JP6037160B2 - 湿式多板クラッチの制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、湿式多板クラッチの制御装置に係り、特に内燃機関から変速装置(自動変速機)への動力を伝達又は遮断する湿式多板クラッチの異物を除去するための湿式多板クラッチの制御装置に関する。
従来、例えば、自動変速機等の変速装置(自動変速機)に設けられた多板クラッチとしては、クラッチドラム内に複数のクラッチ板を備え、これらクラッチ板に潤滑油を供給するよう構成された湿式多板クラッチが知られている。
この湿式多板クラッチに供給される潤滑油には、クラッチ板の配置部位を通過する際、摩耗粉や変化物等の異物が混入することがあり、この異物がクラッチ板に付着し、クラッチの係合を妨害するおそれがある。
この異物を除去するため、以下のような先行技術文献がある。
特開2001−165195号公報
特許文献1に係る湿式多板クラッチは、クラッチドラムの開口端の周壁部分に環状溝を設け、この環状溝に潤滑油を流入させて異物を除去するものである。
ところが、上記の特許文献1では、クラッチハブに油孔を形成し、この油孔からクラッチ板へ向けて潤滑油が流入するように誘導する必要があり、湿式多板クラッチの構造が複雑化するという不都合があった。
そこで、この発明の目的は、簡易な構造であって、クラッチ板の異物を確実に除去することができる湿式多板クラッチの制御装置を提供することにある。
この発明は、車両に搭載した変速装置に設けられた湿式多板クラッチを制御する湿式多板クラッチの制御装置において、前記湿式多板クラッチはクラッチドラム内に複数のクラッチ板を備え、前記クラッチ板の間隔を調整する間隔調整機構を設け、前記変速装置が中立状態であることを検出する中立検出手段を備えるとともに、前記中立検出手段により前記変速装置が中立状態であることを検出したときに前記クラッチ板の間隔を変化させる異物除去制御を所定時間繰り返して実行するように前記間隔調整機構を作動制御する異物除去手段を備える制御手段を設けたことを特徴とする。
この発明は、簡易な構造であって、クラッチ板の異物を確実に除去することができる。
図1は湿式多板クラッチの制御のフローチャートである。(実施例) 図2は異物除去制御時間のタイムテーブルである。(実施例) 図3は異物除去制御のフローチャートである。(実施例) 図4はクラッチ板間隔の変移量テーブルである。(実施例) 図5は潤滑油の高温時と低温時とにおけるオイルポンプの作動状態を示す図である。(実施例) 図6は湿式多板クラッチの制御装置のシステム構成図である。(実施例) 図7は異物除去が混入した状態の湿式多板クラッチの断面図である。(実施例) 図8は異物除去制御前の湿式多板クラッチの断面図である。(実施例) 図9は異物除去制御中の湿式多板クラッチの断面図である。(実施例) 図10は異物除去制御後の湿式多板クラッチの断面図である。(実施例)
この発明は、簡易な構造であって、クラッチ板の異物を確実に除去する目的を、変速装置が中立状態(ニュートラル状態)であることを検出したときに、クラッチ板の間隔を変化させる異物除去制御を実行して実現するものである。
図1〜図10は、この発明の実施例を示すものである。
図6において、1は車両に搭載されて内燃機関に連結する変速装置(自動変速機)である。この変速装置1には、内燃機関からの動力を伝達又は遮断するための湿式多板クラッチ2が設けられている。
この湿式多板クラッチ2は、動力伝達軸に連結されるクラッチドラム3を備えるとともに、このクラッチドラム3内で複数のクラッチ板として、例えば、アウタ側クラッチ板4・4・4・4及びインナ側クラッチ板5・5・5を備える。
クラッチドラム3は、動力伝達軸の軸心Cの軸方向Xに延びる第1アウタ側壁部6と、この第1アウタ側壁部6に内側へ延びた段差部7を介して連結し且つ動力伝達軸の軸心Cの軸方向Xに延びる第2アウタ側壁部8と、この第2アウタ側壁部8に連結して動力伝達軸の軸心Cの軸方向Xに対して直交方向(径方向)で内側に延びる中央壁部9と、この中央壁部9に連結して動力伝達軸の軸心Cの軸方向Xに延びて前記第1アウタ側壁部6・2アウタ側壁部8と対向するインナ側壁部10とからなる。
また、クラッチドラム3内では、第1アウタ側壁部6とインナ側壁部10との間で、クラッチギヤが一体のクラッチハブ11が動力伝達軸の軸心Cの軸方向Xに延びるように配置されている。
アウタ側クラッチ板4・4・4・4は、基端側が第1アウタ側壁部6の内周面に形成した所定長さのアウタ側スプライン部12に所定間隙で軸方向移動可能に係合して取り付けられとともに、先端側が自由端となって内側に向かって配置されている。
インナ側クラッチ板5・5・5は、基端側がクラッチハブ11の外周面に形成した所定長さのインナスプライン部13に所定間隔で軸方向移動可能に係合して取り付けられるとともに、先端側が自由端となってアウタ側クラッチ板4・4・4・4の間で外側に向かって配置されている。従って、アウタ側クラッチ板4・4・4・4とインナ側クラッチ板5・5・5とは、動力伝達軸の軸心Cの軸方向Xへ互い違いに配置されている。
このインナ側クラッチ板5の先端側の両面には、摩擦部材として、一側摩擦部材14と他側摩擦部材15とが取り付けられている。この一側摩擦部材14及び他側摩擦部材15は、締結時に、両側のアウタ側クラッチ板4・4に接触するようにアウタ側クラッチ板4・4間に配置されている。従って、各アウタ側クラッチ板4と各インナ側クラッチ板5の一側摩擦部材14・他側摩擦部材15は、動力伝達軸の軸心Cの軸方向Xで重合するように配置される。
また、湿式多板クラッチ2には、アウタ側クラッチ板4・4・4・4の間隔S1、及びインナ側クラッチ板5・5・5の間隔S2を調整する間隔調整機構16が設けられる。
この間隔調整機構16は、各クラッチ板4、5を軸方向へ加圧するように各クラッチ板4、5を圧接するクラッチピストン17と、このクラッチピストン17の移動量を調整するように油圧を供給する油圧供給機器としてのオイルポンプ18とを備えて構成された移動量調整機構である。つまり、この実施例では、間隔調整機構16は、クラッチピストン17の位置を油圧により制御する機構である。
この間隔調整機構16にあっては、クラッチドラム3内で、第2アウタ側壁部8とインナ側壁部10とに、アウタ側シール材19とインナ側シール材20とを介してクラッチピストン17が動力伝達軸の軸心Cの軸方向Xへ移動可能に設けられる。
このクラッチピストン17は、動力伝達軸の軸心Cの軸方向Xでアウタ側クラッチ板4及びインナ側クラッチ板5側に向かって延びるアウタピストン部21と、このアウタピストン部21に連結して動力伝達軸の軸心Cの軸方向Xに対して直交方向(径方向)で内側に延びる中央ピストン部22と、この中央ピストン部22に連結して動力伝達軸の軸心Cの軸方向Xに延びるインナピストン部23とからなる。アウタピストン部21の先端部でクラッチピストン17の当接部17Aは、一方側のアウタ側クラッチ板4に接して各クラッチ板4、5を動力伝達軸の軸心Cの軸方向Xへ移動させる。
これにより、クラッチドラム3内では、第2アウタ側壁部8と中央壁部9とインナ側壁部10と中央ピストン部22とに囲まれた油圧室24が形成される。また、インナ側壁部10には、油圧室24に連通するオイル孔25が形成される。
このオイル孔25には、動力伝達軸等に形成されたオイル通路26が連通する。油圧室24には、オイル通路26を経てオイルポンプ18からの作動用のオイル(一点鎖線で示す)が供給されて、クラッチピストン17へ油圧を付与させる。
この湿式多板クラッチ2にあっては、クラッチピストン17が油圧室24とは反対側からリターンスプリングによって付勢され、油圧室24に作用する油圧によりクラッチピストン17の当接部17Aがリターンスプリングの付勢力に抗して動力伝達軸の軸心Cの軸方向Xへ移動して各クラッチ板4、5を圧接し、クラッチドラム3とクラッチハブ11との間でトルク伝達を行う。
オイルポンプ18は、湿式多板クラッチ2の制御装置27の制御手段28によって作動制御される。この制御手段28には、湿式多板クラッチ2に用いられる潤滑油の温度(以下「油温」という)を検出する油温検出手段29と、変速装置1のシフトポジションを検出するシフトポジション検出手段30と、アクセルペダルが踏み込まれるとオンするアクセルペダル検出手段31とが連絡する。
制御手段28は、変速装置1が中立状態(ニュートラル状態)であることを検出する中立検出手段28Aを備えるとともに、この中立検出手段28Aにより変速装置1が中立状態であることを検出したときに、クラッチ板4・4、5・5の間隔を変化させる異物除去制御を実行するように間隔調整機構16を作動制御する異物除去手段28Bを備える。
また、制御手段28の異物除去手段28Bは、間隔調整機構16を作動制御して前記異物除去制御を所定時間繰り返して実行するとともに、前記所定時間を油温が低い程長く設定する。このため、制御手段28は、図2に示すように、異物除去制御時間のタイムテーブルを備える
更に、制御手段28の異物除去手段28Bは、油温が低い程クラッチ板4・4、5・5の間隔の変移量を大きくするように間隔調整機構16を作動制御する。このため、制御手段28は、図4に示すように、クラッチ板間隔の変移量テーブルを備える。
更にまた、制御手段28の異物除去手段28Bは、クラッチ板4・4、5・5の間隔を少なくともインナ側クラッチ板5の摩擦部材14・15と接触する程度に変化させるように間隔調整機構16を作動制御する。
また、制御手段28の異物除去手段28Bは、油温が低い程クラッチピストン17に加わる油圧を高くするように油圧調整機構16を作動制御する(図5参照)。
更に、制御手段28の異物除去手段28Bは、油温が低い程クラッチピストン17に加わる油圧の加圧時間を長くするように油圧調整機構を作動制御する(図4、図5参照)。
次に、湿式多板クラッチ2の制御について、図1のフローチャートに基づいて説明する。
図1に示すように、制御手段28のプログラムがスタートすると(ステップA01)、先ず、異物除去制御条件が成立したか否かを判断する(ステップA02)。
このステップA02における異物除去制御条件は、シフトポジションが、中立状態として、例えば、「P」レンジ又は「N」レンジヘ選択されている否かで判定される。シフトポジションは、シフトポジション検出手段30からの信号により判定される。ただし、シフトポジションが「D」レンジであっても、内燃機関の燃費向上のために、湿式多板クラッチ2を自動的に開放する、いわゆるニュートラル制御(中立制御)が実行される場合がある。異物除去制御は、このニュートラル制御中にも、実行することができる。具体的には、例えば、車両がアイドリング状態でニュートラル制御が実行中であると判断されると、異物除去制御条件が成立したものと判定することができる。
このステップA02がYESの場合には、油温に基づいて異物除去制御時間のタイムテーブル(図2参照)から異物除去制御時間を算出する(ステップA03)。具体的には、変速装置1の油温を油温検出手段29で検出し、この検出された油温に応じて異物除去制御時間が選択される。潤滑油中の異物は、潤滑油の粘性が高い、つまり、低温である程流動し難く、摩擦部材13・14付近から除去し難い性質を持っている。従って、油温が低く粘性が高い状態である程、異物除去制御時間を長くするように設定している。
そして、異物除去制御を実行する(ステップA04)。この異物除去制御は、後述の図3に沿って具体的に説明する。
その後、異物除去制御時間が経過したか否か、又は制御解除信号が検出されたか否かを判断する(ステップA05)。この制御解除信号は、例えば、アクセルペダル検出手段31によりアクセルペダルが踏まれたか否かで判定を行う。つまり、運転者が加速の意思を示したか否かを検出し、加速の意思があると判定すれば、異物除去制御を解除するように設定している。
このステップA05がNOの場合には、前記ステップA04に戻る。
一方、このステップA05がYESの場合、又は前記ステップA02がNOの場合には、このプログラムをエンドとする(ステップA06)。
図3には、図1の前記ステップA04における異物除去制御について説明する。
図3に示すように、異物除去制御のプログラムがスタートすると(ステップB01)、クラッチ板4・4、5・5の間隔の変移量を、クラッチ板間隔の変移量テーブル(図4参照)から油温に基づいてオイルポンプ18の加圧時間を設定して求める(ステップB02)。
そして、クラッチ制御を実行し(ステップB03)、プログラムをエンドとする(ステップB04)。
このクラッチ制御にあっては、クラッチピストン17の変移量は、油温が低い程大きくなるように設定される。具体的には、図5に示すように、オイルポンプ18の加圧時間を長くするか、あるいは油圧の圧力を大きくすることで、油温が高い時と比較して、クラッチピストン17の変移量を大きくする。また、潤滑油は、低温になる程粘度が高くなり、クラッチピストン17の動作を妨げるおそれがある。従って、上記の加圧時間又は圧力には、油温が低くなる程長く又は大きくなるように補正値が加算される。
図7〜図10には、湿式多板クラッチ2内で潤滑油に異物が混入からこの異物を除去するまでを説明する。
図7には、潤滑油に異物が混入した状態を示す。この状態では、油圧室24に作用する油圧によりクラッチピストン17の当接部17Aがリターンスプリングの付勢力に抗して動力伝達軸の軸心Cの軸方向Xへ移動して各クラッチ板4、5を圧接し、クラッチドラム3とクラッチハブ11との間でトルク伝達を行っている際で、湿式多板クラッチ2内の潤滑油に異物が混入すると、この異物がアウタクラッチ板4とインナクラッチ板5との間に付着して、その係合を妨害するおそれがある。
そして、図8に示すように、油圧室24への油圧が少なくなって、クラッチピストン17の当接部17Aが各クラッチ板4、5を圧接していない状態になり、ニュートラル制御(中立制御)が実行されると(異物除去制御前)、異物除去制御条件が成立したとする。
このように、異物除去制御条件が成立すると、図9に示すように、オイルポンプ18により油圧室24へ油圧を作用してクラッチピストン17の当接部17Aでクラッチ板4、5を圧接する(異物除去制御中)。
その後、図10に示すように、油圧室24への油圧を少なして、クラッチピストン17の当接部17Aをアウタ側クラッチ板4から離すと、潤滑油の異物を除去することができる(異物除去制御後)。
即ち、この実施例においては、内燃機関の始動時に、油温に応じた時間分、予め湿式多板クラッチ2を締結させることで、摩擦部材14、15に付着していると推測される異物を除去することができる。
内燃機関の始動時には、シフトポジションが、「P」レンジ、「N」レンジ(運転者のの発進意図がない)であれば、図2の異物除去制御時間のタイムテーブルから求めた時間分、湿式多板クラッチ2を作動させる。つまり、潤滑油の種類や温度変化に伴う性状変化に対応できるよう、図2の異物除去制御時間のタイムテーブルを用いる。そして、求めた異物除去制御時間分、湿式多板クラッチ2を作動させた場合、若しくは運転者のシフトチェンジ等による発進意図があった場合には、湿式多板クラッチ2の作動を止めて開放することで、通常制御に戻してフィーリングを確保する。また、湿式多板クラッチ2を締結させることで、クラッチ板4・4、5・5間に残存する潤滑油量を減らし、湿式多板クラッチ2の開放時の引きずり抵抗を低減させることも可能である。
以上、この発明の実施例について説明してきたが、上述の実施例の構成を請求項毎に当てはめて説明する。
先ず、請求項1に係る発明において、制御手段28は、変速装置1が中立状態であることを検出する中立検出手段28Aを備えるとともに、この中立検出手段28Aにより変速装置1が中立状態であることを検出したときにクラッチ板4・4、5・5の間隔を変化させる異物除去制御を所定時間繰り返して実行するように間隔調整機構16を作動制御する異物除去手段28Bを備える。
このような構成により、変速装置1が中立状態であるとき、異物除去手段28Bは間隔調整機構16を制御し、クラッチ板4・4、5・5の間隔を変化させるため、クラッチ板4・4、5・5の間に介在する潤滑油を流動させ、クラッチ板4・4、5・5に付着した異物を洗い流すことができる。従って、既存の湿式多板クラッチ2の構造を変更することなく、クラッチ板4・4、5・5に付着した異物を除去することができる。
請求項2に係る発明において、制御手段28には、湿式多板クラッチ2に用いられる潤滑油の温度である油温を検出する油温検出手段29を連絡する。制御手段28の異物除去手段28Bは、間隔調整機構16を作動して異物除去制御を所定時間繰り返して実行するとともに、前記所定時間を油温が低い程長く設定する。
このような構成により、油温が低下して粘性が高い状態となっても、異物除去を長期間実行するため、異物を除去する性能を向上させることができる。
請求項3に係る発明において、制御手段28には、湿式多板クラッチ2に用いられる油温を検出する油温検出手段29を連絡する。制御手段28の異物除去手段28Bは、油温が低い程、クラッチ板4・4、5・5の間隔の変移量を大きくするように間隔調整機構16を作動制御する。
このような構成により、湿式多板クラッチ2の潤滑油は、油温が高い状態では粘度が低く流動し易いため、クラッチ板4・4、5・5の間隔の変移量が小さくとも異物を除去することができる。このような場合には、クラッチ板4・4、5・5の間隔の変移量を小さくし、消耗部品の劣化等を防止した方が良い。
一方、例えば、外気温度が低温となり潤滑油が冷やされ、粘度が高くなるような状態おいては、潤滑油の抵抗が大きくなるため、異物がクラッチ板4・4、5・5の間に残留するおそれがある。
そこで、上記のように、油温検出手段29により油温を検出し、この検出された油温が低くなる程、クラッチ板4・4、5・5の間隔の変移量を大きくなるように制御することで、油温が低い状態であっても異物を除去することができ、かつ油温が高い場合には、消耗部品の劣化を防止することができる。
請求項4に係る発明において、湿式多板クラッチ2は、締結時にアウタ側クラッチ板4・4に接触するようにクラッチ板4・4の間に配置されたインナ側クラッチ板5に摩擦部材14、15を備える。制御手段28の異物除去手段28Bは、クラッチ板4・4、5・5の間隔を少なくとも摩擦部材14、15と接触する程度に変化させるように間隔調整機構16を作動制御する。
従来、湿式多板クラッチ2の摩擦部材14、15には、表面及びその内部に微細孔が形成されており、これら微細孔に異物が混入することがある。このように摩擦部材14、15に異物が混入するような場合、湿式多板クラッチ2を締結しても、クラッチ板4・4、5・5と異物とが接触し、滑りが発生するおそれがある。
そこで、上記のような構成により、クラッチ板4・4、5・5の間隔を少なくとも摩擦部材14、15に接触する程度に変化させるため、摩擦部材14、15の表面に付着した異物に振動を加え、摩擦部材14、15から脱離させることができる。また、さらにクラッチ板4・4、5・5の間隔を狭めた場合、摩擦部材14、15は加圧され微細孔が変形するため、これら微細孔に混入した異物を押し出すことができる。
請求項5に係る発明において、制御手段28には、湿式多板クラッチ2に用いられる油温を検出する油温検出手段29を連絡する。間隔調整機構16は、クラッチ板4・4、5・5を軸方向へ加圧するようにクラッチ板4・4、5・5に接したクラッチピストン17と、このクラッチピストン17の移動量を調整するように油圧を供給する油圧供給機器であるオイルポンプ18とを備えて構成された移動量調整機構である。制御手段28の異物除去手段28Bは、油温が低い程クラッチピストン17に加わる油圧を高くするようにオイルポンプ18を作動制御する。
このような構成によれば、潤滑油の粘度が高くなり、クラッチピストン17が動作し難くなった場合であっても、油圧を高くすることでクラッチピストン17に加わる圧力を高めることができるため、短時間で所望の位置までクラッチピストン17を移動させることができる。
請求項6に係る発明において、制御手段28には、湿式多板クラッチ2に用いられる油温を検出する油温検出手段29を連絡する。間隔調整機構16は、クラッチ板4・4、5・5を軸方向へ加圧するようにクラッチ板4・4、5・5に接したクラッチピストン17と、このクラッチピストン17の移動量を調整するように油圧を供給する油圧供給機器であるオイルポンプ18とを備えて構成された移動量調整機構である。制御手段28の異物除去手段28Bは、油温が低い程クラッチピストン17に加わる油圧の加圧時間を長くするようにオイルポンプ18を作動制御する。
このような構成によれば、潤滑油の粘度が高くなり、クラッチピストン17が動作し難くなった場合であっても、クラッチピストン17に加える油圧の加圧時間を長くするため、所望の位置までクラッチピストン17を移動させることができる。
なお、この発明においては、 DCT(デュアルクラッチトランスミッション)の場合は、「P」レンジ、「N」レンジ以外でもクラッチ作動を可能とする。「D」レンジの1速の際には、2速軸側のシフトポジションがニュートラル(中立)であれば、even軸側のクラッチを締結させても、インタロックしない。クラッチ板間のオイル量が増加して引きずり抵抗が大きくなった際に、クラッチ作動させれば、燃費向上につなげることが可能となる。
この発明に係る変速装置を、各種内燃機関に適用することが可能である。
1 変速装置
2 湿式多板クラッチ
3 クラッチドラム
4 アウタ側クラッチ板
5 インナ側クラッチ板
11 クラッチハブ
14 一側摩擦部材
15 他側摩擦部材
16 間隔調整機構(移動量調整機構)
17 クラッチピストン
18 オイルポンプ(油圧供給機器)
24 油圧室
25 オイル孔
27 制御装置
28 制御手段
28A 中立検出手段
28B 異物除去手段
29 油温検出手段
30 シフトポジション検出手段
31 アクセルペダル検出手段

Claims (6)

  1. 車両に搭載した変速装置に設けられた湿式多板クラッチを制御する湿式多板クラッチの制御装置において、前記湿式多板クラッチはクラッチドラム内に複数のクラッチ板を備え、前記クラッチ板の間隔を調整する間隔調整機構を設け、前記変速装置が中立状態であることを検出する中立検出手段を備えるとともに、前記中立検出手段により前記変速装置が中立状態であることを検出したときに前記クラッチ板の間隔を変化させる異物除去制御を所定時間繰り返して実行するように前記間隔調整機構を作動制御する異物除去手段を備える制御手段を設けたことを特徴とする湿式多板クラッチの制御装置。
  2. 前記湿式多板クラッチに用いられる潤滑油の温度を検出する油温検出手段を前記制御手段に連絡し、前記制御手段の前記異物除去手段は、前記間隔調整機構を作動して前記異物除去制御を所定時間繰り返して実行するとともに、前記所定時間を前記油温検出手段により検出された潤滑油の温度が低い程長く設定することを特徴とする請求項1に記載の湿式多板クラッチの制御装置。
  3. 前記湿式多板クラッチに用いられる潤滑油の温度を検出する油温検出手段を前記制御手段に連絡し、前記制御手段の前記異物除去手段は、前記油温検出手段により検出された潤滑油の温度が低い程前記クラッチ板の間隔の変移量を大きくするように前記間隔調整機構を作動制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の湿式多板クラッチの制御装置。
  4. 前記湿式多板クラッチは、締結時に前記クラッチ板に接触するように前記クラッチ板の間に配置された摩擦部材を備え、前記制御手段の前記異物除去手段は、前記クラッチ板の間隔を少なくとも前記摩擦部材と接触する程度に変化させるように前記間隔調整機構を作動制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の湿式多板クラッチの制御装置。
  5. 前記湿式多板クラッチに用いられる潤滑油の温度を検出する油温検出手段を前記制御手段に連絡し、前記間隔調整機構は、前記クラッチ板を軸方向へ加圧するように前記クラッチ板に接したクラッチピストンと、前記クラッチピストンの移動量を調整するように油圧を供給する油圧供給機器とを備えて構成された移動量調整機構であって、前記制御手段の前記異物除去手段は、前記油温検出手段により検出された潤滑油の温度が低い程前記クラッチピストンに加わる油圧を高くするように前記油圧供給機器を作動制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の湿式多板クラッチの制御装置。
  6. 前記湿式多板クラッチに用いられる潤滑油の温度を検出する油温検出手段を前記制御手段に連絡し、前記間隔調整機構は、前記クラッチ板を軸方向へ加圧するように前記クラッチ板に接したクラッチピストンと、前記クラッチピストンの移動量を調整するように油圧を供給する油圧供給機器とを備えて構成された移動量調整機構であって、前記制御手段の前記異物除去手段は、前記油温検出手段により検出された潤滑油の温度が低い程前記クラッチピストンに加わる油圧の加圧時間を長くするように前記油圧供給機器を作動制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の湿式多板クラッチの制御装置。
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