JP5376841B2 - イリノテカンの副作用の発生危険度を判定する方法、及びこれに用いられるdnaチップとキット - Google Patents

イリノテカンの副作用の発生危険度を判定する方法、及びこれに用いられるdnaチップとキット Download PDF

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本発明は、イリノテカンの副作用の発生危険度を判定する方法、及びこれに用いられるDNAチップとキットに関する。より詳しくは、特定の塩基配列の核酸プローブを用いることにより、高精度の判定が可能なイリノテカンの副作用発生の危険度判定方法等に関する。
イリノテカン(CPT-11)は、カンレンボク由来の抗腫瘍性アルカロイドであるカンプトテシンから合成された抗癌剤であり、肺癌や転移性大腸癌などの癌を治療するのに有用であることが知られている。イリノテカンは、DNA複製を促進する酵素トポイソメラーゼを阻害することにより優れた抗癌作用を示すが、副作用として、白血球減少及び下痢という大きな毒性を有することも報告されている。
グルクロン酸抱合酵素(UDP-glucuronosyltransferase: UGT)は、薬物、異物または内在性物質であるビリルビン、ステロイドホルモン、胆汁酸などにグルクロン酸を付加する反応を触媒する酵素であり、その酵素をコードする遺伝子のひとつであるUGT1A1には遺伝子多型が存在することが知られている。
そして、UGT1A1遺伝子多型は、抗癌剤としてのイリノテカン(CPT-11)の副作用の発現に関与していることが報告されている。すなわち、UGT活性の低下をきたすUGT1A1遺伝子多型をもつ人は、白血球減少や激しい下痢など重篤な副作用リスクが高まることが報告されている。
UGT1A1遺伝子多型の1つであるUGT1A1*28は、プロモーター領域TATAボックスにおけるTA配列の繰り返し(TAリピート)が、多数を占める野生型(UGT1A1*1)では6回であるのに対し、7回の繰り返しになっている遺伝子多型である。このUGT1A1*28の遺伝子多型(「TA7」型)をもつ人は、UGT1A1*1の遺伝子多型(「TA6」型)をもつ人に比べて、TAリピートの挿入によって遺伝子の発現量が低下し、結果としてUGT活性が低下する。
従って、UGT1A1遺伝子のプロモーター領域TATAボックスにおけるTAリピートの回数を検出することは、イリノテカンの副作用を予測または回避するために有用な手段として期待される。遺伝子多型を検出する基本的な方法として、ダイレクトシークエンス法やフラグメント法が知られている。また、Invader法によるUGT1A1遺伝子多型診断キット(米国TWT社)が診断薬として実用化されている。しかし、これらの方法は、判定精度が低いことや、解析コストが高いという問題があった。
特許文献1には、UGT1A1遺伝子のプロモーター領域TATAボックスにおけるTAリピート回数を精度良く判定するための方法として、UGT1A1遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む連続した25〜35塩基の塩基配列、該塩基配列においてTATAボックスの繰り返し数を変化させた25〜35塩基の塩基配列、またはそれらの相補配列からなる核酸プローブを用いたハイブリダイゼーション法により、UGT1A1遺伝子多型を効率的に判定する方法が記載されている。
特開2008−72913号公報
UGT1A1遺伝子のプロモーター領域TATAボックスにおけるTAリピート回数の検出には、ポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)を用いて、被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、UGT1A1遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅する工程が必要となる。
しかし、TAリピート部分では、増幅中に核酸の誤複製(スリッピング現象)によるリピートの減少が生じやすく、TA7型のUGT1A1*28の遺伝子多型が、TA6型のUGT1A1*1遺伝子多型として増幅されることがある。このようなスリッピング現象によるTAリピートの減少は、増幅核酸の一定割合で生じ得る。従って、TAリピート回数を精度良く判定するためには、正しく増幅された核酸鎖をいかに確度高く検出するかが重要となる。そして、正しく増幅された核酸鎖を確度高く検出するためには、TA7型の増幅核酸又はTA6型の増幅核酸のどちらか一方のみにハイブリダイズし、他方へのミスマッチハイブリが少ない核酸プローブを選択することが必要となる。
上記特許文献1には、UGT1A1遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブを用いて、TATAボックスにおけるTA配列の繰り返し回数を検出するものである。このTATAボックスを含み、連続する25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブとしては、実際には多数の核酸プローブが設計可能である。この点、当該文献の請求項3等には、このうち好適に用いられる核酸プローブの組合せとして、複数の塩基配列の核酸プローブが記載されている。しかしながら、ミスマッチハイブリを最大限に抑制し得る核酸プローブの塩基配列については、いまだ検討の余地が残されていた。
そこで、本発明は、特定の塩基配列の核酸プローブを用いて、UGT1A1遺伝子のプロモーター領域TATAボックスにおけるTAリピート回数を高確度に検出して、信頼性の高い判定結果を得ることが可能なイリノテカンの副作用発生危険度の判定方法を提供することを主な目的とする。
上記課題解決のため、本発明は、被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅反応によって増幅して得られた増幅核酸と、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、の核酸ハイブリダイゼーション反応において、第一の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、第二の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、の比を測定することにより、グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域におけるTATAボックスの遺伝子多型を検出して、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定するための増幅核酸量の比を取得する方法を提供する。
このイリノテカンによる副作用の発生危険度を判定するための増幅核酸量の比を算出する方法は、以下の工程を含むものである。
1)被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅反応によって増幅する工程、
2)1の工程で得られた増幅核酸を、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、ハイブリダイズさせる工程、
3)第一の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、第二の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、の比を測定する工程
また、本発明は、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、が固相化された、イリノテカンによる副作用を検出するためのDNAチップ、及び、これらの核酸プローブを含む、イリノテカンによる副作用を検出するためのキットを提供する。
本発明において、イリノテカンによる副作用は、イリノテカンを投与した患者において発生する副作用を指し、UGT遺伝子に変異を有する被検者において発生危険度が高まるものであれば特に制限されない。好ましくはUGT1A1遺伝子の多型、特にUGT1A1*28を有する患者において発生危険度が高まる副作用をさす。換言すれば、イリノテカンによる副作用は、UGT遺伝子の発現量の低下及び/またはUGTの活性低下より発生危険度が高まる副作用をさす。イリノテカンによる副作用として、より具体的には、白血球減少などの骨髄毒性、下痢、嘔吐、全身倦怠感、食欲不振、脱毛が挙げられる。
また、核酸にはDNA及びRNAが包含されるものとする。DNAには、一本鎖DNA及び二本鎖DNAが包含される。本発明において、核酸プローブ及び増幅核酸は、好ましくは、それぞれDNAである。
本発明により、UGT1A1遺伝子のプロモーター領域TATAボックスにおけるTAリピート回数を高確度に検出して、信頼性の高い判定結果を得ることが可能なイリノテカンの副作用発生危険度の判定方法が提供される。
1.イリノテカンの副作用の発生危険度の判定方法
本発明は、グルクロン酸抱合酵素(UDP-glucuronosyltransferase: UGT)遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスの遺伝子多型を検出することにより、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定する方法に関する。
イリノテカン(CPT-11)、1,4'-ビピペリジン-1'-カルボン酸(S)-4,11-ジエチル-3,4,12,14-テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-3,14-ジオキソ-1H-ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-9-イルエステル(CAS NO:97682-44-5)は、カンレンボク由来の抗腫瘍性アルカロイドであるカンプトテシンから合成された化合物である。本発明において、イリノテカンには、その塩及びそれらの溶媒和物、特に水和物(例えば、CAS NO:136572-09-3)も包含される。イリノテカンの塩としては、薬学的に許容される酸を作用させた酸付加塩が抗癌剤として好ましく用いられる。そのような酸付加塩としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸との塩;シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられ、特に塩酸塩(塩酸イリノテカン;CAS NO:136572-09-3)が好ましく用いられる。
イリノテカンは、生体内投与後にカルボキシルエステラーゼによって活性代謝物SN-38に変換される。SN-38は肝臓でUGTによる抱合反応を受けて解毒されたのち、腸管に排泄される。そして、SN-38の解毒にかかわるUGT活性の相対的なバランスが、生体内のSN-38量に影響を及ぼし、その結果生体が受けるSN-38暴露量の大小によって副作用の個体間差が引き起こされると考えられている。SN-38の解毒過程であるグルクロン酸抱合反応は、主にUGTの一分子種であるUGT1A1によって触媒されることが明らかにされている。UGT1A1の遺伝子多型の1つであるUGT1A1*28の遺伝子多型を有する患者がイリノテカンの投与を受けた場合、UGT活性が低下しているために投与後にSN-38の解毒が遅延し、重度の副作用が引き起こされる可能性が高くなる。UGT1A1*28はプロモーター領域のTATAボックスにおけるTA配列の繰り返し(TAリピート)が、多数を占める野生型(UGT1A1*1)では6回であるのに対し、7回の繰り返しになっている遺伝子多型である。このUGT1A1*28の遺伝子多型(「TA7」型)をもつ人は、UGT1A1*1の遺伝子多型(「TA6」型)をもつ人に比べて、TAリピートの挿入によって遺伝子の発現量が低下し、結果としてUGT活性が低下する。
UGTは、主に肝臓小胞体に局在する膜酵素であり、生体内外の異物(薬物や環境汚染物質、食品添加物など)である脂溶性化合物にグルクロン酸を転移するグルクロン酸抱合を触媒する活性を有するタンパク質をさす。UGTの一分子種であるUGT1A1のアミノ酸配列及び該酵素遺伝子の塩基配列は、公開されたデータベース(GenBank、EMBL、DDBJ)においてAccession No:NM_000463として登録されている。UGT遺伝子のプロモーター領域の塩基配列であって、TATAボックスにおけるTA配列の繰り返しが6回である野生型の塩基配列は、上記データベースにおいてAccession No:AY533179として登録されている。グルクロン酸抱合酵素遺伝子のプロモーター領域の塩基配列であって、TATAボックスにおけるTA配列の繰り返しが7回である変異型の塩基配列は、上記データベースにおいてAccession No:AY533180として登録されている。各配列は、例えば、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/から入手できる。
本発明に係るイリノテカンによる副作用の発生危険度を判定する方法では、被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型とする増幅反応によって得られた増幅核酸と、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、の核酸ハイブリダイゼーションにおいて、第一の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、第二の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量との比を測定する。
第一の核酸プローブには、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブのいずれかを用いればよく、第二の核酸プローブにも、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブのいずれかを用いればよい。この場合、第一の核酸プローブ及び第二の核酸プローブとして選択された各核酸プローブに対し、それぞれハイブリダイズした増幅核酸量の比を測定する。
さらに、第一の核酸プローブとして、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及びこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブの両方を用いたり、第二の核酸プローブとして、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及びこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブの両方を用いたりすることもできる。この場合、第一の核酸プローブ及び第二の核酸プローブとして選択された3つ又は4つの核酸プローブに対し、それぞれハイブリダイズした増幅核酸量の比を測定する。これにより、UGT素遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスの遺伝子多型の判定精度を向上させることができる。
被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型とする増幅反応によって得られた増幅核酸とは、通常、被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、UGT遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅することによって得られる増幅核酸をさす。UGT遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域とは、UGT遺伝子のプロモーター領域のうち、少なくともTATAボックスを含む領域をさす。
従って、より具体的には、本発明のイリノテカンによる副作用の発生危険度を判定する方法は、
1)被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、グルクロン酸抱合酵素遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅する工程、
2)1の工程で得られた増幅核酸を、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、ハイブリダイズさせる工程、
3)第一の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、第二の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、の比を測定する工程、を含む。
核酸プローブは、例えば、核酸合成装置によって化学的に合成することで取得することができる。核酸合成装置としては、DNAシンセサイザー、全自動核酸合成装置、核酸自動合成装置等と呼ばれる装置を使用することができる。
第一の核酸プローブと第二の核酸プローブのそれぞれにハイブリダイズした核酸量の比から、被検者におけるUGT1A1の遺伝子型を判定することができる。すなわち、TATAボックスにおけるTAリピートが6回である野生型の遺伝子のみを有する野生型(TA6/TA6)、上記野生型の遺伝子とTATAボックスにおけるTAのリピートが7回である変異型の遺伝子とを有するヘテロ多型(TA6/TA7)、上記変異型の遺伝子のみを有するホモ多型(TA7/TA7)の遺伝子型のいずれであるかを判定することができる。そして、その結果から、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定することができる。
具体的には、「第一の核酸プローブにハイブリダイズした核酸量/第二の核酸プローブにハイブリダイズした核酸量」(以下、「TA6値/TA7値」というものとする)が大きいほど、イリノテカンによる副作用の発生危険度は低くなる。詳しくは、遺伝子型が既知である患者群ついて、第一及び第二の核酸プローブを用いて核酸ハイブリダイゼーションを実施し、統計的処理を行ってそれぞれの遺伝子型について上記比の標準値を算出し、遺伝子型が未知の被検者における比と当該標準値とを比較することにより、被検者の遺伝子型を判定し、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定することができる。
さらに具体的には、遺伝子型が既知である患者群ついてTA6値/TA7値を算出し、野生型(TA6/TA6)の基準値Wと、ホモ多型(TA7/TA7)の基準値Mを求める。そして、遺伝子型が未知の被検者についてTA6値/TA7値を求め、その値が基準値Wよりも大きい場合に野生型(TA6/TA6)と判定し、副作用の発生危険度は低いと判断する。そして、被検者のTA6値/TA7値が基準値Mよりも小さい場合にホモ多型(TA7/TA7)と判定し、副作用の危険度が高いと判断する。また、遺伝子型が未知の被検者のTA6値/TA7値が基準値M〜Wの間である場合には、ヘテロ多型(TA6/TA7)と判定でき、危険度は中程度と判断される。
このとき、野生型(TA6/TA6)の基準値Wと、ホモ多型(TA7/TA7)の基準値Mと、が大きく離れている程、遺伝子型が未知の被検者について得られたTA6値/TA7値が、いずれの遺伝子型に分類されるのかを判定することが容易となる。これによって、高精度の判定を行うことが可能となる。換言すれば、野生型(TA6/TA6)の基準値Wと、ホモ多型(TA7/TA7)の基準値Mと、が大きく離れている程、各遺伝子型の判定のための閾値の幅を広くとって高精度の判定を行うことができる。
本発明に係るイリノテカンによる副作用の発生危険度を判定する方法では、核酸プローブとして、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブを選択したことにより、上記閾値の幅を広くとることが可能である。すなわち、本判定方法では、TA7型の増幅核酸又はTA6型の増幅核酸のどちらか一方のみに確度高くハイブリダイズし、他方へのミスマッチハイブリが極めて少ない核酸プローブを選択したことによって、野生型(TA6/TA6)の基準値Wと、ホモ多型(TA7/TA7)の基準値Mと、が大きく離れている。これにより、TA6/T6、TA6/TA7、TA7/TA7の各遺伝子型に対応するTA6値/TA7値の判定領域を広くとることができ、遺伝子型を高精度に判定することが可能となる。
生体試料は、ゲノムDNAを含むものであれば特に制限されない。例えば、血液及びこれに由来する血液関連試料(血液、血清及び血漿など)、リンパ液、汗、涙、唾液、尿、糞便、腹水及び髄液等の体液、ならびに細胞、組織または臓器の破砕物及び抽出液などが挙げられる。本発明においては、好ましくは、血液関連試料を用いる。
ゲノムDNAを鋳型とした増幅反応により得られる増幅核酸と核酸プローブとのハイブリダイゼーション反応、ならびに第一及び第二の核酸プローブのそれぞれにハイブリダイズした増幅核酸の比の測定は、当技術分野で慣用の方法に実施することができる。具体的には、以下のように実施することができる。
まず、被検者から採取した生体試料からゲノムDNAを抽出する。抽出手段としては、特に限定されないが、前記生体試料から直接的にDNA成分を分離し、精製して回収できる手段であることが好ましい。
次に、得られたゲノムDNAを鋳型として用いて核酸増幅反応を行い、検出対象領域を増幅させる。核酸増幅反応としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)等を適用することができる。ここで、検出対象領域とは、被検者のUGT1A1遺伝子のプロモーター領域における遺伝子多型を判別できる程度に特異性を有する領域であり、本発明においては、UGT遺伝子、特にUGT1A1遺伝子のプロモーター領域における少なくともTATAボックスを含む領域をさす。
また、検出対象領域を増幅させる際には、増幅後の核酸を識別できるように標識を付加することが望ましい。このとき、増幅された核酸を標識する方法としては、特に限定されないが、例えば核酸増幅反応に使用するプライマーを予め標識しておく方法を使用してもよいし、核酸増幅反応に標識ヌクレオチドを使用する方法を使用してもよい。標識物質としては、特に限定されないが、放射性同位元素や蛍光色素、あるいはジゴキシゲニン(DIG)やビオチンなどの有機化合物などを使用することができる。
またこの反応系は、核酸増幅・標識に必要な緩衝剤、耐熱性DNAポリメラーゼ、検出対象領域特異的プライマー、標識ヌクレオチド三燐酸(具体的には蛍光標識等を付加したヌクレオチド三燐酸)、ヌクレオチド三燐酸及び塩化マグネシウム等を含む反応系である。
上記のようにして得られた増幅核酸と核酸プローブとのハイブリダイゼーション反応を行い、各核酸プローブにハイブリダイズした核酸の量を、例えば標識を検出することにより測定できる。核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸は、例えば、既知量のDNAを含む試料を用いて検量線を作成することにより、定量することもできる。
2.イリノテカンの副作用の発生危険度の判定のためのDNAチップ
上記ハイブリダイゼーション反応においては、核酸プローブが担体上に固定化されたDNAチップ(DNAマイクロアレイ)を用い、該チップに増幅核酸を適用することが好ましい。
すなわち、本発明に係るDNAチップは、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、が固相化されたDNAチップである。
DNAチップ基板の材料としては、当技術分野で公知のものを使用でき、特に制限されない。例えば、白金、白金黒、金、パラジウム、ロジウム、銀、水銀、タングステンおよびそれらの化合物などの貴金属、およびグラファイト、カーボンファイバーに代表される炭素などの導電体材料;単結晶シリコン、アモルファスシリコン、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素などに代表されるシリコン材料、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)などに代表されるこれらシリコン材料の複合素材;ガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト、感光性ガラスなどの無機材料;ポリエチレン、エチレン、ポリプロビレン、環状ポリオレフィン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、ポリフェニレンオキサイドおよびポリスルホンなどの有機材料等が挙げられる。基板の形状も特に制限されないが、好ましくは平板状である。
基板として、好ましくは表面にカーボン層と化学修飾基とを有する基板を用いる。表面にカーボン層と化学修飾基とを有する基板には、基板の表面にカーボン層と化学修飾基とを有するもの、およびカーボン層からなる基板の表面に化学修飾基を有するものが包含される。基板の材料としては、当技術分野で公知のものを使用でき、特に制限されず、上述の基板材料と同様のものを使用できる。
本発明において基板上に形成させるカーボン層としては、特に制限されないが、合成ダイヤモンド、高圧合成ダイヤモンド、天然ダイヤモンド、軟ダイヤモンド(例えば、ダイヤモンドライクカーボン)、アモルファスカーボン、炭素系物質(例えば、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ)のいずれか、それらの混合物、またはそれらを積層させたものを用いることが好ましい。また、炭化ハフニウム、炭化ニオブ、炭化珪素、炭化タンタル、炭化トリウム、炭化チタン、炭化ウラン、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化クロム、炭化バナジウム等の炭化物を用いてもよい。ここで、軟ダイヤモンドとは、いわゆるダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond Like Carbon)等の、ダイヤモンドとカーボンとの混合体である不完全ダイヤモンド構造体を総称し、その混合割合は、特に限定されない。カーボン層は、化学的安定性に優れておりその後の化学修飾基の導入や分析対象物質との結合における反応に耐えることができる点、分析対象物質と静電結合によって結合するためその結合が柔軟性を持っている点、UV吸収がないため検出系UVに対して透明性である点、およびエレクトロブロッティングの際に通電可能な点において有利である。また、分析対象物質との結合反応において、非特異的吸着が少ない点においても有利である。前記のとおり基板自体がカーボン層からなる基板を用いてもよい。
カーボン層の形成は公知の方法で行うことができる。例えば、マイクロ波プラズマCVD(Chemical vapor deposit)法、ECRCVD(Electric cyclotron resonance chemical vapor deposit)法、ICP(Inductive coupled plasma)法、直流スパッタリング法、ECR(Electric cyclotron resonance)スパッタリング法、イオン化蒸着法、アーク式蒸着法、レーザ蒸着法、EB(Electron beam)蒸着法、抵抗加熱蒸着法などが挙げられる。
高周波プラズマCVD法では、高周波によって電極間に生じるグロー放電により原料ガス(メタン)を分解し、基板上にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)層を合成する。イオン化蒸着法では、タングステンフィラメントで生成される熱電子を利用して、原料ガス(ベンゼン)を分解・イオン化し、バイアス電圧によって基板上にカーボン層を形成する。水素ガス1〜99体積%と残りメタンガス99〜1体積%からなる混合ガス中で、イオン化蒸着法によりDLC層を形成してもよい。
アーク式蒸着法では、固体のグラファイト材料(陰極蒸発源)と真空容器(陽極)の間に直流電圧を印加することにより真空中でアーク放電を起こして陰極から炭素原子のプラズマを発生させ蒸発源よりもさらに負のバイアス電圧を基板に印加することにより基板に向かってプラズマ中の炭素イオンを加速しカーボン層を形成することができる。
レーザ蒸着法では、例えばNd:YAGレーザ(パルス発振)光をグラファイトのターゲット板に照射して溶融させ、ガラス基板上に炭素原子を堆積させることによりカーボン層を形成することができる。
基板の表面にカーボン層を形成する場合、カーボン層の厚さは、通常、単分子層〜100μm程度であり、薄すぎると下地基板の表面が局部的に露出する可能性があり、逆に厚くなると生産性が悪くなるので、好ましくは2nm〜1μm、より好ましくは5nm〜500nmである。
カーボン層が形成された基板の表面に化学修飾基を導入することにより、核酸プローブを基板に強固に固定化できる。導入する化学修飾基は、当業者であれば適宜選択することができ、特に制限されないが、例えば、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ホルミル基、ヒドロキシル基および活性エステル基が挙げられる。
アミノ基の導入は、例えば、カーボン層をアンモニアガス中で紫外線照射することによりまたはプラズマ処理することにより実施できる。または、カーボン層を塩素ガス中で紫外線を照射して塩素化し、さらにアンモニアガス中で紫外線照射することにより実施できる。または、メチレンジアミン、エチレンジアミンで等の多価アミン類ガス中を、塩素化したカーボン層と反応させることによって実施することもできる。
カルボキシル基の導入は、例えば、前記のようにアミノ化したカーボン層に適当な化合物を反応させることにより実施できる。カルボキシル基を導入するために用いられる化合物としては、例えば、式:X-R1-COOH(式中、Xはハロゲン原子、R1は炭素数10〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるハロカルボン酸、例えばクロロ酢酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸、2-クロロプロピオン酸、3-クロロプロピオン酸、3-クロロアクリル酸、4-クロロ安息香酸;式:HOOC-R2-COOH(式中、R2は単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、トリメリット酸、ブタンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸;式:R3-CO-R4-COOH(式中、R3は水素原子または炭素数1〜12の2価の炭化水素基、R4は炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるケト酸またはアルデヒド酸;式:X-OC-R5-COOH(式中、Xはハロゲン原子、R5は単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるジカルボン酸のモノハライド、例えばコハク酸モノクロリド、マロン酸モノクロリド;無水フタル酸、無水コハク酸、無水シュウ酸、無水マレイン酸、無水ブタンテトラカルボン酸などの酸無水物が挙げられる。
エポキシ基の導入は、例えば、前記のようにアミノ化したカーボン層に適当な多価エポキシ化合物を反応させることによって実施できる。あるいは、カーボン層が含有する炭素=炭素2重結合に有機過酸を反応させることにより得ることができる。有機過酸としては、過酢酸、過安息香酸、ジペルオキシフタル酸、過ギ酸、トリフルオロ過酢酸などが挙げられる。
ホルミル基の導入は、例えば、前記のようにアミノ化したカーボン層に、グルタルアルデヒドを反応させることにより実施できる。
ヒドロキシル基の導入は、例えば、前記のように塩素化したカーボン層に、水を反応させることにより実施できる。
活性エステル基は、エステル基のアルコール側に酸性度の高い電子求引性基を有して求核反応を活性化するエステル群、すなわち反応活性の高いエステル基を意味する。エステル基のアルコール側に、電子求引性の基を有し、アルキルエステルよりも活性化されたエステル基である。活性エステル基は、アミノ基、チオール基、水酸基等の基に対する反応性を有する。さらに具体的には、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、シアノメチルエステル、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等がアルキルエステル等に比べてはるかに高い活性を有する活性エステル基として知られている。より具体的には、活性エステル基としては、たとえばp-ニトロフェニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド基等が挙げられ、特に、N-ヒドロキシスクシンイミド基が好ましく用いられる。
活性エステル基の導入は、例えば、前記のように導入したカルボキシル基を、シアナミドやカルボジイミド(例えば、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド)などの脱水縮合剤とN-ヒドロキシスクシンイミドなどの化合物で活性エステル化することにより実施できる。この処理により、アミド結合を介して炭化水素基の末端に、N-ヒドロキシスクシンイミド基等の活性エステル基が結合した基を形成することができる。
核酸プローブを、スポッティング用バッファーに溶解してスポッティング用溶液を調製し、これを96穴もしくは384穴プラスチックプレートに分注し、分注した溶液をスポッター装置等によって基板上にスポッティングすることにより、核酸プローブが基板に固相化されたDNAチップを製造することができる。または、スポッティング溶液をマイクロピペッターにて手動でスポッティングしてもよい。
固相化する核酸プローブは、第一の核酸プローブとして、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブのいずれかを、また第二の核酸プローブとして、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブのいずれかを用いればよい。この場合、第一の核酸プローブ及び第二の核酸プローブとして選択された各核酸プローブに対し、それぞれハイブリダイズした増幅核酸量の比を測定する。
さらに、第一の核酸プローブとして、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及びこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブの両方を固相化したり、第二の核酸プローブとして、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及びこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブの両方を固相化したりすることもできる。この場合、第一の核酸プローブ及び第二の核酸プローブとして選択された3つ又は4つの核酸プローブに対し、それぞれハイブリダイズした増幅核酸量の比を測定する。これにより、UGT素遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスの遺伝子多型の判定精度を向上させることができる。
スポッティング後、核酸プローブが担体に結合する反応を進行させるため、インキュベーションを行うことが好ましい。インキュベーションは、通常20〜100℃、好ましくは50〜95℃の温度で、通常0.5〜16時間、好ましくは1〜2時間にわたって行う。インキュベーションは、高湿度の雰囲気下、例えば、湿度50〜90%の条件で行うのが望ましい。インキュベーションに続き、担体に結合していない核酸を除去するため、洗浄液(例えば、50mM TBS/0.05% Tween20)を用いて洗浄を行うことが好ましい。
さらに、核酸プローブは、固定化量を段階的に変化させた複数のスポットとして固定されていてもよい。例えば、個々の核酸プローブについて、DNA量を1ngとしたスポット、100pgとしたスポット及び10pgとしたスポットというように複数のスポットを形成してもよい。これにより、検出対象領域を半定量することもできる。
3.イリノテカンの副作用の発生危険度の判定のためのキット
本発明は、また、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、含む、イリノテカンによる副作用を検出するためのキットに関する。
本発明に係るキットにおいて核酸プローブは、担体上に固定化されたDNAチップ(DNAマイクロアレイ)の形態で提供されてもよい。このキットは、さらに、核酸増幅・標識に必要な緩衝剤、耐熱性DNAポリメラーゼ、検出対象領域特異的プライマー、標識ヌクレオチド三燐酸(具体的には蛍光標識等を付加したヌクレオチド三燐酸)、ヌクレオチド三燐酸及び塩化マグネシウム等を含んでいてもよい。検出対象領域特異的プライマーは、好ましくはUGT1A1遺伝子のプロモーター領域の少なくともTATAボックスを含む領域を増幅するためのプライマーである。
(1)「Nearest Neighbor Model」を用いた核酸プローブの設計
まず、核酸プローブと増幅核酸のハイブリダイズを「会合率」の和として捉え、この「会合率和」が低い核酸プローブをミスマッチハイブリの少ない核酸プローブの候補として設計した。
「会合率和f」は、以下のようにして求めた。まず、「Nearest Neighbor Model」(“Mfold web server for nucleic acid folding and hybridization prediction.”, Nucleic Acids Res. 2003, 31 (13), 3406-15参照)により、核酸塩基配列中で隣接する塩基間の結合エネルギーΔGx(ギブスの自由エネルギー)を計算する。図1に、14塩基の核酸プローブが増幅核酸へのハイブリダイズしている状態での結合エネルギーΔGxを模式的に示す。
そして、核酸プローブと増幅核酸がハイブリダイズしている状態での結合エネルギーΔGxの和ΔGを、下記式(1)によって求める。

(式中、「n」は核酸プローブの塩基数を表す。)
一方、結合エネルギーΔGは、核酸プローブと増幅核酸とのハイブリダイゼーション反応における平衡定数Kによって、下記式(2)で定義することができる。従って、この式(2)から、平衡定数Kは、下記式(3)と表すことができる。

(式中、「R」は気体定数、「T」は絶対温度、「ΔH」はエンタルピー、「ΔS」はエントロピーを表す。)
また、平行定数Kは、一般に、一本鎖核酸プローブ濃度([Probe])、一本鎖増幅核酸濃度([Target])、及び核酸プローブと増幅核酸の二本鎖濃度([Probe-Target])によって、下記式(4)で表される。さらに、この式(4)は、核酸プローブと増幅核酸の会合率fを用いて、下記式(5)で表すことができる。
従って、式(3)及び式(5)の右辺から、下記式(6)が成り立つ。
ここで、通常のハイブリダイゼーション反応においては、反応系に大過剰量の核酸プローブが存在し、[Probe]>>[Target]であるため、上記式(6)から、会合率和fを表す下記式(7)を導くことができる。
核酸プローブと増幅核酸のハイブリダイゼーション反応の条件を、以下の条件に設定し、この会合率和fの低い核酸プローブを設計した。核酸プローブは、UGT1A1遺伝子のプロモーター領域の少なくともTATAボックスを含む部分配列であって、TATAボックスにおけるTAリピートが7回又は6回である塩基配列として設計した。
・反応温度:55 ℃
・反応溶液塩濃度:4×SSCバッファー (500mM)
・増幅核酸濃度:4×10-8M
TA6型用核酸プローブ(以下、単に「TA6プローブ」という)を12種類、TA7型用核酸プローブ(以下、単に「TA7プローブ」という)を15種類合成した。合成したTA6プローブ及びTA7プローブの塩基配列を、それぞれ「表1」及び「表2」に示す。
(2)最適な核酸プローブの選択
(2-1)核酸プローブのDNAチップへの固相化
実施例1で合成した核酸プローブの3’側にC6アミノ修飾リンカーを施した。各核酸プローブを10μMの溶液に調製し、DNAチップ(Gene slide:東洋鋼鈑株式会社)上にスポッティングした。DNAチップを80℃で1時間加熱後、2×SSC/0.2%SDS溶液で洗浄し、乾燥を行い、核酸プローブをDNAチップ上に固相化した。なお、核酸プローブ溶液の調製及び固相化は、東洋鋼鈑株式会社の推薦する仕様書に順じて行った。
(2-2)増幅核酸の調製
異なる遺伝子型を有する被検者の血液から採取したゲノムDNAを鋳型として、蛍光標識ヌクレオチドを用いたPCR反応を行うことにより、蛍光標識された増幅核酸を調製した。PCR反応には、以下の「表3」に示すプライマーを用い、UGT遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅した。この核酸プローブ選択段階では、各核酸プローブで生じ得るミスハイブリの量を正確に評価することを目的として、PCR酵素にはフィデリティーの高いTaqポリメラーゼ(LA Taq,タカラバイオ)を使用した。フィデリティーの高いTaqポリメラーゼを用いることで、スリッピング現象の影響を極力排除して、ミスハイブリ量を正確に評価することができる。
ゲノムDNAは、TATAボックスにおけるTAリピートが6回である野生型の遺伝子のみを有する野生型(TA6/TA6)、上記野生型の遺伝子とTATAボックスにおけるTAリピートが7回である変異型の遺伝子とを有するヘテロ多型(TA6/TA7)、上記変異型の遺伝子のみを有するホモ多型(TA7/TA7)の遺伝子型の被検者の血液から抽出した。
PCR反応溶液は、「表4」に示すように調製した。PCR反応は、熱変性(94℃、30秒)、アニーリング(55℃、30秒)、伸長反応(72℃、120秒)を30サイクル行った。その後、PCR産物に蛍光色素標識を行った。
(2-3)ハイブリダイゼーション反応
ハイブリダイズ溶液を、「表5」のように調製した。DNAチップにハイブリダイゼーション反応用のシート(FRAME-SEAL CHAMBER SMALL: MJ RESEARCH, INC)を取り付け、25 μlハイブリダイズ溶液をチップに滴下しハイブリダイゼーション反応を、以下の条件で行った。
ハイブリの条件は下記のとおりである。
・反応温度・時間:55℃、1時間
・反応溶液塩濃度:4×SSCバッファー (500 mM)
ハイブリダイゼーション反応後、4×SSCバッファー中でシールをはがし、DNAチップを2×SSC/0.2%SDSバッファー中で2〜3回洗浄した。その後、DNAチップを1×SSCバッファー中で2分間振とうし、さらに0.2×SSCバッファー中に2分間浸漬した後、乾燥させた。
(2-4)ミスマッチハイブリの少ない核酸プローブの評価
乾燥したDNAチップを、蛍光スキャナーでスキャニングし、蛍光画像を撮影した。この蛍光画像を画像解析し、各核酸プローブの蛍光強度を算出した。
12種類のTA6プローブと15種類のTA7プローブの中から、ミスマッチハイブリが少なく、TA6/TA6及びTA6/TA7、TA7/TA7の各遺伝子型についてTA6プローブの蛍光強度とTA7プローブの蛍光強度比(TA6値/TA7値)の判定領域を広くとることが可能な核酸プローブの組合せ(プローブセット)を、以下の(a)〜(c)の基準を順に適用して絞り込むことにより選択した。
(a)ヘテロ多型(TA6/TA7)ゲノムDNAとのハイブリダイゼーション反応によって得られるTA6値/TA7値が0.9〜1.1である。
(b)ホモ多型(TA7/TA7)ゲノムDNAとのハイブリダイゼーション反応によって得られるTA6値/TA7値が0.8よりも小さい。
(c) 野生型(TA6/TA6)ゲノムDNAとのハイブリダイゼーション反応によって得られるTA6値/TA7値が1.2よりも大きい。
各プローブセットを用いて、TA6/TA6及びTA6/TA7、TA7/TA7の各遺伝子型のPCR産物とのハイブリダイゼーション反応を行って得られたTA6値/TA7値を、図2及び図3に示す。図2及び図3は、ミスハイブリが少なかった上位8セットのプローブセットで得られたTA6値/TA7値を示している。図2(A)〜(D)の順に上位1位〜4位、図3(A)〜(D)の順に上位5位〜8位のプローブセットである。
これらのうち、上記(a)〜(c)の基準を満たすプローブセットとしては、図2(A)に示すTA6プローブNo.11とTA7プローブNo.14のプローブセット(「表6」参照)のみが選択された。このプローブセットでは、図2(B)〜(D)及び図3(A)〜(D)に示した他のプローブセットに比べて、各遺伝子型に対するTA6値/TA7値の数値範囲に重複がなく、かつ、安定した数値が得られており、最もミスマッチハイブリが少ないプローブセットであることが分かる。
(3)遺伝子型判定のための閾値の設定
この核酸プローブセットを用いて、野生型(TA6/TA6)と判定されるTA6値/TA7値の基準値Wと、ホモ多型(TA7/TA7)と判定されるTA6値/TA7値の基準値Mを求めた。上述の通り、遺伝子型の判定は、被検者について求めたTA6値/TA7値の値が、この基準値Wよりも大きい場合に野生型(TA6/TA6)と判定され、Mよりも小さい場合にホモ多型(TA7/TA7)と判定される。また、被検者のTA6値/TA7値が基準値M〜Wの間である場合には、ヘテロ多型(TA6/TA7)と判定される。すなわち、基準値W及びMは、各遺伝子型を判定するための閾値となり得る。
選択された核酸プローブセットと、TA6/TA6及びTA6/TA7、TA7/TA7の各遺伝子型のPCR産物とのハイブリダイゼーション反応を行った。この閾値設定段階では、LA Taqポリメラーゼに比べてフィデリティーが低く、スリッピング現象が生じ易いTaq酵素(Ex Taq,タカラバイオ)を用いてPCR反応を行なった。なお、Ex Taq ポリメラーゼを用いたPCR反応では、La Taqに比べ、スリッピング現象が多く生じるが、蛍光標識ヌクレオチド三燐酸の取り込みが容易なため、増幅と同時に蛍光標識することが可能である。その結果、Ex Taq ポリメラーゼでは、遺伝子判定時間を短縮できるという利点がある。
PCR反応溶液は、「表7」に示すように調製した。PCR反応は、熱変性(94℃、10秒)、アニーリング(55℃、10秒)、伸長反応(72℃、20秒)を40サイクル行った。
ハイブリダイゼーション反応の結果、得られたTA6値/TA7値の平均値と標準偏差を、以下の「表8」に示す。
本実施例では、「マハラノビスの距離」の概念を用いて、基準値W及びMを算出した。ここでは、1変量時のマハラノビスの距離を用いた。マハラノビスの距離による判別は、データ群の分散を考慮して、所属不明のデータがA群又はB群のどちらのデータ群に属するかを判別する方法である。「マハラノビスの距離D」は、下記式(8)によって定義される。

(式中、「x」は各データ群に属するデータの値、「xa」は各データ群属するデータの平均値、「δ」は各データ群属するデータの標準偏差を表す。)
上記式(8)に「表8」に示した野生型(TA6/TA6)及びヘテロ多型(TA6/TA7)、ホモ多型(TA7/TA7)の各遺伝子型のTA6値/TA7値の平均値と標準偏差を代入し、隣り合うガウス分布のマハラノビスの距離が等しい点を閾値として求めた。ここでは、各遺伝子型について得られたTA6値/TA7値が、ガウス分布をとることを前提とした。
その結果、野生型(TA6/TA6)と判定されるTA6値/TA7値の基準値Wは1.42であり、ホモ多型(TA7/TA7)と判定されるTA6値/TA7値の基準値Mは0.70であった。
この基準値W及びMから、各遺伝子型に対応するTA6値/TA7値の判定領域を定めた。図4に、各遺伝子型に対応するTA6値/TA7値の判定領域を示す。
比較のため、実施例2において、2番目にミスハイブリが少なかったTA6プローブNo.10とTA7プローブNo.15のプローブセット(図2(B)参照))を用いて、同様に基準値W及びMと、各遺伝子型の判定領域を算定した。各遺伝子のTA6値/TA7値に関しては重なりが見られなかったが、その分散が大きく、マハラノビスによる閾値の決定はできなかった。
本実施例の結果から、実施例2で選択したプローブセットを用いた場合、野生型(TA6/TA6)及びヘテロ多型(TA6/TA7)、ホモ多型(TA7/TA7)の各遺伝子型に対応するTA6値/TA7値の判定領域をより広くとれることが明らかとなった。このように、各判定領域を広くとることで、遺伝子型が未知の被検者について得られたTA6値/TA7値が、いずれの遺伝子型に分類されるのかをより確度高く判定することが可能となる。
以上、実施例1〜3の結果から、TA7型の増幅核酸又はTA6型の増幅核酸のどちらか一方のみに確度高くハイブリダイズし、他方へのミスマッチハイブリが極めて少ない核酸プローブとして、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブを選択したことにより、各遺伝子型に対応するTA6値/TA7値の判定領域を広くとり、遺伝子型を高精度に判定できることが示された。
また、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブと、これらの相補鎖は、会合率和は等しい。従って、以上に説明したハイブリダイゼーション反応において、配列番号1及び2記載の塩基配列からなる核酸プローブの相補鎖を用いても、同様の確度の高い判定が可能であるものと考えられる。
本発明に係るイリノテカンの副作用発生危険度の判定方法は、特定の塩基配列の核酸プローブを用いることにより、UGT1A1遺伝子のプロモーター領域TATAボックスにおけるTAリピート回数を高確度に検出して、信頼性の高い判定結果を得ることが可能である。従って、肺癌や転移性大腸癌などの癌治療において、イリノテカンの副作用の発生を防止するために寄与する。
核酸プローブが増幅核酸へのハイブリダイズしている状態での結合エネルギーΔGxを模式的に示す図である。 各プローブセットを用いて、TA6/TA6及びTA6/TA7、TA7/TA7の各遺伝子型のPCR産物とのハイブリダイゼーション反応を行って得られたTA6値/TA7値を示す図である。(A)〜(D)は、順にミスハイブリが少なかった上位4セットのプローブセットで得られたTA6値/TA7値を示す。 各プローブセットを用いて、TA6/TA6及びTA6/TA7、TA7/TA7の各遺伝子型のPCR産物とのハイブリダイゼーション反応を行って得られたTA6値/TA7値を示す図である。(A)〜(D)は、順にミスハイブリが少なかった上位5位〜8位のプローブセットで得られたTA6値/TA7値を示す。 本発明に係るイリノテカンの副作用発生危険度の判定方法における、各遺伝子型に対応するTA6/TA7比の判定領域を示す図である。

Claims (4)

  1. 被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅反応によって増幅して得られた増幅核酸と、
    配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、
    配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、
    の核酸ハイブリダイゼーション反応において、
    第一の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、第二の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、の比を測定することにより、
    グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域におけるTATAボックスの遺伝子多型を検出して、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定するための増幅核酸量の比を取得する方法。
  2. 以下の工程を含む、請求項1記載のイリノテカンによる副作用の発生危険度を判定するための増幅核酸量の比を算出する方法。
    1)被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅反応によって増幅する工程、
    2)1の工程で得られた増幅核酸を、配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、ハイブリダイズさせる工程、
    3)第一の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、第二の核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸量と、の比を測定する工程。
  3. 配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、
    配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、
    が固相化された、イリノテカンによる副作用を検出するためのDNAチップ。
  4. 配列番号1記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第一の核酸プローブと、
    配列番号2記載の塩基配列からなる核酸プローブ及び/又はこれに相補的な塩基配列からなる核酸プローブから選択される第二の核酸プローブと、
    を含む、イリノテカンによる副作用を検出するためのキット。
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