JP4335885B2 - ディスクシリンダー錠ユニット - Google Patents
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Description
なお、ピンシリンダー錠の例としては、特許文献1に記載されたものがある。
本発明のディスクシリンダー錠ユニットは、屋外と屋内の両方にて使用可能なディスクシリンダー錠10と、前記ディスクシリンダー錠10を開閉操作するための鍵30とを備え、前記ディスクシリンダー錠10は、内面の軸方向に溝11fが形成され、前端と後端に開口11b,11eを有するハウジング11と、ほぼ中央に鍵挿入孔19aが形成されて前記ハウジング11の前端開口11bを塞ぐフロントプレート19と、ほぼ中央に貫通孔12dを有するほぼ筒状にかつ軸方向に切欠き部12c及びスリット12bを形成されて、回転軸線を中心に相対的に回動するように前記ハウジング11内に収容されたローター12と、ほぼ中央に鍵挿入孔13a,14a,15aが形成され、外周のそれぞれ所定位置に切欠部13b,14b,15b及び凸部13c,14c,15cが形成され、回転軸線を中心にそれぞれ相対的に回動するように前記ローター12内に収容された複数のディスクタンブラ13,14,15と、前記鍵30により操作したとき以外に前記複数のディスクタンブラ13,14,15が回動するのを防止するため、円弧状に形成されて、前記複数のディスクタンブラ13,14,15に押圧力を作用させるように前記ローター12内に収容された板バネ16と、前記ハウジング11の溝11fと前記ローター12のスリット12bが対向位置に在るときに当該溝11fと当該スリット12bにより規定される空隙部に収容されることにより、前記ローター12が前記ハウジング11内で相対的に回動することを妨げるサイドバー17と、鍵孔軸線を迂回するように形成され、前記ローター12が前記ハウジング11内で相対的に回動し、前記ローター12の所定箇所が当接することにより前記ハウジング11の外方又は内方に押圧されて前記ハウジング11内から出入するように設けられたロックプレート18と、ほぼ中央に貫通孔20aが形成されて前記ハウジング11の後端開口11cを塞ぐリアプレート20とを有し、前記フロントプレート19の鍵挿入孔19aから前記リアプレート20の貫通孔20aまでが、ほぼ直線状の孔で連通するように形成され、当該連通孔が所定粒径以下の小石、砂及び泥を通過させ得るように形成されたものである。
ハウジング11は、図5に示したように、筒状部11aの前端及び後端に開口11b,11cを有し、前端内周側には環状部11dが設けられ、後端には一対の切欠部11eが対向配置で形成されている。また筒状部11aの内面の軸方向には、図6(a)に示したような溝11fが形成されている。なお、図6(a)は各部材の角度関係を示すため、ハウジング11とローター12とが異なる位置で切断された断面図である。
フロントプレート19は、鍵30を挿入するための孔19aがほぼ中央に穿設された円形の板材であり、ハウジング11内に収容されて環状部11dに当接するように配置され、鍵30と共に回動するものである。
以上のローター12は、ハウジング11に対して相対的に回動可能なようにハウジング11内に挿着されるものであるが、ローター12のスリット12bとハウジング11の溝11fとが対向配置に在り、スリット12bと溝11fとにより規定される空隙部にサイドバー17が収容されているときには、ローター12がハウジング11内で相対的に回動することが妨げられる。ローター12が、ハウジング11内で相対的に回動するときには、サイドバー17はハウジング11の溝11fから外れているが、これについては後述する。
なお、本実施形態においては、三種類のディスクタンブラ13,14,15を例示したが、このディスクタンブラは三種類に限定されるものではなく、何種類のディスクタンブラを使用するかは、適宜、定めることが可能なものである。また多種類のディスクタンブラを並べる順序も、適宜、定め得るものである。
すなわち、フロントプレート19の鍵挿入孔19a、リテーナー21の孔21d、ディスクタンブラ13,14,15の鍵孔13a,14a,15a、ローター12の底板12eの貫通孔12d、リアプレート20の貫通孔20a等のように、これらの部品には全てほぼ中央に孔が設けられ、また板バネ16は孔に相当する円弧中央部を有し、さらに、ロックプレート18には鍵孔軸線を迂回するように曲げられた中間部18eが設けられている。これら孔や円弧中央部が鍵孔の軸線上に並ぶように配置され、ロックプレート18の中間部18eは軸線を迂回するものであるため、ディスクシリンダー錠10には、ほぼ直線状の連通孔が全長にわたり形成される。この連通孔は、図4(c)に示した幅W部分が最小幅となるものであり、ディスクシリンダー錠10をマンホール蓋に適用する場合、幅Wが少なくとも4mm以上になるように形成することが好ましい。これにより、幅W以下の粒径の小石、砂及び泥は鍵孔に詰まる事無く、連通孔を通過するので、ディスクシリンダー錠10の作動不良や機能障害は防止される。また、たとえ鍵孔に小石及び砂等の異物が詰まった場合にも、最小幅Wが4mm以上であれば、ピンセットやマイナスドライバー等の小工具を挿入して異物を取り出したり、掻き出したりすることが可能である。
鍵孔挿入部31は鍵孔内に挿入される部位であって、溝が設けられていない無溝部31aと、溝31b,31cとを有する。鍵30を鍵孔内に挿入したとき、無溝部31aはディスクタンブラ13の鍵孔13aに係合し、溝31bはディスクタンブラ14の鍵孔14aに係合し、溝31cはディスクタンブラ15の鍵孔15aに係合する。この係合状態で鍵30を回転させると、無溝部31a及び溝31b,31cは、それぞれ異なる回転角度でディスクタンブラ13,14,15を回転させる。
なお、本実施形態において、鍵孔挿入部31は、無溝部31aも含めて三種類の溝31a,31b,31cが形成されたものを例示したが、この溝の形状は三種類に限定されるものではなく、これらの溝31a,31b,31cの配列も図3のものに限定されるものではなく、何種類の溝を設けるか、どのような順序で並べるかは、適宜、定め得るものである。つまり、上述のディスクタンブラの種類数と配列に応じて、適宜、定められるものである。
突出軸部32は、鍵30が鍵孔内に挿入されたときにも、常に鍵孔の外側に表出しているように鍵孔挿入部31に連設された部位であり、また操作把持部34は手指や工具により把持して操作するため突出軸部32に連設された部位である。
第一の境界部33及び第二の境界部35は、鍵孔挿入部31や突出軸部32よりも断面が小さくなるように形成された部位であり、さらに、第二の境界部35の断面は、第一の境界部33の断面よりも小さくなるように形成されている。これにより、操作把持部34から所定以上の回転力が作用したときには、第二の境界部35が第一の境界部33よりも先に破断し、この破断した突出軸部32を把持して回転操作すれば、破断した鍵を鍵孔から抜き取ることが可能になる。
図8は、ディスクシリンダー錠ユニットの内部構造を説明するために、A〜Eまで横方向に5行、第1〜第4まで縦方向に4列、断面図を並べたものである。
A行にはそれぞれ鍵30の無溝部31a、溝31b及び溝31cの断面図、B行には鍵孔に挿入した鍵30を回転する前の断面図、C行には鍵30を時計回り方向に90°回転させたときの断面図、D行には鍵30を時計回り方向に135°回転させたときの断面図、E行にはB行におけるディスクタンブラ13,14,15の断面図を示した。
また縦方向の第1列にはディスクタンブラ15に係わる各部品の断面図、第2列にはディスクタンブラ14に係わる各部品の断面図、第3列にはディスクタンブラ13に係わる各部品の断面図、第4列にはローター12の円弧状凸部12fに係わる各部品の断面図を示した。
ディスクシリンダー錠10は、施錠状態のときに、ディスクタンブラ13,14,15とローター12との相対的な角度関係、およびローター12の後端の円弧状凸部12fとロックプレート18との係合状態が、B行に示したようになっている。すなわち、このとき、サイドバー17はハウジング11の溝11fとローター12のスリット12bとにより規定される間隙に収容されているため、ローター12は、ハウジング11に対して相対的に回動することができない。またローター12の後端の円弧状凸部12fはロックプレート18の受部18cに当接し、ロックプレート18を矢印A方向に押し上げてハウジング11から突出させている。
この施錠状態のディスクシリンダー錠10に鍵30を挿入し、これを時計回り方向に90°回転させると、ディスクタンブラ13,14,15は、鍵30の無溝部31a、溝31b及び溝31cが当接して押されることにより、所定角度だけ時計回り方向に回転し、C行に示した角度になる。このとき、サイドバー17は、ローター12のスリット12bから押圧力を受け、ローター12のスリット12bと、ディスクタンブラ13,14,15の凹部13b,14b,15bと、リテーナー21の凹部21bとにより規定される間隙に移動する。
この移動により、サイドバー17はハウジング11の溝11fから外れるため、ローター12とハウジング11との相対的な回動が可能になる。したがって、鍵30を90°よりも更に時計回り方向に回転させると、ディスクタンブラ13の凸部13cがローター12の切欠き部12cを押しながら、ローター12を時計回り方向に、D行に示した位置まで回動させる。これにより、ローター12の後端の円弧状凸部12fはロックプレート18の受部18dに当接し、ロックプレート18を矢印B方向に押すので、先端18aはハウジング11の外周面の位置まで引き込められる。この状態がディスクシリンダー錠10の開錠状態である。
11 ハウジング
11b 前端開口
11c 後端開口
11f 溝
12 ローター
12b スリット
12c 切欠き部
13,14,15 ディスクタンブラ
13a,14a,15a 鍵挿入孔
13b,14b,15b 切欠部
13c,14c,15c 凸部
16 板バネ
17 サイドバー
18 ロックプレート
19 フロントプレート
19a 鍵挿入孔
20 リアプレート
20a 貫通孔
30 鍵
31 鍵孔挿入部
32 突出軸部
33 第一の境界部
34 操作把持部
35 第二の境界部
Claims (2)
- 屋外と屋内の両方にて使用可能なディスクシリンダー錠と、
前記ディスクシリンダー錠を開閉操作するための鍵と、
を備え、
前記ディスクシリンダー錠は、
内面の軸方向に溝が形成され、前端と後端に開口を有するハウジングと、
ほぼ中央に鍵挿入孔が形成されて前記ハウジングの前端開口を塞ぐフロントプレートと、
ほぼ中央に貫通孔を有するほぼ筒状にかつ軸方向に切欠き部及びスリットを形成されて、回転軸線を中心に相対的に回動するように前記ハウジング内に収容されたローターと、
ほぼ中央に鍵挿入孔が形成され、外周のそれぞれ所定位置に切欠部及び凸部が形成され、回転軸線を中心にそれぞれ相対的に回動するように前記ローター内に収容された複数のディスクタンブラと、
前記鍵により操作したとき以外に前記複数のディスクタンブラが回動するのを防止するため、円弧状に形成されて、前記複数のディスクタンブラに押圧力を作用させるように前記ローター内に収容された板バネと、
前記ハウジングの溝と前記ローターのスリットが対向位置に在るときに当該溝と当該スリットにより規定される空隙部に収容されることにより、前記ローターが前記ハウジング内で相対的に回動することを妨げるサイドバーと、
鍵孔軸線を迂回するように形成され、前記ローターが前記ハウジング内で相対的に回動し、前記ローターの所定箇所が当接することにより前記ハウジングの外方又は内方に押圧されて前記ハウジング内から出入するように設けられたロックプレートと、
ほぼ中央に貫通孔が形成されて前記ハウジングの後端開口を塞ぐリアプレートと、
を有し、
前記フロントプレートの鍵挿入孔から前記リアプレートの貫通孔までが、ほぼ直線状の孔で連通するように形成され、当該連通孔が所定粒径以下の小石、砂及び泥を通過させ得るように形成された、
ことを特徴とするディスクシリンダー錠ユニット。 - 前記鍵は、前記ディスクシリンダー錠の鍵孔内に挿入される鍵孔挿入部と、当該鍵孔挿入部に連設されて前記鍵孔から常に外側に配置される突出軸部と、手指や工具により把持して操作するため前記突出軸部に連設された操作把持部とを備え、前記操作把持部から所定以上の回転力が作用したときに、前記突出軸部と前記操作把持部との境界部が、前記鍵孔挿入部と前記突出軸部との境界部よりも先に破断するように形成された、ことを特徴とする請求項1に記載のディスクシリンダー錠ユニット。
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