JP6028300B2 - Abo式血液型を判定するためのプライマーセット及びプローブ - Google Patents
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Description
(1)ABO式血液型におけるB型を判定するためのB型判定領域を特異的に増幅するプライマーセットであって、以下(I)〜(III)に示すいずれかのプライマーセット。
(I)配列番号1の塩基配列からなるプライマーと配列番号2の塩基配列からなるプライマーとからなるプライマーセット。
(II)配列番号1の塩基配列からなるプライマーと配列番号3の塩基配列からなるプライマーとからなるプライマーセット。
(III)配列番号4の塩基配列からなるプライマーと配列番号5の塩基配列からなるプライマーと配列番号6の塩基配列からなるプライマーと配列番号7の塩基配列からなるプライマーとからなるプライマーセット。
(2)ABO式血液型におけるO型を判定するためのO型判定領域を特異的に増幅するプライマーセットであって、配列番号8の塩基配列からなるプライマーと配列番号9の塩基配列からなるプライマーとからなるプライマーセット。
(3)上記(1)記載のプライマーセットにより増幅したB型判定領域を検出するA型アレル又はO型アレル判定プローブであって、配列番号10の塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的な塩基配列を含む20塩基以上の塩基配列からなり、Tm値が65℃以上である、A型アレル又はO型アレル判定プローブ。
(4)配列番号11〜15のいずれかの塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的な塩基配列からなることを特徴とする(3)記載のA型アレル又はO型アレル判定プローブ。
(5)上記(1)記載のプライマーセットにより増幅したB型判定領域を検出するB型アレル判定プローブであって、配列番号16の塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的な塩基配列を含む18塩基以上の塩基配列からなり、Tm値が60℃以上である、B型アレル判定プローブ。
(6)配列番号17〜21のいずれかの塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的な塩基配列からなることを特徴とする(5)記載のB型アレル判定プローブ。
(7)上記(3)又は(4)記載のA型アレル又はO型アレル判定プローブ及び/又は上記(5)又は(6)記載のB型アレル判定プローブが担体上に固定化されてなる、ABO式血液型を判定するためのマイクロアレイ。
(8)被検者のABO式血液型を判定する方法であって、
被検者由来の試料からゲノムDNAを抽出する工程と、
抽出したゲノムDNAを鋳型とし、上記(1)記載のプライマーセットによりB型判定領域を増幅し、上記(2)記載のプライマーセットによりO型判定領域を増幅する工程と、
上記(3)又は(4)記載のA型アレル又はO型アレル判定プローブ若しくは上記(5)又は(6)記載のB型アレル判定プローブと増幅核酸を接触させる工程と、
各プローブと増幅核酸とのハイブリダイズを検出し、ハイブリダイズした核酸の比に基づいてABO式血液型を判定する工程とを含む、前記方法。
(9)上記(1)記載のプライマーセット及び上記(2)記載のプライマーセットと、上記(7)記載のマイクロアレイとを含む、ABO式血液型判定用キット。
本発明におけるB型判定領域は、いわゆる796C/A及び803G/Cにて特定される一対の多型を含む領域を意味する。B型の場合、796C/A及び803G/CがそれぞれA及びCであり、A型及びO型の場合、796C/A及び803G/CがそれぞれC及びGである。
本発明におけるO型判定領域は、いわゆる261G/Δにて特定される多型を含む領域を意味する。O型の場合、261G/Δが欠損しており、O型以外の場合、261G/ΔがGである。
上述した「B型判定領域を特異的に増幅するプライマーセット」を用いて増幅したB型判定領域は、本発明に係る「B型判定領域を検出するプローブ」にて高精度に検出することができる。ここで、B型判定領域は、上述したように、796C/A 及び803G/Cを含む領域である。B型の遺伝子において796C/A 及び803G/CはそれぞれA及びCであり、A型及びO型の遺伝子において796C/A 及び803G/CはそれぞれC及びGである。言い換えると、増幅したB型判定領域に含まれる796C/A 及び803G/CがそれぞれC及びGである場合、A型アレル及びO型アレルのいずれかであると判断される。また、B型判定領域に含まれる796C/A 及び803G/CがそれぞれA及びCである場合、B型アレルであると判断される。
上述した「O型判定領域を特異的に増幅するプライマーセット」を用いて増幅したO型判定領域は、上述したB型判定領域を検出するプローブと同様に、所定の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを用いて検出することができる。ここで、O型判定領域は、上述したように、261G/Δを含む領域である。O型の遺伝子において261G/ΔはGが欠失しており、O型以外の遺伝子において261G/ΔはGが存在している。言い換えると、増幅したO型判定領域に含まれる261G/Δが欠失してい場合、O型アレルであると判断される。また、O型判定領域に含まれる261G/ΔがGである場合、O型以外のアレルであると判断される。
本発明はまた、被検者のABO式血液型を判定する方法に関する。本発明の方法では、被検者(通常、ヒト被検者をさす)の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、上述したプライマーセットを用いた増幅反応によってB型判定領域及び/又はO型判定領域を増幅し、得られたB型判定領域及び/又はO型判定領域と上記プローブを接触させるハイブリダイゼーション法においてプローブにハイブリダイズした核酸を測定し、その結果に基づいて血液型を判定する方法である。
先ず、上述したA型アレル又はO型アレル判定プローブ及びB型判定プローブに対するB型判定領域のハイブリダイズを検出する。被験者の血液型がAA型、AO型及びOO型のいずれかである場合、A型アレル又はO型アレル判定プローブへのハイブリダイズが検出され、B型アレル判定プローブへのハイブリダイズは実質的に検出されない(検出限界以下又はバックグラウンド以下)。一方、被験者の血液型がBB型の場合には、A型アレル又はO型アレル判定プローブへのハイブリダイズは実質的に検出されず、B型アレル判定プローブへのハイブリダイズが検出される。さらに、被験者の血液型がAB型及びBO型のいずれかである場合には、A型アレル又はO型アレル判定プローブ及びB型アレル判定プローブへのハイブリダイズがともに検出される。
<チップの作製>
表7に示すA型アレル又はO型アレル判定プローブ、表8に示すB型アレル判定プローブ、表9に示すO型アレル判定用プローブ(WO 2009/130797)及び表10に示す位置プローブをそれぞれジーンシリコンの所定の位置にスポットし、固定化を行い、チップを作製した。なお、具体的なチップの担体基板材料、固定化に使用した試薬、固定化方法等についてはWO 2009/130797の実施例に記載した方法に準じた。
本実施例では、B型判定領域を増幅するためのプライマーセット、O型判定領域を増幅するためのプライマーセット及び人獣判定領域を増幅するためのプライマーセットを含む、表11〜13に示す3種類のプライマーミックスを作製した。なお、表11に示したプライマーミックスは、B型判定領域を特異的に増幅するプライマーセット(I)を含んでいる。表12に示したプライマーミックスは、B型判定領域を特異的に増幅するプライマーセット(II)を含んでいる。表13に示したプライマーミックスは、B型判定領域を特異的に増幅するプライマーセット(III)を含んでいる。
以上のように調製した3種類のプライマーミックスを用いてPCRを行い、B型判定領域及びO型判定領域を同時に増幅した。PCRのプレミックスの組成を表16に示した(各プライマーセット分計183本)。
上述の反応液組成及び反応条件でPCRを実施した後、反応液とハイブリダイズ緩衝液(3×SSC/0.3%SDS/0.4 nM Cy5標識オリゴDNA(シグマジェノシス))を2:1で混合し、この溶液を3μLとり、ハイブリカバーの中央凸部の上に滴下して、これをチップに被せ、54℃に設定したハイブリダイズチャンバー装置(東洋鋼鈑)で1時間反応させた。
ハイブリダイズ反応終了後、洗浄用ステンレスホルダーを2×SSC/0.2% SDS溶液に浸し、ハイブリカバーをはずしたチップをホルダーにセットした。上下に数回振動させた後、チップの蛍光強度を検出するまでホルダーを2×SSC溶液(室温)に浸した。
先ず、チップに固定したプローブから検出された蛍光強度を指標としてプローブの評価を行った。表7に示したA型アレル又はO型アレル判定プローブ1〜13については、B型アレルがない検体(AA、AO及びOO型)を用いたときの蛍光強度の平均を算出し、蛍光強度平均値が1000以上のプローブを検出可能として、評価「○」とした。結果を表18に示した。
上述した3種類のプライマーセットを用いて増幅したB型判定領域について、B型判定値はB型アレル判定プローブの蛍光強度/A,O型アレル判定プローブとB型判定プローブの蛍光強度の平均値より算出した値を判定値とした。この時、各種プローブを使用した場合の判定値の平均値、標準偏差及び3σを算出した。これらの算出結果を表20〜22に示した。表20〜22は、それぞれB型判定領域を特異的に増幅するプライマーセット(I)〜(III)を使用したとき(すなわち表11〜13のプライマーミックス)の結果を示している。また、表20〜22において「プローブA,O」とした欄は、A型アレル又はO型アレル判定プローブの種類(表7に示した13種類)を示している。表20〜22において「プローブB」とした欄は、B型アレル判定プローブの種類(表8に示した6種類)を示している。
本実施例では、WO 2009/130797で開示されたプライマーセットと、実施例1で設計したABO_261_O_Fw(配列番号8)及びABO_261_O_Rv(配列番号9)のプライマーセットとの性能を評価した。具体的に、各プライマーセットで増幅したO型判定領域を、WO 2009/130797で開示されたO型アレル判定用プローブ(実施例1の表9)で検出する際の精度を指標にして評価した。
Claims (2)
- 被検者のABO式血液型を判定する方法であって、
被検者由来の試料からゲノムDNAを抽出する工程と、
抽出したゲノムDNAを鋳型とし、ABO式血液型におけるB型を判定するためのB型判定領域を特異的に増幅するプライマーセットであって、以下(A)及び/又は(B)のプライマーセットによりB型判定領域を増幅し、
(A)配列番号1の塩基配列からなるプライマーと配列番号3の塩基配列からなるプライマーとからなるプライマーセット
(B)配列番号4の塩基配列からなるプライマーと配列番号5の塩基配列からなるプライマーと配列番号6の塩基配列からなるプライマーと配列番号7の塩基配列からなるプライマーとからなるプライマーセット
ABO式血液型におけるO型を判定するためのO型判定領域を特異的に増幅するプライマーセットであって、配列番号8の塩基配列からなるプライマーと配列番号9の塩基配列からなるプライマーとからなるプライマーセットによりO型判定領域を増幅する工程と、
配列番号14又は15の塩基配列若しくは当該塩基配列に対して相補的な塩基配列からなるA型アレル又はO型アレル判定プローブ、配列番号19〜21のいずれかの塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的な塩基配列からなるB型アレル判定プローブ、及び配列番号30の塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的な塩基配列からなるプローブと配列番号31の塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的な塩基配列からなるプローブとからなる一対のO型アレル判定プローブと増幅核酸を接触させる工程と、
各プローブと増幅核酸とのハイブリダイズを検出し、ハイブリダイズした核酸の比に基づいてABO式血液型を判定する工程と
を含む、前記方法。 - ABO式血液型におけるB型を判定するためのB型判定領域を特異的に増幅する、以下(A)及び/又は(B)のプライマーセットと、
(A)配列番号1の塩基配列からなるプライマーと配列番号3の塩基配列からなるプライマーとからなるプライマーセット
(B)配列番号4の塩基配列からなるプライマーと配列番号5の塩基配列からなるプライマーと配列番号6の塩基配列からなるプライマーと配列番号7の塩基配列からなるプライマーとからなるプライマーセット
ABO式血液型におけるO型を判定するためのO型判定領域を特異的に増幅する、配列番号8の塩基配列からなるプライマーと配列番号9の塩基配列からなるプライマーとからなるプライマーセットと、
配列番号14又は15の塩基配列若しくは当該塩基配列に対して相補的な塩基配列からなるA型アレル又はO型アレル判定プローブ、配列番号19〜21のいずれかの塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的な塩基配列からなるB型アレル判定プローブ、及び配列番号30の塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的な塩基配列からなるプローブと配列番号31の塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的な塩基配列からなるプローブとからなる一対のO型アレル判定プローブが担体上に固定化されてなるマイクロアレイとを含む、ABO式血液型判定用キット。
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