JP3929718B2 - シリンダ錠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両や建物のドアに使用されるシリンダ錠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のシリンダ錠は、ドア本体に装着されるホルダーと、該ホルダー内に回転自在に設けられるシリンダ本体とからなる。そして、このシリンダ本体には、両側縁にキー溝を設けたキーの挿入方向と直交する1方向に付勢された複数のタンブラーと、該各タンブラーに向かって付勢されるサイドバーとを配設し、ピッキングによる解錠を困難にしたものが種々提供されている。
【0003】
前記シリンダ錠のサイドバーは、キーが挿入される前の状態で、タンブラーの側縁部に当接してシリンダ本体から突出し、ホルダーに形成した溝に係合することにより、シリンダ本体を回動不可能に維持する。一方、キーを挿入すると、キーに形成したキー山により各タンブラーを移動させ、その縁に形成した切欠部を整列し、その切欠部にサイドバーが没入することにより、ホルダーに対してシリンダ本体を回動可能とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記シリンダ錠では、各タンブラーにサイドバーを没入させる切欠部を設ける必要があるため、形状の異なるタンブラーの種類を形成するには限界がある。その結果、そのタンブラーの数により構成可能な鍵コードの種類が限定され、この鍵コードの種類を増やすには配設するタンブラーの数を増やすしかない。そうすると、シリンダ錠の形状が大きくなるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明では、タンブラーの数を増やすことなく、鍵コードの種類を増やすことを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明のシリンダ錠は、ドア本体に装着され、内周面に係合溝を備えたホルダーと、該ホルダー内に回転可能に設けたシリンダ本体とからなり、該シリンダ本体に、キー挿入方向と直交する方向に付勢され、キーが挿入される前の状態で、シリンダ本体から突出し、前記ホルダーの係合溝に係合する一方、キーが挿入された状態で、整列することにより前記シリンダ本体内に没入する複数のタンブラーを設けたシリンダ錠において、前記シリンダ本体に、前記各タンブラーを挿入する複数のタンブラー挿入孔と、これらタンブラー挿入孔の一端に位置する拡孔部と、これら拡孔部を直線状に結ぶようにシリンダ本体の一端から軸方向に沿って延びるスプリングリッド配設部と、を設けるとともに、前記各タンブラー側縁部に、各タンブラーを前記タンブラー挿入孔に対して挿入方向または反挿入方向に付勢するスプリングのスプリング受部を設け、前記スプリングを前記スプリングリッド配設部と前記スプリング受部との間、または、前記スプリング受部と前記拡孔部の底部との間に挿入するとともに、前記スプリングリッドをスプリングリッド配設部に配設して各拡孔部を塞ぐことにより、前記タンブラー挿入孔に対して前記タンブラーを挿入方向および反挿入方向のいずれかに選択的に付勢可能とした構成としている。
【0007】
前記シリンダ錠によれば、タンブラーを選択的に2方向に付勢でき、各付勢方向において異なる鍵コードを設定することができる。そのため、タンブラーの数を増やすことなく、多くの鍵コードの種類を設定することができる。また、拡孔部を直線状に結ぶようにシリンダ本体の一端から軸方向に沿って延びるスプリングリッド配設部を設け、このスプリングリッド配設部にスプリングリッドを挿入することにより、タンブラーを挿入方向または反挿入方向に付勢可能できるため、タンブラーおよびスプリングを簡単に収容することができる。
【0008】
前記シリンダ錠では、前記タンブラーの側緑部に、キーの挿入により整列する切欠部を設け、該切欠部が形成されていない側縁部に前記スプリング受部を設けるとともに、前記各タンブラーに向かって付勢され、キーが挿入される前の状態で、タンブラーの側縁部に当接してシリンダ本体から突出し、前記ホルダーの係合溝に係合する一方、キーの挿入により前記タンブラーの整列した切欠部に係合することにより前記シリンダ本体内に没入するサイドバーを設けたことが好ましい。
【0009】
さらに、前記各タンブラーをタンブラー挿入孔に対して同一方向から挿入することが好ましい。このようにすれば、タンブラーの組付作業性を向上できる。
【0010】
さらにまた、前記各タンブラーに、前記スプリングによる付勢方向を示すマーク部を設けることが好ましい。このようにすれば、タンブラーの挿入方向を容易に確認することができるため、誤装着を防止できる。特に、このマーク部をホルダーと係合する係合凸部に形成することにより、シリンダ本体にタンブラーを組み込んだ後でも、シリンダ本体から突出した係合凸部を確認すれば、組付状態を確認できるため、誤装着されたものを確実に発見することができる。
【0011】
そして、前記各タンブラーにおいて、前記切欠部の近傍に第2の切欠部を設けることが好ましい。このようにすれば、サイドバーの係合する正規の切欠部を読み取ることを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1および図2は、本発明の実施形態に係る建物用のシリンダ錠を示す。このシリンダ錠は、大略、ホルダー1と、その内部に回転可能に設けられるシリンダ本体10と、ホルダー1を覆うカバー38とから構成されている。
【0013】
前記ホルダー1は、亜鉛やアルミニウム等の金属材料を略円筒状に成形することにより得られる。ホルダー1の外周面には位置決め用の突条2と、逃がし溝3がそれぞれ2つずつ90度間隔で交互に形成されている。ホルダー1の前面側には、外方に突出するフランジ状の鍔部4が形成され、その中央部には円筒状に突出する筒状部5が設けられている。また、ホルダー1の内周面の対称な位置には、軸方向に沿って一対の第1係合溝6(図1中、一方は図示せず)が形成されている。この第1係合溝6は、後述するタンブラー21の係合凸部25が係合することにより、シリンダ本体10を回動不可能とするものである。さらに、ホルダー1の内周面には、前記第1係合溝6とは90度位相した位置に、シリンダ本体から突出したサイドバー28を収容する一対の第2係合溝7が形成されている。ホルダー1の後端開口部には、図2に示すように、後端から所定範囲に拡開部8が形成され、この拡開部8に連続して一対の係合凹部9が形成されている。
【0014】
前記シリンダ本体10は円柱状をなし、その内部には、図1、図3および図4に示すように、複数のタンブラー21、各タンブラー21を付勢するスプリング27、および、サイドバー28がそれぞれ収容されている。また、シリンダ本体10の後端側外周部には、コンストラクションカム32が軸方向に沿ってスライド可能に配設されている。
【0015】
具体的には、前記シリンダ本体10の軸心には、ユーザーキー50A,50B(図9(A),(B)参照)のキー溝52に対応する突部11aが片側のみに形成されたキー挿入穴11が形成されている。シリンダ本体の外周面には、両側から軸方向に所定間隔をもって前記キー挿入穴11に連通する複数のタンブラー挿入孔12がそれぞれ穿設され、このタンブラー挿入孔12にそれぞれ後述するタンブラー21が配設されている。そして、前記タンブラー挿入孔12には、一方側部の下端にタンブラー21のスプリング受部24およびスプリング27を挿入する拡孔部13がそれぞれ形成されている。また、シリンダ本体10の外周面には、前記各拡孔部13を直線状に結ぶように軸方向に沿ってスプリングリッド配設部14が設けられている。このスプリングリッド配設部14は、図5に示すように、ホルダー1における後端の拡開部8の内縁に嵌合するシリンダ本体10の背面側の鍔部10aを貫通し、前面にかけて断面略台形状に形成されている。また、このシリンダ本体10の前面には位置決め凹部15が設けられるとともに、鍔部10aには係止段部16が形成されている。さらに、シリンダ本体10の前面側の外周面には、図1に示すように、サイドバー28を配設する略I字形の開口部17が形成され、その両端部両側は平坦な取付部17aとなっている。
【0016】
前記スプリングリッド配設部14に配設するスプリングリッド18は、一側面をシリンダ本体10の外周面の曲率と同一とした断面台形状のものである。このスプリングリッド18の挿入端には、前記位置決め凹部15に挿入係止される位置決め凸部19が設けられている。また、スプリングリッド18の他端には前記係止段部16に係止する係止突部20が設けられている。
【0017】
前記タンブラー21は板状をなし、図3、図4および図6(A),(B)に示すように、全長の短いコンストラクションキーと全長の長いユーザーキー50A,50Bのいずれにも応動する6枚の前面側のタンブラー21aと、ユーザーキー50A,50Bのみに応動する4枚の後方側のタンブラー21bとの10枚で構成されている。また、これらタンブラー21には、中央部に矩形状のキー穴22が穿設されている。各タンブラー21の一方の側縁部にはサイドバー28が没入するV字状の切欠部23が形成され、他方の側縁部にはスプリング27の一端部を圧接するスプリング受部24が突設されている。さらに、各タンブラー21は、長手方向の両端部が前記第1係合溝6内に突出して係合する係合凸部25を構成する。なお、本実施形態では、その係合凸部25の一方に、スプリング27による付勢方向の手前側であることを示すマーク部26が切り欠きにより形成されている。
【0018】
前記サイドバー28は、図1、図7(A),(B)および図8(A),(B)に示すように、下面が断面三角形状に突出する略三角柱形状で、上面両側にはスプリング受部29がそれぞれ形成されている。このサイドバー28は、シリンダ本体10の取付部17aに加締めて固定される止め金具30との間に配設した一対のスプリング31により、シリンダ本体10の開口部17に没入するように付勢されている。そして、所定のユーザーキー50A,50Bの挿入によりタンブラー21が整列されて切欠部23が一列に並ぶと、サイドバー28はこれら切欠部23に係合してホルダー1内に没入するようになっている。
【0019】
前記コンストラクションカム32は、図1に示すようにドーナツ状をなし、その一端側に鍔部32aが形成されている。そして、この鍔部32aと、前記シリンダ本体10の鍔部10aとの間にはスプリング33が配設され、コンストラクションカム32を前面側(図2において右側)に付勢するようになっている。コンストラクションカム32の外周縁部の対向位置には係合突部34がそれぞれ形成され、内周面には、係合突部34の近傍に、背面側のスプリング凹部35と前面側のタンブラー凹部36とがそれぞれ形成され、その間にコンストラクションカム32の前面側への移動を阻止するための係合壁37が設けられている。即ち、係合壁37の前面側のタンブラー凹部36に係合した後方側のタンブラー21bにより、コンストラクションカム32は前面側への移動が阻止される。
【0020】
前記カバー38は、図1および図2に示すように、一端が略円錐台形状の円筒状をなし、ホルダー1の外周側を覆った状態で、該ホルダー1がネジ止めにより固定されるものである。このカバー38の円錐面側中央部には、キーを挿入可能とするための挿入孔39が形成され、その内周縁には前記ホルダー1の先端面との間に環状の蓄光部材40が配設される。この蓄光部材40は、例えば、ポリカーボネイトに蓄光材料を練り込み、夜間に発光するものが使用される。
【0021】
次に、前記構成からなる建物用のシリンダ錠の組み立てについて説明する。
まず、図3および図7(A),(B)に示すように、前記シリンダ本体10に形成した各タンブラー挿入孔12の拡孔部13にスプリング27を挿入し、続いて各タンブラー挿入孔12にタンブラー21を挿入した後、前記スプリングリッド18を配設して拡孔部13を閉鎖することにより、全てのタンブラー21を挿入方向と逆の反挿入方向に付勢する。
【0022】
または、図4および図8(A),(B)に示すように、各タンブラー挿入孔12にタンブラー21を挿入し、続いて各タンブラー挿入孔12の拡孔部13にスプリング27を挿入した後、前記スプリングリッド18を配設して拡孔部13を閉鎖することにより、全てのタンブラー21を挿入方向に付勢する。
【0023】
そして、スプリング27により付勢され、シリンダ本体10から突出したタンブラー21を図示しない冶具等を用いてシリンダ本体10内に押し込んだ状態に維持する。
【0024】
なお、前記シリンダ本体10に対するタンブラー21およびスプリング27の組付作業は、タンブラー挿入孔12の一端に設けた拡孔部13により、作業性よく行える。また、タンブラー挿入孔12にタンブラー21およびスプリング27を組み付けた後には、スプリングリッド18を配設するだけで、その組付状態を維持できるため、更に作業性を向上できる。
【0025】
また、各タンブラー21は、スプリング27による付勢方向または反付勢方向に全てのマーク部26が位置するように揃える。なお、図示では、スプリング27による反付勢方向にマーク部26が位置するように組み付けている。
【0026】
続いて、シリンダ本体10の取付部17aにスプリング31とともにサイドバー28を配置し、その上方から止め金具30を加締めにて固定して取り付ける。この状態で、サイドバー28は前面側のタンブラー21aの側縁部に圧接される。
【0027】
その後、シリンダ本体10の外周部に、スプリング33とともにコンストラクションカム32を装着する。この際、コンストラクションカム32をスプリングの付勢力に抗してシリンダ本体10の鍔部10aに当接するまで押し込む。そして、その位置にあるタンブラー21の押し込み状態を解除する。これにより、タンブラー21bがコンストラクションカム32のタンブラー凹部36に係合し、係合壁37によってコンストラクションカム32の軸方向への移動が阻止される。
【0028】
次いで、コンストラクションカム32とともにシリンダ本体10をホルダー1内に収容する。この際、各タンブラー21の押し込みを解除し、それぞれホルダー1内の各第1係合溝6に係合させる。また、サイドバー28が前面側のタンブラー21aの側縁部に押されてシリンダ本体10から突出し、ホルダー1内の第2係合溝7に係合する。
【0029】
その後、ホルダー1の先端面に蓄光部材40を配置し、この状態で、シリンダ本体10を装着したホルダー1をカバー38の内部に装着し、ネジ止めにより固定する。
【0030】
このようにして組み立てたシリンダ錠は、各タンブラー21がシリンダ本体10のタンブラー挿入孔12に対して、挿入方向または反挿入方向の1方向に付勢されている。そのため、シリンダ錠を施錠または解錠するユーザーキー50A,50Bは、図9(A),(B)に示すように、そのキープレート51において、キー挿入穴11の突部11aに対応するキー溝52が片面にのみ形成されている。また、このキープレート51には、一方側縁にタンブラー21のキー穴22の縁に当接して該タンブラー21を移動させるキー山53aが形成され、他方側縁に前記タンブラー21の移動を阻害しないように対応するキー山53bが形成されている。
【0031】
そして、図7(A),(B)に示すように、タンブラー挿入孔12に対してタンブラー21を反挿入方向に付勢するように組み立てた場合には、図9(A)に示すユーザーキー50Aでのみ施錠または解錠できる。一方、図8(A),(B)に示すように、タンブラー挿入孔12に対してタンブラー21を挿入方向に付勢するように組み立てた場合には、図9(B)に示すユーザーキー50Bでのみ施錠または解錠できる。
【0032】
このように、本発明のシリンダ錠では、タンブラー21の付勢方向を変更することにより、同一のタンブラー21を同一の順番で配設しても異なる鍵コードとして設定できる。そのため、タンブラー21の数を増やすことなく、多くの鍵コードの種類を設定することができる。
【0033】
また、前記各タンブラー21には、前記スプリングによる付勢方向を示すマーク部26を設けているため、シリンダ本体10にタンブラー21を挿入する際にその挿入方向を容易に確認できる。特に、本実施形態では、マーク部26をホルダー1と係合する係合凸部25に形成することにより、シリンダ本体10にタンブラー21を組み込んだ後でも、シリンダ本体10から突出した係合凸部25を確認すれば、組付状態を確認できるため、誤装着されたものを確実に発見することができる。
【0034】
一方、前記シリンダ錠を建物のドア60に取り付ける場合、図2に示すように、そのドア60の前面パネル61に形成した穴61aにホルダー1の後端部を挿入し、突条2によって回転方向の位置決めを行う。そして、ドア60の背面パネル62の背面から棒材63を利用して取付台64を介してネジ止めし、カバー38の後端開口部を前面パネル61に圧接させることにより装着が完了する。
【0035】
このようにしてドア60に装着されたシリンダ錠によれば、ドア60の前面からカバー38によって覆われた部分が突出しているため、キーの挿入を容易に行うことができる。そして、全長の長いユーザーキー50A,50Bを使用すれば、以下のように、このユーザーキー50A,50Bによってのみ解錠および施錠操作が可能となる。
【0036】
即ち、全長の長いユーザーキー50A,50Bの挿入により、ホルダー1の係合溝に係合する前面側のタンブラー21aのみならず、コンストラクションカム32に係合した後方側のタンブラー21bも移動する。これにより、コンストラクションカム32はスプリングの付勢力によって前面側へスライド移動し、その係合突部34がホルダー1の係合凹部9に係合して回転不可能となる。
【0037】
したがって、この段階で、前記コンストラクションキーを挿入しても、ホルダー1と一体化したコンストラクションカム32に係合する後方側のタンブラー21bをシリンダ本体10内に没入させることができず、解錠操作を行うことは不可能になる。
【0038】
一方、全長の長いユーザーキー50A,50Bを使用すれば、前記後方側のタンブラー21bを前面側のタンブラー21aとともにシリンダ本体10内に没入させ、ユーザーキー50A,50Bを回転操作してホルダー1内でシリンダ本体10を回転させることにより、解錠又は施錠操作を行うことが可能である。
【0039】
具体的には、コンストラクションキーによる解錠を不可能とした状態で、かつ、ユーザーキー50A,50Bの挿入前の状態では、図6(A)に示すように、各タンブラー21に形成した切欠部23は、ユーザーキー50A,50Bの挿入方向において、ランダムな突出量で一方向に突出している。
【0040】
次に、解錠可能なユーザーキー50A,50Bを挿入すると、そのキー山53aがタンブラー21のキー穴22の縁に当接する。そうすると、各タンブラー21は、スプリング27の付勢力に抗してシリンダ本体10のタンブラー挿入孔12内でスライドし、その係合凸部25がホルダー1の第1係合溝6内からシリンダ本体10内に位置する。
【0041】
これにより、図6(B)に示すように、ユーザーキー50A,50Bの挿入前の状態でランダムに位置していた切欠部23が一列に整列する。その結果、サイドバー28は、スプリング31の付勢力により、ホルダー1の第2係合溝7内からシリンダ本体10内に没入し、ユーザーがユーザーキー50A,50Bを回転操作することにより、それに応じてシリンダ本体10を回転させることができる。
【0042】
なお、本発明のシリンダ錠は前記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、図10に示すように、各タンブラー21において、切欠部23を形成した側縁部にその切欠部23に類似する擬似的な第2の切欠部23’を設けてもよい。この切欠部23’は、サイドバー28の没入を防止するため、厚さ方向に窪ませた凹部によって形成する。
【0043】
または、図11(A)に示すように、前記切欠部23’は、楕円形状の孔によって構成してもよく、また、図11(B)に示すように、切欠部23と略同形状の台形状の孔によって構成してもよい。さらに、図11(C)に示すように、凹部からなる切欠部23’と孔からなる切欠部23’を組み合わせて構成してもよい。
【0044】
このようにすれば、サイドバー28の係合する正規の切欠部23を不正に読み取ることを防止することができる。
【0045】
また、前記実施形態では、シリンダ本体10に対して全てのタンブラー21を挿入方向または反挿入方向の1方向にのみ付勢するように組み付けたが、1つ置きに付勢方向を代えたり、ランダムに付勢方向を代える構成としてもよい。このようにすれば、より複数の鍵コードを形成することが可能になる。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のシリンダ錠では、シリンダ本体に対してタンブラーを選択的に2方向に付勢できるようにし、各付勢方向において異なる鍵コードを設定できるようにしているため、タンブラーの数を増やすことなく、多くの鍵コードの種類を設定することができる。
【0047】
また、前記各タンブラーに、前記スプリングによる付勢方向を示すマーク部を設け、タンブラーの組付状態を確認できるようにしているため、誤装着されたものを確実に発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシリンダ錠を示す分解斜視図である。
【図2】 図1の組付状態を示す断面図である。
【図3】 シリンダ本体の第1の組付状態を示す分解斜視図である。
【図4】 シリンダ本体の第2の組付状態を示す分解斜視図である。
【図5】 シリンダ本体の背面図である。
【図6】 (A)はユーザーキーの挿入前の状態を示す断面図、(B)はユーザーキーの挿入後の状態を示す断面図である。
【図7】 第1の組付状態を示し、(A)はユーザーキーの挿入前の状態を示す断面図、(B)はユーザーキーの挿入後の状態を示す断面図である。
【図8】 第2の組付状態を示し、(A)はユーザーキーの挿入前の状態を示す断面図、(B)はユーザーキーの挿入後の状態を示す断面図である。
【図9】 (A),(B)はシリンダ錠を施錠または解錠するユーザーキーを示す斜視図である。
【図10】 タンブラーの変形例を示す斜視図である。
【図11】 (A),(B),(C)はタンブラーの他の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ホルダー、6…第1係合溝、7…第2係合溝、10…シリンダ本体、11…キー挿入穴、12…タンブラー挿入孔、13…拡孔部、14…スプリングリッド配設部、18…スプリングリッド、19…位置決め凸部、20…係止突部、21…タンブラー、22…キー穴、23,23’…切欠部、24…スプリング受部、25…係合凸部、26…マーク部、27…スプリング、28…サイドバー、29…スプリング受部、32…コンストラクションカム、38…カバー、50…ユーザーキー、60…ドア。

Claims (5)

  1. ドア本体に装着され、内周面に係合溝を備えたホルダーと、
    該ホルダー内に回転可能に設けたシリンダ本体とからなり、
    該シリンダ本体に、キー挿入方向と直交する方向に付勢され、キーが挿入される前の状態で、シリンダ本体から突出し、前記ホルダーの係合溝に係合する一方、キーが挿入された状態で、整列することにより前記シリンダ本体内に没入する複数のタンブラーを設けたシリンダ錠において、
    前記シリンダ本体に、前記各タンブラーを挿入する複数のタンブラー挿入孔と、これらタンブラー挿入孔の一端に位置する拡孔部と、これら拡孔部を直線状に結ぶようにシリンダ本体の一端から軸方向に沿って延びるスプリングリッド配設部と、を設けるとともに、
    前記各タンブラー側縁部に、各タンブラーを前記タンブラー挿入孔に対して挿入方向または反挿入方向に付勢するスプリングのスプリング受部を設け、
    前記スプリングを前記スプリングリッド配設部と前記スプリング受部との間、または、前記スプリング受部と前記拡孔部の底部との間に挿入するとともに、前記スプリングリッドをスプリングリッド配設部に配設して各拡孔部を塞ぐことにより、前記タンブラー挿入孔に対して前記タンブラーを挿入方向および反挿入方向のいずれかに選択的に付勢可能としたことを特徴とするシリンダ錠。
  2. 前記タンブラーの側緑部に、キーの挿入により整列する切欠部を設け、該切欠部が形成されていない側縁部に前記スプリング受部を設けるとともに、
    前記各タンブラーに向かって付勢され、キーが挿入される前の状態で、タンブラーの側縁部に当接してシリンダ本体から突出し、前記ホルダーの係合溝に係合する一方、キーの挿入により前記タンブラーの整列した切欠部に係合することにより前記シリンダ本体内に没入するサイドバーを設けたことを特徴とする請求項1に記載のシリンダ錠。
  3. 前記各タンブラーをタンブラー挿入孔に対して同一方向から挿入するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリンダ錠。
  4. 前記各タンブラーに、前記スプリングによる付勢方向を示すマーク部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシリンダ錠。
  5. 前記各タンブラーにおいて、前記切欠部の近傍に第2の切欠部を設けたことを特徴する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のシリンダ錠。
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