JPWO2014168154A1 - 眼疾患を評価するためのマイクロアレイ及び眼疾患の評価方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、被験生物における眼疾患の状態を客観的に評価する方法の提供を目的とする。本発明は、眼疾患の状態を評価するためのマイクロアレイを提供する。また、本発明は、被験生物における眼疾患の状態を評価する方法であって、被験生物から採取された試料から、所定の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出し、得られた検出結果を、対照と比較することを特徴とする前記方法を提供する。
Description
本発明は、被験生物の眼疾患の状態を評価する方法、並びにこの評価方法を利用することによって被験物質が有する眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価する方法に関する。
現在の主要な失明原因には、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症及び網膜色素変性症などがあるが、これらの眼疾患は網膜細胞の変性に起因する部分も多く,網膜細胞の変性の原因を調べ、その機序を解明することは,眼疾患の原因を解明し治療法を確立する上で必須要件である。
しかしながら、発症メカニズムの詳細は解明できていないところが多く、症状の評価や治療薬開発に有用なマーカー及びそれを効率的に評価する方法が乏しい。これまで、診断方法としては眼底検査(眼底写真、造影写真)、光干渉断層計による測定、視力検査、アムスラー検査が行われており(非特許文献1)、他には遺伝子多型を調べることによりリスク予測を行う方法も報告されている(特許文献1)。また、治療薬開発においては一部の遺伝子をマーカーとして評価しているが、機序解明、治療薬開発においてはそれらの分子マーカーを一括して効率的に評価する方法の報告はなく、Western BlottingやPCRなどの既存の手法で実施しており、大きな手間がかかることが課題となっている。
しかしながら、発症メカニズムの詳細は解明できていないところが多く、症状の評価や治療薬開発に有用なマーカー及びそれを効率的に評価する方法が乏しい。これまで、診断方法としては眼底検査(眼底写真、造影写真)、光干渉断層計による測定、視力検査、アムスラー検査が行われており(非特許文献1)、他には遺伝子多型を調べることによりリスク予測を行う方法も報告されている(特許文献1)。また、治療薬開発においては一部の遺伝子をマーカーとして評価しているが、機序解明、治療薬開発においてはそれらの分子マーカーを一括して効率的に評価する方法の報告はなく、Western BlottingやPCRなどの既存の手法で実施しており、大きな手間がかかることが課題となっている。
"加齢黄斑変性"、[online]、日本眼科学会、[平成24年6月6日検索]、インターネット(URL:http://www.nichigan.or.jp/public/disease/momaku_karei.jsp)
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、加齢黄斑変性といった眼疾患の治療や抑制に関連する分子マーカーを一括して解析可能とするべく、重要な遺伝子を選抜し、治療法や予防法の効率化を目指した眼疾患の状態を評価する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、所定の遺伝子の発現に着目することにより、被験生物の眼疾患の状態を評価し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)下記の遺伝子群1から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、眼疾患の状態を評価するためのマイクロアレイ。
(2)網膜周辺部位における障害の有無を評価するための上記(1)に記載のマイクロアレイ。
(3)網膜における障害の有無を評価するための上記(1)に記載のマイクロアレイ。
(4)網膜における光損傷の有無を評価するための上記(1)に記載のマイクロアレイ。
(5)網膜における炎症の有無を評価するための上記(1)に記載のマイクロアレイ。
(6)網膜色素上皮または脈絡膜における障害の有無を評価するための上記(1)に記載のマイクロアレイ。
(7)網膜色素上皮または脈絡膜における光損傷の有無を評価するための上記(1)に記載のマイクロアレイ。
(8)網膜色素上皮または脈絡膜における炎症の有無を評価するための上記(1)に記載のマイクロアレイ。
(9)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、眼における障害の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
Hspa1b、Il1a、Gsk3a、H2−K1、IL1b
(10)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、網膜周辺部位における障害の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
Hspa1b、Il1a、Gsk3a、H2−K1、IL1b
(11)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、網膜における障害の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
Il1a、H2-K1、Il1b、Il6、Hspa2
(12)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、網膜における光損傷の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
Gsk3a、Rpe65、Gpr143、Hfe、Trip1
(13)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、網膜における炎症の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
H2-K1、Il6、Cxcl1、Hfe、Trip1
(14)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、網膜色素上皮または脈絡膜における障害の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
Hspa1b、Il1a、Gsk3a、H2−K1、IL1b
(15)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、網膜色素上皮または脈絡膜における光損傷の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
Hspa1b、Gsk3a、Il1b、Icam1、Hspa2
(16)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、網膜色素上皮または脈絡膜における炎症の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
Hspa1b、Il1a、H2-K1、Il1b、Icam1
(17)配列番号1〜219及び221〜254の少なくとも1種の塩基配列を有するプローブが搭載されたマイクロアレイ。
(18)被験生物における眼疾患の状態を評価する方法であって、上記(1)〜(17)のいずれかに記載のマイクロアレイを用いて、被験生物から採取された試料から得られた遺伝子の検出結果を、対照と比較することを特徴とする前記方法。
(19)被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価する方法であって、上記(1)〜(17)のいずれかに記載のマイクロアレイを用いて、被験物質が接触、摂取又は投与された被験生物から採取された試料から、得られた遺伝子の検出結果を、対照と比較することを特徴とする前記方法。
(20)被験生物における眼疾患の状態を評価する方法であって、上記(1)〜(17)のいずれかに記載のマイクロアレイを用いて、被験生物から採取された試料から得られた遺伝子の検出結果を、多変量解析を用いて対照と比較することを特徴とする前記方法。
(21)被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価する方法であって、上記(1)〜(17)のいずれかに記載のマイクロアレイを用いて、被験物質が接触、摂取又は投与された被験生物から採取された試料から、得られた遺伝子の検出結果を、多変量解析を用いて対照と比較することを特徴とする前記方法。
<遺伝子群1>
A2m、Abca4、Ace、Adam17、Adam19、Adam28、Adam9、Adipor1、Adipor2、Agt、Aif1、Akt3、Amy2a2、Amy2a3、Amy2a4、Amy2a5、Angpt-1、Angpt-2、Aoc3、Apbb1、apln、Arr3、At1r、At2r、Atp6ap2、Best1、Bmp4、C1qa、C1qb、C1qc、C1ql1、C1s、C3、C4、Calb1、Calb2、Casp14、Casp3、Casp8、Casp9、Cckbr、Ccl17、Ccl2、Ccl3、Ccl4、Ccl7、Ccl8、Ccnd3、Ccr2、Cd44、Cd45、Cd55、Cd59a、Cd74、Cdh1、Cdh3、Cdh5、Cdr2、Cebpd、Cfb、Cfh、Chga、Chrna7、Ckb、Cldn5、Clip1、Cnga1、Cnga3、Cntf、Col7a1、Col8a2、Cp、Cp、Crx、Ctgf、Ctnna1、Ctss、Cxcl1、Cxcl12、Cxcl2、cxcr4、Cyb5r1、Darc、Doc2b、Edn2、Ednrb、Efemp1、Efna5、Egf、egln3、Elovl4、Eno3、Epo、Erap1、esm1、Fgf16、Fgf7、Fgfr1、Flt1、Fos、Furin、Gabrb3、Gem、Gfap、Glut1、Gnao1、Gnat1、Gnat2、Gngt2、Gpnmb、Gpr143、Grem2、Grm2、Grm6、Gsk3a、Gsk3b、Guca1a、Guk1、H2-K1、Hfe、Hif1a、Hspa1a、Hspa1b、Hspa2、Icam1、Id3、Ifna1、Ifnr、Igf1、Igf1r、Igfbp3、Il10、Il17a、Il1a、Il1b、Il6、Il6r、Il6st、Irf6、Irs1、Isgf3g、Itgav、Jak3、Jun、Kdr、Lgals3、Lipc、Lmo1、Loxl1、Mapk1、Mapk3、Mark2、Math5、Mef2c、Mkks、Mmp1、Mmp14、Mmp2、Mmp7、Mmp8、Mmp9、Msr1、Nes、Nfkb1、Nos3、Np、Nr2e3、Nrl、Nrp1、Nt5e、Opa1、Opn1mw、Opn1sw、Osbpl1a、Pax6、Pde6a、Pde6b、Pdgfb、Pdpn、Pecam1、Pex1、Pgf、Pig7、Pkia、Pla2g5、Polg2、Ppara、Prkca、Prnp、Prom1、Ptgds、Ptgs1、Ptgs2、Pxmp3、Pygm、Rcv1、Rdh9、Ren、Rho、Robo4、Rom1、Rpe65、Rs1、Rxrg、S100a6、Sag、Scd1、Sdc2、Sele、Selenbp1、Selenbp2、Selp、Serpina3n、Serpinf1、Serping1、Sfrp5、Sil1、Slc16a1、Slc16a4、Slc1a3、Socs3、Sox9、Sparc、Spp1、Stat1、Stat3、Stat5a、Stat6、Synpr、Tgfb1、Tgfb2、Tgfb3、Tgfbr2、Timp1、Timp2、Timp3、Tlr3、Tlr4、Tnfa、Tnfrsf1a、Trip1、Ttpa、Tyrp1、Usp9x、Vcam1、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Vldlr、Vtn
(22)少なくとも下記の(a)〜(c)又は(d)〜(f)のそれぞれに分類される遺伝子の発現量変化を、マイクロアレイを用いて測定することにより眼疾患の状態を評価する方法。
(a) 網膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(b) 網膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(c) 網膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(d) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(e) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(f) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(23)少なくとも下記の(a)〜(c)又は(d)〜(f)のそれぞれに分類される遺伝子の発現量変化を、マイクロアレイを用いて測定することにより被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価する方法。
(a) 網膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(b) 網膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(c) 網膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(d) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(e) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(f) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(24)(a)に分類される遺伝子が、At1r、Jak3、Ccnd3、H2-K1、C1ql1、Id3、Tgfb2、Ckb、Gnat1、Efna5、Crx、Rom1、Arr3、Gsk3a、Adipor1、Hspa1b、Guk1、Abca4、egln3、Gngt2、Clip1、Prnp、Sparc、Elovl4、Gsk3b、Itgav、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Sdc2及びTrip1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(b)に分類される遺伝子が、At2r、Pig7、Pgf、Rxrg、Col7a1、Casp9、Pecam1、Rpe65、Cckbr、Cd59a、Opn1mw、Grm6、Pkia、Darc、Apbb1、Prom1、Adam9、Cyb5r1、Gpr143、Atp6ap2、Nr2e3、Pde6a、Nrl、Cnga1、Hif1a、Gnat2及びMmp2からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(c)に分類される遺伝子が、Cxcl1、Il6、Selenbp2、Nfkb1、Cldn5、Sox9、Cp、Grm2、Pax6、Prkca、Mark2、Ppara、Gem、Opn1sw、Robo4、Rho、Glut1及びPex1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(d)に分類される遺伝子が、cxcr4、At2r、Vcam1、Mef2c、Pkia、Scd1、Loxl1、H2-K1、Pxmp3、Erap1、Pgf、Tgfb3、Pdpn、Gsk3a、Fgf7、Ccl2、Cntf、Col8a2、Pecam1、Cd59a、Rxrg、C1s、Ccl7、Osbpl1a、Glut1、Selenbp2、Serpinf1、Gpnmb、Hspa2、Nes、Stat1、Egf、C1qb、Mmp14、Timp2、Lmo1、Lgals3、Mmp8、Flt1、Cldn5、Mmp2、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Hspa1b、Kdr及びStat6からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(e)に分類される遺伝子が、Cfb、Mmp9、Calb2、Robo4、Gpr143、Cd44、Pig7、Il1b、C3、Gem、Cd55、Cebpd、Stat3及びCcnd3からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(f)に分類される遺伝子が、Cxcl1、Timp1、Cxcl2、Il6、Igf1、Icam1、Lipc、At1r、Spp1、Ctss、C1qc、Nfkb1、Grem2、Abca4、Apbb1、Chrna7、Cyb5r1、Pdgfb、Isgf3g、Nos3及びClip1からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(22)又は(23)記載の方法。
(25)下記の判定式を眼疾患の状態の評価に用いることを特徴とする、上記(22)〜(24)のいずれかに記載の方法。
[式中、Mはマハラノビスの距離であって基本空間からの距離を表し、Xni(n=1〜k)は各遺伝子発現量又は遺伝子発現比を表し、ηn(n=1〜k)は各サンプルのシグナルノイズ比(S/N)を表し、βn(n=1〜k) は各サンプルの感度を表す。
M1は健常サンプル群または対照サンプル群を表す。M1 maxは、M1の最大値を表し、σ m1は、M1の標準偏差を表す。
M2は評価サンプル群を表し、M2 minは、M2の最小値を表す。]
(26)下記(i)、(ii) 若しくは(iii)の核酸又はその一部の核酸を搭載する、眼疾患の状態を評価するためのマイクロアレイ。
(i)下記の(a)〜(c)又は(d)〜(f)のそれぞれから選択される遺伝子を含む核酸
(a) 網膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(b) 網膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(c) 網膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(d) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(e) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(f) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(ii) 前記(i)の核酸の塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸
(iii) 前記(i)又は(ii)の核酸の塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸
(27)(a)に分類される遺伝子が、At1r、Jak3、Ccnd3、H2-K1、C1ql1、Id3、Tgfb2、Ckb、Gnat1、Efna5、Crx、Rom1、Arr3、Gsk3a、Adipor1、Hspa1b、Guk1、Abca4、egln3、Gngt2、Clip1、Prnp、Sparc、Elovl4、Gsk3b、Itgav、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Sdc2及びTrip1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(b)に分類される遺伝子が、At2r、Pig7、Pgf、Rxrg、Col7a1、Casp9、Pecam1、Rpe65、Cckbr、Cd59a、Opn1mw、Grm6、Pkia、Darc、Apbb1、Prom1、Adam9、Cyb5r1、Gpr143、Atp6ap2、Nr2e3、Pde6a、Nrl、Cnga1、Hif1a、Gnat2及びMmp2からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(c)に分類される遺伝子が、Cxcl1、Il6、Selenbp2、Nfkb1、Cldn5、Sox9、Cp、Grm2、Pax6、Prkca、Mark2、Ppara、Gem、Opn1sw、Robo4、Rho、Glut1及びPex1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(d)に分類される遺伝子が、cxcr4、At2r、Vcam1、Mef2c、Pkia、Scd1、Loxl1、H2-K1、Pxmp3、Erap1、Pgf、Tgfb3、Pdpn、Gsk3a、Fgf7、Ccl2、Cntf、Col8a2、Pecam1、Cd59a、Rxrg、C1s、Ccl7、Osbpl1a、Glut1、Selenbp2、Serpinf1、Gpnmb、Hspa2、Nes、Stat1、Egf、C1qb、Mmp14、Timp2、Lmo1、Lgals3、Mmp8、Flt1、Cldn5、Mmp2、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Hspa1b、Kdr及びStat6からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(e)に分類される遺伝子が、Cfb、Mmp9、Calb2、Robo4、Gpr143、Cd44、Pig7、Il1b、C3、Gem、Cd55、Cebpd、Stat3及びCcnd3からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(f)に分類される遺伝子が、Cxcl1、Timp1、Cxcl2、Il6、Igf1、Icam1、Lipc、At1r、Spp1、Ctss、C1qc、Nfkb1、Grem2、Abca4、Apbb1、Chrna7、Cyb5r1、Pdgfb、Isgf3g、Nos3及びClip1からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(26)記載のマイクロアレイ。
(27)Hspa1b、Gsk3a及びH2−K1からなる群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、眼疾患の状態を評価するためのマイクロアレイ。
(2)網膜周辺部位における障害の有無を評価するための上記(1)に記載のマイクロアレイ。
(3)網膜における障害の有無を評価するための上記(1)に記載のマイクロアレイ。
(4)網膜における光損傷の有無を評価するための上記(1)に記載のマイクロアレイ。
(5)網膜における炎症の有無を評価するための上記(1)に記載のマイクロアレイ。
(6)網膜色素上皮または脈絡膜における障害の有無を評価するための上記(1)に記載のマイクロアレイ。
(7)網膜色素上皮または脈絡膜における光損傷の有無を評価するための上記(1)に記載のマイクロアレイ。
(8)網膜色素上皮または脈絡膜における炎症の有無を評価するための上記(1)に記載のマイクロアレイ。
(9)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、眼における障害の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
Hspa1b、Il1a、Gsk3a、H2−K1、IL1b
(10)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、網膜周辺部位における障害の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
Hspa1b、Il1a、Gsk3a、H2−K1、IL1b
(11)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、網膜における障害の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
Il1a、H2-K1、Il1b、Il6、Hspa2
(12)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、網膜における光損傷の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
Gsk3a、Rpe65、Gpr143、Hfe、Trip1
(13)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、網膜における炎症の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
H2-K1、Il6、Cxcl1、Hfe、Trip1
(14)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、網膜色素上皮または脈絡膜における障害の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
Hspa1b、Il1a、Gsk3a、H2−K1、IL1b
(15)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、網膜色素上皮または脈絡膜における光損傷の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
Hspa1b、Gsk3a、Il1b、Icam1、Hspa2
(16)下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、網膜色素上皮または脈絡膜における炎症の有無を評価するためのマイクロアレイ。
<遺伝子群>
Hspa1b、Il1a、H2-K1、Il1b、Icam1
(17)配列番号1〜219及び221〜254の少なくとも1種の塩基配列を有するプローブが搭載されたマイクロアレイ。
(18)被験生物における眼疾患の状態を評価する方法であって、上記(1)〜(17)のいずれかに記載のマイクロアレイを用いて、被験生物から採取された試料から得られた遺伝子の検出結果を、対照と比較することを特徴とする前記方法。
(19)被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価する方法であって、上記(1)〜(17)のいずれかに記載のマイクロアレイを用いて、被験物質が接触、摂取又は投与された被験生物から採取された試料から、得られた遺伝子の検出結果を、対照と比較することを特徴とする前記方法。
(20)被験生物における眼疾患の状態を評価する方法であって、上記(1)〜(17)のいずれかに記載のマイクロアレイを用いて、被験生物から採取された試料から得られた遺伝子の検出結果を、多変量解析を用いて対照と比較することを特徴とする前記方法。
(21)被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価する方法であって、上記(1)〜(17)のいずれかに記載のマイクロアレイを用いて、被験物質が接触、摂取又は投与された被験生物から採取された試料から、得られた遺伝子の検出結果を、多変量解析を用いて対照と比較することを特徴とする前記方法。
<遺伝子群1>
A2m、Abca4、Ace、Adam17、Adam19、Adam28、Adam9、Adipor1、Adipor2、Agt、Aif1、Akt3、Amy2a2、Amy2a3、Amy2a4、Amy2a5、Angpt-1、Angpt-2、Aoc3、Apbb1、apln、Arr3、At1r、At2r、Atp6ap2、Best1、Bmp4、C1qa、C1qb、C1qc、C1ql1、C1s、C3、C4、Calb1、Calb2、Casp14、Casp3、Casp8、Casp9、Cckbr、Ccl17、Ccl2、Ccl3、Ccl4、Ccl7、Ccl8、Ccnd3、Ccr2、Cd44、Cd45、Cd55、Cd59a、Cd74、Cdh1、Cdh3、Cdh5、Cdr2、Cebpd、Cfb、Cfh、Chga、Chrna7、Ckb、Cldn5、Clip1、Cnga1、Cnga3、Cntf、Col7a1、Col8a2、Cp、Cp、Crx、Ctgf、Ctnna1、Ctss、Cxcl1、Cxcl12、Cxcl2、cxcr4、Cyb5r1、Darc、Doc2b、Edn2、Ednrb、Efemp1、Efna5、Egf、egln3、Elovl4、Eno3、Epo、Erap1、esm1、Fgf16、Fgf7、Fgfr1、Flt1、Fos、Furin、Gabrb3、Gem、Gfap、Glut1、Gnao1、Gnat1、Gnat2、Gngt2、Gpnmb、Gpr143、Grem2、Grm2、Grm6、Gsk3a、Gsk3b、Guca1a、Guk1、H2-K1、Hfe、Hif1a、Hspa1a、Hspa1b、Hspa2、Icam1、Id3、Ifna1、Ifnr、Igf1、Igf1r、Igfbp3、Il10、Il17a、Il1a、Il1b、Il6、Il6r、Il6st、Irf6、Irs1、Isgf3g、Itgav、Jak3、Jun、Kdr、Lgals3、Lipc、Lmo1、Loxl1、Mapk1、Mapk3、Mark2、Math5、Mef2c、Mkks、Mmp1、Mmp14、Mmp2、Mmp7、Mmp8、Mmp9、Msr1、Nes、Nfkb1、Nos3、Np、Nr2e3、Nrl、Nrp1、Nt5e、Opa1、Opn1mw、Opn1sw、Osbpl1a、Pax6、Pde6a、Pde6b、Pdgfb、Pdpn、Pecam1、Pex1、Pgf、Pig7、Pkia、Pla2g5、Polg2、Ppara、Prkca、Prnp、Prom1、Ptgds、Ptgs1、Ptgs2、Pxmp3、Pygm、Rcv1、Rdh9、Ren、Rho、Robo4、Rom1、Rpe65、Rs1、Rxrg、S100a6、Sag、Scd1、Sdc2、Sele、Selenbp1、Selenbp2、Selp、Serpina3n、Serpinf1、Serping1、Sfrp5、Sil1、Slc16a1、Slc16a4、Slc1a3、Socs3、Sox9、Sparc、Spp1、Stat1、Stat3、Stat5a、Stat6、Synpr、Tgfb1、Tgfb2、Tgfb3、Tgfbr2、Timp1、Timp2、Timp3、Tlr3、Tlr4、Tnfa、Tnfrsf1a、Trip1、Ttpa、Tyrp1、Usp9x、Vcam1、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Vldlr、Vtn
(22)少なくとも下記の(a)〜(c)又は(d)〜(f)のそれぞれに分類される遺伝子の発現量変化を、マイクロアレイを用いて測定することにより眼疾患の状態を評価する方法。
(a) 網膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(b) 網膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(c) 網膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(d) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(e) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(f) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(23)少なくとも下記の(a)〜(c)又は(d)〜(f)のそれぞれに分類される遺伝子の発現量変化を、マイクロアレイを用いて測定することにより被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価する方法。
(a) 網膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(b) 網膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(c) 網膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(d) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(e) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(f) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(24)(a)に分類される遺伝子が、At1r、Jak3、Ccnd3、H2-K1、C1ql1、Id3、Tgfb2、Ckb、Gnat1、Efna5、Crx、Rom1、Arr3、Gsk3a、Adipor1、Hspa1b、Guk1、Abca4、egln3、Gngt2、Clip1、Prnp、Sparc、Elovl4、Gsk3b、Itgav、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Sdc2及びTrip1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(b)に分類される遺伝子が、At2r、Pig7、Pgf、Rxrg、Col7a1、Casp9、Pecam1、Rpe65、Cckbr、Cd59a、Opn1mw、Grm6、Pkia、Darc、Apbb1、Prom1、Adam9、Cyb5r1、Gpr143、Atp6ap2、Nr2e3、Pde6a、Nrl、Cnga1、Hif1a、Gnat2及びMmp2からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(c)に分類される遺伝子が、Cxcl1、Il6、Selenbp2、Nfkb1、Cldn5、Sox9、Cp、Grm2、Pax6、Prkca、Mark2、Ppara、Gem、Opn1sw、Robo4、Rho、Glut1及びPex1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(d)に分類される遺伝子が、cxcr4、At2r、Vcam1、Mef2c、Pkia、Scd1、Loxl1、H2-K1、Pxmp3、Erap1、Pgf、Tgfb3、Pdpn、Gsk3a、Fgf7、Ccl2、Cntf、Col8a2、Pecam1、Cd59a、Rxrg、C1s、Ccl7、Osbpl1a、Glut1、Selenbp2、Serpinf1、Gpnmb、Hspa2、Nes、Stat1、Egf、C1qb、Mmp14、Timp2、Lmo1、Lgals3、Mmp8、Flt1、Cldn5、Mmp2、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Hspa1b、Kdr及びStat6からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(e)に分類される遺伝子が、Cfb、Mmp9、Calb2、Robo4、Gpr143、Cd44、Pig7、Il1b、C3、Gem、Cd55、Cebpd、Stat3及びCcnd3からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(f)に分類される遺伝子が、Cxcl1、Timp1、Cxcl2、Il6、Igf1、Icam1、Lipc、At1r、Spp1、Ctss、C1qc、Nfkb1、Grem2、Abca4、Apbb1、Chrna7、Cyb5r1、Pdgfb、Isgf3g、Nos3及びClip1からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(22)又は(23)記載の方法。
(25)下記の判定式を眼疾患の状態の評価に用いることを特徴とする、上記(22)〜(24)のいずれかに記載の方法。
[式中、Mはマハラノビスの距離であって基本空間からの距離を表し、Xni(n=1〜k)は各遺伝子発現量又は遺伝子発現比を表し、ηn(n=1〜k)は各サンプルのシグナルノイズ比(S/N)を表し、βn(n=1〜k) は各サンプルの感度を表す。
M1は健常サンプル群または対照サンプル群を表す。M1 maxは、M1の最大値を表し、σ m1は、M1の標準偏差を表す。
M2は評価サンプル群を表し、M2 minは、M2の最小値を表す。]
(26)下記(i)、(ii) 若しくは(iii)の核酸又はその一部の核酸を搭載する、眼疾患の状態を評価するためのマイクロアレイ。
(i)下記の(a)〜(c)又は(d)〜(f)のそれぞれから選択される遺伝子を含む核酸
(a) 網膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(b) 網膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(c) 網膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(d) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(e) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(f) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(ii) 前記(i)の核酸の塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸
(iii) 前記(i)又は(ii)の核酸の塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸
(27)(a)に分類される遺伝子が、At1r、Jak3、Ccnd3、H2-K1、C1ql1、Id3、Tgfb2、Ckb、Gnat1、Efna5、Crx、Rom1、Arr3、Gsk3a、Adipor1、Hspa1b、Guk1、Abca4、egln3、Gngt2、Clip1、Prnp、Sparc、Elovl4、Gsk3b、Itgav、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Sdc2及びTrip1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(b)に分類される遺伝子が、At2r、Pig7、Pgf、Rxrg、Col7a1、Casp9、Pecam1、Rpe65、Cckbr、Cd59a、Opn1mw、Grm6、Pkia、Darc、Apbb1、Prom1、Adam9、Cyb5r1、Gpr143、Atp6ap2、Nr2e3、Pde6a、Nrl、Cnga1、Hif1a、Gnat2及びMmp2からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(c)に分類される遺伝子が、Cxcl1、Il6、Selenbp2、Nfkb1、Cldn5、Sox9、Cp、Grm2、Pax6、Prkca、Mark2、Ppara、Gem、Opn1sw、Robo4、Rho、Glut1及びPex1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(d)に分類される遺伝子が、cxcr4、At2r、Vcam1、Mef2c、Pkia、Scd1、Loxl1、H2-K1、Pxmp3、Erap1、Pgf、Tgfb3、Pdpn、Gsk3a、Fgf7、Ccl2、Cntf、Col8a2、Pecam1、Cd59a、Rxrg、C1s、Ccl7、Osbpl1a、Glut1、Selenbp2、Serpinf1、Gpnmb、Hspa2、Nes、Stat1、Egf、C1qb、Mmp14、Timp2、Lmo1、Lgals3、Mmp8、Flt1、Cldn5、Mmp2、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Hspa1b、Kdr及びStat6からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(e)に分類される遺伝子が、Cfb、Mmp9、Calb2、Robo4、Gpr143、Cd44、Pig7、Il1b、C3、Gem、Cd55、Cebpd、Stat3及びCcnd3からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(f)に分類される遺伝子が、Cxcl1、Timp1、Cxcl2、Il6、Igf1、Icam1、Lipc、At1r、Spp1、Ctss、C1qc、Nfkb1、Grem2、Abca4、Apbb1、Chrna7、Cyb5r1、Pdgfb、Isgf3g、Nos3及びClip1からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(26)記載のマイクロアレイ。
(27)Hspa1b、Gsk3a及びH2−K1からなる群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、眼疾患の状態を評価するためのマイクロアレイ。
本発明により、被験生物の眼疾患の状態を客観的に評価することができ、また、食品や医薬品の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施をすることができる。また、本明細書は、本願優先権主張の基礎となる2013年4月8日に出願された日本国特許出願(特願2013-080395号)の明細書及び図面に記載の内容を包含する。
1.概要
本発明は、眼疾患の状態を評価するためのマイクロアレイ、及び当該マイクロアレイを用いて被験生物から採取した試料中の遺伝子を検出し、その被験生物における眼疾患の状態を評価する方法に関する。また、本発明は、被験物質が接触、摂取又は投与された被験生物から試料を採取し、採取した試料中の遺伝子を検出し、遺伝子の発現量の変動を測定することにより、被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価する方法に関する。
本発明者は、様々な疾患に関連する遺伝子について鋭意検討した結果、眼疾患、特に網膜疾患である加齢黄斑変性に関連する遺伝子を見出した。そして、これらの遺伝子の発現量の変動に着目することにより、眼疾患の状態を評価できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、所定の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子の発現量を指標として、被験生物の眼疾患の状態を評価する方法、又は眼疾患に対する被験物質の機能(効果)を評価する方法である。
本発明は、眼疾患の状態を評価するためのマイクロアレイ、及び当該マイクロアレイを用いて被験生物から採取した試料中の遺伝子を検出し、その被験生物における眼疾患の状態を評価する方法に関する。また、本発明は、被験物質が接触、摂取又は投与された被験生物から試料を採取し、採取した試料中の遺伝子を検出し、遺伝子の発現量の変動を測定することにより、被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価する方法に関する。
本発明者は、様々な疾患に関連する遺伝子について鋭意検討した結果、眼疾患、特に網膜疾患である加齢黄斑変性に関連する遺伝子を見出した。そして、これらの遺伝子の発現量の変動に着目することにより、眼疾患の状態を評価できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、所定の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子の発現量を指標として、被験生物の眼疾患の状態を評価する方法、又は眼疾患に対する被験物質の機能(効果)を評価する方法である。
2.遺伝子
本発明の検出の対象となる遺伝子は、下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子である。各遺伝子の表記はNCBI(National Center for Biotechnology Information)のオフィシャルシンボルにて表記している。各遺伝子はマウス種のオフィシャルシンボルで表記しているが、各動物種間で共通の遺伝子については表記方法により動物種を限定するものではない。
<遺伝子群>
A2m、Abca4、Ace、Adam17、Adam19、Adam28、Adam9、Adipor1、Adipor2、Agt、Aif1、Akt3、Amy2a2、Amy2a3、Amy2a4、Amy2a5、Angpt-1、Angpt-2、Aoc3、Apbb1、apln、Arr3、At1r、At2r、Atp6ap2、Best1、Bmp4、C1qa、C1qb、C1qc、C1ql1、C1s、C3、C4、Calb1、Calb2、Casp14、Casp3、Casp8、Casp9、Cckbr、Ccl17、Ccl2、Ccl3、Ccl4、Ccl7、Ccl8、Ccnd3、Ccr2、Cd44、Cd45、Cd55、Cd59a、Cd74、Cdh1、Cdh3、Cdh5、Cdr2、Cebpd、Cfb、Cfh、Chga、Chrna7、Ckb、Cldn5、Clip1、Cnga1、Cnga3、Cntf、Col7a1、Col8a2、Cp、Cp、Crx、Ctgf、Ctnna1、Ctss、Cxcl1、Cxcl12、Cxcl2、cxcr4、Cyb5r1、Darc、Doc2b、Edn2、Ednrb、Efemp1、Efna5、Egf、egln3、Elovl4、Eno3、Epo、Erap1、esm1、Fgf16、Fgf7、Fgfr1、Flt1、Fos、Furin、Gabrb3、Gem、Gfap、Glut1、Gnao1、Gnat1、Gnat2、Gngt2、Gpnmb、Gpr143、Grem2、Grm2、Grm6、Gsk3a、Gsk3b、Guca1a、Guk1、H2-K1、Hfe、Hif1a、Hspa1a、Hspa1b、Hspa2、Icam1、Id3、Ifna1、Ifnr、Igf1、Igf1r、Igfbp3、Il10、Il17a、Il1a、Il1b、Il6、Il6r、Il6st、Irf6、Irs1、Isgf3g、Itgav、Jak3、Jun、Kdr、Lgals3、Lipc、Lmo1、Loxl1、Mapk1、Mapk3、Mark2、Math5、Mef2c、Mkks、Mmp1、Mmp14、Mmp2、Mmp7、Mmp8、Mmp9、Msr1、Nes、Nfkb1、Nos3、Np、Nr2e3、Nrl、Nrp1、Nt5e、Opa1、Opn1mw、Opn1sw、Osbpl1a、Pax6、Pde6a、Pde6b、Pdgfb、Pdpn、Pecam1、Pex1、Pgf、Pig7、Pkia、Pla2g5、Polg2、Ppara、Prkca、Prnp、Prom1、Ptgds、Ptgs1、Ptgs2、Pxmp3、Pygm、Rcv1、Rdh9、Ren、Rho、Robo4、Rom1、Rpe65、Rs1、Rxrg、S100a6、Sag、Scd1、Sdc2、Sele、Selenbp1、Selenbp2、Selp、Serpina3n、Serpinf1、Serping1、Sfrp5、Sil1、Slc16a1、Slc16a4、Slc1a3、Socs3、Sox9、Sparc、Spp1、Stat1、Stat3、Stat5a、Stat6、Synpr、Tgfb1、Tgfb2、Tgfb3、Tgfbr2、Timp1、Timp2、Timp3、Tlr3、Tlr4、Tnfa、Tnfrsf1a、Trip1、Ttpa、Tyrp1、Usp9x、Vcam1、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Vldlr、Vtn
本発明の検出の対象となる遺伝子は、下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子である。各遺伝子の表記はNCBI(National Center for Biotechnology Information)のオフィシャルシンボルにて表記している。各遺伝子はマウス種のオフィシャルシンボルで表記しているが、各動物種間で共通の遺伝子については表記方法により動物種を限定するものではない。
<遺伝子群>
A2m、Abca4、Ace、Adam17、Adam19、Adam28、Adam9、Adipor1、Adipor2、Agt、Aif1、Akt3、Amy2a2、Amy2a3、Amy2a4、Amy2a5、Angpt-1、Angpt-2、Aoc3、Apbb1、apln、Arr3、At1r、At2r、Atp6ap2、Best1、Bmp4、C1qa、C1qb、C1qc、C1ql1、C1s、C3、C4、Calb1、Calb2、Casp14、Casp3、Casp8、Casp9、Cckbr、Ccl17、Ccl2、Ccl3、Ccl4、Ccl7、Ccl8、Ccnd3、Ccr2、Cd44、Cd45、Cd55、Cd59a、Cd74、Cdh1、Cdh3、Cdh5、Cdr2、Cebpd、Cfb、Cfh、Chga、Chrna7、Ckb、Cldn5、Clip1、Cnga1、Cnga3、Cntf、Col7a1、Col8a2、Cp、Cp、Crx、Ctgf、Ctnna1、Ctss、Cxcl1、Cxcl12、Cxcl2、cxcr4、Cyb5r1、Darc、Doc2b、Edn2、Ednrb、Efemp1、Efna5、Egf、egln3、Elovl4、Eno3、Epo、Erap1、esm1、Fgf16、Fgf7、Fgfr1、Flt1、Fos、Furin、Gabrb3、Gem、Gfap、Glut1、Gnao1、Gnat1、Gnat2、Gngt2、Gpnmb、Gpr143、Grem2、Grm2、Grm6、Gsk3a、Gsk3b、Guca1a、Guk1、H2-K1、Hfe、Hif1a、Hspa1a、Hspa1b、Hspa2、Icam1、Id3、Ifna1、Ifnr、Igf1、Igf1r、Igfbp3、Il10、Il17a、Il1a、Il1b、Il6、Il6r、Il6st、Irf6、Irs1、Isgf3g、Itgav、Jak3、Jun、Kdr、Lgals3、Lipc、Lmo1、Loxl1、Mapk1、Mapk3、Mark2、Math5、Mef2c、Mkks、Mmp1、Mmp14、Mmp2、Mmp7、Mmp8、Mmp9、Msr1、Nes、Nfkb1、Nos3、Np、Nr2e3、Nrl、Nrp1、Nt5e、Opa1、Opn1mw、Opn1sw、Osbpl1a、Pax6、Pde6a、Pde6b、Pdgfb、Pdpn、Pecam1、Pex1、Pgf、Pig7、Pkia、Pla2g5、Polg2、Ppara、Prkca、Prnp、Prom1、Ptgds、Ptgs1、Ptgs2、Pxmp3、Pygm、Rcv1、Rdh9、Ren、Rho、Robo4、Rom1、Rpe65、Rs1、Rxrg、S100a6、Sag、Scd1、Sdc2、Sele、Selenbp1、Selenbp2、Selp、Serpina3n、Serpinf1、Serping1、Sfrp5、Sil1、Slc16a1、Slc16a4、Slc1a3、Socs3、Sox9、Sparc、Spp1、Stat1、Stat3、Stat5a、Stat6、Synpr、Tgfb1、Tgfb2、Tgfb3、Tgfbr2、Timp1、Timp2、Timp3、Tlr3、Tlr4、Tnfa、Tnfrsf1a、Trip1、Ttpa、Tyrp1、Usp9x、Vcam1、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Vldlr、Vtn
上記遺伝子群に含まれる遺伝子の発現量は、被験生物の眼疾患の状態によって変動する。本発明の検出の対象となる遺伝子を分類すると、表4のように分類される。
(i) 網膜において光損傷が起こった場合に発現量が変動する遺伝子
(ii) 網膜において炎症が生じた場合に発現量が変動する遺伝子
(iii) 網膜色素上皮又は脈絡膜において光損傷が生じた場合に発現量が変動する遺伝子
(iv) 網膜色素上皮又は脈絡膜において炎症が生じた場合に発現量が変動する遺伝子
(ii) 網膜において炎症が生じた場合に発現量が変動する遺伝子
(iii) 網膜色素上皮又は脈絡膜において光損傷が生じた場合に発現量が変動する遺伝子
(iv) 網膜色素上皮又は脈絡膜において炎症が生じた場合に発現量が変動する遺伝子
本発明においては、上記(i)〜(iv)の遺伝子群の各々から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出し、得られた検出結果を対照と比較することにより、被験生物の眼疾患の状態を評価することができる。例えば、上記遺伝子群(i) から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出し、得られた検出結果を対照と比較することにより、被験生物の網膜において光による光損傷が生じていることを客観的に評価することができ、網膜における光損傷又はそれが原因となる加齢黄斑変性といった網膜の疾患の状態を評価することができる。その他の各遺伝子群についても同様である。
また別の態様において、本発明の検出の対象となる遺伝子は、下記の(a)〜(c)又は(d)〜(f)のそれぞれに分類される。
(a) 網膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(b) 網膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(c) 網膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(d) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(e) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(f) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(a) 網膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(b) 網膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(c) 網膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(d) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(e) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(f) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
上記(a)に分類される遺伝子は、At1r、Jak3、Ccnd3、H2-K1、C1ql1、Id3、Tgfb2、Ckb、Gnat1、Efna5、Crx、Rom1、Arr3、Gsk3a、Adipor1、Hspa1b、Guk1、Abca4、egln3、Gngt2、Clip1、Prnp、Sparc、Elovl4、Gsk3b、Itgav、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Sdc2及びTrip1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、At1r、Jak3、Ccnd3、H2-K1、C1ql1、Id3、Tgfb2、Ckb、Gnat1、Efna5、Crx、Rom1、Arr3、Gsk3a、Adipor1、Hspa1b、Guk1、Abca4、egln3、Vegfa、Vegfb、Vegfc及びVegfdからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、At1r、Jak3、Ccnd3、H2-K1、C1ql1、Id3、Tgfb2、Vegfa、Vegfb、Vegfc及びVegfdからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記(b)に分類される遺伝子は、At2r、Pig7、Pgf、Rxrg、Col7a1、Casp9、Pecam1、Rpe65、Cckbr、Cd59a、Opn1mw、Grm6、Pkia、Darc、Apbb1、Prom1、Adam9、Cyb5r1、Gpr143、Atp6ap2、Nr2e3、Pde6a、Nrl、Cnga1、Hif1a、Gnat2及びMmp2からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、At2r、Pig7、Pgf、Rxrg、Col7a1、Casp9、Pecam1、Rpe65、Cckbr、Cd59a、Opn1mw、Grm6、Pkia、Darc、Apbb1、Prom1、Adam9、Cyb5r1、Gpr143及びAtp6ap2からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、At2r、Pig7、Pgf、Rxrg、Col7a1及びCasp9からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記(c)に分類される遺伝子は、Cxcl1、Il6、Selenbp2、Nfkb1、Cldn5、Sox9、Cp、Grm2、Pax6、Prkca、Mark2、Ppara、Gem、Opn1sw、Robo4、Rho、Glut1及びPex1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、Cxcl1、Il6、Selenbp2、Nfkb1、Cldn5、Sox9、Cp、Grm2、Pax6、Prkca、Mark2、Ppara及びGemからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、Cxcl1、Il6、Selenbp2及びNfkb1からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記(d)に分類される遺伝子は、cxcr4、At2r、Vcam1、Mef2c、Pkia、Scd1、Loxl1、H2-K1、Pxmp3、Erap1、Pgf、Tgfb3、Pdpn、Gsk3a、Fgf7、Ccl2、Cntf、Col8a2、Pecam1、Cd59a、Rxrg、C1s、Ccl7、Osbpl1a、Glut1、Selenbp2、Serpinf1、Gpnmb、Hspa2、Nes、Stat1、Egf、C1qb、Mmp14、Timp2、Lmo1、Lgals3、Mmp8、Flt1、Cldn5、Mmp2、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Hspa1b、Kdr及びStat6からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、cxcr4、At2r、Vcam1、Mef2c、Pkia、Scd1、Loxl1、H2-K1、Pxmp3、Erap1、Pgf、Tgfb3、Pdpn、Gsk3a、Fgf7、Ccl2、Cntf、Col8a2、Pecam1、Cd59a、Rxrg、C1s、Ccl7、Osbpl1a、Glut1、Selenbp2、Serpinf1、Gpnmb、Hspa2、Vegfa、Vegfb、Vegfc及びVegfdからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、cxcr4、At2r、Vcam1、Mef2c、Pkia、Scd1、Loxl1、H2-K1、Pxmp3、Erap1、Pgf、Tgfb3、Pdpn、Gsk3a、Fgf7、Vegfa、Vegfb、Vegfc及びVegfdからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記(e)に分類される遺伝子は、Cfb、Mmp9、Calb2、Robo4、Gpr143、Cd44、Pig7、Il1b、C3、Gem、Cd55、Cebpd、Stat3及びCcnd3からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、Cfb、Mmp9、Calb2、Robo4、Gpr143及びCd44からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、Cfb、Mmp9、Calb2及びRobo4からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記(f)に分類される遺伝子は、Cxcl1、Timp1、Cxcl2、Il6、Igf1、Icam1、Lipc、At1r、Spp1、Ctss、C1qc、Nfkb1、Grem2、Abca4、Apbb1、Chrna7、Cyb5r1、Pdgfb、Isgf3g、Nos3及びClip1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、Cxcl1、Timp1、Cxcl2、Il6、Igf1、Icam1、Lipc、At1r、Spp1、Ctss、C1qc及びNfkb1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、Cxcl1、Timp1、Cxcl2、Il6及びIgf1からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記(b)に分類される遺伝子は、At2r、Pig7、Pgf、Rxrg、Col7a1、Casp9、Pecam1、Rpe65、Cckbr、Cd59a、Opn1mw、Grm6、Pkia、Darc、Apbb1、Prom1、Adam9、Cyb5r1、Gpr143、Atp6ap2、Nr2e3、Pde6a、Nrl、Cnga1、Hif1a、Gnat2及びMmp2からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、At2r、Pig7、Pgf、Rxrg、Col7a1、Casp9、Pecam1、Rpe65、Cckbr、Cd59a、Opn1mw、Grm6、Pkia、Darc、Apbb1、Prom1、Adam9、Cyb5r1、Gpr143及びAtp6ap2からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、At2r、Pig7、Pgf、Rxrg、Col7a1及びCasp9からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記(c)に分類される遺伝子は、Cxcl1、Il6、Selenbp2、Nfkb1、Cldn5、Sox9、Cp、Grm2、Pax6、Prkca、Mark2、Ppara、Gem、Opn1sw、Robo4、Rho、Glut1及びPex1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、Cxcl1、Il6、Selenbp2、Nfkb1、Cldn5、Sox9、Cp、Grm2、Pax6、Prkca、Mark2、Ppara及びGemからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、Cxcl1、Il6、Selenbp2及びNfkb1からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記(d)に分類される遺伝子は、cxcr4、At2r、Vcam1、Mef2c、Pkia、Scd1、Loxl1、H2-K1、Pxmp3、Erap1、Pgf、Tgfb3、Pdpn、Gsk3a、Fgf7、Ccl2、Cntf、Col8a2、Pecam1、Cd59a、Rxrg、C1s、Ccl7、Osbpl1a、Glut1、Selenbp2、Serpinf1、Gpnmb、Hspa2、Nes、Stat1、Egf、C1qb、Mmp14、Timp2、Lmo1、Lgals3、Mmp8、Flt1、Cldn5、Mmp2、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Hspa1b、Kdr及びStat6からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、cxcr4、At2r、Vcam1、Mef2c、Pkia、Scd1、Loxl1、H2-K1、Pxmp3、Erap1、Pgf、Tgfb3、Pdpn、Gsk3a、Fgf7、Ccl2、Cntf、Col8a2、Pecam1、Cd59a、Rxrg、C1s、Ccl7、Osbpl1a、Glut1、Selenbp2、Serpinf1、Gpnmb、Hspa2、Vegfa、Vegfb、Vegfc及びVegfdからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、cxcr4、At2r、Vcam1、Mef2c、Pkia、Scd1、Loxl1、H2-K1、Pxmp3、Erap1、Pgf、Tgfb3、Pdpn、Gsk3a、Fgf7、Vegfa、Vegfb、Vegfc及びVegfdからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記(e)に分類される遺伝子は、Cfb、Mmp9、Calb2、Robo4、Gpr143、Cd44、Pig7、Il1b、C3、Gem、Cd55、Cebpd、Stat3及びCcnd3からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、Cfb、Mmp9、Calb2、Robo4、Gpr143及びCd44からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、Cfb、Mmp9、Calb2及びRobo4からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記(f)に分類される遺伝子は、Cxcl1、Timp1、Cxcl2、Il6、Igf1、Icam1、Lipc、At1r、Spp1、Ctss、C1qc、Nfkb1、Grem2、Abca4、Apbb1、Chrna7、Cyb5r1、Pdgfb、Isgf3g、Nos3及びClip1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、Cxcl1、Timp1、Cxcl2、Il6、Igf1、Icam1、Lipc、At1r、Spp1、Ctss、C1qc及びNfkb1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、Cxcl1、Timp1、Cxcl2、Il6及びIgf1からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記(a)〜(c)のいずれかに分類される遺伝子と、上記(d)〜(f)のいずれかに分類される遺伝子とは、任意に組み合わせて眼疾患の状態の評価に用いることができる。そのような組み合わせとしては、具体的には、
(a)に分類される遺伝子と(d)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(a)に分類される遺伝子と(e)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(a)に分類される遺伝子と(f)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(b)に分類される遺伝子と(d)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(b)に分類される遺伝子と(e)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(b)に分類される遺伝子と(f)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(c)に分類される遺伝子と(d)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(c)に分類される遺伝子と(e)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(c)に分類される遺伝子と(f)に分類される遺伝子との組み合わせ、
が挙げられる。
(a)に分類される遺伝子と(d)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(a)に分類される遺伝子と(e)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(a)に分類される遺伝子と(f)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(b)に分類される遺伝子と(d)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(b)に分類される遺伝子と(e)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(b)に分類される遺伝子と(f)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(c)に分類される遺伝子と(d)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(c)に分類される遺伝子と(e)に分類される遺伝子との組み合わせ、
(c)に分類される遺伝子と(f)に分類される遺伝子との組み合わせ、
が挙げられる。
また、網膜の光損傷と網膜の炎症惹起物質による炎症とを判別する場合は、Cxcl1、At2r、Vegfa、Cxcl1、Cfb及びFgf7の組み合わせをその判別に用いることができ、網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷と網膜上皮細胞及び脈絡膜の炎症惹起物質による炎症とを判別する場合はIl6、Pig7、Vegfa、Timp1、Mmp9及びVegfcの組み合わせをその判別に用いることができる。
また別の態様において、本発明では、眼疾患の状態の評価において、Hspa1b、Gsk3a及びH2-K1からなる群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出することが好ましい。
また別の態様において、本発明では、眼疾患の状態の評価において、Hspa1b、Gsk3a及びH2-K1からなる群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出することが好ましい。
本発明において、「関連する遺伝子」とは、網膜、網膜上皮細胞及び/若しくは脈絡膜の光損傷又は炎症惹起物質による炎症によって、その発現量が変動する遺伝子をいう。本発明では、その遺伝子を検出(発現量を測定)することにより、眼疾患の状態の評価することができる。また、本発明において、「核酸」には、例えば、RNA及びDNA(cDNA等)が含まれる。また、本発明において「その一部の核酸」とは、その核酸の塩基配列の一部の配列を有するポリヌクレオチドを意味する。これらの核酸は、後述するプローブとして用いることができる。
また、本発明において、各遺伝子群「から選ばれる少なくとも一種」の定義には、各遺伝子群「の全ての遺伝子」及び各遺伝子群「の全ての遺伝子の組み合わせ」が含まれる。
また、本発明において、各遺伝子群「から選ばれる少なくとも一種」の定義には、各遺伝子群「の全ての遺伝子」及び各遺伝子群「の全ての遺伝子の組み合わせ」が含まれる。
3.プローブ
本発明において、「遺伝子を検出する」とはその遺伝子の発現量を測定することであり、mRNA量又はDNAやmRNAから増幅した核酸の量を測定することをいう。遺伝子を検出するためのプローブとは、その遺伝子のmRNA、cDNA、又はそれらのアンチセンス鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションする核酸のことである。
ハイブリダイゼーションの条件において、ストリンジェントな条件としては、例えば、「0.12M Tris・HCl/0.12M NaCl/0.5% Tween-20、50℃」、「0.12M Tris・HCl/0.12M NaCl/0.5% Tween-20、42℃」、「0.12M Tris・HCl/0.12M NaCl/0.5% Tween-20、37℃」、よりストリンジェントな条件としては、例えば「0.12M Tris・HCl/0.12M NaCl/0.5% Tween-20、65℃」、「0.12M Tris・HCl/0.12M NaCl/0.5% Tween-20、68℃」、「0.06M Tris・HCl/0.06M NaCl/0.5% Tween-20、65℃」等の条件を挙げることができる。より詳細には、プローブを添加して1時間以上65℃に保ってハイブリッド形成させ、その後、0.12M Tris・HCl/0.12M NaCl/0.5% Tween-20中、65℃で20分の洗浄を2-4回、最後に、0.12M Tris・HCl/0.12M NaCl、65℃で10分の洗浄を1回行う方法もある。ハイブリダイゼーション、あるいは洗浄の際の温度を上げることにより、よりストリンジェントな条件を設定することができる。当業者であれば、このようなバッファーの塩濃度、温度等の条件に加えて、その他のプローブ濃度、プローブの長さ、反応時間等の諸条件を加味し、条件を設定することができる。ハイブリダイゼーション法の詳細な手順については、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual 2nd ed.」(Cold Spring Harbor Press (1989)、「Current Protocols in Molecular Biology」(John Wiley & Sons (1987-1997)) 等を参照することができる。
また、本発明は、配列番号1〜219及び221〜254で示される塩基配列を有するプローブを提供する。配列番号1〜219及び221〜254で示される塩基配列を有するプローブ(プローブ番号1〜219及び221〜254)を、下記の表1に示す。また、マイクロアレイは、少なくとも配列番号1〜219及び221〜254で示される塩基配列を有するプローブが搭載されたものであればよく、ネガティブコントロール(N.C.)のプローブをさらに搭載するものであってもよい。N.C.プローブとしては、ストリンジェントな条件で測定対象動物種のどの遺伝子をも検出しないプローブであれば良い。例えば、下記表1に示されるYPL088W-713及びOmpAのプローブ(それぞれ配列番号220及び配列番号255)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において、「遺伝子を検出する」とはその遺伝子の発現量を測定することであり、mRNA量又はDNAやmRNAから増幅した核酸の量を測定することをいう。遺伝子を検出するためのプローブとは、その遺伝子のmRNA、cDNA、又はそれらのアンチセンス鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションする核酸のことである。
ハイブリダイゼーションの条件において、ストリンジェントな条件としては、例えば、「0.12M Tris・HCl/0.12M NaCl/0.5% Tween-20、50℃」、「0.12M Tris・HCl/0.12M NaCl/0.5% Tween-20、42℃」、「0.12M Tris・HCl/0.12M NaCl/0.5% Tween-20、37℃」、よりストリンジェントな条件としては、例えば「0.12M Tris・HCl/0.12M NaCl/0.5% Tween-20、65℃」、「0.12M Tris・HCl/0.12M NaCl/0.5% Tween-20、68℃」、「0.06M Tris・HCl/0.06M NaCl/0.5% Tween-20、65℃」等の条件を挙げることができる。より詳細には、プローブを添加して1時間以上65℃に保ってハイブリッド形成させ、その後、0.12M Tris・HCl/0.12M NaCl/0.5% Tween-20中、65℃で20分の洗浄を2-4回、最後に、0.12M Tris・HCl/0.12M NaCl、65℃で10分の洗浄を1回行う方法もある。ハイブリダイゼーション、あるいは洗浄の際の温度を上げることにより、よりストリンジェントな条件を設定することができる。当業者であれば、このようなバッファーの塩濃度、温度等の条件に加えて、その他のプローブ濃度、プローブの長さ、反応時間等の諸条件を加味し、条件を設定することができる。ハイブリダイゼーション法の詳細な手順については、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual 2nd ed.」(Cold Spring Harbor Press (1989)、「Current Protocols in Molecular Biology」(John Wiley & Sons (1987-1997)) 等を参照することができる。
また、本発明は、配列番号1〜219及び221〜254で示される塩基配列を有するプローブを提供する。配列番号1〜219及び221〜254で示される塩基配列を有するプローブ(プローブ番号1〜219及び221〜254)を、下記の表1に示す。また、マイクロアレイは、少なくとも配列番号1〜219及び221〜254で示される塩基配列を有するプローブが搭載されたものであればよく、ネガティブコントロール(N.C.)のプローブをさらに搭載するものであってもよい。N.C.プローブとしては、ストリンジェントな条件で測定対象動物種のどの遺伝子をも検出しないプローブであれば良い。例えば、下記表1に示されるYPL088W-713及びOmpAのプローブ(それぞれ配列番号220及び配列番号255)が挙げられるが、これらに限定されない。
表1
4.マイクロアレイ
マイクロアレイとは、担体上に多数のプローブを高密度にそれぞれ独立に固定化したものである。本発明は、上記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載するマイクロアレイを提供する。また、本発明は、網膜周辺部位における障害、網膜における障害、網膜における光損傷、網膜における炎症、網膜色素上皮もしくは脈絡膜における障害、網膜色素上皮もしくは脈絡膜における光損傷、または網膜色素上皮もしくは脈絡膜における炎症の有無を評価するための前記マイクロアレイを提供する。本発明のマイクロアレイは、支持体上に、本発明のプローブ(例えばオリゴヌクレオチドプローブ)が固定されたものであれば、限定はされない。具体的には、本発明は、配列番号1〜219及び221〜254で示される少なくとも1種の塩基配列を有するプローブが搭載されたマイクロアレイを提供する。
マイクロアレイとは、担体上に多数のプローブを高密度にそれぞれ独立に固定化したものである。本発明は、上記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載するマイクロアレイを提供する。また、本発明は、網膜周辺部位における障害、網膜における障害、網膜における光損傷、網膜における炎症、網膜色素上皮もしくは脈絡膜における障害、網膜色素上皮もしくは脈絡膜における光損傷、または網膜色素上皮もしくは脈絡膜における炎症の有無を評価するための前記マイクロアレイを提供する。本発明のマイクロアレイは、支持体上に、本発明のプローブ(例えばオリゴヌクレオチドプローブ)が固定されたものであれば、限定はされない。具体的には、本発明は、配列番号1〜219及び221〜254で示される少なくとも1種の塩基配列を有するプローブが搭載されたマイクロアレイを提供する。
マイクロアレイについて、その支持体の形態は特には限定されず、平板、棒状、ビーズ等のいずれの形態も使用できる。支持体として、平板を使用する場合は、その平板上に、所定の間隔をもって、所定のプローブを種類毎に固定することができる(スポッティング法等;Science 270,467−470(1995)等参照)。また、平板上の特定の位置で、所定のプローブを種類毎に逐次合成していくこともできる(フォトリソグラフィー法等;Science 251, 767−773(1991)等参照)。
他の好ましい支持体の形態としては、中空繊維を使用するものが挙げられる。支持体として中空繊維を使用する場合は、オリゴヌクレオチドプローブを種類毎に各中空繊維に固定し、すべての中空繊維を集束させ固定した後、繊維の長手方向で切断を繰り返すことにより得られる核酸マイクロアレイが好ましく例示できる。この核酸マイクロアレイは、貫通孔基板にオリゴヌクレオチドプローブを固定化したタイプのものと説明することができ、いわゆる「貫通孔型マイクロアレイ」とも言われる(特許第3510882号公報等を参照、図1)。
支持体へのプローブの固定化方法は特には限定されず、どのような結合様式でもよい。また、支持体に直接固定化することに限定はされず、例えば、予め支持体をポリリジン等のポリマーでコーティング処理し、処理後の支持体にプローブを固定することもできる。さらに、支持体として中空繊維等の管状体を使用する場合は、管状体にゲル状物を保持させ、そのゲル状物にプローブを固定化することもできる。
以下、中空繊維による貫通孔型核酸マイクロアレイを例に、マイクロアレイの製造について、詳細に説明する。このマイクロアレイは、例えば、下記(i)〜(iv)の工程を経て作製することができる。
(i)複数本の中空繊維を、中空繊維の長手方向が同一方向となるように3次元に配列して配列体を製造する工程
(ii)前記配列体を包埋し、ブロック体を製造する工程
(iii)オリゴヌクレオチドプローブを含むゲル前駆体重合性溶液を前記ブロック体の各中空繊維の中空部に導入して重合反応を行い、オリゴヌクレオチドプローブを含むゲル状物を中空部に保持させる工程
(iv)中空繊維の長手方向と交差する方向で切断して、ブロック体を薄片化する工程中空繊維に使用される材料としては、限定はされないが、例えば、特開2004−163211号公報等に記載の材料が好ましく挙げられる。
(i)複数本の中空繊維を、中空繊維の長手方向が同一方向となるように3次元に配列して配列体を製造する工程
(ii)前記配列体を包埋し、ブロック体を製造する工程
(iii)オリゴヌクレオチドプローブを含むゲル前駆体重合性溶液を前記ブロック体の各中空繊維の中空部に導入して重合反応を行い、オリゴヌクレオチドプローブを含むゲル状物を中空部に保持させる工程
(iv)中空繊維の長手方向と交差する方向で切断して、ブロック体を薄片化する工程中空繊維に使用される材料としては、限定はされないが、例えば、特開2004−163211号公報等に記載の材料が好ましく挙げられる。
中空繊維は、その長手方向の長さが同一となるように3次元に配列される(工程(i))。配列方法としては、例えば、粘着シート等のシート状物に複数本の中空繊維を所定の間隔をもって平行に配置し、シート状とした後、このシートを螺旋状に巻き取る方法(特開平11−108928号公報を参照)や、複数の孔が所定の間隔をもって設けられた多孔板2枚を孔部が一致するように重ね合わせ、それらの孔部に中空繊維を通過させ、その後2枚の多孔板の間隔を開いて仮固定し、2枚の多孔板間における中空繊維の周辺に硬化性樹脂原料を充満させて硬化させる方法(特開2001−133453号公報を参照)等が挙げられる。
製造された配列体はその配列が乱れないように包埋される(工程(ii))。包埋の方法としては、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂等を繊維間の隙間に流し込む方法のほか、繊維どうしを熱融着により接着する方法等が好ましく挙げられる。
包埋された配列体には、各中空繊維の中空部に、プローブを含むゲル前駆体重合性溶液(ゲル形成溶液)を充填し、中空部内で重合反応を行う(工程(iii))。これにより、各中空繊維の中空部に、プローブが固定されたゲル状物を保持させることができる。
包埋された配列体には、各中空繊維の中空部に、プローブを含むゲル前駆体重合性溶液(ゲル形成溶液)を充填し、中空部内で重合反応を行う(工程(iii))。これにより、各中空繊維の中空部に、プローブが固定されたゲル状物を保持させることができる。
ゲル前駆体重合性溶液とは、ゲル形成重合性モノマー等の反応性物質を含有する溶液であって、該モノマー等を重合、架橋させることにより該溶液がゲル状物となることが可能な溶液をいう。そのようなモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ビニルピロリドン、メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。この場合溶液には重合開始剤等が含まれていてもよい。中空繊維内にプローブを固定した後、中空繊維の長手方向と交差する方向(好ましくは直交する方向)で、ブロック体を切断して薄片化する(工程(iv))。このようにして得られた薄片は、核酸マイクロアレイとして使用できる。当該アレイの厚みは、0.01mm〜1mm程度であることが好ましい。ブロック体の切断は、例えば、ミクロトーム及びレーザー等により行うことができる。当該貫通孔型マイクロアレイとしては、例えば、三菱レイヨン社製の核酸マイクロアレイ(Genopal)等が好ましく挙げられる。本発明の評価方法においては、これらのマイクロアレイを用いることができる。
5.眼疾患
本発明において、「眼疾患」とは、眼に関連する疾患をいい、例えば、麦粒腫、霰粒腫、新生児涙嚢炎などの眼瞼及び涙器の疾患、結膜炎、翼状片などの結膜の疾患、角膜感染症、角膜内皮障害などの角膜の疾患、ぶどう膜炎、ベーチェット病等のぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)の疾患、糖尿病網膜症、網膜剥離、網膜静脈閉塞、中心性漿液性脈絡網膜症、加齢黄斑変性、網膜色素変性などの網膜の疾患、白内障、緑内障、視神経症などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明において、眼疾患としては、好ましくは網膜及び網膜色素上皮、脈絡膜の疾患であり、より好ましくは、加齢黄斑変性である。
本発明において、「眼疾患」とは、眼に関連する疾患をいい、例えば、麦粒腫、霰粒腫、新生児涙嚢炎などの眼瞼及び涙器の疾患、結膜炎、翼状片などの結膜の疾患、角膜感染症、角膜内皮障害などの角膜の疾患、ぶどう膜炎、ベーチェット病等のぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)の疾患、糖尿病網膜症、網膜剥離、網膜静脈閉塞、中心性漿液性脈絡網膜症、加齢黄斑変性、網膜色素変性などの網膜の疾患、白内障、緑内障、視神経症などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明において、眼疾患としては、好ましくは網膜及び網膜色素上皮、脈絡膜の疾患であり、より好ましくは、加齢黄斑変性である。
上記眼疾患には、眼の網膜周辺部位における障害が含まれる。「網膜周辺部位」とは網膜動脈、網膜静脈、黄斑、視神経乳頭、中心窩から構成される網膜と網膜色素上皮、脈絡膜、強膜とを含む部分である。「障害」には、その部位の損傷及び機能障害が含まれ、例えば細胞死、炎症、血管新生、タンパク質や脂質を含む老廃物の蓄積、光感受性の受容体を持つ細胞の機能低下などが含まれる。光損傷とは光による障害のひとつであり、光によって細胞死、炎症、光感受性の受容体を持つ細胞の機能低下が起こることを含む。また、眼疾患によって出血が起こり、網膜が酸欠状態になると血管新生が生じることから、上記眼疾患には、血管新生を伴う疾患が含まれる。血管新生を伴う疾患としては、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などが挙げられる。眼疾患の「状態」とは、眼疾患に伴う具体的な状態をいう。このような状態としては、例えば、上述した障害の状態が挙げられる。
6.被験生物
本発明において、「被験生物」とは、被験物質を接触、摂取又は投与する対象となる生物であり、動物個体、動物組織、動物細胞(培養細胞を含む)などが含まれる。動物としては哺乳動物が好ましく、哺乳動物としては、マウス、ラット、ウサギ、ハムスターなどのげっ歯類の動物、サル、ブタ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ヒトなどが挙げられる。但し、被験生物を実験動物として使用する場合は、被験生物は非ヒト哺乳動物であり、好ましくはげっ歯類の動物である。本発明に使用される細胞は、限定されるものではなく、ヒト、マウス、ラットなど哺乳動物由来の細胞株、またはこれらの細胞株から派生する細胞株、各種組織由来の初代細胞、幹細胞、ES細胞、iPS細胞を挙げることができる。本発明に使用される細胞は眼に関連する細胞が好ましく、このような細胞としては、網膜細胞(視細胞、神経細胞)、色素上皮/脈絡膜細胞などが挙げられる。
本発明において、「被験生物」とは、被験物質を接触、摂取又は投与する対象となる生物であり、動物個体、動物組織、動物細胞(培養細胞を含む)などが含まれる。動物としては哺乳動物が好ましく、哺乳動物としては、マウス、ラット、ウサギ、ハムスターなどのげっ歯類の動物、サル、ブタ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ヒトなどが挙げられる。但し、被験生物を実験動物として使用する場合は、被験生物は非ヒト哺乳動物であり、好ましくはげっ歯類の動物である。本発明に使用される細胞は、限定されるものではなく、ヒト、マウス、ラットなど哺乳動物由来の細胞株、またはこれらの細胞株から派生する細胞株、各種組織由来の初代細胞、幹細胞、ES細胞、iPS細胞を挙げることができる。本発明に使用される細胞は眼に関連する細胞が好ましく、このような細胞としては、網膜細胞(視細胞、神経細胞)、色素上皮/脈絡膜細胞などが挙げられる。
7.被験生物における眼疾患の状態を評価する方法
本発明は、被験生物から採取された試料中に存在する所定の遺伝子を検出し、その検出結果を対照と比較することにより、被験生物の眼疾患の状態を評価する方法である。本発明の方法は、上述したマイクロアレイを用いて行うことができる。
本発明においては、例えば、被験生物から採取された試料に存在する上記遺伝子について、正常な被験生物の遺伝子発現量(対照)と眼疾患を有する被験生物の遺伝子発現量とを対比し、遺伝子発現量の変動(増加又は減少)又は遺伝子発現の有無を確認することにより、当該被験生物の眼疾患の状態を評価することができる。
また、同様の手法により、被験生物の眼の網膜及び網膜色素上皮・脈絡膜における障害、炎症状態、血管新生及び加齢黄斑変性の状態を評価することができる。
本発明は、被験生物から採取された試料中に存在する所定の遺伝子を検出し、その検出結果を対照と比較することにより、被験生物の眼疾患の状態を評価する方法である。本発明の方法は、上述したマイクロアレイを用いて行うことができる。
本発明においては、例えば、被験生物から採取された試料に存在する上記遺伝子について、正常な被験生物の遺伝子発現量(対照)と眼疾患を有する被験生物の遺伝子発現量とを対比し、遺伝子発現量の変動(増加又は減少)又は遺伝子発現の有無を確認することにより、当該被験生物の眼疾患の状態を評価することができる。
また、同様の手法により、被験生物の眼の網膜及び網膜色素上皮・脈絡膜における障害、炎症状態、血管新生及び加齢黄斑変性の状態を評価することができる。
7−1.被験生物から採取された試料
本発明において、被験生物から採取された試料とは、被験生物から単離又は取り出した生体試料のことをいい、このような試料としては、網膜、網膜色素上皮、脈絡膜などの眼の一部、血液等の体液、その他各組織又は臓器の一部、粉砕液、細胞破砕液又はそれらより取り出された核酸が挙げられる。継続的な測定の場合の試料としては細胞破砕液、血液等の体液が好ましく、直接、眼疾患の状態を測定する場合は、網膜、網膜色素上皮、脈絡膜が好ましい。
本発明において、被験生物から採取された試料とは、被験生物から単離又は取り出した生体試料のことをいい、このような試料としては、網膜、網膜色素上皮、脈絡膜などの眼の一部、血液等の体液、その他各組織又は臓器の一部、粉砕液、細胞破砕液又はそれらより取り出された核酸が挙げられる。継続的な測定の場合の試料としては細胞破砕液、血液等の体液が好ましく、直接、眼疾患の状態を測定する場合は、網膜、網膜色素上皮、脈絡膜が好ましい。
本発明において、対照とは、被験生物の測定結果と比較し、その結果を判断するための対照被験生物の測定結果である。例えば、被験生物の眼疾患の状態の測定結果における対照としては、眼疾患に罹患していない被験生物の測定結果が挙げられる。また、被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価する方法における対照は、被験物質が接触、摂取又は投与されていない被験生物の測定結果である。
7−2. 核酸の抽出
採取された試料中のmRNAの量は、その試料から核酸を抽出して測定する。核酸の抽出方法、抽出した核酸の処理方法はそれぞれ発現量の測定方法に適した方法で行う。
mRNAの抽出は、例えば以下の方法により行うことができるが、この方法に限定されるものではない。
まず、-80℃や液体窒素で凍結した臓器若しくは細胞に、0.5g/10mlとなるように4Mグアニジンチオシアネイト溶液を加え、ホモジナイズする。そこに2M酢酸ナトリウム1ml、フェノールを10ml、クロロホルムを10ml添加し、よく混和する。それを10000rpmで10分間遠心し、水層を回収する。そこに等量のイソプロパノールを加え、さらに10000rpmで10分遠心し、RNAを沈殿する。再び4Mグアニジンチオシアネイト 10mlに溶解し、そこに2M酢酸ナトリウム1ml、フェノールを5ml、クロロホルムを1ml添加し、よく混和する。先の水層回収と同様の操作で水層を回収し、等量のイソプロパノールを添加してRNAを沈殿する。その沈殿物に70%エタノールを20ml添加して懸濁し、遠心してRNAを沈殿する。この沈殿物を5mlのTNES緩衝液(0.1M Tris-HCl(pH7,4)、50mM NaCl、10mM EDTA、0.2% SDS)に溶解し、200μg/mlとなるようにProteinase Kを加え、37℃で30分反応し、酸性フェノール抽出、クロロホルム抽出を行い、エタノールで沈殿する。また、他の方法としては市販品の試薬キットであるRNeasy mini kit(QIAGEN)を使用することもでき、その場合は付属のプロトコルにしたがってRNAを抽出することもできる。
採取された試料中のmRNAの量は、その試料から核酸を抽出して測定する。核酸の抽出方法、抽出した核酸の処理方法はそれぞれ発現量の測定方法に適した方法で行う。
mRNAの抽出は、例えば以下の方法により行うことができるが、この方法に限定されるものではない。
まず、-80℃や液体窒素で凍結した臓器若しくは細胞に、0.5g/10mlとなるように4Mグアニジンチオシアネイト溶液を加え、ホモジナイズする。そこに2M酢酸ナトリウム1ml、フェノールを10ml、クロロホルムを10ml添加し、よく混和する。それを10000rpmで10分間遠心し、水層を回収する。そこに等量のイソプロパノールを加え、さらに10000rpmで10分遠心し、RNAを沈殿する。再び4Mグアニジンチオシアネイト 10mlに溶解し、そこに2M酢酸ナトリウム1ml、フェノールを5ml、クロロホルムを1ml添加し、よく混和する。先の水層回収と同様の操作で水層を回収し、等量のイソプロパノールを添加してRNAを沈殿する。その沈殿物に70%エタノールを20ml添加して懸濁し、遠心してRNAを沈殿する。この沈殿物を5mlのTNES緩衝液(0.1M Tris-HCl(pH7,4)、50mM NaCl、10mM EDTA、0.2% SDS)に溶解し、200μg/mlとなるようにProteinase Kを加え、37℃で30分反応し、酸性フェノール抽出、クロロホルム抽出を行い、エタノールで沈殿する。また、他の方法としては市販品の試薬キットであるRNeasy mini kit(QIAGEN)を使用することもでき、その場合は付属のプロトコルにしたがってRNAを抽出することもできる。
7−3. 核酸の測定
マイクロアレイを使用した解析方法では、特定の遺伝子と特異的にハイブリダイズするプローブをチップ上で高密度に合成・固定したマイクロアレイに対して、生体試料由来のmRNA、cDNA又はcRNA(aRNA)をハイブリダイズさせることにより、遺伝子のmRNA量を定量することができる。本実施形態において使用するマイクロアレイは、上述したマイクロアレイであり、三菱レイヨン社製の核酸マイクロアレイ(ジェノパール(登録商標))が特に好ましい。高分子ゲルにより、高密度にオリゴヌクレオチドプローブを固定できるためである。
マイクロアレイを使用した解析方法では、特定の遺伝子と特異的にハイブリダイズするプローブをチップ上で高密度に合成・固定したマイクロアレイに対して、生体試料由来のmRNA、cDNA又はcRNA(aRNA)をハイブリダイズさせることにより、遺伝子のmRNA量を定量することができる。本実施形態において使用するマイクロアレイは、上述したマイクロアレイであり、三菱レイヨン社製の核酸マイクロアレイ(ジェノパール(登録商標))が特に好ましい。高分子ゲルにより、高密度にオリゴヌクレオチドプローブを固定できるためである。
三菱レイヨン社製の核酸マイクロアレイ(ジェノパール(登録商標))の場合、各対応配列に相補的なオリゴヌクレオチドプローブは、高密度に固定化されており、生体試料由来のRNAからT7 オリゴdTプライマーを使用して2本鎖cDNA合成を行った後、in vitro TranscriptionによりaRNAを合成する。aRNA合成の際にビオチンを取り込み、サンプルを標識する。ビオチン標識aRNAを断片化してDNAアレイにハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション後に蛍光色素を修飾したストレプトアビジンなどによりaRNAを検出する。蛍光検出機で蛍光を読み取り、得られたアレイイメージを数値化し、その数値をmRNAの発現量とする。また、用いる核酸マイクロアレイは上述の方法に限るものではなく、当業者が入手可能な複数種の核酸マイクロアレイを用いて同様の解析が可能である。
7−4.測定結果の解析
測定結果で評価に使用するデータは、判定値以上の発現量の値のみを使用する。判定値はネガティブコントロールの平均値Xを用いることができ、さらにはXに標準偏差σを足した値、さらにはX+2σ、さらにはX+3σが望ましい。ネガティブコントロールとは、被験生物からの試料で検出されるはずのない遺伝子であり、例えば被験生物と異なる他種生物の遺伝子で且つ、搭載する他のプローブの相補鎖配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズしない配列のプローブである(表1のN.C.)。得られたデータの各サンプル間の誤差をハウスキーピング遺伝子(gapdh、actin、arbp等)の発現量の値で補正し、補正したデータを用いて発現量の変動を判定する。発現量の変動は検定により統計的に判定する。各被験生物より試料をn=3以上取得し、t検定を行う。P値が0.05以下の場合に、さらには0.01以下の場合に有意に変動(増加又は減少)したと判定する。
測定結果で評価に使用するデータは、判定値以上の発現量の値のみを使用する。判定値はネガティブコントロールの平均値Xを用いることができ、さらにはXに標準偏差σを足した値、さらにはX+2σ、さらにはX+3σが望ましい。ネガティブコントロールとは、被験生物からの試料で検出されるはずのない遺伝子であり、例えば被験生物と異なる他種生物の遺伝子で且つ、搭載する他のプローブの相補鎖配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズしない配列のプローブである(表1のN.C.)。得られたデータの各サンプル間の誤差をハウスキーピング遺伝子(gapdh、actin、arbp等)の発現量の値で補正し、補正したデータを用いて発現量の変動を判定する。発現量の変動は検定により統計的に判定する。各被験生物より試料をn=3以上取得し、t検定を行う。P値が0.05以下の場合に、さらには0.01以下の場合に有意に変動(増加又は減少)したと判定する。
7−5.眼疾患の状態の評価
本発明において、眼疾患の状態の評価は、眼疾患に罹患していない被験生物における遺伝子発現量のデータと眼疾患に罹患している被験生物における遺伝子発現量データとを比較解析することによって行うことができる。対比する場合の対照となる遺伝子発現量データは、同一被験生物のものであっても複数の異なる被験生物のものであってもよく、またデータベースに予め蓄積されたものであってもよい。本発明の方法では、複数の被験生物由来の試料を用いて発現量のレベルを測定する場合がある。従って、予め規定された数の被験生物(1次母集団)において上記発現量を測定し、得られた値を基本データとして、この基本データと、検出の対象となる単数又は複数の被験生物由来の試料の発現量とを比較することができる。比較は、発現量の増減を比較することだけでなく、数値の有無を比較することも含む。例えば、基本データでは発現しておらず、被験生物で発現する遺伝子について、各試料を比較することを含む。
本発明において、眼疾患の状態の評価は、眼疾患に罹患していない被験生物における遺伝子発現量のデータと眼疾患に罹患している被験生物における遺伝子発現量データとを比較解析することによって行うことができる。対比する場合の対照となる遺伝子発現量データは、同一被験生物のものであっても複数の異なる被験生物のものであってもよく、またデータベースに予め蓄積されたものであってもよい。本発明の方法では、複数の被験生物由来の試料を用いて発現量のレベルを測定する場合がある。従って、予め規定された数の被験生物(1次母集団)において上記発現量を測定し、得られた値を基本データとして、この基本データと、検出の対象となる単数又は複数の被験生物由来の試料の発現量とを比較することができる。比較は、発現量の増減を比較することだけでなく、数値の有無を比較することも含む。例えば、基本データでは発現しておらず、被験生物で発現する遺伝子について、各試料を比較することを含む。
また、上記測定された被験生物由来のデータを前記母集団の値に組み込んで発現量レベルを再度データ処理し(平均値化等)、対象となる被験生物(母集団)の例数を増やすこともできる。例数を増やすことにより、発現量の臨界値の精度を高め、場合により臨界値を適宜修正することにより、検出精度を高めることができる。
さらに、同種類の被験生物の遺伝子発現量の測定結果を蓄積したデータベースを作成し、遺伝子発現量の変化をパターンとして評価することができる。このような方法としては、多変量解析を用いて行うことができ、例えば主成分分析、因子分析、判別分析、数量化理論(I類,II類,III類,IV類)、クラスター分析、多次元尺度構成法(MDS)、重回帰分析、コンジョイント分析、マハラノビス・タグチシステム(MT法)を用いたパターンの比較、効果の予測等が挙げられる。
本発明は、このようなデータを格納するデータベースと、当該データ及び比較解析に必要なプログラム等を読み出して実行する解析装置をも提供することができる。このような解析装置によれば、当該データベースから蓄積データを取り出し、測定された被験生物のデータと比較するだけで、被験生物の眼疾患の状態をいつでも簡便に評価することができる。
本発明では、下記の判定式を眼疾患の状態の評価に用いることができる。
下記の判定式を用いることにより、各遺伝子発現の変化と疾患の状態を定量的に判定できる。これにより、網膜上皮細胞及び脈絡膜の状態が健常か罹患状態か、さらにどのような疾患の状態かを評価することができる。すなわち、下記式を用いることにより、遺伝子発現量の変化と疾患の状態とを関連づけることができる。
上記式中、Mはマハラノビスの距離であって基本空間からの距離を表し、Xni(n=1〜k)は各サンプルの入力データであって遺伝子発現量または遺伝子発現比を表し、ηn(n=1〜k)はη=(Sβ-Ve)/Ve/rであって各サンプルのS/N比を表す。各項はSβ= L2/r;比例項の変動、Se = ST -Sβ ;誤差変動、Ve =Se(/ l-1);誤差分散、ST = X2i1+X2i2+・・・+ X2il;全変動を表す。
βn(n=1〜k) はβ= L/rであって各サンプルの感度を表す。各項はL = M1Xi1+M2Xi2+・・・+MlXi1;線形式、r= M21+M22+・・・+M2l;有効除数を表す。
M1は健常サンプル群または対照サンプル群を表す。M1 maxは、M1の最大値を表し、σ m1は、M1の標準偏差を表す。
M2は評価サンプル群を表し、M2 minは、M2の最小値を表す。
下記の判定式を用いることにより、各遺伝子発現の変化と疾患の状態を定量的に判定できる。これにより、網膜上皮細胞及び脈絡膜の状態が健常か罹患状態か、さらにどのような疾患の状態かを評価することができる。すなわち、下記式を用いることにより、遺伝子発現量の変化と疾患の状態とを関連づけることができる。
上記式中、Mはマハラノビスの距離であって基本空間からの距離を表し、Xni(n=1〜k)は各サンプルの入力データであって遺伝子発現量または遺伝子発現比を表し、ηn(n=1〜k)はη=(Sβ-Ve)/Ve/rであって各サンプルのS/N比を表す。各項はSβ= L2/r;比例項の変動、Se = ST -Sβ ;誤差変動、Ve =Se(/ l-1);誤差分散、ST = X2i1+X2i2+・・・+ X2il;全変動を表す。
βn(n=1〜k) はβ= L/rであって各サンプルの感度を表す。各項はL = M1Xi1+M2Xi2+・・・+MlXi1;線形式、r= M21+M22+・・・+M2l;有効除数を表す。
M1は健常サンプル群または対照サンプル群を表す。M1 maxは、M1の最大値を表し、σ m1は、M1の標準偏差を表す。
M2は評価サンプル群を表し、M2 minは、M2の最小値を表す。
8.被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価する方法
本発明は、被験物質が接触、摂取又は投与された被験生物から採取された試料中に存在する所定の遺伝子を検出し、その検出結果を対照と比較することにより、被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価する方法である。本発明の方法は、上述したマイクロアレイを用いて行うことができる。
本発明において、抑制機能の評価としては、例えば、上記遺伝子群に含まれる遺伝子について、被験物質が接触、摂取又は投与された被験生物が眼疾患に罹患した場合の遺伝子発現量と、被験物質が接触、摂取又は投与されていない被験生物が眼疾患に罹患した場合の遺伝子の発現量とを対比することにより、当該被験物質の眼疾患に対する抑制機能を評価することができる。
また、回復機能の評価としては、上記遺伝子群に含まれる遺伝子について、眼疾患を有する被験生物に被験物質を接触、摂取又は投与した場合の遺伝子発現量と、眼疾患を有する被験生物に被験物質を接触、摂取又は投与しない場合の遺伝子発現量とを対比することにより、当該被験物質の眼疾患に対する回復機能を評価することができる。
さらに、同様の手法により、被験物質の眼の網膜及び網膜色素上皮・脈絡膜における障害、炎症状態及び血管新生に対する抑制機能又は回復機能、並びに被験物質の加齢黄斑変性に対する抑制機能又は回復機能を評価することができる。
本発明は、被験物質が接触、摂取又は投与された被験生物から採取された試料中に存在する所定の遺伝子を検出し、その検出結果を対照と比較することにより、被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価する方法である。本発明の方法は、上述したマイクロアレイを用いて行うことができる。
本発明において、抑制機能の評価としては、例えば、上記遺伝子群に含まれる遺伝子について、被験物質が接触、摂取又は投与された被験生物が眼疾患に罹患した場合の遺伝子発現量と、被験物質が接触、摂取又は投与されていない被験生物が眼疾患に罹患した場合の遺伝子の発現量とを対比することにより、当該被験物質の眼疾患に対する抑制機能を評価することができる。
また、回復機能の評価としては、上記遺伝子群に含まれる遺伝子について、眼疾患を有する被験生物に被験物質を接触、摂取又は投与した場合の遺伝子発現量と、眼疾患を有する被験生物に被験物質を接触、摂取又は投与しない場合の遺伝子発現量とを対比することにより、当該被験物質の眼疾患に対する回復機能を評価することができる。
さらに、同様の手法により、被験物質の眼の網膜及び網膜色素上皮・脈絡膜における障害、炎症状態及び血管新生に対する抑制機能又は回復機能、並びに被験物質の加齢黄斑変性に対する抑制機能又は回復機能を評価することができる。
本発明において、接触、摂取又は投与とは、対象が動物であれば、被験物質を局所投与(眼部)、経口投与、腹腔投与、静脈投与することをいい、対象が細胞であれば培養液中に被験物質を添加し培養することをいう。
本発明において、「被験物質」とは、被験生物に接触させる物質、被験生物が摂取する物質又は被験生物に投与する物質を意味し、食品や薬物が含まれる。
食品とはすべての飲食物のことであり、生鮮食品、加工食品、飲料、調味料材料、食品添加物などの加工材料、植物の粉砕物、植物からの抽出物、それら食品の混合物、食品成分といったものが含まれる。薬物としては医薬品、医薬部外品、薬剤候補物、薬剤混合物、化粧品、化粧品成分、香料、着色料が含まれる。
食品とはすべての飲食物のことであり、生鮮食品、加工食品、飲料、調味料材料、食品添加物などの加工材料、植物の粉砕物、植物からの抽出物、それら食品の混合物、食品成分といったものが含まれる。薬物としては医薬品、医薬部外品、薬剤候補物、薬剤混合物、化粧品、化粧品成分、香料、着色料が含まれる。
被験物質の添加濃度または摂取濃度は任意の濃度で行うことができるが、該被験物質による被験対象生物に毒性が生じない濃度で行うのが好ましい。核酸抽出に影響があるからである。毒性が生じないとは、動物の場合は、死亡、部分的な壊死、炎症などが観測されないこと、細胞では炎症性サイトカインの放出が観測されないこと、または細胞生存率が90%以上であることをいう。
本発明において、被験生物が細胞である場合、細胞の濃度は限定されるものではないが、細胞回収時に十分な核酸濃度が回収できる濃度が好ましく、終濃度 1.0×105 cells/well以上、好ましくは終濃度 5.0×105 cells/well以上である。
被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能の評価は、被験物質を接触、摂取又は投与した被験生物から採取した試料と、被験物質を接触、摂取若しくは投与する前の被験生物又はブランク(プラセボ、溶媒のみなど)を接触、摂取若しくは投与した被験生物から採取した試料との間の各遺伝子の発現量の変動を測定することにより行う。どの群のどの遺伝子の発現量が変化しているかを解析し、その解析結果より被験物質が網膜の炎症、血管新生等にどのように影響を及ぼすか、また及ぼす場合にはどのような効果を示すかを評価、予測する。好ましくは、同じ種類の細胞や動物を用いて既知の成分の効果又は既知のモデルマウスの状態を測定したデータベースを作成し、遺伝子発現量の変化をパターンとして評価することが好ましい。このような方法としては、上述したように多変量解析を用いて行うことがを用いた方法が挙げられる。
遺伝子の検出結果と被験物質の機能(効果)との関連付けは、次のようにして行うことができる。遺伝子の検出の結果を対照と比較して、被験物質の接触、摂取又は投与した場合にのみ発現量が変動した遺伝子がある場合、被験物質は、その遺伝子に対して作用し、眼疾患の状態に対する抑制機能又は回復機能があると判定することができる。
または、多変量解析のひとつであるMT法を例に挙げると、対照のデータを基本空間として、眼疾患の場合のデータを信号空間として基本空間との距離をマハラノビスの距離で示して判定値(判定基準となる距離)を決め、今度は被験物質の接触、摂取又は投与した場合のデータを信号空間として基本空間との距離をマハラノビスの距離で示し、先の判定値以下の場合、当該被験物質は眼疾患の状態に対する抑制機能又は回復機能があると判定することができる(文献:ベーシックオフライン品質工学 田口玄一、横山巽子著 日本規格協会)。
この判定には、例えば上述の「7−5.眼疾患の状態の評価」に記載した判定式を用いることができる。
または、多変量解析のひとつであるMT法を例に挙げると、対照のデータを基本空間として、眼疾患の場合のデータを信号空間として基本空間との距離をマハラノビスの距離で示して判定値(判定基準となる距離)を決め、今度は被験物質の接触、摂取又は投与した場合のデータを信号空間として基本空間との距離をマハラノビスの距離で示し、先の判定値以下の場合、当該被験物質は眼疾患の状態に対する抑制機能又は回復機能があると判定することができる(文献:ベーシックオフライン品質工学 田口玄一、横山巽子著 日本規格協会)。
この判定には、例えば上述の「7−5.眼疾患の状態の評価」に記載した判定式を用いることができる。
本発明を使用することにより、眼疾患の状態に対し抑制機能又は回復機能を有する物質(食品、薬剤等)をスクリーニングすることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.核酸マイクロアレイ
本実施例では、表1に記載のプローブ(配列番号1〜254)を搭載した核酸マイクロアレイ(ジェノパール(登録商標)、三菱レイヨン株式会社)を用いた。
本実施例では、表1に記載のプローブ(配列番号1〜254)を搭載した核酸マイクロアレイ(ジェノパール(登録商標)、三菱レイヨン株式会社)を用いた。
2.眼疾患モデルマウス
本実施例では、眼疾患のモデルマウスの代表例として、レーザーを脈絡膜に照射して血管新生を誘導した脈絡膜新生血管マウス(CNVモデルマウス)、及び炎症惹起物質としてリポオリサッカライド(LPS)を用いた刺激により炎症を惹起させたマウス(LPSマウス)を用いた。各種マウスの情報を下記の表2に示す。表2の「表記」欄は、図2及び3並びに表3における表記を示す。
本実施例では、眼疾患のモデルマウスの代表例として、レーザーを脈絡膜に照射して血管新生を誘導した脈絡膜新生血管マウス(CNVモデルマウス)、及び炎症惹起物質としてリポオリサッカライド(LPS)を用いた刺激により炎症を惹起させたマウス(LPSマウス)を用いた。各種マウスの情報を下記の表2に示す。表2の「表記」欄は、図2及び3並びに表3における表記を示す。
3.検体液の調製
上記モデルマウスより摘出した網膜及び色素上皮/脈絡膜サンプルよりTotal RNAを抽出した。測定サンプル群を下記の表3に示す。
上記モデルマウスより摘出した網膜及び色素上皮/脈絡膜サンプルよりTotal RNAを抽出した。測定サンプル群を下記の表3に示す。
抽出したTotal RNA 1μg より合成Message Amp II-Biotin Enhancedキット(アプライドバイオシステムズ社製)を用い、添付のプロトコールに従ってaRNAの調製を行った。得られたaRNA 5μgをプラスチックチューブに入れ、Message AmpII-Biotin Enhancedキット(アプライドバイオシステムズ社製)付属の5x Array Fragmentation Buffeを4μl添加し、20μlにメスアップしてよく混合した後、94℃で7.5分間加熱して断片化を行った。ジェノパールと反応させる検体調製は24μlの1M Tris-HCl溶液(インビトロジェン社製)、24μlの1M NaCl溶液(ナカライテスク社製)及び20μlの0.5% Tween 20溶液をそれぞれ混合し、Nuclease-free waterで180μlにメスアップしたのち、断片化後の溶液 20μlを混合し、検体液を調製した。
3.測定
調製した検体液に、前記核酸マイクロアレイ(以下「DNAチップ」ともいう)を浸漬し、65℃で16時間ハイブリダイゼーション反応を行った。DNAチップからハイブリダイゼーションに用いた検体液を除去した後、そのDNAチップを65℃の0.12M TNT溶液(0.12M Tris-HCl、0.12M NaCl、0.5% Tween 20溶液)中に浸漬し(20分間×2回)、次いで、65℃に温めた0.12M TN溶液(0.12M Tris-HCl、0.12M NaCl)に10分間浸漬して、洗浄した。DNAチップにおけるシグナルの検出は、DNAチップ検出装置(横河電機製:MB-M3A、レーザー波長:633nm)を用い、Cy5の蛍光強度を測定した(露光時間:0.1秒, 1秒, 4秒, 40秒)。
調製した検体液に、前記核酸マイクロアレイ(以下「DNAチップ」ともいう)を浸漬し、65℃で16時間ハイブリダイゼーション反応を行った。DNAチップからハイブリダイゼーションに用いた検体液を除去した後、そのDNAチップを65℃の0.12M TNT溶液(0.12M Tris-HCl、0.12M NaCl、0.5% Tween 20溶液)中に浸漬し(20分間×2回)、次いで、65℃に温めた0.12M TN溶液(0.12M Tris-HCl、0.12M NaCl)に10分間浸漬して、洗浄した。DNAチップにおけるシグナルの検出は、DNAチップ検出装置(横河電機製:MB-M3A、レーザー波長:633nm)を用い、Cy5の蛍光強度を測定した(露光時間:0.1秒, 1秒, 4秒, 40秒)。
4.データ解析
データの解析は、下記の手順で行った。
(i) バックグランドの平均値を減算した。
(ii) ポジティブコントロール遺伝子(β-actin、GAPDH、RPLP0)で補正した。
(iii) 補正後の平均値及び発現比、P値を算出した(発現比はCTRを基準に示している)。
(iv) 有意に変動した遺伝子(P値0.05以下)をピックアップした。
(v)MT法のひとつである両側T法を用いて判定式を作成し、遺伝子重み付けを行った。
データの解析は、下記の手順で行った。
(i) バックグランドの平均値を減算した。
(ii) ポジティブコントロール遺伝子(β-actin、GAPDH、RPLP0)で補正した。
(iii) 補正後の平均値及び発現比、P値を算出した(発現比はCTRを基準に示している)。
(iv) 有意に変動した遺伝子(P値0.05以下)をピックアップした。
(v)MT法のひとつである両側T法を用いて判定式を作成し、遺伝子重み付けを行った。
5.結果
網膜(Retina)部位の測定結果を図2A−Lに示し、網膜色素上皮と脈絡膜部位(R/C)の測定結果を図3A−Mに示す。また、各測定サンプルにおいて発現量が有意に変動した遺伝子を下記の表4に示す。表4では、CNVモデルマウスにおいて発現量が変化した遺伝子群、LPSマウスにおいて発現量が変化した遺伝子群をそれぞれ示し、健常マウスとの判定式の計算に寄与が大きい順に遺伝子を表5に列挙した。
網膜(Retina)部位の測定結果を図2A−Lに示し、網膜色素上皮と脈絡膜部位(R/C)の測定結果を図3A−Mに示す。また、各測定サンプルにおいて発現量が有意に変動した遺伝子を下記の表4に示す。表4では、CNVモデルマウスにおいて発現量が変化した遺伝子群、LPSマウスにおいて発現量が変化した遺伝子群をそれぞれ示し、健常マウスとの判定式の計算に寄与が大きい順に遺伝子を表5に列挙した。
表4
さらに、判定式を用いて検討した結果を下記に示す。
ηは判定式のシグナル/ノイズ比(S/N)を表し、その値は大きい方が好ましい。
この結果より、網膜の状態が光損傷による状態か炎症惹起物質による炎症による状態かを判定するには、Cxcl1、At2r、Vegfa、Cxcl1、Cfb及びFgf7の遺伝子によって判定するのが好ましいことが示された。
また、網膜上皮細胞及び脈絡膜の状態が光損傷による状態か炎症惹起物質による炎症による状態かを判定するには、Il6、Pig7、Vegfa、Timp1、Mmp9及びVegfcの遺伝子によって判定するのが好ましいことが示された。
ηは判定式のシグナル/ノイズ比(S/N)を表し、その値は大きい方が好ましい。
この結果より、網膜の状態が光損傷による状態か炎症惹起物質による炎症による状態かを判定するには、Cxcl1、At2r、Vegfa、Cxcl1、Cfb及びFgf7の遺伝子によって判定するのが好ましいことが示された。
また、網膜上皮細胞及び脈絡膜の状態が光損傷による状態か炎症惹起物質による炎症による状態かを判定するには、Il6、Pig7、Vegfa、Timp1、Mmp9及びVegfcの遺伝子によって判定するのが好ましいことが示された。
これらの結果から、眼の網膜及び網膜色素上皮・脈絡膜において、光による障害、炎症及び血管新生が生じた場合に変動する遺伝子が示された。また、加齢黄斑変性の状態において変動する遺伝子が示された。これらの遺伝子の発現量の変動を、被験生物から採取された試料において分析することにより、当該被験生物における眼疾患、特に加齢黄斑変性の状態を評価することができる。また、被験物質が接触、摂取又は投与された被験生物から採取された試料において、これらの遺伝子の発現量の変動を分析することにより、被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価することができる。
すなわち、本発明により、被験生物における眼疾患、特に加齢黄斑変性の状態を客観的に評価することができることが示された。また、眼疾患、特に加齢黄斑変性に対する被験物質の抑制機能又は回復機能を評価することができることが示された。
すなわち、本発明により、被験生物における眼疾患、特に加齢黄斑変性の状態を客観的に評価することができることが示された。また、眼疾患、特に加齢黄斑変性に対する被験物質の抑制機能又は回復機能を評価することができることが示された。
11 孔部
21 多孔板
31 中空繊維
41 板状物
21 多孔板
31 中空繊維
41 板状物
配列番号1〜255:合成DNA
Claims (7)
- 少なくとも下記の(a)〜(c)又は(d)〜(f)のそれぞれに分類される遺伝子の発現量変化を、マイクロアレイを用いて測定することにより眼疾患の状態を評価する方法。
(a) 網膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(b) 網膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(c) 網膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(d) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(e) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(f) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子 - 少なくとも下記の(a)〜(c)又は(d)〜(f)のそれぞれに分類される遺伝子の発現量変化を、マイクロアレイを用いて測定することにより被験物質の眼疾患に対する抑制機能又は回復機能を評価する方法。
(a) 網膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(b) 網膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(c) 網膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(d) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(e) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(f) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子 - (a)に分類される遺伝子が、At1r、Jak3、Ccnd3、H2-K1、C1ql1、Id3、Tgfb2、Ckb、Gnat1、Efna5、Crx、Rom1、Arr3、Gsk3a、Adipor1、Hspa1b、Guk1、Abca4、egln3、Gngt2、Clip1、Prnp、Sparc、Elovl4、Gsk3b、Itgav、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Sdc2及びTrip1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(b)に分類される遺伝子が、At2r、Pig7、Pgf、Rxrg、Col7a1、Casp9、Pecam1、Rpe65、Cckbr、Cd59a、Opn1mw、Grm6、Pkia、Darc、Apbb1、Prom1、Adam9、Cyb5r1、Gpr143、Atp6ap2、Nr2e3、Pde6a、Nrl、Cnga1、Hif1a、Gnat2及びMmp2からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(c)に分類される遺伝子が、Cxcl1、Il6、Selenbp2、Nfkb1、Cldn5、Sox9、Cp、Grm2、Pax6、Prkca、Mark2、Ppara、Gem、Opn1sw、Robo4、Rho、Glut1及びPex1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(d)に分類される遺伝子が、cxcr4、At2r、Vcam1、Mef2c、Pkia、Scd1、Loxl1、H2-K1、Pxmp3、Erap1、Pgf、Tgfb3、Pdpn、Gsk3a、Fgf7、Ccl2、Cntf、Col8a2、Pecam1、Cd59a、Rxrg、C1s、Ccl7、Osbpl1a、Glut1、Selenbp2、Serpinf1、Gpnmb、Hspa2、Nes、Stat1、Egf、C1qb、Mmp14、Timp2、Lmo1、Lgals3、Mmp8、Flt1、Cldn5、Mmp2、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Hspa1b、Kdr及びStat6からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(e)に分類される遺伝子が、Cfb、Mmp9、Calb2、Robo4、Gpr143、Cd44、Pig7、Il1b、C3、Gem、Cd55、Cebpd、Stat3及びCcnd3からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(f)に分類される遺伝子が、Cxcl1、Timp1、Cxcl2、Il6、Igf1、Icam1、Lipc、At1r、Spp1、Ctss、C1qc、Nfkb1、Grem2、Abca4、Apbb1、Chrna7、Cyb5r1、Pdgfb、Isgf3g、Nos3及びClip1からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の方法。 - 下記の判定式を眼疾患の状態の評価に用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
[式中、Mはマハラノビスの距離であって基本空間からの距離を表し、Xni(n=1〜k)は各遺伝子発現量又は遺伝子発現比を表し、ηn(n=1〜k)は各サンプルのシグナルノイズ比(S/N)を表し、βn(n=1〜k) は各サンプルの感度を表す。
M1は健常サンプル群または対照サンプル群を表す。M1 maxは、M1の最大値を表し、σ m1は、M1の標準偏差を表す。
M2は評価サンプル群を表し、M2 minは、M2の最小値を表す。] - 下記(i)、(ii)若しくは(iii)の核酸又はその一部の核酸を搭載する、眼疾患の状態を評価するためのマイクロアレイ。
(i)下記の(a)〜(c)又は(d)〜(f)のそれぞれから選択される遺伝子を含む核酸
(a) 網膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(b) 網膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(c) 網膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(a)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(d) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷と炎症惹起物質による炎症の両方に関連する遺伝子
(e) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の光損傷に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(f) 網膜上皮細胞及び脈絡膜の炎症惹起物質による炎症に関連する遺伝子であって上記(d)に分類される遺伝子を除く遺伝子
(ii) 前記(i)の核酸の塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸
(iii) 前記(i)又は(ii)の核酸の塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸 - (a)に分類される遺伝子が、At1r、Jak3、Ccnd3、H2-K1、C1ql1、Id3、Tgfb2、Ckb、Gnat1、Efna5、Crx、Rom1、Arr3、Gsk3a、Adipor1、Hspa1b、Guk1、Abca4、egln3、Gngt2、Clip1、Prnp、Sparc、Elovl4、Gsk3b、Itgav、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Sdc2及びTrip1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(b)に分類される遺伝子が、At2r、Pig7、Pgf、Rxrg、Col7a1、Casp9、Pecam1、Rpe65、Cckbr、Cd59a、Opn1mw、Grm6、Pkia、Darc、Apbb1、Prom1、Adam9、Cyb5r1、Gpr143、Atp6ap2、Nr2e3、Pde6a、Nrl、Cnga1、Hif1a、Gnat2及びMmp2からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(c)に分類される遺伝子が、Cxcl1、Il6、Selenbp2、Nfkb1、Cldn5、Sox9、Cp、Grm2、Pax6、Prkca、Mark2、Ppara、Gem、Opn1sw、Robo4、Rho、Glut1及びPex1からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(d)に分類される遺伝子が、cxcr4、At2r、Vcam1、Mef2c、Pkia、Scd1、Loxl1、H2-K1、Pxmp3、Erap1、Pgf、Tgfb3、Pdpn、Gsk3a、Fgf7、Ccl2、Cntf、Col8a2、Pecam1、Cd59a、Rxrg、C1s、Ccl7、Osbpl1a、Glut1、Selenbp2、Serpinf1、Gpnmb、Hspa2、Nes、Stat1、Egf、C1qb、Mmp14、Timp2、Lmo1、Lgals3、Mmp8、Flt1、Cldn5、Mmp2、Vegfa、Vegfb、Vegfc、Vegfd、Hspa1b、Kdr及びStat6からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(e)に分類される遺伝子が、Cfb、Mmp9、Calb2、Robo4、Gpr143、Cd44、Pig7、Il1b、C3、Gem、Cd55、Cebpd、Stat3及びCcnd3からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(f)に分類される遺伝子が、Cxcl1、Timp1、Cxcl2、Il6、Igf1、Icam1、Lipc、At1r、Spp1、Ctss、C1qc、Nfkb1、Grem2、Abca4、Apbb1、Chrna7、Cyb5r1、Pdgfb、Isgf3g、Nos3及びClip1からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5記載のマイクロアレイ。 - Hspa1b、Gsk3a及びH2−K1からなる群から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を検出するためのプローブを搭載する、眼疾患の状態を評価するためのマイクロアレイ。
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