JP4884899B2 - イリノテカンの副作用の発生危険度を判定する方法およびそのためのキット - Google Patents

イリノテカンの副作用の発生危険度を判定する方法およびそのためのキット Download PDF

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Description

本発明は、イリノテカンの副作用の発生危険度を判定する方法およびそのためのキットに関する。
イリノテカン(CPT-11)は、カンレンボク由来の抗腫瘍性アルカロイドであるカンプトテシンから合成された抗癌剤であり、肺癌や転移性大腸癌などの癌を治療するのに有用であることが知られている。イリノテカンは、DNA複製を促進する酵素トポイソメラーゼを阻害することにより優れた抗癌作用を示すが、副作用として、白血球減少および下痢という大きな毒性を有することも報告されている。
グルクロン酸抱合酵素(UDP-glucuronosyltransferase: UGT)は、薬物、異物または内在性物質であるビリルビン、ステロイドホルモン、胆汁酸などにグルクロン酸を付加する反応を触媒する酵素であり、その酵素をコードする遺伝子のひとつであるUGT1A1には遺伝子多型が存在することが知られている。
そして、UGT1A1遺伝子多型は、抗癌剤としてのイリノテカン(CPT-11)の副作用の発現に関与していることが報告されている。すなわち、UGT活性の低下をきたすUGT1A1遺伝子多型をもつ人は、白血球減少や激しい下痢など重篤な副作用リスクが高まることが報告されている。UGT1A1遺伝子多型の1つであるUGT1A1*28は、プロモーター領域TATAボックスにおけるTA配列の繰り返しが、多数を占める野生型(UGT1A1*1)では6回であるのに対し、7回の繰り返しになっている遺伝子多型であり、このTA2塩基挿入という違いにより遺伝子の発現量が低下し、結果としてUGT活性が低下する。
従って、UGT1A1遺伝子多型を検出することは、イリノテカンの副作用を予測または回避するために有用な手段として期待されていた。遺伝子多型を検出する基本的な方法として、ダイレクトシークエンス法やフラグメント法が知られている。また、Invader法によるUGT1A1遺伝子多型診断キット(米国TWT社)が診断薬として実用化されている。しかし、これらの方法は、判別精度が低いことや、解析コストが高いという問題があった。
本発明は、グルクロン酸抱合酵素の遺伝子多型を検出することによりイリノテカンによる副作用の発生危険度を判定するための簡便かつ効率的な手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む連続した25〜35塩基の塩基配列、該塩基配列においてTATAボックスの繰り返し数を変化させた25〜35塩基の塩基配列、またはそれらの相補配列からなる核酸プローブを用いたハイブリダイゼーション法により、UGT1A1遺伝子多型を効率的に判定できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)グルクロン酸抱合酵素遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスの遺伝子多型を検出することにより、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定する方法であって、
以下のaおよびbの核酸プローブ、cおよびdの核酸プローブ、eおよびfの核酸プローブ、aおよびfの核酸プローブ、ならびにeおよびbの核酸プローブ:
a)配列番号1における439〜452番目の14塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
b)配列番号2における439〜450番目の12塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
c)配列番号1における439〜452番目の14塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸プローブ、
d)配列番号2における439〜450番目の12塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸プローブ、
e)配列番号1における439〜452番目の14塩基がTA×8の16塩基(TATATATATATATATA)に置換された塩基配列における該16塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
f)配列番号2における439〜450番目の12塩基がTA×5の10塩基(TATATATATA)に置換された塩基配列における該10塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
からなる群から選択される少なくとも1の核酸プローブの組と、被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型とする増幅反応によって得られた増幅核酸とを用いる核酸ハイブリダイゼーション法において、aの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とbの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、cの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とdの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、eの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とfの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、aの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とfの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、および/またはeの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とbの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比を測定することを特徴とする前記方法。
(2)被検者におけるイリノテカンによる副作用の発生危険度を判定する方法であって、
1)被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、グルクロン酸抱合酵素遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅する工程、
2)1の工程で得られた増幅核酸を、以下のaおよびbの核酸プローブ、cおよびdの核酸プローブ、eおよびfの核酸プローブ、aおよびfの核酸プローブ、ならびにeおよびbの核酸プローブ:
a)配列番号1における439〜452番目の14塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
b)配列番号2における439〜450番目の12塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
c)配列番号1における439〜452番目の14塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸プローブ、
d)配列番号2における439〜450番目の12塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸プローブ、
e)配列番号1における439〜452番目の14塩基がTA×8の16塩基(TATATATATATATATA)に置換された塩基配列における該16塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
f)配列番号2における439〜450番目の12塩基がTA×5の10塩基(TATATATATA)に置換された塩基配列における該10塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
からなる群から選択される少なくとも1の核酸プローブの組にハイブリダイズさせる工程、
3)aの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とbの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、cの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とdの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、eの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とfの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、aの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とfの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、および/またはeの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とbの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比を測定する工程
を含む、前記方法。
(3)aの核酸プローブが配列番号3で表される塩基配列を含み、かつbの核酸プローブが配列番号4もしくは17で表される塩基配列を含むか、または
aの核酸プローブが配列番号5で表される塩基配列を含み、かつbの核酸プローブが配列番号6で表される塩基配列を含む、
(1)または(2)記載の方法。
(4)cの核酸プローブが配列番号7で表される塩基配列を含み、かつdの核酸プローブが配列番号8で表される塩基配列を含むか、または
cの核酸プローブが配列番号9で表される塩基配列を含み、かつdの核酸プローブが配列番号10で表される塩基配列を含む、
(1)または(2)記載の方法。
(5)eの核酸プローブが配列番号18で表される塩基配列を含み、かつfの核酸プローブが配列番号19で表される塩基配列を含む、
(1)または(2)記載の方法。
(6)aの核酸プローブが配列番号3において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなり、かつbの核酸プローブが配列番号4もしくは17において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなるか、または
aの核酸プローブが配列番号5において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなり、かつbの核酸プローブが配列番号6において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる、
(1)または(2)記載の方法。
(7)cの核酸プローブが配列番号7において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなり、かつdの核酸プローブが配列番号8において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなるか、または
cの核酸プローブが配列番号9において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなり、かつdの核酸プローブが配列番号10において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる、
(1)または(2)記載の方法。
(8)eの核酸プローブが配列番号18において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなり、かつfの核酸プローブが配列番号19において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる、
(1)または(2)記載の方法。
(9)イリノテカンによる副作用を検出するためのキットであって、以下のaおよびbの核酸プローブ、cおよびdの核酸プローブ、eおよびfの核酸プローブ、aおよびfの核酸プローブ、ならびにeおよびbの核酸プローブ:
a)配列番号1における439〜452番目の14塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
b)配列番号2における439〜450番目の12塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
c)配列番号1における439〜452番目の14塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸プローブ、
d)配列番号2における439〜450番目の12塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸プローブ、
e)配列番号1における439〜452番目の14塩基がTA×8の16塩基(TATATATATATATATA)に置換された塩基配列における該16塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
f)配列番号2における439〜450番目の12塩基がTA×5の10塩基(TATATATATA)に置換された塩基配列における該10塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
からなる群から選択される少なくとも1の核酸プローブの組を含む、前記キット。
(10)核酸プローブが担体上に固定化されたマイクロアレイを含む、(9)記載のキット。
(11)aの核酸プローブが配列番号3で表される塩基配列を含み、かつbの核酸プローブが配列番号4もしくは17で表される塩基配列を含むか、または
aの核酸プローブが配列番号5で表される塩基配列を含み、かつbの核酸プローブが配列番号6で表される塩基配列を含む、
(9)または(10)記載のキット。
(12)cの核酸プローブが配列番号7で表される塩基配列を含み、かつdの核酸プローブが配列番号8で表される塩基配列を含むか、または
cの核酸プローブが配列番号9で表される塩基配列を含み、かつdの核酸プローブが配列番号10で表される塩基配列を含む、
(9)または(10)記載のキット。
(13)eの核酸プローブが配列番号18で表される塩基配列を含み、かつfの核酸プローブが配列番号19で表される塩基配列を含む、
(9)または(10)記載のキット。
(14)aの核酸プローブが配列番号3において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなり、かつbの核酸プローブが配列番号4もしくは17において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなるか、または
aの核酸プローブが配列番号5において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなり、かつbの核酸プローブが配列番号6において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる、
(9)または(10)記載のキット。
(15)cの核酸プローブが配列番号7において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなり、かつdの核酸プローブが配列番号8において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなるか、または
cの核酸プローブが配列番号9において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなり、かつdの核酸プローブが配列番号10において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる、
(9)または(10)記載のキット。
(16)eの核酸プローブが配列番号18において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなり、かつfの核酸プローブが配列番号19において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる、
(9)または(10)記載のキット。
本発明により、グルクロン酸抱合酵素の遺伝子多型を高精度に検出することができ、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定するための簡便かつ効率的な手段が提供される。
一実施形態において本発明は、グルクロン酸抱合酵素遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスの遺伝子多型を検出することにより、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定する方法に関する。
イリノテカン(CPT-11)、1,4'-ビピペリジン-1'-カルボン酸 (S)-4,11-ジエチル-3,4,12,14-テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-3,14-ジオキソ-1H-ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-9-イルエステル(CAS NO:97682-44-5)は、カンレンボク由来の抗腫瘍性アルカロイドであるカンプトテシンから合成された化合物である。本発明において、イリノテカンには、その塩およびそれらの溶媒和物、特に水和物(例えば、CAS NO:136572-09-3)も包含される。イリノテカンの塩としては、薬学的に許容される酸を作用させた酸付加塩が抗癌剤として好ましく用いられる。そのような酸付加塩としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸との塩;シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられ、特に塩酸塩(塩酸イリノテカン;CAS NO:136572-09-3)が好ましく用いられる。
イリノテカンは、生体内投与後にカルボキシルエステラーゼによって活性代謝物SN-38に変換される。SN-38は肝臓でグルクロン酸抱合酵素(UDP-グルクロン酸転移酵素; UGT)による抱合反応を受けて解毒されたのち、腸管に排泄される。そして、SN-38の解毒にかかわるUGT活性の相対的なバランスが、生体内のSN-38量に影響を及ぼし、その結果生体が受けるSN-38暴露量の大小によって副作用の個体間差が引き起こされると考えられている。SN-38の解毒過程であるグルクロン酸抱合反応は、主にUGTの一分子種であるUGT1A1によって触媒されることが明らかにされている。UGT1A1の遺伝子多型を有する患者がイリノテカンの投与を受けた場合、UGT活性が低下しているために投与後にSN-38の解毒が遅延し、重度の副作用が引き起こされる可能性が高くなる。UGT1A1の遺伝子多型の1つであるUGT1A1*28はプロモーター領域のTATAボックスにおけるTA配列の繰り返しが、多数を占める野生型(UGT1A1*1)では6回であるのに対し、7回の繰り返しになっている遺伝子多型であり、このTA2塩基挿入という違いにより遺伝子の発現量が低下し、結果としてUGT活性が低下する。
本発明において、イリノテカンによる副作用は、イリノテカンを投与した患者において発生する副作用を指し、グルクロン酸抱合酵素遺伝子に変異を有する被検者において発生危険度が高まるものであれば特に制限されない。好ましくはUGT1A1遺伝子の多型、特にUGT1A1*28を有する患者において発生危険度が高まる副作用をさす。換言すれば、イリノテカンによる副作用は、グルクロン酸抱合酵素遺伝子の発現量の低下および/またはグルクロン酸抱合酵素の活性低下より発生危険度が高まる副作用をさす。イリノテカンによる副作用として、より具体的には、白血球減少などの骨髄毒性、下痢、嘔吐、全身倦怠感、食欲不振、脱毛が挙げられる。
グルクロン酸抱合酵素(UDP-グルクロン酸転移酵素; UGT)は、主に肝臓小胞体に局在する膜酵素であり、生体内外の異物(薬物や環境汚染物質、食品添加物など)である脂溶性化合物にグルクロン酸を転移するグルクロン酸抱合を触媒する活性を有するタンパク質をさす。グルクロン酸抱合酵素(UGT)の一分子種であるUGT1A1のアミノ酸配列および該酵素遺伝子の塩基配列は、公開されたデータベース(GenBank、EMBL、DDBJ)においてAccession No:NM_000463として登録されている。グルクロン酸抱合酵素遺伝子のプロモーター領域の塩基配列であって、TATAボックスにおけるTA配列の繰り返しが6回である野生型の塩基配列は、公開されたデータベース(GenBank、EMBL、DDBJ)においてAccession No:AY533179として登録されている(配列番号2)。グルクロン酸抱合酵素遺伝子のプロモーター領域の塩基配列であって、TATAボックスにおけるTA配列の繰り返しが7回である変異型の塩基配列は、公開されたデータベース(GenBank、EMBL、DDBJ)においてAccession No:AY533180として登録されている(配列番号1)。各配列は、例えば、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/から入手できる。
本発明のイリノテカンによる副作用の発生危険度を判定する方法は、以下のaおよびbの核酸プローブ、cおよびdの核酸プローブ、eおよびfの核酸プローブ、aおよびfの核酸プローブ、ならびに/またはeおよびbの核酸プローブ:
a)配列番号1における439〜452番目の14塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは27〜33塩基、さらに好ましくは29〜31塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
b)配列番号2における439〜450番目の12塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは27〜33塩基、さらに好ましくは29〜31塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
c)配列番号1における439〜452番目の14塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは27〜33塩基、さらに好ましくは29〜31塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸プローブ、
d)配列番号2における439〜450番目の12塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは27〜33塩基、さらに好ましくは29〜31塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸プローブ、
e)配列番号1における439〜452番目の14塩基がTA×8の16塩基(TATATATATATATATA)に置換された塩基配列における該16塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
f)配列番号2における439〜450番目の12塩基がTA×5の10塩基(TATATATATA)に置換された塩基配列における該10塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなる核酸プローブ、
と、被検者(通常、ヒト被検者をさす)の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型とする増幅反応によって得られた増幅核酸とを用いる核酸ハイブリダイゼーション法において、aの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とbの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、cの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とdの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、eの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とfの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、aの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とfの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、および/またはeの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とbの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比を測定することを特徴とする。以下、核酸プローブを単にプローブと称する場合もある。
aの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とbの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、cの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とdの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、eの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とfの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、aの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とfの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、およびeの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とbの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比のうちの少なくとも1つの比を測定すればよく、すべての比を測定してもよい。上記のうち多くの比を測定することにより判定精度を向上することができる。本発明において核酸には、DNAおよびRNAが包含され、DNAには一本鎖DNAおよび二本鎖DNAが包含される。核酸プローブは、好ましくはDNAである。増幅核酸は、好ましくはDNAである。
被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型とする増幅反応によって得られた増幅核酸とは、通常、被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、グルクロン酸抱合酵素遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅することによって得られる増幅核酸をさす。グルクロン酸抱合酵素遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域とは、グルクロン酸抱合酵素遺伝子のプロモーター領域のうち、少なくともTATAボックスを含む領域をさす。
従って、より具体的には、本発明のイリノテカンによる副作用の発生危険度を判定する方法は、
1)被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型として、グルクロン酸抱合酵素遺伝子のプロモーター領域におけるTATAボックスを含む領域を増幅する工程、
2)1の工程で得られた増幅核酸を、上記のaおよびbの核酸プローブ、cおよびdの核酸プローブ、eおよびfの核酸プローブ、aおよびfの核酸プローブ、ならびに/またはeおよびbの核酸プローブにハイブリダイズさせる工程、および
3)aの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とbの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、cの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とdの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、eの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とfの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、aの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とfの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比、および/またはeの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とbの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比を測定する工程
を含む。
ハイブリダイズする核酸の比を測定する2つの核酸プローブは同じ塩基長のものを用いるのが好ましい。例えば、aおよびbの核酸プローブ、cおよびdの核酸プローブ、eおよびfの核酸プローブ、aおよびfの核酸プローブ、ならびにeおよびbの核酸プローブは同じ塩基長のものを用いるのが好ましい。また、比を求める核酸プローブの組において、各プローブの末端からTATAボックスまでに存在する塩基数が同数となるようにプローブを設計することが好ましい。例えば、各プローブの末端からTATAボックスまでに存在する塩基数がaとbとで同数となるようにプローブを設計することが好ましい。ここでプローブの末端は、通常、マイクロアレイにおいて担体に固定化されていない側の末端(3'末端または5'末端)をさす。各プローブの末端からTATAボックスまでに存在する塩基数は、通常1〜12塩基、好ましくは2〜10塩基、より好ましくは4〜8塩基である。
aの核酸プローブの具体例としては、配列番号3または5で表される塩基配列を含む核酸プローブが挙げられる。bの核酸プローブの具体例としては配列番号4、17または6で表される塩基配列を含む核酸プローブが挙げられる。cの核酸プローブの具体例としては、配列番号7または9で表される塩基配列を含む核酸プローブが挙げられる。dの核酸プローブの具体例としては、配列番号8または10で表される塩基配列を含む核酸プローブが挙げられる。eの核酸プローブの具体例としては、配列番号18で表される塩基配列を含む核酸プローブが挙げられる。fの核酸プローブの具体例としては、配列番号19で表される塩基配列を含む核酸プローブが挙げられる。これらの核酸プローブは、好ましくは33塩基以下、さらに好ましくは31塩基以下の塩基長を有する。
配列番号3で表される塩基配列を含む核酸プローブaと配列番号4または17で表される塩基配列を含む核酸プローブbとを組み合わせて用いて、各プローブにハイブリダイズした増幅核酸の比を測定することが好ましい。配列番号5で表される塩基配列を含む核酸プローブaと配列番号6で表される塩基配列を含む核酸プローブbとを組み合わせて用いて、各プローブにハイブリダイズした増幅核酸の比を測定することが好ましい。
配列番号7で表される塩基配列を含む核酸プローブcと配列番号8で表される塩基配列を含む核酸プローブdとを組み合わせて用いて、各プローブにハイブリダイズした増幅核酸の比を測定することが好ましい。また、配列番号9で表される塩基配列を含む核酸プローブcと配列番号10で表される塩基配列を含む核酸プローブdとを組み合わせて用いて、各プローブにハイブリダイズした増幅核酸の比を測定することが好ましい。
配列番号18で表される塩基配列を含む核酸プローブeと配列番号19で表される塩基配列を含む核酸プローブfとを組み合わせて用いて、各プローブにハイブリダイズした増幅核酸の比を測定することが好ましい。
aの核酸プローブの別の具体例として、配列番号3または5において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブが挙げられる。bの核酸プローブの別の具体例として配列番号4、17または6において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブが挙げられる。cの核酸プローブの別の具体例として、配列番号7または9において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブが挙げられる。dの核酸プローブの別の具体例として、配列番号8または10において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブが挙げられる。eの核酸プローブの別の具体例として、配列番号18において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブが挙げられる。fの核酸プローブの別の具体例として、配列番号19において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブが挙げられる。ここでハイブリダイズする核酸の比を求める核酸プローブの組において、欠失する塩基数は同じであることが好ましく、また欠失する側(3'末端または5'末端)も同じであることが好ましい。
配列番号3において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブaと配列番号4または17において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブbとを組み合わせて用いて、各プローブにハイブリダイズした増幅核酸の比を測定することが好ましい。配列番号5において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブaと配列番号6において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブbとを組み合わせて用いて、各プローブにハイブリダイズした増幅核酸の比を測定することが好ましい。
配列番号7において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブcと配列番号8において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブdとを組み合わせて用いて、各プローブにハイブリダイズした増幅核酸の比を測定することが好ましい。また、配列番号9において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブcと配列番号10において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブdとを組み合わせて用いて、各プローブにハイブリダイズした増幅核酸の比を測定することが好ましい。
配列番号18において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブeと配列番号19において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列からなる核酸プローブfとを組み合わせて用いて、各プローブにハイブリダイズした増幅核酸の比を測定することが好ましい。
核酸プローブは、例えば、核酸合成装置によって化学的に合成することで取得することができる。核酸合成装置としては、DNAシンセサイザー、全自動核酸合成装置、核酸自動合成装置等と呼ばれる装置を使用することができる。
aとbの核酸プローブのそれぞれにハイブリダイズした核酸の比から、被検者におけるUGT1A1の遺伝子型(すなわちTATAボックスにおけるTAの繰り返し配列が6回である野生型の遺伝子のみを有する野生型(TA6/TA6)、上記野生型の遺伝子とTATAボックスにおけるTAの繰り返し配列が7回である変異型の遺伝子とを有するヘテロ多型(TA6/TA7)、上記変異型の遺伝子のみを有するホモ多型(TA7/TA7)の遺伝子型のいずれであるか)を判定することができ、結果としてイリノテカンによる副作用の発生危険度を判定することができる。すなわち、bの核酸プローブにハイブリダイズした核酸量/aの核酸プローブにハイブリダイズした核酸量が大きいほど、イリノテカンによる副作用の発生危険度は低くなる。より詳しくは、その遺伝子型が既知である患者群ついて、aおよびbの核酸プローブを用いて核酸ハイブリダイゼーションを実施し、統計的処理を行ってそれぞれの遺伝子型について上記比の標準値を算出し、遺伝子型が未知の被検者における比と当該標準値とを比較することにより、被検者の遺伝子型を判定し、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定することができる。cとdの核酸プローブについても同様であり、それぞれのプローブにハイブリダイズした核酸の比(すなわち、dの核酸プローブにハイブリダイズした核酸量/cの核酸プローブにハイブリダイズした核酸量)が大きいほど、イリノテカンによる副作用の発生危険度は低くなる。
eとfの核酸プローブのそれぞれにハイブリダイズした核酸の比からも、被検者におけるUGT1A1の遺伝子型を判定することができ、結果としてイリノテカンによる副作用の発生危険度を判定することができる。すなわち、fの核酸プローブにハイブリダイズした核酸量/eの核酸プローブにハイブリダイズした核酸量が大きいほど、イリノテカンによる副作用の発生危険度は低くなる。
aとfの核酸プローブおよびeとbの核酸プローブを用いても同様に判定することができ、fの核酸プローブにハイブリダイズした核酸量/aの核酸プローブにハイブリダイズした核酸量が大きいほど、bの核酸プローブにハイブリダイズした核酸量/eの核酸プローブにハイブリダイズした核酸量が大きいほど、イリノテカンによる副作用の発生危険度は低くなる。
生体試料は、ゲノムDNAを含むものであれば特に制限されない。例えば、血液およびこれに由来する血液関連試料(血液、血清および血漿など)、リンパ液、汗、涙、唾液、尿、糞便、腹水および髄液等の体液、ならびに細胞、組織または臓器の破砕物および抽出液などが挙げられる。本発明においては、好ましくは、血液関連試料を用いる。
ゲノムDNAを鋳型とした増幅反応により得られる増幅核酸と核酸プローブとのハイブリダイゼーション反応、ならびにaとbの核酸プローブのそれぞれにハイブリダイズした核酸の比、cとdの核酸プローブのそれぞれにハイブリダイズした核酸の比、eとfの核酸プローブのそれぞれにハイブリダイズした核酸の比、aとfの核酸プローブのそれぞれにハイブリダイズした核酸の比、および/またはeとbの核酸プローブのそれぞれにハイブリダイズした核酸の比の測定は、当技術分野で慣用の方法に実施することができる。具体的には、以下のように実施することができる。
まず、被検者から採取した生体試料からゲノムDNAを抽出する。抽出手段としては、特に限定されないが、前記生体試料から直接的にDNA成分を分離し、精製して回収できる手段であることが好ましい。
次に、得られたゲノムDNAを鋳型として用いて核酸増幅反応を行い、検出対象領域を増幅させる。核酸増幅反応としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)等を適用することができる。ここで、検出対象領域とは、被検者のUGT1A1遺伝子のプロモーター領域における遺伝子多型を判別できる程度に特異性を有する領域であり、本発明においては、グルクロン酸抱合酵素遺伝子、特にUGT1A1遺伝子のプロモーター領域における少なくともTATAボックスを含む領域をさす。
また、検出対象領域を増幅させる際には、増幅後の領域を識別できるように標識を付加することが望ましい。このとき、増幅された核酸を標識する方法としては、特に限定されないが、例えば核酸増幅反応に使用するプライマーをあらかじめ標識しておく方法を使用してもよいし、核酸増幅反応に標識ヌクレオチドを基質として使用する方法を使用してもよい。標識物質としては、特に限定されないが、放射性同位元素や蛍光色素、あるいはジゴキシゲニン(DIG)やビオチンなどの有機化合物などを使用することができる。
またこの反応系は、核酸増幅・標識に必要な緩衝剤、耐熱性DNAポリメラーゼ、検出対象領域特異的プライマー、標識ヌクレオチド三燐酸(具体的には蛍光標識等を付加したヌクレオチド三燐酸)、ヌクレオチド三燐酸および塩化マグネシウム等を含む反応系である。
上記のようにして得られた増幅核酸と本発明の核酸プローブとのハイブリダイゼーション反応を行い、各核酸プローブにハイブリダイズした核酸の量を、例えば標識を検出することにより測定できる。核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸は、例えば、既知量のDNAを含む試料を用いて検量線を作成することにより、定量することができる。
上記ハイブリダイゼーション反応においては、本発明の核酸プローブが担体上に固定化されたマイクロアレイを用い、該マイクロアレイに増幅核酸を適用することが好ましい。その場合、本発明の核酸プローブa〜fは、同一の担体に固定化されていてもよいし、異なる担体に固定化されていもよい。核酸プローブaとbが同一の担体に固定化されていることが好ましく、核酸プローブcとdが同一の担体に固定化されていることが好ましく、核酸プローブeとfが同一の担体に固定化されていることが好ましく、核酸プローブaとfが同一の担体に固定化されていることが好ましく、核酸プローブeとbが同一の担体に固定化されていることが好ましい。核酸プローブa〜fがすべて同一の担体に固定化されていてもよい。核酸プローブa〜fとしては、それぞれの条件を満たす限り、複数種のものが担体上に固定化されていてもよい。
マイクロアレイにおける担体の材料としては、当技術分野で公知のものを使用でき、特に制限されない。例えば、白金、白金黒、金、パラジウム、ロジウム、銀、水銀、タングステンおよびそれらの化合物などの貴金属、およびグラファイト、カーボンファイバーに代表される炭素などの導電体材料;単結晶シリコン、アモルファスシリコン、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素などに代表されるシリコン材料、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)などに代表されるこれらシリコン材料の複合素材;ガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト、感光性ガラスなどの無機材料;ポリエチレン、エチレン、ポリプロビレン、環状ポリオレフィン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、ポリフェニレンオキサイドおよびポリスルホンなどの有機材料等が挙げられる。担体の形状も特に制限されないが、好ましくは平板状である。
本発明においては、担体として、好ましくは表面にカーボン層と化学修飾基とを有する担体を用いる。表面にカーボン層と化学修飾基とを有する担体には、基板の表面にカーボン層と化学修飾基とを有するもの、およびカーボン層からなる基板の表面に化学修飾基を有するものが包含される。基板の材料としては、当技術分野で公知のものを使用でき、特に制限されず、上述の担体材料と同様のものを使用できる。
本発明は、微細な平板状の構造を有する担体に対し好適に用いられる。形状は、長方形、正方形および円形など限定されないが、通常、1〜75mm四方のもの、好ましくは1〜10mm四方のもの、より好ましくは3〜5mm四方のものを用いる。微細な平板状の構造の担体を製造しやすいことから、シリコン材料や樹脂材料からなる基板を用いるのが好ましく、特に単結晶シリコンからなる基板の表面にカーボン層および化学修飾基を有する担体がより好ましい。単結晶シリコンには、部分部分でごくわずかに結晶軸の向きが変わっているものや(モザイク結晶と称される場合もある)、原子的尺度での乱れ(格子欠陥)が含まれているものも包含される。
本発明において基板上に形成させるカーボン層としては、特に制限されないが、合成ダイヤモンド、高圧合成ダイヤモンド、天然ダイヤモンド、軟ダイヤモンド(例えば、ダイヤモンドライクカーボン)、アモルファスカーボン、炭素系物質(例えば、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ)のいずれか、それらの混合物、またはそれらを積層させたものを用いることが好ましい。また、炭化ハフニウム、炭化ニオブ、炭化珪素、炭化タンタル、炭化トリウム、炭化チタン、炭化ウラン、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化クロム、炭化バナジウム等の炭化物を用いてもよい。ここで、軟ダイヤモンドとは、いわゆるダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond Like Carbon)等の、ダイヤモンドとカーボンとの混合体である不完全ダイヤモンド構造体を総称し、その混合割合は、特に限定されない。カーボン層は、化学的安定性に優れておりその後の化学修飾基の導入や分析対象物質との結合における反応に耐えることができる点、分析対象物質と静電結合によって結合するためその結合が柔軟性を持っている点、UV吸収がないため検出系UVに対して透明性である点、およびエレクトロブロッティングの際に通電可能な点において有利である。また、分析対象物質との結合反応において、非特異的吸着が少ない点においても有利である。前記のとおり基板自体がカーボン層からなる担体を用いてもよい。
本発明においてカーボン層の形成は公知の方法で行うことができる。例えば、マイクロ波プラズマCVD(Chemical vapor deposit)法、ECRCVD(Electric cyclotron resonance chemical vapor deposit)法、ICP(Inductive coupled plasma)法、直流スパッタリング法、ECR(Electric cyclotron resonance)スパッタリング法、イオン化蒸着法、アーク式蒸着法、レーザ蒸着法、EB(Electron beam)蒸着法、抵抗加熱蒸着法などが挙げられる。
高周波プラズマCVD法では、高周波によって電極間に生じるグロー放電により原料ガス(メタン)を分解し、基板上にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)層を合成する。イオン化蒸着法では、タングステンフィラメントで生成される熱電子を利用して、原料ガス(ベンゼン)を分解・イオン化し、バイアス電圧によって基板上にカーボン層を形成する。水素ガス1〜99体積%と残りメタンガス99〜1体積%からなる混合ガス中で、イオン化蒸着法によりDLC層を形成してもよい。
アーク式蒸着法では、固体のグラファイト材料(陰極蒸発源)と真空容器(陽極)の間に直流電圧を印加することにより真空中でアーク放電を起こして陰極から炭素原子のプラズマを発生させ蒸発源よりもさらに負のバイアス電圧を基板に印加することにより基板に向かってプラズマ中の炭素イオンを加速しカーボン層を形成することができる。
レーザ蒸着法では、例えばNd:YAGレーザ(パルス発振)光をグラファイトのターゲット板に照射して溶融させ、ガラス基板上に炭素原子を堆積させることによりカーボン層を形成することができる。
基板の表面にカーボン層を形成する場合、カーボン層の厚さは、通常、単分子層〜100μm程度であり、薄すぎると下地基板の表面が局部的に露出する可能性があり、逆に厚くなると生産性が悪くなるので、好ましくは2nm〜1μm、より好ましくは5nm〜500nmである。
カーボン層が形成された基板の表面に化学修飾基を導入することにより、核酸プローブを担体に強固に固定化できる。導入する化学修飾基は、当業者であれば適宜選択することができ、特に制限されないが、例えば、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ホルミル基、ヒドロキシル基および活性エステル基が挙げられる。
アミノ基の導入は、例えば、カーボン層をアンモニアガス中で紫外線照射することによりまたはプラズマ処理することにより実施できる。または、カーボン層を塩素ガス中で紫外線を照射して塩素化し、さらにアンモニアガス中で紫外線照射することにより実施できる。または、メチレンジアミン、エチレンジアミンで等の多価アミン類ガス中を、塩素化したカーボン層と反応させることによって実施することもできる。
カルボキシル基の導入は、例えば、前記のようにアミノ化したカーボン層に適当な化合物を反応させることにより実施できる。カルボキシル基を導入するために用いられる化合物としては、例えば、式:X-R1-COOH(式中、Xはハロゲン原子、R1は炭素数10〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるハロカルボン酸、例えばクロロ酢酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸、2-クロロプロピオン酸、3-クロロプロピオン酸、3-クロロアクリル酸、4-クロロ安息香酸;式:HOOC-R2-COOH(式中、R2は単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、トリメリット酸、ブタンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸;式:R3-CO-R4-COOH(式中、R3は水素原子または炭素数1〜12の2価の炭化水素基、R4は炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるケト酸またはアルデヒド酸;式:X-OC-R5-COOH(式中、Xはハロゲン原子、R5は単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるジカルボン酸のモノハライド、例えばコハク酸モノクロリド、マロン酸モノクロリド;無水フタル酸、無水コハク酸、無水シュウ酸、無水マレイン酸、無水ブタンテトラカルボン酸などの酸無水物が挙げられる。
エポキシ基の導入は、例えば、前記のようにアミノ化したカーボン層に適当な多価エポキシ化合物を反応させることによって実施できる。あるいは、カーボン層が含有する炭素=炭素2重結合に有機過酸を反応させることにより得ることができる。有機過酸としては、過酢酸、過安息香酸、ジペルオキシフタル酸、過ギ酸、トリフルオロ過酢酸などが挙げられる。
ホルミル基の導入は、例えば、前記のようにアミノ化したカーボン層に、グルタルアルデヒドを反応させることにより実施できる。
ヒドロキシル基の導入は、例えば、前記のように塩素化したカーボン層に、水を反応させることにより実施できる。
活性エステル基は、エステル基のアルコール側に酸性度の高い電子求引性基を有して求核反応を活性化するエステル群、すなわち反応活性の高いエステル基を意味する。エステル基のアルコール側に、電子求引性の基を有し、アルキルエステルよりも活性化されたエステル基である。活性エステル基は、アミノ基、チオール基、水酸基等の基に対する反応性を有する。さらに具体的には、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、シアノメチルエステル、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等がアルキルエステル等に比べてはるかに高い活性を有する活性エステル基として知られている。より具体的には、活性エステル基としては、たとえばp-ニトロフェニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド基等が挙げられ、特に、N-ヒドロキシスクシンイミド基が好ましく用いられる。
活性エステル基の導入は、例えば、前記のように導入したカルボキシル基を、シアナミドやカルボジイミド(例えば、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド)などの脱水縮合剤とN-ヒドロキシスクシンイミドなどの化合物で活性エステル化することにより実施できる。この処理により、アミド結合を介して炭化水素基の末端に、N-ヒドロキシスクシンイミド基等の活性エステル基が結合した基を形成することができる(特開2001-139532)。
本発明の核酸プローブを、スポッティング用バッファーに溶解してスポッティング用溶液を調製し、これを96穴もしくは384穴プラスチックプレートに分注し、分注した溶液をスポッター装置等によって担体上にスポッティングすることにより、核酸プローブが担体に固定化されたマイクロアレイを製造することができる。または、スポッティング溶液をマイクロピペッターにて手動でスポッティングしてもよい。
スポッティング後、核酸プローブが担体に結合する反応を進行させるため、インキュベーションを行うことが好ましい。インキュベーションは、通常−20〜100℃、好ましくは0〜90℃の温度で、通常0.5〜16時間、好ましくは1〜2時間にわたって行う。インキュベーションは、高湿度の雰囲気下、例えば、湿度50〜90%の条件で行うのが望ましい。インキュベーションに続き、担体に結合していない核酸を除去するため、洗浄液(例えば、50mM TBS/0.05% Tween20)を用いて洗浄を行うことが好ましい。
さらに、核酸プローブは、固定化量を段階的に変化させた複数のスポットとして固定されていてもよい。例えば、個々の核酸プローブについて、DNA量を1ngとしたスポット、100pgとしたスポットおよび10pgとしたスポットというように複数のスポットを形成してもよい。これにより、検出対象領域を半定量することができる。
本発明はまた、本発明の核酸プローブaおよびb、核酸プローブcおよびd、核酸プローブeおよびf、核酸プローブaおよびf、ならびに核酸プローブeおよびbからなる群から選択される少なくとも1つの核酸プローブの組を含む、グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)の遺伝子型を判定するためのキット、すなわち被検者におけるイリノテカンによる副作用の発生危険度を検出するためのキットに関する。本発明のキットにおいて核酸プローブa〜fは、担体上に固定化されたマイクロアレイの形態で提供されてもよい。本発明のキットは、さらに、核酸増幅・標識に必要な緩衝剤、耐熱性DNAポリメラーゼ、検出対象領域特異的プライマー、標識ヌクレオチド三燐酸(具体的には蛍光標識等を付加したヌクレオチド三燐酸)、ヌクレオチド三燐酸および塩化マグネシウム等を含んでいてもよい。検出対象領域特異的プライマーは、好ましくはUGT1A1遺伝子のプロモーター領域の少なくともTATAボックスを含む領域を増幅するためのプライマーである。
実施例1−核酸プローブの塩基長の検討
1-1. 担体の作製
3mm角のシリコン基板にイオン化蒸着法を用いて、下記の条件で2層のダイヤモンドライクカーボン(DLC)層の製膜を行った。
Figure 0004884899
得られた表面にDLC層を有するシリコン基板上に、下記の条件でアンモニアプラズマを用いて、アミノ基を導入した。
Figure 0004884899
1-メチル-2-ピロリドン、140mM 無水コハク酸および0.1M ホウ酸ナトリウムを含む溶液に30分間浸漬し、カルボキシル基を導入した。0.1M リン酸カリウムバッファー、0.1M 1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド、20mM N-ヒドロキシスクシイミドを含む溶液に30分間浸漬し、活性化を行い、シリコン基板表面にDLC層および化学修飾基としてのN-ヒドロキシスクシイミド基を有する担体を得た。
1-2.核酸プローブの合成
グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1)のプロモーター領域の少なくともTATAボックスを含む部分配列であって、TATAボックスにおけるTAの繰り返し配列が6回または7回であり、その塩基長が20mer、30merまたは50merである塩基配列からなる核酸プローブをそれぞれ合成した。
合成した核酸プローブの塩基配列を以下に示す。
50mer
プローブ1(TA×7): 5'-GTATCGATTGGTTTTTGCCATATATATATATATATAAGTAGGAGAGGGCG-3'(配列番号11)
プローブ2(TA×6): 5'-TGTATCGATTGGTTTTTGCCATATATATATATATAAGTAGGAGAGGGCGA-3'(配列番号12)
30mer
プローブ3(TA×7): 5'-TTTTGCCATATATATATATATATAAGTAGG-3'(配列番号3)
プローブ4(TA×6): 5'-TTTTGCCATATATATATATATAAGTAGGAG-3'(配列番号4)
20mer
プローブ5(TA×7): 5'-GCCATATATATATATATATA-3'(配列番号13)
プローブ6(TA×6): 5'-TTGCCATATATATATATATA-3'(配列番号14)
1-3. 核酸プローブの固定化
1-2で合成した各核酸プローブの溶液(10μM)を1-1で作製した担体上にスポッティングした。スポッティングした担体を80℃で1時間加熱後、2xSSC/0.2%SDS溶液で洗浄し、乾燥させることによりマイクロアレイを作製した。
1-4. ターゲットDNAの作成
それぞれ異なる遺伝子型を有する被検者の血液(サンプル1〜3)から採取したゲノムDNAを鋳型として、蛍光標識ヌクレオチドを用いたPCR反応を行うことにより、蛍光標識されたターゲットDNA(増幅核酸)を調製した。PCR反応に用いたプライマーは以下の通りである。
フォワードプライマー:5'-CCTTCTTCCTCTCTGGTAACAC-3'(配列番号15)
リバースプライマー:5'-CGTCAGGTGCTAGGACAACTAT-3'(配列番号16)
サンプル1はTATAボックスにおけるTAの繰り返し配列が6回である野生型の遺伝子(TA6と表す)のみを有する野生型(TA6/TA6と表す)、サンプル2は上記野生型の遺伝子とTATAボックスにおけるTAの繰り返し配列が7回である変異型の遺伝子(TA7と表す)とを有するヘテロ多型(TA6/TA7と表す)、サンプル3は上記変異型の遺伝子のみを有するホモ多型(TA7/TA7と表す)の遺伝子型をそれぞれ有する被検者の血液である。
PCR反応条件を以下の表に示す。
Figure 0004884899
1-5. ハイブリダイゼーション
ターゲットDNAを含むハイブリダイズ溶液(4xSSC溶液)を調製し、この溶液25μlに実施例1で作製したマイクロアレイを浸漬し、50℃で2時間ハイブリダイゼーション反応を実施した。マイクロアレイを洗浄後、蛍光スキャナー(FLA8000/富士写真フィルム)で蛍光画像を撮影した(図1)。
1-6. 解析評価
GenepixPro(アクソン)を用いて蛍光画像を解析し、各プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度を測定した。DNA量と蛍光強度の検量線を作成し、蛍光強度をDNA量(μM)に換算した。結果を図2に示す。各サンプルについて、TAの繰り返し配列が6回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA6)とTAの繰り返し配列が7回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA7)を棒グラフで示す。また、TAの繰り返し配列が6回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA6)とTAの繰り返し配列が7回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA7)との比(TA6/T7)を折れ線で示す。
図2の結果から、TAの繰り返し配列がそれぞれ6回または7回の30merのプローブの組合せを用い、各プローブにハイブリダイズするDNA量の比を測定することにより、被検者におけるグルクロン酸抱合酵素遺伝子のプロモーター領域における遺伝子多型を検出できることがわかる。イリノテカンによる副作用の発生危険度は、ホモ多型(TA7/TA7)>ヘテロ多型(TA7/TA6)>野生型(TA6/TA6)の順に高いことから、本発明のプローブを用いてグルクロン酸抱合酵素遺伝子のプロモーター領域における遺伝子多型を検出することにより、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定できることが示された。
一方、50merのプローブではシグナル強度は強いが非特異的なシグナルが多く各サンプルの遺伝子型を判定することができなかった。20merのプローブでは蛍光シグナルを検出することができなかった。
実施例2−核酸プローブの配列の検討
2-1. マイクロアレイの作製
実施例1の1-1と同様にしてシリコン基板表面にDLC層および化学修飾基としてのN-ヒドロキシスクシイミド基を有する担体を作製した。
実施例1において、塩基長30merのプローブを用いた場合に遺伝子多型を最も高精度で検出できることが示されたことから、グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域の少なくともTATAボックスを含む部分配列であって、TATAボックスにおけるTAの繰り返し配列が6回または7回であり、プローブ3および4とは異なる30merの塩基配列からなる核酸プローブ、ならびにプローブ3および4の塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸プローブをそれぞれ合成した。
合成した核酸プローブの塩基配列を以下に示す。
30merの別の部分配列
プローブ7(TA×7): 5'-ATTGGTTTTTGCCATATATATATATATATA-3'(配列番号5)
プローブ8(TA×6): 5'-CGATTGGTTTTTGCCATATATATATATATA-3'(配列番号6)
相補配列
プローブ9(TA×7): 5'-CCTACTTATATATATATATATATGGCAAAA-3'(配列番号7)
プローブ10(TA×7): 5'-CTCCTACTTATATATATATATATGGCAAAA-3'(配列番号8)
合成した各核酸プローブの溶液(10μM)を実施例1の1-3と同様に担体上にスポッティングすることによりマイクロアレイを作製した。
2-2. 遺伝子多型の検出
実施例1の1-4で調製したターゲットDNAを含むハイブリダイズ溶液(4xSSC溶液)を調製し、この溶液25μlに上記2-1で作製したマイクロアレイを浸漬し、50℃で2時間ハイブリダイゼーション反応を実施した。マイクロアレイを洗浄後、蛍光スキャナー(FLA8000/富士写真フィルム)で蛍光画像を撮影した(図3)。
GenepixPro(アクソン)を用いて蛍光画像を解析し、各プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度を測定した。DNA量と蛍光強度の検量線を作成し、蛍光強度をDNA量(μM)に換算した。結果を図4に示す。
各サンプルについて、TAの繰り返し配列が6回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA6)とTAの繰り返し配列が7回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA7)を棒グラフで示す。また、TAの繰り返し配列が6回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA6)とTAの繰り返し配列が7回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA7)との比(TA6/T7)を折れ線で示す。
図4の結果から、本実施例で合成した30merのプローブの組合せはいずれを用いた場合でも、TAの繰り返し配列が6回のプローブとTAの繰り返し配列が7回のプローブにハイブリダイズするDNA量の比を測定することにより、被検者におけるグルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域における遺伝子多型を検出できることがわかる。
また、プローブ7と8では、プローブ3と4に比べ、シグナル強度が減少した。一方、プローブ3と4の相補鎖に対応するプローブ9と10では、シグナル強度は若干低下するが、非特異的シグナルが減少し、ハイブリダイズするDNA量の比から遺伝子型を判定する精度が向上した。
実施例3−核酸プローブの繰り返し配列の検討
3-1. マイクロアレイの作製
実施例1の1-1と同様にしてシリコン基板表面にDLC層および化学修飾基としてのN-ヒドロキシスクシイミド基を有する担体を作製した。
実施例1において、塩基長30merのプローブを用いた場合に遺伝子多型を最も高精度で検出できることが示されたことから、グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域の少なくともTATAボックスを含む部分配列であって、3’末端からの塩基数を8塩基とし、なおかつTATAボックスにおけるTAの繰り返し配列が6回または7回の塩基配列からなる核酸プローブ、ならびにTAの繰り返し配列が5回または8回の塩基配列からなる核酸プローブをそれぞれ合成した。
合成した核酸プローブの塩基配列を以下に示す。
TAの繰り返し配列が6回または7回の塩基配列
プローブ3 (TA×7): 5'-TTTTGCCATATATATATATATATAAGTAGG-3'(配列番号3)
プローブ11(TA×6): 5'-GTTTTTGCCATATATATATATATAAGTAGG-3'(配列番号17)
TAの繰り返し配列が5回または8回の塩基配列
プローブ12(TA×8): 5'-TTGCCATATATATATATATATATAAGTAGG-3'(配列番号18)
プローブ13(TA×5): 5'-TGGTTTTTGCCATATATATATATAAGTAGG-3'(配列番号19)
合成した各核酸プローブの溶液(10μM)を実施例1の1-3と同様に担体上にスポッティングすることによりマイクロアレイを作製した。
3-2. 遺伝子多型の検出
実施例1の1-4で調製したターゲットDNAを含むハイブリダイズ溶液(4xSSC溶液)を調製し、この溶液25μlに上記3-1で作製したマイクロアレイを浸漬し、50℃で2時間ハイブリダイゼーション反応を実施した。マイクロアレイを洗浄後、蛍光スキャナー(FLA8000/富士写真フィルム)で蛍光画像を撮影した(図5)。
GenepixPro(アクソン)を用いて蛍光画像を解析し、各プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度を測定した。DNA量と蛍光強度の検量線を作成し、蛍光強度をDNA量(μM)に換算した。結果を図6に示す。
各サンプルについて、TAの繰り返し配列が6回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA6)と7回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA7)、ならびにTAの繰り返し配列が5回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA5)と8回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA8)を棒グラフで示す。また、TAの繰り返し配列が6回のプローブとTAの繰り返し配列が7回のプローブにハイブリダイズしたDNA量との比(TA6/T7)、ならびにTAの繰り返し配列が5回のプローブとTAの繰り返し配列が8回のプローブにハイブリダイズしたDNA量との比(TA5/T8)を折れ線で示す。
図6の結果から、本実施例で合成した30merのプローブはいずれの組合せでも、TAの繰り返し配列が6回のプローブとTAの繰り返し配列が7回のプローブにハイブリダイズするDNA量の比、ならびにTAの繰り返し配列が5回のプローブとTAの繰り返し配列が8回のプローブにハイブリダイズするDNA量の比を測定することにより、被検者におけるグルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域における遺伝子多型を検出できることがわかる。
また、3’末端からの塩基数を8塩基とすることによって非特異的シグナルが減少し、ハイブリダイズするDNA量の比から遺伝子型を判定する精度が向上した。
実施例1で作製したマイクロアレイにおける各核酸プローブのスポット位置、およびマイクロアレイに増幅核酸をハイブリダイズさせ、蛍光スキャナーで撮影した蛍光画像を示す。 図1の蛍光画像を解析し、各プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度を測定し、DNA量に換算した結果を示す。各サンプルについて、TAの繰り返し配列が6回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA6)とTAの繰り返し配列が7回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA7)を棒グラフで示す。また、TAの繰り返し配列が6回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA6)とTAの繰り返し配列が7回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA7)との比(TA6/T7)を折れ線で示す。 実施例2で作製したマイクロアレイにおける各核酸プローブのスポット位置、およびマイクロアレイに増幅核酸をハイブリダイズさせ、蛍光スキャナーで撮影した蛍光画像を示す。 図3の蛍光画像を解析し、各プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度を測定しDNA量に換算した結果を示す。各サンプルについて、TAの繰り返し配列が6回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA6)とTAの繰り返し配列が7回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA7)を棒グラフで示す。また、TAの繰り返し配列が6回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA6)とTAの繰り返し配列が7回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA7)との比(TA6/T7)を折れ線で示す。 実施例3で作製したマイクロアレイに増幅核酸をハイブリダイズさせ、蛍光スキャナーで撮影した蛍光画像を示す。 図5の蛍光画像を解析し、各プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度を測定しDNA量に換算した結果を示す。各サンプルについて、TAの繰り返し配列が6回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA6)と7回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA7)、ならびにTAの繰り返し配列が5回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA5)と8回のプローブにハイブリダイズしたDNA量(TA8)を棒グラフで示す。また、TAの繰り返し配列が6回のプローブとTAの繰り返し配列が7回のプローブにハイブリダイズしたDNA量との比(TA6/T7)、ならびにTAの繰り返し配列が5回のプローブとTAの繰り返し配列が8回のプローブにハイブリダイズしたDNA量との比(TA5/T8)を折れ線で示す。

Claims (6)

  1. グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域におけるTATAボックスの遺伝子多型を検出することにより、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定するためのデータを取得する方法であって、
    以下のaおよびbの核酸プローブの組と、被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型とする増幅反応によって得られた増幅核酸とをハイブリダイズさせ、aの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とbの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比を測定する工程を含み、
    aの核酸プローブとbの核酸プローブの組が:aの核酸プローブが配列番号3で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブ、かつbの核酸プローブが配列番号4若しくは17で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブの組;または、aの核酸プローブが配列番号5で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブ、かつbの核酸プローブが配列番号6で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブの組であることを特徴とする、前記方法。
  2. グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域におけるTATAボックスの遺伝子多型を検出することにより、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定するためのデータを取得する方法であって、
    以下のcおよびdの核酸プローブの組と、被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型とする増幅反応によって得られた増幅核酸とをハイブリダイズさせ、cの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とdの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比を測定する工程を含み、
    cの核酸プローブとdの核酸プローブの組が:cの核酸プローブが配列番号7で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブ、かつdの核酸プローブが配列番号8で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブの組;または、cの核酸プローブが配列番号9で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブ、かつdの核酸プローブが配列番号10で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブの組であることを特徴とする、前記方法。
  3. グルクロン酸抱合酵素遺伝子(UGT1A1遺伝子)のプロモーター領域におけるTATAボックスの遺伝子多型を検出することにより、イリノテカンによる副作用の発生危険度を判定するためのデータを取得する方法であって、
    以下のeおよびfの核酸プローブの組と、被検者の生体試料由来のゲノムDNAを鋳型とする増幅反応によって得られた増幅核酸とをハイブリダイズさせ、eの核酸プローブにハイブリダイズした核酸とfの核酸プローブにハイブリダイズした核酸との比を測定する工程を含み、
    eの核酸プローブとfの核酸プローブの組が、eの核酸プローブが配列番号18で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブ、かつfの核酸プローブが配列番号19で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブの組であることを特徴とする、前記方法。
  4. イリノテカンによる副作用を検出するための、以下のaおよびbの核酸プローブの組を含むキットであって、
    aの核酸プローブとbの核酸プローブの組が:aの核酸プローブが配列番号3で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブ、かつbの核酸プローブが配列番号4若しくは17で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブの組;または、aの核酸プローブが配列番号5で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブ、かつbの核酸プローブが配列番号6で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブの組であることを特徴とする、前記キット。
  5. イリノテカンによる副作用を検出するための、以下のcおよびdの核酸プローブの組を含むキットであって、
    cの核酸プローブとdの核酸プローブの組が:cの核酸プローブが配列番号7で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブ、かつdの核酸プローブが配列番号8で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブの組;または、cの核酸プローブが配列番号9で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブ、かつdの核酸プローブが配列番号10で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブの組であることを特徴とする、前記キット。
  6. イリノテカンによる副作用を検出するための、以下のeおよびfの核酸プローブの組を含むキットであって、
    eの核酸プローブとfの核酸プローブの組が、eの核酸プローブが配列番号18で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブ、かつfの核酸プローブが配列番号19で表される塩基配列若しくは当該塩基配列において3'末端および/または5'末端の1〜2塩基が欠失した塩基配列を含む25〜35塩基の核酸プローブの組であることを特徴とする、前記キット。
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