JP2008004406A - 燃料電池及びそれを備える燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】セル内で発生するフラッディングを確実に防止することができる燃料電池及びそれを備える燃料電池システムを提供することを目的とする。
【解決手段】セル11が積層されることによって、反応部と伝熱部が形成されたスタック111を有し、スタック111には、第1及び第2の熱媒体供給マニホールド125、126及び熱媒体排出マニホールド127が形成され、伝熱部には、第1の熱媒体供給マニホールド125から熱媒体排出マニホールド127に到る第1の熱媒体流路と、第1の熱媒体流路の下流部分に沿った部分を有するようにして第2の熱媒体供給マニホールド126から第1の熱媒体供給マニホールド125に到る第2の熱媒体流路と、が形成されている、燃料電池。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池及びそれを備える燃料電池システム、特に燃料電池の構造に関する。
燃料電池システムは、原料と水を反応させて水素リッチな燃料ガスが燃料処理器で生成され、この生成された燃料ガスと酸化剤ガスが燃料電池に供給され、燃料電池でこれらのガスを反応させて発電を行うシステムである。
この燃料電池システムを一般家庭用として用いる場合、電気消費量の多い昼間に発電を行い、逆に電気消費量の少ない夜間に運転を停止する、いわゆるDSS(Daily Start−up&Shut−down)運転が行われる。DSS運転において、起動時等の燃料電池内の温度が充分に加熱されていないときに発電したり、また、燃料電池内の温度より高い露点となるように加湿された反応ガスが燃料電池内に供給されると、燃料電池を構成するセルにおける反応ガス流路の下流部で結露が生じ、これによりフラッディングが発生する。
このような燃料電池システムの起動時のフラッディングを防止するために、燃料電池の起動時にセルの下部から上部へ熱媒体を通流させる固体高分子型燃料電池(例えば、特許文献1)や燃料電池システムの起動時に燃料電池の酸化剤流路の下流の出口領域より熱媒体を循環させる燃料電池システム(例えば、特許文献2)が知られている。特許文献1に開示されている固体高分子型燃料電池や特許文献2に開示されている燃料電池システムでは、セルの反応ガスの流れにおける下流側から熱媒体流路に熱媒体を供給して燃料電池を加熱するため、セルにおける反応ガス流路の下流部で生じるフラッディングを防止することができる。
特開平8−78033号公報 特開2003−303607号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている固体高分子型燃料電池や特許文献2に開示されている燃料電池システムでは、逆にセルにおける反応ガス流路の上流部の加熱が不充分となって、フラッディングが生じるおそれがあり、未だ改善の余地があった。
本発明は、以上の課題を鑑みてなされたものであり、フラッディングの発生を確実に防止し、安全に運転可能な燃料電池及びそれを備える燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の燃料電池は、セルが積層されることによって、反応ガスの反応により発熱を伴う発電をする1以上の反応部と、熱媒体の通流により該反応部との間で熱を授受する1以上の伝熱部と、が前記セルの積層方向において互いに隣接するように形成されたスタックを有し、前記スタックには、前記反応ガスを前記反応部に供給するための反応ガス供給マニホールド、前記反応ガスを前記反応部から排出するための反応ガス排出マニホールド、前記熱媒体を前記伝熱部に供給するための第1及び第2の熱媒体供給マニホールド、及び前記熱媒体を前記伝熱部から排出するための熱媒体排出マニホールドが前記積層方向に延びるようにそれぞれ形成され、各前記反応部には、前記反応ガス供給マニホールドから前記反応ガス排出マニホールドに到る反応ガス流路が形成され、各前記伝熱部には、前記積層方向から見て巨視的に前記反応ガスと同じ方向に前記熱媒体が流れるようにして、前記第1の熱媒体供給マニホールドから前記熱媒体排出マニホールドに到る第1の熱媒体流路と、前記第1の熱媒体流路の下流部分に沿った部分を有するようにして前記第2の熱媒体供給マニホールドから前記第1の熱媒体供給マニホールドに到る第2の熱媒体流路と、が形成されている。
これにより、セル内で発生するフラッディングを確実に防止することができ、安全に燃料電池を運転することが可能となる。また、セルの反応ガスの流れにおける上流側と下流側の両方から熱媒体を流通させるので、スタック内の温度を急速に暖めることができ、起動時間の短縮が可能となる。
また、本発明の燃料電池においては、外部からの前記熱媒体の供給先を前記第1の熱媒体供給マニホールドと前記第2の熱媒体供給マニホールドとの間で切り替える切り替え器を備えてもよい。
更に、本発明の燃料電池においては、前記セルは、一対のガス拡散電極と該一対のガス拡散電極の間に配置される電解質層を含む電解質層−電極積層体と、板状の形状を呈しており、かつ、導電性を有しており、前記電解質層−電極積層体を挟む一対のセパレータと、を有し、前記セパレータは、前記電解質層−電極積層体と当接する主面に前記反応ガス流路が形成され、かつ、他方の主面に前記熱媒体流路が形成され、前記反応部は、前記セルにおける、一方の前記セパレータの前記反応ガス流路から他方の前記セパレータの前記反応ガス流路に亘る部分から構成され、前記伝熱部は、前記積層方向において互いに隣接する2つの前記セパレータの前記熱媒体流路が形成された部分から構成されてもよい。
また、本発明の燃料電池においては、前記反応ガスは、アノードガスとカソードガスとで構成され、前記一対のセパレータは、前記反応ガス流路としてアノードガス流路が形成されたアノードセパレータと、前記反応ガス流路としてカソードガス流路が形成されたカソードセパレータと、で構成され、前記反応ガス供給マニホールドは、各前記セルのアノードガス流路に前記アノードガスを供給するためのアノードガス供給マニホールドと、各前記セルのカソードガス流路に前記カソードガスを供給するためのカソードガス供給マニホールドと、で構成され、前記反応ガス排出マニホールドは、各前記セルのアノードガス流路から前記アノードガスを排出するためのアノードガス排出マニホールドと、各前記セルのカソードガス流路から前記カソードガスを排出するためのカソードガス排出マニホールドと、で構成され、前記セルは、互いに隣接する2つのセルにおいて一方のセルのアノードセパレータと、他方のセルのカソードセパレータと、が接触するように積層されていてもよい。
更に、本発明の燃料電池においては、前記第2の熱媒体流路は、前記第1の熱媒体流路の下流部分に沿った部分のその全体に対する比率が50%以上80%以下であることが好ましい。
また、本発明の燃料電池においては、前記第1の熱媒体流路は、前記反応ガス流路と平行流となるように形成されていてもよい。
また、本発明の燃料電池においては、前記電解質層は、高分子電解質膜からなる層を少なくとも含んでいてもよい。
また、本発明の燃料電池においては、一対のガス拡散電極と該一対のガス拡散電極の間に配置される電解質層を含む電解質層−電極積層体と、板状の形状を呈しており、かつ、導電性を有しており前記電解質層−電極積層体を挟む一対のセパレータと、を有するセルと、該セルが積層されたセルスタックと、を備え、前記セルスタックの内部には、反応ガス供給マニホールドと、反応ガス排出マニホールドと、第1及び第2の熱媒体供給マニホールドと、熱媒体排出マニホールドと、が前記積層方向に延びるようにそれぞれ形成され、前記セパレータには、前記電解質層−電極積層体と当接する主面に、前記反応ガス供給マニホールドと前記反応ガス排出マニホールドとを結ぶように前記反応ガス流路が形成され、かつ、他方の主面に、前記積層方向から見て巨視的に前記反応ガスと同じ方向に前記熱媒体が流れるようにして、前記第1の熱媒体供給マニホールドから前記熱媒体排出マニホールドに到る第1の熱媒体流路と、前記第1の熱媒体流路の下流部分に沿った部分を有するようにして前記第2の熱媒体供給マニホールドから前記第1の熱媒体供給マニホールドに到る第2の熱媒体流路と、が形成されていてもよい。
また、本発明の燃料電池システムは、前記燃料電池と、制御装置と、前記燃料電池の前記熱媒体排出マニホールドから排出される熱媒体の温度を検出する温度検出器と、を備え、前記制御装置は、前記温度検出器からの温度情報を基に前記切り替え器を制御する。
これにより、セル内で発生するフラッディングを確実に防止することが可能となる。また、セルの反応ガスの流れにおける上流側と下流側の両方から熱媒体を流通させるので、スタック内を急速に暖めることができ、起動時間の短縮が可能となる。
また、本発明の燃料電池システムにおいては、前記切り替え器に前記熱媒体を供給する熱媒体供給装置と、前記反応部に前記反応ガスを供給する反応ガス供給装置と、を備えてもよい。
本発明の燃料電池及びそれを備える燃料電池システムによれば、セル内で発生するフラッディングを確実に防止することが可能となる。また、セルの反応ガスの流れにおける上流側と下流側の両方から熱媒体を流通させるので、スタック内の温度を急速に暖めることができ、起動時間の短縮が可能となる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの構成を模式的に示すブロック図である。
まず、本実施の形態1に係る燃料電池システムの構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態1に係る燃料電池システムは、高分子電解質形燃料電池(以下、PEFCという)100と、燃料ガス供給装置101と、酸化剤ガス供給装置102と、熱媒体供給装置103と、温度検出器104と、制御装置(制御器)105と、を有している。
PEFC100は、スタック111と切り替え弁(切り替え器)112を有している。
スタック111は、電解質層である高分子電解質膜1の両主面にアノード4a及びカソード4bが形成されてなるMEA5(電解質層部材;図2及び図3参照)と、該MEA5を挟む一対のガスケット10と、MEA5とガスケット10を挟むアノードガスセパレータ6aとカソードセパレータ6bと、を有するセル11が積層されて形成されている。そして、スタック111には、各セル11に設けられた各種のマニホ−ルド孔が積層方向につながってアノード4aにアノードガス(燃料ガス)を供給するアノードガス供給マニホールド121と、カソード4bにカソードガス(酸化剤ガス)を供給するカソードガス供給マニホールド123と、未反応のアノードガスをスタック111外に排出するアノードガス排出マニホールド122と、未反応のカソードガスをスタック111外に排出するカソードガス排出マニホールド124と、が形成されている。
アノードガス供給マニホールド121は、アノードガスを供給する燃料ガス供給装置101と適宜な配管で接続されており、燃料ガス供給装置101は、適宜な配管でアノードガス排出マニホールド122と接続されている。また、カソードガス供給マニホールド123は、適宜な配管により、カソードガスを供給する酸化剤ガス供給装置102と接続されており、一方、カソードガス排出マニホールド124は、適宜な配管が接続され、未反応の酸化剤ガスをシステム外に排出する。
これにより、燃料電池供給装置101及び酸化剤ガス供給装置102から供給されたアノードガスとカソードガス(これらを、反応ガスという)が電気化学的に反応して水が生成し、発熱を伴って電気が発生する。
また、スタック111には、外部から供給された熱媒体をスタック111内に通流させる第1の熱媒体供給マニホールド125、第2の熱媒体供給マニホールド及び熱媒体排出マニホールド126が形成されている。
切り替え弁112は、ここでは、三方弁で形成されており、その第1のポート112a及び第2のポート112bは、第1の熱媒体供給マニホールド125及び第2の熱媒体供給マニホールド126とそれぞれ適宜な配管で接続されている。また、切り替え弁112の第3のポート112cには、熱媒体供給路106の一端が接続されており、熱媒体供給路106の他端には、熱媒体を供給する熱媒体供給装置103の吐出口が接続されている。熱媒体供給装置103の吸入口には、熱媒体排出路107の一端が接続されており、熱媒体排出路107の他端には、熱媒体排出マニホールド127が接続されている。熱媒体排出路107の途中には、温度検出器104が設けられている。熱媒体供給装置103からPEFC100に供給された熱媒体がスタック111内を通流することにより、スタック111内を反応ガスが反応するのに適した温度に保つことができる。
燃料ガス供給装置101は、ここでは、天然ガス供給インフラから供給される天然ガスを燃料処理器(図示せず)に送出するプランジャーポンプ(図示せず)と、その送出量を調整することができる流量調整具(図示せず)と、送出された天然ガスを水素リッチな燃料ガスに改質する燃料処理器と、を有している。燃料処理器では、天然ガスと水蒸気とを改質反応させ、改質ガスが生成され、この改質ガスに含まれるCOを1ppm程度まで減少させて燃料ガスが生成される。また、燃料ガス供給装置101の燃料処理器は、アノードガス排出マニホールド124と適宜な配管により接続され、未反応のアノードガスがオフガスとして図示されない燃料処理器(正確には、その加熱部)に供給される。
酸化剤ガス供給装置102は、ここでは、吸入口が大気開放されているブロワ(図示せず)で構成されており、酸化剤ガス(ここでは、空気)をPEFC100(正確には、カソードガス供給マニホールド)に供給する。なお、酸化剤ガス供給装置103は、シロッコファンなどのファン類を用いる構成としてもよい。
熱媒体供給装置103は、熱媒体を循環させるポンプ(図示せず)と、熱媒体を加熱するヒータ(図示せず)と、熱媒体と熱交換する熱交換器(図示せず)と、を有しており、スタック111内を適切な温度に維持する。具体的には、燃料電池システムの起動時には、熱媒体装置103では、図示されないヒータにより熱媒体が加熱され、加熱された熱媒体は、PEFC100に供給され、スタック111内を加熱する。また、燃料電池システムの発電時には、反応ガスにおける電気化学的反応に伴い熱が発生するので、スタック111内を通流した熱媒体は加熱される。このため、熱媒体供給装置103では、加熱された熱媒体が、図示されない熱交換器を通流されて、外部と熱交換を行う。これにより、熱媒体は冷却され、この冷却された熱媒体をPEFC100に供給し、スタック111内を冷却する。なお、ここでは、熱媒体として水を使用している。
温度検出器104は、ここでは、熱電対、サーミスタなどの温度センサを有しており、熱媒体排出路107を流れる熱媒体の温度をスタック111の温度として検出し、その温度情報は、制御装置105に伝達される。
制御装置105は、マイコン等のコンピュータによって構成されており、CPU等からなる演算処理部141、メモリ等からなる記憶部142、モニター等の表示部143及びキーボード等の操作入力部144を有している。演算処理部141は、記憶部142に格納された所定の制御プログラムを読み出し、これを実行することにより、燃料電池システムに関する各種の制御を行う。また、演算処理部141は、記憶部142に記憶されたデータや操作入力部144から入力されたデータを処理する。そして、特に、温度検出器104にて検出された温度情報に基づいて切り替え弁112を制御し、熱媒体供給装置103から供給される熱媒体の供給先を切り替える。熱媒体の供給先の切り替え動作については後述する。
ここで、本明細書において、制御装置とは、単独の制御装置だけでなく、複数の制御装置が協働して燃料電池システムの制御を実行する制御装置群をも意味する。このため、制御装置は、単独の制御装置から構成される必要はなく、複数の制御装置が分散配置され、それらが協働して燃料電池システムの動作を制御するように構成されていてもよい。
次に、本実施の形態1に係るスタック111の構成について、図2を参照しながら説明する。
図2は、図1に示したスタック111の概容を示す模式図である。なお、図2においては、スタック111における上下方向を、図における上下方向として表している。
図2に示すように、スタック111は、板状の全体形状を有するセル11がその厚み方向に積層されてなるセル積層体50と、セル積層体50の両端に配置された端板41と、セル積層体50と端板41とをセル11の積層方向において締結する図示されない締結具と、を有している。また、端板41には、集電板及び絶縁板がそれぞれ配設されているが図示を省略している。なお、板状のセル11は、鉛直面に平行に延在しており、セル11の積層方向は水平方向となっている。
セル積層体50の一方の側部(以下、第1の側部という)の上部には、該セル積層体50の積層方向に貫通するようにアノードガス供給マニホールド121が形成されており、また、第1の側部の下部には、熱媒体排出マニホールド127が形成されている。同様に、セル積層体50の他方の側部(以下、第2の側部という)の上部には、該セル積層体50の積層方向に貫通するようにカソードガス供給マニホールド123が形成されており、第2の側部の下部には、第2の熱媒体供給マニホールド126が形成されている。また、セル積層体50の第1の側部の熱媒体排出マニホールド127が配設されている下部の内側には、該セル積層体50の積層方向に貫通するようにカソードガス排出マニホールド124が形成されており、セル積層体50の第2の側部のカソードガス供給マニホールド123が配設されている上部の内側には、第1の熱媒体供給マニホールド125が形成されており、第2の側部の第2の熱媒体供給マニホールド127が配設されている下部の内側には、アノードガス排出マニホールド122が形成されている。そして、それぞれのマニホールドには、適宜な配管が設けられている。
次に、本実施の形態1に係るスタック111のセル11の構造について説明する。
図3は、図2に示したスタック111を構成するセル11の構造の概容を示す断面図である。なお、図3においては、その一部を省略している。
図3に示すように、セル11は、MEA(Membrane−Electrode−Assembly:電解質膜−電極積層体)5と、ガスケット10と、アノードセパレータ6aとカソードセパレータ6bと、を有している。
MEA5は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜1とアノード4aとカソード4bを有している。高分子電解質膜1の両面には、その周縁部より内方に位置するようにアノード4aとカソード4b(これらを、ガス拡散電極という)がそれぞれ設けられている。アノード4aは、高分子電解質膜1の一方の主面上に設けられ、白金系金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とするアノード触媒層2aと、アノード触媒層2aの上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたアノードガス拡散層3aと、を有している。同様に、カソード4bは、高分子電解質膜1の他方の主面上に設けられ、白金系金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とするカソード触媒層2bと、カソード触媒層2bの上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたカソードガス拡散層3bと、を有している。
アノード4a及びカソード4bの周囲には、高分子電解質膜1を挟んで一対のフッ素ゴム製のガスケット10が配設されている。これにより、燃料ガス、空気や酸化剤ガスが電池外にリークされることが防止され、また、セル11内でこれらのガスが互いに混合されることが防止される。なお、ガスケット10の周縁部には、厚み方向の貫通孔からなる熱媒体供給マニホールド孔25等のマニホールド孔が設けられている。
そして、MEA5とガスケット10を挟むように、導電性のアノードセパレータ6aとカソードセパレータ6bが配設されている。これらのセパレータ6a、6bは、黒鉛板に、フェノール樹脂が含浸され硬化された樹脂含浸黒鉛板が用いられる。また、SUS等の金属材料からなるものを用いてもよい。アノードセパレータ6aとカソードセパレータ6bにより、MEA5が機械的に固定されるとともに、隣接するMEA5同士が互いに電気的に直列に接続される。
アノードセパレータ6aの内面(MEA5に当接する面)には、燃料ガスを流すための溝状のアノードガス流路7がサーペンタイン状に形成されている。一方、アノードセパレータ6aの外面には、熱媒体を流すための溝状の熱媒体流路9がサーペンタイン状に形成されている。また、アノードセパレータ6aの周縁部には、厚み方向の貫通孔からなる熱媒体供給マニホールド孔25等のマニホールド孔(図4及び図5参照)が設けられている。
一方、カソードセパレータ6bの内面には、酸化剤ガスを流すための溝状のカソードガス流路8がサーペンタイン状に形成されており、その外面には、熱媒体を流すための溝状の熱媒体流路9がサーペンタイン状に形成されている。また、カソードセパレータ6bの周縁部には、アノードセパレータ6aと同様に、厚み方向の貫通孔からなる熱媒体供給マニホールド孔25等のマニホールド孔が設けられている。
このように形成したセル11をその厚み方向に積層することにより、セル積層体50が形成される。アノードセパレータ6a、カソードセパレータ6b及びガスケット10に設けられた熱媒体供給マニホールド孔25等のマニホールド孔は、セル11を積層したときに厚み方向にそれぞれつながって、熱媒体供給マニホールド125等のマニホールドがそれぞれ形成される。
そして、セル11内において、アノードガス流路7、MEA5、そして、カソードガス流路に亘る部分が反応部15を構成する。また、隣接する2つのセルにおいて互いに接触する2つのセパレータにそれぞれ設けられた熱媒体流路9は、両者が合わさって1つの熱媒体流路を形成し、これが、伝熱部16を構成する。なお、熱媒体流路9はセル毎に設けられても、所定数のセル毎に設けられても良い。
次に、カソードセパレータ6bの形状について、図4及び図5を参照して詳しく説明する。
図4は、図3に示すセル11のカソードセパレータ6bの内面形状を示す模式図である。一方、図5は、図3に示すセル11のカソードセパレータ6bの外面形状を示す模式図である。なお、図4及び図5においては、カソードセパレータ6bにおける上下方向を、図における上下方向として表している。
図4及び図5に示すように、カソードセパレータ6bには、アノードガス供給マニホールド孔21が、カソードセパレータ6bの一方の側部(図面左側の側部:以下、第1の側部という)の上部に設けられ、カソードガス供給マニホールド孔23が、カソードセパレータ6bの他方の側部(図面右側の側部:以下、第2の側部という)の上部に設けられている。また、熱媒体排出マニホールド孔27が、カソードセパレータ6bの第1の側部の下部に設けられ、第2の熱媒体供給マニホールド孔26が、カソードセパレータ6bの第2の側部の下部に設けられている。さらに、第1の熱媒体供給マニホールド孔25が、カソードガス供給マニホールド孔23の上部の内側に設けられ、カソードガス排出マニホールド孔24が、熱媒体排出マニホールド孔27の下部の内側に設けられ、アノードガス排出マニホールド孔22が、第2の熱媒体供給マニホールド孔26の下部の内側に設けられている。
また、図4に示すように、カソードセパレータ6bの内面には、MEA5と当接する当接部分30の略全体に亘って、カソードガス供給用マニホールド孔23とカソードガス排出マニホールド孔24を結ぶようにサーペンタイン状に形成された溝状のカソードガス流路8が設けられている。
カソードガス流路8は、本実施の形態では3つの流路で構成されており、各流路は、水平方向に延びる水平部8aと、鉛直方向に延びる鉛直部8bと、で実質的に構成されている。具体的には、カソードガス流路8の各流路は、カソードガス供給マニホールド孔23の上部からカソードセパレータ6bの第1の側部まで水平に延び、そこから、下方にある距離延びている。延びた地点から、第2の側部まで水平に延び、そこから、下方にある距離延びている。そして、そこから、上記延在パターンを3回繰り返し、その到達点からカソードガス排出マニホールド孔24の下部に到るように下方に延びている。このような各流路の水平に延びる部分が、水平部8aを形成し、下方に延びる部分が、鉛直部8bを形成している。
一方、図5に示すように、カソードセパレータ6bの外面には、第1の熱媒体供給マニホールド孔25と熱媒体排出マニホールド孔24を結ぶようにサーペンタイン状に形成された溝状の第1の熱媒体流路19と、第2の熱媒体供給マニホールド孔26と第1の熱媒体マニホールド孔25を結ぶように形成された溝状の第2の熱媒体流路29と、が設けられている。第1の熱媒体流路19と第2の熱媒体流路29によって、熱媒体流路9が構成される。
第1の熱媒体流路19は、本実施の形態では3つの流路で構成されており、各流路は、水平方向に延びる水平部19aと、鉛直方向に延びる鉛直部19bと、で実質的に構成されている。具体的には、第1の熱媒体流路19の各流路は、第1の熱媒体供給マニホールド孔25の上部から下方にある距離延び、そこから、カソードセパレータ6bの第1の側部まで水平に延びている。そこから、下方にある距離延び、その先端から第2の側部まで水平に延びている。そして、そこから、上記延在パターンを3回繰り返し、その到達点から熱媒体排出マニホールド孔27の下部に到るように水平に延びている。このような各流路の水平に延びる部分が、水平部19aを形成し、下方に延びる部分が、鉛直部19bを形成している。
なお、ここでは、カソードガス流路8及び第1の熱媒体流路19は、3つの流路で構成したが、これに限られず、本発明の効果を損なわない範囲で任意に設計することができ、また、水平部8a、鉛直部8b、水平部19a及び鉛直部19bについても、同様に、任意に設計することができる。
また、第2の熱媒体流路29は、本実施の形態では1つの流路で構成されており、第1の熱媒体流路19の下流部分である第1の熱媒体流路19の水平部19aの最下端部に沿うように(第1の熱媒体流路19の水平部19aの最下端部近傍に)、かつ、コの字状に形成された並走部分29aと、第2の熱媒体供給マニホールド孔26と並走部分29aの上流端とを接続する上流側接続部分29bと、第1の熱媒体供給マニホールド孔25と並走部分29aの下流端とを接続する下流側接続部分29cと、を有し、カソードセパレータ6bの外面の周縁部であって、第1の熱媒体流路19を形成する各流路を妨げないように設けられている。ここでは、第2の熱媒体流路29は、第2の熱媒体供給マニホールド孔26の下部から第1の側部に向かって下方に延び、その先端から第1の側部まで水平に延びている。そこから、上方にある距離延び、その先端から第2の側部まで水平に延びている。そして、そこから、上方に延びて、その到達点から第1の熱媒体供給マニホールド孔25に到るように上方に延びている。
なお、アノードセパレータ6aの内面に設けられたアノードガス流路7は、上述のカソードガス流路8と同様に構成されており、また、アノードセパレータ6aの外面に設けられた第1の熱媒体流路は、上述のカソードセパレータ6bの外面に設けられた第1の熱媒体流路19と同様に構成されている(正確には、セル11の積層方向から見て第1の熱媒体流路19に一致するように形成されている)ため、詳細な説明は省略する。
ここで、セル11内を通流する反応ガスの流れと熱媒体の流れについて、図6を参照して説明する。
図6は、図3に示すセル11の各セパレータ6a、6bの構造を示す模式図である。図6において、各セパレータ6a、6bは、セル11の厚み方向(すなわち、セル11の積層方向)から見て透視的に描かれている。また、アノードセパレータ6aのアノードガス流路7、と熱媒体流路9及びカソードセパレータ6bのカソードガス流路8と熱媒体流路9の各流路をそれぞれ1本の線で代表するようにして示されている。
図6に示すように、アノードガス流路7及びカソードガス流路8は、一部に互いに反対方向にガスが流れる部分を有するが、セル11の積層方向から見て、巨視的に(全体として)同じ方向にアノードガスとカソードガスが流れるように構成されている。そして、これらの反応ガス流路と第1の熱媒体流路19も、一部に互いに反対方向に流れる部分を有するが、セル11の積層方向から見て、巨視的に(全体として)同じ方向に反応ガスと熱媒体が流れるように構成されている(いわゆる、平行流が構成されている)。また、アノードガス流路7、カソードガス流路8、及び第1の熱媒体流路19は、セル11の積層方向から見て、MEA5のアノード4a及びカソード4bが形成された領域(セパレータの当接部分30)内に形成されているが、第2の熱媒体流路29は、この領域(当接部分30)とセパレータ6a、6bの外周との間に形成されている。
このように構成されている燃料電池システムにおいて、システムの起動時のようにスタック111内の温度が低い場合には、熱媒体は、スタック111(各セル11)に熱を奪われながら第1の熱媒体流路19を流れる。このため、第1の熱媒体流路19の下流側では、冷却された熱媒体が通流し、セル11の積層方向から見て第1の熱媒体流路19の下流側におけるスタック111が充分に加熱されない。これにより、反応ガス流路の下流側では、反応ガスに加湿されている水蒸気の露点以下にまで反応ガスの温度が下がり、反応ガス流路内で結露が生じ、フラッディングが発生する。
しかしながら、本発明では、図6に示すように、第2の熱媒体流路29が、第1の熱媒体流路19の最下流部分近傍に設けられているため、第1の熱媒体流路19の下流部分を通流する冷却された熱媒体と第2の熱媒体流路29の並走部分29aを通流する加熱された(冷却されていない)熱媒体やスタック111(セル11)において充分に加熱されていない下流部分との間で熱交換が行われる。
これにより、セル11の反応ガスの流れにおける下流側の加熱が充分に行えるので、セル11の反応ガス流路の下流側で生じるフラッディングを確実に防止することができ、また、第1の熱媒体供給マニホールド25から第1の熱媒体流路19に熱媒体が供給されるため、セル11の反応ガスの流れにおける上流側も充分に加熱されるので、セル11の反応ガス流路の上流側で生じるおそれのあるフラッディングも確実に防止することができる。
なお、第2の熱媒体流路29の並走部分29aは、セル11下流側で生じるフラッディングを確実に防止することができる観点から、第2の熱媒体流路29全体に対する割合(長さの割合)が50%以上であることが好ましい。また、セル11下流側での加熱を適切に行いつつセル11上流側の加熱も不足なく十分に行う観点と、第1の熱媒体流路19の下流部での熱の回収量及び外部への放熱量を適切に行いセル11の加熱効率の低下を十分に抑制する観点とから、第2の熱媒体流路29全体に対する割合(長さの割合)は80%以下であることが好ましい。また、ここでは、第2の熱媒体流路29は、1つの流路で構成したが、これに限られず、本発明の効果を損なわない範囲で任意の数に設計することができる。
次に、本実施の形態1に係る燃料電池システムの運転動作について、図5、図7及び図8を参照して説明する。
図7は、本実施の形態1に係る燃料電池システムの起動時における熱媒体の流れを示した模式図であり、図8は、本実施の形態1に係る燃料電池システムの発電運転時における熱媒体の流れを示した模式図である。なお、図7及び図8においては、一部を省略している。
まず、本実施の形態1に係る燃料電池システムの起動動作について説明する。
燃料電池システムは、制御装置105の演算処理部141からの運転開始の制御信号が出力されて起動する。具体的には、燃料ガス供給装置101で生成された燃料ガスが、PEFC100のアノードガス供給マニホールド121に供給され、また、酸化剤ガスが、酸化剤ガス供給装置102からPEFC100のカソードガス供給マニホールド123に供給される。
運転開始時のPEFC100のスタック111内の温度は、設置場所における外気の温度に近い状態にあるため、制御装置105の演算処理部141は、熱媒体供給装置103の図示されないヒータに起動指令を出し、ヒータは熱媒体を加熱する。加熱された熱媒体は、図示されないポンプにより、熱媒体供給路106を介してPEFC100に供給される。また、演算処理部141は、切り替え弁112に指令して、熱媒体の供給先を第2の熱媒体供給マニホールド126にする(第3のポート112cを第2のポート112bに接続する)。
図7に示すように、スタック111に供給された熱媒体は、第2の熱媒体供給マニホールド126を通流し、そこで分流して各セパレータ6a、6bに設けられた第2の熱媒体流路29を通流する(図5参照)。第2の熱媒体流路29を通流した熱媒体は、第1の熱媒体供給マニホールド孔25(第1の熱媒体供給マニホールド125)に流入する。そして、熱媒体は、第1の熱媒体供給マニホールド孔25から各アノードセパレータ6a及びカソードセパレータ6bに設けられた第1の熱媒体流路19を通流して(図5参照)熱媒体排出マニホールド孔27に流出し、そこで合流する。この合流した熱媒体は、熱媒体排出マニホールド127を流通し、熱媒体排出路107に排出される。
これにより、第1の熱媒体流路19の下流部分を通流する熱媒体と第2の熱媒体流路29の並走部分を通流する熱媒体との間で熱交換が行われるため、セル11の反応ガスの流れにおける下流側で生じるフラッディングを確実に防止することができる。また、この第2の熱媒体流路29を通流した熱媒体が、第1の熱媒体供給マニホールド125を経て第1の熱媒体流路19に供給されるため、セル11の反応ガスの流れにおける上流側も充分に加熱されるので、セル11の反応ガスの流れにおける上流側で生じるおそれがあるフラッディングも確実に防止することができる。さらに、セル11の反応ガスの流れにおける上流側、下流側の両方から加熱するので、スタック111内を急速に加熱することができる。
そして、温度検出器104は、熱媒体排出路107を通流する熱媒体の温度をPEFC100の温度として検出し、検出した温度情報は、演算処理部141に伝達される。制御装置105の演算処理部141は、伝達された温度情報がPEFC100で発電を行うことができる所定の温度であるか否かを判定する。演算処理部141は、所定の温度以上である場合に、切り替え弁112に指令して、熱媒体の供給先を第1の熱媒体供給マニホールド125に切り替える(第3のポート112cを第1のポート112aに接続する)そして、図示されないインバータに電力の取り出し指令を出す。これにより、燃料電池システムの発電運転が開始される。
次に、本実施の形態1に係る燃料電池システムの発電運転について説明する。
上述したように、制御装置105の演算処理部141が、切り替え弁112に熱媒体の供給先を第1の熱媒体供給マニホールド125に切り替える指令を出す。これにより、熱媒体は、図8に示すようにスタック111内を流れる。具体的には、熱媒体は、第1の熱媒体供給マニホールド125を流通し、そこで分流して各アノードセパレータ6a及びカソードセパレータ6bに設けられた第1の熱媒体流路19を通流する(図5参照)。そして、第1の熱媒体流路19を通流した熱媒体は、熱媒体排出マニホールド孔27に流出し、熱媒体排出マニホールド127を経て、熱媒体排出路107に排出される。なお、第2の熱媒体マニホールド126及び第2の熱媒体流路29は、燃料電池システムの起動動作時の熱媒体の通流により熱媒体で満たされており、また、外部から空気等が混入されることはないので、通常運転中にこれらの流路に熱媒体や空気等が通流されることはない。
また、制御装置105の演算処理部141は、温度検出器104で検出される温度情報を取得し、スタック111内を発電に適した温度に保つように熱媒体供給装置103に指令を出し、熱媒体供給装置103は、適宜熱媒体を加熱又は冷却する。
さらに、演算処理部141は、図示されないインバータに電力取り出し指令を出し、インバータは、PEFC100で発生した電気を外部に取り出す(供給する)。
このように、本実施の形態1に係る燃料電池システムでは、第1の熱媒体流路19の下流部分を通流する熱媒体と第2の熱媒体流路29の並走部分29aを通流する熱媒体との間で熱交換が行われるため、セル11の反応ガスの流れにおける下流側の加熱が不充分なために生じるフラッディングを確実に防止することが可能となる。また、この第2の熱媒体流路29を通流した熱媒体が、第1の熱媒体供給マニホールド孔25(第1の熱媒体マニホールド125)から第1の熱媒体流路19に供給されるため、セル11の反応ガスの流れにおける上流側も充分に加熱されるので、セル11の反応ガスの流れにおける上流側で生じるおそれのあるフラッディングも確実に防止することが可能となる。さらには、セル11の反応ガスの流れにおける上流側、下流側の両方から熱媒体を通流させるので、スタック111内を急速に加熱することができ、燃料電池システムの起動動作を迅速に行うことが可能となる。
なお、本実施の形態では、高分子電解質形燃料電池について説明したが、これに限定されず、本発明に係る燃料電池は、リン酸形燃料電池等の燃料電池であってもよい。また、燃料電池システムの起動時に、第2の熱媒体流路から第1の熱媒体マニホールドに熱媒体が供給される構成としたが、これに限定されず、熱媒体供給装置から熱媒体が、第1の熱媒体マニホールド、第2の熱媒体マニホールドの各々に供給される構成としてもよい。
本発明の燃料電池及びそれを備える燃料電池システムは、セル内で発生するフラッディングを確実に防止し、また、起動時間が短い燃料電池及び燃料電池システムとして有用である。
本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの構成を模式的に示すブロック図である。 図1の燃料電池システムの高分子電解質形燃料電池の概略を示す模式図である。 図2に示した高分子電解質形燃料電池を構成するセルの構造の概略を示す断面図である。 図3に示すセルのカソードセパレータの内面形状を示す模式図である。 図3に示すセルのカソードセパレータの外面形状を示す模式図である。 図3に示すセルのカソードセパレータ及びアノードセパレータの構造を示す模式図である。 図1に示す燃料電池システムにおける起動時の熱媒体の流れを示す模式図である。 図1に示す燃料電池システムにおける発電運転時の熱媒体の流れを示す模式図である。
符号の説明
1 高分子電解質膜
2a アノード触媒層
2b カソード触媒層
3a アノードガス拡散層
3b カソードガス拡散層
4a アノード
4b カソード
5 MEA
6a アノードセパレータ
6b カソードセパレータ
7 アノードガス流路
8 カソードガス流路
8a 水平部
8b 鉛直部
9 熱媒体流路
10 ガスケット
11 セル
15 反応部
16 伝熱部
19 第1の熱媒体流路
19a 水平部
19b 鉛直部
21 アノードガス供給マニホールド孔
22 アノードガス排出マニホールド孔
23 カソードガス供給マニホールド孔
24 カソードガス排出マニホールド孔
25 第1の熱媒体供給マニホールド孔
26 第2の熱媒体供給マニホールド孔
27 熱媒体排出マニホールド孔
29 第2の熱媒体流路
29a 並走部分
29b 上流側接続部分
29c 下流側接続部分
30 当接部分
41 端板
50 セル積層体
100 高分子電解質形燃料電池(PEFC)
101 燃料ガス供給装置
102 酸化剤ガス供給装置
103 熱媒体供給装置
104 温度検出器
105 制御装置(制御器)
106 熱媒体供給路
107 熱媒体排出路
111 スタック
112 切り替え弁(切り替え器)
112a 第1のポート
112b 第2のポート
112c 第3のポート
121 アノードガス供給マニホールド
122 アノードガス排出マニホールド
123 カソードガス供給マニホールド
124 カソードガス排出マニホールド
125 第1の熱媒体供給マニホールド
126 第2の熱媒体供給マニホールド
127 熱媒体排出マニホールド
141 演算処理部
142 記憶部
143 表示部
144 操作入力部

Claims (10)

  1. セルが積層されることによって、反応ガスの反応により発熱を伴う発電をする1以上の反応部と、熱媒体の通流により該反応部との間で熱を授受する1以上の伝熱部と、が前記セルの積層方向において互いに隣接するように形成されたスタックを有し、
    前記スタックには、前記反応ガスを前記反応部に供給するための反応ガス供給マニホールド、前記反応ガスを前記反応部から排出するための反応ガス排出マニホールド、前記熱媒体を前記伝熱部に供給するための第1及び第2の熱媒体供給マニホールド、及び前記熱媒体を前記伝熱部から排出するための熱媒体排出マニホールドが前記積層方向に延びるようにそれぞれ形成され、
    各前記反応部には、前記反応ガス供給マニホールドから前記反応ガス排出マニホールドに到る反応ガス流路が形成され、
    各前記伝熱部には、前記積層方向から見て巨視的に前記反応ガスと同じ方向に前記熱媒体が流れるようにして、前記第1の熱媒体供給マニホールドから前記熱媒体排出マニホールドに到る第1の熱媒体流路と、前記第1の熱媒体流路の下流部分に沿った部分を有するようにして前記第2の熱媒体供給マニホールドから前記第1の熱媒体供給マニホールドに到る第2の熱媒体流路と、が形成されている、燃料電池。
  2. 外部からの前記熱媒体の供給先を前記第1の熱媒体供給マニホールドと前記第2の熱媒体供給マニホールドとの間で切り替える切り替え器を備える、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記セルは、一対のガス拡散電極と該一対のガス拡散電極の間に配置される電解質層を含む電解質層−電極積層体と、板状の形状を呈しており、かつ、導電性を有しており、前記電解質層−電極積層体を挟む一対のセパレータと、を有し、
    前記セパレータは、前記電解質層−電極積層体と当接する主面に前記反応ガス流路が形成され、かつ、他方の主面に前記熱媒体流路が形成され、
    前記反応部は、前記セルにおける、一方の前記セパレータの前記反応ガス流路から他方の前記セパレータの前記反応ガス流路に亘る部分から構成され、
    前記伝熱部は、前記積層方向において互いに隣接する2つの前記セパレータの前記熱媒体流路が形成された部分から構成される、請求項1に記載の燃料電池。
  4. 前記反応ガスは、アノードガスとカソードガスとで構成され、
    前記一対のセパレータは、前記反応ガス流路としてアノードガス流路が形成されたアノードセパレータと、前記反応ガス流路としてカソードガス流路が形成されたカソードセパレータと、で構成され、
    前記反応ガス供給マニホールドは、各前記セルのアノードガス流路に前記アノードガスを供給するためのアノードガス供給マニホールドと、各前記セルのカソードガス流路に前記カソードガスを供給するためのカソードガス供給マニホールドと、で構成され、
    前記反応ガス排出マニホールドは、各前記セルのアノードガス流路から前記アノードガスを排出するためのアノードガス排出マニホールドと、各前記セルのカソードガス流路から前記カソードガスを排出するためのカソードガス排出マニホールドと、で構成され、
    前記セルは、互いに隣接する2つのセルにおいて一方のセルの前記アノードセパレータと、他方のセルの前記カソードセパレータと、が接触するように積層されている、請求項3に記載の燃料電池。
  5. 前記第2の熱媒体流路は、前記第1の熱媒体流路の下流部分に沿った部分のその全体に対する比率が50%以上80%以下である、請求項1に記載の燃料電池。
  6. 前記第1の熱媒体流路は、前記反応ガス流路と平行流となるように形成されている、請求項1に記載の燃料電池。
  7. 前記電解質層は、高分子電解質膜からなる層を少なくとも含んでいる、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載の燃料電池。
  8. 一対のガス拡散電極と該一対のガス拡散電極の間に配置される電解質層を含む電解質層−電極積層体と、板状の形状を呈しており、かつ、導電性を有しており前記電解質層−電極積層体を挟む一対のセパレータと、を有するセルと、該セルが積層されたセルスタックと、を備え、
    前記セルスタックの内部には、反応ガス供給マニホールドと、反応ガス排出マニホールドと、第1及び第2の熱媒体供給マニホールドと、熱媒体排出マニホールドと、が前記積層方向に延びるようにそれぞれ形成され、
    前記セパレータには、前記電解質層−電極積層体と当接する主面に、前記反応ガス供給マニホールドと前記反応ガス排出マニホールドとを結ぶように前記反応ガス流路が形成され、かつ、他方の主面に、前記積層方向から見て巨視的に前記反応ガスと同じ方向に前記熱媒体が流れるようにして、前記第1の熱媒体供給マニホールドから前記熱媒体排出マニホールドに到る第1の熱媒体流路と、前記第1の熱媒体流路の下流部分に沿った部分を有するようにして前記第2の熱媒体供給マニホールドから前記第1の熱媒体供給マニホールドに到る第2の熱媒体流路と、が形成されている、燃料電池。
  9. 請求項2に記載の燃料電池と、
    制御装置と、
    前記燃料電池の前記熱媒体排出マニホールドから排出される熱媒体の温度を検出する温度検出器と、を備え、
    前記制御装置は、前記温度検出器からの温度情報を基に前記切り替え器を制御する、燃料電池システム。
  10. 前記切り替え器に前記熱媒体を供給する熱媒体供給装置と、
    前記反応部に前記反応ガスを供給する反応ガス供給装置と、を備える、請求項7に記載の燃料電池システム。


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