JP4391718B2 - シリンダ錠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダ錠に係り、詳しくはディンプルキーにより解錠を行うシリンダ錠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリンダ錠には、キー表面に解錠用の凹部(解錠凹部)が形成されたディンプルキーによって解錠される構成のものがある。そして、ロータには、ディンプルキーの解錠凹部と係合可能なタンブラが収容されている。ディンプルキーがロータに差し込まれていない状態では、タンブラがスプリングの付勢力によってロータの周面より外側に押し出されるとともにロータケースに係合することにより、ロータが回動不能になる。また、正しいキーがロータに差し込まれた場合には、タンブラがディンプルキーの解錠凹部と係合して、ロータの周面より内側に引っ込み、ロータが回動可能になる。また、正しくないキーがロータに差し込まれた場合には、この正しくないキーによってタンブラがロータの外側に押し出されるとともにロータケースに係合するため、ロータが回動不能になる。
【0003】
このようなディンプルキーを備えるシリンダ錠には、住宅用に展開されているものがあり、その構造としては、例えばピンタンブラ方式が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ピンタンブラ方式のシリンダ錠は、部品点数が多く、精度も要求される。また、ピンタンブラ方式のシリンダ錠は、サビや埃等に対して比較的弱く、例えば自動車に取り付ける場合等のように比較的厳しい環境では作動性が低下するという問題がある。
【0005】
このようなピンタンブラ方式より、部品点数が少なく、精度についても厳しくないとともに、サビや埃等に対して比較的強いシリンダ錠として、例えばタンブラを板状にしたシリンダ錠が考えられる。しかし、タンブラがピンではなく板状になるため、タンブラ自体が大きくなる。このため、タンブラを収容するロータが軸方向長さに長くなるとともに、ディンプルキーも長くなり、シリンダ錠の小型化が妨げられるという問題がある。
【0006】
また、鍵違い数を確保するためにタンブラ及び解錠凹部を増やすと、ディンプルキー及びロータが一層長くなり、シリンダ錠の小型化が一層妨げられる。
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、鍵違い数を確保したうえで小型化できるシリンダ錠を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、複数の板タンブラ及びサイドバーを備えるロータに所定のキーが差し込まれることにより、前記板タンブラが、前記ロータを回動可能にする回動許容位置に移動されるとともに、前記板タンブラが前記回動許容位置に移動されることにより、前記サイドバーが、前記ロータを回動可能にする回動許容位置に移動され、その一方、前記ロータに前記所定のキーが差し込まれていないとき、前記板タンブラ及び前記サイドバーが、前記ロータを回動不能にする回動規制位置に移動されるシリンダ錠であって、前記キーは、前記板タンブラと係合可能な解錠凹部がキー表面に形成されたディンプルキーであり、前記各板タンブラは、前記解錠凹部と係合する状態又は前記キー表面と係合する状態で、前記回動許容位置に位置するように形成され、前記ロータには、前記ディンプルキーが前記ロータに差し込まれた状態に対応して、前記板タンブラが2枚ずつ前記ディンプルキーの幅方向に並ぶように収容され、前記ディンプルキーには、前記解錠凹部と係合する状態で前記回動許容位置に位置する前記板タンブラと対向するように、前記解錠凹部を形成し、同解錠凹部は、2枚ずつ前記ディンプルキーの幅方向に並ぶ前記板タンブラと対向するように、前記ディンプルキーの長さ方向において2列になるように配置されることを要旨とする。
【0008】
この発明によれば、ロータには、ディンプルキーの幅方向に対応して2枚ずつ並ぶように板タンブラが収容され、ディンプルキーには、板タンブラに対応して、解錠凹部がディンプルキーの長さ方向において2列になるように配置される。このため、板タンブラと解錠凹部とを必要数設けて、鍵違い数を確保したうえで、ディンプルキーの長さ方向と、それに対応するロータの軸方向とにおいて、ディンプルキー及びロータを短くすることができ、シリンダ錠を小型化できる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記ロータには、前記ディンプルキーの幅方向に対応して並ぶ2枚の前記板タンブラを1室で収容可能な収容室が形成されたことを要旨とする。
【0010】
この発明によれば、ロータには、各収容室に板タンブラが2枚ずつ収容される。このため、横方向に壁を隔てて、各1室の収容室に1枚ずつ板タンブラを収容する場合に比べて、壁がない分、ディンプルキーの幅を狭く、ロータの径を小さくでき、シリンダ錠をより小型化できる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ディンプルキーの幅方向において隣り合う一部の前記解錠凹部同士は、点接触状態又は一部重なり合う状態になるように形成され、前記解錠凹部と係合する前記板タンブラの係合部は、前記解錠凹部に対応して前記ディンプルキーの中心線側に寄るように形成され、前記板タンブラを前記ディンプルキー側に付勢する付勢手段は、前記板タンブラの係合部に対応して、前記ディンプルキーの中心線側に寄るように前記ロータに収容されたことを要旨とする。
【0012】
この発明によれば、解錠凹部が、ディンプルキーの幅方向において点接触状態又は一部重なり合う状態になるように形成されているため、ディンプルキーの幅をより狭くできる。また、板タンブラの係合部がディンプルキーの中心線側に寄るため、板タンブラを小さくできる。また、付勢手段が、板タンブラの係合部に対応してディンプルキーの中心線側に寄るようにロータに収容されるため、板タンブラの係合部をディンプルキーの解錠凹部側に付勢しやすいように付勢手段を配置したうえで、付勢手段が中心線側に寄ったため、ロータの径を小さくできる。従って、ディンプルキーの幅をより狭くできるとともに、ロータの径をより小さくできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0014】
図1はシリンダ錠の模式分解斜視図を示し、図2(a)はディンプルキーの模式部分側面図を示す。図2(b)は図2(a)のIIB−IIB線模式断面図を示し、図2(c)はロータと板タンブラとの関係を示す模式部分側面図である。
【0015】
図1に示すように、シリンダ錠11は、ディンプルキー12、ロータ13、ロータケース14を備えている。ロータケース14は、図示しない支持部に固定されている。ロータケース14はシリンダ14aを備えており、このシリンダ14aに、円筒状のロータ13が回動可能に収容されている。ロータ13には、ディンプルキー12を差し込むためのキー差込孔16が形成されている。
【0016】
シリンダ14aに収容されたロータ13には、カバー17が被せられている。カバー17には、キー差込孔18がキー差込孔16と対向可能に形成されている。また、ロータ13はシリンダ14aを貫通可能に形成されており、ロータ13においてディンプルキー12が差し込まれる側と反対側の端部には、車両のイグニッションを切り換え可能な図示しない作用部材が取り付け可能になっている。
【0017】
ロータ13には、第1板タンブラ21、第2板タンブラ22、第3板タンブラ23が収容されている。第1〜第3板タンブラ21〜23は、それぞれ複数ロータ13に収容されている。また、ロータ13には、第1〜第3板タンブラ21〜23をロータ13の外側に付勢する付勢手段としてのスプリング24や、第1サイドバー25、第2サイドバー26が収容されている。
【0018】
ロータ13は、キー差込孔16にディンプルキー12が差し込まれた状態では、第1〜第3板タンブラ21〜23や第1及び第2サイドバー25,26がロータ13の周面より内側に引っ込み、シリンダ14aに対して回動可能になるように構成されている。また、ディンプルキー12がキー差込孔16に差し込まれていない状態や、ディンプルキー12と鍵違いの正しくないキーが差し込まれた状態では、第1〜第3板タンブラ21〜23や第1及び第2サイドバー25,26がロータ13の周面の外側に突出してシリンダ14aと係合する。この状態で、ロータ13は、シリンダ14aに対して回動不能になるように構成されている。
【0019】
図1及び図2(c)に示すように、ロータ13には、ディンプルキー12が差し込まれた状態で、ディンプルキー12の先端部と対向する位置に、第1〜第3板タンブラ21〜23を収容するための第1収容室31が形成されている。第1収容室31は、板タンブラを2枚収容可能に形成されており、第1〜第3板タンブラ21〜23のうちのいずれか一種類の板タンブラを2枚収容可能であるとともに、異なる種類の板タンブラを2枚収容可能にもなっている。ロータ13には、第1収容室31からディンプルキー12の基部側に向かって、第1収容室31と同様の第2収容室32、第3収容室33、第4収容室34、第5収容室35が形成されている。各第2〜第5収容室32〜35も、それぞれ2枚の板タンブラを収容可能になっている。
【0020】
この実施形態では、第1〜第5収容室31〜35は等間隔に形成されている。また、第1〜第5収容室31〜35は、キー差込孔16と連通されている。
第1〜第3板タンブラ21〜23は、ほぼ同様な形状に形成されており、1つの板タンブラを、その中心線で2分割したような形状になっている。第1〜第3板タンブラ21〜23は、2枚がディンプルキー12の幅方向に並んで向かい合うように配置されて、各第1〜第5収容室31〜35に収容されている。
【0021】
ディンプルキー12には、第1面41と、その反対側の第2面42の両面に、解錠凹部としての大径凹部43と、同じく解錠凹部としての小径凹部44とがそれぞれ複数形成されている。小径凹部44の深さは、大径凹部43のほぼ半分の深さに形成されている。なお、図1及び図2(a)では第1面41が図示され、第2面42は裏に隠れている。
【0022】
ディンプルキー12では、大径凹部43と、小径凹部44と、凹部が形成されていない箇所との3つの組み合わせにより、キーコードが構成されている。
また、ディンプルキー12の先端部は、第1面41側のガイド斜面45と、第2面42側のガイド斜面46とを備え、先端が薄くなるように形成されている。
【0023】
第1面41及び第2面42において、各大径凹部43及び小径凹部44は、それぞれの中心が、ディンプルキー12の長さ方向に延びる第1直線L1上及び第2直線L2上の一方に位置するように形成されている。第1直線L1は、図1及び図2(a)において図示される第1面41において、図中、下側に位置し、第2直線L2は、図中、上側に位置している。
【0024】
この実施形態では、ディンプルキー12がロータ13に差し込まれた状態において第1収容室31と対向するように、ディンプルキー12の先端側に、2個の大径凹部43が幅方向に並ぶように形成されている。また、ディンプルキー12には、第2収容室32と対向するように、大径凹部43と小径凹部44とが幅方向に並ぶように形成されており、小径凹部44の中心は第1直線L1上に位置し、大径凹部43の中心は第2直線L2上に位置している。
【0025】
また、ディンプルキー12において第3収容室33と対向する位置には、大径凹部43の中心が第1直線L1上に位置するように形成されており、第2直線L2上には、凹部が形成されていない。また、ディンプルキー12において第4収容室34と対向する位置には、小径凹部44が第1直線L1上と第2直線L2上とに、幅方向に並ぶように形成され、第5収容室35と対向する位置には、第1直線L1上には凹部が形成されず、第2直線L2上に大径凹部43が形成されている。
【0026】
ディンプルキー12は、第1面41と第2面42とを判別する必要なくキー差込孔16に差し込み可能になるように形成されている(リバーシブル仕様)。具体的には、第1面41の大径凹部43及び小径凹部44と、第2面42の大径凹部43及び小径凹部44とは、ディンプルキー12を中心軸回りに180°回動したときに、重なるように形成されている。このため、図2(b)に示すように、第2面42において、第1面41の第1直線L1と反対側には、第2直線L2上の大径凹部43及び小径凹部44と同じ配列で大径凹部43及び小径凹部44が形成されている。同様に、第2面42において、第1面41の第2直線L2と反対側には、第1直線L1上の大径凹部43及び小径凹部44と同じ配列で大径凹部43及び小径凹部44が形成されている。
【0027】
図3は図2(c)のIII −III 線模式断面図を示し、図4は同じくIV−IV線模式断面図を示す。
図3に示すように、シリンダ14aの内周面には、第1〜第3板タンブラ21〜23が係合可能な第1係合溝51と、第2係合溝52とが形成されている。第1及び第2係合溝51,52は、軸方向に延びるとともに、シリンダ14aの中心軸を挟んで対向するように形成されている。図3では、第1係合溝51が右側に位置し、第2係合溝52が左側に位置している。また、シリンダ14aの内周面には、第1,第2サイドバー25,26がそれぞれ係合可能な第3係合溝53、第4係合溝54が形成されている。第3及び第4係合溝53,54は、第1,第2サイドバー25,26の長さに対応して軸方向に延びるとともに、中心軸を挟んで対向し、中心軸に対して第1及び第2係合溝51,52となす角が90°になる位置に形成されている。図3では、第3係合溝53が下側に位置し、第4係合溝54が上側に位置している。
【0028】
各第1〜第5収容室31〜35は、各第1〜第3板タンブラ21〜23を出入り可能にするための大開口部55を備えるとともに、中心軸を挟んで大開口部55と反対側に、小開口部56を備えている。小開口部56は、その周方向の長さが、第1又は第2係合溝51,52の幅と同じに形成されている。図3では、小開口部56は第2係合溝52と対向している。
【0029】
また、第1〜第5収容室31〜35には、小開口部56の両隣に、それぞれスプリング24の収容凹部57が形成されている。図2(c)に示すように、収容凹部57は、その径が各第1〜第5収容室31〜35の幅より大きくなっている。
【0030】
また、ロータ13には、第1サイドバー25を収容するための第1収容孔58と、第2サイドバー26を収容するための第2収容孔59が形成されている。第1及び第2収容孔58,59は、第1〜第5収容室31〜35と連通されている。また、第1及び第2サイドバー25,26には、それぞれの端部に圧縮ばね60(図1参照)が取り付けられている。圧縮ばね60は、支持部60aによって径方向外側部においてロータ13に支持されており、第1及び第2サイドバー25,26は、この圧縮ばね60によりロータ13の中心軸側に付勢されている。
【0031】
第1板タンブラ21は、大径凹部43と対応するように、第1〜第5収容室31〜35のうちのいくつかに収容されている。また、第2板タンブラ22は小径凹部44と対応し、第3板タンブラ23は、ディンプルキー12のキー表面において凹部が形成されていない箇所に対応するように収容室に収容されている。
【0032】
この実施形態では、図1に示すように、第1収容室31には、第1板タンブラ21が2枚収容されている。また、図1及び図3に示すように、第2収容室32には、下側に第1板タンブラ21が収容され、上側に第2板タンブラ22が収容されている。図1に示すように、第3収容室33には、下側に第3板タンブラ23が収容され、上側に第1板タンブラ21が収容されている。また、第4収容室34には、第2板タンブラ22が2枚収容され、図1及び図4に示すように、第5収容室35には、下側に第1板タンブラ21が収容され、上側に第3板タンブラ23が収容されている。
【0033】
各第1〜第3板タンブラ21〜23は、ディンプルキー12が貫通可能な貫通孔を中央部に備えるとともに、第1係合溝51に係合可能な第1係合突部と、第2係合溝52に係合可能な第2係合突部とを備えた板を、第1及び第2係合突部の中心線で2分割したような形状になっている。
【0034】
各第1〜第3板タンブラ21〜23は、ディンプルキー12の断面の半分を覆うことが可能なコ字状部70の両端部から、第1係合突部71と、第2係合突部72とが外側に延びる形状に形成されている。また、コ字状部70において、第2係合突部72が形成された端部には、解錠凹部と係合する板タンブラの係合部としての解錠突部73が、コ字状部70の内側に突出するように形成されている。解錠突部73は、大径凹部43及び小径凹部44と係合可能に形成されている。解錠突部73の高さは、大径凹部43の深さとほぼ同じに形成されている。解錠突部73は、第1〜第3板タンブラ21〜23において、共通の大きさ及び共通の形状に形成されている。
【0035】
コ字状部70は、その互いに対向する面の間の距離が、解錠突部73の高さと、ディンプルキー12の厚さとの合計より大きくなるように形成されている。また、第1及び第2係合突部71,72は、両者の幅が同じに形成されるとともに、その幅の2倍が、第1係合溝51又は第2係合溝52の幅とほぼ同じになるように形成されている。
【0036】
図3に示すように、第1板タンブラ21は、ロータ13にディンプルキー12が差し込まれ、解錠突部73全体が大径凹部43に係合する状態では、第1及び第2係合突部71,72がロータ13の内側に引っ込むように形成されている。この状態では、第1板タンブラ21は、ロータ13の回動を許容する回動許容位置に位置している。
【0037】
また、第1板タンブラ21は、ロータ13からディンプルキー12が引き抜かれると、スプリング24の付勢力によって第1係合突部71がロータ13の外側に押し出されて第1係合溝51と係合し、ロータ13の回動を規制するように形成されている。
【0038】
また、正しくないキーがロータ13に差し込まれた場合、第1板タンブラ21の解錠突部73は、その先端部が、大径凹部43より浅い凹部、例えば小径凹部44と係合したり、キー表面において凹部が形成されていない箇所と当接することがある。第1板タンブラ21は、このような場合に、第2係合突部72が、ロータ13の外側に押し出されて第2係合溝52と係合し、ロータ13の回動を規制するように形成されている。
【0039】
図3に示すように、第2板タンブラ22は、ロータ13にディンプルキー12が差し込まれ、解錠突部73の先端部が小径凹部44に係合する状態では、第1及び第2係合突部71,72がロータ13の内側に引っ込むように形成されている。この状態では、第2板タンブラ22は回動許容位置に位置している。
【0040】
第2板タンブラ22は、ロータ13からディンプルキー12が引き抜かれると、スプリング24の付勢力によって第1係合突部71がロータ13の外側に押し出されて第1係合溝51と係合し、ロータ13の回動を規制するように形成されている。
【0041】
また、正しくないキーがロータ13に差し込まれた場合、第2板タンブラ22の解錠突部73は、その先端部が、小径凹部44より浅い凹部と係合したり、キー表面において凹部が形成されていない箇所と当接することがある。第2板タンブラ22は、このような場合に、第2係合突部72がロータ13の外側に押し出されて第2係合溝52と係合し、ロータ13の回動を規制するように形成されている。
【0042】
図4に示すように、第3板タンブラ23は、ロータ13にディンプルキー12が差し込まれ、解錠突部73の先端がキー表面において凹部が形成されていない箇所と当接する状態で、第1及び第2係合突部71,72がロータ13の内側に引っ込むように形成されている。この状態では、第3板タンブラ23は回動許容位置に位置している。
【0043】
第3板タンブラ23は、ロータ13からディンプルキー12が引き抜かれると、スプリング24の付勢力によって第1係合突部71がロータ13の外側に押し出されて第1係合溝51と係合し、ロータ13の回動を規制するように形成されている。
【0044】
また、第3板タンブラ23は、正しくないキーがロータ13に差し込まれ、解錠突部73が、大径凹部43や小径凹部44等の凹部と係合する場合に、第1係合突部71がロータ13の外側に押し出されて第1係合溝51と係合する。これにより第3板タンブラ23は、ロータ13の回動を規制するように形成されている。
【0045】
また、第1,第2サイドバー25,26には、断面形状がほぼ三角形状の係合部75が形成されており、第1〜第3板タンブラ21〜23には、係合部75と係合可能な係合凹部76が形成されている。係合凹部76の断面形状は、係合部75の断面形状と同様のほぼ三角形状に形成されている。係合凹部76は、各第1〜第3板タンブラ21〜23が回動許容位置に位置する状態で、第1,第2収容孔58,59と対向可能な位置に形成されている。
【0046】
第1,第2サイドバー25,26は、係合部75が係合凹部76と係合する状態では、ロータ13内に引っ込むように形成されている。また、各第1〜第3板タンブラ21〜23が回動許容位置から移動して、係合凹部76が係合部75と対向しなくなると、第1,第2サイドバー25,26がロータ13の外側に押し出されて第3,第4係合溝53,54に係合し、ロータ13を回動不能にするようになっている。
【0047】
次に、上記のように構成されたシリンダ錠の作用を説明する。
ディンプルキー12がキー差込孔16に差し込まれていない状態では、各スプリング24の付勢力によって第1〜第3板タンブラ21〜23が第1係合溝51側に移動し、第1係合突部71がロータ13の外側に押し出されて第1係合溝51に係合する。図5(a)に示すように、第2収容室32では、第1及び第2板タンブラ21,22の両第1係合突部71が第1係合溝51に係合する。この係合により、ロータ13がシリンダ14aに対して回動不能な状態になる。
【0048】
また、第1及び第2サイドバー25,26が係合凹部76と係合しなくなり、ロータ13の外側に押し出され、第3,第4係合溝53,54に係合する。このため、第1及び第2サイドバー25,26によっても、ロータ13が回動不能になる。
【0049】
ディンプルキー12がロータ13に差し込まれると、図3及び図4に示すように、第1板タンブラ21の解錠突部73が大径凹部43に係合し、第2板タンブラ22の解錠突部73が小径凹部44に係合する。また、第3板タンブラ23の解錠突部73が、ディンプルキー12の表面において凹部が形成されていない箇所と当接する。このため、第1〜第3板タンブラ21〜23の第1係合突部71がロータ13の内側に引っ込んで第1係合溝51と係合しなくなる。また、第1〜第3板タンブラ21〜23の第2係合突部72もロータ13の内側に引っ込んだままであり、第2係合溝52に係合しない。
【0050】
また、第1及び第2サイドバー25,26の係合部75が係合凹部76に係合し、第1及び第2サイドバー25,26がロータ13内に引っ込み、第3及び第4係合溝53,54と係合しなくなる。
【0051】
これらにより、ロータ13がシリンダ14aに対して回動可能になる。ディンプルキー12が回動され、ロータ13がディンプルキー12と一体で回動すると、ロータ13の端部に取り付けられた作用部材も回動され、車両のイグニッションがオンになる。
【0052】
また、ロータ13に正しくないキーが差し込まれた場合、第1板タンブラ21の解錠突部73の先端部が、大径凹部43より浅い凹部、例えば小径凹部44と係合したり、キー表面において凹部が形成されていない箇所と当接する場合には、第2係合突部72がロータ13の外側に押し出される。そして、第2係合突部72が第2係合溝52と係合するため、ロータ13の回動が規制される。
【0053】
また、第2板タンブラ22の解錠突部73の先端部が、小径凹部44より浅い凹部と係合したり、キー表面において凹部が形成されていない箇所と当接する場合には、第2係合突部72がロータ13の外側に押し出されて第2係合溝52と係合するため、ロータ13の回動が規制される。
【0054】
また、第2板タンブラ22の解錠突部73が、小径凹部44より深い凹部、例えば大径凹部43と係合する場合には、第1係合突部71がスプリング24の付勢力によってロータ13の外側に押し出されて第1係合溝51と係合するため、ロータ13の回動が規制される。
【0055】
また、第3板タンブラ23の解錠突部73が、大径凹部43や小径凹部44等の凹部と係合する場合には、第1係合突部71がスプリング24の付勢力によってロータ13の外側に押し出されて第1係合溝51と係合するため、ロータ13の回動が規制される。
【0056】
また、第1及び第2サイドバー25,26が係合凹部76と係合しなくなり、ロータ13の外側に押し出され、第3及び第4係合溝53,54に係合することによっても、ロータ13が回動不能になる。
【0057】
図5(b)に示すように、正しくないキー78がロータ13に差し込まれ、第2収容室32において、第1板タンブラ21の解錠突部73の先端が、キーの凹部が形成されていない箇所に当接する場合、第1板タンブラ21の第2係合突部72は、第2係合溝52に係合する。これにより、ロータ13の回動が規制される。また、第1サイドバー25が第3係合溝53と係合するため、ロータ13が回動不能になる。
【0058】
また、第2板タンブラ22の解錠突部73が、大径凹部43に係合する場合、スプリング24の付勢力によって、第2板タンブラ22の第1係合突部71が第1係合溝51に係合するため、これによってもロータ13の回動が規制される。また、第2サイドバー26が第4係合溝54と係合することによっても、ロータ13が回動不能になる。
【0059】
上記のように、合計10枚の第1〜第3板タンブラ21〜23のうち、少なくとも一枚の板タンブラが正しくない位置に存在することにより、ロータ13が回動不能になる。
【0060】
この実施形態は、以下のような効果を有する。
(1)ディンプルキー12には、大径凹部43及び小径凹部44が2列になって、凹部が形成されていない箇所も含めて、幅方向に並んで形成されている。また、ロータ13には、ディンプルキー12の大径凹部43、小径凹部44及び凹部が形成されていない箇所の3タイプに対応して、第1〜第3板タンブラ21〜23が収容されている。このため、鍵違い数を確保したうえで、ディンプルキー12の長さ及びロータ13、ロータケース14の軸方向長さを短くでき、シリンダ錠11の軸方向長さを短くできる。
【0061】
(2)ロータ13には、各第1〜第5収容室31〜35に第1〜第3板タンブラ21〜23が2枚ずつ横方向に並べて収容されている。このため、横方向に壁を隔てて第1〜第3板タンブラ21〜23を収容する場合に比べて、壁がない分、ディンプルキー12の幅を狭くできるとともに、ロータ13、ロータケース14の径を小さくでき、シリンダ錠11を小型化できる。また、壁を隔てて収容室を10個形成する場合に比べて、第1〜第5収容室31〜35は5個のため、ロータ13に収容室を形成する手間を少なくできる。
【0062】
(3)ロータ13には、第1〜第3板タンブラ21〜23が収容されており、ピンタンブラ方式に比べて部品点数を少なくできる。また、精度に対する要求の高さを低くできる。また、ピンタンブラ方式に比べて、サビやほこり等による作動性の低下を低減できる。このため、環境が比較的厳しい自動車にも対応してシリンダ錠を取り付けできる。
【0063】
(4)第1〜第3板タンブラ21〜23には、ピンタンブラでは組み合わせできなかった第1及び第2サイドバー25,26が組み合わされており、第1及び第2サイドバー25,26よっても、ロータ13が回動不能になるように構成されている。第1及び第2サイドバー25,26はキー差込孔18から見えない位置に取り付けられているため、シリンダ錠11の対ピッキング性を向上できる。
【0064】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を図6及び図7に従って説明する。この実施形態では、大径凹部の一部がキーの中心線を越えるとともに、大径凹部と小径凹部とが、縁部において重なったり点接触するように形成されている点が前記実施形態と異なっている。前記実施形態と同様の部分については同一番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0065】
図6は第2の実施形態のディンプルキーの模式部分側面図を示し、図7は図6のVII−VII線模式断面図を示す。
図6に示すように、この実施形態のディンプルキー80では、大径凹部43はその一部がディンプルキー80の中心線Mを越えるように配置されている。ディンプルキー80において最も先端側で幅方向に並ぶ2個の大径凹部43は、ともにディンプルキー80の中心線Mを越え、縁部が一部重なっている。また、先端から2番目において、幅方向に並ぶ大径凹部43と小径凹部44とは、ほぼ点接触している。
【0066】
このように、大径凹部43及び小径凹部44は、ディンプルキー80の幅方向において一部が重なったり点接触するように配置されており、ディンプルキー80の幅はディンプルキー12の幅より狭く形成されている。
【0067】
図7に示すように、この実施形態の第1板タンブラ81及び第2板タンブラ82は、ディンプルキー80の幅がディンプルキー12の幅より狭くなっていることにより、第1係合突部71が延びる方向と直交する方向において、第1の実施形態の第1,第2板タンブラ21,22より小さく形成できる。
【0068】
また、第1及び第2板タンブラ81,82の解錠突部73は、第1の実施形態の場合より、ディンプルキー80の中心線M側に寄るように、互いに近づいて第2収容室32内に収容されるように形成されている。また、第1及び第2板タンブラ81,82には第2係合突部72が形成されていない。この実施形態のロータ83には、小開口部56が形成されず、スプリング24の収容凹部57が、解錠突部73に対応して中心線M側に寄るように、互いに近づいて隣り合うように形成されている。スプリング24は、各解錠突部73を付勢しやすいように、解錠突部73に対応して中心線M側に寄って収容凹部57に収容されている。
【0069】
また、第3板タンブラも、第1の実施形態より小さく形成されるとともに、第2係合突部72が形成されていない形状になっている。この実施形態のロータ83及びロータケース84の径は、第1の実施形態の各ロータ13、ロータケース14よりそれぞれ小さく形成されている。
【0070】
また、図6に示すように、大径凹部43及び小径凹部44は、ディンプルキー80の長さ方向においても、一部が重なったり点接触するように配置されている。図6において下側の第1直線L1上で、交互に配置された大径凹部43及び小径凹部44は、ほぼ点接触するように配置されている。また、図6において上側の第2直線L2上で、最も先端側の大径凹部43と、2番目の大径凹部43とは、縁部において一部重なり、先端から4番目の小径凹部44と、5番目の大径凹部43とは、ほぼ点接触するように配置されている。
【0071】
このような大径凹部43及び小径凹部44の配置により、ディンプルキー80の長さは、ディンプルキー12の長さより短く形成されている。また、ディンプルキー80における大径凹部43及び小径凹部44の配置に対応して、第1〜第5収容室31〜35が、第1の実施形態の場合より軸方向に互いに近づいて形成されている。このため、ロータ83及びロータケース84の軸方向長さも、それぞれロータ13、ロータケース14より短く形成され、この実施形態のシリンダ錠は、軸方向長さにおいてもシリンダ錠11より短くなっている。
【0072】
この実施形態のシリンダ錠でも、ディンプルキー80がロータ83に差し込まれていない状態では、スプリング24の付勢力によって第1,第2板タンブラ81,82及び第3板タンブラの第1係合突部71がロータ83の外側に突出して第1係合溝51に係合することによって、ロータ83が回動不能になる。また、第1及び第2サイドバー25,26がロータ13の外側に突出して第3,第4係合溝53,54に係合することによっても、ロータ83が回動不能になる。
【0073】
また、ディンプルキー80と異なるキーがロータ83に差し込まれて、第1板タンブラ81、第2板タンブラ82、第3板タンブラがそれぞれ、図7に示す状態から、スプリング24の付勢方向と反対側に移動する場合には、第1及び第2サイドバー25,26がロータ83から突出する。また、第1及び第2サイドバー25,26が第3,第4係合溝53,54に係合することによっても、ロータ83が回動不能になる。
【0074】
この実施形態によれば、前記実施形態の(1)〜(4)の効果の他に、以下のような効果を有する。
(5)ディンプルキー80には、大径凹部43の一部がディンプルキー80の中心線Mを越えるように配置されているため、第1の実施形態のディンプルキー12に比べてキーの幅を狭くできる。また、それに伴ってロータ83、ロータケース84の径を、第1の実施形態のロータ13、ロータケース14より小さくできる。
【0075】
(6)ディンプルキー80には、大径凹部43及び小径凹部44がディンプルキー80の長さ方向において一部が重なるように配置されているため、第1の実施形態のディンプルキー12と鍵違い数が同じでも、キーの長さを短くできる。また、それに伴って、ロータ83、ロータケース84の軸方向長さを、第1の実施形態のロータ13、ロータケース14より短くでき、シリンダ錠の軸方向長さを第1の実施形態より短くできる。
【0076】
なお、実施形態は上記に限らず、例えば以下のように変更してもよい。
・ディンプルキー12,80に形成される大径,小径凹部43,44及び凹部が形成されていない部分の組み合わせは、上記の場合に限られず、2列にするのであれば、他の組み合わせに形成してもよい。第1〜第3板タンブラ21〜23は、その組み合わせに対応するように第1〜第5収容室31〜35に収容する。
【0077】
・各第1〜第5収容室31〜35は、大開口部55が第1係合溝51側になり、小開口部56が第2係合溝52側になるようにロータ13に形成されることに限られない。例えば上記と逆になるように、大開口部55が第2係合溝52側になり、小開口部56が第1係合溝51側になるようにロータ13に形成してもよい。そして、スプリング24の収容凹部57も第1係合溝51側に形成して、スプリング24及び第1〜第3板タンブラ21〜23を、上記と逆向きに各収容室に収容してもよい。
【0078】
・各収容室内の2つの板タンブラが、ともに第1係合溝51側に付勢されるように各収容室に収容されるように、各第1〜第5収容室31〜35が線対称な形状に形成されることに限られない。例えば、各収容室内の2つの板タンブラのうち、一方が第1係合溝51側に付勢され、他方が第2係合溝52側に付勢されるように収容できるように、各第1〜第5収容室31〜35を点対称な形状に形成する。そして、2つのスプリング24を互いに反対側からロータ13内に収容するとともに、2つの板タンブラを互いに反対側からロータ13内に収容してもよい。
【0079】
・第2の実施形態において、大径凹部43及び小径凹部44は、ディンプルキー80の軸方向において一部が重なったり点接触になるように配置されることに限られず、例えば軸方向において離れて配置してもよい。
【0080】
・第1の実施形態において、大径凹部43及び小径凹部44は、ディンプルキー12の長さ方向において離れて配置されることに限られず、例えば長さ方向において一部が重なったり点接触になるように配置してもよい。
【0081】
・ディンプルキー12,80に形成される解錠凹部は、大径凹部43と、小径凹部44との2種類に形成されることに限られず、3種類以上に形成してもよい。この場合、板タンブラの種類の数も、解錠凹部の種類の数に対応させて形成する。また、解錠凹部の大きさは一種類にしてもよい。
【0082】
・第1の実施形態において、第1及び第2サイドバー25,26が備えられることに限られず、例えばいずれか一方を備えなくてもよい。また、第1及び第2サイドバー25,26の両方を備えなくてもよい。
【0083】
・第2の実施形態において、板タンブラには、第1係合突部71と反対側において、例えばスプリングの隣に位置するように、板タンブラの摺動方向に延び、ロータ13の外側に向かうように係合突部を形成してもよい。そして、ロータの対応する箇所に、収容室からロータの外側に貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔に対向するように、シリンダ14aの内周面に係合凹部を形成する。この構成では、板タンブラがスプリングの付勢方向と反対向きに移動した場合には、前記係合突部が係合凹部に係合するため、この係合によっても、ロータ13の回動が不能になる。この場合、第1,第2サイドバー25,26を組付けなくてもよい。
【0084】
・第1の実施形態において、第1,第2サイドバー25,26が備えられている場合、第1係合突部71又は第2係合突部72を形成しなくてもよい。また、第1係合突部71及び第2係合突部72の両方を形成しなくてもよい。
【0085】
・第2の実施形態において、第1,第2サイドバー25,26が備えられている場合、第1係合突部71を形成しなくてもよい。
・第1及び第2の実施形態において、板タンブラを収容するロータの収容室は、5室に形成されることに限られず、例えば4室以下に形成してもよい。また、6室以上に形成してもよい。
【0086】
・第1及び第2の実施形態において、第1〜第5収容室31〜35は、隣り合う収容室間の間隔が等間隔になるように形成されることに限られず、例えば各間隔が異なるように形成し、その第1〜第5収容室の間隔に対応させてディンプルキー12の解錠凹部の間隔を決めてもよい。
【0087】
・第1及び第2の実施形態において、第1〜第3板タンブラは、ロータに形成された1つの収容室に2枚収容されることに限られず、例えば第1〜第5収容室の各収容室を、中心線に沿って壁で区画して、その各1つの収容室に1枚ずつ板タンブラを収容してもよい。
【0088】
・ディンプルキー12,80は、ディンプルキー12,80を180°回動させたときに、第1面41に形成される大径凹部43及び小径凹部44と、第2面42に形成される大径凹部43及び小径凹部44とが重なるようにリバーシブルに形成されることに限られない。例えば、第1面41及び第2面42の一方にのみ大径凹部43及び小径凹部44を形成し、他方の面には凹部を形成しなくてもよい。
【0089】
・シリンダ錠11は、車両のイグニッション装置に取り付けられることに限られず、例えば、車両のドアロック装置に取り付け、ロータ13に取り付けられる作用部材をドアロック装置に接続してもよい。
【0090】
・シリンダ錠11は、車両のイグニッション装置やドア等、車両に取り付けられることに限られず、他の用途に使用してもよい。例えば住宅のドア等に取り付けてもよい。
【0091】
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(1) 前記シリンダ錠において、前記ディンプルキーの長さ方向において隣り合う一部の前記解錠凹部同士は、点接触状態及び一部重なり合う状態のいずれか一方になるように形成されている。
【0092】
(2) 前記シリンダ錠において、前記板タンブラには、前記板タンブラが前記回動許容位置以外に位置するときに前記ロータの外側に飛び出して前記ロータを回動不能にするサイドバーが組み付けられている。
【0093】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜請求項3に記載の発明によれば、鍵違い数を確保したうえで小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンダ錠の模式分解斜視図。
【図2】(a)はディンプルキーの模式部分側面図、(b)は(a)のIIB−IIB線模式断面図、(c)はロータと板タンブラとの関係を示す模式部分側面図。
【図3】図2(c)のIII −III 線模式断面図。
【図4】同じくIV−IV線模式断面図。
【図5】(a)はキーを差し込んでいない状態のシリンダ錠の模式断面図、(b)は正しくないキーを差し込んだ状態のシリンダ錠の模式断面図。
【図6】第2の実施形態のディンプルキーの模式部分側面図。
【図7】図6のVII−VII線模式断面図。
【符号の説明】
11…シリンダ錠、12,80…ディンプルキー、13,83…ロータ、21〜23…第1〜第3板タンブラ、24…付勢手段としてのスプリング、25,26…第1,第2サイドバー、31〜35…第1〜第5収容室、43…解錠凹部としての大径凹部、44…同じく小径凹部、M…中心線、73…解錠凹部と係合する板タンブラの係合部としての解錠突部、81,82…第1,第2板タンブラ。

Claims (3)

  1. 複数の板タンブラ及びサイドバーを備えるロータに所定のキーが差し込まれることにより、前記板タンブラが、前記ロータを回動可能にする回動許容位置に移動されるとともに、前記板タンブラが前記回動許容位置に移動されることにより、前記サイドバーが、前記ロータを回動可能にする回動許容位置に移動され、その一方、前記ロータに前記所定のキーが差し込まれていないとき、前記板タンブラ及び前記サイドバーが、前記ロータを回動不能にする回動規制位置に移動されるシリンダ錠であって、
    前記キーは、前記板タンブラと係合可能な解錠凹部がキー表面に形成されたディンプルキーであり、前記各板タンブラは、前記解錠凹部と係合する状態又は前記キー表面と係合する状態で、前記回動許容位置に位置するように形成され、前記ロータには、前記ディンプルキーが前記ロータに差し込まれた状態に対応して、前記板タンブラが2枚ずつ前記ディンプルキーの幅方向に並ぶように収容され、前記ディンプルキーには、前記解錠凹部と係合する状態で前記回動許容位置に位置する前記板タンブラと対向するように、前記解錠凹部を形成し、同解錠凹部は、2枚ずつ前記ディンプルキーの幅方向に並ぶ前記板タンブラと対向するように、前記ディンプルキーの長さ方向において2列になるように配置されることを特徴とするシリンダ錠。
  2. 前記ロータには、前記ディンプルキーの幅方向に対応して並ぶ2枚の前記板タンブラを1室で収容可能な収容室が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のシリンダ錠。
  3. 前記ディンプルキーの幅方向において隣り合う一部の前記解錠凹部同士は、点接触状態又は一部重なり合う状態になるように形成され、前記解錠凹部と係合する前記板タンブラの係合部は、前記解錠凹部に対応して前記ディンプルキーの中心線側に寄るように形成され、前記板タンブラを前記ディンプルキー側に付勢する付勢手段は、前記板タンブラの係合部に対応して、前記ディンプルキーの中心線側に寄るように前記ロータに収容されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリンダ錠。
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