足している。成形性は、フクレの有る無しによる判断であり、200℃で25時間という試験条件においてフクレが無く合格である。
〔実施例2〕
実施例2によるセパレータ4は、図4の表に示すように、天然黒鉛N(C)を人造黒鉛M(C)に置き換えるとともに、膨張黒鉛Bが40重量%、人造黒鉛M(C)が40重量%、フェノール樹脂Jが20重量%の原料によるコンパウンドを用いる以外は実施例1による場合と同様にして作製されたものである。実施例2のセパレータ4の物性評価は、ガス透過、曲げ強度、接触抵抗、成形性のいずれも、実施例1の場合と同様に合格である。
〔実施例3〕
実施例3によるセパレータ4は、図4の表に示すように、膨張黒鉛と天然黒鉛とフェノール樹脂との配合比率(それぞれ46.5%,46.5%,7%)が異なる以外は実施例1による場合と同様にして作製されたものである。実施例3のセパレータ4の物性評価は、ガス透過、曲げ強度、接触抵抗、成形性のいずれも、実施例1の場合と同様に合格である。
〔実施例4〕
実施例4によるセパレータ4は、図4の表に示すように、膨張黒鉛と天然黒鉛とフェノール樹脂との配合比率(それぞれ15%,65%,20%)が異なる以外は実施例1による場合と同様にして作製されたものである。実施例4のセパレータ4の物性評価は、ガス透過、曲げ強度、接触抵抗、成形性のいずれも、実施例1の場合と同様に合格である。
〔実施例5〕
実施例5によるセパレータ4は、図4の表に示すように、膨張黒鉛と天然黒鉛とフェノール樹脂との配合比率(それぞれ65%,15%,20%)が異なる以外は実施例1による場合と同様にして作製されたものである。実施例5のセパレータ4の物性評価は、ガス透過、曲げ強度、接触抵抗、成形性のいずれも、実施例1の場合と同様に合格である。
〔実施例6〕
実施例6によるセパレータ4は、図4の表に示すように、膨張黒鉛と天然黒鉛とフェノール樹脂との配合比率(それぞれ40%,40%,20%)が異なる以外は実施例1による場合と同様にして作製されたものである。実施例6のセパレータ4の物性評価は、ガス透過、曲げ強度、接触抵抗、成形性のいずれも、実施例1の場合と同様に合格である。
〔実施例7〕
実施例7によるセパレータ4は、図4の表に示すように、膨張黒鉛と天然黒鉛とフェノール樹脂との配合比率(それぞれ15%,70%,15%)が異なる以外は実施例1による場合と同様にして作製されたものである。実施例7のセパレータ4の物性評価は、ガス透過、曲げ強度、接触抵抗、成形性のいずれも、実施例1の場合と同様に合格である。
〔比較例1〕
比較例1によるセパレータ4は、図5の表に示すように、黒鉛(2)としての天然黒鉛が93重量%、フェノール樹脂が7重量%の割合で混合されたコンパウンドを、常温で面圧25MPaにて一次成型体を作製した。黒鉛(1)は使用されていない。そして、その作製された一次成型体を、170℃に加温されている金型に投入し、面圧100MPaで5分間加熱加圧成型を行う。それによって作製されたセパレータ(試験片)4について、ガス透過、曲げ強度、接触抵抗、成形性の各評価を行った。
比較例1のセパレータ4の材料成分及び物性評価は次のとおりである(図5参照)。
(a)成分について
・黒鉛(1):無し
・黒鉛(2):天然黒鉛N、93重量%
・樹脂:フェノール樹脂J、7重量%
(b)物性評価について
ガス透過は、試験条件が80℃では3E−10未満という目標値を満足する1E−10(mol・m/m・s・MPa )であるが、200℃では5E−10となって不合格である。曲げ強度は、試験条件である80℃及び200℃でそれぞれが55,40(MPa)であり、200℃では不合格である。接触抵抗は5(mΩ・cm)であり、10未満というを目標値を満たしており合格である。成形性は、フクレの有る無しによる判断であり、200℃で25時間という試験条件においてフクレが無く合格である。
〔比較例2〕
比較例2によるセパレータ4は、図5の表に示すように、黒鉛(2)である天然黒鉛を、黒鉛(1)である膨張黒鉛の70重量%、樹脂30%の割合で混合されたコンパウンドに置き換えた以外は比較例1の場合と同じである。その結果、ガス透過、曲げ強度、接触抵抗の各項目については合格であったが、成形性についてはフクレが有り不合格であった。
〔比較例3〕
比較例3によるセパレータ4は、図5の表に示すように、黒鉛(2)である天然黒鉛を人造黒鉛の93重量%に置き換えた以外は比較例1の場合と同じである。その結果、200℃でのガス透過、及び200℃での曲げ強度が不合格であり、それ以外は合格であった。
〔比較例4〕
比較例4によるセパレータ4は、図5の表に示すように、黒鉛(1)である天然黒鉛が40重量%、黒鉛(2)である人造黒鉛が40重量%、フェノール樹脂が20重量%の割合で混合されたコンパウンドを用い、比較例1において記載した場合と同様の製法によって作製されたものである。その結果、比較例3の場合と同様に、200℃でのガス透過、及び200℃での曲げ強度が不合格であり、それ以外は合格であった。
〔比較例5〕
比較例5によるセパレータ4は、図5の表に示すように、黒鉛(1)である膨張黒鉛が47.5重量%、黒鉛(2)である人造黒鉛が47.5重量%、フェノール樹脂が5重量%の割合で混合されたコンパウンドを用いる点以外は比較例1の場合と同じである。その結果、ガス透過、曲げ強度、接触抵抗、成形性の全ての項目において不合格であった。
〔比較例6〕
比較例6によるセパレータ4は、図5の表に示すように、黒鉛(1)である膨張黒鉛が32.5重量%、黒鉛(2)である天然黒鉛が32.5重量%、フェノール樹脂が35重量%の割合で混合されたコンパウンドを用いる点以外は比較例5の場合と同じである。その結果、接触抵抗が不合格であった。
〔比較例7〕
比較例7によるセパレータ4は、図5の表に示すように、黒鉛(1)である膨張黒鉛が10重量%、黒鉛(2)である天然黒鉛が70重量%、フェノール樹脂が20重量%の割合で混合されたコンパウンドを用いる点以外は比較例5の場合と同じである。その結果、200℃でのガス透過、及び200℃での曲げ強度が不合格であった。
〔比較例8〕
比較例8によるセパレータ4は、図5の表に示すように、黒鉛(1)である膨張黒鉛が70重量%、黒鉛(2)である天然黒鉛が15重量%、フェノール樹脂が15重量%の割合で混合されたコンパウンドを用いる点以外は比較例5の場合と同じである。その結果、成形性が不合格であった。
〔比較例9〕
比較例9によるセパレータ4は、図5の表に示すように、黒鉛(1)である膨張黒鉛が65重量%、黒鉛(2)である天然黒鉛が10重量%、フェノール樹脂が25重量%の割合で混合されたコンパウンドを用いる点以外は比較例5の場合と同じである。その結果、200℃でのガス透過、及び200℃での曲げ強度が不合格であった。
〔比較例10〕
比較例10によるセパレータ4は、図5の表に示すように、黒鉛(1)である膨張黒鉛が15重量%、黒鉛(2)である天然黒鉛が75重量%、フェノール樹脂が10重量%の割合で混合されたコンパウンドを用いる点以外は比較例5の場合と同じである。その結果、200℃での曲げ強度が不合格であった。
比較例1〜10によるセパレータが本発明の構成要件を具備していない点については、次のとおりである。比較例1〜3においては黒鉛が単一種類である点であり、比較例4においては膨張黒鉛を有していない点である。比較例5においては熱硬化性樹脂の重量%が7%未満である点であり、比較例6においては熱硬化性樹脂の重量%が30%を超えている点である。比較例7においては膨張黒鉛の重量%が15%未満である点であり、比較例8においては膨張黒鉛の重量%が65%を超えている点である。比較例9では天然黒鉛の重量%が15未満である点であり、比較例10では天然黒鉛の重量%が70%を超える点である。
比較例1,3においては、ガス透過及び曲げ強度が目標値を満たすことができす不合格であるが、これは膨張黒鉛が無いことにより、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)の隙間を埋めて補強する作用が期待できないための考えられる。比較例2における成形時のフクレ発生は、黒鉛が比較的柔らかい膨張黒鉛のみであることに起因すると考えられる。比較例4における中温(200℃のガス透過、200℃の曲げ強度)における不具合は、膨張黒鉛が無いことによる補強効果の不足と考えられる。
比較例5のセパレータは、熱硬化性樹脂の重量%が低いため、全ての基本性能が出ないことであると考えられ、比較例6においては、熱硬化性樹脂の重量%が過剰であることから、接触抵抗が高くなってしまうと考えられる。比較例7においては、膨張黒鉛の重量%が過小であり、比較例1,3の場合と同様にガス透過及び曲げ強度が不合格であり、比較例8においては、膨張黒鉛の過多及び黒鉛の過小により、比較例2の場合と同様に成形性が不合格となっている。
4 燃料電池セパレータ
B 膨張黒鉛
C 黒鉛
J 熱硬化性樹脂

Claims (2)

  1. 膨張黒鉛と黒鉛と熱硬化性樹脂とを有し、前記膨張黒鉛の重量%が15〜%65に、かつ、前記黒鉛の重量%が15〜70%に、かつ、前記熱硬化性樹脂の重量%が7〜30%にそれぞれ設定されている原料から成る燃料電池セパレータ。
  2. 前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂とエポキシ樹脂と不飽和ポリエステル樹脂とポリイミドとのうちの何れかが選択されている請求項1に記載の燃料電池セパレータ。
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