JP5502440B2 - 燃料電池スタック及びそれを備えた燃料電池システム - Google Patents
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Description
(1−1)構成
第1実施形態の燃料電池スタック1は、図1に示すように、大別して発電部3と熱交換部2とから構成され、両者が中間締め付け板9を挟んで隣接するように配置されている。また、隣接配置された発電部3と熱交換部2の両端部には一対の締め付け板5が配設され、締め付けロッド4によって、前記発電部3と熱交換部2とを挟持した締め付け板5及び中間締め付け板9が締め付け固定されている。また、前記発電部3及び熱交換部2の外側部には、それぞれ対をなすガスマニホールド10及びガス−冷却水マニホールド11が取り付けられている。
第1実施形態の燃料電池スタック1においては、冷却水21及び酸化剤ガス22の流れは図4に示したようになる。すなわち、酸化剤ガス22は発電部3に導入され、燃料電池反応により熱と水を生成する。発電部3から排出された酸化剤ガス23は、飽和に近い湿度の蒸気を含み、発電部3と同等の温度で熱交換部2に導入される。
このように第1実施形態の燃料電池スタック1によれば、発電部3に導入される冷却水21の温度を上げることができる。さらに、熱交換部2と発電部3とが隣接して配置されているために、発電部3からの放熱も冷却水21の昇温に活用することができる。また、発電部3及び熱交換部2から構成される燃料電池スタック1の周囲を保温材で覆うことによって、さらに放熱を抑制することができる。
次に、本発明に係る燃料電池スタックの第2実施形態を、図5を用いて説明する。なお、上記第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して、説明は省略する。
第2実施形態の燃料電池スタック31においては、発電部33と熱交換部32とが連続して積層され、その両端部に一対の締め付け板5が配設され、締め付けロッド4によって、前記発電部33と熱交換部32とを挟持した両締め付け板5が締め付け固定されている。
第2実施形態の燃料電池スタック31においても、上記第1実施形態と同様、冷却水21及び酸化剤ガス22の流れは図4に示したようになる。従って、第1実施形態と同様に、発電部33に導入される冷却水21の温度を上げることができる。また、熱交換部32と発電部33とが隣接して配置されているため、発電部33からの放熱も冷却水の昇温に活用することができる。さらに、発電部33及び熱交換部32から構成される燃料電池スタック31の周囲を保温材で覆うことによって、さらに放熱を抑制することができる。
第3実施形態は、上記第1実施形態の変形例であって、図6に示すように、第1実施形態における酸化剤ガスを、燃料ガスに置き換えたものである。すなわち、燃料電池スタック1から排出される燃料ガス23中には水素が含まれるため、燃料改質器の昇温バーナーに導入して燃焼させることが一般であるが、燃料ガス中に水分が含まれると、昇温バーナー内の燃焼を阻害し失火させる恐れもある。しかしながら、第3実施形態によれば、燃料ガス23中に含まれる水分を凝縮して回収することができるため、昇温バーナーの失火を防止することができる、信頼性の高い燃料電池システムを提供することができる。
(4−1)構成
続いて、本発明に係る燃料電池スタックの第4実施形態について説明する。第4実施形態は、熱交換部2を構成する炭素板として、発電部3に適用される燃料極セパレータ、酸化剤極セパレータ及び冷却水セパレータを用いたものである。すなわち、図7は第4実施形態における熱交換部2を構成する炭素板の構成を示したものである。通常、発電部3においては、燃料極セパレータと酸化剤極セパレータの間には膜・電極接合体(MEA)が配置されるが、熱交換部2においては、燃料ガス流路15を備えた燃料極セパレータと空気流路17を備えた酸化剤極セパレータ18の間に緻密炭素板14あるいは金属板を挟むことにより、燃料ガスと酸化剤ガスが混合されることを防止するように構成されている。
このように構成された第4実施形態の燃料電池スタックにおいても、上記第1〜第3実施形態と同様の作用・効果が得られるので、発電部3に導入される冷却水21の温度を上げることが可能となる。また、発電部3からの放熱も、冷却水21の昇温に使うことができる。
(5−1)構成
さらに、本発明に係る第5実施形態について、図9〜図11を用いて具体的に説明する。第5実施形態の燃料電池スタック34では、複数の熱交換部を有している点に特徴がある。すなわち、図9に示すように、大別して発電部3と第1の熱交換部24と第2の熱交換部25とから構成されている。図9において、第1の熱交換部24は発電部3の手前側に配置され、第2の熱交換部25は発電部3の奥側に配置されている。
第5実施形態の燃料電池スタック34においては、冷却水21、酸化剤ガス22及び燃料ガス23の流れは図11に示したようになる。すなわち、酸化剤ガス22及び燃料ガス23は発電部3に導入され、燃料電池反応により熱と水を生成する。発電部3から排出された酸化剤ガス22及び燃料ガス23は、飽和に近い湿度の蒸気を含み、発電部3と同等の温度で、それぞれ第2の熱交換部25及び第1の熱交換部24に導入される。
このように第5実施形態の燃料電池スタック34によれば、燃料電池スタック34から排出される酸化剤ガス22及び燃料ガス23の両方を用いて、発電部3に導入される冷却水21の温度を上げることができる。しかも、第1及び第2の熱交換部24、25と発電部3とが隣接して配置されているために、発電部3からの放熱も冷却水21の昇温に活用することができる。また、発電部3及び熱交換部24、25から構成される燃料電池スタック34の周囲を保温材で覆うことによって、さらに放熱を抑制することができる。
次に、本発明に係る燃料電池スタックの第6実施形態を、図12を用いて説明する。なお、第6実施形態は、上記第2実施形態及び第5の実施形態を組み合わせたものであり、各実施形態と同一の部材については同一の符号を付し、説明は省略する。
図12に示すように、第6実施形態の燃料電池スタック35においては、発電部33と第1及び第2の熱交換部24、25とが連続して交互に積層され、その両端部に一対の締め付け板5が配設され、締め付けロッド4によって、前記発電部33と熱交換部24、25とを挟持した両締め付け板5が締め付け固定されている。
以上のような第6実施形態の燃料電池スタック35によれば、上記第5実施形態と同様、冷却水21、酸化剤ガス22及び燃料ガス23の流れは前記図11に示したようになる。従って、発電部33に導入される冷却水21の温度を上げることができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、例えば、複数の熱交換部を備えた燃料電池スタックにおいて、熱交換部の設置数は適宜選択可能である。
2、32…熱交換部
3、33…発電部
4…締め付けロッド
5…締め付け板
6、36…多孔質炭素板
7…冷却水流路
8…ガス流路
9…中間締め付け板
10…ガスマニホールド
11…ガス−冷却水マニホールド
12…ガス配管
13…冷却水配管
14…緻密炭素板
15…燃料ガス流路
16…燃料極セパレータ
17…空気流路
18…酸化剤極セパレータ
19…冷却水セパレータ
20…両面セパレータ
21…冷却水
22…酸化剤ガス
23…燃料ガス
24…第1の熱交換部
25…第2の熱交換部
41…第1の循環ライン
42、45…ポンプ
43…熱交換器
44…冷却水タンク
46…第2の循環ライン
47…貯湯タンク
Claims (11)
- 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の両面に配置される燃料極及び酸化剤極と、前記燃料極に面して水素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス流路を有する燃料極セパレータと、前記酸化剤極に面して酸素を含む酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を有する酸化剤極セパレータと、冷却水セパレータから成る単電池を複数積層して構成された発電部と、
前記発電部に隣接して配置された熱交換部を有し、
前記熱交換部の一次側に前記発電部から排出される酸化剤ガスを導入すると共に、前記熱交換部の二次側には冷却水を導入し、この酸化剤ガスと冷却水との間で熱交換を行い、前記熱交換部から排出された冷却水を前記冷却水セパレータに導入する燃料電池スタックにおいて、
前記熱交換部は、酸化剤ガス流路を有する多孔質炭素板と冷却水流路を有する多孔質炭素板とを交互に複数積層して構成され、前記発電部となる単電池の積層体と連続して積層されていることを特徴とする燃料電池スタック。 - 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の両面に配置される燃料極及び酸化剤極と、前記燃料極に面して水素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス流路を有する燃料極セパレータと、前記酸化剤極に面して酸素を含む酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を有する酸化剤極セパレータと、冷却水セパレータから成る単電池を複数積層して構成された発電部と、
前記発電部に隣接して配置された熱交換部を有し、
前記熱交換部の一次側に前記発電部から排出される酸化剤ガスを導入すると共に、前記熱交換部の二次側には冷却水を導入し、この酸化剤ガスと冷却水との間で熱交換を行い、前記熱交換部から排出された冷却水を前記冷却水セパレータに導入する燃料電池スタックにおいて、
前記熱交換部における酸化剤ガス圧力を冷却水圧力よりも高く維持することを特徴とする燃料電池スタック。 - 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の両面に配置される燃料極及び酸化剤極と、前記燃料極に面して水素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス流路を有する燃料極セパレータと、前記酸化剤極に面して酸素を含む酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を有する酸化剤極セパレータと、冷却水セパレータから成る単電池を複数積層して構成された発電部と、
前記発電部に隣接して配置された熱交換部を有し、
前記熱交換部の一次側に前記発電部から排出される燃料ガスを導入すると共に、前記熱交換部の二次側には冷却水を導入し、この燃料ガスと冷却水との間で熱交換を行い、前記熱交換部から排出された冷却水を前記冷却水セパレータに導入する燃料電池スタックにおいて、
前記熱交換部は、燃料ガス流路を有する多孔質炭素板と冷却水流路を有する多孔質炭素板とを交互に複数積層して構成され、前記発電部となる単電池の積層体と連続して積層されていることを特徴とする燃料電池スタック。 - 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の両面に配置される燃料極及び酸化剤極と、前記燃料極に面して水素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス流路を有する燃料極セパレータと、前記酸化剤極に面して酸素を含む酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を有する酸化剤極セパレータと、冷却水セパレータから成る単電池を複数積層して構成された発電部と、
前記発電部に隣接して配置された熱交換部を有し、
前記熱交換部の一次側に前記発電部から排出される燃料ガスを導入すると共に、前記熱交換部の二次側には冷却水を導入し、この燃料ガスと冷却水との間で熱交換を行い、前記熱交換部から排出された冷却水を前記冷却水セパレータに導入する燃料電池スタックにおいて、
前記熱交換部における燃料ガス圧力を冷却水圧力よりも高く維持することを特徴とする燃料電池スタック。 - 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の両面に配置される燃料極及び酸化剤極と、前記燃料極に面して水素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス流路を有する燃料極セパレータと、前記酸化剤極に面して酸素を含む酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を有する酸化剤極セパレータと、冷却水セパレータから成る単電池を複数積層して構成された発電部と、
前記発電部に隣接して配置された熱交換部を有し、
前記熱交換部の一次側に前記発電部から排出される燃料ガス及び酸化剤ガスを導入すると共に、前記熱交換部の二次側には冷却水を導入し、この燃料ガス及び酸化剤ガスと冷却水との間で熱交換を行い、前記熱交換部から排出された冷却水を前記冷却水セパレータに導入する燃料電池スタックにおいて、
前記熱交換部は、前記発電部を構成する燃料極セパレータ、酸化剤極セパレータ及び冷却水セパレータとそれぞれ同じ部材を複数積層して構成され、
この熱交換部が前記発電部となる単電池の積層体と連続して積層され、
前記発電部から排出される燃料ガスを前記熱交換部の燃料極セパレータに導入すると共に、前記発電部から排出される酸化剤ガスを前記熱交換部の酸化剤極セパレータに導入するように構成したことを特徴とする燃料電池スタック。 - 前記燃料極セパレータ、酸化剤極セパレータ及び冷却水セパレータが、多孔質炭素板から構成されていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池スタック。
- 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の両面に配置される燃料極及び酸化剤極と、前記燃料極に面して水素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス流路を有する燃料極セパレータと、前記酸化剤極に面して酸素を含む酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を有する酸化剤極セパレータと、冷却水セパレータから成る単電池を複数積層して構成された発電部と、
前記発電部に隣接して配置された熱交換部を有し、
前記熱交換部の一次側に前記発電部から排出される燃料ガス及び酸化剤ガスを導入すると共に、前記熱交換部の二次側には冷却水を導入し、この燃料ガス及び酸化剤ガスと冷却水との間で熱交換を行い、前記熱交換部から排出された冷却水を前記冷却水セパレータに導入する燃料電池スタックにおいて、
前記熱交換部における燃料ガス圧力及び酸化剤ガス圧力のいずれよりも、冷却水圧力を低く維持することを特徴とする燃料電池スタック。 - 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の両面に配置される燃料極及び酸化剤極と、前記燃料極に面して水素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス流路を有する燃料極セパレータと、前記酸化剤極に面して酸素を含む酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を有する酸化剤極セパレータと、冷却水セパレータから成る単電池を複数積層して構成された発電部と、
前記発電部に隣接して第1及び第2の熱交換部を少なくとも1つずつ配置し、
前記第1の熱交換部の一次側に前記発電部から排出される燃料ガスを導入し、当該熱交換部の二次側にはそれぞれ冷却水を導入し、燃料ガスと冷却水との間で熱交換を行い、
前記第2の熱交換部の一次側に前記発電部から排出される酸化剤ガスを導入し、当該熱交換部の二次側にはそれぞれ冷却水を導入し、燃料ガスと冷却水との間で熱交換を行い、
前記第1及び第2の熱交換部から排出された冷却水を前記冷却水セパレータに導入する燃料電池スタックにおいて、
前記第1の熱交換部は、燃料ガス流路を有する多孔質炭素板と冷却水流路を有する多孔質炭素板とを交互に複数積層して構成され、前記第2の熱交換部は、酸化剤ガス流路を有する多孔質炭素板と冷却水流路を有する多孔質炭素板とを交互に複数積層して構成され、前記発電部となる単電池の積層体と連続して積層され、前記第1及び第2の熱交換部の間に前記単電池の積層体が配置されたことを特徴とする燃料電池スタック。 - 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の両面に配置される燃料極及び酸化剤極と、前記燃料極に面して水素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス流路を有する燃料極セパレータと、前記酸化剤極に面して酸素を含む酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を有する酸化剤極セパレータと、冷却水セパレータから成る単電池を複数積層して構成された発電部と、
前記発電部に隣接して第1及び第2の熱交換部を少なくとも1つずつ配置し、
前記第1の熱交換部の一次側に前記発電部から排出される燃料ガスを導入し、当該熱交換部の二次側にはそれぞれ冷却水を導入し、燃料ガスと冷却水との間で熱交換を行い、
前記第2の熱交換部の一次側に前記発電部から排出される酸化剤ガスを導入し、当該熱交換部の二次側にはそれぞれ冷却水を導入し、燃料ガスと冷却水との間で熱交換を行い、
前記第1及び第2の熱交換部から排出された冷却水を前記冷却水セパレータに導入する燃料電池スタックにおいて、
前記発電部を中央部及び両端部に分割し、中央部の前記発電部における前記冷却水セパレータに前記第1の熱交換部を出た冷却水を導入し、両端部の前記発電部における前記冷却水セパレータに前記第2の熱交換部を出た冷却水を導入するように構成したことを特徴とする燃料電池スタック。 - 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の両面に配置される燃料極及び酸化剤極と、前記燃料極に面して水素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス流路を有する燃料極セパレータと、前記酸化剤極に面して酸素を含む酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を有する酸化剤極セパレータと、冷却水セパレータから成る単電池を複数積層して構成された発電部と、
前記発電部に隣接して第1及び第2の熱交換部を少なくとも1つずつ配置し、
前記第1の熱交換部の一次側に前記発電部から排出される燃料ガスを導入し、当該熱交換部の二次側にはそれぞれ冷却水を導入し、燃料ガスと冷却水との間で熱交換を行い、
前記第2の熱交換部の一次側に前記発電部から排出される酸化剤ガスを導入し、当該熱交換部の二次側にはそれぞれ冷却水を導入し、燃料ガスと冷却水との間で熱交換を行い、
前記第1及び第2の熱交換部から排出された冷却水を前記冷却水セパレータに導入する燃料電池スタックにおいて、
前記第1及び第2の熱交換部における燃料ガス圧力及び酸化剤ガス圧力を冷却水圧力よりも高く維持することを特徴とする燃料電池スタック。 - 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の燃料電池スタックを備えたことを特徴とする燃料電池システム。
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