JP4054837B2 - 燃料電池用スタック及び燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料として純水素、あるいは化石燃料等からの改質水素、または、メタノール、エタノールなどの液体燃料を直接用い、空気や酸素を酸化剤とする燃料電池及び燃料電池用スタックに関するものであり、特に固体高分子型燃料電池(PEFC)に関する。
燃料電池、例えば、固体高分子型燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと、空気など酸素を含有する酸化剤ガスとを、電気化学的に反応させることで、電力と熱とを同時に発生させるものである。その構造は、まず、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜の両面に、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒反応層を形成する。次に、この触媒反応層の外面に、ガスの通気性と、電子導電性を併せ持つガス拡散層を形成し、この拡散層と触媒反応層(触媒層)とを合わせて電極とする。この電極及び高分子電解質膜を一体化したものをMEA(膜電極複合体)と呼ぶ。
このようなガス拡散層は、ガス透過性と電子伝導性を有することが必要であり、カーボンペーパー、カーボンクロス(炭素繊維織布)、カーボンフェルトなどの炭素繊維からなる材料が、その基材として用いられる。その基材における触媒層と接する側に、フッ素樹脂などの撥水性樹脂と炭素粉末を主成分とする導電性撥水層を設け、これをガス拡散層とするのが一般的である。導電性撥水層は、高分子電解質膜の保湿、電池反応により生成した余剰の水分の速やかな除去、および基材、すなわちガス拡散層基材による触媒層や高分子電解質膜の損傷回避などのために有効である。
このようなガス拡散層基材としては、例えば、カーボンクロス(以下、炭素繊維織布)やカーボンペーパー(炭素繊維不織布)が一般的に用いられる。炭素繊維織布は織物なので、複数の糸、例えば経糸と緯糸を規則的に組み合わせて構成されたものである。また、炭素繊維不織布は、炭素繊維を不規則に分散させたものである。
MEAの外側には、これを機械的に固定するとともに、隣接したMEAを互いに電気的に直列に接続するための導電性の板状のセパレータを配置する。セパレータのMEAと接触する部分には、電極面に反応ガスを供給し、生成ガスや余剰ガスを運び去るためのガス流路を形成する。ガス流路はセパレータと別に設けることもできるが、セパレータの表面に溝部を設けてガス流路とする方式が一般的である。また、ガス流路に供給される燃料ガスや酸化剤ガスが外部にリークしたり、お互いに混合したりすることを防止するために、セパレータの縁部における電極周囲や燃料ガスや酸化剤ガスのマニホールド周囲に沿ってガスケットが配置されている。このようにして燃料電池の単セルが構成される。
燃料電池用スタックは、このような単セルを複数セル積層し、所定の締結力で締結した積層構造を有するものである。また、このような締結は、セパレータとガス拡散層との接合部などの積層部材間の接触抵抗を低減するとともに、ガス、及び循環水を漏らさないようにシール性を維持することを目的としている。
それぞれの単セルへの燃料ガス及び酸化剤ガスの供給及び排出は、セパレータの側面に形成された燃料ガス入口マニホールドと燃料ガス出口マニホールド、並びに酸化剤ガス入口マニホールドと酸化剤ガス出口マニホールドから行われる。すなわち、燃料ガス及び酸化剤ガスは、スタックの端部に位置される端板に形成された燃料ガス及び酸化剤ガス入口部から一括して供給され、各セルの入口マニホールドからそれぞれのガス流路を通してMEAへ分散して送られ、MEAにて電気化学的に反応させられた後、未反応ガスは各セルの出口マニホールドを通して、端板に形成された燃料ガス及び酸化剤ガス出口から一括して排出される。
このように、固体高分子型燃料電池においては、セパレータの縁部に設けられたマニホールドから各セルに燃料ガス及び酸化剤ガスを並列に分散して供給する方式が採られている。そのため、燃料電池において、セパレータの溝部とガス拡散層とにより形成されるガス流路内へのガス拡散層の垂れ込み量のバラツキや、ガス拡散層のガス透過性のバラツキ等により、各セルの圧力損失が異なると、それぞれのセルに供給されるガス流量がセル毎に異なることとなる。その結果、ガス流量が少ないセルでは、水滴がガス流路を塞ぎ、その塞いだ場所よりも下流側に位置される電極や触媒に対し燃料供給不足が発生するため、徐々に電圧が低下し、またその水滴が排出されると、流路閉塞が解除されるため燃料供給が回復し、電圧が上昇すると言った電圧不安定現象(フラッディング)が発生するという問題がある。
このような問題に対して、特許文献1においては、単セルごとの圧力損失を測定し、圧力損失の大きさに応じてそれぞれのセルを予め定められたランクに分け、同じランクの単セルを集めて燃料電池を製作することにより、それぞれのセル間のガス流量バラツキを低減し、フラッディングを抑制した燃料電池とその製造方法が開示されている。
また、特許文献2においては、ガス拡散層基材の繊維方向をガス流れ方向に対して並行となるようにして、ガス流れ方向に対して直交方向のガス拡散層のガス透過性が、ガス流れ方向のガス拡散層のガス透過性より小さくなるように設定することにより、ガス拡散層を通して隣接するガス流路へのガスリークを抑制することでもって、ガス流路を流れる反応ガスの圧力損失ロスの低減を図り、フラッディングの抑制を試みるような燃料電池が開示されている。
特開2003−151604号公報 特開2004−185936号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法では、それぞれの単セルごとの圧力損失を測定し、その測定結果に基づいて圧力損失の大きさに応じてそれぞれのセルを予め定められたランクに分けるという手間がかかるため、従来よりもコスト、時間がかかり、生産ロスも大きいという問題点がある。
また、上記特許文献2の方法では、ガス拡散層基材における繊維の主方向がガス流路の主方向に対して並行となるため、ガス流路に対して直交する方向におけるガス拡散層基材の剛性が低くなる。その結果、ガス拡散層基材がガス流路内へ垂れ込みやすくなる。従って、各セル間でガス拡散層のガス流路内への垂れ込み量のバラツキなどにより、各セル間の圧力損失バラツキが低減できず、却って耐フラッディング性の向上が妨げられるという問題点がある。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解決することにあって、生産ロスが少なく、各セル間の圧力損失バラツキを低減し、各セルに流れるガス流量を均等にすることで、耐フラッディング性を高めた燃料電池用スタック及び燃料電池を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、高分子電解質膜と、当該高分子電解質膜を挟むように配置されたそれぞれの触媒層と、上記それぞれの触媒層の外側に配置されたガス拡散層との複合体であって、アノード及びカソードのそれぞれの極を形成する膜電極複合体(MEA)と、
溝部が形成されたその表面が上記ガス拡散層と接してガス流路を形成するように、上記膜電極複合体を挟んで配置された一対のセパレータとを備える第1のセルと第2のセルとの積層構造を有する燃料電池用スタックであって、
上記第1のセルと上記第2のセルとの間において、上記アノード又は上記カソードのいずれか一方の極の上記ガス拡散層を形成するガス拡散層基材の伸度の(上記それぞれのセル間における)バラツキが、上記セパレータの上記ガス流路の主方向に直交する方向に関して±30%以内である燃料電池用スタックを提供する。
本発明の第2態様によれば、上記第1のセルと上記第2のセルにおいて、上記いずれか一方の極は、上記アノードである第1態様に記載の燃料電池用スタックを提供する。
本発明の第3態様によれば、上記第1のセルと上記第2のセルとの間において、上記アノード及び上記カソードの上記それぞれのガス拡散層基材の伸度のバラツキが、上記直交する方向に関して±30%以内である第1態様に記載の燃料電池用スタックを提供する。
本発明の第4態様によれば、上記伸度のバラツキが、さらに上記セパレータの上記ガス流路の主方向に関しても±30%以内である第1態様に記載の燃料電池用スタックを提供する。
本発明の第5態様によれば、上記伸度のバラツキが、上記直交する方向に関して±10%以内である第1態様に記載の燃料電池用スタックを提供する。
本発明の第6態様によれば、上記伸度のバラツキが、さらに上記セパレータの上記ガス流路の主方向に関しても±20%以内である第5態様に記載の燃料電池用スタックを提供する。
本発明の第7態様によれば、上記第1のセル及び上記第2のセルにおける上記それぞれのガス拡散層基材が、上記ガス流路の主方向沿いの方向と、上記直交する方向において、伸度に関する異方性を有している第1態様に記載の燃料電池用スタックを提供する。
本発明の第8態様によれば、上記伸度に関する異方性は、伸度の小さい方向の伸度に対して、伸度の大きい方の伸度が60%以上大きい第7態様に記載の燃料電池用スタックを提供する。
本発明の第9態様によれば、上記ガス拡散層基材における伸度の小さい方向を上記セパレータのガス流路の主方向に対して直交する方向に配置する第7態様に記載の燃料電池用スタックを提供する。
本発明の第10態様によれば、上記ガス拡散層基材が炭素繊維織布で形成されている第1態様に記載の燃料電池用スタックを提供する。
本発明の第11態様によれば、第1態様から第10態様のいずれか1つに記載の燃料電池用スタックと、
上記スタックにおける上記第1のセルと第2のセルとに燃料を供給する共通の燃料供給装置とを備える燃料電池を提供する。
本発明によれば、第1のセルと第2のセルとを積層した燃料電池用スタックにおいて、それぞれのセルにおけるアノード又はカソードのいずれか一方の極のガス拡散層を形成するガス拡散層基材の伸度のセル間におけるバラツキを、セパレータのガス流路の主方向に直交する方向に関して±30%以内とすることで、上記セパレータのガス流路内への上記ガス拡散層基材の垂れ込み量のセル間におけるバラツキを低減し、各セル間の圧力損失バラツキを低減させることができる。その結果、複数個の単セルの積層構造を有する燃料電池用スタックにおいて、各セルへ均等にガスを分配することが可能となるため、耐フラディング性の高い燃料電池用スタック及びこのようなスタックを備える燃料電池を提供することができる。
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の一の実施形態にかかる燃料電池用スタックを備える燃料電池の概略構成を示す模式構成図を図1に示す。また、図1に示す燃料電池101が備える燃料電池用スタック(以降、スタックという。)の模式分解立体図を図2に示す。
燃料電池101は、例えば固体高分子型燃料電池(PEFC)であって、水素を含有する燃料ガスと、空気など酸素を含有する酸化剤ガスとを、電気化学的に反応させることで、電力、熱、及び水を同時に発生させるものである。図1に示すように、燃料電池101には、アノード及びカソードの一対の極を備える燃料電池セル(あるいは単セル)が複数個直列に接続された積層構造を有するスタック30と、燃料ガスから水素を取り出す燃料処理器31と、燃料処理器31にて取り出された水素を含む燃料ガスを加湿することで発電効率を向上させるアノード加湿器32と、酸素含有ガス(酸化剤ガス)に対しての加湿を行うカソード加湿器33と、燃料ガスと酸素含有ガスとをそれぞれ供給するためのポンプ34、35とが備えられている。すなわち、燃料処理器31、アノード加湿器32、及びポンプ34により燃料ガスをスタック30の各セルに供給する燃料供給装置が構成されており、また、カソード加湿器33とポンプ35とにより酸化剤ガスをスタック30の各セルに供給する酸化剤供給装置が構成されている。なお、このような燃料供給装置や酸化剤供給装置は、燃料や酸化剤の供給を行う機能を備えていればその他様々な形態を採用し得るが、本実施形態においては、スタック30が備える複数のセルに対して、共通して燃料や酸化剤を供給する供給装置であれば、後述する本実施形態の効果を好適に得ることができる。
また、燃料電池101には、発電の際にスタック30にて発生される熱を効率的に除去するための冷却水を循環供給するためのポンプ36と、この冷却水(例えば、導電性を有さない液体、例えば純水が用いられる。)により除去された熱を、水道水等の流体に熱交換するための熱交換器37と、熱交換された水道水を貯留させる貯湯タンク38とが備えられている。さらに、燃料電池101には、このようなそれぞれの構成部を互いに関連付けて発電のための運転制御を行う運転制御装置40と、スタック30にて発電された電気を取り出す電気出力部41とが備えられている。
また、図2に示すように、この燃料電池101が備えるスタック30は、基本単位構成である単セル20を複数個積層し、集電板21、絶縁板22、端板23で両側から所定の荷重で締結して構成されている。それぞれの集電板21には、電流取り出し端子部21aが設けられており、発電時にここから電流、すなわち電気が取り出される。それぞれの絶縁板22は、集電板21と端板23の間を絶縁するとともに、図示しないガスや冷却水の導入口、排出口が設けられている場合もある。それぞれの端板23は、複数枚積層された単セル20と集電板21、絶縁板22を図示しない加圧手段によって所定の荷重で締結し、保持している。
図2に示すように、単セル20は、MEA(膜電極複合体)15を一対のセパレータ16で挟み込むようにして構成されている。MEA15は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜11のアノード面側に、白金−ルテニウム合金触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒層(アノード側触媒層)12を形成し、カソード面側には、白金触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒層(カソード側触媒層)13を形成し、これらの触媒層12及び13の外面に、燃料ガスあるいは酸化剤ガスの通気性と、電子導電性を併せ持つガス拡散層14を配置して構成されたものである。高分子電解質膜11は、プロトン導電性を示す固体高分子材料、例えば、パーフルオロスルホン酸膜(デュポン社製ナフィオン膜)が一般に使用される。
セパレータ16は、ガス不透過性の導電性材料であれば良く、例えば樹脂含浸カーボン材料を所定の形状に切削したもの、カーボン粉末と樹脂材料の混合物を成形したものが一般的に用いられる。セパレータ16におけるMEA15と接触する部分には凹状の溝部が形成されており、この溝部がガス拡散層14と接することで、電極面に燃料ガスあるいは酸化剤ガスを供給し、余剰ガスを運び去るためのガス流路が形成される。また、このようにセパレータ16の表面に形成されたガス流路16aは、図3のセパレータ16の模式平面図に示すように、例えば、入口から出口に向かって単数もしくは複数のパス(ガス流路)16aが図示左右方向において複数回向きを変えて配置されるようにサーペンタイン状に形成されている。サーペンタイン状のガス流路16aは、互いに平行に直線的に形成された往路と復路のそれぞれの端部がターン部16bで連結された一続きの構造となっている。なお、本明細書で、「ガス流路の主方向」とは、上記の直線的に形成された部分のガス流路16aの方向を意味するものであり、例えば、図3に示すセパレータ16におけるガス流路16aの主方向は、図示左右方向となっている。
セパレータ16のガス流路と反対側の面には、冷却水の流路が形成されている。さらに、セパレータ16の縁部には、単セル20への燃料ガス及び酸化剤ガスの供給及び排出のため、燃料ガス入口マニホールド17aと燃料ガス出口マニホールド17b、並びに酸化剤ガス入口マニホールド18aと酸化剤ガス出口マニホールド18bが形成されており、さらに冷却水入口マニホールド19aと冷却水出口マニホールド19bも形成されている。よって、単セル20を複数個積層した燃料電池101では、燃料ガス入口マニホールド17a、燃料ガス出口マニホールド17b、酸化剤ガス入口マニホールド18a、酸化剤ガス出口マニホールド18b、冷却水入口マニホールド19a、及び冷却水出口マニホールド19bがすべての単セル20で連通されている。なお、それぞれのセパレータ16、集電板21、絶縁板22、及び端板23には、図示しないシール部材が配置されており、燃料ガス、及び酸化剤ガスなどが混ざり合ったり、外部へ漏れたりすることを防止している。
ガス拡散層14は、その基材として一般的に炭素繊維で構成されたものを用いあることができ、このような基材としては例えば炭素繊維織布を用いることができる。炭素繊維織布は炭素繊維の糸を構成材料とした織物構造を有しており、このような織物構造としては、図4Aのガス拡散層(基材)14の部分拡大模式平面図に示すような平織り構造が最も一般的である。平織り構造とは、図示上下方向に配置される経糸21と、図示左右方向に配置される緯糸22が一本おきに立体的に交差した構造となっており、その断面は、図4B(y−y’断面)、図4C(x−x’断面)に示すように、それぞれの経糸21に対してそれぞれの緯糸22が縫うように構成されている。本実施形態のガス拡散層基材14を構成する炭素繊維織布は、経糸21の配置方向と緯糸22の配置方向で、伸度や引っ張り強度(剛性)が異なるという異方性を有している。
ここで、このような異方性を有する炭素繊維織布により構成されるガス拡散層基材14の経糸21又は緯糸22の配置方向と、セパレータ16におけるガス流路16aの主方向との配置関係について説明する。
例えば、炭素繊維織布(ガス拡散層基材14)が、その経糸21の配置方向において、緯糸22の配置方向よりも、伸度が小さいという異方性を有する場合について考える。このような場合において、図5Aの模式立体分解図に示すように、ガス拡散層基材14の炭素繊維織布の経糸21の配置方向3に対して、セパレータ16のガス流路16aの主方向4が並行となるように両者が配置されるならば、図5Bの模式断面図に示すように締結時に炭素繊維織布がセパレータ16のガス流路16aに垂れ込みやすくなる。一方、図6Aに示すように、ガス拡散層基材14の炭素繊維織布の経糸21の配置方向3に対して、セパレータ16のガス流路16aの主方向4が直交するように両者が配置されるならば、図6Bの模式断面図に示すように締結時に炭素繊維織布がセパレータ16のガス流路16aに垂れ込み難くすることができる。
より具体的には、図7の単セル20の部分模式断面図に示すように、炭素繊維織布においてその経糸21の配置方向の伸度が小さい場合であって、この経糸21の配置方向とセパレータ16のガス流路16aの主方向とが並行となるように両者を配置するような場合にあっては、図示左右方向に配置される緯糸22がより伸び易いため、緯糸22によって経糸21は押しつぶされ難く、緯糸22が上下方向により大きく波打つように配置される。その結果、セパレータ16のガス流路16a内への炭素繊維織布の垂れ込み量が比較的大きくなる。
一方、図8の部分模式断面図に示すように、経糸21の配置方向とセパレータ16のガス流路16aの主方向とが直交するように両者を配置するような場合にあっては、図示左右方向に配置される経糸21がより伸び難いため、経糸21によって緯糸22を押しつぶすようにして、経糸21の上下方向の波打ち量がより小さくなる。その結果、セパレータ16のガス流路16a内への炭素繊維織布の垂れ込み量が比較的小さくなる。なお、図5A、図5B、図6A、図6B、図7、及び図8においては、高分子電解質膜11の両面にそれぞれの触媒層12、13が形成されたものを触媒層付き高分子電解質膜5として表している。
ここでガス流路の主方向に直交する方向の炭素繊維織布の伸度に対する単セルでの圧力損失を測定した結果を表1に示す。なお、炭素繊維織布の伸度は、引っ張り試験機(今田製作所製SV−52型、1996年式、引っ張り圧縮試験機)で、試験片幅25mm、試験片厚さ0.4mm、チャック間距離100mm、送り速度2mm/minで、変位量に対する荷重を測定し、荷重10Nのときの初期長さに対する変位量の割合を求めた。具体的には、試験片を上下方向に把持した状態で、上部チャックを上方に向けて移動させることで荷重を付加した。また、チャックにおいては、ゴム材料を介して試験片の把持を行った。なお、当該試験において、チャックにおけるゴム材料の破損等による異常データは試験結果として採用していない。なお、このような炭素繊維織布の伸度の測定は、ASTM D1682−64:繊維織布の破断荷重と伸びの標準試験方法Section17に準拠するものである。また、単セルでの圧力損失測定は、電流密度0.25A/cm、燃料利用率80%、酸素利用率50%、電池温度75℃、アノード露点75℃、カソード露点75℃の条件で測定した。
Figure 0004054837
表1から分かるように、炭素繊維織布における経糸21の配置方向と緯糸22の配置方向とでは、各々の配置方向における炭素繊維織布の伸度が異なる。また、ガス流路16aの主方向に直交する方向の炭素繊維織布の伸度が大きくなれば、単セルでの圧力損失値が大きくなる結果となった。このような傾向はアノード側及びカソード側に共通するものであったが、特に、アノード側でこの傾向が顕著に現れた。これは、燃料電池において、燃料ガスと酸化剤ガスとでは、酸化剤ガスの方がその必要流量が多いため、カソード側流路は、アノード側に比べて、流路本数が多い。そのため、アノード側の合計流路断面積がカソード側より小さくなり、ガス拡散層基材のガス流路への垂れ込みバラツキの影響を受けやすいためである。
このため、図9の模式分解立体図に示す本発明の比較例の燃料電池が備えるスタック530のように、炭素繊維織布(ガス拡散層基材14)の経糸の配置方向3と、セパレータ16のガス流路の主方向4が、各セル20間においてランダム(不規則)に配置されているような配置構成においては、ガス流路の主方向4に直交する方向の炭素繊維織布の各セル20間における伸度のバラツキが大きくなり、各セル20間でガス流路における圧力損失のバラツキが大きくなってしまう。その結果、このような燃料電池530においては、圧力損失の高いセルにて、耐フラッディング性が悪くなってしまうという問題が生じる。
これに対して、本実施形態の燃料電池101が備えるスタック30は、図2に示すとおり、炭素繊維織布(ガス拡散層基材14)の経糸の配置方向3と、セパレータ16のガス流路の主方向4との配置関係を、すべてのセル20で同一に、例えば経糸の配置方向3とガス流路の主方向4とを直交させるように配置して、セパレータ16のガス流路の主方向3に直交する方向に関するガス拡散層基材のセル間における伸度のバラツキを低減させるものである。このようなセル間における伸度のバラツキは、後述するように±30%以内とすることが好ましく、さらに±20%以内とすることがより好ましい。なお、このようなスタック30における配置構成は、上述のように、経糸の配置方向3とガス流路の主方向4とを直交させるような配置構成のみに限られるものではなく、経糸の配置方向3とガス流路の主方向4との配置関係が全てのセル20間において同一であればよい。例えば、図10の模式立体分解図に示すスタック130のように、全てのセル20において、経糸の配置方向3とガス流路の主方向4とを並行に配置させるような配置構成が採用されるような場合であっても、上記伸度のセル間におけるバラツキを低減させることができる。
より詳しく説明すると、図9に示す比較例のスタック530の配置構成では、図11のスタック530における燃料ガスの流れの概念図に示すように、セル20間において、セパレータのガス流路の主方向に直交する方向におけるガス拡散層基材14の伸度のバラツキが比較的大きく生じていることにより、ガス流路内へのガス拡散層基材14の垂れ込み量が大きくなっているセル20と、小さくなっているセル20とが混在することとなる。従って、セル20間において、ガス流路の圧力損失のバラツキが大きくなり、フラッディングが比較的生じやすくなっている。
一方、図2に示す本実施形態のスタック30の配置構成では、図12のスタック30における燃料ガスの流れの概念図に示すように、セル20間において、セパレータのガス流路の主方向に直交する方向におけるガス拡散層基材14の伸度のバラツキが比較的小さく抑えられていることにより、ガス流路内へのガス拡散層基材14の垂れ込み量のセル20間におけるバラツキを比較的小さく抑えることができる。従って、セル20間において、ガス流路の圧力損失のバラツキを小さくすることができ、耐フラッディング性を向上させることができる。また、ガス拡散層基材14のガス流路内への垂れ込み量自体も小さくすることができるため、ガス流路の圧力損失自体も小さくすることができ、ガス流れを良好なものとすることができる。
また、図10に示す本実施形態のもう一つのスタック130の配置構成であっても、図13の燃料ガスの流れの概念図に示すように、セル20間における伸度のバラツキが比較的小さく抑えられていることにより、ガス流路内へのガス拡散層基材14の垂れ込み量自体は、スタック30よりは大きくなるものの、セル間におけるそのバラツキは小さく抑えることができるため、耐フラッディング性を向上させることができる。
なお、ガス拡散層基材14の炭素繊維織布の経糸の配置方向に対して、セパレータ16のガス流路の主方向が直交しているような配置構成であっても、炭素繊維織布を織る際に経糸の張力が低くなるなどの条件により、経糸の配置方向の伸度が大きくなるような場合も考えられ、このような場合あっては、上記配置構成では締結時のガス拡散層基材14のガス流路内への垂れ込みが大きくなってしまう。従って、このような場合にあっては、経糸の配置方向とガス流路の主方向とを並行にするような配置構成を採用することがより好ましい。
また、上述の説明においては、ガス拡散層基材14が炭素繊維織布にて構成されているような場合について説明を行っている。ただし、本実施形態はこのような場合についてのみ限定されるものではなく、例えば、ガス拡散層基材14が炭素繊維不織布にて構成されるような場合であっても、上述のような本実施形態の効果を得ることができる。
具体的には、図14のガス拡散層基材114の模式平面図に示すように、ガス拡散層基材114が、伸度の小さい方向と伸度の大きい方向とを有し、かつそれぞれの方向が互いに直交するような炭素繊維不織布にて構成されるような場合であって、スタックの全てのセルにおいて、セパレータのガス流路の主方向に直交する方向に、伸度の小さい方向が配置されるように、あるいは伸度の大きい方向が配置されるような配置構成を採用することで、上述の炭素繊維織布の場合と同様な効果を得ることができる。
このように炭素繊維不織布がガス拡散層基材114として用いられ、例えば、図15の模式断面図に示すように、上記伸度の小さい方向がガス流路の主方向と直交するように配置される場合にあっては、セパレータ16のガス流路16a内へのガス拡散層基材114の垂れ込み量が比較的小さくなる。また、例えば、図16の模式断面図に示すように、上記伸度の大きい方向がガス流路の主方向に直交するように配置される場合にあっては、セパレータ16のガス流路16a内へのガス拡散層基材114の垂れ込み量が比較的大きくなる。従って、このように配置方向によって、ガス流路16a内への垂れ込み量が異なるというような特徴を有する炭素繊維不織布にて構成されたガス拡散層基材114の配置方向を、全てのセルにおいて同一とすることで、セル間におけるガス流路の圧力損失のバラツキを低減させることができる。
また、上述の本実施形態の説明においては、炭素繊維織布により構成されたガス拡散層基材14の配置方向が、セパレータ16のガス流路16aの主方向に対して、経糸21の配置方向が直交するような場合、あるいは経糸21の配置方向が並行とされるような場合について説明を行っている。しかしながら、本実施形態はこのような場合についてのみ限定されるものではなく、例えば、図17の模式平面図に示すように、ガス流路の主方向4に対して経糸21の配置方向3が斜め方向に交差するように配置(例えば45度の方向に配置)されるような場合であってもよい。このような場合であっても、スタックの全てのセルにおいて、同一の配置構成が採用されることで、伸度のバラツキを低減することができ、圧力損失のバラツキを低減させることができるからである。従って、全てのセルにおいて同一の配置構成が採用されていれば、耐フラッディング性を向上させるという観点においては、ガス流路の主方向4と経糸21の配置方向3との関係は問わない。
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
まず、本発明の実施例1にかかる燃料電池用スタックが備えるMEAの作製方法について説明する。高分子電解質膜(デュポン製Nafion112)の両面に、アセチレンブラック粉末に白金を担持した触媒を塗布して触媒層を形成し、更にその外面に炭素繊維織布を基材としたガス拡散層を配置した。炭素繊維織布は、平織構造で、表2に示すGDL−1(ガス拡散層基材−1)を使用した。
なお、表2は、特性の異なる2種類のガス拡散層基材、GDL−1とGDL−2における伸度に関する特性データを示している。幅25mmの炭素繊維織布をチャック間距離100mmにて引っ張り荷重を加えた場合における荷重10Nでの織布の変位量を織布の初期長さ(すなわち、初期のチャック間距離)で除した数値を伸度(%)として表している。表2において、平均値とは、複数枚の同種の炭素繊維織布の伸度の平均値である。また、このように同種複数枚の炭素繊維織布における伸度のバラツキとして、伸度平均値に対する伸度最大値あるいは伸度最小値の変位分の割合(すなわち、(伸度最大値−伸度平均値)/(伸度平均値)、あるいは(伸度最小値−伸度平均値)/(伸度平均値))で表している。例えば、GDL−1における緯糸の配置方向の伸度のバラツキは±28%以内であり、経糸の配置方向では±18%以内となっており、GDL−2における緯糸の配置方向の伸度のバラツキは±20%以内であり、経糸の配置方向では±10%以内となっており、GDL−2の方がGDL−1よりも伸度のバラツキが少ないという特性を有する基材となっている。このようなGDL−1とGDL−2における伸度の平均値、最大値、及び最小値のデータを、経糸並びに緯糸のそれぞれの配置方向において示すグラフを図20、図21に示す。なお、図20及び図21に示すグラフにおいては、縦軸に荷重(N)、横軸に変位(mm)を表している。
また、このような伸度のバラツキを示す他の手段としては、例えば、伸度最大値と伸度最小値との絶対差(%)や、SN比(=10・log{(伸度平均値)・(伸度標準偏差)}:dB)がある。なお、表2に示す配置方向において「緯糸と経糸とをランダム」とは、緯糸の配置方向と経糸の配置方向とを1:1で混在させた場合の伸度データを表すものである。
次に、セパレータの作製方法について説明する。平均粒径が約50μmの人造黒鉛粉末80重量%に、熱硬化性フェノール樹脂20重量%を押し出し混練機で混練し、この混練粉末をガス流路用溝と冷却水流路用溝およびマニホールドを成形するための加工を施した金型に投入し、ホットプレスした。ホットプレスの条件は、金型温度180℃、圧力100kg/cmで5分間とした。得られたセパレータは、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の深さが1.0mmであった。
次に、酸化剤ガス流路が形成されたセパレータと、燃料ガス流路が形成されたセパレータとを、MEAを介してそれぞれのガス流路が配置されるように重ね合わせ、これを単セルとした。その際、すべての単セルでガス拡散層の炭素繊維織布の経糸の配置方向が、アノード側及びカソード側において、共にセパレータのガス流路の主方向と並行となるように、MEAを配置した。すなわち、表2に示すように、ガス流路の主方向に直交する方向に関する伸度のバラツキが±28%以内となるようにガス拡散層基材(GDL−1)を配置した。この単セルを50セル直列積層し、両端部には、ステンレス製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板、さらに端板を配置して、締結ロッドで固定し、燃料電池用スタックを作製した(組み立てた)。この時の締結圧はセパレータの面積当たり15kgf/cmとした。
このように作製した本実施例1のスタックを装備した固体高分子型燃料電池を、75℃に保持し、一方の電極側に75℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガス(燃料ガス)を、もう一方の電極側に75℃の露点となるように加湿・加温した空気(酸化剤ガス)を供給した。
この燃料電池を酸素利用率50%、電流密度0.25A/cmの条件で、燃料利用率50%から5%ずつ燃料利用率を上げていった。このとき、燃料利用率は5時間の運転中、すべてのセル電圧が安定的に運転できたとき、燃料利用率を5%上げていく。そして、5時間の運転中、セル電圧が600mVを下回ったところで、試験を中止し、すべてのセル電圧が安定的に運転できる最も高い燃料利用率を限界燃料利用率(限界Uf)とした。
次に、この燃料電池を燃料利用率70%、電流密度0.25A/cmの条件で、酸素利用率30%から2.5%ずつ燃料利用率を上げていった。このとき、酸素利用率は5時間の運転中、すべてのセル電圧が安定的に運転できたとき、酸素利用率を5%上げていく。そして、5時間の運転中、セル電圧が600mVを下回ったところで、試験を中止し、すべてのセル電圧が安定的に運転できる最も高い酸素利用率を限界酸素利用率(限界Uo)とした。
上記結果から、限界燃料利用率(限界Uf)と限界酸素利用率(限界Uo)が大きい程、固体高分子型燃料電池の耐フラッディング性は良好であると言える。この限界燃料利用率(限界Uf)と限界酸素利用率(限界Uo)を表3に示す。
なお、表3の単セルでの平均圧損と標準偏差は、積層前に単セルの状態で、すべての圧力損失を測定し、その結果から平均値と標準偏差を求めたものである。単セルでの測定条件は、電流密度0.25A/cm、燃料利用率70%、酸素利用率50%、電池温度75℃、アノード露点75℃、カソード露点75℃である。また、燃料電池の圧力損失は、電流密度0.25A/cm、燃料利用率70%、酸素利用率50%、電池温度75℃、アノード露点75℃、カソード露点75℃のときの値である。
(実施例2)
次に、実施例2にかかる燃料電池用スタックについて説明する。実施例1と同様にMEA、セパレータを作製し、表2に示すGDL−1の炭素繊維織布の経糸の配置方向をセパレータのガス流路の主方向に直交するように配置して単セルを作製した。この単セルを実施例1と同様に、50セル積層し、両端部には、ステンレス製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板、さらに端板を配置して締結ロッドで固定し、燃料電池用スタックを作製した。すなわち、実施例2においては、表2に示すように、ガス流路の主方向に直交する方向に関する伸度のバラツキが±18%以内となるようにガス拡散層基材(GDL−1)が配置されたスタックを作製した。
このようにして作製した本実施例2の燃料電池用スタックを装備する固体高分子型燃料電池を、実施例1の条件で、耐フラッディング性、単セルでの平均圧損と標準偏差、燃料電池の圧力損失を測定した結果を表3に示す。
(実施例3)
次に実施例3にかかる燃料電池用スタックについて説明する。実施例1と同様にMEA、セパレータを作製し、表2に示すGDL−2の炭素繊維織布の経糸の配置方向をセパレータのガス流路の主方向に並行となるように配置して単セルを作製した。
この単セルを実施例1と同様に、50セル積層し、両端部には、ステンレス製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板、さらに端板を配置して、締結ロッドで固定し、燃料電池用スタックを作製した。すなわち、実施例2においては、表2に示すように、ガス流路の主方向に直交する方向に関する伸度のバラツキが±20%以内となるようにガス拡散層基材(GDL−2)が配置されたスタックを作製した。
このようにして作製した本実施例3の燃料電池用スタックを装備する固体高分子型燃料電池を、実施例1の条件で、耐フラッディング性、単セルでの平均圧損と標準偏差、燃料電池の圧力損失を測定した結果を表3に示す。
(実施例4)
次に実施例4にかかる燃料電池用スタックについて説明する。実施例1と同様にMEA、セパレータを作製し、表2に示すGDL−2の炭素繊維織布の経糸の配置方向をセパレータのガス流路の主方向に直交するように配置して単セルを作製した。
この単セルを実施例1と同様に、50セル積層し、両端部には、ステンレス製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板、さらに端板を配置して、締結ロッドで固定し、燃料電池用スタックを作製した。すなわち、実施例4においては、表2に示すように、ガス流路の主方向に直交する方向に関する伸度のバラツキが±10%以内となるようにガス拡散層基材(GDL−2)が配置されたスタックを作製した。
このようにして作製した本実施例4の燃料電池用スタックを装備する固体高分子型燃料電池を、実施例1の条件で、耐フラッディング性、単セルでの平均圧損と標準偏差、燃料電池の圧力損失を測定した結果を表3に示す。また、本実施例4の燃料電池におけるUf特性の測定結果のデータを、図18に示す。なお、図18のグラフにおいて、縦軸はセル電圧を示し、横軸は時間を示す。
(比較例1)
次に、実施例1〜4の燃料電池に対する比較例1にかかる燃料電池用スタックについて説明する。実施例1と同様にMEA、セパレータを作製し、表2に示すGDL−1の炭素繊維織布の経糸の配置方向をセパレータのガス流路の主方向に対して、25セルは並行となるように配置し、残りの25セルは、直交するように配置した単セルを合計50セル作製した。この単セルをランダムに50セル積層し、実施例1と同様に両端部には、ステンレス製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板、さらに端板を配置して、締結ロッドで固定し、燃料電池用スタックを作製した。すなわち、比較例1においては、ガス流路の主方向に直交する方向に関する伸度のバラツキが±48%以内となるようにガス拡散層基材(GDL−1を緯糸方向と経糸方向とを1:1で混在させるように配置)が配置されたスタックを作製した。
このようにして作製した比較例1にかかる燃料電池用スタックを装備する固体高分子型燃料電池を、実施例1の条件で、耐フラッディング性、単セルでの平均圧損と標準偏差、燃料電池の圧力損失を測定した結果を表3に示す。
(比較例2)
次に、比較例2にかかる燃料電池用スタックについて説明する。実施例1と同様にMEA、セパレータを作製し、表2に示すGDL−2の炭素繊維織布の経糸の配置方向をセパレータのガス流路の主方向に対して、25セルは並行となるように配置し、残りの25セルは、直交するように配置した単セルを合計50セル作製した。この単セルをランダムに50セル積層し、実施例1と同様に両端部には、ステンレス製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板、さらに端板を配置して、締結ロッドで固定し、燃料電池用スタックを作製した。すなわち、比較例2においては、ガス流路の主方向に直交する方向に関する伸度のバラツキが±41%以内となるようにガス拡散層基材(GDL−2を緯糸方向と経糸方向とを1:1で混在させるように配置)が配置されたスタックを作製した。
このようにして作製した本比較例2の燃料電池用スタックを装備する固体高分子型燃料電池を、実施例1の条件で、耐フラッディング性、単セルでの平均圧損と標準偏差、燃料電池の圧力損失を測定した結果を表3に示す。また、本比較例2の燃料電池におけるUf特性の測定結果のデータを、図19に示す。なお、図19のグラフにおいて、縦軸はセル電圧を示し、横軸は時間を示す。
Figure 0004054837
Figure 0004054837
注記:「ランダム」とは、直交と並行とが1:1の割合で混在している状態とした。
表3から明らかなように、比較例1と比較例2の燃料電池では、50セル間の圧力損失バラツキが標準偏差で示されるように大きくなり、結果として限界Uf及び限界Uoが低下して耐フラッディング性が悪くなっている。これは、ガス拡散層基材の炭素繊維織布におけるガス流路の主方向に直交する方向の伸度のバラツキが±48%以内あるいは±41%以内と比較的大きくなっていることにより、セル間におけるガス流路内へのガス拡散層基材の垂れ込み量のバラツキが大きくなったためと考えられる。
一方、実施例1〜4においては、ガス拡散層基材の炭素繊維織布におけるガス流路の主方向に直交する方向の伸度のバラツキが±28%以内、±18%以内、±20%以内、あるいは±10%以内と比較的大きくなっていることにより、セル間におけるガス流路内へのガス拡散層基材の垂れ込み量のバラツキが比較的小さく抑えられている。その結果、表3に示すように、それぞれのセル間におけるガス流路の圧力損失のバラツキ(すなわち、標準偏差)を低く抑えることができ、限界Uf及び限界Uoを高めて、耐フラッディング性を向上させることができる。
このような耐フラッディング性の向上の傾向は、実施例1〜4に共通して現れているが、特に、実施例2の燃料電池では、炭素繊維織布の経糸の方向、すなわち、伸度の小さい方向がガス流路の主方向に直交するようにそれぞれのガス拡散層基材が配置されているため、ガス拡散層基材のガス流路内への垂れ込み量が実施例1よりも小さくなり、50セル間の圧力損失のバラツキも実施例1よりも更に小さくなる。その結果、耐フラッディング性を更に向上させることが確認できた。
また、実施例3と実施例4の燃料電池では、実施例1、2で使用したガス拡散層基材GDL−1よりも伸度のバラツキが少ないガス拡散層基材GDL−2を使用したため、実施例3では実施例1よりも、実施例4では実施例2よりも、ガス拡散層基材のガス流路内への垂れ込み量のバラツキを更に小さくでき、耐フラッディング性を更に向上できることが確認できた。
このような測定結果に基づき、セパレータのガス流路の主方向あるいは当該主方向に直交する方向における炭素繊維織布の伸度のセル間におけるバラツキ(%)と、燃料電池における限界Uf(%)及び限界Uo(%)との関係を示すグラフを図22に示す。図22から明らかなように、上記主方向あるいは当該主方向に直交する方向における伸度のバラツキが±30%以内であれば、限界Uf=80%以上、限界Uo=50%以上を達成することができ、また、上記主方向あるいは当該主方向に直交する方向における伸度のバラツキが±20%以内であれば、限界Uf=85%以上、限界Uo=55%以上を達成することができることが判る。さらに、上記主方向に直交する方向における伸度のバラツキが±10%以内であれば、限界Uf=90%以上、限界Uo=60%以上を達成することができ、より好適であると言える。従って、伸度のバラツキを、±30%以内に設定することで、燃料電池における耐フラッディング性を向上させることができ、さらに±20%以内、より好ましくは±10%以内に設定すると耐フラッディング性をより向上させることができる。
また、上記測定結果に基づき、セパレータのガス流路の主方向あるいは当該主方向に直交する方向における炭素繊維織布の伸度最大値と伸度最小値の差(%)と、燃料電池における限界Uf(%)及び限界Uo(%)との関係を示すグラフを図23に示す。図23から明らかなように、主方向あるいは当該主方向に直交する方向における伸度の最大値と最小値との差が3.5%以内であれば、限界Uf=80%以上、限界Uo=50%以上を達成することができ、また、上記差が2.5%以内であれば、限界Uf=85%以上、限界Uo=55%以上を達成することができることが判る。さらに、主方向に直交する方向における伸度の最大値と最小値との差が1%以内であれば、限界Uf=90%以上、限界Uo=60%以上を達成することができ、より好適であると言える。従って、伸度の最大値と最小値との差を、3.5%以内に設定することで、燃料電池における耐フラッディング性を向上させることができ、さらに2.5%以内、より好ましくは1%以内に設定すると耐フラッディング性をより向上させることができる。
さらに、上記測定結果に基づき、セパレータのガス流路の主方向に直交する方向における炭素繊維織布の伸度のSN比(dB)と、燃料電池における限界Uf(%)及び限界Uo(%)との関係を示すグラフを図24に示す。図24から明らかなように、伸度のSN比が15dB以上であれば、限界Uf=80%以上、限界Uo=50%以上を達成することができ、さらに、SN比が20dB以上であれば、限界Uf=85%以上、限界Uo=55%以上を達成することができることが判る。従って、伸度のSN比を、15dB以上に設定することで、燃料電池における耐フラッディング性を向上させることができ、さらに20dB以上に設定すると耐フラッディング性をより向上させることができる。
なお、炭素繊維織布における経糸の配置方向と緯糸の配置方向との間の伸度に関して、伸度の小さい方向の伸度に対して伸度の大きい方の伸度が60%以上大きいという異方性を有しているような場合にあっては、それぞれのセル間において、ガス流路の主方向に直交する方向に、炭素繊維織布における経糸の配置方向と緯糸の配置方向とを混在して配置させると、セル間における伸度のバラツキが明らかに±30%を超えてしまうことになる。従って、このような場合にあっては、セル間における炭素繊維織布の配置方向を、経糸の配置方向、あるいは緯糸の配置方向のいずれかに揃えて配置することが好ましい。
なお、上述の実施形態の説明においては、燃料電池用スタックが複数のセルを備えるような場合について説明したが、このようなスタックは、第1のセルと第2のセルというように少なくとも2個のセルにより構成されていれば、本実施形態による効果を得ることができる。
ただし、スタックにおけるセル数が多いほど、スタックにおいて、圧力損失が極端に異なるセルへのガスの分配が悪くなる傾向にあるため、フラッディングの問題は顕著なものとなることが考えられる。例えば、家庭向けコージェネレーション用として用いられる燃料電池においては、インバータ能力を確保するためにスタックの発電電圧が少なくとも10V以上に設定され、また、このようなスタックにおいては10セル以上のセル数が必要となる。このように10セル以上の構成を有するような燃料電池用スタックにおいて、本発明による効果をより効果的に得ることができる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
2005年1月14日に出願された日本国特許出願No.2005−007377号の明細書、図面、及び特許請求の範囲の開示内容は、全体として参照されて本明細書の中に取り入れられるものである。
本発明の燃料電池用スタック及び燃料電池は、ガス流路と直交する方向に対してガス拡散層基材の繊維方向をすべてのセルで揃えることにより、ガス流路と直交する方向のガス拡散層基材の伸度のセル間におけるバラツキを低減し、結果としてセル間の圧力損失バラツキを低減させ、耐フラッディング性を向上させることが可能となる。そのため、燃料として純水素、あるいは化石燃料等からの改質水素、または、メタノール、エタノールなどの液体燃料を直接用い、空気や酸素を酸化剤とする燃料電池に適用することができる。
図1は、本発明の一の実施形態にかかる燃料電池の構成を示す概略構成図である。 図2は、図1の燃料電池が備える燃料電池用スタックの模式分解立体図である。 図3は、セパレータの模式平面図である。 図4Aは、上記スタックが備えるガス拡散層基材を構成する炭素繊維織布(平織)の構造を示す模式平面図である。 図4Bは、図4Aのガス拡散層基材の炭素繊維織布におけるy−y’断面を示す模式断面図である。 図4Cは、図4Aのガス拡散層基材の炭素繊維織布におけるx−x’断面を示す模式断面図である。 図5Aは、上記炭素繊維織布の経糸方向とセパレータのガス流路の主方向を並行に配置した単セルの模式分解立体図である。 図5Bは、図5Aの単セルにおけるガス流路の主方向に直交する断面を示す模式部分断面図である。 図6Aは、上記炭素繊維織布の経糸方向とセパレータのガス流路の主方向を直交に配置した単セルの模式分解立体図である。 図6Bは、図6Aの単セルにおけるガス流路の主方向に直交する断面を示す模式部分断面図である。 図7は、図5Bの単セルの断面をさらに詳細に示す模式部分断面図である。 図8は、図6Bの単セルの断面をさらに詳細に示す模式部分断面図である。 図9は、本発明の上記実施形態に対する比較例にかかる燃料電池用スタックの模式分解立体図である。 図10は、上記実施形態の変形例にかかる燃料電池用スタックの模式分解立体図である。 図11は、図9の比較例のスタックにおけるガスの流れの概念図である。 図12は、図2の上記実施形態のスタックにおけるガスの流れの概念図である。 図13は、図10の上記実施形態の変形例のスタックにおけるガスの流れの概念図である。 図14は、炭素繊維不織布により構成されたガス拡散層基材の模式平面図である。 図15は、図14の炭素繊維不織布における伸度の小さい方向がガス流路の主方向と直交するように配置された状態のセルの模式部分断面図である。 図16は、図14の炭素繊維不織布における伸度の大きい方向がガス流路の主方向と直交するように配置された状態のセルの模式部分断面図である。 図17は、ガス流路の主方向に対して炭素繊維織布の経糸の配置方向が斜めに交差するように配置された状態を示す模式平面図である。 図18は、本発明の実施例4にかかる燃料電池における燃料利用効率の特性を示すグラフである。 図19は、比較例2にかかる燃料電池における燃料利用効率の特性を示すグラフである。 図20は、ガス拡散層基材GDL−1における伸度の特性を示すグラフである。 図21は、ガス拡散層基材GDL−2における伸度の特性を示すグラフである。 図22は、それぞれの実施例及び比較例の燃料電池におけるガス拡散層基材の伸度のセル間のバラツキに対する限界Uf及び限界Uoの関係を示すグラフである。 図23は、それぞれの実施例及び比較例の燃料電池におけるガス拡散層基材の伸度最大値と伸度最小値の差に対する限界Uf及び限界Uoの関係を示すグラフである。 図24は、それぞれの実施例及び比較例の燃料電池におけるガス拡散層基材の伸度のSN値に対する限界Uf及び限界Uoの関係を示すグラフである。

Claims (11)

  1. 高分子電解質膜と、当該高分子電解質膜を挟むように配置されたそれぞれの触媒層と、上記それぞれの触媒層の外側に配置されたガス拡散層との複合体であって、アノード及びカソードのそれぞれの極を形成する膜電極複合体と、
    溝部が形成されたその表面が上記ガス拡散層と接してガス流路を形成するように、上記膜電極複合体を挟んで配置された一対のセパレータとを備える第1のセルと第2のセルとの積層構造を有する燃料電池用スタックであって、
    上記第1のセルと上記第2のセルとの間において、上記アノード又は上記カソードのいずれか一方の極の上記ガス拡散層を形成するガス拡散層基材の伸度のバラツキが、上記セパレータの上記ガス流路の主方向に直交する方向に関して±30%以内である燃料電池用スタック。
  2. 上記第1のセルと上記第2のセルにおいて、上記いずれか一方の極は、上記アノードである請求項1に記載の燃料電池用スタック。
  3. 上記第1のセルと上記第2のセルとの間において、上記アノード及び上記カソードの上記それぞれのガス拡散層基材の伸度のバラツキが、上記直交する方向に関して±30%以内である請求項1に記載の燃料電池用スタック。
  4. 上記伸度のバラツキが、さらに上記セパレータの上記ガス流路の主方向に関しても±30%以内である請求項1に記載の燃料電池用スタック。
  5. 上記伸度のバラツキが、上記直交する方向に関して±10%以内である請求項1に記載の燃料電池用スタック。
  6. 上記伸度のバラツキが、さらに上記セパレータの上記ガス流路の主方向に関しても±20%以内である請求項5に記載の燃料電池用スタック。
  7. 上記第1のセル及び上記第2のセルにおける上記それぞれのガス拡散層基材が、上記ガス流路の主方向沿いの方向と、上記直交する方向において、伸度に関する異方性を有している請求項1に記載の燃料電池用スタック。
  8. 上記伸度に関する異方性は、伸度の小さい方向の伸度に対して、伸度の大きい方の伸度が60%以上大きい請求項7に記載の燃料電池用スタック。
  9. 上記ガス拡散層基材における伸度の小さい方向を上記セパレータのガス流路の主方向に対して直交する方向に配置する請求項7に記載の燃料電池用スタック。
  10. 上記ガス拡散層基材が炭素繊維織布で形成されている請求項1に記載の燃料電池用スタック。
  11. 請求項1から10のいずれか1つに記載の燃料電池用スタックと、
    上記スタックにおける上記第1のセルと第2のセルとに燃料を供給する共通の燃料供給装置とを備える燃料電池。
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