JP2002285741A - シリンダ錠 - Google Patents

シリンダ錠

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JP2002285741A
JP2002285741A JP2001086847A JP2001086847A JP2002285741A JP 2002285741 A JP2002285741 A JP 2002285741A JP 2001086847 A JP2001086847 A JP 2001086847A JP 2001086847 A JP2001086847 A JP 2001086847A JP 2002285741 A JP2002285741 A JP 2002285741A
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key
notch
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holder
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JP2001086847A
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Isao Ochi
勲 越智
Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
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U Shin Ltd
Original Assignee
Yuhshin Co Ltd
Yuhshin Seiki Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ本体のキー挿入穴からサイドバーの
係合するタンブラーの切欠部を読みとることを不可能と
し、不正解錠を防止する。 【解決手段】 ドア40に装着したホルダー1と、該ホ
ルダー1内に回転可能に配設したシリンダ本体10とか
らなり、該シリンダ本体10に、キー45を挿入するキ
ー穴17を備え、側縁部に切欠部18を形成した複数の
タンブラー16と、キー45の挿入前の状態で、タンブ
ラー16の側縁部に当接することによりシリンダ本体1
0から突出してシリンダ本体10を回動不可能とする一
方、キー45の挿入により各タンブラー16の第1切欠
部18aと係合することによりシリンダ本体10内に没
入してシリンダ本体10を回転可能とするサイドバー2
4とを設けたシリンダ錠において、前記第1切欠部18
aの近傍に第2切欠部18bを設けた構成とする

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物や車両のドア
に使用されるシリンダ錠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のシリンダ錠は、ドア本体
に装着されるホルダーと、該ホルダー内に回転自在に設
けられるシリンダ本体とからなる。そして、このシリン
ダ本体には、キーの挿入方向と直交する1方向に付勢さ
れた複数のタンブラーと、該各タンブラーに向かって付
勢されるサイドバーとを配設し、ピッキングによる解錠
を困難にしたものが種々提供されている。
【0003】前記シリンダ錠のサイドバーは、キーが挿
入される前の状態で、タンブラーの側縁部に当接してシ
リンダ本体から突出し、ホルダーに形成した溝に係合す
ることにより、シリンダ本体を回動不可能に維持する。
一方、キーを挿入すると、キーに形成したキー山により
各タンブラーを移動させ、その縁に形成した切欠部を整
列し、その切欠部にサイドバーが没入することにより、
ホルダーに対してシリンダ本体を回動可能とするもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記サ
イドバー方式のシリンダ錠では、キー挿入穴より工具等
を挿入し、一枚ずつタンブラーとホルダーとの係合を解
除し、その状態を保持させるというピッキングにより、
解錠することは非常に困難であるが、シリンダ本体のキ
ー挿入穴からタンブラーを装着するタンブラー穴を通し
て薄板状の治具でサイドバーの没入するタンブラーの切
欠部の位置を読み取り、不正な複製キーを製造して解錠
されるという可能性がある。
【0005】そこで、本発明では、サイドバーの没入す
る切欠部の読みとりによる複製キーの製造を不可能と
し、切欠部の読みとりによる不正解錠を防止できるシリ
ンダ錠を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明のシリンダ錠は、ドア本体に装着され、内周
面に係合溝を備えたホルダーと、該ホルダー内に回転可
能に設けられるシリンダ本体からなり、該シリンダ本体
にキー挿入方向と直交する方向に付勢され、キーの挿入
により側縁部に形成された第1切欠部が整列する複数の
タンブラーと、該各タンブラーに向かって付勢され、キ
ーが挿入される前の状態で、タンブラーの側縁部に当接
してシリンダ本体から突出し、前記ホルダーの係合溝に
係合する一方、キーの挿入により整列した前記第1切欠
部に係合することにより前記シリンダ本体に没入するサ
イドバーとを設けたシリンダー錠において、前記第1切
欠部の近傍に第2切欠部を設けた構成としている。
【0007】また、前記第2切欠部は一つのタンブラー
に複数設けるとよく、さらに各タンブラーの前記第2切
欠部を第1切欠部に対して、それぞれ異なる位置に設け
るとよい。
【0008】さらに具体的には、前記第2切欠部を前記
第1切欠部に類似させた形状とし、穴部とする構成とす
ることが好ましい。
【0009】前記シリンダ錠では、シリンダ本体内にキ
ーを挿入すれば、各タンブラーがシリンダ本体内に移動
し、サイドバーがタンブラーの第1切欠部に係合してシ
リンダ本体内に没入する。これにより、キーを回転操作
すると、シリンダ本体をホルダー内で回転させることが
でき、解錠又は施錠操作が可能となる。また、キーの挿
入前の状態では、第1切欠部をサイドバーに係合させよ
うとしても、他のタンブラーの付勢力によりサイドバー
が戻され、該サイドバーをタンブラーの第1切欠部に係
合させることができないため、ピッキングにより不正に
解錠することはできない。しかも、前記タンブラーにお
いて、前記第1切欠部の近傍に第2切欠部を設けること
により、キー挿入穴から薄板状の治具を挿入して第1切
欠部の位置を読みとろうとしても第2切欠部との判別が
困難となり、読み取ることができず、不正に複製キーを
作成することはできない。
【0010】さらに、前記第2切欠部を一つのタンブラ
ーに複数設けるか、各タンブラーの第1切欠部に対し
て、それぞれ異なる位置に設けると共に、第2切欠部を
第1切欠部に類似させた形状とすれば、読みとりをより
困難にすることができる。また、前記第2切欠部を穴部
とすれば、加工を容易にすることができるので、生産数
の多いタンブラーの生産コストを低減することができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。図1および図2は、本発明の第1実
施形態に係る建物用に使用したシリンダ錠を示す。この
シリンダ錠は、大略、ホルダー1と、その内部に回転可
能に設けられるシリンダ本体10と、ホルダー1を覆う
カバー34とから構成されている。
【0012】前記ホルダー1は、亜鉛やアルミニウム等
の金属材料を略円筒状に成形することにより得られる。
ホルダー1の外周面には位置決め用の突条2と、逃がし
溝3がそれぞれ2つずつ90度間隔で交互に形成されて
いる。ホルダー1の前面側には、外方に突出するフラン
ジ状の鍔部4が形成され、その中央部には円筒状に突出
する筒状部5が設けられている。筒状部5の内面の対称
な位置には、軸方向に沿って一対の第1係合溝6(図1
中、一方は図示せず)が形成されている。この第1係合
溝6は、後述するタンブラー16の係合凸部21が係合
することにより、シリンダ本体10を回動不可能とする
ものである。また、ホルダー1の内面には、前記第1係
合溝6とは90度位相した位置に、シリンダ本体10か
ら突出したサイドバー24を収容する一対の第2係合溝
7が形成されている。ホルダー1の後端開口部には、図
2に示すように、後端から所定範囲に拡開部8が形成さ
れ、この拡開部8に連続して一対の係合凹部9が形成さ
れている。
【0013】前記シリンダ本体10は円柱状をなし、そ
の内部には、図3に示すように、複数のタンブラー16
およびサイドバー24がそれぞれ収容されている。ま
た、このシリンダ本体10の後端側外周部には、図1に
示すように、コンストラクションカム28が軸方向に沿
ってスライド可能に配設されている。
【0014】具体的には、前記シリンダ本体10の軸心
には、矩形状のキー挿入穴11が形成されている。シリ
ンダ本体10の外周面には、両側から軸方向に所定間隔
をもって前記キー挿入穴11に連通する複数のタンブラ
ー穴12がそれぞれ穿設され、このタンブラー穴12に
それぞれ後述するタンブラー16が配設されている。そ
して、前記タンブラー穴12には、図2に示すように、
1つ置きの一端部(下端部)にスプリング挿入孔12a
がそれぞれ形成されている。なお、図示していないが、
図2の紙面向こう側にも同じく1つ置きの下端部にスプ
リング挿入孔12aが形成されている。シリンダ本体1
0の前面側の外周面には、図3に示すように、略I字形
の開口部13が形成され、その両端部両側は平坦な取付
部13aとなっている。シリンダ本体10の背面側には
フランジ状に突出する鍔部10aが形成され、ホルダー
1における後端の拡開部8の内縁に嵌合するようになっ
ている。
【0015】前記タンブラー16は板状をなし、全長の
短いコンストラクションキーと全長の長いユーザーキー
のいずれにも応動する7枚の前面側のタンブラー16a
と、ユーザーキーのみに応動する3枚の後方側のタンブ
ラー16bとの10枚で構成されている。また、これら
タンブラー16には、中央部に矩形状のキー穴17が穿
設されている。各タンブラー16の一方の側縁部にはサ
イドバー24が没入するV字状の第1切欠部18aが形
成され、他方の側縁部にはスプリング19の一端部が圧
接するスプリング受部20が突設されている。さらに、
このスプリング受部20の側の端部には、前記第1係合
溝6内に突出して係合する係合凸部21が設けられてい
る。さらにまた、本実施形態におけるタンブラー16の
前記第1切欠部18aの形成されている近傍のタンブラ
ーの両表面上に、本実施例では第5図(A)において第
1切欠部18aの右側に、第2切欠部18bが、図9
(A)に示すように断面略V字形状の溝からなる第1凹
段部22と紙面向こう側に同じく第2凹段部23が設け
られている。尚、第2切欠部18bの側縁部は、切り欠
くことなくタンブラーの側縁部が延設されている。
【0016】本実施形態では、図4に示す前記シリンダ
本体10に形成した各タンブラー穴12において、スプ
リング挿入孔12aが形成されている側からスプリング
19とタンブラー16を挿入し、図5(A)、(B)に
示すように、これらタンブラー16が1つ置きに、2方
向に分けて外向きに付勢されるように構成している。ま
た、本実施形態では、シリンダ本体10から突出する前
面側の1枚のタンブラー16aを付勢するスプリング1
9の付勢力のみでサイドバー24がシリンダ本体10か
ら突出するようにしているが、数枚のタンブラー16a
を付勢するスプリングの付勢力を利用すれば、各スプリ
ングの付勢力を弱くすることができる。
【0017】前記サイドバー24は、図3および図5
(A)、(B)に示すように、下面が断面三角形状に突
出する略直方体形状で、上面両側にはスプリング受部2
5がそれぞれ形成されている。このサイドバー24は、
シリンダ本体10の取付部13aに加締めて固定される
止め金具26との間に配設した一対のスプリング27に
より、シリンダ本体10の開口部13に没入するように
付勢されるようになっている。そして、キー45(図8
(A)、(B)参照)の挿入によりタンブラー16が整
列されて第1切欠部18aが一列に並ぶと、サイドバー
24はこれら第1切欠部18aに係合してホルダー1内
に没入するようになっている。(図6(A)、(B)参
照)
【0018】前記コンストラクションカム28は、図1
に示すようにドーナツ状をなし、その一端側に鍔部28
aが形成されている。そして、この鍔部28aと、前記
シリンダ本体10の鍔部10aとの間にはスプリング2
9が配設され、コンストラクションカム28を前面側
(図2において右側)に付勢するようになっている。コ
ンストラクションカム28の外周縁部の対向位置には係
合突部30がそれぞれ形成され、内周面には、係合突部
30の近傍に背面側のタンブラー凹部31と前面側のタ
ンブラー凹部32がそれぞれ形成され、その間にコンス
トラクションカム28の前面側への移動を阻止するため
の係合壁33が設けられている。すなわち、図7(A)
に示すように係合壁33の前面側のタンブラー凹部32
に係合した後方側のタンブラー16bにより、コンスト
ラクションカム28は前面側への移動を阻止される。
【0019】前記カバー34は、図1及び図2に示すよ
うに、一端が略円錐台形状の円筒状をなし、ホルダー1
の外周側を覆った状態で、該ホルダー1がネジ止めによ
り固定されるものである。このカバー34の円錐面側中
央部には、キー45を挿入可能とするための挿入孔35
が形成され、その内周縁には前記ホルダー1の先端面と
の間に環状の蓄光部材36が配設される。この蓄光部材
36は、例えば、ポリカーボネイトに蓄光材料を練り込
み、夜間に発光するものが使用される。
【0020】次に、前記構成からなる建物用のシリンダ
錠の組み立てについて説明する。まず、シリンダ本体1
0のスプリング挿入孔12aからスプリング19を挿入
した後、各タンブラー穴12に対して1つ置きに2方向
からタンブラー16を挿入する。ここで、各タンブラー
16は図示しない冶具等を用いて押し込んだ状態に維持
する。
【0021】続いて、図3に示すように、シリンダ本体
10の取付部13aにスプリング27とともにサイドバ
ー24を配置し、その上方から止め金具26を加締めに
て固定して取り付ける。この状態で、サイドバー24は
前面側のタンブラー16aの側縁部に圧接される。
【0022】その後、シリンダ本体10の外周部に、ス
プリング29とともにコンストラクションカム28を装
着する。この際、コンストラクションカム28をスプリ
ング29の付勢力に抗してシリンダ本体10の鍔部10
aに当接するまで押し込む。そして、その位置にあるタ
ンブラー16の押し込み状態を解除する。これにより、
後方側のタンブラー16bがコンストラクションカム2
8のタンブラー凹部32に係合し、係合壁33によって
コンストラクションカム28の軸方向への移動が阻止さ
れる。
【0023】次いで、コンストラクションカム28とと
もにシリンダ本体10をホルダー1内に収容する。この
際、各タンブラー16の押し込みを解除し、それぞれホ
ルダー1内の各第1係合溝6に1つ置きに係合させる。
また、サイドバー24が前面側のタンブラー16aの側
縁部に押されてシリンダ本体10から突出し、ホルダー
1内の第2係合溝7に係合する。
【0024】その後、ホルダー1の先端面に蓄光部材3
6を配置し、この状態で、シリンダ本体10を装着した
ホルダー1をカバー34の内部に装着し、ネジ止めによ
り固定する。
【0025】このようにして組み立てられた建物用シリ
ンダ錠では、図7(A)に示すように、コンストラクシ
ョンカム28に後方側のタンブラー16bが係合し、コ
ンストラクションカム28はシリンダ本体10と共に回
転する。したがって、この段階では、コンストラクショ
ンカム28に係合する後方側のタンブラー16bを動作
させないコンストラクションキーを挿入して残る前面側
のタンブラー16aをシリンダ本体10内に没入動作さ
せることにより解錠操作することが可能である。
【0026】前記シリンダ錠を建物のドア40に取り付
ける場合、図2に示すように、そのドア40の前面パネ
ル41に形成した穴41aにホルダー1の後端部を挿入
し、突条2によって回転方向の位置決めを行う。そし
て、ドア40の背面パネル42の背面から棒材43を利
用して取付台44を介してネジ止めし、カバー34の後
端開口部を前面パネル41に圧接させることにより装着
が完了する。
【0027】このようにしてドア40に装着されたシリ
ンダ錠によれば、ドア40の前面からカバー34によっ
て覆われた部分が突出しているので、キー45の挿入を
容易に行うことができる。そして、全長の長いユーザー
キーを使用すれば、以下のように、このユーザーキーに
よってのみ解錠および施錠操作が可能となる。
【0028】即ち、全長の長いユーザーキーの挿入によ
り、図7(B)に示すように、ホルダー1の係合溝に係
合する前面側のタンブラー16aのみならず、コンスト
ラクションカム28に係合した後方側のタンブラー16
bも移動する。これにより、コンストラクションカム2
8はスプリング29の付勢力によって前面側へスライド
移動し、その係合突部30がホルダー1の係合凹部9に
係合して回転不可能となる。
【0029】したがって、この段階で、前記コンストラ
クションキーを挿入しても、ホルダー1と一体化したコ
ンストラクションカム28に係合する後方側のタンブラ
ー16bをシリンダ本体10内に没入させることができ
ず、解錠操作を行うことは不可能になる。
【0030】一方、全長の長いユーザーキーを使用すれ
ば、前記後方側のタンブラー16bを前面側のタンブラ
ー16aとともにシリンダ本体10内に没入させ、ユー
ザーキーを回転操作してホルダー1内でシリンダ本体1
0を回転させることにより、解錠又は施錠操作を行うこ
とが可能である。
【0031】具体的には、コンストラクションキーによ
る解錠を不可能とした状態で、かつ、ユーザーキーの挿
入前の状態では、図8(A)に示すように、各タンブラ
ー16に形成した第1切欠部18aは、キー45の挿入
方向において、左右にランダムに位置する。
【0032】そして、この状態では、第1切欠部18a
をサイドバー24に係合させようとしても、他のタンブ
ラー16aの付勢力によりサイドバー24が戻され、該
サイドバー24をタンブラー16aの第1切欠部18a
に係合させることができない。しかも、前記タンブラー
16aの第1切欠部18aの近傍に第2切欠部18bが
設けられているため、キー挿入穴11から薄板状の治具
を挿入して第1切欠部18aの位置を読み取ろうとして
も、どの切欠部が正規のものであるかを判別することが
できない。その結果、第1切欠部18aの位置の読み取
りができないため、各タンブラーに対応するキー山を形
成することはできない。したがって、不正に複製キーを
製造することを不可能とすることができる。
【0033】また、図9(D)に示すように前記第2切
欠部18bを一つのタンブラー16aに複数設けること
により、さらに切欠部の読みとりを困難とすることがで
きる。また、各タンブラー16aの第1切欠部18aに
対してそれぞれ異なる位置に第2切欠部18bを設けれ
ば、一つの第1切欠部18aと第2切欠部18bの設置
位置から他のタンブラーの第1切欠部18aと第2切欠
部18bの設置位置を予想して読み取ることを防止する
ことができる。
【0034】次に、解錠可能なユーザーキーを挿入する
と、タンブラー16のキー穴17の縁にキー45のキー
山が当接する。そうすると、各タンブラー16は、スプ
リング19の付勢力に抗してシリンダ本体10のタンブ
ラー穴12内でスライドし、その係合凸部21がホルダ
ー1の第1係合部6内からシリンダ本体10内に位置す
る。
【0035】これにより、図8(B)に示すように、キ
ー45の挿入前の状態でランダムに位置していた第1切
欠部18aが一列に整列する。その結果、サイドバー2
4は、スプリング27の付勢力により、ホルダー1の第
2係合溝7内からシリンダ本体10内に没入し、ユーザ
がキー45を回転操作することにより、それに応じてシ
リンダ本体10を回転させることができる。
【0036】なお、本発明のシリンダ錠は前記実施形態
の構成に限定されるものではない。例えば、前記実施形
態では、タンブラー16aに形成する第2切欠部18b
を、図9(A)に示すように、略V字形状の溝により形
成したが、略V字形状に限定されず、図9(B)に示す
ように、円形の穴部により構成してもよい。このように
円形の穴部とすれば、特殊な加工をする必要がなくな
り、製造コストを廉価とすることができる。また、タン
ブラー16aの両表面上に設けられている断面略V字形
状の溝からなる第1凹段部22と第2凹段部23を図9
(C)に示すように、打ち抜きの穴部としてもよい。
【0037】第2切欠部18bの形状及び設置位置の組
合せは図9(E)に示すように、上記の実施例に限定さ
れることなく、種々の形状及び設置位置の組合せを選択
することができる。
【0038】また、前記実施形態では、シリンダ錠を建
物のドア40に取り付けたが、車両のドア40に適用し
ても、前記と同様の作用、効果を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のシリンダ錠では、キーの挿入によりシリンダ本体内に
没入するタンブラーのほかに、各タンブラーの第1切欠
部が整列することによりシリンダ本体内に没入するサイ
ドバーを設けるようにしたので、盗難防止性に優れてい
る。しかも、前記タンブラーにおいて、サイドバーが没
入する第1切欠部に近傍に第2切欠部を設けているた
め、薄板状の治具を挿入して第1切欠部を読み取ろうと
しても第1切欠部の位置を判別できず、不正な複製キー
を製造することができない。
【0040】さらに、一つのタンブラーに第2切欠部を
複数設け、各タンブラーの第1切欠部に対してそれぞれ
異なる位置に第2切欠部を設ければ、さらに第1切欠部
の読みとりが不可能となり、盗難防止性の高いシリンダ
錠とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシリンダ錠を示す分解斜視図であ
る。
【図2】 組立状態のシリンダ錠の断面図である。
【図3】 第1実施形態のシリンダ本体に対するタンブ
ラーおよびサイドバーの分解斜視図である。
【図4】 第1実施形態のシリンダ本体に対するタンブ
ラーおよびスプリングの別の方向から見た分解斜視図で
ある。
【図5】 (A)、(B)はキーを挿入前のシリンダ錠
を異なる位置で切断した断面図である。
【図6】 (A)、(B)はキーを挿入した状態のシリ
ンダ錠を異なる位置で切断した断面図である。
【図7】 (A)はキーの挿入前の状態を示す断面図、
(B)はキーの挿入後の状態を示す断面図である。
【図8】 (A)は、キー挿入前の切欠部の状態を示す
断面図、(B)はキー挿入後の切欠部の状態を示す断面
図である。
【図9】 (A)は第1実施形態のタンブラーに形成す
る第1切欠部及び第2切欠部であり、(B)、(C)、
(D)は第1切欠部及び第2切欠部の変形例を示す概略
斜視図である。
【符号の説明】
1…ホルダー、10…シリンダ本体、11…キー挿入
穴、12…タンブラー穴、13…開口部、16…タンブ
ラー、17…キー穴、18a…第1切欠部、18b…第
2切欠部、19…スプリング、22…第1凹段部、23
…第2凹段部、24…サイドバー、28…コンストラク
ションカム、34…カバー、40…ドア、45…キー。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドア本体に装着され、内周面に係合溝を
    備えたホルダーと、該ホルダー内に回転可能に設けられ
    るシリンダ本体からなり、該シリンダ本体にキー挿入方
    向と直交する方向に付勢され、キーの挿入により側縁部
    に形成された第1切欠部が整列する複数のタンブラー
    と、該各タンブラーに向かって付勢され、キーが挿入さ
    れる前の状態で、タンブラーの側縁部に当接してシリン
    ダ本体から突出し、前記ホルダーの係合溝に係合する一
    方、キーの挿入により整列した前記第1切欠部に係合す
    ることにより前記シリンダ本体に没入するサイドバーと
    を設けたシリンダー錠において、前記第1切欠部の近傍
    に第2切欠部を設けたことを特徴としたシリンダ錠。
  2. 【請求項2】 前記第2切欠部を一つのタンブラーに複
    数設けたことを特徴とした請求項1に記載のシリンダ
    錠。
  3. 【請求項3】 各タンブラーの前記第2切欠部を第1切
    欠部に対して、それぞれ異なる位置に設けたことを特徴
    とした請求項1又は請求項2に記載のシリンダ錠。
  4. 【請求項4】 前記第2切欠部を前記第1切欠部に類似
    させた形状としたことを特徴とした請求項1乃至請求項
    3に記載のシリンダ錠。
  5. 【請求項5】 前記第2切欠部はタンブラー表面部に設
    けた穴部としたことを特徴とした請求項1乃至請求項4
    に記載のシリンダ錠。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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