JP6032569B2 - 作業車輌の原動部構造 - Google Patents
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Description
また、ファンの機体内側に三の脚部が延設されているために、該脚部によりファンの送風が阻害され、ファンの吸入・排気効率が低下する虞があり、組立作業の負担も大きくなる虞があった。
請求項1に係る発明は、操作者が搭乗する操縦席(6)の下方にエンジンルーム(8)を設け、前記エンジンルーム(8)におけるエンジン(E)よりも外側の部位にラジエータ(80)を配置し、該ラジエータ(80)の外側の部位に濾過体(12)を配置し、前記エンジン(E)とラジエータ(80)の間の部位にファン(40)を配置し、前記エンジン(E)の駆動力を変速してファン(40)を駆動する正逆転出力可能な油圧式無段変速機(30)を設け、前記ファン(40)を支持する回転軸(41)に装着した第1プーリ(42)と、前記油圧式無段変速機(30)の出力軸(33)に装着した第2プーリ(34)にベルト(35)を巻回し、前記回転軸(41)の軸心方向視で、前記ベルト(35)を挟んで第1フレーム(46A)と第2フレーム(46B)を平行に配置し、該第1フレーム(46A)と第2フレーム(46B)の間に架設された支持部(46C)によって前記回転軸(41)を回転自在に軸支し、前記第1フレーム(46A)と第2フレーム(46B)と支持部(46C)を一体形成して支持体(46)とし、前記第1フレーム(46A)の下部と第2フレーム(46B)の下部を連結する下側フレーム(47A)と、前記第1フレーム(46A)の上部と第2フレーム(46B)の上部を連結する上側フレーム(47B)を一体形成して前記支持体(46)とし、前記ラジエータ(80)を支持するラジエータフレーム(82)の内側に、前記ファン(40)の外周部を取囲むシュラウド(81)を設け、前記支持部(46C)における回転軸(41)を軸受けする支持中心部(46D)の外径を、前記ファン(40)の羽根(40A)の基部を支持する中心部(40B)の外径よりも小径に形成し、前記シュラウド(81)の内面部位に、前記出力軸(33)を回転自在に軸支する支持部材(60)を設け、前記回転軸(41)の軸心方向視で、前記ファン(40)の外周部に、前記支持部材(60)を配置した作業車輌の原動部構造である。
また、支持部(46C)における回転軸(41)を軸受けする支持中心部(46D)の外径を、ファン(40)の羽根(40A)の基部を支持する中心部(40B)の外径よりも小径に形成しているので、支持部(46C)の中心部(46D)がファン(40)の送風の障害になりにくくエンジン(E)をさらに効率良く冷却することができる。
さらに、シュラウド(81)の内面部位に、出力軸(33)を回転自在に軸支する支持部材(60)を設け、回転軸(41)の軸心方向視で、ファン(40)の外周部に、支持部材(60)を配置しているので、支持部材(60)がファン(40)の送風の障害になりにくく、エンジン(E)を効率良く冷却することができる。
なお、カバー11の濾過体12A、12B、12Cの目合いは、同一にすることもできるが、ファン40と対向する部位の上側に配置されている濾過体12Aの目合いを大きくし、ファン40と対向する部位に配置されている濾過体12B、12Cの目合いを小さくするのが好適である。
ラジエータ80の下部は、固定部材を介して機体フレーム1に取付けられ、ラジエータ80の左部には、ファン40の回転軸41の軸心方向視で略四角形状に形成されたラジエータフレーム82がラジエータ80の外周部を取囲むように装着されている。また、ラジエータフレーム82の左側側部には、ファン40の正転駆動状態時の外気の吸入効率と逆転駆動状態時の内気の排気効率を高めるために、ファン40と対向する部位に開口部81Aが開口されたシュラウド81がファン40の外周部を取囲むように着脱自在に取付けられている。
また、ラジエータ80の右側には、所定の間隔を隔てて走行用ミッション等の駆動用オイルを冷却するオイルクーラ85と、エンジンEの燃焼用の混合気を冷却するインタークーラ90が設けられている。なお、オイルクーラ85とインタークーラ90は、ラジエータ80とカバー11の間に設けられており、固定部材を介して機体フレーム1に取付けられている。
同様に、操縦席6のステップ側に位置するエンジンルーム8の前側プレート13は、外側プレート13Aと内側プレート13Bを積層した2重構造に形成されている。なお、外側プレート14Aと外側プレート13Aは、折曲げ加工により一体形成され、同様に内側プレート14Bと内側プレート13Bも折曲げ加工により一体形成されている。
次に、ファン40及びファン40の支持構造について説明する。図7〜9に示すように、ファン40は、羽根40Aと、羽根40Aの基部を支持する中心部40Bから形成され、中心部40Bは、回転軸41の右側端部に装着されている。
回転軸41は、回転軸41における中心部40Bを装着した部位の左側近傍に並設した2個のベアリングを介して、支持部45に回転自在に軸支されている。図7に示すように、支持部45は、略楕円形状に形成されており、楕円の長手方向の両端部45A,45Bは、それぞれフレーム43,44に固着されている。また、ファン40の正転駆動状態時の外気の吸入効率と逆転駆動状態時の内気の排気効率を高めるために、支持部45の支持中心部45Cの外径は、ファン40の中心部40Bの外径よりも小さく形成されている。
また、図8,9に示すように、フレーム43,44は、ベルト35等の保守・点検時の安全性を高めるために、プーリ34とプーリ42に巻回されたベルト35とフレーム43,44の中央部43C,44Cが略平行、すなわち、シュラウド81左側面からのベルト35と中央部43C,44Cの離間距離が略同一に設定されている。
なお、ファン40の正転駆動状態時の外気の吸入効率と逆転駆動状態時の内気の排気効率を高めるために、フレーム43,44は、ファン40の中心部40Bを中心として上下方向に対称な位置に配置し、フレーム43,44の間隔をファン40の中心部40Bの外径よりもわずかに大きくするのが好適である。
部品点数を削減するために、支持体46は、回転軸41を軸支する支持部45に対応する支持部46Cと、支持部45の長手方向の両端部45A,45Bが固着されるフレーム43,44に対応するフレーム46A,46Bを一体的に形成している。
また、支持体46の剛性、特にフレーム46A,46Bの剛性を高めるために、フレーム(請求項の「第1フレーム」)46Aとフレーム(請求項の「第2フレーム」)46Bの下側端部を連結する下側フレーム47Aと、フレーム46Aとフレーム46Bの上側端部を連結する上側フレーム47Bを一体的に形成するのが好適であり、フレーム46A,46Bの端部をシュラウド81に容易に固着でき、高靱、高強度の鋳鋼材料で形成するのが好適である。
また、プーリ34とプーリ42に巻回されたベルト35の横引き荷重による回転軸41等の変形を防止するために、側面視でプーリ34とプーリ42に巻回されたベルト35をフレーム46A,46Bの間に配置するようにシュラウド81の後部下側から前部上側に向けて平行に延在している。
さらに、フレーム46A,46Bは、ベルト35等の保守・点検時の安全性を高めるために、プーリ34とプーリ42に巻回されたベルト35とフレーム46A,46Bの中央部が略平行、すなわち、シュラウド81左側面からのベルト35とフレーム46A,46Bの中央部の離間距離が略同一に設定されている。
次に、プーリ34側の出力軸33の端部の支持構造について説明する。図10に示すように、出力軸33の右側端部は、支持部材60により支持されている。支持部材60は、側面視でシュラウド81の開口部81A側に台形形状の切欠き部61Aが形成された第1フレーム61と、側面視で第1フレーム61の切欠き部61Aと反対側面に締結手段によって着脱自在に装着された第2フレーム62と、側面視で第1フレーム61の上側傾斜面に固着された第3フレーム63から構成されている。第1フレーム61の下側傾斜面には、ロール35Bと反対側のテンションアーム35Aの基部に接続された押圧を調整するスプリング35Cの下部を取付けるステー64が固着されている。
なお、図15,16に示す支持体46における支持部材60では、第1フレーム61、第3フレーム63に相当する部材として、前記上側フレーム47Bが設けられ、この上側フレーム47Bの上部に第2フレーム62がボルト等により締結されている。
次に、ファン用油圧式無段変速装置30の支持構造について説明する。ファン用油圧式無段変速装置30の駆動によって発生する振動、騒音の操縦席6への伝播を防止するために、ファン用油圧式無段変速装置30を搭載する載台30Aは、2本の前後支持フレーム37,38によって支持されている。なお、前後支持フレーム37,38は、機体フレーム1を介して、間接的に操縦席6を支持する支持フレーム6A,6Bと接続されている。
また、図5,6に示すように、前側フレーム37は、左側面視で下部から上方に向かって直線状に延在した後に、後側に向かって略90度湾曲し、その後に後側に向かって延在して上部に至り、前側フレーム37の上部は、ファン用油圧式無段変速装置30を搭載する載台30Aの前後方向の前部に固着されている。
また、図5,6に示すように、後側フレーム38は、左側面視で下部から上方に向かって直線状に延在して上部に至り、後側フレーム38の上部は、ファン用油圧式無段変速装置30を搭載する載台30Aの前後方向の後部に固着されている。
また、先端部にロール73Bを備えたテンションアーム73Aの組立作業を容易にするために、テンションアーム73Aを回転自在に支持する支軸73Dを前側支持フレーム37の湾曲部に設け、ロール73Bとは反対側のテンションアーム73Aの基部に接続された押圧を調整するスプリング73Cの上部を取付けるステー30Bをファン用油圧式無段変速装置30の左側面に設けるのが好適である。
次に、オイルクーラ85等のオイルの流れを制御する制御バルブ92と操縦席6に設けられたコントローラ(図示省略)を接続する電気配線を固定するガイド93について説明する。図17に示すように、ガイド93の前端部は、機体フレーム1の左前側に設けられた刈取装置4を支持する左側懸架台56Bの下部に固着され、ガイド93の後端部は、機体フレーム1の左右方向中間部に取付けられたローリングシリンダ91Aに隣接して設けられたプレート94に固着されている。なお、プレート94には、電気部品であるハーネスが固定されている。
次に、エンジンEによって加熱された温水を操縦席6に循環するヒータホース96を固定する固定フレーム97について説明する。なお、ヒータホース96は、エンジンEとラジエータ80を接続するホースから分岐している。
図18,19に示すように、前後方向に延在する固定フレーム97の前端部は、防振ゴム98Aを介して後側支持フレーム38の上側部に取付けられ、固定フレーム97の後端部は、防振ゴム98Bを介して支持フレーム6Aの上側部に取付けられている。これにより、ファン用油圧式無段変速装置30の駆動によって発生する振動は、防振ゴム78A,78Bで遮断され、ヒータホース96への伝播が防止されてヒータホース96の劣化を防止することができる。また、固定フレーム97には、ヒータホース96の他に電気部品を固定することができる。
8 エンジンルーム
12 濾過体
30 ファン用油圧式無段変速装置(油圧式無段変速装置)
33 出力軸
34 プーリ(第2プーリ)
35 ベルト
40 ファン
40A 羽根
40B 中心部
41 回転軸
42 プーリ(第1プーリ)
46 支持体
46A フレーム(第1フレーム)
46B フレーム(第2フレーム)
46C 支持部
46D 支持中心部
47A 下側フレーム
47B 上側フレーム
60 支持部材
80 ラジエータ
81 シュラウド
82 ラジエータフレーム
E エンジン
Claims (3)
- 操作者が搭乗する操縦席(6)の下方にエンジンルーム(8)を設け、
前記エンジンルーム(8)におけるエンジン(E)よりも外側の部位にラジエータ(80)を配置し、該ラジエータ(80)の外側の部位に濾過体(12)を配置し、前記エンジン(E)とラジエータ(80)の間の部位にファン(40)を配置し、
前記エンジン(E)の駆動力を変速してファン(40)を駆動する正逆転出力可能な油圧式無段変速機(30)を設け、
前記ファン(40)を支持する回転軸(41)に装着した第1プーリ(42)と、前記油圧式無段変速機(30)の出力軸(33)に装着した第2プーリ(34)にベルト(35)を巻回し、
前記回転軸(41)の軸心方向視で、前記ベルト(35)を挟んで第1フレーム(46A)と第2フレーム(46B)を平行に配置し、該第1フレーム(46A)と第2フレーム(46B)の間に架設された支持部(46C)によって前記回転軸(41)を回転自在に軸支し、
前記第1フレーム(46A)と第2フレーム(46B)と支持部(46C)を一体形成して支持体(46)とし、
前記第1フレーム(46A)の下部と第2フレーム(46B)の下部を連結する下側フレーム(47A)と、前記第1フレーム(46A)の上部と第2フレーム(46B)の上部を連結する上側フレーム(47B)を一体形成して前記支持体(46)とし、
前記ラジエータ(80)を支持するラジエータフレーム(82)の内側に、前記ファン(40)の外周部を取囲むシュラウド(81)を設け、
前記支持部(46C)における回転軸(41)を軸受けする支持中心部(46D)の外径を、前記ファン(40)の羽根(40A)の基部を支持する中心部(40B)の外径よりも小径に形成し、
前記シュラウド(81)の内面部位に、前記出力軸(33)を回転自在に軸支する支持部材(60)を設け、
前記回転軸(41)の軸心方向視で、前記ファン(40)の外周部に、前記支持部材(60)を配置した作業車輌の原動部構造。 - 前記支持体(46)を鋳綱材料によって形成した請求項1記載の作業車輌の原動部構造。
- 前記支持部材(60)を上側フレーム(47B)と、該上側フレーム(47B)の上部に固定される支持フレーム(62)で形成し、該支持フレーム(62)の上部に、前記出力軸(33)の端部に設けられたベアリングの外周部を固定した請求項1記載の作業車輌の原動部構造。
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