JP3493896B2 - 燃料電池および燃料電池システム - Google Patents
燃料電池および燃料電池システムInfo
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
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- Fuel Cell (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池および燃
料電池システムに関し、詳しくは、単セルを複数積層し
てなるスタック構造を備え、所定の運転温度において電
気化学反応を行なって起電力を得る燃料電池およびこの
燃料電池を備える燃料電池システムに関する。
料電池システムに関し、詳しくは、単セルを複数積層し
てなるスタック構造を備え、所定の運転温度において電
気化学反応を行なって起電力を得る燃料電池およびこの
燃料電池を備える燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、燃料ガスまたは酸化ガスの
供給を受ける電極において進行する電気化学反応によっ
て起電力を得るため、一般に室温以上の所定の高温下で
運転される。例えば、電解質層として固体高分子膜を備
えた固体高分子型燃料電池の場合は、固体高分子膜の耐
熱温度を考慮して通常は80から100℃で運転され
る。このような燃料電池の運転温度下においては、燃料
電池を構成する各部材は熱膨張を起こす。上記した固体
高分子型燃料電池などは通常単セルを複数積層したスタ
ック構造を形成しているが、このような燃料電池では熱
膨張によってスタック構造内部に大きな圧力が発生して
しまう。すなわち、上記スタック構造を形成する各部材
の厚みが数ミリ程度であり熱膨張する量がわずかであっ
ても、単セルが数十組あるいは百組を越えて積層された
スタック構造全体では熱膨張の量は無視し難いものとな
り、スタック構造内部には大きな圧力が発生する。例え
ば、数十から数百組程度の単セルを積層して所定の圧力
を加えて燃料電池を作製した場合には、この燃料電池の
内部温度を上記運転温度に昇温することにより面圧が
1.5から2.0倍に上昇する。
供給を受ける電極において進行する電気化学反応によっ
て起電力を得るため、一般に室温以上の所定の高温下で
運転される。例えば、電解質層として固体高分子膜を備
えた固体高分子型燃料電池の場合は、固体高分子膜の耐
熱温度を考慮して通常は80から100℃で運転され
る。このような燃料電池の運転温度下においては、燃料
電池を構成する各部材は熱膨張を起こす。上記した固体
高分子型燃料電池などは通常単セルを複数積層したスタ
ック構造を形成しているが、このような燃料電池では熱
膨張によってスタック構造内部に大きな圧力が発生して
しまう。すなわち、上記スタック構造を形成する各部材
の厚みが数ミリ程度であり熱膨張する量がわずかであっ
ても、単セルが数十組あるいは百組を越えて積層された
スタック構造全体では熱膨張の量は無視し難いものとな
り、スタック構造内部には大きな圧力が発生する。例え
ば、数十から数百組程度の単セルを積層して所定の圧力
を加えて燃料電池を作製した場合には、この燃料電池の
内部温度を上記運転温度に昇温することにより面圧が
1.5から2.0倍に上昇する。
【0003】スタック構造内部にこのような圧力が発生
すると、各単セルが備えるガス拡散電極が圧縮されて電
極でのガスの拡散性が低下し、電池性能が低下してしま
うという不都合を生じる。さらに、スタック構造内部に
おいて発生する圧力が大きくなると、スタック構造を構
成する各部材の劣化や損傷につながるおそれがある。逆
に、燃料電池が運転待機状態となって燃料電池の温度が
下降したときには、膨張していたスタック構造が縮小す
ることによる弊害も生じる。例えば、その後燃料電池の
運転を再開する場合に、燃料電池の内部温度が充分上昇
するまでの期間は電解質膜に作用する面圧が低い状態と
なるため、この間の燃料電池の内部抵抗が上昇してしま
い電池性能が悪化する。
すると、各単セルが備えるガス拡散電極が圧縮されて電
極でのガスの拡散性が低下し、電池性能が低下してしま
うという不都合を生じる。さらに、スタック構造内部に
おいて発生する圧力が大きくなると、スタック構造を構
成する各部材の劣化や損傷につながるおそれがある。逆
に、燃料電池が運転待機状態となって燃料電池の温度が
下降したときには、膨張していたスタック構造が縮小す
ることによる弊害も生じる。例えば、その後燃料電池の
運転を再開する場合に、燃料電池の内部温度が充分上昇
するまでの期間は電解質膜に作用する面圧が低い状態と
なるため、この間の燃料電池の内部抵抗が上昇してしま
い電池性能が悪化する。
【0004】そこで従来は、燃料電池の積層方向にスプ
リングを配置してこのスプリングによってスタック構造
が熱膨張する力を吸収し、スタック構造内部における圧
力変動の防止が図られていた(例えば、特開昭61−2
48368号公報、特開平2−68865号公報等)。
スタック構造を有する燃料電池では、燃料電池の内部抵
抗を所定の抵抗値以下に抑えるために、スタック構造の
積層方向に所定の圧力を生じさせながらスタック構造を
形成する必要がある。そこで通常は、ボルトとナットを
用いてスタック構造の締め付けを行ない、スタック構造
に所定の押圧力を作用させている。上記した熱膨張時に
発生する非所望の圧力を吸収させるためのスプリング
は、このボルトとナットの間に設けられる。このような
構成の燃料電池では、燃料電池内の温度が上昇してスタ
ック構造が熱膨張しても、スプリングが圧縮されること
で熱膨張量を吸収するため燃料電池内部の圧力の変動を
抑えることができる。逆に燃料電池の温度が低下してス
タック構造が収縮したときにも、スプリングからの押圧
力がかかるために燃料電池内部の圧力が所定の範囲に保
たれる。
リングを配置してこのスプリングによってスタック構造
が熱膨張する力を吸収し、スタック構造内部における圧
力変動の防止が図られていた(例えば、特開昭61−2
48368号公報、特開平2−68865号公報等)。
スタック構造を有する燃料電池では、燃料電池の内部抵
抗を所定の抵抗値以下に抑えるために、スタック構造の
積層方向に所定の圧力を生じさせながらスタック構造を
形成する必要がある。そこで通常は、ボルトとナットを
用いてスタック構造の締め付けを行ない、スタック構造
に所定の押圧力を作用させている。上記した熱膨張時に
発生する非所望の圧力を吸収させるためのスプリング
は、このボルトとナットの間に設けられる。このような
構成の燃料電池では、燃料電池内の温度が上昇してスタ
ック構造が熱膨張しても、スプリングが圧縮されること
で熱膨張量を吸収するため燃料電池内部の圧力の変動を
抑えることができる。逆に燃料電池の温度が低下してス
タック構造が収縮したときにも、スプリングからの押圧
力がかかるために燃料電池内部の圧力が所定の範囲に保
たれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たようにスタック構造の端部にスプリングを設け、スタ
ック構造に生じる圧力を調節する構成とする場合には、
このスプリング構造を設けるために燃料電池が長手方向
に長くなり、燃料電池の大型化を招いてしまう。上記し
たように燃料電池内部にかかる圧力は非常に大きなもの
であり、このように大きな圧力をスプリングによって吸
収しようとすると非常に大きなスプリングを設ける必要
がある。このような燃料電池の大型化は、たとえば燃料
電池を車両駆動用の電源として用いる場合のように、設
置可能なスペースに厳しい制約がある場合には特に不利
となってしまう。上記したようなスタック構造を備えた
燃料電池では、積層する単セルの数を増やすことによっ
て電池の出力を増大させることが可能であるが、上記ス
プリング構造によって燃料電池が長手方向に大型化する
ことは、単セル数の増加、延いては電池出力の向上を抑
制することになる。さらに、スタック構造の積層面の所
定の位置に数個設けた締め付け箇所のスプリングによっ
て圧力を吸収したのでは、各単セル面において面圧が不
均一に分布することになり、燃料電池内部の圧力を適正
に維持することが困難な場合がある。
たようにスタック構造の端部にスプリングを設け、スタ
ック構造に生じる圧力を調節する構成とする場合には、
このスプリング構造を設けるために燃料電池が長手方向
に長くなり、燃料電池の大型化を招いてしまう。上記し
たように燃料電池内部にかかる圧力は非常に大きなもの
であり、このように大きな圧力をスプリングによって吸
収しようとすると非常に大きなスプリングを設ける必要
がある。このような燃料電池の大型化は、たとえば燃料
電池を車両駆動用の電源として用いる場合のように、設
置可能なスペースに厳しい制約がある場合には特に不利
となってしまう。上記したようなスタック構造を備えた
燃料電池では、積層する単セルの数を増やすことによっ
て電池の出力を増大させることが可能であるが、上記ス
プリング構造によって燃料電池が長手方向に大型化する
ことは、単セル数の増加、延いては電池出力の向上を抑
制することになる。さらに、スタック構造の積層面の所
定の位置に数個設けた締め付け箇所のスプリングによっ
て圧力を吸収したのでは、各単セル面において面圧が不
均一に分布することになり、燃料電池内部の圧力を適正
に維持することが困難な場合がある。
【0006】本発明の燃料電池および燃料電池しシステ
ムは、こうした問題を解決し、燃料電池の運転中に燃料
電池内部の温度が変化したときにも燃料電池内部に非所
望の圧力が生じてしまうのを防止することを目的として
なされ、次の構成を採った。
ムは、こうした問題を解決し、燃料電池の運転中に燃料
電池内部の温度が変化したときにも燃料電池内部に非所
望の圧力が生じてしまうのを防止することを目的として
なされ、次の構成を採った。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の第1の燃料電池は、単電池を複数積層してなるス
タック構造を備え、所定の運転温度において電気化学反
応によって起電力を得る燃料電池において、前記スタッ
ク構造を内部に収納すると共に、内部に収納した前記ス
タック構造に対して積層方向に押圧力を加えるスタック
収納部材と、前記スタック収納部材の外部から該スタッ
ク収納部材を加熱して、前記スタック構造全体の温度を
均一化する加熱手段とを設けたことを要旨とする。
発明の第1の燃料電池は、単電池を複数積層してなるス
タック構造を備え、所定の運転温度において電気化学反
応によって起電力を得る燃料電池において、前記スタッ
ク構造を内部に収納すると共に、内部に収納した前記ス
タック構造に対して積層方向に押圧力を加えるスタック
収納部材と、前記スタック収納部材の外部から該スタッ
ク収納部材を加熱して、前記スタック構造全体の温度を
均一化する加熱手段とを設けたことを要旨とする。
【0008】 以上のように構成された本発明の第1の
燃料電池は、単電池を複数積層してなるスタック構造を
スタック収納部材が内部に収納している。また、スタッ
ク収納部材は、内部に収納したスタック構造に対して積
層方向に押圧力を加える。このスタック収納部材は外部
からの加熱を受け、スタック構造は全体の温度が均一化
され、燃料電池は所定の運転温度において電気化学反応
によって起電力を得る。
燃料電池は、単電池を複数積層してなるスタック構造を
スタック収納部材が内部に収納している。また、スタッ
ク収納部材は、内部に収納したスタック構造に対して積
層方向に押圧力を加える。このスタック収納部材は外部
からの加熱を受け、スタック構造は全体の温度が均一化
され、燃料電池は所定の運転温度において電気化学反応
によって起電力を得る。
【0009】 このような燃料電池では、所定の運転温
度にスタック構造が達したときにスタック構造が熱膨張
しても、加熱されているスタック収納部材もまた熱膨張
する。従って、スタック構造が熱膨張することによって
燃料電池内部に非所望の圧力が発生してしまうのを防止
することができる。さらに、スタック構造全体の温度が
均一化することによって、燃料電池で起こる電池反応の
状態も部位による差異が小さくなり、全体的な電池反応
の効率が向上するという効果も得られる。
度にスタック構造が達したときにスタック構造が熱膨張
しても、加熱されているスタック収納部材もまた熱膨張
する。従って、スタック構造が熱膨張することによって
燃料電池内部に非所望の圧力が発生してしまうのを防止
することができる。さらに、スタック構造全体の温度が
均一化することによって、燃料電池で起こる電池反応の
状態も部位による差異が小さくなり、全体的な電池反応
の効率が向上するという効果も得られる。
【0010】ここで、前記加熱手段による加熱が、前記
燃料電池の運転状況に応じた加熱である構成も好まし
い。このような構成の燃料電池では、スタック収納部材
に対する加熱が燃料電池の運転状況に応じた加熱となる
ため、加熱によるスタック収納部材の熱膨張量が燃料電
池の運転状況に対応したものとなる。従って、燃料電池
の運転中に、燃料電池内部に生じる圧力が変動してしま
うという不都合を抑えることができる。
燃料電池の運転状況に応じた加熱である構成も好まし
い。このような構成の燃料電池では、スタック収納部材
に対する加熱が燃料電池の運転状況に応じた加熱となる
ため、加熱によるスタック収納部材の熱膨張量が燃料電
池の運転状況に対応したものとなる。従って、燃料電池
の運転中に、燃料電池内部に生じる圧力が変動してしま
うという不都合を抑えることができる。
【0011】 また、本発明の第1の燃料電池におい
て、前記スタック収納部材の外周部に設けられ、所定の
空間を成して流体を導入可能に形成された流体導入部
と、所定の温度に昇温した流体を前記流体導入部に導入
する流体導入手段とを備えることとしてもよい。
て、前記スタック収納部材の外周部に設けられ、所定の
空間を成して流体を導入可能に形成された流体導入部
と、所定の温度に昇温した流体を前記流体導入部に導入
する流体導入手段とを備えることとしてもよい。
【0012】このような構成の燃料電池では、所定の温
度に昇温した流体を前記流体導入部に導入することによ
って前記スタック収納部材を加熱する。従って、前記ス
タック収納部材を加熱するために特別な加熱装置を設け
る必要がなく、所定の温度に昇温した流体を導入するだ
けで前記スタック収納部材を加熱することができる。ま
た、スタック収納部材の外周部に流体導入部を設けるこ
とによって燃料電池の剛性が向上し、外力に対する構造
的な耐性が増すという効果を奏する。
度に昇温した流体を前記流体導入部に導入することによ
って前記スタック収納部材を加熱する。従って、前記ス
タック収納部材を加熱するために特別な加熱装置を設け
る必要がなく、所定の温度に昇温した流体を導入するだ
けで前記スタック収納部材を加熱することができる。ま
た、スタック収納部材の外周部に流体導入部を設けるこ
とによって燃料電池の剛性が向上し、外力に対する構造
的な耐性が増すという効果を奏する。
【0013】ここで、前記所定の温度に昇温した流体
は、前記燃料電池を備える燃料電池システムにおける所
定の高温部から排出される流体である構成も好ましい。
このような場合には、燃料電池システムにおける所定の
高温部から排出される流体によってスタック収納部材の
加熱を行なうことができるため、スタック収納部材を加
熱するために特別にエネルギを消費する必要がない。従
って、スタック収納部材を加熱するために燃料電池シス
テム全体のエネルギ効率を低下させることがない。
は、前記燃料電池を備える燃料電池システムにおける所
定の高温部から排出される流体である構成も好ましい。
このような場合には、燃料電池システムにおける所定の
高温部から排出される流体によってスタック収納部材の
加熱を行なうことができるため、スタック収納部材を加
熱するために特別にエネルギを消費する必要がない。従
って、スタック収納部材を加熱するために燃料電池シス
テム全体のエネルギ効率を低下させることがない。
【0014】 また、本発明の第1の燃料電池におい
て、前記燃料電池は、該燃料電池の内部に所定の流体が
流れる流路を備え、前記所定の温度に昇温した流体は、
前記流路を経由して前記燃料電池の運転温度に対応する
所定の温度に昇温し、前記燃料電池から排出された流体
である構成も好適である。
て、前記燃料電池は、該燃料電池の内部に所定の流体が
流れる流路を備え、前記所定の温度に昇温した流体は、
前記流路を経由して前記燃料電池の運転温度に対応する
所定の温度に昇温し、前記燃料電池から排出された流体
である構成も好適である。
【0015】このような構成の燃料電池では、燃料電池
の内部に備えられた流路を流れて前記燃料電池の運転温
度に対応する所定の運転温度に昇温した後に燃料電池か
ら排出された流体を、前記流体導入部に導入して、前記
スタック収納部材の加熱を行なう。従って、燃料電池全
体の温度を均一化することによって、スタック構造内部
に非所望の圧力変化が生じるのを防止することができ
る。この時、燃料電池から排出される流体の温度は燃料
電池の運転温度によって変化するため、スタック収納部
材の加熱状況を燃料電池の運転状況に速やかに対応させ
ることができる。さらに、燃料電池全体の温度を均一化
することによって、電池性能を向上させることが可能と
なるという効果をも奏する。
の内部に備えられた流路を流れて前記燃料電池の運転温
度に対応する所定の運転温度に昇温した後に燃料電池か
ら排出された流体を、前記流体導入部に導入して、前記
スタック収納部材の加熱を行なう。従って、燃料電池全
体の温度を均一化することによって、スタック構造内部
に非所望の圧力変化が生じるのを防止することができ
る。この時、燃料電池から排出される流体の温度は燃料
電池の運転温度によって変化するため、スタック収納部
材の加熱状況を燃料電池の運転状況に速やかに対応させ
ることができる。さらに、燃料電池全体の温度を均一化
することによって、電池性能を向上させることが可能と
なるという効果をも奏する。
【0016】ここで、前記燃料電池から排出された流体
は、前記燃料電池の内部温度を所定範囲に保つために該
燃料電池内を循環させた冷却水である構成としても良
い。このような構成とすれば、冷却水は燃料電池の運転
温度と略同一温度に昇温しているため、燃料電池全体を
燃料電池の運転温度に保つことによって、スタック構造
内部に非所望の圧力変化が生じること防止することがで
きる。
は、前記燃料電池の内部温度を所定範囲に保つために該
燃料電池内を循環させた冷却水である構成としても良
い。このような構成とすれば、冷却水は燃料電池の運転
温度と略同一温度に昇温しているため、燃料電池全体を
燃料電池の運転温度に保つことによって、スタック構造
内部に非所望の圧力変化が生じること防止することがで
きる。
【0017】 また、前記燃料電池から排出された流体
は、前記燃料電池における電気化学反応に供された後に
排出される燃料ガスまたは酸化ガスの排ガスである構成
としても良い。このような場合にも、燃料ガスまたは酸
化ガスの排ガスは燃料電池の運転温度と略同一温度に昇
温しているため、燃料電池全体を燃料電池の運転温度に
保つことによって、スタック構造内部に非所望の圧力変
化が生じること防止することができる。本発明の第2の
燃料電池は、単電池を複数積層してなるスタック構造を
備え、所定の運転温度において電気化学反応によって起
電力を得る燃料電池において、前記スタック構造を内部
に収納すると共に、内部に収納した前記スタック構造に
対して積層方向に押圧力を加えるスタック収納部材と、
前記スタック収納部材の外部から、前記スタック構造と
前記スタック収納部材との熱膨張係数に応じた温度で前
記スタック収納部材を加熱して、前記スタック構造全体
の温度を均一化する加熱手段とを設けたことを要旨とす
る。このような燃料電池によれば、所定の運転温度にス
タック構造が達したときにスタック構造が熱膨張して
も、加熱されているスタック収納部材もまた熱膨張す
る。従って、スタック構造が熱膨張することによって燃
料電池内部に非所望の圧力が発生してしまうのを防止す
ることができる。特に、スタック収納部材は、外部か
ら、スタック構造とスタック収納部材との熱膨張係数に
応じた温度で加熱されるため、燃料電池内部に非所望の
圧力が発生してしまうのを効果的に抑えることができ
る。さらに、スタック構造全体の温度が均一化すること
によって、燃料電池で起こる電池反応の状態も部位によ
る差異が小さくなり、全体的な電池反応の効率が向上す
るという効果も得られる。本発明の第3の燃料電池は、
単電池を複数積層してなるスタック構造を備え、所定の
運転温度において電気化学反応によって起電力を得る燃
料電池において、前記スタック構造を内部に収納すると
共に、内部に収納した前記スタック構造に対して積層方
向に押圧力を加えるスタック収納部材を備え、該スタッ
ク収納部材は、該スタック収納部材を加熱して、前記ス
タック構造全体の温度を均一化する加熱手段を備えるこ
とを要旨とする。このような燃料電池によれば、所定の
運転温度にスタック構造が達したときにスタック構造が
熱膨張しても、加熱されているスタック収納部材もまた
熱膨張する。従って、スタック構造が熱膨張することに
よって燃料電池内部に非所望の圧力が発生してしまうの
を防止することができる。さらに、スタック構造全体の
温度が均一化することによって、燃料電池で起こる電池
反応の状態も部位による差異が小さくなり、全体的な電
池反応の効率が向上するという効果も得られる。
は、前記燃料電池における電気化学反応に供された後に
排出される燃料ガスまたは酸化ガスの排ガスである構成
としても良い。このような場合にも、燃料ガスまたは酸
化ガスの排ガスは燃料電池の運転温度と略同一温度に昇
温しているため、燃料電池全体を燃料電池の運転温度に
保つことによって、スタック構造内部に非所望の圧力変
化が生じること防止することができる。本発明の第2の
燃料電池は、単電池を複数積層してなるスタック構造を
備え、所定の運転温度において電気化学反応によって起
電力を得る燃料電池において、前記スタック構造を内部
に収納すると共に、内部に収納した前記スタック構造に
対して積層方向に押圧力を加えるスタック収納部材と、
前記スタック収納部材の外部から、前記スタック構造と
前記スタック収納部材との熱膨張係数に応じた温度で前
記スタック収納部材を加熱して、前記スタック構造全体
の温度を均一化する加熱手段とを設けたことを要旨とす
る。このような燃料電池によれば、所定の運転温度にス
タック構造が達したときにスタック構造が熱膨張して
も、加熱されているスタック収納部材もまた熱膨張す
る。従って、スタック構造が熱膨張することによって燃
料電池内部に非所望の圧力が発生してしまうのを防止す
ることができる。特に、スタック収納部材は、外部か
ら、スタック構造とスタック収納部材との熱膨張係数に
応じた温度で加熱されるため、燃料電池内部に非所望の
圧力が発生してしまうのを効果的に抑えることができ
る。さらに、スタック構造全体の温度が均一化すること
によって、燃料電池で起こる電池反応の状態も部位によ
る差異が小さくなり、全体的な電池反応の効率が向上す
るという効果も得られる。本発明の第3の燃料電池は、
単電池を複数積層してなるスタック構造を備え、所定の
運転温度において電気化学反応によって起電力を得る燃
料電池において、前記スタック構造を内部に収納すると
共に、内部に収納した前記スタック構造に対して積層方
向に押圧力を加えるスタック収納部材を備え、該スタッ
ク収納部材は、該スタック収納部材を加熱して、前記ス
タック構造全体の温度を均一化する加熱手段を備えるこ
とを要旨とする。このような燃料電池によれば、所定の
運転温度にスタック構造が達したときにスタック構造が
熱膨張しても、加熱されているスタック収納部材もまた
熱膨張する。従って、スタック構造が熱膨張することに
よって燃料電池内部に非所望の圧力が発生してしまうの
を防止することができる。さらに、スタック構造全体の
温度が均一化することによって、燃料電池で起こる電池
反応の状態も部位による差異が小さくなり、全体的な電
池反応の効率が向上するという効果も得られる。
【0018】 本発明の燃料電池システムは、前記燃料
電池は、前記スタック構造を内部に収納すると共に、内
部に収納した前記スタック構造に対して積層方向に押圧
力を加えるスタック収納部材を備え、前記スタック収納
部材の外部から、前記スタック構造と前記スタック収納
部材との熱膨張係数に応じた温度で前記スタック収納部
材を加熱し、前記スタック構造全体の温度を均一化する
加熱手段を設けたことを要旨とする。
電池は、前記スタック構造を内部に収納すると共に、内
部に収納した前記スタック構造に対して積層方向に押圧
力を加えるスタック収納部材を備え、前記スタック収納
部材の外部から、前記スタック構造と前記スタック収納
部材との熱膨張係数に応じた温度で前記スタック収納部
材を加熱し、前記スタック構造全体の温度を均一化する
加熱手段を設けたことを要旨とする。
【0019】 以上のように構成された本発明の燃料電
池システムは、単電池を複数積層してなるスタック構造
をスタック収納部材内部に収納する燃料電池を備えてい
る。このスタック収納部材は、内部に収納したスタック
構造に対して積層方向に押圧力を加える。また、スタッ
ク収納部材は、外部から、前記スタック構造と前記スタ
ック収納部材との熱膨張係数に応じた温度で加熱され、
スタック構造は全体の温度が均一化されて、燃料電池は
所定の運転温度において電気化学反応によって起電力を
得る。
池システムは、単電池を複数積層してなるスタック構造
をスタック収納部材内部に収納する燃料電池を備えてい
る。このスタック収納部材は、内部に収納したスタック
構造に対して積層方向に押圧力を加える。また、スタッ
ク収納部材は、外部から、前記スタック構造と前記スタ
ック収納部材との熱膨張係数に応じた温度で加熱され、
スタック構造は全体の温度が均一化されて、燃料電池は
所定の運転温度において電気化学反応によって起電力を
得る。
【0020】 このような燃料電池システムでは、所定
の運転温度にスタック構造が達したときにスタック構造
が熱膨張しても、加熱されているスタック収納部材もま
た熱膨張する。従って、スタック構造が熱膨張すること
によって燃料電池内部に非所望の圧力が発生してしまう
のを防止することができる。特に、スタック収納部材
は、外部から、スタック構造とスタック収納部材との熱
膨張係数に応じた温度で加熱されるため、燃料電池内部
に非所望の圧力が発生してしまうのを効果的に抑えるこ
とができる。さらに、スタック構造全体の温度が均一化
することによって、燃料電池で起こる電池反応の状態も
部位による差異が小さくなり、全体的な電池反応の効率
が向上するという効果も得られる。
の運転温度にスタック構造が達したときにスタック構造
が熱膨張しても、加熱されているスタック収納部材もま
た熱膨張する。従って、スタック構造が熱膨張すること
によって燃料電池内部に非所望の圧力が発生してしまう
のを防止することができる。特に、スタック収納部材
は、外部から、スタック構造とスタック収納部材との熱
膨張係数に応じた温度で加熱されるため、燃料電池内部
に非所望の圧力が発生してしまうのを効果的に抑えるこ
とができる。さらに、スタック構造全体の温度が均一化
することによって、燃料電池で起こる電池反応の状態も
部位による差異が小さくなり、全体的な電池反応の効率
が向上するという効果も得られる。
【0021】ここで、前記加熱手段の熱源は、前記燃料
電池システムにおいて前記燃料電池外に設けられた所定
の高温部である構成も好適である。このような構成とす
れば、前記スタック収納部材を加熱するために燃料電池
システムにいて特別な熱源を設ける必要がなく、所定の
高温部で生じている熱量を用いてスタック収納部材の加
熱を行なうことができる。従って、スタック収納部材を
加熱するために燃料電池システム全体のエネルギ効率が
低下してしまうことがない。
電池システムにおいて前記燃料電池外に設けられた所定
の高温部である構成も好適である。このような構成とす
れば、前記スタック収納部材を加熱するために燃料電池
システムにいて特別な熱源を設ける必要がなく、所定の
高温部で生じている熱量を用いてスタック収納部材の加
熱を行なうことができる。従って、スタック収納部材を
加熱するために燃料電池システム全体のエネルギ効率が
低下してしまうことがない。
【0022】本発明の燃料電池システムにおいて、前記
所定の高温部は、所定の原燃料を改質して水素リッチな
燃料ガスを生成する改質器であり、前記スタック収納部
材を加熱する加熱手段は、前記改質器で行なわれる前記
原燃料の改質反応に要する熱量を供給するために前記改
質器とともに設けた加熱装置から排出される排ガスを用
いた加熱手段である構成も好適である。
所定の高温部は、所定の原燃料を改質して水素リッチな
燃料ガスを生成する改質器であり、前記スタック収納部
材を加熱する加熱手段は、前記改質器で行なわれる前記
原燃料の改質反応に要する熱量を供給するために前記改
質器とともに設けた加熱装置から排出される排ガスを用
いた加熱手段である構成も好適である。
【0023】このような構成の燃料電池システムにおい
ては、改質器で行なわれる改質反応で要する熱量を供給
するために改質器とともに設けた加熱装置から排出され
る排ガスを用いて前記スタック収納部材の加熱を行な
う。改質器とともに設けた加熱装置から排出される排ガ
スの温度は通常燃料電池の運転温度よりも高いため、効
果的にスタック収納部材の加熱を行なうことができる。
特に、この加熱装置から排出される排ガスは、燃料電池
システムの起動時において速やかに発生させることが可
能であるため、このような構成を備えた燃料電池システ
ムでは、システム起動時において燃料電池の暖機をより
迅速に行なうことが可能となるという効果をも奏する。
ては、改質器で行なわれる改質反応で要する熱量を供給
するために改質器とともに設けた加熱装置から排出され
る排ガスを用いて前記スタック収納部材の加熱を行な
う。改質器とともに設けた加熱装置から排出される排ガ
スの温度は通常燃料電池の運転温度よりも高いため、効
果的にスタック収納部材の加熱を行なうことができる。
特に、この加熱装置から排出される排ガスは、燃料電池
システムの起動時において速やかに発生させることが可
能であるため、このような構成を備えた燃料電池システ
ムでは、システム起動時において燃料電池の暖機をより
迅速に行なうことが可能となるという効果をも奏する。
【0024】また、本発明の燃料電池システムにおい
て、前記所定の高温部は、所定の原燃料を改質して水素
リッチな燃料ガスを生成する改質器であり、前記スタッ
ク収納部材を加熱する加熱手段は、前記改質器で前記原
燃料を改質して生成された前記燃料ガスを用いた加熱手
段であることとしても良い。
て、前記所定の高温部は、所定の原燃料を改質して水素
リッチな燃料ガスを生成する改質器であり、前記スタッ
ク収納部材を加熱する加熱手段は、前記改質器で前記原
燃料を改質して生成された前記燃料ガスを用いた加熱手
段であることとしても良い。
【0025】このような構成の燃料電池システムにおい
ては、前記改質器で生成された燃料ガスを用いて前記ス
タック収納部材の加熱を行なう。ここで、改質器で生成
されたばかりの燃料ガスの温度は通常は燃料電池の運転
温度よりも高いため、燃料ガスの導入によって燃料電池
内部で部分的に温度が上昇し過ぎることを防ぐために
は、改質器で生成された燃料ガスの温度を燃料電池の運
転温度近くにまで降温させてから燃料電池内に導入する
ことが望ましい。上記した構成の燃料電池システムで
は、改質器で生成された燃料ガスはスタック収納部材の
加熱を行なうときに熱交換して降温するため、このよう
な燃料ガスを燃料電池内に導入しても燃料電池内部の温
度が部分的に上昇し過ぎるといった不都合がない。ま
た、このような不都合を回避するために、燃料電池に導
入する燃料ガスの温度を降温させる構造を設けてシステ
ムを複雑化する必要もない。
ては、前記改質器で生成された燃料ガスを用いて前記ス
タック収納部材の加熱を行なう。ここで、改質器で生成
されたばかりの燃料ガスの温度は通常は燃料電池の運転
温度よりも高いため、燃料ガスの導入によって燃料電池
内部で部分的に温度が上昇し過ぎることを防ぐために
は、改質器で生成された燃料ガスの温度を燃料電池の運
転温度近くにまで降温させてから燃料電池内に導入する
ことが望ましい。上記した構成の燃料電池システムで
は、改質器で生成された燃料ガスはスタック収納部材の
加熱を行なうときに熱交換して降温するため、このよう
な燃料ガスを燃料電池内に導入しても燃料電池内部の温
度が部分的に上昇し過ぎるといった不都合がない。ま
た、このような不都合を回避するために、燃料電池に導
入する燃料ガスの温度を降温させる構造を設けてシステ
ムを複雑化する必要もない。
【0026】
【発明の他の態様】本発明は、以下に示す他の態様をと
ることも可能である。第1の態様として、本発明の燃料
電池において、前記スタック収納部材の外周部に設けら
れた流体導入部に導入される流体が気体である構成とす
ることができる。このような場合には、スタック収納部
材は、内部を流れる気体によって昇温されて熱膨張し
て、スタック収納部材内部に発生する非所望の圧力を緩
和することができる。
ることも可能である。第1の態様として、本発明の燃料
電池において、前記スタック収納部材の外周部に設けら
れた流体導入部に導入される流体が気体である構成とす
ることができる。このような場合には、スタック収納部
材は、内部を流れる気体によって昇温されて熱膨張し
て、スタック収納部材内部に発生する非所望の圧力を緩
和することができる。
【0027】また、第2の態様としては、前記流体が液
体である構成とすることができる。このような場合に
は、スタック収納部材は、内部を流れる液体によって昇
温されて熱膨張して、スタック収納部材内部に発生する
非所望の圧力を緩和することができる。さらに、流体と
して液体を用いる場合には、上記第1の態様のように流
体として気体を用いる場合に比べて伝熱の効率が高いた
め、より低い温度の流体で同様の昇温効果が得られる。
体である構成とすることができる。このような場合に
は、スタック収納部材は、内部を流れる液体によって昇
温されて熱膨張して、スタック収納部材内部に発生する
非所望の圧力を緩和することができる。さらに、流体と
して液体を用いる場合には、上記第1の態様のように流
体として気体を用いる場合に比べて伝熱の効率が高いた
め、より低い温度の流体で同様の昇温効果が得られる。
【0028】第3の態様としては、前記流体導入部とし
て前記流体を導入可能に形成された前記所定の空間が、
前記スタック構造の積層方向に平行に形成された流路で
ある構成とすることができる。このような場合には前記
流体は、前記流体導入部に導入されて前記スタック構造
の積層方向に平行な向きに流れることによって、前記ス
タック収納部材を昇温させ、スタック収納部材を熱膨張
させることができる。
て前記流体を導入可能に形成された前記所定の空間が、
前記スタック構造の積層方向に平行に形成された流路で
ある構成とすることができる。このような場合には前記
流体は、前記流体導入部に導入されて前記スタック構造
の積層方向に平行な向きに流れることによって、前記ス
タック収納部材を昇温させ、スタック収納部材を熱膨張
させることができる。
【0029】第4の態様としては、前記流体導入部とし
て前記流体を導入可能に形成された前記所定の空間が、
前記スタック収納部材の外周部においてらせん型に形成
された流路である構成とすることができる。このような
場合には前記流体は、前記流体導入部に導入されて、前
記スタック収納部材の外周部においてらせん型に形成さ
れた流路内を流れることによって前記スタック収納部材
を昇温させ、スタック収納部材を熱膨張させることがで
きる。
て前記流体を導入可能に形成された前記所定の空間が、
前記スタック収納部材の外周部においてらせん型に形成
された流路である構成とすることができる。このような
場合には前記流体は、前記流体導入部に導入されて、前
記スタック収納部材の外周部においてらせん型に形成さ
れた流路内を流れることによって前記スタック収納部材
を昇温させ、スタック収納部材を熱膨張させることがで
きる。
【0030】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を
実施例に基づき説明する。図1は本実施例の燃料電池装
置20の外観を例示する斜視図であり、図2は燃料電池
装置20の内部に形成されたスタック構造24の構成を
示す斜視図である。燃料電池装置20は、図1に示すよ
うに外周部にジャケット部52を形成するスタック収納
部材50の内部に、図2に示すスタック構造24を収納
してなる。ジャケット部52は流体を導入可能な中空構
造を備えている。このジャケット部52の構成は本発明
の要部に対応するものであり、後に詳述する。スタック
構造24は、燃料電池装置20において起電力を得るた
めの構造上の主体である。まず最初に、このスタック構
造24の構造およびスタック構造24によって形成され
る燃料電池30の発電機構について説明し、続いてスタ
ック収納部材50へのスタック構造24の組み付け方法
と、燃料電池装置20での燃料ガスと酸化ガスおよび冷
却水の流れについて説明し、その後ジャケット部52の
構成について説明する。
を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を
実施例に基づき説明する。図1は本実施例の燃料電池装
置20の外観を例示する斜視図であり、図2は燃料電池
装置20の内部に形成されたスタック構造24の構成を
示す斜視図である。燃料電池装置20は、図1に示すよ
うに外周部にジャケット部52を形成するスタック収納
部材50の内部に、図2に示すスタック構造24を収納
してなる。ジャケット部52は流体を導入可能な中空構
造を備えている。このジャケット部52の構成は本発明
の要部に対応するものであり、後に詳述する。スタック
構造24は、燃料電池装置20において起電力を得るた
めの構造上の主体である。まず最初に、このスタック構
造24の構造およびスタック構造24によって形成され
る燃料電池30の発電機構について説明し、続いてスタ
ック収納部材50へのスタック構造24の組み付け方法
と、燃料電池装置20での燃料ガスと酸化ガスおよび冷
却水の流れについて説明し、その後ジャケット部52の
構成について説明する。
【0031】スタック構造24は、単セル22を基本単
位として構成されている。最初に、単セル22の構成
と、燃料電池30における発電機構とについて説明す
る。燃料電池30は固体高分子電解質型の燃料電池であ
り、以下に反応式を示す電気化学反応によって起電力を
得ている。(1)式は陰極側(アノード)における反
応、(2)式は陽極側(カソード)における反応を示
し、電池全体では(3)式に示す反応が進行する。
位として構成されている。最初に、単セル22の構成
と、燃料電池30における発電機構とについて説明す
る。燃料電池30は固体高分子電解質型の燃料電池であ
り、以下に反応式を示す電気化学反応によって起電力を
得ている。(1)式は陰極側(アノード)における反
応、(2)式は陽極側(カソード)における反応を示
し、電池全体では(3)式に示す反応が進行する。
【0032】
H2 → 2H++2e- …(1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
【0033】燃料電池30は、陰極側に水素リッチな燃
料ガスの供給を受けて上記(1)式の反応を行ない、陽
極側には酸化ガスである空気の供給を受けて上記(2)
式の反応を行なう。図3は、単セル22の構成を例示す
る断面模式図である。単セル22は、電解質膜31と、
アノード32およびカソード33と、セパレータ34,
35とから構成されている。
料ガスの供給を受けて上記(1)式の反応を行ない、陽
極側には酸化ガスである空気の供給を受けて上記(2)
式の反応を行なう。図3は、単セル22の構成を例示す
る断面模式図である。単セル22は、電解質膜31と、
アノード32およびカソード33と、セパレータ34,
35とから構成されている。
【0034】アノード32およびカソード33は、電解
質膜31を両側から挟んでサンドイッチ構造を成すガス
拡散電極である。セパレータ34,35は、このサンド
イッチ構造をさらに両側から挟みつつ、アノード32お
よびカソード33との間に、燃料ガスおよび酸化ガスの
流路を形成する。アノード32とセパレータ34との間
には燃料ガス流路34Pが形成されており、カソード3
3とセパレータ35との間には酸化ガス流路35Pが形
成されている。セパレータ34,35は、図2ではそれ
ぞれ片面にのみ流路を形成しているが、実際にはその両
面にリブが形成されており、片面はアノード32との間
で燃料ガス流路34Pを形成し、他面は隣接する単セル
が備えるカソード33との間で酸化ガス流路35Pを形
成する。このように、セパレータ34,35は、ガス拡
散電極との間でガス流路を形成するとともに、隣接する
単セル間で燃料ガスと酸化ガスの流れを分離する役割を
果たしている。
質膜31を両側から挟んでサンドイッチ構造を成すガス
拡散電極である。セパレータ34,35は、このサンド
イッチ構造をさらに両側から挟みつつ、アノード32お
よびカソード33との間に、燃料ガスおよび酸化ガスの
流路を形成する。アノード32とセパレータ34との間
には燃料ガス流路34Pが形成されており、カソード3
3とセパレータ35との間には酸化ガス流路35Pが形
成されている。セパレータ34,35は、図2ではそれ
ぞれ片面にのみ流路を形成しているが、実際にはその両
面にリブが形成されており、片面はアノード32との間
で燃料ガス流路34Pを形成し、他面は隣接する単セル
が備えるカソード33との間で酸化ガス流路35Pを形
成する。このように、セパレータ34,35は、ガス拡
散電極との間でガス流路を形成するとともに、隣接する
単セル間で燃料ガスと酸化ガスの流れを分離する役割を
果たしている。
【0035】ここで、電解質膜31は、固体高分子材
料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導
性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性
を示す。本実施例では、ナフィオン膜(デュポン社製)
を使用した。電解質膜31の表面には、触媒としての白
金または白金と他の金属からなる合金が塗布されてい
る。触媒を塗布する方法としては、白金または白金と他
の金属からなる合金を担持したカーボン粉を作製し、こ
の触媒を担持したカーボン粉を適当な有機溶剤に分散さ
せ、電解質溶液(例えば、Aldrich Chemi
cal社、Nafion Solution)を適量添
加してペースト化し、電解質膜31上にスクリーン印刷
するという方法をとった。あるいは、上記触媒を担持し
たカーボン粉を含有するペーストを膜成形してシートを
作製し、このシートを電解質膜31上にプレスする構成
も好適である。
料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導
性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性
を示す。本実施例では、ナフィオン膜(デュポン社製)
を使用した。電解質膜31の表面には、触媒としての白
金または白金と他の金属からなる合金が塗布されてい
る。触媒を塗布する方法としては、白金または白金と他
の金属からなる合金を担持したカーボン粉を作製し、こ
の触媒を担持したカーボン粉を適当な有機溶剤に分散さ
せ、電解質溶液(例えば、Aldrich Chemi
cal社、Nafion Solution)を適量添
加してペースト化し、電解質膜31上にスクリーン印刷
するという方法をとった。あるいは、上記触媒を担持し
たカーボン粉を含有するペーストを膜成形してシートを
作製し、このシートを電解質膜31上にプレスする構成
も好適である。
【0036】アノード32およびカソード33は、共に
炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形
成されている。なお、本実施例では、アノード32およ
びカソード33をカーボンクロスにより形成したが、炭
素繊維からなるカーボンペーパまたはカーボンフエルト
により形成する構成も好適である。また、本実施例で
は、上述したように白金などからなる触媒を電解質膜3
1上に付着させる構成としたが、アノード32およびカ
ソード33の電解質膜31と接する側の表面に、白金な
どからなる触媒のペーストを塗布することとしても良
い。
炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形
成されている。なお、本実施例では、アノード32およ
びカソード33をカーボンクロスにより形成したが、炭
素繊維からなるカーボンペーパまたはカーボンフエルト
により形成する構成も好適である。また、本実施例で
は、上述したように白金などからなる触媒を電解質膜3
1上に付着させる構成としたが、アノード32およびカ
ソード33の電解質膜31と接する側の表面に、白金な
どからなる触媒のペーストを塗布することとしても良
い。
【0037】セパレータ34,35は、ガス不透過の導
電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とし
た緻密質カーボンにより形成されている。セパレータ3
4,35は その両面に溝状の複数のリブを形成してお
り、既述したように、アノード32の表面とで燃料ガス
流路34Pを形成し、隣接する単セルのカソード33の
表面とで酸化ガス流路35Pを形成する。ここで、各セ
パレータの表面に形成されたリブの形状は、ガス拡散電
極に対して燃料ガスまたは酸化ガスを供給可能な形状で
あればよい。
電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とし
た緻密質カーボンにより形成されている。セパレータ3
4,35は その両面に溝状の複数のリブを形成してお
り、既述したように、アノード32の表面とで燃料ガス
流路34Pを形成し、隣接する単セルのカソード33の
表面とで酸化ガス流路35Pを形成する。ここで、各セ
パレータの表面に形成されたリブの形状は、ガス拡散電
極に対して燃料ガスまたは酸化ガスを供給可能な形状で
あればよい。
【0038】図4に、本実施例のスタック構造24にお
いて実際に単セル22が積層される様子を分解斜視図に
よって表わす。セパレータ34,35は、実際のスタッ
ク構造24では、端部セパレータ60,61、中央セパ
レータ70、冷却セパレータ80のいずれかとして構成
されている。なお本実施例では、これらのセパレータ上
に設けられたリブ構造により形成される燃料ガス流路3
4Pと酸化ガス流路35Pとは、互いに直交している。
以下に、上記各セパレータそれぞれの構造について説明
する。
いて実際に単セル22が積層される様子を分解斜視図に
よって表わす。セパレータ34,35は、実際のスタッ
ク構造24では、端部セパレータ60,61、中央セパ
レータ70、冷却セパレータ80のいずれかとして構成
されている。なお本実施例では、これらのセパレータ上
に設けられたリブ構造により形成される燃料ガス流路3
4Pと酸化ガス流路35Pとは、互いに直交している。
以下に、上記各セパレータそれぞれの構造について説明
する。
【0039】端部セパレータ60は、剛性と導電率とが
高い金属、例えば銅合金やアルミニウム合金等により、
図4に示すように円形に形成されている。この端部セパ
レータ60の周辺部には、4つの燃料孔62A,62B
が形成されている。この4つの燃料孔62A,62B
は、後述する中央セパレータ70に形成された4つの燃
料孔72A,72Bと冷却セパレータ80に形成された
4つの燃料孔82A,82Bと共に、スタック構造24
を形成した際にこのスタック構造24を積層方向に貫通
する燃料などの流路を形成する。燃料孔62A,72
A,82Aは燃料ガスの流路である燃料路を形成し、燃
料孔62B,72B,82Bは酸化ガスの流路である酸
化ガス路を形成する。さらに端部セパレータ60の周辺
部には、燃料孔62A,62Bに挟まれてそれぞれ対向
する位置に、2つの冷却水孔64が形成されている。こ
の冷却水孔64は、後述する中央セパレータ70に形成
された2つの冷却水孔74と冷却セパレータ80に形成
された2つの冷却水孔84と共に、スタック構造24を
形成した際にこのスタック構造24を積層方向に貫通す
る冷却水の流路を形成する。
高い金属、例えば銅合金やアルミニウム合金等により、
図4に示すように円形に形成されている。この端部セパ
レータ60の周辺部には、4つの燃料孔62A,62B
が形成されている。この4つの燃料孔62A,62B
は、後述する中央セパレータ70に形成された4つの燃
料孔72A,72Bと冷却セパレータ80に形成された
4つの燃料孔82A,82Bと共に、スタック構造24
を形成した際にこのスタック構造24を積層方向に貫通
する燃料などの流路を形成する。燃料孔62A,72
A,82Aは燃料ガスの流路である燃料路を形成し、燃
料孔62B,72B,82Bは酸化ガスの流路である酸
化ガス路を形成する。さらに端部セパレータ60の周辺
部には、燃料孔62A,62Bに挟まれてそれぞれ対向
する位置に、2つの冷却水孔64が形成されている。こ
の冷却水孔64は、後述する中央セパレータ70に形成
された2つの冷却水孔74と冷却セパレータ80に形成
された2つの冷却水孔84と共に、スタック構造24を
形成した際にこのスタック構造24を積層方向に貫通す
る冷却水の流路を形成する。
【0040】この端部セパレータ60の片面(図4中正
面側)には、対向する燃料孔62A間を連絡する複数の
平行な溝状のリブ66が形成されている。リブ66は、
スタック構造24を形成した際には隣接するアノード3
2との間に既述した燃料ガス流路34Pを形成する。端
部セパレータ60の他面は、溝構造の無いフラットな面
となっている。
面側)には、対向する燃料孔62A間を連絡する複数の
平行な溝状のリブ66が形成されている。リブ66は、
スタック構造24を形成した際には隣接するアノード3
2との間に既述した燃料ガス流路34Pを形成する。端
部セパレータ60の他面は、溝構造の無いフラットな面
となっている。
【0041】中央セパレータ70は、カーボンを圧縮化
してガス不透過とした緻密質カーボンにより、端部セパ
レータ60と同様に円形に形成されている。中央セパレ
ータ70には、端部セパレータ60に形成された4つの
燃料孔62A,62Bおよび2つの冷却水孔64と同様
な4つの燃料孔72A,72Bおよび2つの冷却水孔7
4が形成されている。中央セパレータ70の図4中正面
には、対向する燃料孔72A間を連絡する複数の平行な
溝状のリブ76が形成されている。リブ76は、スタッ
ク構造24を形成した際には隣接するアノード32との
間に既述した燃料ガス流路34Pを形成する。また、中
央セパレータ70の図4中裏面には、対向する燃料孔7
2B間を連絡し、リブ76と直交する複数の平行な溝状
のリブ78が形成されている。リブ78は、スタック構
造24を形成した際には隣接するカソード33との間に
既述した酸化ガス流路35Pを形成する。
してガス不透過とした緻密質カーボンにより、端部セパ
レータ60と同様に円形に形成されている。中央セパレ
ータ70には、端部セパレータ60に形成された4つの
燃料孔62A,62Bおよび2つの冷却水孔64と同様
な4つの燃料孔72A,72Bおよび2つの冷却水孔7
4が形成されている。中央セパレータ70の図4中正面
には、対向する燃料孔72A間を連絡する複数の平行な
溝状のリブ76が形成されている。リブ76は、スタッ
ク構造24を形成した際には隣接するアノード32との
間に既述した燃料ガス流路34Pを形成する。また、中
央セパレータ70の図4中裏面には、対向する燃料孔7
2B間を連絡し、リブ76と直交する複数の平行な溝状
のリブ78が形成されている。リブ78は、スタック構
造24を形成した際には隣接するカソード33との間に
既述した酸化ガス流路35Pを形成する。
【0042】冷却セパレータ80は、端部セパレータ6
0と同様に、銅合金やアルミニウム合金等の金属により
円形に形成されている。冷却セパレータ80には、端部
セパレータ60に形成された燃料孔62A,62Bおよ
び冷却水孔64と同様な4つの燃料孔82A,82Bお
よび2つの冷却水孔84が形成されている。冷却セパレ
ータ80の図4中裏面には、対向する燃料孔82B間を
連絡する複数の平行な溝状のリブ88が形成されてい
る。リブ88は、スタック構造24を形成した際には隣
接するカソード33との間に既述した酸化ガス流路35
Pを形成する。また、冷却セパレータ80の図4中正面
には、対向する冷却水孔84間を連絡する溝89が形成
されている。スタック構造24を形成する際には、冷却
セパレータ80は後述するように端部セパレータ60と
隣接するが、このとき溝89は端部セパレータ60のフ
ラットな面との間で冷却水路69Pを形成する。なお、
上記端部セパレータ60および冷却セパレータ80は、
剛性および伝熱性を重視して金属で構成することとした
が、中央セパレータ70と同様に緻密質カーボンで形成
しても良い。
0と同様に、銅合金やアルミニウム合金等の金属により
円形に形成されている。冷却セパレータ80には、端部
セパレータ60に形成された燃料孔62A,62Bおよ
び冷却水孔64と同様な4つの燃料孔82A,82Bお
よび2つの冷却水孔84が形成されている。冷却セパレ
ータ80の図4中裏面には、対向する燃料孔82B間を
連絡する複数の平行な溝状のリブ88が形成されてい
る。リブ88は、スタック構造24を形成した際には隣
接するカソード33との間に既述した酸化ガス流路35
Pを形成する。また、冷却セパレータ80の図4中正面
には、対向する冷却水孔84間を連絡する溝89が形成
されている。スタック構造24を形成する際には、冷却
セパレータ80は後述するように端部セパレータ60と
隣接するが、このとき溝89は端部セパレータ60のフ
ラットな面との間で冷却水路69Pを形成する。なお、
上記端部セパレータ60および冷却セパレータ80は、
剛性および伝熱性を重視して金属で構成することとした
が、中央セパレータ70と同様に緻密質カーボンで形成
しても良い。
【0043】スタック構造24を形成するときには、電
解質膜31をアノード32およびカソード33で挟持し
た構造を上述した各セパレータでさらに両側から挟持し
て組み付ける。図4では、端部セパレータ60,中央セ
パレータ70,冷却セパレータ80を各一枚ずつしか示
さなかったが、実際にスタック構造24を構成するとき
には図2に示すように中央セパレータは所定の枚数を連
続して積層する(図2では5枚ずつ連続して積層してい
る)。従って、冷却セパレータ80、中央セパレータ7
0を5枚、端部セパレータ60の順で繰り返し積層し
て、スタック構造24を形成する。
解質膜31をアノード32およびカソード33で挟持し
た構造を上述した各セパレータでさらに両側から挟持し
て組み付ける。図4では、端部セパレータ60,中央セ
パレータ70,冷却セパレータ80を各一枚ずつしか示
さなかったが、実際にスタック構造24を構成するとき
には図2に示すように中央セパレータは所定の枚数を連
続して積層する(図2では5枚ずつ連続して積層してい
る)。従って、冷却セパレータ80、中央セパレータ7
0を5枚、端部セパレータ60の順で繰り返し積層し
て、スタック構造24を形成する。
【0044】なお、図2に示すスタック構造24におい
て、上記した順序と異なり、図2中の手前側の端部には
冷却セパレータ80に代わって端部セパレータ61が積
層されている。この端部セパレータ61は、既述した端
部セパレータ60と同様の構造を備えるものであるが、
積層方向に対する向きが、図4に示した端部セパレータ
60とは逆向きになるように配置されている。すなわ
ち、フラットな面が上記積層構造の外側に面しており、
リブを形成する面は隣接するカソード33と接してい
る。ここで、端部セパレータ61に形成されたリブは、
図4に示す中央セパレータ70におけるリブ78と平行
であって、カソード33との間に酸化ガス流路35Pを
形成している。
て、上記した順序と異なり、図2中の手前側の端部には
冷却セパレータ80に代わって端部セパレータ61が積
層されている。この端部セパレータ61は、既述した端
部セパレータ60と同様の構造を備えるものであるが、
積層方向に対する向きが、図4に示した端部セパレータ
60とは逆向きになるように配置されている。すなわ
ち、フラットな面が上記積層構造の外側に面しており、
リブを形成する面は隣接するカソード33と接してい
る。ここで、端部セパレータ61に形成されたリブは、
図4に示す中央セパレータ70におけるリブ78と平行
であって、カソード33との間に酸化ガス流路35Pを
形成している。
【0045】上記したようにセパレータを積層した構造
の両端には、さらに集電板36,37、絶縁板38、エ
ンドプレート39,40が配置されてスタック構造24
を完成する。図5は図2に示したスタック構造24の手
前側に配された集電板36、絶縁板38、エンドプレー
ト39の構成を表わす分解斜視図であり、図6は図2に
示したスタック構造24の奥側に配された集電板37、
絶縁板38、エンドプレート40の構成を表わす分解斜
視図である。
の両端には、さらに集電板36,37、絶縁板38、エ
ンドプレート39,40が配置されてスタック構造24
を完成する。図5は図2に示したスタック構造24の手
前側に配された集電板36、絶縁板38、エンドプレー
ト39の構成を表わす分解斜視図であり、図6は図2に
示したスタック構造24の奥側に配された集電板37、
絶縁板38、エンドプレート40の構成を表わす分解斜
視図である。
【0046】集電板36,37は導電性の高い材料、例
えば銅などにより円形の板状に形成されている。これら
集電板36、37の片面には、燃料電池装置20からの
出力を取り出す出力端子36A,37Aが、各集電板の
表面から延出して設けられている。この出力端子36
A,37Aは、さらに絶縁板38とエンドプレート3
9,40とを重ねたときに、先端部が充分にスタック構
造24の外部に突出する長さを備えている。また、集電
板36は、既述した燃料孔62Aの一方および62Bの
一方に対応する位置に燃料孔62Cおよび62Dを形成
しており、既述した冷却水孔64の一方に対応する位置
に冷却水孔64Cを形成している。集電板37は、燃料
孔62Aの他方および62Bの他方に対応する位置に燃
料孔62Eおよび62Fを形成しており、冷却水孔64
の他方に対応する位置に冷却水孔64Eを形成してい
る。
えば銅などにより円形の板状に形成されている。これら
集電板36、37の片面には、燃料電池装置20からの
出力を取り出す出力端子36A,37Aが、各集電板の
表面から延出して設けられている。この出力端子36
A,37Aは、さらに絶縁板38とエンドプレート3
9,40とを重ねたときに、先端部が充分にスタック構
造24の外部に突出する長さを備えている。また、集電
板36は、既述した燃料孔62Aの一方および62Bの
一方に対応する位置に燃料孔62Cおよび62Dを形成
しており、既述した冷却水孔64の一方に対応する位置
に冷却水孔64Cを形成している。集電板37は、燃料
孔62Aの他方および62Bの他方に対応する位置に燃
料孔62Eおよび62Fを形成しており、冷却水孔64
の他方に対応する位置に冷却水孔64Eを形成してい
る。
【0047】絶縁板38は、絶縁性材料、例えばゴムや
樹脂などにより円形の板状に形成されている。この絶縁
板38には出力端子36Aまたは37Aに対応する位置
に穴部38Aが形成されており、スタック構造24の形
成時には出力端子36Aまたは37Aを貫通させる構成
となっている。また、絶縁板38には、隣接する集電板
36または37の燃料孔と同様に燃料孔72C,72
D,72E,72Fが形成されており、冷却水孔64
C,64Dと同様に冷却水孔74C,74Eが形成され
ている。
樹脂などにより円形の板状に形成されている。この絶縁
板38には出力端子36Aまたは37Aに対応する位置
に穴部38Aが形成されており、スタック構造24の形
成時には出力端子36Aまたは37Aを貫通させる構成
となっている。また、絶縁板38には、隣接する集電板
36または37の燃料孔と同様に燃料孔72C,72
D,72E,72Fが形成されており、冷却水孔64
C,64Dと同様に冷却水孔74C,74Eが形成され
ている。
【0048】エンドプレート39,40は、剛性の高い
材料、例えば鋼などにより円形の板状に形成されてい
る。エンドプレート39,40においても絶縁板38と
同様に、出力端子36Aに対応する位置に穴部39A,
40Aが形成されており、スタック構造24の形成時に
は出力端子36Aを貫通させる構成となっている。ま
た、エンドプレート39には集電板36の燃料孔と同様
に燃料孔82C,82Dが形成されており、冷却水孔6
4Cと同様に冷却水孔84Cが形成されている。エンド
プレート40には集電板37の燃料孔と同様に燃料孔8
2E,82Fが形成されており、冷却水孔64Eと同様
に冷却水孔84Eが形成されている。ただしここで、エ
ンドプレート39に設けられた冷却水孔84Cだけは、
エンドプレート39の厚さ方向に貫通した穴構造ではな
く、エンドプレート39の壁面部に開口部39B,39
Cを有し、冷却水を外部に導く構造となっている。燃料
電池装置20をして組み立てられたときには、冷却水は
エンドプレート39から既述したジャケット部52に導
かれるが、この冷却水の流れについては後に詳述する。
材料、例えば鋼などにより円形の板状に形成されてい
る。エンドプレート39,40においても絶縁板38と
同様に、出力端子36Aに対応する位置に穴部39A,
40Aが形成されており、スタック構造24の形成時に
は出力端子36Aを貫通させる構成となっている。ま
た、エンドプレート39には集電板36の燃料孔と同様
に燃料孔82C,82Dが形成されており、冷却水孔6
4Cと同様に冷却水孔84Cが形成されている。エンド
プレート40には集電板37の燃料孔と同様に燃料孔8
2E,82Fが形成されており、冷却水孔64Eと同様
に冷却水孔84Eが形成されている。ただしここで、エ
ンドプレート39に設けられた冷却水孔84Cだけは、
エンドプレート39の厚さ方向に貫通した穴構造ではな
く、エンドプレート39の壁面部に開口部39B,39
Cを有し、冷却水を外部に導く構造となっている。燃料
電池装置20をして組み立てられたときには、冷却水は
エンドプレート39から既述したジャケット部52に導
かれるが、この冷却水の流れについては後に詳述する。
【0049】以上説明した各セパレータ、集電板36,
37、絶縁板38、エンドプレート39,40を図2に
示した所定の順序で積層してスタック構造24を形成す
る。なお、各セパレータを積層する際には、セパレータ
間には所定のシール部材を配置して、各電極および電解
質膜31の周辺部においてガスがリークしてしまうのを
防止している。このスタック構造24を既述したスタッ
ク収納部材50の内部に収納するときには、スタック収
納部材50の両端部を折り曲げて折り曲げ係合部54を
形成する。この折り曲げ係合部54は、スタック収納部
材50に収納したスタック構造24に対してその積層方
向に所定の押圧力を加えている。ここで、折り曲げ係合
部54がスタック構造24に対して加える所定の押圧力
は、スタック構造24において積層方向に生じる電気抵
抗の値が所定値以下となるように設定する。
37、絶縁板38、エンドプレート39,40を図2に
示した所定の順序で積層してスタック構造24を形成す
る。なお、各セパレータを積層する際には、セパレータ
間には所定のシール部材を配置して、各電極および電解
質膜31の周辺部においてガスがリークしてしまうのを
防止している。このスタック構造24を既述したスタッ
ク収納部材50の内部に収納するときには、スタック収
納部材50の両端部を折り曲げて折り曲げ係合部54を
形成する。この折り曲げ係合部54は、スタック収納部
材50に収納したスタック構造24に対してその積層方
向に所定の押圧力を加えている。ここで、折り曲げ係合
部54がスタック構造24に対して加える所定の押圧力
は、スタック構造24において積層方向に生じる電気抵
抗の値が所定値以下となるように設定する。
【0050】燃料電池装置20には、図示しない燃料供
給装置、酸素供給装置および冷却水供給装置が接続され
る。水素リッチな燃料ガスは、所定の燃料供給装置から
エンドプレート39の燃料孔82Cを介して燃料電池装
置20の内部に導入される。燃料孔82Cから導入され
た燃料ガスは、燃料孔62A,72A,82A等から形
成される燃料路内部に導かれる。この燃料路内の燃料ガ
スは、各単セル22が備える燃料ガス流路34Pから各
アノード32に供給され、(1)式に示した電気化学反
応に供される。燃料ガス流路34Pを経由した燃料ガス
は、燃料ガス流路34Pへ燃料ガスを供給した燃料路と
対向する側の燃料路へと導かれ、エンドプレート40に
設けられた燃料孔82Eから排出される。
給装置、酸素供給装置および冷却水供給装置が接続され
る。水素リッチな燃料ガスは、所定の燃料供給装置から
エンドプレート39の燃料孔82Cを介して燃料電池装
置20の内部に導入される。燃料孔82Cから導入され
た燃料ガスは、燃料孔62A,72A,82A等から形
成される燃料路内部に導かれる。この燃料路内の燃料ガ
スは、各単セル22が備える燃料ガス流路34Pから各
アノード32に供給され、(1)式に示した電気化学反
応に供される。燃料ガス流路34Pを経由した燃料ガス
は、燃料ガス流路34Pへ燃料ガスを供給した燃料路と
対向する側の燃料路へと導かれ、エンドプレート40に
設けられた燃料孔82Eから排出される。
【0051】同様に、所定の酸化ガス供給装置から燃料
孔82Dを介して燃料電池装置20内部に導入された酸
化ガスは、燃料孔62B,72B,82B等から形成さ
れる酸化ガス路内部に導かれる。この酸化ガス路内の酸
化ガスは、各単セル22が備える酸化ガス流路35Pか
ら各カソード33に供給され、(2)式に示した電気化
学反応に供される。酸化ガス流路35Pを経由した酸化
ガスは、酸化ガス流路35Pへ酸化ガスを供給した酸化
ガス路と対向する側の酸化ガス路へと導かれ、エンドプ
レート40に設けられた燃料孔82Fから排出される。
孔82Dを介して燃料電池装置20内部に導入された酸
化ガスは、燃料孔62B,72B,82B等から形成さ
れる酸化ガス路内部に導かれる。この酸化ガス路内の酸
化ガスは、各単セル22が備える酸化ガス流路35Pか
ら各カソード33に供給され、(2)式に示した電気化
学反応に供される。酸化ガス流路35Pを経由した酸化
ガスは、酸化ガス流路35Pへ酸化ガスを供給した酸化
ガス路と対向する側の酸化ガス路へと導かれ、エンドプ
レート40に設けられた燃料孔82Fから排出される。
【0052】また、燃料電池装置20の内部温度を所定
の温度範囲に保つための冷却水は、所定の冷却水供給装
置から、エンドプレート40の冷却水孔84Fを介して
冷却水孔64,74,84等から形成される冷却水路内
部に導かれる。この冷却水路内の冷却水は、スタック構
造24の所定の箇所に配置された冷却セパレータ80が
備える溝89と、隣接する端部セパレータ60のフラッ
トな面とで形成する冷却水路69Pを流れて対向する冷
却水路に導かれ、エンドプレート39に到達する。エン
ドプレート39に導かれた冷却水は、後述するようにジ
ャケット部52を経由した後に燃料電池装置20の外部
に排出される。
の温度範囲に保つための冷却水は、所定の冷却水供給装
置から、エンドプレート40の冷却水孔84Fを介して
冷却水孔64,74,84等から形成される冷却水路内
部に導かれる。この冷却水路内の冷却水は、スタック構
造24の所定の箇所に配置された冷却セパレータ80が
備える溝89と、隣接する端部セパレータ60のフラッ
トな面とで形成する冷却水路69Pを流れて対向する冷
却水路に導かれ、エンドプレート39に到達する。エン
ドプレート39に導かれた冷却水は、後述するようにジ
ャケット部52を経由した後に燃料電池装置20の外部
に排出される。
【0053】次に、本発明の要部に対応するジャケット
部52の構成について説明する。ジャケット部52は、
図1に示したようにスタック収納部材50の外周部にス
タック収納部材50と一体で形成されている。このジャ
ケット部52を備えるスタック収納部材50は、剛性と
熱伝導性に富む金属、例えばステンレスやアルミニウム
等によって形成されている。図7は、図1に示した燃料
電池装置20の7−7平面の様子を模式的に表わす断面
模式図である。ジャケット部52は、図7に示すように
内部に流路壁53を備えた中空部55を備えている。流
路壁53によって中空部55は内流路55Aと外流路5
5Bとに区画されている。このようなジャケット部52
は、既述したエンドプレート39に設けられた開口部3
9Bおよび39Cと連絡しており、中空部55の内部に
冷却水が導入可能となっている。
部52の構成について説明する。ジャケット部52は、
図1に示したようにスタック収納部材50の外周部にス
タック収納部材50と一体で形成されている。このジャ
ケット部52を備えるスタック収納部材50は、剛性と
熱伝導性に富む金属、例えばステンレスやアルミニウム
等によって形成されている。図7は、図1に示した燃料
電池装置20の7−7平面の様子を模式的に表わす断面
模式図である。ジャケット部52は、図7に示すように
内部に流路壁53を備えた中空部55を備えている。流
路壁53によって中空部55は内流路55Aと外流路5
5Bとに区画されている。このようなジャケット部52
は、既述したエンドプレート39に設けられた開口部3
9Bおよび39Cと連絡しており、中空部55の内部に
冷却水が導入可能となっている。
【0054】既述したように冷却水は、燃料電池装置2
0の内部に設けられた所定の水路を導かれ、冷却セパレ
ータ80上の溝89が形成する冷却水路69Pを経由す
ることによって、動作中の燃料電池装置20の内部温度
を所定の範囲に保っている。この冷却水は、集電板36
の冷却水孔64Cおよび絶縁板38の冷却水孔74Cを
経由してエンドプレート39に到達すると、開口部39
Cを介してジャケット部52の中空部55に流れ込む。
燃料電池装置20内部の所定の水路を経由してきたこの
冷却水は、燃料電池装置20の運転温度(80から10
0℃)と略同一温度となっている。中空部55に流れ込
んだ冷却水は、まず内流路55Aをスタックの積層方向
に流れる。内流路55Aにおいてエンドプレート40側
の端部に達した冷却水は、流路壁53の切れ目において
流れの向きを逆転させて、今度は外流路55Bをエンド
プレート39側に向かって流れる。そして既述した開口
部39Bからエンドプレート39内に戻り、冷却水孔8
4Cから燃料電池装置20の外部に排出される。このよ
うに冷却水が流れることによってジャケット部52内で
熱交換が行なわれ、スタック収納部材50の温度も燃料
電池装置20の運転温度と略同一となる。
0の内部に設けられた所定の水路を導かれ、冷却セパレ
ータ80上の溝89が形成する冷却水路69Pを経由す
ることによって、動作中の燃料電池装置20の内部温度
を所定の範囲に保っている。この冷却水は、集電板36
の冷却水孔64Cおよび絶縁板38の冷却水孔74Cを
経由してエンドプレート39に到達すると、開口部39
Cを介してジャケット部52の中空部55に流れ込む。
燃料電池装置20内部の所定の水路を経由してきたこの
冷却水は、燃料電池装置20の運転温度(80から10
0℃)と略同一温度となっている。中空部55に流れ込
んだ冷却水は、まず内流路55Aをスタックの積層方向
に流れる。内流路55Aにおいてエンドプレート40側
の端部に達した冷却水は、流路壁53の切れ目において
流れの向きを逆転させて、今度は外流路55Bをエンド
プレート39側に向かって流れる。そして既述した開口
部39Bからエンドプレート39内に戻り、冷却水孔8
4Cから燃料電池装置20の外部に排出される。このよ
うに冷却水が流れることによってジャケット部52内で
熱交換が行なわれ、スタック収納部材50の温度も燃料
電池装置20の運転温度と略同一となる。
【0055】以上説明した燃料電池装置20によれば、
スタック構造24を収納するスタック収納部材50にお
いてジャケット部52を設け、その内部に冷却水を流通
させる構成としたため、燃料電池装置20の運転中に内
部温度が上昇して各セパレータ等の構成部材が熱膨張し
ても、スタック収納部材50もまた熱膨張し、燃料電池
装置20の積層方向に非所望の圧力が発生することがな
い。従って、スタック構造24の構成部材の熱膨張で生
じる圧力のためにこれらの構成部材が損傷したりするお
それがない。また、熱膨張によって生じる力をスプリン
グなどの部材によって吸収する必要がないため、スプリ
ング等の部材を設けることで燃料電池装置20が積層方
向に大型化するといった不都合も生じない。
スタック構造24を収納するスタック収納部材50にお
いてジャケット部52を設け、その内部に冷却水を流通
させる構成としたため、燃料電池装置20の運転中に内
部温度が上昇して各セパレータ等の構成部材が熱膨張し
ても、スタック収納部材50もまた熱膨張し、燃料電池
装置20の積層方向に非所望の圧力が発生することがな
い。従って、スタック構造24の構成部材の熱膨張で生
じる圧力のためにこれらの構成部材が損傷したりするお
それがない。また、熱膨張によって生じる力をスプリン
グなどの部材によって吸収する必要がないため、スプリ
ング等の部材を設けることで燃料電池装置20が積層方
向に大型化するといった不都合も生じない。
【0056】また、ジャケット部52の内部に冷却水を
循環させることによって、スタック収納部材50に収納
されるスタック構造24全体の温度が均一化されること
になる。従って、各セパレータが備える燃料孔によって
形成される前記燃料路において、その壁面付近の温度が
他の電池動作部に比べて温度が低いことに起因して燃料
ガス中の水蒸気が凝縮してしまうことがない。燃料ガス
中の水蒸気が凝縮すると、凝縮した水蒸気が燃料ガスの
流路を塞いでガスの拡散を妨げるおそれがあり好ましく
ない。本実施例の燃料電池装置20では、燃料ガス流路
の壁面温度も燃料電池装置20の運転温度と略同一にな
るため水蒸気の凝縮を防ぐことができる。さらに、スタ
ック構造24全体の温度が均一化することによって、燃
料電池装置20で起こる電池反応の状態も部位による差
異が小さくなり、全体的な電池反応の効率が向上すると
いう効果も得られる。
循環させることによって、スタック収納部材50に収納
されるスタック構造24全体の温度が均一化されること
になる。従って、各セパレータが備える燃料孔によって
形成される前記燃料路において、その壁面付近の温度が
他の電池動作部に比べて温度が低いことに起因して燃料
ガス中の水蒸気が凝縮してしまうことがない。燃料ガス
中の水蒸気が凝縮すると、凝縮した水蒸気が燃料ガスの
流路を塞いでガスの拡散を妨げるおそれがあり好ましく
ない。本実施例の燃料電池装置20では、燃料ガス流路
の壁面温度も燃料電池装置20の運転温度と略同一にな
るため水蒸気の凝縮を防ぐことができる。さらに、スタ
ック構造24全体の温度が均一化することによって、燃
料電池装置20で起こる電池反応の状態も部位による差
異が小さくなり、全体的な電池反応の効率が向上すると
いう効果も得られる。
【0057】さらに、スタック構造24を収納するスタ
ック収納部材50に上記ジャケット部52を設けたこと
によって、燃料電池装置20全体の剛性が増し、堅牢な
構造とすることができる。このことは、本実施例の燃料
電池装置20を車両駆動用の電源として車載する場合な
どには特に有利となる。例えば、燃料電池装置20を搭
載した車両が事故を起こして燃料電池装置20が破損し
た場合にも、スタック構造24をジャケット部52が覆
っているために、水素を含有する燃料ガスが漏れだし難
く、危険を回避できる可能性が高くなる。
ック収納部材50に上記ジャケット部52を設けたこと
によって、燃料電池装置20全体の剛性が増し、堅牢な
構造とすることができる。このことは、本実施例の燃料
電池装置20を車両駆動用の電源として車載する場合な
どには特に有利となる。例えば、燃料電池装置20を搭
載した車両が事故を起こして燃料電池装置20が破損し
た場合にも、スタック構造24をジャケット部52が覆
っているために、水素を含有する燃料ガスが漏れだし難
く、危険を回避できる可能性が高くなる。
【0058】また、本実施例の燃料電池装置20では、
ジャケット部52内を2層構造として冷却水の流路を形
成したが、異なる形状の流路を形成することとしても構
わない。図8は、燃料電池装置20の変形例である燃料
電池装置20aの外観を示す斜視図である。燃料電池装
置20aにおいて、燃料電池装置20と共通する部材に
は同一の符号を付してその説明は省略することとする。
燃料電池装置20aが備えるジャケット部52a内での
冷却水の流れを図8中に点線で表わす。図8に示すよう
に、燃料電池装置20aでは冷却水の流路は螺旋形を成
してジャケット部52a内に形成されている。燃料電池
装置20aについて、図7と同様の平面での様子を表わ
す模式図を図9に示す。
ジャケット部52内を2層構造として冷却水の流路を形
成したが、異なる形状の流路を形成することとしても構
わない。図8は、燃料電池装置20の変形例である燃料
電池装置20aの外観を示す斜視図である。燃料電池装
置20aにおいて、燃料電池装置20と共通する部材に
は同一の符号を付してその説明は省略することとする。
燃料電池装置20aが備えるジャケット部52a内での
冷却水の流れを図8中に点線で表わす。図8に示すよう
に、燃料電池装置20aでは冷却水の流路は螺旋形を成
してジャケット部52a内に形成されている。燃料電池
装置20aについて、図7と同様の平面での様子を表わ
す模式図を図9に示す。
【0059】燃料電池装置20aでは、エンドプレート
39において冷却水はジャケット部52a内に導かれ、
この冷却水は螺旋形の流路中を積層方向に向かって流れ
る。ジャケット部52aの端部で冷却水はエンドプレー
ト40内に戻り、エンドプレート40に設けられた所定
の冷却水孔から燃料電池装置20aの外部に排出され
る。冷却水の流路をこのような螺旋形にする場合には、
冷却水の流れをよりスムーズにすることができる。この
ようにジャケット部52の内部に形成する流路の形状
は、冷却水によってスタック収納部材50を加熱可能な
形状であれば良い。
39において冷却水はジャケット部52a内に導かれ、
この冷却水は螺旋形の流路中を積層方向に向かって流れ
る。ジャケット部52aの端部で冷却水はエンドプレー
ト40内に戻り、エンドプレート40に設けられた所定
の冷却水孔から燃料電池装置20aの外部に排出され
る。冷却水の流路をこのような螺旋形にする場合には、
冷却水の流れをよりスムーズにすることができる。この
ようにジャケット部52の内部に形成する流路の形状
は、冷却水によってスタック収納部材50を加熱可能な
形状であれば良い。
【0060】ここで、スタック収納部材50はステンレ
スやアルミニウムにより形成することとしたが、燃料電
池の運転温度に対応する冷却水を導入したときに充分に
熱膨張して、燃料電池装置20内部に非所望の大きな圧
力が生じるのを抑えることができる部材であれば良い。
また、上記非所望の圧力が発生するのを防止することが
可能であるならば、ジャケット部52は必ずしもスタッ
ク収納部材50全体を覆っている必要はなく、スタック
収納部材50の一部を覆う構成であっても良い。
スやアルミニウムにより形成することとしたが、燃料電
池の運転温度に対応する冷却水を導入したときに充分に
熱膨張して、燃料電池装置20内部に非所望の大きな圧
力が生じるのを抑えることができる部材であれば良い。
また、上記非所望の圧力が発生するのを防止することが
可能であるならば、ジャケット部52は必ずしもスタッ
ク収納部材50全体を覆っている必要はなく、スタック
収納部材50の一部を覆う構成であっても良い。
【0061】次に、第2実施例として、燃料電池装置2
0から排出される燃料ガスまたは酸化ガスの排ガスによ
ってスタック収納部材50を昇温させる構成について説
明する。燃料電池装置20での電気化学反応に供された
燃料ガスおよび酸化ガスは、エンドプレート40の燃料
孔82Eおよび82Fから排出される時には、冷却水と
同様に燃料電池装置20の運転温度と略同一温度となっ
ている。従って、冷却水に代わってこれらのガスをジャ
ケット部52内に導入することによっても、前記第1実
施例と同様にスタック収納部材50を熱膨張させること
ができる。
0から排出される燃料ガスまたは酸化ガスの排ガスによ
ってスタック収納部材50を昇温させる構成について説
明する。燃料電池装置20での電気化学反応に供された
燃料ガスおよび酸化ガスは、エンドプレート40の燃料
孔82Eおよび82Fから排出される時には、冷却水と
同様に燃料電池装置20の運転温度と略同一温度となっ
ている。従って、冷却水に代わってこれらのガスをジャ
ケット部52内に導入することによっても、前記第1実
施例と同様にスタック収納部材50を熱膨張させること
ができる。
【0062】このように燃料ガスや酸化ガスの排ガスに
よってスタック収納部材50を昇温する場合にも、ジャ
ケット部52内部に形成する流路は第1実施例と同様な
形状に形成しておけば良い。第1実施例では、エンドプ
レート39において冷却水をジャケット部52内に導く
構成としたが、第2実施例では、エンドプレート40を
第1実施例の39と同様に厚みを増して形成し、燃料孔
82Eまたは82Fから排出される燃料排ガスまたは酸
化排ガスを一旦ジャケット部52内部を流通させてから
燃料電池装置20外部に排出する。
よってスタック収納部材50を昇温する場合にも、ジャ
ケット部52内部に形成する流路は第1実施例と同様な
形状に形成しておけば良い。第1実施例では、エンドプ
レート39において冷却水をジャケット部52内に導く
構成としたが、第2実施例では、エンドプレート40を
第1実施例の39と同様に厚みを増して形成し、燃料孔
82Eまたは82Fから排出される燃料排ガスまたは酸
化排ガスを一旦ジャケット部52内部を流通させてから
燃料電池装置20外部に排出する。
【0063】上記第2実施例では、第1実施例における
冷却水に代えて、燃料排ガスまたは酸化排ガスによって
スタック収納部材50を昇温する構成とした。第1実施
例と同様に、燃料電池装置20内部を循環した流体によ
ってスタック収納部材50を昇温することにより、第1
実施例と同様の効果が得られる。すなわち、燃料電池の
運転時には、スタック構造24と共にスタック収納部材
50もまた熱膨張するため、燃料電池装置20内部に非
所望の圧力が生じることがない。また、燃料電池装置2
0全体の温度を略均一に維持することが可能となるた
め、スタック構造24を構成する各単セルで起こる電気
化学反応が均一化されて部域差が抑えられ、電池性能が
向上する。さらに、燃料電池装置20内部に設けられた
燃料ガスおよび酸化ガスの流路内において、温度が一時
的に下降して流路内で水蒸気が凝縮するおそれがなくな
るという効果を奏する。
冷却水に代えて、燃料排ガスまたは酸化排ガスによって
スタック収納部材50を昇温する構成とした。第1実施
例と同様に、燃料電池装置20内部を循環した流体によ
ってスタック収納部材50を昇温することにより、第1
実施例と同様の効果が得られる。すなわち、燃料電池の
運転時には、スタック構造24と共にスタック収納部材
50もまた熱膨張するため、燃料電池装置20内部に非
所望の圧力が生じることがない。また、燃料電池装置2
0全体の温度を略均一に維持することが可能となるた
め、スタック構造24を構成する各単セルで起こる電気
化学反応が均一化されて部域差が抑えられ、電池性能が
向上する。さらに、燃料電池装置20内部に設けられた
燃料ガスおよび酸化ガスの流路内において、温度が一時
的に下降して流路内で水蒸気が凝縮するおそれがなくな
るという効果を奏する。
【0064】上記第1および第2実施例では、燃料電池
装置20内部を循環してきた冷却水や燃料ガス等の流体
をジャケット部52に導入する構成としたが、この燃料
電池装置20外部に設けられた所定の高温部から流体を
導入することとしても良い。以下に第3実施例として、
原燃料を改質して水素リッチな燃料ガスを生成する改質
器93から排出される燃焼排ガスを用いてスタック収納
部材50を昇温する構成について説明する。
装置20内部を循環してきた冷却水や燃料ガス等の流体
をジャケット部52に導入する構成としたが、この燃料
電池装置20外部に設けられた所定の高温部から流体を
導入することとしても良い。以下に第3実施例として、
原燃料を改質して水素リッチな燃料ガスを生成する改質
器93から排出される燃焼排ガスを用いてスタック収納
部材50を昇温する構成について説明する。
【0065】図10は、第3実施例の燃料電池システム
90の構成の概略を表わす模式図である。燃料電池シス
テム90はその主要な構成要素として、燃料電池装置2
0bの他に、メタノールタンク91、水タンク92、改
質器93、バーナ94、ブロワ95を備える。メタノー
ルタンク91からはメタノールが、水タンク92からは
水が、それぞれ改質器93に供給される。なお、改質器
93に至る流路には図示しない蒸発器が設けられてお
り、上記メタノールおよび水は気化した状態で改質器9
3に供給される。
90の構成の概略を表わす模式図である。燃料電池シス
テム90はその主要な構成要素として、燃料電池装置2
0bの他に、メタノールタンク91、水タンク92、改
質器93、バーナ94、ブロワ95を備える。メタノー
ルタンク91からはメタノールが、水タンク92からは
水が、それぞれ改質器93に供給される。なお、改質器
93に至る流路には図示しない蒸発器が設けられてお
り、上記メタノールおよび水は気化した状態で改質器9
3に供給される。
【0066】改質器93は上述したようにメタノールと
水との供給を受け、メタノールの水蒸気改質を行なって
水素リッチな燃料ガスを生成する。以下に、改質器93
で行なわれるメタノールの改質反応について説明する。
水との供給を受け、メタノールの水蒸気改質を行なって
水素リッチな燃料ガスを生成する。以下に、改質器93
で行なわれるメタノールの改質反応について説明する。
【0067】
CH3OH → CO+2H2−90.0(kJ/mol) …(4)
CO+H2O → CO2+H2+40.5(kJ/mol) …(5)
CH3OH+H2O
→ CO2+3H2−49.5(kJ/mol) …(6)
【0068】メタノールの改質反応は、上記(4)式で
表わしたメタノールの分解反応と(5)式で表わした一
酸化炭素の酸化反応とに分けられ、全体としては(6)
式に表わす吸熱反応となる。従って、上記改質反応を進
行させるためには、改質器93に対して熱量を供給する
必要がある。本実施例の燃料電池システム90における
改質器93には既述したバーナ94が併設されており、
バーナ94の燃焼エネルギによって前記改質反応で要す
る熱量を供給する構成となっている。
表わしたメタノールの分解反応と(5)式で表わした一
酸化炭素の酸化反応とに分けられ、全体としては(6)
式に表わす吸熱反応となる。従って、上記改質反応を進
行させるためには、改質器93に対して熱量を供給する
必要がある。本実施例の燃料電池システム90における
改質器93には既述したバーナ94が併設されており、
バーナ94の燃焼エネルギによって前記改質反応で要す
る熱量を供給する構成となっている。
【0069】改質器93で生成された燃料ガスは燃料電
池装置20bに導かれ、陰極側で進行する電気化学反応
に供される。燃料電池装置20bでの電気化学反応を経
て排出された燃料ガスの排ガスは、所定の流路に導かれ
てバーナ94に導かれる。この燃料排ガスには、燃料電
池装置20bでの電池反応で消費されずに残った水素が
含有されている。バーナ94では、この燃料排ガスに含
有される水素を燃料として燃焼を行ない、この燃焼ガス
によって改質器93を加熱している。
池装置20bに導かれ、陰極側で進行する電気化学反応
に供される。燃料電池装置20bでの電気化学反応を経
て排出された燃料ガスの排ガスは、所定の流路に導かれ
てバーナ94に導かれる。この燃料排ガスには、燃料電
池装置20bでの電池反応で消費されずに残った水素が
含有されている。バーナ94では、この燃料排ガスに含
有される水素を燃料として燃焼を行ない、この燃焼ガス
によって改質器93を加熱している。
【0070】上記バーナ94での燃焼によって生じる燃
焼ガスは、改質器93を加熱することで熱交換を受けて
ガスの温度が低下するが、改質器93を加熱した後の燃
焼排ガスは100から200℃程度の温度を有してい
る。本実施例の燃料電池システム90では、改質器93
を加熱した後の燃焼排ガスを、燃料電池装置20bが備
えるジャケット部52bに導入して燃料電池装置20b
の加熱を行なっている。
焼ガスは、改質器93を加熱することで熱交換を受けて
ガスの温度が低下するが、改質器93を加熱した後の燃
焼排ガスは100から200℃程度の温度を有してい
る。本実施例の燃料電池システム90では、改質器93
を加熱した後の燃焼排ガスを、燃料電池装置20bが備
えるジャケット部52bに導入して燃料電池装置20b
の加熱を行なっている。
【0071】燃料電池装置20bは、第1および第2実
施例の燃料電池装置20と同様に、単セル22を積層し
たスタック構造24をスタック収納部材50bによって
収納してなる。燃料電池装置20bは、図1に示した燃
料電池装置20と同様にその外周部にジャケット部52
bを形成しているが、燃料電池装置20とは異なり、ジ
ャケット部52bには燃料電池装置20bの外部から流
体を導入可能となっている。すなわち、燃料電池装置2
0bでは、燃料電池装置20b内部を循環した後の冷却
水や燃料排ガスなどを用いる代わりに、上記改質器93
を加熱した燃焼排ガスをジャケット部52bに導入して
燃料電池装置20bの加熱を行なっている。
施例の燃料電池装置20と同様に、単セル22を積層し
たスタック構造24をスタック収納部材50bによって
収納してなる。燃料電池装置20bは、図1に示した燃
料電池装置20と同様にその外周部にジャケット部52
bを形成しているが、燃料電池装置20とは異なり、ジ
ャケット部52bには燃料電池装置20bの外部から流
体を導入可能となっている。すなわち、燃料電池装置2
0bでは、燃料電池装置20b内部を循環した後の冷却
水や燃料排ガスなどを用いる代わりに、上記改質器93
を加熱した燃焼排ガスをジャケット部52bに導入して
燃料電池装置20bの加熱を行なっている。
【0072】なお、燃料電池システム90に備えられた
ブロワ95は、外部から空気を取り込んでこれを圧縮
し、燃料電池装置20bの陽極側に供給している。この
ように陽極側に供給する酸化ガスを加圧することによっ
て、本実施例の燃料電池システム90では電池反応の効
率の向上を図っている。
ブロワ95は、外部から空気を取り込んでこれを圧縮
し、燃料電池装置20bの陽極側に供給している。この
ように陽極側に供給する酸化ガスを加圧することによっ
て、本実施例の燃料電池システム90では電池反応の効
率の向上を図っている。
【0073】以上のように構成した燃料電池システム9
0によれば、第1および第2実施例と同様に、燃料電池
装置20bの運転時にはスタック構造24と共にスタッ
ク収納部材50bも同時に熱膨張するため、燃料電池装
置20bの内部に非所望の圧力が発生することがない。
また、スタック収納部材50bを加熱するためにバーナ
94の燃焼排ガスを利用しているため、加熱のためのエ
ネルギを別途用意する必要が無く、システム全体のエネ
ルギ効率が低下しない。
0によれば、第1および第2実施例と同様に、燃料電池
装置20bの運転時にはスタック構造24と共にスタッ
ク収納部材50bも同時に熱膨張するため、燃料電池装
置20bの内部に非所望の圧力が発生することがない。
また、スタック収納部材50bを加熱するためにバーナ
94の燃焼排ガスを利用しているため、加熱のためのエ
ネルギを別途用意する必要が無く、システム全体のエネ
ルギ効率が低下しない。
【0074】さらに、バーナ94からの燃焼排ガスの温
度は燃料電池装置20bの運転温度である80から10
0℃よりも高い100から200℃となっているため、
本実施例の燃料電池システム90では、バーナ94から
の燃焼排ガスを燃料電池装置20b暖機のために用いる
ことが可能となるという効果を奏する。すなわち、バー
ナ94からの燃焼排ガスは、燃料電池システム90の起
動時にバーナ94が燃焼を始めた直後から発生するた
め、起動直後でまだ充分に昇温していない燃料電池装置
20bを効果的に昇温させることができる。従って、本
実施例の燃料電池システム90の構成を利用すれば、そ
の始動時において、従来の燃料電池システムよりも速や
かに燃料電池装置20bを所定の運転温度にまで昇温さ
せることが可能となる。
度は燃料電池装置20bの運転温度である80から10
0℃よりも高い100から200℃となっているため、
本実施例の燃料電池システム90では、バーナ94から
の燃焼排ガスを燃料電池装置20b暖機のために用いる
ことが可能となるという効果を奏する。すなわち、バー
ナ94からの燃焼排ガスは、燃料電池システム90の起
動時にバーナ94が燃焼を始めた直後から発生するた
め、起動直後でまだ充分に昇温していない燃料電池装置
20bを効果的に昇温させることができる。従って、本
実施例の燃料電池システム90の構成を利用すれば、そ
の始動時において、従来の燃料電池システムよりも速や
かに燃料電池装置20bを所定の運転温度にまで昇温さ
せることが可能となる。
【0075】次に、第3実施例と同じく燃料電池装置2
0外部に設けられた所定の高温部から流体を導入する構
成として、第3実施例におけるバーナ94の燃焼排ガス
に替えて改質器93で改質された燃料ガスを用いてスタ
ック収納部材50cを加熱する構成について、第4実施
例として以下に説明する。図11は、第4実施例の燃料
電池システム100の構成の概略を表わすブロック図で
ある。図中、第3実施例の燃料電池システム90と共通
する部位については同じ記号を付し、説明は省略した。
0外部に設けられた所定の高温部から流体を導入する構
成として、第3実施例におけるバーナ94の燃焼排ガス
に替えて改質器93で改質された燃料ガスを用いてスタ
ック収納部材50cを加熱する構成について、第4実施
例として以下に説明する。図11は、第4実施例の燃料
電池システム100の構成の概略を表わすブロック図で
ある。図中、第3実施例の燃料電池システム90と共通
する部位については同じ記号を付し、説明は省略した。
【0076】この燃料電池システム100においては、
改質器93で生成した燃料ガスは、燃料電池装置20c
の陰極側に供給されるのに先だって、燃料電池装置20
cの外周部に設けられたジャケット部52cに導入され
る。このジャケット部52cは、第3実施例の燃料電池
装置20bに設けられたジャケット部52bと同様の構
成を有している。ジャケット部52c内に設けられた流
路を経由した燃料ガスは、ジャケット部52cから排出
された後に燃料電池装置20c内部に導入されて陰極部
における電気化学反応に供される。電気化学反応に供さ
れた後の燃料排ガスは、第3実施例と同様にバーナ94
での燃焼に用いられる。
改質器93で生成した燃料ガスは、燃料電池装置20c
の陰極側に供給されるのに先だって、燃料電池装置20
cの外周部に設けられたジャケット部52cに導入され
る。このジャケット部52cは、第3実施例の燃料電池
装置20bに設けられたジャケット部52bと同様の構
成を有している。ジャケット部52c内に設けられた流
路を経由した燃料ガスは、ジャケット部52cから排出
された後に燃料電池装置20c内部に導入されて陰極部
における電気化学反応に供される。電気化学反応に供さ
れた後の燃料排ガスは、第3実施例と同様にバーナ94
での燃焼に用いられる。
【0077】以上のような構成を備えた第4実施例の燃
料電池システム100によれば、第3実施例の燃料電池
システム90と同様に、システム全体のエネルギ効率を
低下させること無く、燃料電池装置20c内部に非所望
の圧力が発生するのを抑えることができる。さらに、第
4実施例の燃料電池システム100では、改質した燃料
ガスを用いて燃料電池装置20cを加熱することによっ
て、燃料電池装置20c内部に供給する燃料ガスの温度
を所望の温度に低下させることができるという効果を奏
する。
料電池システム100によれば、第3実施例の燃料電池
システム90と同様に、システム全体のエネルギ効率を
低下させること無く、燃料電池装置20c内部に非所望
の圧力が発生するのを抑えることができる。さらに、第
4実施例の燃料電池システム100では、改質した燃料
ガスを用いて燃料電池装置20cを加熱することによっ
て、燃料電池装置20c内部に供給する燃料ガスの温度
を所望の温度に低下させることができるという効果を奏
する。
【0078】改質器93で改質された燃料ガスは、改質
器93から排出される時点では通常150℃程度に昇温
している。このような燃料ガスを、運転温度が80から
100℃程度である燃料電池装置20cにそのまま供給
すると、燃料電池装置20c内部の温度が部分的に上昇
し過ぎるという不具合を生じる。第4実施例の燃料電池
システム100では、改質された燃料ガスをまずジャケ
ット部52cに導入することによってこのジャケット部
で燃料ガスは熱交換し、80℃程度に降温する。従っ
て、燃料電池装置20cの運転温度に近い状態の燃料ガ
スを燃料電池装置20cに対して供給することが可能と
なり、燃料電池装置20c内部の温度を部分的に上昇さ
せすぎるということがない。また、改質器93で生成し
た燃料ガスを、燃料電池装置20cに導入する前に適当
な温度にまで降温させるための構成を別途設けておく必
要がない。
器93から排出される時点では通常150℃程度に昇温
している。このような燃料ガスを、運転温度が80から
100℃程度である燃料電池装置20cにそのまま供給
すると、燃料電池装置20c内部の温度が部分的に上昇
し過ぎるという不具合を生じる。第4実施例の燃料電池
システム100では、改質された燃料ガスをまずジャケ
ット部52cに導入することによってこのジャケット部
で燃料ガスは熱交換し、80℃程度に降温する。従っ
て、燃料電池装置20cの運転温度に近い状態の燃料ガ
スを燃料電池装置20cに対して供給することが可能と
なり、燃料電池装置20c内部の温度を部分的に上昇さ
せすぎるということがない。また、改質器93で生成し
た燃料ガスを、燃料電池装置20cに導入する前に適当
な温度にまで降温させるための構成を別途設けておく必
要がない。
【0079】上記した第3および第4実施例の他に、燃
料電池装置20外部の所定の高温部から排出される流体
を用いてスタック収納部材を加熱する構成としては、燃
料電池装置20に供給する冷却水を用いる方法を挙げる
ことができる。第1実施例では燃料電池装置20内部を
循環した後の冷却水を用いてスタック収納部材50を昇
温する構成としたが、ここでは燃料電池装置20内部を
循環させる前の冷却水を用いる構成とする。燃料電池シ
ステムにおいて冷却水は、燃料電池装置20内部を循環
したのち所定の熱交換器において熱交換を行なって放熱
し、その後再び燃料電池装置に導入される。このよう
に、一旦放熱した後再び燃料電池装置20内に導入され
る時点で、冷却水の温度は約60〜70℃程度となって
いる。従って、この燃料電池装置20に導入前の冷却水
の温度で充分に熱膨張する材質によってスタック収納部
材50を形成するならば、ジャケット部52に導入する
流体として燃料電池装置20に導入する前の冷却水を用
いることができる。
料電池装置20外部の所定の高温部から排出される流体
を用いてスタック収納部材を加熱する構成としては、燃
料電池装置20に供給する冷却水を用いる方法を挙げる
ことができる。第1実施例では燃料電池装置20内部を
循環した後の冷却水を用いてスタック収納部材50を昇
温する構成としたが、ここでは燃料電池装置20内部を
循環させる前の冷却水を用いる構成とする。燃料電池シ
ステムにおいて冷却水は、燃料電池装置20内部を循環
したのち所定の熱交換器において熱交換を行なって放熱
し、その後再び燃料電池装置に導入される。このよう
に、一旦放熱した後再び燃料電池装置20内に導入され
る時点で、冷却水の温度は約60〜70℃程度となって
いる。従って、この燃料電池装置20に導入前の冷却水
の温度で充分に熱膨張する材質によってスタック収納部
材50を形成するならば、ジャケット部52に導入する
流体として燃料電池装置20に導入する前の冷却水を用
いることができる。
【0080】このように、改質器93など燃料電池シス
テムが備える所定の高温部から排出される流体を用いて
スタック収納部材50の加熱を行なう構成とするなら
ば、スタック収納部材50の加熱のために別途熱源を設
ける必要がない。従って、システム全体のエネルギ効率
を低下させること無く、燃料電池装置20内に非所望の
圧力が発生することを防止できる。ここで、スタック収
納部材50の加熱に用いる流体は、上記燃焼ガスや燃料
ガス、あるいは冷却水など以外であっても、スタック収
納部材50を熱膨張させることができる温度を備えた流
体であれば良い。
テムが備える所定の高温部から排出される流体を用いて
スタック収納部材50の加熱を行なう構成とするなら
ば、スタック収納部材50の加熱のために別途熱源を設
ける必要がない。従って、システム全体のエネルギ効率
を低下させること無く、燃料電池装置20内に非所望の
圧力が発生することを防止できる。ここで、スタック収
納部材50の加熱に用いる流体は、上記燃焼ガスや燃料
ガス、あるいは冷却水など以外であっても、スタック収
納部材50を熱膨張させることができる温度を備えた流
体であれば良い。
【0081】上記した各実施例において、スタック構造
24を収納するスタック収納部材50の材質は、燃料電
池装置を加熱するために用いる流体の温度に基づいて、
所定の熱膨張係数を有するものの中から選択すれば良
い。燃料電池装置20を加熱するために、燃料電池装置
20内部を循環した後の冷却水のように燃料電池の運転
温度と略等しい温度の流体を用いる場合には、スタック
構造24全体の熱膨張係数と略等しい熱膨張係数を備え
た材質でスタック収納部材50を構成することによっ
て、燃料電池装置20内に発生する非所望の圧力を効果
的に抑えることができる。また、既述した改質器93の
燃焼排ガスのように燃料電池の運転温度よりも高い温度
の流体を用いる場合には、スタック構造24全体の熱膨
張係数よりも小さな膨張係数を備えた材質によってスタ
ック収納部材50を形成することで、燃料電池装置20
内に発生する非所望の圧力を充分に抑えることができ
る。あるいは、燃料電池装置20に導入する前の冷却水
のように燃料電池の運転温度よりも低い温度の流体を用
いる場合には、スタック構造24全体の熱膨張係数より
も大きな熱膨張係数を備えた材質によってスタック収納
部材を形成することで、燃料電池内に発生する非所望の
圧力を効果的に抑えることが可能となる。
24を収納するスタック収納部材50の材質は、燃料電
池装置を加熱するために用いる流体の温度に基づいて、
所定の熱膨張係数を有するものの中から選択すれば良
い。燃料電池装置20を加熱するために、燃料電池装置
20内部を循環した後の冷却水のように燃料電池の運転
温度と略等しい温度の流体を用いる場合には、スタック
構造24全体の熱膨張係数と略等しい熱膨張係数を備え
た材質でスタック収納部材50を構成することによっ
て、燃料電池装置20内に発生する非所望の圧力を効果
的に抑えることができる。また、既述した改質器93の
燃焼排ガスのように燃料電池の運転温度よりも高い温度
の流体を用いる場合には、スタック構造24全体の熱膨
張係数よりも小さな膨張係数を備えた材質によってスタ
ック収納部材50を形成することで、燃料電池装置20
内に発生する非所望の圧力を充分に抑えることができ
る。あるいは、燃料電池装置20に導入する前の冷却水
のように燃料電池の運転温度よりも低い温度の流体を用
いる場合には、スタック構造24全体の熱膨張係数より
も大きな熱膨張係数を備えた材質によってスタック収納
部材を形成することで、燃料電池内に発生する非所望の
圧力を効果的に抑えることが可能となる。
【0082】既述した第1ないし第4実施例では、スタ
ック構造24に対して所定の圧力をかけながらこの構造
を保持するために、スタック収納部材50の両端部にお
いて折り曲げ係合部54を設け、この折り曲げ係合部5
4によってスタック構造24を押圧する構成としたが、
スタック構造24をボルトとナットを用いて締め付ける
ことによって押圧することとしても良い。このような構
成としても、燃料電池装置20の運転時に生じる非所望
の圧力はスタック収納部材の熱膨張によって緩和される
ため、上記非所望の圧力を吸収させる目的でスプリング
などを設けて燃料電池装置20を積層方向に大型化する
必要がない。
ック構造24に対して所定の圧力をかけながらこの構造
を保持するために、スタック収納部材50の両端部にお
いて折り曲げ係合部54を設け、この折り曲げ係合部5
4によってスタック構造24を押圧する構成としたが、
スタック構造24をボルトとナットを用いて締め付ける
ことによって押圧することとしても良い。このような構
成としても、燃料電池装置20の運転時に生じる非所望
の圧力はスタック収納部材の熱膨張によって緩和される
ため、上記非所望の圧力を吸収させる目的でスプリング
などを設けて燃料電池装置20を積層方向に大型化する
必要がない。
【0083】また、スタック構造24を押圧するために
上記したようにボルトとナットを設けた場合に、スタッ
ク収納部材50を加熱して熱膨張させたときにその熱膨
張量が不十分であって、スタック収納部材への流体の導
入を行なっても燃料電池装置20内に発生する非所望の
圧力を充分には防止できない場合には、このスタック構
造24を押圧しているボルトとナットの間にスプリング
を設ける構成としても良い。このような構成とすれば、
スタック収納部材を熱膨張させるだけでは発生を防げな
かった非所望の内圧を上記スプリングが吸収して、上記
非所望の内圧に起因して生じ得る不具合を防止すること
ができる。このように燃料電池装置20にスプリングを
設ける場合であっても、スタック収納部材50を加熱す
る構成を備えることによってスプリングが吸収すべき圧
力が軽減されるため、昇温構造を備えない場合に比べて
小さなスプリングを備えるだけで済み、燃料電池装置を
大型化し過ぎてしまうことがない。
上記したようにボルトとナットを設けた場合に、スタッ
ク収納部材50を加熱して熱膨張させたときにその熱膨
張量が不十分であって、スタック収納部材への流体の導
入を行なっても燃料電池装置20内に発生する非所望の
圧力を充分には防止できない場合には、このスタック構
造24を押圧しているボルトとナットの間にスプリング
を設ける構成としても良い。このような構成とすれば、
スタック収納部材を熱膨張させるだけでは発生を防げな
かった非所望の内圧を上記スプリングが吸収して、上記
非所望の内圧に起因して生じ得る不具合を防止すること
ができる。このように燃料電池装置20にスプリングを
設ける場合であっても、スタック収納部材50を加熱す
る構成を備えることによってスプリングが吸収すべき圧
力が軽減されるため、昇温構造を備えない場合に比べて
小さなスプリングを備えるだけで済み、燃料電池装置を
大型化し過ぎてしまうことがない。
【0084】また、上記各実施例では、スタック収納部
材50に流体を導入してこのスタック収納部材50を昇
温させる構成としたが、スタック収納部材50に所定の
発熱体を設けて加熱する構成としても良い。例えば、ス
タック収納部材50の外周部に、ジャケット部52を設
ける代わりにヒートパイプや電熱線などの発熱体を所定
の形状で配置する。このような発熱体を設置することに
よって、燃料電池装置の運転時にはスタック収納部材を
加熱してスタック収納部材を熱膨張させ、燃料電池装置
内部に非所望の圧力が発生するのを防ぐことができる。
材50に流体を導入してこのスタック収納部材50を昇
温させる構成としたが、スタック収納部材50に所定の
発熱体を設けて加熱する構成としても良い。例えば、ス
タック収納部材50の外周部に、ジャケット部52を設
ける代わりにヒートパイプや電熱線などの発熱体を所定
の形状で配置する。このような発熱体を設置することに
よって、燃料電池装置の運転時にはスタック収納部材を
加熱してスタック収納部材を熱膨張させ、燃料電池装置
内部に非所望の圧力が発生するのを防ぐことができる。
【0085】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる
様態で実施し得ることは勿論である。
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる
様態で実施し得ることは勿論である。
【図1】本発明の好適な一実施例である燃料電池装置2
0の外観を表わす斜視図である。
0の外観を表わす斜視図である。
【図2】燃料電池装置20内部に収納されるスタック構
造24の構成を表わす斜視図である。
造24の構成を表わす斜視図である。
【図3】単セル22の構成を表わす模式図である。
【図4】スタック構造24の構成を表わす分解斜視図で
ある。
ある。
【図5】集電板36、絶縁板38、エンドプレート39
の構成を表わす分解斜視図である。
の構成を表わす分解斜視図である。
【図6】集電板37、絶縁板38、エンドプレート40
の構成を表わす分解斜視図である。
の構成を表わす分解斜視図である。
【図7】ジャケット部52の内部に形成された流路の構
成を表わす断面模式図である。
成を表わす断面模式図である。
【図8】燃料電池装置20aの外観およびジャケット部
52a内部に形成された流路の形状を表わす斜視図であ
る。
52a内部に形成された流路の形状を表わす斜視図であ
る。
【図9】第1実施例の変形例において、ジャケット部5
2の内部に形成された流路の構成を表わす断面模式図で
ある。
2の内部に形成された流路の構成を表わす断面模式図で
ある。
【図10】燃料電池システム90における要部の構成を
表わすブロック図である。
表わすブロック図である。
【図11】燃料電池システム100における要部の構成
を表わすブロック図である。
を表わすブロック図である。
20,20a,20b,20c…燃料電池装置
22…単セル
24…スタック構造
30…燃料電池
31…電解質膜
32…アノード
33…カソード
34,35…セパレータ
34P…燃料ガス流路
35P…酸化ガス流路
36,37…集電板
36A,37A…出力端子
38…絶縁板
38A,39A,40A…穴部
39,40…エンドプレート
39B,39C…開口部
50,50b,50c…スタック収納部材
52,52a,52b,52c…ジャケット部
53…流路壁
54…折り曲げ係合部
55…中空部
55A…内流路
55B…外流路
60,61…端部セパレータ
62A,62B,62C,62E,72A,72B,7
2C,72D,72E,72F,82A,82B,82
C,82D,82E,82F…燃料孔 64,64C,64D,64E,74,74C,74
E,84,84C,84E,84F…冷却水孔 66,76,78,88…リブ 69P…冷却水路 70…中央セパレータ 80…冷却セパレータ 89…溝 90…燃料電池システム 91…メタノールタンク 92…水タンク 93…改質器 94…バーナ 95…ブロワ 100…燃料電池システム
2C,72D,72E,72F,82A,82B,82
C,82D,82E,82F…燃料孔 64,64C,64D,64E,74,74C,74
E,84,84C,84E,84F…冷却水孔 66,76,78,88…リブ 69P…冷却水路 70…中央セパレータ 80…冷却セパレータ 89…溝 90…燃料電池システム 91…メタノールタンク 92…水タンク 93…改質器 94…バーナ 95…ブロワ 100…燃料電池システム
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01M 8/04
H01M 8/10
H01M 8/24
Claims (13)
- 【請求項1】 単電池を複数積層してなるスタック構造
を備え、所定の運転温度において電気化学反応によって
起電力を得る燃料電池において、 前記スタック構造を内部に収納すると共に、内部に収納
した前記スタック構造に対して積層方向に押圧力を加え
るスタック収納部材と、 前記スタック収納部材の外部から該スタック収納部材を
加熱して、前記スタック構造全体の温度を均一化する加
熱手段とを設けた燃料電池。 - 【請求項2】 前記加熱手段による加熱が、前記燃料電
池の運転状況に応じた加熱である請求項1記載の燃料電
池。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の燃料電池であっ
て、 前記スタック収納部材の外周部に設けられ、所定の空間
を成して流体を導入可能に形成された流体導入部と、 所定の温度に昇温した流体を前記流体導入部に導入する
流体導入手段とを備える燃料電池。 - 【請求項4】 前記所定の温度に昇温した流体は、前記
燃料電池を備える燃料電池システムにおける所定の高温
部から排出される流体である請求項3記載の燃料電池。 - 【請求項5】 請求項3記載の燃料電池であって、 前記燃料電池は、該燃料電池の内部に所定の流体が流れ
る流路を備え、 前記所定の温度に昇温した流体は、前記流路を経由して
前記燃料電池の運転温度に対応する所定の温度に昇温
し、前記燃料電池から排出された流体である燃料電池。 - 【請求項6】 前記燃料電池から排出された流体は、前
記燃料電池の内部温度を所定範囲に保つために該燃料電
池内を循環させた冷却水である請求項5記載の燃料電
池。 - 【請求項7】 前記燃料電池から排出された流体は、前
記燃料電池における電気化学反応に供された後に排出さ
れる燃料ガスまたは酸化ガスの排ガスである請求項5記
載の燃料電池。 - 【請求項8】 単電池を複数積層してなるスタック構造
からなり所定の運転温度において電気化学反応によって
起電力を得る燃料電池を備えた燃料電池システムにおい
て、 前記燃料電池は、前記スタック構造を内部に収納すると
共に、内部に収納した前記スタック構造に対して積層方
向に押圧力を加えるスタック収納部材を備え、 前記スタック収納部材の外部から、前記スタック構造と
前記スタック収納部材との熱膨張係数に応じた温度で前
記スタック収納部材を加熱し、前記スタック構造全体の
温度を均一化する加熱手段を設けた燃料電池システム。 - 【請求項9】 前記加熱手段の熱源は、前記燃料電池シ
ステムにおいて前記燃料電池外に設けられた所定の高温
部である請求項8記載の燃料電池システム。 - 【請求項10】 請求項9記載の燃料電池システムであ
って、 前記所定の高温部は、所定の原燃料を改質して水素リッ
チな燃料ガスを生成する改質器であり、 前記スタック収納部材を加熱する加熱手段は、前記改質
器で行なわれる前記原燃料の改質反応に要する熱量を供
給するために前記改質器とともに設けた加熱装置から排
出される排ガスを用いた加熱手段である燃料電池システ
ム。 - 【請求項11】 請求項9記載の燃料電池システムであ
って、 前記所定の高温部は、所定の原燃料を改質して水素リッ
チな燃料ガスを生成する改質器であり、前記スタック収
納部材を加熱する加熱手段は、前記改質器で前記原燃料
を改質して生成された前記燃料ガスを用いた加熱手段で
ある燃料電池システム。 - 【請求項12】 単電池を複数積層してなるスタック構
造を備え、所定の運転温度において電気化学反応によっ
て起電力を得る燃料電池において、 前記スタック構造を内部に収納すると共に、内部に収納
した前記スタック構造に対して積層方向に押圧力を加え
るスタック収納部材と、 前記スタック収納部材の外部から、前記スタック構造と
前記スタック収納部材との熱膨張係数に応じた温度で前
記スタック収納部材を加熱して、前記スタック構造全体
の温度を均一化する加熱手段とを設けた燃料電池。 - 【請求項13】 単電池を複数積層してなるスタック構
造を備え、所定の運転温度において電気化学反応によっ
て起電力を得る燃料電池において、 前記スタック構造を内部に収納すると共に、内部に収納
した前記スタック構造に対して積層方向に押圧力を加え
るスタック収納部材を備え、 該スタック収納部材は、該スタック収納部材を加熱し
て、前記スタック構造全体の温度を均一化する加熱手段
を備える燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13107896A JP3493896B2 (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 燃料電池および燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13107896A JP3493896B2 (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 燃料電池および燃料電池システム |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003327042A Division JP2004006428A (ja) | 2003-09-19 | 2003-09-19 | 燃料電池および燃料電池システム |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09293526A JPH09293526A (ja) | 1997-11-11 |
JP3493896B2 true JP3493896B2 (ja) | 2004-02-03 |
Family
ID=15049480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13107896A Expired - Fee Related JP3493896B2 (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 燃料電池および燃料電池システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3493896B2 (ja) |
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JP2005190799A (ja) * | 2003-12-25 | 2005-07-14 | Toshiba Fuel Cell Power Systems Corp | 燃料電池発電システム |
JP4955913B2 (ja) * | 2004-06-11 | 2012-06-20 | 株式会社豊田中央研究所 | 燃料電池システム |
JP5082331B2 (ja) * | 2006-08-11 | 2012-11-28 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池スタック |
JP5266666B2 (ja) * | 2007-05-18 | 2013-08-21 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池積層体 |
JP5206206B2 (ja) * | 2008-08-01 | 2013-06-12 | トヨタ紡織株式会社 | 燃料電池システム |
JP5386183B2 (ja) * | 2009-01-27 | 2014-01-15 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池車両 |
JP5426485B2 (ja) * | 2010-06-09 | 2014-02-26 | 日本電信電話株式会社 | 燃料電池スタック |
JP6105417B2 (ja) * | 2013-07-17 | 2017-03-29 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池 |
JP6233781B2 (ja) * | 2014-01-23 | 2017-11-22 | 睦月電機株式会社 | 冷却装置 |
-
1996
- 1996-04-25 JP JP13107896A patent/JP3493896B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09293526A (ja) | 1997-11-11 |
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