JP5376841B2 - イリノテカンの副作用の発生危険度を判定する方法、及びこれに用いられるdnaチップとキット - Google Patents
イリノテカンの副作用の発生危険度を判定する方法、及びこれに用いられるdnaチップとキット Download PDFInfo
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Description
このイリノテカンによる副作用の発生危険度を判定するための増幅核酸量の比を算出する方法は、以下の工程を含むものである。
1)被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅反応によって増幅する工程、
2)1の工程で得られた増幅核酸を、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、ハイブリダイズさせる工程、
3)第一の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、第二の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、の比を測定する工程。
本発明は、グルクロン酸抱合酵素(UDP-glucuronosyltransferase: UGT)遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスの遺伝子多型を検出することにより、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定する方法に関する。
1)被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、グルクロン酸抱合酵素遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅する工程、
2)1の工程で得られた増幅核酸を、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、ハイブリダイズさせる工程、
3)第一の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、第二の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、の比を測定する工程、を含む。
上記ハイブリダイゼーション反応においては、核酸プローブが担体上に固定化されたDNAチップ(DNAマイクロアレイ)を用い、該チップに増幅核酸を適用することが好ましい。
本発明は、また、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、含む、イリノテカンによる副作用を検出するためのキットに関する。
まず、核酸プローブと増幅核酸のハイブリダイズを「会合率」の和として捉え、この「会合率和」が低い核酸プローブをミスマッチハイブリの少ない核酸プローブの候補として設計した。
(式中、「n」は核酸プローブの塩基数を表す。)
(式中、「R」は気体定数、「T」は絶対温度、「ΔH」はエンタルピー、「ΔS」はエントロピーを表す。)
・反応温度:55 ℃
・反応溶液塩濃度:4×SSCバッファー (500mM)
・増幅核酸濃度:4×10-8M
(2-1)核酸プローブのDNAチップへの固相化
実施例1で合成した核酸プローブの3’側にC6アミノ修飾リンカーを施した。各核酸プローブを10μMの溶液に調製し、DNAチップ(Gene slide:東洋鋼鈑株式会社)上にスポッティングした。DNAチップを80℃で1時間加熱後、2×SSC/0.2%SDS溶液で洗浄し、乾燥を行い、核酸プローブをDNAチップ上に固相化した。なお、核酸プローブ溶液の調製及び固相化は、東洋鋼鈑株式会社の推薦する仕様書に順じて行った。
異なる遺伝子型を有する被検者の血液から採取したゲノムDNAを鋳型として、蛍光標識ヌクレオチドを用いたPCR反応を行うことにより、蛍光標識された増幅核酸を調製した。PCR反応には、以下の「表3」に示すプライマーを用い、UGT遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅した。この核酸プローブ選択段階では、各核酸プローブで生じ得るミスハイブリの量を正確に評価することを目的として、PCR酵素にはフィデリティーの高いTaqポリメラーゼ(LA Taq,タカラバイオ)を使用した。フィデリティーの高いTaqポリメラーゼを用いることで、スリッピング現象の影響を極力排除して、ミスハイブリ量を正確に評価することができる。
ハイブリダイズ溶液を、「表5」のように調製した。DNAチップにハイブリダイゼーション反応用のシート(FRAME-SEAL CHAMBER SMALL: MJ RESEARCH, INC)を取り付け、25 μlハイブリダイズ溶液をチップに滴下しハイブリダイゼーション反応を、以下の条件で行った。
ハイブリの条件は下記のとおりである。
・反応温度・時間:55℃、1時間
・反応溶液塩濃度:4×SSCバッファー (500 mM)
乾燥したDNAチップを、蛍光スキャナーでスキャニングし、蛍光画像を撮影した。この蛍光画像を画像解析し、各核酸プローブの蛍光強度を算出した。
(a)ヘテロ多型(TA6/TA7)ゲノムDNAとのハイブリダイゼーション反応によって得られるTA6値/TA7値が0.9〜1.1である。
(b)ホモ多型(TA7/TA7)ゲノムDNAとのハイブリダイゼーション反応によって得られるTA6値/TA7値が0.8よりも小さい。
(c) 野生型(TA6/TA6)ゲノムDNAとのハイブリダイゼーション反応によって得られるTA6値/TA7値が1.2よりも大きい。
この核酸プローブセットを用いて、野生型(TA6/TA6)と判定されるTA6値/TA7値の基準値Wと、ホモ多型(TA7/TA7)と判定されるTA6値/TA7値の基準値Mを求めた。上述の通り、遺伝子型の判定は、被検者について求めたTA6値/TA7値の値が、この基準値Wよりも大きい場合に野生型(TA6/TA6)と判定され、Mよりも小さい場合にホモ多型(TA7/TA7)と判定される。また、被検者のTA6値/TA7値が基準値M〜Wの間である場合には、ヘテロ多型(TA6/TA7)と判定される。すなわち、基準値W及びMは、各遺伝子型を判定するための閾値となり得る。
(式中、「x」は各データ群に属するデータの値、「xa」は各データ群属するデータの平均値、「δ」は各データ群属するデータの標準偏差を表す。)
Claims (4)
- 被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅反応によって増幅して得られた増幅核酸と、
配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、
配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、
の核酸ハイブリダイゼーション反応において、
第一の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、第二の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、の比を測定することにより、
グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域におけるTATAボックスの遺伝子多型を検出して、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定するための増幅核酸量の比を取得する方法。 - 以下の工程を含む、請求項1記載のイリノテカンによる副作用の発生危険度を判定するための増幅核酸量の比を算出する方法。
1)被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅反応によって増幅する工程、
2)1の工程で得られた増幅核酸を、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、ハイブリダイズさせる工程、
3)第一の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、第二の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、の比を測定する工程。 - 配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、
配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、
が固相化された、イリノテカンによる副作用を検出するためのDNAチップ。 - 配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、
配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、
を含む、イリノテカンによる副作用を検出するためのキット。
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