JP6037165B2 - シリンダー錠 - Google Patents
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Description
図7は、従来例として示したこの種のシリンダー錠の分解斜視図である。
図示する如く、このシリンダー錠は、建物や車輌などのドアに取り付けるホルダー11、その内部に回転可能に設けられるシリンダー12、ホルダー11を覆うカバー13から構成されている。
ホルダー11は、亜鉛やアルミニウム等の金属材で略円筒状に形成され、その外周面には位置決め用の突条部11aと、逃し溝11bが形成されており、また、このホルダー11の正面側に突出した円筒部11cの内面には後述するタンブラーを係止する第1係止溝11dと、後述するサイドバーを係止する第2係止溝11eが設けられている。
なお、図8は、シリンダー12と、タンブラー14と、サイドバー15とを示した一部切り欠き分解斜視図である。
また、このシリンダー12には、図7に示すところのコンストラクションカム16が軸方向に沿ってスライド可能に配設されている。
なお、ホルダー11の後側内面には、上記のコンストラクションカム16を内装する拡孔溝が設けられている。
各タンブラー孔12bには、それぞれタンブラー14がスプリング17と共に配設されている。
なお、各タンブラー14はスプリング17によってタンブラー孔12bから押し出される方向のバネ勢力を受けている。
上記のサイドバー15は、スプリング18によってシリンダー12に没入する方向のバネ勢力を受けているが、各タンブラー14に設けられている切欠凹部14aが整列しない限り、その前方部15aがタンブラー14の側縁部に当接するため、その後方部15bが開口部12cから突出してホルダー11の第2係止溝11eに突入する。
シリンダー12をホルダー11に収納させた後にタンブラー14を第1係止溝11d内に突入させれば、各タンブラー14の切欠凹部14aが不整列となるから、サイドバー15の前方部15aがタンブラー14の側縁部に当接するようになり、その後方部15bが第2係止溝11eに突入する。
なお、コンストラクションカム16は、ユーザーキーで解錠可能とし、コンストラクションキーでは解錠不可に切り換えるための切り換えカム機構を構成している。
さらに、上記のように、シリンダー12を内装させたホルダー11にはカバー13が被せられ、また、シリンダー12の先端面に図1に示したところの蓄光部材21が配置されている。
したがって、各タンブラー14の切欠凹部12aが整列するため、図12に示すように、サイドバー15の前方部15aが切欠凹部12aに突入するように移動し、その後方部15bが第2係止溝11eから脱出する。
この状態で解錠動作となり、シリンダー12に差し込んだキー22を回転すれば、シリンダー12を回転することができる解錠状態となる。
例えば、ピッキングによる不正解錠は、細長形の器具をキー挿入孔12aから差し入れて各タンブラー14を第1係止溝11dから脱出させることが行われるが、第1係止溝11dから全てのタンブラー14を脱出させることが困難であるため、脱出しきれないタンブラーが幾つか残っている状態でシリンダー12を強引に回転させて解錠しようとする行為が行われることがある。
この理由は、シリンダー12の強引な回転につられてサイドバー15が傾くためである。
すなわち、上記した不正解錠時には、図13に示す如く、シリンダー12の回転にしたがってサイドバー15が開口部12c内で傾くために、第2係止溝11eに対する後方部15bの係止部分が少なくなって、不安定な係止状態となる。
そこで、本発明では上記した実情にかんがみ、不正解錠の防止機能を可能なるかぎり高めることを目的としたサイドバー付きのシリンダー錠を提供することを目的とする。
直方体形状のサイドバーの左右側面と、この左右側面に加えてリブの左右端面とが開口部の内壁面に対接するようになる。
このことから、サイドバーの後方部が第2係止溝に突入している施錠状態で、不正解錠行為が行われ、シリンダーに強い回転力が加わっても、サイドバー左右側面とリブの左右端面とが開口部の内壁面で対接しているため、サイドバーが傾くようなことがない。
この結果、サイドバーが不正解錠行為によって第2係止溝から脱離することがなく、不正解錠を未然に防止することができる。
図1は、本実施形態のシリンダー錠を示す分解斜視図で、この図から分かるように、本実施形態のシリンダー錠は、サイドバー30に特徴があり、サイドバー30と、このサイドバー30を収納する開口部32以外は図7及び図8に示す従来例のシリンダー錠と同じ構成となっている。
したがって、従来例と同じ構成及び部材については同じ参照符号を付してそれらの説明は省略する。
さらに、上記のリブ31は、シリンダー12に設けた複数のタンブラー孔間に位置するように設け、タンブラー14には対向しない位置となっている。
また、上記したサイドバー30は、中程上部の凹面に2つのばね受け突起30cを設け、また、その凹面の両側に位置する突形部が第1係止溝11eに突入する後方部30bとなっている。
すなわち、シリンダー12の開口部32は、サイドバー30の直方体形状に合わせてシリンダー12の軸心方向に細長く形成した切り込み孔で、シリンダー12の外周面からキー挿入孔12aに連通させてある。
具体的には、止め金具19とサイドバー30のバネ受け部30cとの間にスプリング18を係架させると共に、止め金具19の差込部19aを開口部32の差込み固定部32aに差し入れてサイドバー30を取り付ける構成としてある。(図5参照)
このサイドバー30は、タンブラー14を組付けた後にシリンダー12の開口部32内に配設され、その後にシリンダー12が従来例同様に、コンストラクションカム16などと共にホルダー11に内装される。
図5に示すように、タンブラー14が第1係止溝11dに突入し、サイドバー30の後方部30bが第2係止溝11eに突入して施錠状態となっている。
すなわち、この施錠状態では、サイドバー14の係止凹部14aが整合しないため、サイドバー30の前方部30aがタンブラー14の側縁部に当接して後退移動し、その後方部30bが第2係止溝11eに突入する。
したがって、施錠状態では、サイドバー30の左右側面30d、30eとリブ31の左右端面31a、31bとが開口部32の内壁面に対接(或いは、対向)している。(図3、図4参照)
これより、サイドバー30が前進移動し、その後方部30bが第2係止溝11eから脱出するから、キー22を回転させれば、シリンダー12が回転する解錠状態となる。
なお、サイドバー30が、前進移動する場合、リブ31は各々のタンブラー14の間に進出する。
このことから、不正キーを使ったり、ピッキングなどによって不正解錠行為
が行われ、シリンダー12に強い回転力が加わったとしても、サイドバー30が大きい接触面で開口部32の内壁面に対接しているから、サイドバー30が傾くようなことがない。
したがって、不正解錠行為によってサイドバー30が第2係止溝11eから脱離することがないから、不正解錠を未然に防ぐことができる。
また、上記の実施形態では、シリンダー12の両側からタンブラー14を差し入れる構造のシリンダー錠について説明したが、シリンダー12の一方側からタンブラーを差し入れる構成のシリンダー錠についても同様に実施することができる。
11d 第1係止溝
11e 第2係止溝
12 シリンダー
14 タンブラー
14a、係止凹部
18 スプリング
19 止め金具
19a 差込み部
22 キー
30 サイドバー
30a 前方部
30b 後方部
30c バネ受け突起
30d、30b 左右側面
31 リブ
31a、31b 左右端面
32 開口部
32a 差込み固定部
Claims (4)
- 内周面にタンブラーを突入させて係止する第1係止溝と、サイドバーを突入させて係止する第2係止溝とを有するホルダーと、
前記ホルダー内に設け、キーの挿入によって回転可能に設けたシリンダーとを備え、
前記シリンダーには、キーの挿入によって整列する切欠凹部を形成した複数のタンブラーを設けると共に、当該シリンダーに形成した長方形の開口部に収容し、前記タンブラーに向かって付勢した細長い略直方体形状のサイドバーを設け、
キーの非挿入時には、前記タンブラーが第1係止溝に突入し、前記サイドバーの尖端形状の前方部が前記タンブラーの側縁部に当接し、その後方部が前記第2係止溝に突入して施錠動作となり、
キーの挿入によって、前記した複数のタンブラーが前記第1係止溝から脱出すると共に、それらの切欠凹部が整列し、前記サイドバーの前方部が前記切欠凹部に突入すると共に、その後方部が前記第2係止溝から脱出して解錠可能となるシリンダー錠において、
前記サイドバーには、尖端形状の前方部領域に、その直方体の短辺方向幅で、かつ、その前方部の先端まで延設した板状のリブを設け、かつ、前記リブは、前記タンブラーに対向しない位置に設けたことを特徴とするシリンダー錠。 - 請求項1に記載したシリンダー錠において、
前記タンブラーの切欠凹部は略V字状に形成し、前記サイドバーの前方部は尖端形の三角断面形状とし、さらに、前記リブはサイドバーの前方部領域に設けたことを特徴するシリンダー錠。 - 請求項1に記載したシリンダー錠において、
前記サイドバーのリブは、前記シリンダーに設けられる複数のタンブラーの挿入孔間に対応する位置に設けたことを特徴とするシリンダー錠。 - 請求項3に記載したシリンダー錠において、
前記サイドバーには、前記シリンダーに設けられる複数のタンブラーの各々挿入孔間に位置させて複数個のリブを設けたことを特徴とするシリンダー錠。
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