JP2016192940A - CYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブ - Google Patents
CYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】チトクロームP4503A4(CYP3A4)遺伝子における変異型アレルCYP3A4*1b及びCYP3A5遺伝子における変異型アレルCYP3A5*3それぞれについてホモ及びヘテロの判別並びに野生型アレルの判別を高精度に行う方法の提供。
【解決手段】配列:5’-GGGCARGAGAG-3’又は当該配列の両端に1〜3の塩基が付加した配列からなる11〜17塩基長であるオリゴヌクレオチド、配列:5’-CTTTCARTATCTC-3’又は当該配列の両端に1〜3の塩基が付加した配列からなる、全体が13〜19塩基長であるオリゴヌクレオチドを含む検出用プロープ。
【選択図】なし
【解決手段】配列:5’-GGGCARGAGAG-3’又は当該配列の両端に1〜3の塩基が付加した配列からなる11〜17塩基長であるオリゴヌクレオチド、配列:5’-CTTTCARTATCTC-3’又は当該配列の両端に1〜3の塩基が付加した配列からなる、全体が13〜19塩基長であるオリゴヌクレオチドを含む検出用プロープ。
【選択図】なし
Description
本発明は、薬物代謝酵素に関与するチトクロームP450 3A4(CYP3A4)遺伝子に存在する変異型アレル(CYP3A4*1b)を判定するためのCYP3A4*1b検出用プローブ及びチトクロームP450 3A5(CYP3A5)遺伝子に存在する変異型アレル(CYP3A5*3)を判定するためのCYP3A5*3検出用プローブに関する。
チトクロームP450(CYP)は、薬物代謝に関与する酵素である。チトクロームP450には20種以上の分子種が報告されており、“CYP”に続けて、ファミリーを示すアラビア数字、サブファミリーを示すアルファベット及び分子種番号を示すアラビア数字の組合せで表記される。中でも、CYP3A4及びCYP3A5は、アミオダロン、カルバマゼピン、エリスロマイシン、シクロスポリンA、タクロリムス、タモキシフェン、シクロホスファミド、パクリタキセル、テルフェナジン、コデイン及びテストステロン等の薬物代謝に関係していることが知られている。特に、免疫抑制剤であるタクロリムスは、主としてCYP3A4及びCYP3A5で代謝され、MDR1(Multidrug resistance protein 1)の基質となる。
また、CYP3A4遺伝子及びCYP3A5遺伝子の変異解析により、タクロリムス等の薬物代謝活性の低下に関与する遺伝子変異が同定されている。
特に、CYP3A4遺伝子については、5’プロモーター領域における392番目のアデニンがグアニンとなる多型(A392G)が知られている。この一塩基多型に付与されているrs番号はrs2740574であり、当該多型における変異アレルをCYP3A4*1bと表記し、野生型アレルをCYP3A4*1と表記している。変異型アレルCYP3A4*1bをホモで有する個体、ヘテロで有する個体は、野生型の個体と比較して、タクロリムス等の薬物代謝が亢進する。
特に、CYP3A5遺伝子については、イントロン3における6986番目のアデニンがグアニンとなる多型(A6986G)が知られている。この一塩基多型に付与されているrs番号はrs776746であり、当該多型における変異アレルをCYP3A5*3と表記し、野生型アレルをCYP3A5*1と表記している。変異型アレルCYP3A5*3をホモで有する個体、ヘテロで有する個体は、野生型の個体と比較して、タクロリムス等の薬物代謝が遅延する。
このように、CYP3A4及びCYP3A5が代謝に関与する薬剤については、薬物投与対象者におけるCYP3A4遺伝子及びCYP3A5遺伝子の一塩基多型を調べることで、適切な薬物投与量を決定することができる。
例えば、特許文献1には、CYP3A4におけるイントロン6に位置するSNP(rs35599367)と、それと連鎖不平衡にあるSNPを調べることで、CYP3A4が代謝に関与する薬物の動態を予測する技術が開示されている。なお、特許文献1においては、5’プロモーター領域におけるA392G(rs2740574)は測定の対象となっていない。
また、特許文献2には、CYP3A4遺伝子におけるT185S変異を伴う一塩基多型を指標とすることで薬物代謝活性の検査が可能となることが開示されている。なお、特許文献2においては、5’プロモーター領域におけるA392G(rs2740574)は測定の対象となっていない。
さらに、特許文献3には、クロピドグレル非応答性を判断するために、CYP3A4*1BやCYP3A5*3等に関する遺伝子型解析を行ったことが開示されている。
しかしながら、従来、CYP3A4遺伝子における変異型アレルCYP3A4*1b及びCYP3A5遺伝子における変異型アレルCYP3A5*3について、ホモ及びヘテロの判別、並びに野生型アレルの判別を高精度に行える技術は知られていなかった。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、CYP3A4遺伝子における変異型アレルCYP3A4*1b及びCYP3A5遺伝子における変異型アレルCYP3A5*3それぞれについてホモ及びヘテロの判別並びに野生型アレルの判別を高精度に行うことができるCYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブ、並びにこれら用いた薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した目的を達成するために鋭意検討した結果、CYP3A4遺伝子における変異型アレルCYP3A4*1b及びCYP3A5遺伝子における変異型アレルCYP3A5*3を検出することができる適切な塩基配列を見いだし、本発明を完成するに至った。なお、多型の遺伝子型を判定するためのプローブは、遺伝子多型の場所さえ解明すれば任意に製造できるものではなく、当該多型の変異ごとに適当な塩基配列を有するプローブを見出す必要がある。
(1)配列:5’- GGGCARGAGAG -3’(配列番号1、RはA又はG)若しくは当該配列に対して相補的配列からなる、又は当該配列若しくは当該相補的配列の両端に1〜3の塩基が付加した配列からなる、全体が11〜17塩基長であるオリゴヌクレオチドを含む、CYP3A4*1b検出用プローブ。
(2)上記オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号1に示す塩基配列の5’末端にA、5’-AA-3’及び5’-CAA-3’のいずれかが付加され、上記配列の3’末端にA、5’-AG-3’及び5’-AGG-3’のいずれかが付加された塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的配列であることを特徴とする(1)記載のCYP3A4*1b検出用プローブ。
(3)上記オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号2〜4のいずれかの塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的配列であることを特徴とする(1)記載のCYP3A4*1b検出用プローブ。
AGGGCARGAGAGA(配列番号2)
AAGGGCARGAGAGAG(配列番号3)
CAAGGGCARGAGAGAGG(配列番号4)
(4)配列:5’- CTTTCARTATCTC -3’(配列番号5、RはA又はG)若しくは当該配列に対して相補的配列からなる、又は当該配列若しくは当該相補的配列の両端に1〜3の塩基が付加した配列からなる、全体が13〜19塩基長であるオリゴヌクレオチドを含む、CYP3A5*3検出用プローブ。
(5)上記オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号5に示す塩基配列の5’末端にT、5’-GT-3’及び5’-TGT-3’のいずれかが付加され、上記配列の3’末端にT、5’-TT-3’及び5’-TTC-3’のいずれかが付加された塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的配列であることを特徴とする(4)記載のCYP3A5*3検出用プローブ。
(6)上記オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号6〜8のいずれかの塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的配列であることを特徴とする(4)記載のCYP3A5*3検出用プローブ。
TCTTTCARTATCTCT(配列番号6)
GTCTTTCARTATCTCTT(配列番号7)
TGTCTTTCARTATCTCTTC(配列番号8)
(7)上記(1)乃至(3)いずれか記載のCYP3A4*1b検出用プローブ及び/又は上記(4)乃至(6)いずれか記載のCYP3A5*3検出用プローブを有するマイクロアレイ。
(2)上記オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号1に示す塩基配列の5’末端にA、5’-AA-3’及び5’-CAA-3’のいずれかが付加され、上記配列の3’末端にA、5’-AG-3’及び5’-AGG-3’のいずれかが付加された塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的配列であることを特徴とする(1)記載のCYP3A4*1b検出用プローブ。
(3)上記オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号2〜4のいずれかの塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的配列であることを特徴とする(1)記載のCYP3A4*1b検出用プローブ。
AGGGCARGAGAGA(配列番号2)
AAGGGCARGAGAGAG(配列番号3)
CAAGGGCARGAGAGAGG(配列番号4)
(4)配列:5’- CTTTCARTATCTC -3’(配列番号5、RはA又はG)若しくは当該配列に対して相補的配列からなる、又は当該配列若しくは当該相補的配列の両端に1〜3の塩基が付加した配列からなる、全体が13〜19塩基長であるオリゴヌクレオチドを含む、CYP3A5*3検出用プローブ。
(5)上記オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号5に示す塩基配列の5’末端にT、5’-GT-3’及び5’-TGT-3’のいずれかが付加され、上記配列の3’末端にT、5’-TT-3’及び5’-TTC-3’のいずれかが付加された塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的配列であることを特徴とする(4)記載のCYP3A5*3検出用プローブ。
(6)上記オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号6〜8のいずれかの塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的配列であることを特徴とする(4)記載のCYP3A5*3検出用プローブ。
TCTTTCARTATCTCT(配列番号6)
GTCTTTCARTATCTCTT(配列番号7)
TGTCTTTCARTATCTCTTC(配列番号8)
(7)上記(1)乃至(3)いずれか記載のCYP3A4*1b検出用プローブ及び/又は上記(4)乃至(6)いずれか記載のCYP3A5*3検出用プローブを有するマイクロアレイ。
(8)被験者由来のゲノムを鋳型としてCYP3A4遺伝子におけるrs2740574で特定される多型部位を含む核酸断片を増幅する工程と、
得られた核酸断片と上記(1)乃至(3)いずれか記載のCYP3A4*1b検出用プローブとを接触させる工程と、
得られた核酸断片と上記CYP3A4*1b検出用プローブとのハイブリダイズを検出する工程とを含み、
rs2740574の遺伝子型を判定する、薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(9)上記rs2740574の遺伝子型が変異型アレルCYP3A4*1bのホモ又はヘテロである場合に薬剤代謝能が高いと判定することを特徴とする(8)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(10)上記CYP3A4*1b検出用プローブとして、rs2740574で特定される多型における野生型アレルに対応するオリゴヌクレオチドと、変異型アレルに対応するオリゴヌクレオチドとを使用することを特徴とする(8)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(11)rs2740574で特定される多型における野生型アレルに対応する上記オリゴヌクレオチドと、変異型アレルに対応する上記オリゴヌクレオチドとは、長さが同じである又は2塩基以内の差であることを特徴とする(8)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(12)被験者由来のゲノムを鋳型としてCYP3A5遺伝子におけるrs776746で特定される多型部位を含む核酸断片を増幅する工程と、
得られた核酸断片と上記(4)乃至(6)いずれか記載のCYP3A5*3検出用プローブとを接触させる工程と、
得られた核酸断片と上記CYP3A5*3検出用プローブとのハイブリダイズを検出する工程とを含み、
rs776746の遺伝子型を判定する、薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(13)上記rs776746の遺伝子型が変異型アレルCYP3A5*3のホモである場合に薬剤代謝能が低いと判定することを特徴とする(12)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(14)上記CYP3A5*3検出用プローブとして、rs776746で特定される多型における野生型アレルに対応するオリゴヌクレオチドと、変異型アレルに対応するオリゴヌクレオチドとを使用することを特徴とする(12)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(15)rs776746で特定される多型における野生型アレルに対応する上記オリゴヌクレオチドと、変異型アレルに対応する上記オリゴヌクレオチドとは、長さが同じである又は2塩基以内の差であることを特徴とする(12)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(16)上記(7)記載のマイクロアレイを使用することを特徴とする(8)又は(12)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(17)上記核酸断片を増幅する工程で得られた核酸断片は蛍光標識を有し、上記ハイブリダイズを検出する工程では当該蛍光標識の蛍光強度値を測定することを特徴とする(8)又は(12)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(18)上記薬物はタクロリムスであることを特徴とする(8)又は(12)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
得られた核酸断片と上記(1)乃至(3)いずれか記載のCYP3A4*1b検出用プローブとを接触させる工程と、
得られた核酸断片と上記CYP3A4*1b検出用プローブとのハイブリダイズを検出する工程とを含み、
rs2740574の遺伝子型を判定する、薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(9)上記rs2740574の遺伝子型が変異型アレルCYP3A4*1bのホモ又はヘテロである場合に薬剤代謝能が高いと判定することを特徴とする(8)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(10)上記CYP3A4*1b検出用プローブとして、rs2740574で特定される多型における野生型アレルに対応するオリゴヌクレオチドと、変異型アレルに対応するオリゴヌクレオチドとを使用することを特徴とする(8)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(11)rs2740574で特定される多型における野生型アレルに対応する上記オリゴヌクレオチドと、変異型アレルに対応する上記オリゴヌクレオチドとは、長さが同じである又は2塩基以内の差であることを特徴とする(8)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(12)被験者由来のゲノムを鋳型としてCYP3A5遺伝子におけるrs776746で特定される多型部位を含む核酸断片を増幅する工程と、
得られた核酸断片と上記(4)乃至(6)いずれか記載のCYP3A5*3検出用プローブとを接触させる工程と、
得られた核酸断片と上記CYP3A5*3検出用プローブとのハイブリダイズを検出する工程とを含み、
rs776746の遺伝子型を判定する、薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(13)上記rs776746の遺伝子型が変異型アレルCYP3A5*3のホモである場合に薬剤代謝能が低いと判定することを特徴とする(12)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(14)上記CYP3A5*3検出用プローブとして、rs776746で特定される多型における野生型アレルに対応するオリゴヌクレオチドと、変異型アレルに対応するオリゴヌクレオチドとを使用することを特徴とする(12)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(15)rs776746で特定される多型における野生型アレルに対応する上記オリゴヌクレオチドと、変異型アレルに対応する上記オリゴヌクレオチドとは、長さが同じである又は2塩基以内の差であることを特徴とする(12)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(16)上記(7)記載のマイクロアレイを使用することを特徴とする(8)又は(12)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(17)上記核酸断片を増幅する工程で得られた核酸断片は蛍光標識を有し、上記ハイブリダイズを検出する工程では当該蛍光標識の蛍光強度値を測定することを特徴とする(8)又は(12)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
(18)上記薬物はタクロリムスであることを特徴とする(8)又は(12)記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
本発明に係るCYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブは、CYP3A4遺伝子におけるrs2740574を含む領域を増幅した核酸断片及びCYP3A5遺伝子におけるrs776746を含む領域を増幅した核酸断片に対して、rs2740574の遺伝子型及びrs776746の遺伝子型に応じてそれぞれ特異的にハイブリダイズすることができる。したがって、本発明に係るCYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブを利用することによって、rs2740574の遺伝子型及びrs776746の遺伝子型をハイブリダイズといった簡便な処理によって高精度に判定することができる。
また、本発明に係るDNAチップは、上記CYP3A4*1b検出用プローブ及び/又はCYP3A5*3検出用プローブを備えるため、rs2740574の遺伝子型及び/又はrs776746の遺伝子型を判定する際に利用することができる。すなわち、本発明に係るDNAチップを利用することで、rs2740574の遺伝子型及び/又はrs776746の遺伝子型を簡便な処理によって高精度に判定することができる。
さらに、本発明に係る薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法は、上記CYP3A4*1b検出用プローブ及び/又はCYP3A5*3検出用プローブを利用し、被験者のゲノムにおけるrs2740574の遺伝子型及び/又はrs776746の遺伝子型を簡便に且つ高精度に判定した結果を利用している。したがって、本発明に係る薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法によれば、簡便な処理によって当該データを得ることができる。
本発明に係るCYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブは、それぞれrs2740574の遺伝子型及びrs776746の遺伝子型を検出するものである。
CYP3A4*1b検出用プローブは、rs2740574で特定される一塩基多型を含む所定の領域に対応する配列:5’- GGGCARGAGAG -3’(配列番号1、RはA又はG)若しくは当該配列に対して相補的配列からなる、又は当該配列若しくは当該相補的配列の両端に1〜3の塩基が付加した配列からなる、全体が11〜17塩基長であるオリゴヌクレオチドを含むものである。
言い換えると、本発明に係るCYP3A4*1b検出用プローブは、配列:GGGCARGAGAGからなるオリゴヌクレオチドであっても良いし、配列:GGGCARGAGAGの3’末端及び/又は5’末端に1〜3の塩基が付加した配列からなるオリゴヌクレオチドであっても良い。ここで、配列:GGGCARGAGAGの5’末端に付加してもよい1〜3の塩基とは、具体的にA、5’-AA-3’及び5’-CAA-3’である。また、配列:GGGCARGAGAGの3’末端に付加しても良い1〜3の塩基とは、具体的にA、5’-AG-3’及び5’-AGG-3’である。
或いは、本発明に係るCYP3A4*1b検出用プローブは、配列:GGGCARGAGAGの相補的配列からなるオリゴヌクレオチドであっても良いし、配列:GGGCARGAGAGの相補的配列の3’末端及び/又は5’末端に1〜3の塩基が付加した配列からなるオリゴヌクレオチドであっても良い。ここで、配列:GGGCARGAGAGの相補的配列の5’末端に付加してもよい1〜3の塩基とは、具体的にA、5’-AA-3’及び5’-CAA-3’の相補鎖である。また、配列:GGGCARGAGAGの相補的配列の3’末端に付加しても良い1〜3の塩基とは、具体的にA、5’-AG-3’及び5’-AGG-3’の相補鎖である。
より具体的に、本発明に係るCYP3A4*1b検出用プローブとしては、配列番号1〜4のいずれかの塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとすることが好ましい。
5’- GGGCARGAGAG -3’(配列番号1)
5’- AGGGCARGAGAGA -3’(配列番号2)
5’- AAGGGCARGAGAGAG -3’(配列番号3)
5’- CAAGGGCARGAGAGAGG -3’(配列番号4)
5’- GGGCARGAGAG -3’(配列番号1)
5’- AGGGCARGAGAGA -3’(配列番号2)
5’- AAGGGCARGAGAGAG -3’(配列番号3)
5’- CAAGGGCARGAGAGAGG -3’(配列番号4)
rs2740574は、CYP3A4遺伝子の5’プロモーター領域に座位する一塩基多型であり、野生型は392番目のアデニン(A)であり野生型アレル:CYP3A4*1と表記され、変異型はグアニン(G)であり変異型アレル:CYP3A4*1bと表記される。変異型アレル:CYP3A4*1bは、薬物の代謝能を亢進させる変異として知られている。よって、変異型アレル:CYP3A4*1bをホモ又はヘテロで有する個体は、野生型アレルをホモで有する個体と比較して薬物代謝が亢進することが知られている。
一方、CYP3A5*3検出用プローブは、rs776746で特定される一塩基多型を含む所定の領域に対応する配列:5’- CTTTCARTATCTC -3’(配列番号5、RはA又はG)若しくは当該配列に対して相補的配列からなる、又は当該配列若しくは当該相補的配列の両端に1〜3の塩基が付加した配列からなる、全体が13〜19塩基長であるオリゴヌクレオチドを含むものである。
言い換えると、本発明に係るCYP3A5*3検出用プローブは、配列:CTTTCARTATCTCからなるオリゴヌクレオチドであっても良いし、配列:CTTTCARTATCTCの3’末端及び/又は5’末端に1〜3の塩基が付加した配列からなるオリゴヌクレオチドであっても良い。ここで、配列:CTTTCARTATCTCの5’末端に付加してもよい1〜3の塩基とは、具体的にT、5’-GT-3’及び5’-TGT-3’である。また、配列:CTTTCARTATCTCの3’末端に付加してもよい1〜3の塩基とは、具体的にT、5’-TT-3’及び5’-TTC-3’である。
或いは、本発明に係るCYP3A5*3検出用プローブは、配列:CTTTCARTATCTCの相補的配列からなるオリゴヌクレオチドであっても良いし、配列:CTTTCARTATCTCの相補的配列の3’末端及び/又は5’末端に1〜3の塩基が付加した配列からなるオリゴヌクレオチドであっても良い。ここで、配列:CTTTCARTATCTCの相補的配列の5’末端に付加してもよい1〜3の塩基とは、具体的にT、5’-GT-3’及び5’-TGT-3’の相補鎖である。また、配列:CTTTCARTATCTCの相補的配列の3’末端に付加しても良い1〜3の塩基とは、具体的にT、5’-TT-3’及び5’-TTC-3’の相補鎖である。
より具体的に、本発明に係るCYP3A5*3検出用プローブとしては、配列番号5〜8のいずれかの塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとすることが好ましい。
5’- CTTTCARTATCTC -3’(配列番号5)
5’- TCTTTCARTATCTCT -3’(配列番号6)
5’- GTCTTTCARTATCTCTT -3’(配列番号7)
5’- TGTCTTTCARTATCTCTTC -3’(配列番号8)
5’- CTTTCARTATCTC -3’(配列番号5)
5’- TCTTTCARTATCTCT -3’(配列番号6)
5’- GTCTTTCARTATCTCTT -3’(配列番号7)
5’- TGTCTTTCARTATCTCTTC -3’(配列番号8)
rs776746は、CYP3A5遺伝子のイントロン3に座位する一塩基多型であり、野生型はアデニン(A)であり野生型アレル:CYP3A5*1と表記され、変異型はグアニン(G)であり変異型アレル:CYP3A5*3と表記される。変異型アレル:CYP3A5*3では、スプライシング異常の原因となり、正常なCYP3A5タンパク質の発現が抑制されるため、薬物の代謝能を遅延させる変異として知られている。よって、変異型アレル:CYP3A5*3をホモで有する個体は、野生型アレルをヘテロ又はホモで有する個体と比較して薬物代謝が遅延することが知られている。
ここで、CYP3A4及びCYP3A5が代謝に関与する薬剤としては、アミオダロン、カルバマゼピン、エリスロマイシン、シクロスポリンA、タクロリムス、タモキシフェン、シクロホスファミド、パクリタキセル、テルフェナジン、コデイン、テストステロン、カルシウム拮抗薬(ニフェジピン、ジルチアゼム、ミダゾラム)、ベンゾシアゼピン類(ミダゾラム)、マクロライド系抗生物質、アゾール系抗真菌薬リドカイン、キニジン、エトポシド、アルフェンタニール等を挙げることができる。
本発明に係るCYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブは、好ましくは核酸であり、より好ましくはDNAである。DNAには二本鎖も一本鎖も含まれるが、本発明に係るCYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブは好ましくは一本鎖DNAである。
本発明に係るCYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブは、例えば、核酸合成装置によって化学的に合成することで取得することができる。核酸合成装置としては、DNAシンセサイザー、全自動核酸合成装置、核酸自動合成装置等と呼ばれる装置を使用することができる。
本発明に係るCYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブは、その5’末端を担体上に固定化することにより、マイクロアレイ(例えばDNAチップ)の形態で用いるのが好ましい。このとき、マイクロアレイは、rs2740574における遺伝子型のうち野生型アレルであるアデニンに対応する配列のオリゴヌクレオチドと、変異型アレルであるグアニンに対応する配列のオリゴヌクレオチドとからなる一対のCYP3A4*1b検出用プローブと、rs776746における遺伝子型のうち野生型アレルであるアデニンに対応する配列のオリゴヌクレオチドと、変異型アレルであるグアニンに対応する配列のオリゴヌクレオチドとからなる一対のCYP3A5*3検出用プローブとを有することが好ましい。
CYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブそれぞれについて、野生型と変異型に対応する一対のプローブを利用することによって、rs2740574がアデニンのホモ接合型であるか、グアニンのホモ接合型であるか、アデニンとグアニンのヘテロ接合型であるか、更にrs776746がアデニンのホモ接合型であるか、グアニンのホモ接合型であるか、アデニンとグアニンのヘテロ接合型であるかを正確に同定することができる。
ここで、rs2740574における遺伝子型のうち野生型アレルであるアデニンに対応する配列のオリゴヌクレオチドと、変異型アレルであるグアニンに対応する配列のオリゴヌクレオチドとは、長さが2塩基以内の差であることが好ましく、長さが同じであることがより好ましい。同様に、rs776746における遺伝子型のうち野生型アレルであるアデニンに対応する配列のオリゴヌクレオチドと、変異型アレルであるグアニンに対応する配列のオリゴヌクレオチドとは、長さが2塩基以内の差であることが好ましく、長さが同じであることがより好ましい。
また、マイクロアレイは、rs2740574における遺伝子型のうち変異型であるグアニンに対応する配列のオリゴヌクレオチドのみをYP3A4*1b検出用プローブとして有するものであってもよい。rs2740574の少なくとも一方のアレルがグアニンであるとき、すなわちrs2740574の遺伝子型がG/G(グアニンのホモ接合型)又はA/G(アデニンとグアニンのヘテロ接合型)である場合、薬物代謝が亢進していると判断できるためである。
さらに、マイクロアレイは、rs776746における遺伝子型のうち野生型であるアデニンに対応する配列のオリゴヌクレオチドのみをCYP3A5*3検出用プローブとして有するものであってもよい。rs776746の少なくとも一方のアレルがアデニン(野生型)を有しないとき、すなわちrs776746の遺伝子型がG/G(グアニンのホモ接合型)である場合、薬物代謝が遅延していると判断できるためである。
担体の材料としては、当技術分野で公知のものを使用でき、特に制限されない。例えば、白金、白金黒、金、パラジウム、ロジウム、銀、水銀、タングステンおよびそれらの化合物などの貴金属、およびグラファイト、カ−ボンファイバ−に代表される炭素などの導電体材料;単結晶シリコン、アモルファスシリコン、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素などに代表されるシリコン材料、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)などに代表されるこれらシリコン材料の複合素材;ガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト、感光性ガラスなどの無機材料;ポリエチレン、エチレン、ポリプロビレン、環状ポリオレフィン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、ポリフェニレンオキサイドおよびポリスルホンなどの有機材料等が挙げられる。担体の形状も特に制限されないが、好ましくは平板状である。
本発明においては、担体として、好ましくは表面にカーボン層と化学修飾基とを有する担体を用いる。表面にカーボン層と化学修飾基とを有する担体には、基板の表面にカーボン層と化学修飾基とを有するもの、およびカーボン層からなる基板の表面に化学修飾基を有するものが包含される。基板の材料としては、当技術分野で公知のものを使用でき、特に制限されず、上述の担体材料として挙げたものと同様のものを使用できる。
本発明に係るマイクロアレイにおいては、微細な平板状の構造を有する担体が好適に用いられる。形状は、長方形、正方形および丸形など限定されないが、通常、1〜75mm四方のもの、好ましくは1〜10mm四方のもの、より好ましくは3〜5mm四方のものを用いる。微細な平板状の構造の担体を製造しやすいことから、シリコン材料や樹脂材料からなる基板を用いるのが好ましく、特に単結晶シリコンからなる基板の表面にカーボン層および化学修飾基を有する担体がより好ましい。単結晶シリコンには、部分部分でごくわずかに結晶軸の向きが変わっているものや(モザイク結晶と称される場合もある)、原子的尺度での乱れ(格子欠陥)が含まれているものも包含される。
本発明において基板上に形成させるカーボン層としては、特に制限されないが、合成ダイヤモンド、高圧合成ダイヤモンド、天然ダイヤモンド、軟ダイヤモンド(例えば、ダイヤモンドライクカーボン)、アモルファスカーボン、炭素系物質(例えば、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ)のいずれか、それらの混合物、またはそれらを積層させたものを用いることが好ましい。また、炭化ハフニウム、炭化ニオブ、炭化珪素、炭化タンタル、炭化トリウム、炭化チタン、炭化ウラン、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化クロム、炭化バナジウム等の炭化物を用いてもよい。ここで、軟ダイヤモンドとは、いわゆるダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond Like Carbon)等の、ダイヤモンドとカーボンとの混合体である不完全ダイヤモンド構造体を総称し、その混合割合は、特に限定されない。カーボン層は、化学的安定性に優れておりその後の化学修飾基の導入や分析対象物質との結合における反応に耐えることができる点、分析対象物質と静電結合によって結合するためその結合が柔軟性を持っている点、UV吸収がないため検出系UVに対して透明性である点、およびエレクトロブロッティングの際に通電可能な点において有利である。また、分析対象物質との結合反応において、非特異的吸着が少ない点においても有利である。前記のとおり基板自体がカーボン層からなる担体を用いてもよい。
本発明においてカーボン層の形成は公知の方法で行うことができる。例えば、マイクロ波プラズマCVD(Chemical vapor deposit)法、ECRCVD(Electric cyclotron resonance chemical vapor deposit)法、ICP(Inductive coupled plasma)法、直流スパッタリング法、ECR(Electric cyclotron resonance)スパッタリング法、イオン化蒸着法、アーク式蒸着法、レーザ蒸着法、EB(Electron beam)蒸着法、抵抗加熱蒸着法などが挙げられる。
高周波プラズマCVD法では、高周波によって電極間に生じるグロー放電により原料ガス(メタン)を分解し、基板上にカーボン層を合成する。イオン化蒸着法では、タングステンフィラメントで生成される熱電子を利用して、原料ガス(ベンゼン)を分解・イオン化し、バイアス電圧によって基板上にカーボン層を形成する。水素ガス1〜99体積%と残りメタンガス99〜1体積%からなる混合ガス中で、イオン化蒸着法によりカーボン層を形成してもよい。
アーク式蒸着法では、固体のグラファイト材料(陰極蒸発源)と真空容器(陽極)の間に直流電圧を印加することにより真空中でアーク放電を起こして陰極から炭素原子のプラズマを発生させ蒸発源よりもさらに負のバイアス電圧を基板に印加することにより基板に向かってプラズマ中の炭素イオンを加速しカーボン層を形成することができる。
レーザ蒸着法では、例えばNd:YAGレーザ(パルス発振)光をグラファイトのターゲット板に照射して溶融させ、ガラス基板上に炭素原子を堆積させることによりカーボン層を形成することができる。
基板の表面にカーボン層を形成する場合、カーボン層の厚さは、通常、単分子層〜100μm程度であり、薄すぎると下地基板の表面が局部的に露出する可能性があり、逆に厚くなると生産性が悪くなるので、好ましくは2nm〜1μm、より好ましくは5nm〜500nmである。
カーボン層が形成された基板の表面に化学修飾基を導入することにより、オリゴヌクレオチドプローブを担体に強固に固定化できる。導入する化学修飾基は、当業者であれば適宜選択することができ、特に制限されないが、例えば、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ホルミル基、ヒドロキシル基および活性エステル基が挙げられる。
アミノ基の導入は、例えば、カーボン層をアンモニアガス中で紫外線照射することによりまたはプラズマ処理することにより実施できる。または、カーボン層を塩素ガス中で紫外線を照射して塩素化し、さらにアンモニアガス中で紫外線照射することにより実施できる。または、メチレンジアミン、エチレンジアミンで等の多価アミン類ガス中を、塩素化したカーボン層と反応させることによって実施することもできる。
カルボキシル基の導入は、例えば、前記のようにアミノ化したカーボン層に適当な化合物を反応させることにより実施できる。カルボキシル基を導入するために用いられる化合物としては、例えば、式:X-R1-COOH(式中、Xはハロゲン原子、R1は炭素数10〜12の2価の炭化水素基を表す)で示されるハロカルボン酸、例えばクロロ酢酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸、2-クロロプロピオン酸、3-クロロプロピオン酸、3-クロロアクリル酸、4-クロロ安息香酸;式:HOOC-R2-COOH(式中、R2は単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す)で示されるジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、トリメリット酸、ブタンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸;式:R3-CO-R4-COOH(式中、R3は水素原子または炭素数1〜12の2価の炭化水素基、R4は炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す)で示されるケト酸またはアルデヒド酸;式:X-OC-R5-COOH(式中、Xはハロゲン原子、R5は単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す)で示されるジカルボン酸のモノハライド、例えばコハク酸モノクロリド、マロン酸モノクロリド;無水フタル酸、無水コハク酸、無水シュウ酸、無水マレイン酸、無水ブタンテトラカルボン酸などの酸無水物が挙げられる。
エポキシ基の導入は、例えば、前記のようにアミノ化したカーボン層に適当な多価エポキシ化合物を反応させることによって実施できる。あるいは、カーボン層が含有する炭素=炭素2重結合に有機過酸を反応させることにより得ることができる。有機過酸としては、過酢酸、過安息香酸、ジペルオキシフタル酸、過ギ酸、トリフルオロ過酢酸などが挙げられる。
ホルミル基の導入は、例えば、前記のようにアミノ化したカーボン層に、グルタルアルデヒドを反応させることにより実施できる。
ヒドロキシル基の導入は、例えば、前記のように塩素化したカーボン層に、水を反応させることにより実施できる。
活性エステル基は、エステル基のアルコール側に酸性度の高い電子求引性基を有して求核反応を活性化するエステル群、すなわち反応活性の高いエステル基を意味する。エステル基のアルコール側に、電子求引性の基を有し、アルキルエステルよりも活性化されたエステル基である。活性エステル基は、アミノ基、チオール基、水酸基等の基に対する反応性を有する。さらに具体的には、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、シアノメチルエステル、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等がアルキルエステル等に比べてはるかに高い活性を有する活性エステル基として知られている。より具体的には、活性エステル基としては、たとえばp-ニトロフェニル基、N-ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド基等が挙げられ、特に、N-ヒドロキシスクシンイミド基が好ましく用いられる。
活性エステル基の導入は、例えば、前記のように導入したカルボキシル基を、シアナミドやカルボジイミド(例えば、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド)などの脱水縮合剤とN-ヒドロキシスクシンイミドなどの化合物で活性エステル化することにより実施できる。この処理により、アミド結合を介して炭化水素基の末端に、N-ヒドロキシスクシンイミド基等の活性エステル基が結合した基を形成することができる(特開2001-139532)。
本発明に係る多型検出用プローブを、スポッティング用バッファーに溶解してスポッティング用溶液を調製し、これを96穴もしくは384穴プラスチックプレートに分注し、分注した溶液をスポッター装置等によって担体上にスポッティングすることにより、多型検出用プローブが担体に固定化されたマイクロアレイを製造することができる。または、スポッティング溶液をマイクロピペッターにて手動でスポッティングしてもよい。
スポッティング後、多型検出用プローブが担体に結合する反応を進行させるため、インキュベーションを行うことが好ましい。インキュベーションは、通常−20〜100℃、好ましくは0〜90℃の温度で、通常0.5〜16時間、好ましくは1〜2時間にわたって行う。インキュベーションは、高湿度の雰囲気下、例えば、湿度50〜90%の条件で行うのが望ましい。インキュベーションに続き、担体に結合していないDNAを除去するため、洗浄液(例えば、50mM TBS/0.05% Tween20、2×SSC/0.2%SDS溶液、超純水など)を用いて洗浄を行うことが好ましい。
また、上記CYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブ又はマイクロアレイを用いることで、被検者(薬物投与対象者)における、rs2740574で特定される一塩基多型の遺伝子型及びrs776746で特定される一塩基多型の遺伝子型を判定することができる。
ただし、上記CYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブのいずれか一方を用いることで、被検者(薬物投与対象者)における、rs2740574で特定される一塩基多型の遺伝子型及びrs776746で特定される一塩基多型の遺伝子型のうちいずれか一方を判定してもよい。
特に、rs2740574で特定される一塩基多型の遺伝子型を判定する際には、被検者由来の試料からDNAを抽出する工程と、抽出したDNAを鋳型とし、rs2740574を含む領域を増幅する工程と、上記CYP3A4*1b検出用プローブ又はマイクロアレイを用いて、増幅された核酸に含まれるrs2740574で特定される一塩基多型の遺伝子型を同定する工程とを含む。
同様に、rs776746で特定される一塩基多型の遺伝子型を判定する際には、被検者由来の試料からDNAを抽出する工程と、抽出したDNAを鋳型とし、rs776746を含む領域を増幅する工程と、上記CYP3A5*3検出用プローブ又はマイクロアレイを用いて、増幅された核酸に含まれるrs776746で特定される一塩基多型の遺伝子型を同定する工程とを含む。
なお、rs2740574で特定される一塩基多型の遺伝子型及びrs776746で特定される一塩基多型の遺伝子型をともに判定する際には、被検者由来の試料からDNAを抽出する工程と、抽出したDNAを鋳型とし、rs2740574を含む領域とrs776746を含む領域とをそれぞれ増幅する工程と、上記CYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブ又はマイクロアレイを用いて、増幅された核酸に含まれるrs2740574で特定される一塩基多型の遺伝子型及びrs776746で特定される一塩基多型の遺伝子型をそれぞれ同定する工程とを含む。
被検者は通常ヒトであり、人種等には特に限定されないが、特に、黄色人種、好適には東アジア人種、特に好適には日本人とする。被検者由来の試料は特に制限されない。例えば、血液関連試料(血液、血清、血漿など)、リンパ液、糞便、がん細胞、組織または臓器の破砕物および抽出物などが挙げられる。
まず、被検者から採取した試料からDNAを抽出する。抽出手段としては、特に限定されない。例えばフェノール/クロロホルム、エタノール、水酸化ナトリウム、CTABなどを用いたDNA抽出法を用いることができる。
次に、得られたDNAを鋳型として用いて増幅反応を行い、rs2740574を含む領域やrs776746を含む領域、好ましくはDNAを増幅させる。増幅反応としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)、ICAN(Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids)法等を適用することができる。増幅反応においては、増幅後の領域を識別できるように標識を付加することが望ましい。このとき、増幅された核酸を標識する方法としては、特に限定されないが、例えば増幅反応に使用するプライマーをあらかじめ標識しておく方法を使用してもよいし、増幅反応に標識ヌクレオチドを基質として使用する方法を使用してもよい。標識物質としては、特に限定されないが、放射性同位元素や蛍光色素、あるいはジゴキシゲニン(DIG)やビオチンなどの有機化合物などを使用することができる。
またこの反応系は、核酸増幅・標識に必要な緩衝剤、耐熱性DNAポリメラーゼ、増幅領域に特異的なプライマー、標識ヌクレオチド三リン酸(具体的には蛍光標識等を付加したヌクレオチド三リン酸)、ヌクレオチド三リン酸および塩化マグネシウム等を含む反応系である。
rs2740574を含む領域の増幅反応に用いるプライマーは、rs2740574を含む領域を特異的に増幅できるものであれば特に制限されず、当業者であれば適宜設計できる。例えば、
プライマー1:5'- CTGGGTTTGGAAGGATGTGT -3'(配列番号9)及び
プライマー2:5'- TGGAGCCATTGGCATAAAAT -3'(配列番号10)
からなるプライマーのセットが挙げられる。
プライマー1:5'- CTGGGTTTGGAAGGATGTGT -3'(配列番号9)及び
プライマー2:5'- TGGAGCCATTGGCATAAAAT -3'(配列番号10)
からなるプライマーのセットが挙げられる。
rs776746を含む領域増幅反応に用いるプライマーは、rs776746を含む領域を特異的に増幅できるものであれば特に制限されず、当業者であれば適宜設計できる。例えば、
プライマー1:5'- CCCACGTATGTACCACCCA -3'(配列番号11)及び
プライマー2:5'- TGTACGACACACAGCAACCT -3'(配列番号12)
からなるプライマーのセットが挙げられる。
プライマー1:5'- CCCACGTATGTACCACCCA -3'(配列番号11)及び
プライマー2:5'- TGTACGACACACAGCAACCT -3'(配列番号12)
からなるプライマーのセットが挙げられる。
また、プライマーにより増幅される核酸断片は、目的とする多型(rs2740574又はrs776746)を含んでいれば特に限定されず、例えば1kbp以下が好ましく、800bp以下がより好ましくは、400bp以下が更に好ましく、200bp以下が特に好ましい。
上記のようにして得られた増幅核酸と本発明に係るCYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブとのハイブリダイゼーション反応を行い、CYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブにハイブリダイズした核酸の量を、例えば標識を検出することにより測定できる。標識からのシグナルは、例えば、蛍光標識を用いた場合は、蛍光スキャナを用いて蛍光シグナル検出し、これを画像解析ソフトによって解析することによりシグナル強度を数値化することができる。また、CYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブにハイブリダイズした増幅核酸は、例えば、既知量のDNAを含む試料を用いて検量線を作成することにより、定量することもできる。ハイブリダイゼーション反応は、好ましくはストリンジェントな条件下で実施する。ストリンジェントな条件とは、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいい、例えば、50℃で16時間ハイブリダイズ反応させた後、2×SSC/0.2% SDS、25℃、10分および2×SSC、25℃、5分の条件で洗浄する条件をさす。或いは、ハイブリダイズする温度としては、塩濃度が0.5×SSCのとき、45〜60℃とすることができ、CYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブの鎖長が短い場合にはハイブリダイズ温度をこれより低くすることがより好ましく、CYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブの鎖長が長い場合にはハイブリダイズ温度をこれより高くとすることがより好ましい。塩濃度が高くなると特異性を有するハイブリダイズ温度は高くなり、逆に塩濃度が低くなると特異性を有するハイブリダイズ温度は低くなることはいうまでもない。
上記ハイブリダイゼーション反応においては、本発明に係るCYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブが担体上に固定化されたマイクロアレイを用い、該マイクロアレイに増幅核酸を含む溶液を作用する方法が好ましい。
本発明に係る薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法は、本発明に係るCYP3A4*1b検出用プローブ及びCYP3A5*3検出用プローブにハイブリダイズした上記増幅核酸の量に基づいて、被験者のゲノムにおけるrs2740574の遺伝子型が、変異型アレルをホモで有するかヘテロで有するか特定する。
そして、rs2740574の遺伝子型が変異型アレル:CYP3A4*1bをホモ又はヘテロで有する場合に当該被験者について、薬物代謝速度が早いと判断できる。このため、変異型アレル:CYP3A4*1bをホモで有する個体及びヘテロで有する個体は、野生型アレルをホモで有する個体と比較して、上述した薬物の投与量を多量とすることができる。
特に、変異型アレル:CYP3A4*1bをホモで有する個体と、変異型アレル:CYP3A4*1bをヘテロで有する個体とを比較した場合には、変異型アレル:CYP3A4*1bをホモで有する個体における薬物代謝速度がより早いと判断できる。よって、変異型アレル:CYP3A4*1bをホモで有する個体に対する薬物投与量は、変異型アレル:CYP3A4*1bをヘテロで有する個体に対する薬物投与量よりもより多量とすることができる。
一方、rs776746の遺伝子型が変異型アレル:CYP3A5*3をホモで有する場合に当該被験者について、薬物代謝速度が遅いと判断できる。このため、変異型アレル:CYP3A5*3をホモで有する個体は、変異型アレルをヘテロで有する個体及び野生型アレルをホモで有する個体と比較して、上述した薬物の投与量を少量とすることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが本発明の技術的範囲は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
本実施例では、rs2740574の遺伝子型を判別するための一対のCYP3A4*1b検出用プローブを有するDNAチップを作製した。DNAチップに搭載した核酸プローブの一覧を表1に示した。
本実施例では、rs2740574の遺伝子型を判別するための一対のCYP3A4*1b検出用プローブを有するDNAチップを作製した。DNAチップに搭載した核酸プローブの一覧を表1に示した。
本実施例では、PCR法により、蛍光標識を有する、rs2740574を含む核酸断片を増幅し、得られた核酸断片を以上のように作製したDNAチップに対して作用させ、核酸断片と多型検出用プローブとのハイブリダイズを蛍光強度にて検出した。
蛍光標識プライマーの作製は、5’末端をアミノ基で標識した表2に示すオリゴヌクレオチドC3A4-R(ライフテクノロジーズジャパン製)と、IC5-OSu(同仁化学研究所製)をりん酸緩衝液(pH8.0)中で4℃にて1昼夜反応させた後、MicroSpin G-25 Columns(GEヘルスケア製)を用いて精製することにより作製した。得られた精製物の260nm及び640nmの吸光度を測定することにより、プライマーの濃度及び蛍光色素の濃度を算出した。
得られた蛍光標識プライマーに蛍光未標識プライマー(C3A4-F)を加え、表2の濃度のプライマーを等量ずつ混合し、プライマーミックスを調整した。表3に示す条件にてPCRを行った。具体的にPCRは、表4に示す組成で反応液を調整し、これに野生型検体として2pg/μLに調製した野生型配列をもつプラスミドDNA、変異型配列を持つプラスミドDNA及びヘテロ相当として調整したプラスミドDNAを5μLずつ反応チューブにそれぞれ加えた後、PCRをサーマルサイクラー(ABI製)を用いて行った。
以上のようにして得られた増幅産物をDNAチップにハイブリダイズさせる際には、先ず、規定温度(45、50、55、60℃のいずれか)に設定したチャンバー内に湿箱を載置し、チャンバー及び室箱をあらかじめ十分予熱しておいた。新しいサンプルチューブにハイブリダイズ緩衝液(2.25×SSC/0.23%SDS)を1.5μLと増幅産物を3μL入れ、混合した。この混合液のうち3μLをDNAチップ上に滴下し、カバーをかけ、十分に予熱しておいた湿箱に入れ、湿箱をチャンバー内に載置した。その後、規定温度で1時間DNAチップと増幅産物を反応させた。
その後、直ちにカバーを外し、1×SSC/0.1%SDS溶液に5分間静置した後、検出するまで室温の1×SSC溶液に静置した。ハイブリダイズの検出には、BIOSHOT(東洋鋼鈑製)を使用した。このとき、露光時間を5秒に設定した。また、各スポット径内の画素の数値から、中央値を求めた。同じプローブスポットは中央値の平均を求め、各スポットの出力値とした。
特異性の評価に当たっては、各スポットの蛍光強度値を以下の判定式に代入して得られる判定値を指標とした。
本実施例のうち、ハイブリダイズ温度を変化させて得られた判定値を表5に示した。また、野生型アレル及び変異型アレルに対応する一対のCYP3A4*1b検出用プローブを異なる塩基長のものを使用したときに得られた判定値を表6に示した。
表5から分かるように、本実施例で設計した11〜17塩基のCYP3A4*1b検出用プローブであれば、45〜60℃のハイブリダイズ反応温度で、各遺伝子型から得られる判定値に0.2以上の差が見られ、遺伝子型判別が可能であることが明らかとなった。また、表6に示すように、本実施例で設計した11〜17塩基のCYP3A4*1b検出用プローブであれば、塩基長が2塩基異なる場合であっても特異性を有していることが確認された。
〔実施例2〕
本実施例では、rs776746の遺伝子型を判別するための一対のCYP3A5*3検出用プローブを有するDNAチップを作製した。DNAチップに搭載した核酸プローブの一覧を表7に示した。
本実施例では、rs776746の遺伝子型を判別するための一対のCYP3A5*3検出用プローブを有するDNAチップを作製した。DNAチップに搭載した核酸プローブの一覧を表7に示した。
本実施例では、PCR法により、蛍光標識を有する、rs776746を含む核酸断片を増幅し、得られた核酸断片を以上のように作製したDNAチップに対して作用させ、核酸断片と多型検出用プローブとのハイブリダイズを蛍光強度にて検出した。
蛍光標識プライマーの作製は、5’末端をアミノ基で標識した表8に示すオリゴヌクレオチドC3A5-R3(ライフテクノロジーズジャパン製)と、IC5-OSu(同仁化学研究所製)をりん酸緩衝液(pH8.0)中で4℃にて1昼夜反応させた後、MicroSpin G-25 Columns(GEヘルスケア製)を用いて精製することにより作製した。得られた精製物の260nm及び640nmの吸光度を測定することにより、プライマーの濃度及び蛍光色素の濃度を算出した。
得られた蛍光標識プライマーに蛍光未標識プライマー(C3A5-F3)を加え、表8の濃度のプライマーを等量ずつ混合し、プライマーミックスを調整した。表9に示す条件にてPCRを行った。具体的にPCRは、表10に示す組成で反応液を調整し、これに野生型検体として2pg/μLに調製した野生型配列をもつプラスミドDNA、変異型配列を持つプラスミドDNA及びヘテロ相当として調整したプラスミドDNAを5μLずつ反応チューブにそれぞれ加えた後、PCRをサーマルサイクラー(ABI製)を用いて行った。
以上のようにして得られた増幅産物をDNAチップにハイブリダイズさせる際には、先ず、規定温度(45、50、55、60℃のいずれか)に設定したチャンバー内に湿箱を載置し、チャンバー及び室箱をあらかじめ十分予熱しておいた。新しいサンプルチューブにハイブリダイズ緩衝液(2.25×SSC/0.23%SDS)を1.5μLと増幅産物を3μL入れ、混合した。この混合液のうち3μLをDNAチップ上に滴下し、カバーをかけ、十分に予熱しておいた湿箱に入れ、湿箱をチャンバー内に載置した。その後、規定温度で1時間DNAチップと増幅産物を反応させた。
その後、直ちにカバーを外し、1×SSC/0.1%SDS溶液に5分間静置した後、検出するまで室温の1×SSC溶液に静置した。ハイブリダイズの検出には、BIOSHOT(東洋鋼鈑製)を使用した。このとき、露光時間を5秒に設定した。また、各スポット径内の画素の数値から、中央値を求めた。同じプローブスポットは中央値の平均を求め、各スポットの出力値とした。
特異性の評価に当たっては、各スポットの蛍光強度値を以下の判定式に代入して得られる判定値を指標とした。
本実施例のうち、ハイブリダイズ温度を変化させて得られた判定値を表11に示した。また、野生型アレル及び変異型アレルに対応する一対のCYP3A5*3検出用プローブを異なる塩基長のものを使用したときに得られた判定値を表12に示した。
表11から分かるように、本実施例で設計した13〜19塩基のCYP3A5*3検出用プローブであれば、45〜60℃のハイブリダイズ反応温度で、各遺伝子型から得られる判定値に0.2以上の差が見られ、遺伝子型判別が可能であることが明らかとなった。また、表12に示すように、本実施例で設計した13〜19塩基のCYP3A5*3検出用プローブであれば、塩基長が2塩基異なる場合であっても特異性を有していることが確認された。
Claims (18)
- 配列:5’- GGGCARGAGAG -3’(配列番号1、RはA又はG)若しくは当該配列に対して相補的配列からなる、又は当該配列若しくは当該相補的配列の両端に1〜3の塩基が付加した配列からなる、全体が11〜17塩基長であるオリゴヌクレオチドを含む、CYP3A4*1b検出用プローブ。
- 上記オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号1に示す塩基配列の5’末端にA、5’-AA-3’及び5’-CAA-3’のいずれかが付加され、上記配列の3’末端にA、5’-AG-3’及び5’-AGG-3’のいずれかが付加された塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的配列であることを特徴とする請求項1記載のCYP3A4*1b検出用プローブ。
- 上記オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号2〜4のいずれかの塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的配列であることを特徴とする請求項1記載のCYP3A4*1b検出用プローブ。
AGGGCARGAGAGA(配列番号2)
AAGGGCARGAGAGAG(配列番号3)
CAAGGGCARGAGAGAGG(配列番号4) - 配列:5’- CTTTCARTATCTC -3’(配列番号5、RはA又はG)若しくは当該配列に対して相補的配列からなる、又は当該配列若しくは当該相補的配列の両端に1〜3の塩基が付加した配列からなる、全体が13〜19塩基長であるオリゴヌクレオチドを含む、CYP3A5*3検出用プローブ。
- 上記オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号5に示す塩基配列の5’末端にT、5’-GT-3’及び5’-TGT-3’のいずれかが付加され、上記配列の3’末端にT、5’-TT-3’及び5’-TTC-3’のいずれかが付加された塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的配列であることを特徴とする請求項4記載のCYP3A5*3検出用プローブ。
- 上記オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号6〜8のいずれかの塩基配列又は当該塩基配列に対して相補的配列であることを特徴とする請求項4記載のCYP3A5*3検出用プローブ。
TCTTTCARTATCTCT(配列番号6)
GTCTTTCARTATCTCTT(配列番号7)
TGTCTTTCARTATCTCTTC(配列番号8) - 請求項1乃至3いずれか一項記載のCYP3A4*1b検出用プローブ及び/又は請求項4乃至6いずれか一項記載のCYP3A5*3検出用プローブを有するマイクロアレイ。
- 被験者由来のゲノムを鋳型としてCYP3A4遺伝子におけるrs2740574で特定される多型部位を含む核酸断片を増幅する工程と、
得られた核酸断片と請求項1乃至3いずれか一項記載のCYP3A4*1b検出用プローブとを接触させる工程と、
得られた核酸断片と上記CYP3A4*1b検出用プローブとのハイブリダイズを検出する工程とを含み、
rs2740574の遺伝子型を判定する、薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。 - 上記rs2740574の遺伝子型が変異型アレルCYP3A4*1bのホモ又はヘテロである場合に薬剤代謝能が高いと判定することを特徴とする請求項8記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
- 上記CYP3A4*1b検出用プローブとして、rs2740574で特定される多型における野生型アレルに対応するオリゴヌクレオチドと、変異型アレルに対応するオリゴヌクレオチドとを使用することを特徴とする請求項8記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
- rs2740574で特定される多型における野生型アレルに対応する上記オリゴヌクレオチドと、変異型アレルに対応する上記オリゴヌクレオチドとは、長さが同じである又は2塩基以内の差であることを特徴とする請求項8記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
- 被験者由来のゲノムを鋳型としてCYP3A5遺伝子におけるrs776746で特定される多型部位を含む核酸断片を増幅する工程と、
得られた核酸断片と請求項4乃至6いずれか一項記載のCYP3A5*3検出用プローブとを接触させる工程と、
得られた核酸断片と上記CYP3A5*3検出用プローブとのハイブリダイズを検出する工程とを含み、
rs776746の遺伝子型を判定する、薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。 - 上記rs776746の遺伝子型が変異型アレルCYP3A5*3のホモである場合に薬剤代謝能が低いと判定することを特徴とする請求項12記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
- 上記CYP3A5*3検出用プローブとして、rs776746で特定される多型における野生型アレルに対応するオリゴヌクレオチドと、変異型アレルに対応するオリゴヌクレオチドとを使用することを特徴とする請求項12記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
- rs776746で特定される多型における野生型アレルに対応する上記オリゴヌクレオチドと、変異型アレルに対応する上記オリゴヌクレオチドとは、長さが同じである又は2塩基以内の差であることを特徴とする請求項12記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
- 請求項7記載のマイクロアレイを使用することを特徴とする請求項8又は12記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
- 上記核酸断片を増幅する工程で得られた核酸断片は蛍光標識を有し、上記ハイブリダイズを検出する工程では当該蛍光標識の蛍光強度値を測定することを特徴とする請求項8又は12記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
- 上記薬物はタクロリムスであることを特徴とする請求項8又は12記載の薬物代謝能を予測するためのデータ取得方法。
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