JPH09508800A - 差次的発現遺伝子の同定法 - Google Patents

差次的発現遺伝子の同定法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は通常の健康な動物および選択された疾病または感染を有する動物において差次的に発現された遺伝子を同定する方法および組成物、ならびに遺伝子またはその機能に関する知見がなくてもこれらの遺伝子の存在により特徴づけられる疾病または感染の診断法を包含する。該方法は、その上のあらかじめ特定された領域に複数のハイブリダイゼーションについての規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドを固定する固体表面からなるハイブリダイゼーションにおける使用に適した組成物の使用を包含する。各配列は、健康な動物、選択された疾病または感染を有する動物の組織または細胞サンプル、またはその組み合わせから調製した同定されたDNAライブラリーから単離されたESTのフラグメントからなる。ハイブリダイゼーションパターンにおける違いは、この組成物および方法の使用により、機能が未知の遺伝子の差次的発現に基づく疾病の診断を可能にし、これらの遺伝子およびそれによりコードされる蛋白質の同定を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】 差次的発現遺伝子の同定法関連出願の相互参照 本出願は、米国特許第08/195485号(1994年2月14日出願)の 一部継続出願であり、その内容を出典明示により本発明の一部とする。発明の分野 本発明は、疾病、感染、または発育に関与する遺伝子の同定、配列決定および 特質化用の固定化オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチ ド配列の使用ならびに診断、予後、治療および医薬開発におけるこのような同定 された遺伝子およびそれによりコードされた蛋白質の使用に関する。発明の背景 遺伝子、特に人遺伝子の同定、配列決定および特質化は近代の科学研究の主要 な目的である。遺伝子を同定し、その配列を決定し、その生物学的機能を特質化 することにより、大量の有用な「遺伝子産物」、例えば蛋白質およびペプチドを 産生するのに組み換えDNA技術を用いることができる。さらに、遺伝子配列の 知見により、不適当な発現および/または選択された遺伝子の抑制または遺伝子 機能に対する外的要因、例えば発がん物質または催奇物質の影響により特徴付け られる植物および動物における種々の疾病状態の診断、予後および治療の手掛か りが得られる。疾病に関連した遺伝子なる語は本明細書において、最も広い意味 で用いられ、古典的な遺伝病に関連する遺伝子だけでなく、疾病に対する遺伝的 素因ならびに感染物質による遺伝子発現の結果の感染性または病原性状態または このような病原体またはその生成物の存在による宿主細胞遺伝子発現に対する影 響に関係する遺伝子も意味する。疾病に関連する遺伝子の位置決定により診断お よび予後用薬剤および方法、ならびに可能な治療法の開発、ならびにこのような 疾病の治療または発生の予防のための新薬の発見が可能になる。 エクスプレスト・シーケンス・タッグズ(EST)と称するある種の新規遺伝 子配列の同定法が記載されている[例えば、アダムス(Adams)ら、サイエンス (Science),252:1651−1656(1991);および国際特許出願 WO93/00353(1993年1月7日公開)参照]。通常、ESTは約1 50ないし400ヌクレオチドの長さであり、逆転写によりメッセンジャーRN A分子から誘導され、in vivoで実際に転写された人遺伝子のマーカーであり、 その成分である、特異的cDNAポリヌクレオチド配列、または標識である。し かし、本明細書において用いる場合、ESTはまた、そのDNAでイントロン領 域が欠失している微生物などの生物由来のゲノムDNAフラグメントも意味する 。 その遺伝子生成物に基づく特定の遺伝子配列の同定に関して種々の技術が記載 されている。例えば、当業界においていくつかの技術が記載されている[例えば 、国際特許出願WO91/07087(1991年5月30日公開)参照]。さ らに、所望の配列の増幅に関して公知の方法が存在する[例えば、国際特許出願 WO91/17271(1991年11月14日公開)参照]。 しかし、現在のところ、機能が既知、未知(またはあらかじめ認識されていな い)差次発現遺伝子のフラグメントを使用する方法および薬剤に関する当業界に おける要求を満たす確立された方法、またはその状態がこのような遺伝子および 遺伝子産物により特質化される疾病または感染症の診断および治療用方法および 医薬を得た成果は存在しない。異なる状態の特徴(例えば、前疾患、疾患、病原 、進行または感染)は発現の違いであることは理解されよう。このような異なる 状態に関連する遺伝子は薬剤の開発の目的となりやすく、遺伝子が該状態の原因 であろうと結果であろうと、このような遺伝子の同定により、健康な状態を再確 立するために遺伝子発現が再変更されなければならない病識が得られる。発明の要約 一態様において、本発明は例えば正常で健康な生物および疾病を有する生物に おいて差次的に発現された遺伝子の同定法を提供する。該方法は、健康な生物お よび疾病の生物の類似細胞、組織または器官から得た、発現されたmRNAまた はcDNAポリヌクレオチド配列のサンプルならびに支持体上に固定された健康 な生物または疾病の生物のいずれかから得た規定オリゴヌクレオチド/ポリヌク レオチド/ポリヌクレオチド配列プローブ間で形成されたハイブリダイゼーショ ンパターンを形成し、比較することを包含する。これらの規定オリゴヌクレオチ ド/ポリヌクレオチド配列は部分的cDNA配列(EST)のコレクションと定 義される細胞、組織、器官または生物の発現された遺伝子成分全体をあらわすも のである。ハイブリダイゼーションパターン間の違いにより、これらの特定のE STまたは差次的発現に伴う遺伝子特異性オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチ ド配列の同定が可能になり、ESTの同定により、それが由来するクローンの同 定が可能になり、通常の技術を用いてさらにクローニング、所望により完全長の cDNAおよびゲノムカウンターパート、すなわちそれが得られた遺伝子の配列 決定が可能になる。 別の態様において、本発明は実質的に前記と類似であるが、健康な生物対感染 した生物由来の、問題の病原体の遺伝子コーディング成分の代表であるオリゴヌ クレオチド/ポリヌクレオチド対とハイブリッド形成した、RNA/cDNAサ ンプルの比較的ハイブリダイゼーションに基づく感染した生物の生物学的サンプ ルにおいて発現された病原体の遺伝子の同定を可能にする。 別の態様において、本発明は実質的に前記と類似であるが、疾病の状態、また は感染により発現において遺伝子が差次的に発現/変更されている遺伝子を表し 、問題となる健康な生物対感染した生物由来のRNA/cDNAサンプルの比較 的ハイブリダイゼーションに基づく感染した生物の生物学的サンプルにおいて発 現された、宿主遺伝子のEST特異性オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配 列の同定を可能にする。 さらに別の態様において、以下に詳細に記載する前記方法はまた、差次的に発 現され、その発現が問題となる病原体または疾病を起こす物質による感染の結果 として変更されてた遺伝子により特質化される疾病または感染症の診断法を提供 する。すべての確認された違いにより、感染生物の内因性遺伝子の変更された発 現または遺伝子のパターン化発現の診断法の基礎が提供される。このような変更 された発現のパターンは、そのESTのコレクションにより定義されるように細 胞、組織、器官または生物の発現された遺伝子成分を表すオリゴヌクレオチド/ ポリヌクレオチドのパネルに対してハイブリッド形成された2つの状態からのR NA/cDNAを比較することにより定義される。 本発明のさらに別の態様はハイブリッド形成において用いるのに適した組成物 であって、あらかじめその特定された領域でハイブリダイゼーション用の複数の 規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列が固定化された固体表面を含み 、各配列は少なくとも1つの選択された健康な(すなわち前疾病状態)動物の組 織または細胞サンプル、少なくとも1つの疾病を有する動物の類似サンプル、少 なくとも1つの病原体に感染した動物の類似のサンプルまたは病原体それ自体、 またはその組み合わせから調製されたcDNAまたはDNAライブラリーから単 離されたESTのフラグメントを含む組成物を提供する。 本発明のさらに別の態様は、通常の健康な動物および疾病を有する動物におい て差次的に発現され、前記方法により同定される単離された遺伝子配列を提供す る。同様に、感染した動物の組織または細胞サンプルにおいて発現された単離さ れた病原体遺伝子配列は前記方法により同定できる。 本発明のさらに別の態様は、静的診断法の手段だけでなく、疾病の進行を測定 する方法を行う手段ともに、その毒物学的効果を含む疾病の治療法の効果をモニ ターする手段も提供する。 本発明の別の態様は、前記のように同定された遺伝子配列の発現により産生さ れた単離蛋白質である。このような蛋白質は、治療用組成物または診断用組成物 において、あるいは医薬開発の目的として有用である。 本発明の他の態様および利点を、好ましい具体例の以下の詳細な記載において さらに記載する。発明の詳細な記載 本発明は、健康および/または疾病/感染動物のDNAライブラリー由来のE STの使用による完全長配列が未知で、機能も未知であるものでも、健康な動物 および特定の疾病または感染症を有する動物において差次的に発現された遺伝子 フラグメントおよび遺伝子の同定および使用法を提供することにより当業界で実 現されていない要求を満たすものである。本発明の方法を用いることにより、そ の対応するESTを用いてこのような遺伝子の同定および単離が可能になり、そ れによりこのような遺伝子によりコードされる蛋白質生成物の産生も可能になる 。遺伝子それ自体および/または蛋白質生成物を望ましい場合は遺伝子が関与す る疾病または感染症の診断または治療およびそのための新薬の開発において用い ることができる。 1またはそれ以上の差次的に同定されたESTまたは遺伝子特異性オリゴヌク レオチド/ポリヌクレオチドは前疾病、疾病または感染状態を診断する差次的に 発現された遺伝子のパターンを特定すると考えられる。ESTの特異的生物学的 機能の知見は、ESTが、その変更された発現が前疾病、疾病または感染状態と 再生可能に関連する遺伝子を同定するならば必要ない。その違いは、その発現に おいて疾病により変更された遺伝子産物の同定を可能にし、最も治療的干渉の目 的となりやすい生成物を代表する。同様に、生成物は、感染生物それ自体であり 、また干渉の有効な目的でもある。 I.定義 本明細書全体において用いるいくつかの用語を以下のように定義する: 本明細書において用いる場合、「遺伝子」なる語は、cDNA配列が由来する ゲノムヌクレオチド配列を意味し、該cDNAは以下に記載するようにESTを 産生する。遺伝子なる語は、古典的には、処理により、例えばスプライシングに より異なるcDNAを産生できるゲノム配列を意味する。しかし、解釈を簡単に するために、ESTのもとになるどのような完全長カウンターパートcDNA配 列も本明細書においては手っ取り早く「遺伝子」と称する。 「生物」なる語は制限無く、微生物、植物および動物を包含する。 「動物」なる語は最も広義で用いられ、人を含め、動物界のあらゆるものを包 含する。しかし、本発明によると、生物学的サンプルを提供する同種の動物は以 下に定義する規定固定化オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド源でもある。 「病原体」なる語は、本明細書において動物または植物に感染でき、該動物ま たは植物の細胞または組織においてその核酸配列を複製できるあらゆる分子また は生物と定義される。このような病原体は一般に感染した動物または植物におけ る疾病条件に関係する。このような病原体は、細胞内または細胞外で複製するウ イルス、または他の生物、例えば一般に組織または血に感染するバクテリア、真 菌または寄生体を包含する。ある種の病原体または微生物は発生の連続的かつ区 別可能な段階、例えば、潜伏期、感染期、および疾病の症状を起こす段階におい て存在することが知られている。これらの異なる段階において、病原体はある種 の遺伝子の差次的発現および/または宿主細胞遺伝子発現を開始または休止する と予想される。 本明細書において用いる場合、「疾病」または「疾病状態」なる語は、生物遺 伝子の差次的発現の点から、同じ種の生物における正常または標準化健康状態か ら逸脱する状態を意味する。言い換えれば、疾病状態は遺伝子または環境起源の 疾病または障害、例えばある種の乳癌などの遺伝病、または健康な動物における 通常不活性な「休止」状態の遺伝子の発現により特徴づけられる障害、または正 常な健康な動物において通常活性化または「開始」された遺伝子の発現の欠乏ま たは不在により特徴づけられる障害などでありえる。このような遺伝子の差次的 発現はまた感染、炎症、またはアレルギーにより起こる状態、動物の発育または 老化により起こる状態、薬物の投与または動物を別の作用物質、例えば遺伝子の 発現に影響を与える栄養素に暴露することにより起こる状態においても検出され る。基本的に、本明細書において記載する方法は、規定オリゴヌクレオチド/ポ リヌクレオチドおよび以下に記載するように試験したサンプルの操作により、い かなる原因の結果である差次的遺伝子発現を検出するのにも採用できる。疾病ま たは疾病状態の概念は、進行および処置の点におけるその一時的状態をも包含す る。 「差次的に発現された」なる語は、遺伝子転写物が、健康な生物の同じ細胞ま たは組織において見られる遺伝子転写物のレベルと比べて、選択された疾病を有 する生物の異なる細胞タイプまたは組織タイプにおいては数が異なるか、または 活性化対不活性化状態であることを意味する。遺伝子は、異なる発生段階におい て微生物または病原体における活性化の異なる状態で差次的に発現される。例え ば、選択された疾病を有する生物において複数の遺伝子転写物が見いだされるが 、 健康な生物においては同じ遺伝子転写物は1つだけ、または著しく少数しか見い だされない。その逆も同じである。 本明細書において用いる場合、「固体支持体」なる語は、サンプルにおける他 のポリヌクレオチド配列と固定化オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列の 検出可能なハイブリダイゼーションを可能にするあらゆる利用可能な方法による 多数のオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列の固定化に有用な公知の基質 を意味する。多くの利用可能な固体支持体のうち、望ましい一例は、国際特許出 願WO91/07087(1991年5月30日公開)に記載されている支持体 である。ニトロセルロース、髄索、ガラス、シリカおよびポール・バイオダイン C(Pall Biodyne C)も有用な支持体であるがこれに限定されない。通常の固体 支持体に改良を加えて本発明において用いることができると考えられる。 「表面」なる語は固体支持体上の一般的な二次元構造であって、これに望まし いオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列が結合または固定されるものを意 味する。表面は、段、うね、よじれ、テラスなどを有していてもよい。 本明細書において用いる場合、「あらかじめ特定された領域」なる語は、その 上に1個または複数の特定のオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列が固定 化され、オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドのサンプルポリヌクレオチドと のハイブリダイゼーションが起こる場合、その位置でのオリゴヌクレオチド/ポ リヌクレオチド配列の同定を可能にするような固体支持体の表面上の局部を意味 する。 「固定化」なる語により、オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドの固体支持 体への結合を意味する。固定化の手段は、当業界では公知であり、用いた支持体 の種類に依存する。 「EST」または「発現配列標識」により、約150ないし500、より好ま しくは約300の、選択された細胞、細胞タイプ、組織または組織タイプ、器官 または生物から調製されたゲノムまたはcDNAライブラリーから得られたより 長い配列の連続的ヌクレオチドであって、該長配列はそのライブラリーにおいて みられる遺伝子のmRNAに対応する、部分的DNAまたはcDNA配列を意味 する。ESTは一般にDNAである。1つの組織タイプから調製された1または それ以上のライブラリーは典型的には少なくとも約300の異なる(すなわち特 有の)ESTを提供し、人などの動物におけるすべてのcDNA、例えば500 00〜100000をあらわすあらゆる可能なESTの完全な補体である。ES Tの構造に関する背景および情報は、エム・ディー・アダムス(M.D.Adams)ら 、サイエンス(Science),252:1651−1656(1991))および 国際特許出願PCT/US92/05222(1993年1月7日)に記載され ている。 本明細書において用いる場合、「規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド 配列」なる語は、選択されたESTまたは遺伝子の公知のヌクレオチド配列フラ グメントを意味する。この用語は、「ESTのフラグメント」なる語と交換可能 に用いられる。これらの連続配列は一般に、約15ないし約45ヌクレオチド、 より好ましくは約20ないし約25ヌクレオチドの長さからなる。このように長 さが300ヌクレオチドの1つのESTは約280の異なる、20ヌクレオチド の長さ(例えば20−mers)の規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド を提供する。規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドの長さは、望ましいか または必要な場合、固定化される固体支持体の制約または採用されるハイブリダ イゼーション条件の用件に応じて容易に増加または減少できる。長さは、調査す る集団において一度表される一平均であることを確実にするのに十分な長さであ るという原理により一般に導かれる。一般に、これらの規定オリゴヌクレオチド /ポリヌクレオチドはRNAまたはDNAであり、好ましくは、EST配列のア ンチセンスストランド由来であるかまたはRNAまたはDNAのサンプルとハイ ブリッド形成できるような対応するmRNA配列由来のものである。修飾された ヌクレオチドを取り込んで、安定性およびハイブリダイゼーション特性を向上し てもよい。 「複数の規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列」なる語は以下の意 味である。固体支持体の表面は、多くの「規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレ オチド」を固定化する。例えば、表面の性質に応じて、60000の20− mer規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドの約300上流から固定化で きる。固体表面が将来改良されたら、1つの表面上にはるかに多数を固定化でき るようになると予想される。「複数」の配列は、選択されたライブラリーからの 単一のESTからの複数の異なる規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド、 ならびに同一のライブラリーあるいは同一または異なる組織からの多くのライブ ラリーからの異なるESTからの複数の異なる規定オリゴヌクレオチド/ポリヌ クレオチドの1つの固体支持体上の使用を意味し、複数の同一の規定オリゴヌク レオチド/ポリヌクレオチドも包含する。結局、複数は生物全体において発現さ れた遺伝子あたり少なくとも1つのオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドを有 する。例えば、約5000〜10000のESTを産生するライブラリーから、 単一の支持体はライブラリー中の各ESTを表す少なくとも約1〜20の規定オ リゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドを含む。本発明の表面を構成する規定オリ ゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドの組成は望ましいように選択またはデザイン される。 「サンプル」なる語は、本発明の記載においていくつかの重要な意味に用いら れる。本明細書において用いる場合、「サンプル」なる語は、生物からのあらゆ る細胞または組織を包含する。望ましい状態の望ましい細胞または組織タイプを 選択してサンプルを形成する。例えば、望ましい細胞サンプルは、人T細胞であ り;本発明における使用に望ましい細胞タイプは、休止T細胞または活性化T細 胞である。 「類似サンプル」または「類似細胞または組織」なる語は本発明においては、 規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドを提供するESTが単一の組織また はセルタイプ源サンプル、例えば人の肝臓組織から調製されたcDNAライブラ リーから産生される場合、これらの固定化された規定オリゴヌクレオチド/ポリ ヌクレオチドとハイブリッド形成するのに用いられるサンプルは好ましくは、健 康または疾病の動物のいずれかから得た同種のサンプル、すなわち健康な人の肝 臓組織および疾病または感染した人または該疾病または感染症を有する疑いのあ る人から得たの肝臓組織により得られる。あるいは、表面が複数の細胞または組 織から得た規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドを含有する場合、これと ハイブリッド形成する「サンプル」は類似の複数の組織または細胞から得られる サンプルでありえるが、これに限定されない。 「検出可能にハイブリッド形成する」なる語は、健康な生物あるいは疾病また は感染した生物からのサンプルを表面上の規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレ オチドとサンプル中の特定のポリヌクレオチド配列と特定の固定化された規定オ リゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドとの間のハイブリダイゼーションにより起 こる表面上のハイブリダイゼーションパターンが形成されるのに十分な時間接触 させることを意味する。これらのパターンは、利用可能な通常の技術、例えばサ ンプルの蛍光標識などを使用することにより検出可能になる。好ましくは、ハイ ブリダイゼーションは例えば約95%の相同性を示すような厳しい条件下で行う 。しかし、望ましいならば、他のあまり厳しくない条件も選択できる。選択され た厳密性でのハイブリダイゼーションの技術および条件は当業界で周知である[ 例えば、サムブルック(Sambrook)ら、モレキュラー・クローニング ア・ラボ ラトリー・マニュアル(Molecular Cloning.A Laboratory Manual.),コール ド・スプリング・ハーバー・ラボラトリース(Cold Spring Harbor Laboratory ),コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor),NY(1989 )参照]。 II.発明の構成 本発明はオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドハイブリダイゼーションのた めの公知の技術における望ましい細胞または組織由来のESTの使用に基づく。 A.EST ESTは、前記定義のように、動物に関して、mRNAに対応するcDNAク ローン由来の配列である。本発明において有用なEST配列は好ましくはラピッ ドスクリーニングおよびシークエンシング技術を用いてcDNAライブラリーか ら単離される。注文品のcDNAライブラリーは、公知の技術を用いて製造され る。一般に、前記サムブルック(Sambrook)ら参照。簡単にいうと、選択された 細胞または組織由来のmRNAを逆転写酵素を用いて相補DNA(cDNA)中 に逆転写し、DNAポリメラーゼと結合したRNアーゼHまたは逆転写酵素を用 いて二重鎖にする。制限酵素部位をcDNAに添加し、これをベクター中にクロ ーンする。その結果、cDNAライブラリーが得られる。あるいは、市販のcD NAライブラリーを用いてもよい。cDNAのライブラリーはまたポリメラーゼ 連鎖反応由来の技術を含む公知の技術を用いてゲノムDNAの組み換え発現から 調製できる。 EST(長さが約150ないし約500ヌクレオチドの範囲、好ましくは約3 00ヌクレオチド)はcDNA挿入のいずれかの一端の配列分析により得られる 。望ましくは、ESTを得るために用いられるDNAライブラリーは方向性クロ ーニング法を用いて、cDNAの5'末端(コーディング配列を含有する傾向が ある)または3'末端(非コーディング配列である傾向がある)のいずれかが選 択的に得られるようにする。 一般に、ESTを得る方法は、クローン、有利にはcDNAライブラリーから 無作為に選択されたクローンをスクリーンするための通常の自動化DNA配列技 術を適用することからなる。望ましい組織からのcDNAライブラリーは通常の 技術により高および中アバンダンスクローンの繰返しシークエンシングを減少さ せ、特定の細胞集団から希少なメッセージを見いだす機会を最大にするために予 備処理されるか、または編集される。好ましくは、予備処理は、プローブをプレ スクリーンする特定の組成物、例えばミトコンドリア、多くの配列、リボソーム 、アクチン、髄索塩基性ポリペプチド、または他の公知の多数のペプチドに対応 するcDNAの使用を包含する。予備処理に用いられるこれらのプレスクリーニ ングプローブは、一般に公知のEST由来のものである。他の有用な予備処理技 術は、ライブラリーにおける代表的配列の集団を優先的に減少させるサブトラク ションハイブリダイゼーション[ファルグノリ(Fargnoli)ら、アナリティカル ・バイオケミストリー(Anal.Biochem.),187:364(1990)参照 ]、ライブラリーにおいてほぼ等しい集団に代表されるすべての配列が得られる 標準化[パタニアリ(Patanjali)ら、プロシーディング・オブ・ナショナル・ アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA,88: 19 43(1991)参照]を包含する。別のプレスクリーニング/分別スクリーニ ング法が当業界で公知である。 ESTは選択されたクローンの部分DNA配列化から生成できる。本発明にお いて有用であるESTは好ましくは少数の配列化、典型的には1回の配列化反応 を用いて調製される。1回の配列化反応は精度が90%であり、これでも配列の 同定およびPCRプライマーのデザインに十分な信頼性が得られる。 望ましいならば、完全長cDNAにおけるESTの位置は、コーディング配列 の存在に関してESTを分析することにより決定される。配列のコーディング領 域の程度および配向を予想するために通常のコンピュータープログラムを用いる (6つの解読フレームすべてを用いる)。この情報に基づいて、配列内の開始ま たは終止コドンの存在および配列が完全にコーディングまたは完全に非コーディ ングまたはその組み合わせのいずれであるかを推定できる。開始または終止コド ンが存在する場合、ESTはmRNAの(それそれ)5'−未翻訳または3'−未 翻訳部分並びにコーディング配列の一部の両方をカバーできる。コーディング配 列が存在しない場合、より長い長さおよびほとんどのcDNAライブラリー構築 法はmRNAの3'末端にかたよる事実により3'未翻訳配列由来であることが多 い。コーディングおよび非コーディング領域の両方は本発明の記載において等し く有用なESTを提供すると考えられる。 本発明における使用に適した多くの特異性ESTが前記アダムスら(前掲、出 典明示により本明細書の一部とする)により記載されているが望ましいESTの 不可欠の例でない。本発明において有用である他のESTも当業界において存在 し、ESTはこれらの公知の技術によりさらに改良される。 B.本発明の固体支持体の調製 規定配列のフラグメントであるオリゴヌクレオチド配列は、通常の手段、例え ば通常の化学合成または組み換え技術により各ESTから誘導される。前記のよ うな各規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列は、選択された動物から の選択された細胞または組織タイプから調製したDNAライブラリーから単離さ れたESTのフラグメントであり、アンチセンスフラグメントでありえるが、必 ずしもそうとは限らない。本発明における使用に関しては、規定オリゴヌクレオ チド/ポリヌクレオチド配列は20〜25merであるのが現在のところ好まし い。前記のように、各ESTに関して、多くのこのような20〜25merが生 成される。長さは前記のように、また組成により変化する。例えば、オリゴヌク レオチド/ポリヌクレオチドはハイブリダイゼーションポテンシャルを予想する かまたは前記のような理由から修飾ヌクレオチドを包含するOligo4.0または 類似のプログラムに基づいて修飾できる。EST全体を含むより大きなDNAセ グメントを用いてもよく、あるいは特にクローニングベクター中に挿入する場合 には完全長の遺伝子を用いてもよいと考えられる。 複数のこれらの規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列を公知の手段 により、ヌクレオチドの結合に通常用いられる選択された固体支持体に結合させ る。当業界で利用可能な他の技術に対して、この支持体はランダムでなく規定オ リゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド/配列を含有するようにデザインされてい る。固体支持体上に固定化されたESTフラグメント、または規定オリゴヌクレ オチド/ポリヌクレオチド配列は健康な動物の少なくとも1つの選択された組織 または細胞サンプル、疾病の動物の少なくとも1つの類似のサンプル、病原体に 感染した動物の少なくとも1つの類似のサンプル、およびその組み合わせのライ ブラリー由来の1またはそれ以上のESTのフラグメントを包含しうる。 オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列などの生物学的分子を種々の固体 支持体の表面に取り付けるのに多くの常法が用いられる。例えば、アフィニティ ー・テクニクス、エンザイム・ピューリフィケイション:パートB メソッズ・ イン・エンザイモロジー(Affinity Techniques,Enzyme Purification:Part B ,Methods in Enzymology),Vol.34,ダブリュ・ビー・ジャコビー、エム・ ウィルチェック(W.B.Jakoby,M.Wilcheck)編,アカデミー・プレス(Acad.Pre ss),NY(1974);インモービライズド・バイオケミカルズ・アンド・ア フィニティー・クロマトグラフィー、アドバンシズ・イン・エクスペリメンタル ・メジシン・アンド・バイオロジー(Immobilized Biochemicals and Affinity Chromatography,Advances in Experimental Medicine and Biology), Vol.42,アール・ダンラップ(R.Dunlap)編,プレナム・プレス(Plenum P ress),NY(1974);米国特許第4762881号;米国特許第4542 102号;欧州特許公開第391608号(1990年10月10日);米国特 許第4992127号(1989年11月21日)参照。 EST由来のオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列を固体支持体に取り 付ける望ましい一法は、国際特許出願PCT/US90/06607(1991 年5月30日公開)に記載されている。簡単に説明すると、この方法は固体支持 体の表面上にあらかじめ特定された領域を形成することを包含し、ここであらか じめ特定された領域はESTを固定化できる。該方法は、表面上に取り付けられ た結合物質を利用し、これによりあらかじめ特定された領域の選択的活性化がで きる。活性化により、これらの結合物質はESTまたはより長い遺伝子配列に基 づくオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドの結合および固定化が可能になる。 ハイブリダイゼーション用の表面上のあらかじめ特定された領域でのオリゴヌ クレオチド/ポリヌクレオチドの結合に適した公知の固体支持体のいずれも、ま たオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドをここに取り付ける方法も本発明にし たがって当業者により用いることができる。同様に、例えば、蛍光、放射能、光 活性化、ビオチニル化、固体状態循環などで検出可能な固定化オリゴヌクレオチ ド/ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションを行う公知の常法が本発明にお いて用いられる。 このように、公知の技術を模して、本発明はハイブリダイゼーションにおいて 用いるのに適した組成物を提供し、該組成物は固体支持体の表面からなり、その 上で該表面上のあらかじめ特定された領域にハイブリダイゼーション用の複数の 規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列が固定化される。例えば、本発 明の一組成物は、その上に健康な人由来の単一の細胞タイプ、例えば人幹細胞、 または単一の組織、例えば人肝臓から構築されたライブラリー由来のESTフラ グメントのオリゴヌクレオチドが固定化された固体支持体である。本発明のさら に別の組成物は、その上に選択された疾病または選択された疾病の素因、例えば 肝臓癌を有する人由来の単一の細胞タイプまたは組織から構築されたライブラリ ー由来のESTフラグメントのオリゴヌクレオチドが固定化された別の固体支持 体である。 本発明の組成物の別の具体例は、健康な人および疾病の人の両方からの単一の 細胞または単一の組織ライブラリーの両方由来のESTのオリゴヌクレオチドを 有する単一の固体支持体を含む。さらに別の具体例は、健康な人由来の1以上の 組織または細胞ライブラリー由来のESTフラグメントのオリゴヌクレオチドが その上に固定化されている単一の支持体または健康および疾病の動物または人の 両方由来の1以上の組織または細胞ライブラリーがその上に固定化されている単 一の支持体を含む。本発明の好ましい組成物は、選択された生物由来のすべての 公知の細胞および組織に関するESTのオリゴヌクレオチドを含有する単一の支 持体であると予想される。 III.本発明の方法 A.遺伝子の同定 本発明は、通常の健康な生物および疾病または感染症を有する生物において差 次的に発現された遺伝子の同定法においてすでに記載した組成物を用いる。これ らの方法は、遺伝子の機能に関する知見に関係無く、このような遺伝子を検出す るのに用いられる。本発明の方法は前記のような単一の遺伝子由来の複数の特定 されたESTフラグメントを含有する組成物を用いることにより、遺伝子の発現 のレベル、または別の場合においては発現またはその欠失を検出でき、これは通 常の健康な生物および選択された疾病、障害または感染症を有する生物間で異な る。 このような方法の1つは、この上のあらかじめ特定された領域に前記の健康な 動物の少なくとも1つの選択された組織または細胞サンプルから調製されたcD NAライブラリーから単離されたESTまたはより長い遺伝子フラグメントの複 数の規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列が固定化される固体支持体 の第一表面(「健康な試験表面」)およびこの上のあらかじめ特定された領域に 選択された疾病を有する動物の少なくとも1つの選択された類似組織から単離さ れたESTまたはより長い遺伝子フラグメントの複数の特定されたオリゴヌクレ オチト/ポリヌクレオチド配列が固定化される第二の表面(「疾病の試験表面」 )を用いる。これらの試験表面は、選択された動物または該動物由来の選択され た細胞または組織サンプルに関して標準化される(すなわち、種の集団における 多形現象に関してプレスクリーンされる)。 ポリヌクレオチド配列を次に公知の健康な動物由来の生物学的サンプル由来の mRNAおよび/またはcDNAから単離し(「健康な対照」)、第二のサンプ ルを公知の疾病の動物由来のサンプルから同様に調製する(「疾病のサンプル」 )。これらの2つのサンプルを望ましくは固定化オリゴヌクレオチド/ポリヌク レオチドをもたらすものに類似の細胞または組織から選択する。 該方法にしたがって、健康な対照サンプルを、前記の健康な試験表面および疾 病の試験表面の1セットと、該サンプルと各表面上の固定化された規定オリゴヌ クレオチド/ポリヌクレオチド間に検出可能なハイブリダイゼーションが起こる のに十分な時間接触させる。このハイブリダイゼーションの結果、健康な対照と 健康な試験表面のヌクレオチド間に第一のハイブリダイゼーションパターンが形 成され、健康な対照サンプルおよび疾病の試験表面のヌクレオチド間に第二のハ イブリダイゼーションパターンが形成される。 同様に、疾病のサンプルを、健康な試験表面および疾病の試験表面の別の1セ ットと検出可能にハイブリッド形成させて、疾病のサンプルと健康な試験表面間 に第三のハイブリダイゼーションパターン、疾病のサンプルと疾病の試験表面間 に第四のハイブリダイゼーションパターンを形成する。 4つのハイブリダイゼーションパターンの比較により、あらかじめ特定された 領域でのハイブリダイゼーションパターンにおける違いの存在により、健康な対 照と疾病のサンプル間に差次的に発現されたこれらの規定オリゴヌクレオチド/ ポリヌクレオチドの検出ができる。パターンの違いに対応する各表面上のオリゴ ヌクレオチド/ポリヌクレオチドはこれからオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオ チドが得られる対応するESTまたはより長い遺伝子フラグメントで容易に同定 される。 本発明の方法の別の具体例において、健康な試験サンプルおよび疾病の試験サ ンプル表面を形成する複数の規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドを単一 の固体支持体上に固定化する以外は同じ方法を用いる。例えば、表面上のEST の各フラグメントまたはより長い遺伝子フラグメントを健康な動物の選択された 細胞または組織サンプルおよび疾病を有する動物の類似の選択された細胞または 組織サンプルから調製された少なくとも2つのcDNAライブラリーから単離す る。 この具体例に従うと、健康な対照サンプルを、この単一の固体表面と検出可能 にハイブリッド形成させ、健康な動物および疾病の動物の両方に関連したオリゴ ヌクレオチド/ポリヌクレオチドに関するハイブリダイゼーションパターンを形 成する。同様に、疾病のサンプルを第二の単一の固体表面と検出可能にハイブリ ッド形成させ、健康な動物および疾病の動物の両方に関連したオリゴヌクレオチ ド/ポリヌクレオチドに関するハイブリダイゼーションパターンを形成する。 2つのハイブリッドパターンを比較すると、あらかじめ特定された領域でのハ イブリダイゼーションバターンにおける違いの存在により、健康な対照および疾 病サンプルの間に差次的に発現された規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチ ドの検出が可能になる。パターンの違いに対応する各表面上のオリゴヌクレオチ ド/ポリヌクレオチドはこれからオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドが得ら れる対応するESTまたはより長い遺伝子フラグメントで容易に同定される。 これらの方法によるハイブリダイゼーションパターンにおける「違い」を生む 規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド源としての1以上のESTの同定は 、これからESTが由来する遺伝子の同定を容易にする。オリゴヌクレオチドは 対応する遺伝子に関するRNA/cDNAとのみ厳しい条件下でハイブリッド形 成するのに十分な長さであるので、オリゴヌクレオチドはESTおよびそれが由 来するクローンを同定することができ、その後のクローニングにより、これが得 られた完全長cDNAの配列およびそのゲノムカウンターパート、すなわち遺伝 子が得られる。 言い換えれば、本発明の方法により同定されるESTは、完全長転写物に対応 するcDNAクローンを同定するためのプローブとしてESTを用い、続いてこ のクローンの配列決定することにより、転写されたcDNAの形態のmRNAの 完全配列を決定するために用いることができる。ESTまたは完全長cDNAク ローンはゲノムクローンまたは調節およびプロモーター領域、エクソンおよびイ ントロンを含む完全遺伝子を含有するクローンを同定するためのプローブとして も用いることができる。 プローブRNAまたはcDNAを得る特定の組織由来のESTを用いることに 限られる必要はなく、むしろいずれかのまたはすべてのEST(公知または未知 )を支持体上に設置する。ハイブリダイゼーションは診断パターンを形成するか またはどのESTが検出されるかを確認するためのに用いられる。例えば、生物 由来のすべての公知のESTを用いて、対照サンプルおよび疾病のサンプルを交 互にハイブリッド形成する「マスター」固体支持体を製造する。次に特定の疾病 状態に関連するハイブリダイゼーションのパターンを検出し、次に完全遺伝子を クローンし、配列化し、最終的に特定の治療目的を達成する疾病特異性ESTの 診断試験または単離の基礎を形成する。 ESTから完全遺伝子配列を得る方法は当業界で周知である。一般的に、サム ブルック((Sambrook)ら、前掲)参照。簡単にいうと、適当な一法は配列化し てESTをもたらすクローンからDNAを精製し、単離された挿入DNAを標識 することを含む。適当な標識系は当業界で周知である[例えば、ベイシック・メ ソッズ・イン・モレキュラ・バイオロジー(Basic Methods in Molecular Biolo gy)、エル・ジー・デイビス(L.G.Davis)ら編,エルセバイアー・プレス(Els evier Press),NY(1986)参照]。標識したEST挿入物を次にラムダ ファージcDNAライブラリーまたはプラスミドcDNAライブラリーをスクリ ーンするプローブとして用い、公知の方法により精製できるプローブcDNAに 関連するクローンを含有するコロニーを同定する。新たに精製されたクローンの 両端を配列決定して、完全長配列を同定し、完全長クローンの完全配列化を酵素 消化またはプライマーウォーキングにより行う。類似のスクリーニングおよびク ローン選択法をゲノムDNAライブラリー由来のクローンに適用できる。 さらに、遺伝病に関連してこの方法により同定されたESTまたは遺伝子は、 胚発生中のどの段階で、それが由来する選択された遺伝子が、選択された遺伝子 に関して、例えば2−細胞、8−細胞などの発生の種々の段階からの胚DNAラ イブラリーのスクリーニングにより発育するかを決定するのに用いることができ る。すでに記載したように、本発明は疾病状態の進行、特定の治療様式の効力ま たは個体の老化プロセスをモニターする別の一時的様式に適用できる。 このように、本発明の方法により、選択された疾病/感染において差次的に発 現された遺伝子の同定、単離および配列化ができる。以下により詳細に記載する ように、同定された遺伝子を、それによりコードされる蛋白質を得るために用い るか、または例えば医薬開発を含む疾病の診断法または治療法の目標として用い ることができる。 前記と同じ未知の機能を有する遺伝子を含む、疾病状態において差次的に発現 された遺伝子の同定法と同じ方法用いて他の問題となる遺伝子を同定することも できる。例えば、本発明の別の具体例は、病原体に感染した動物の生物学的サン プルにおいて発現された病原体の遺伝子またはその発現が感染の結果変更された 宿主の遺伝子の同定法を包含する。 このような方法の1つは、前記のような健康な試験表面を用い、健康で感染し ていない動物のサンプル由来の規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドを用 いる。第二のこのような表面は、その上のあらかじめ特定された領域で固定化さ れた、感染した動物の少なくとも1つの類似組織または細胞サンプルから単離し たESTの複数の規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列を有する(「 感染試験表面」)。ポリヌクレオチド配列を健康な動物由来の生物学的サンプル から単離し(「健康な対照」)、第二のサンプルを同様に選択された病原体に感 染した動物から調製する(感染サンプル」)。これらの2つのサンプルは望まし くは固定化オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドをもたらす物に類似した細胞 または組織から選択される。病原体それ自身の核酸からサンプルを得ることもで きる。 該方法にしたがって、健康な対照サンプルを、前記の健康な試験表面および感 染の試験表面の1セットと、該サンプルと各表面上の固定化された規定オリゴヌ クレオチド/ポリヌクレオチド間に検出可能なハイブリダイゼーションが起こる のに十分な時間接触させる。このハイブリダイゼーションの結果、健康な対照と 健康な試験表面のヌクレオチド間に第一のハイブリダイゼーションパターンが形 成され、健康な対照サンプルおよび感染の試験表面のヌクレオチド間に第二のハ イブリダイゼーションパターンが形成される。 同様に、感染サンプルを、健康な試験および感染の試験表面の別の1セットと 検出可能にハイブリッド形成させて、感染サンプルと健康な試験表面間に第三の ハイブリダイゼーションパターン、感染サンプルと感染試験表面間に第四のハイ ブリダイゼーションパターンを形成する。 4つのハイブリダイゼーションパターンの比較により、あらかじめ特定された 領域でのハイブリダイゼーションパターンにおける違いの存在により健康な動物 と病原体に感染した動物間に差次的に発現されたこれらの規定オリゴヌクレオチ ド/ポリヌクレオチドの検出ができる。記載したように、差次的発現は必要では なく、単に存在するかまたは存在しない遺伝子発現に関して簡単な定性分析が可 能である。 この方法の第二の具体例は、前記疾病に適応する方法の第二の具体例と対応す る。すなわち、健康な試験サンプル表面および感染試験サンプル表面を形成する 複数の規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列を単一の固体支持体上に 固定化する以外は、同じプロセスを用いる。結果としての第一のハイブリダイゼ イションパターン(健康な対照サンプルと健康/感染試験サンプル)および第二 のハイブリダイゼーションパターン(感染サンプルと健康/感染試験サンプル) により、あらかじめ特定された領域でのハイブリダイゼーションパターンにおけ る違いの存在により、健康対照サンプルと感染サンプル間に差次的に発現された これらの規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドの検出ができる。パターン の違いに対応する各表面上のオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドは、そこか ら該オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドが得られる対応するESTで容易に 同定できる。 疾病の動物と健康な動物間の差次的遺伝子発現法に関してすでに記載したよう に、パターンの違いに対応する各表面上のオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチ ドは、そこから該オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列が得られる対応す るESTで容易に同定でき、遺伝子は同様の目的に関して同定された病原体によ り発現される。これらの方法の他の具体例は、本明細書の示唆に応じて規定オリ ゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドをもたらすサンプルを変更することにより開 発される。例えは、本発明の方法により差次的に発現された遺伝子で同定された ESTも、病原体の発生の種々の段階において発現された遺伝子の検出および薬 剤治療および耐性変異株の出現に有用である。例えば、前記技術を用いて、ES Tを寄生体マラリア原虫(Plasmodiumu種)の生活環の種々の段階(血液段階、 肝臓段階、および配偶子細胞段階を含む)における遺伝子の検出に用いることが できる。 B.診断法 本発明の差次的に発現された遺伝子の同定法および組成物の使用に加えて、本 発明の別の具体例は動物における選択された疾病状態、または老化、薬剤への暴 露または感染の結果として起こる選択された状態の診断法を提供する。本発明の この態様によると、健康な試験表面としてすでに記載した第一表面、および疾病 の試験表面または感染試験表面として記載した第二の表面を、診断される疾病ま た感染症に応じて調製する。第一および第二のこれらの表面のセットの健康対照 サンプルおよび疾病/感染サンプルとの検出可能なハイブリダイゼーションの同 じプロセスを次に行って、4つの前記ハイブリダイゼーションパターン、すなわ ち健康対照サンプルと健康試験表面;健康対照サンプルと疾病/感染試験表面; 疾病/感染サンプルと健康試験表面;および疾病/感染サンプルと疾病/感染試 験表面を得る。 疾病または感染症の診断は、4つのハイブリダイゼーションパターンの比較に より得られる。第一および第三のハイブリダイゼーションパターン、および第二 および第四のハイブリダイゼーションパターン間の実質的な違いは、前記動物に おける選択された疾病または感染症の存在を示す。第一および第三のハイブリダ イゼーションバターンおよび第二および第四のハイブリダイゼーションパターン における実質的な類似性は疾病または感染の不在を示す。 同様の具体例では、前記のような健康な試験表面規定オリゴヌクレオチド/ポ リヌクレオチドおよび疾病/感染試験表面規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレ オチドの両方を担う単一の表面を用いる。疾病および感染状態において差次的に 発現された遺伝子の検出に関してすでに記載したような類似プロセスを次に行い 、その結果、第一のハイブリダイゼーションパターン(健康な対照サンプルと単 一の健康および疾病/感染試験サンプル)および第二のハイブリダイゼーション パターン(疾病/感染サンプルと別の単一の健康および疾病/感染試験サンプル )を得る。 診断は、2つのハイブリダイゼーションパターンの比較により得られる。ここ に、第一および第二のハイブリダイゼーションパターン間の実質的な違いは、試 験される動物における選択された疾病または感染の存在を示す。第一および第二 のハイブリダイゼーションパターン間の実質的な類似性は、試験される動物にお ける選択された疾病または感染の不在を示す。前記の具体例の多くと同様に、こ れは多くのライブラリー由来の公知または未知のESTを用いる。 C.本発明の他の方法 本開示を読むと当業者には明らかなように、本発明の組成物および方法は他の 同様の目的に関しても用いられる。例えば、一般法および組成物は、標準化規定 オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド、およびこれとのハイブリダイゼーショ ン用に選択されたサンプルの選択を得るために選択されたサンプルの操作により 容易に適用される。このような修飾は、あらゆる種類の細胞マーカー、例えば癌 細胞のマーカー、幹細胞のマーカーなどを同定するために本発明を使用すること である。他の修飾は、種の一構成員を他から同定するための遺伝子の同定または 「発現フィンガープリント」に有用なハイブリダイゼーションパターンを得るた めに該方法および組成物を用いることを包含する。同様に、本発明の方法は、移 植目的ならびに分子組織学にあう組織における使用、すなわち、生検などの病理 学組織サンプルにおける疾病または障害を診断できるように適用される。本方法 のさらに別の用途は、選択された動物における遺伝子発現による発育および老化 を、試験される種の標準化されたより若いもののサンプルから調製したオリゴヌ クレオチド/ポリヌクレオチドを有する表面を調製することによりモニター観察 することである。さらに、患者はその寿命中5〜10年ごとに皿液サンプルに該 方法を適用することにより、内部対照として利用できる。 本方法の用途のさらに別の例は、実験室および動物、特に人に関する臨床試験 中の両方における遺伝子発現に対する医薬の効果をモニターする分野である。該 方法は前記パラメータを変更することにより容易に適用できるので、いかなる生 物の、いかなる発育段階で、遺伝子発現に影響を与えるあらゆる要因の影響下で 差次的に発現された遺伝子の同定に基本的に用いることができる。 IV.同定される遺伝子および蛋白質 すでに記載したように、本発明の組成物および方法の適用はまた他の組成物、 例えば正常な健康な動物および疾病または感染症を有する動物間で差次的に発現 された、単離された遺伝子配列も提供する。本発明の他の具体例は、感染した動 物の組織または細胞サンプルにおいて発現された、単離された病原体遺伝子配列 である。同様に、本発明の具体例は、本明細書において記載した方法により同定 される遺伝子配列である。 これらの遺伝子配列は、それによりコードされる単離された蛋白質を調製する ための常法において用いられる。本発明の蛋白質を調製するためには、本発明の 方法を用いることにより同定される望ましい遺伝子のDNA配列を適当な発現系 に挿入する。望ましくは、蛋白質をコードするポリヌクレオチド配列が操作可能 にヘテロローガスな発現調節配列と結合し、人蛋白質の発現できるような組み換 え分子またはベクターを構築する。多くの種類の適当な発現ベクターおよび宿主 細胞系が、標準的分子生物学的技術を用いることによりほ乳類(ヒトを含む)発 現、昆虫、例えばバクロウイルス発現、酵母、真菌およびバクテリア発現に関し て当業界で公知である。 これらのベクターの適当な宿主細胞(哺乳動物、バクテリア、真菌、または昆 虫)中または適当なウイルス中へのトランスフェクションは、選択された蛋白質 の発現をもたらす。トランスフェクションに関して適当な宿主細胞またはセルラ イン、およびウイルス、ならびにこのような宿主細胞およびウイルスの構築およ びトランスフェクション法は周知である。トランスフェクション、培養、増幅、 スクリーニング、および生成物の産生および精製に適した方法も当業界で公知で ある。 通常の診断試験を用いて、疾病または感染症の診断に有用な診断組成物におい て望ましいならば、本発明により同定される遺伝子および蛋白質を用いることが できる。例えば、動物の生物学的サンプルにおいて本発明の遺伝子配列または蛋 白質を検出可能に標的にする診断試薬を開発できる。このような試薬は、相補ヌ クレオチド配列、抗体(モノクローナル、組み換えまたはポリクローナル)、ま たは化学的に誘導される作用物質または拮抗物質である。あるいは、本発明の蛋 白質およびポリヌクレオチド配列、そのフラグメント、またはその相補配列はそ れ自体本発明のESTが関連する疾病状態の診断用試薬として有用である。これ らの試薬は所望により、診断用標識、例えば放射性標識、比色酵素標識系などの 診断または治療法において通常用いるもの、例えばノザン・アンド・ウェスタン ・ブロッティング、抗原−抗体結合などを用いて標識してもよい。適当な試験様 式および標識系の選択は当業界の技術範囲内であり、さらに説明を要することな く容易に選択できる。 さらに、本発明にしたがって同定される遺伝子および蛋白質は治療用に用いる ことができる。例えば、EST含有遺伝子配列は、疾病において適当にまたは十 分に発現されない遺伝子配列を得るために遺伝子治療において有用である。この ような方法において、本発明の選択された遺伝子配列を適当なベクターまたは選 択された遺伝子において欠陥を有する細胞への送達するための他のデリバリー系 に導入する。適当なデリバリー系は、当業界で周知であり、望ましいESTまた は遺伝子が標的細胞中に導入され、該細胞により翻訳されることを可能にする。 ESTまたは遺伝子配列を導入して、存在する遺伝子を組み換えにより変異株を 形成するかまたはその機能を置換するために不活性遺伝子に加えてその活性な物 を得る。 あるいは、本発明のESTまたは遺伝子によりコードされる蛋白質は、生物学 的に活性な蛋白質の送達用治療薬として、特に疾病状態が蛋白質の欠損に関連す る場合に有用である。このような蛋白質を適当な治療用処方物中に単独または他 の活性成分と組み合わせて配合してもよい。このような治療用組成物と適当な医 薬担体などの配合法は当業者に周知である。さらに別のESTによりコードされ る欠損蛋白質、またはそれから選択されたESTが由来する遺伝子の送達法は、 これをin vivoで直接発現することを含む。このようなin vivo発現系は当業界で 周知である。 さらに別の本発明の方法にしたがって同定されたEST、遺伝子、またはそれ によりコードされる蛋白質の用途は、同定された遺伝子およびそれ由来のEST と関連する疾病状態の治療用医薬として有用性を有する天然または合成化合物の スクリーンおよび開発の目的である。一例として、このような遺伝子によりコー ドされるこのような蛋白質と結合でき、その生物学的活性を防止または向上でき る化合物は、このような疾病状態の有用な治療または予防用医薬成分である。 通常の分析および技術をこのような医薬のスクリーニングおよび開発に用いる ことができる。一例として、これらの遺伝子配列によりコードされる蛋白質と特 異的に結合するかまたは抑制するかまたは活性化する化合物の同定法は、選択さ れた蛋白質または遺伝子産物を試験化合物と接触させて試験化合物を蛋白質と結 合させ;蛋白質と結合する試験化合物があればその量を測定する段階のみを包含 する。このような方法は、試験化合物および固体支持体上に固定化された蛋白質 のインキュベーションを包含する。医薬スクリーニングの別の常法は、遺伝子産 物またはその一部と類似または相補的化学構造を有する化合物を測定する適当な コンピュータープログラムを用い、該蛋白質と競合的結合して選択された化合物 の存在下での増加または減少した活性を検出する化合物をスクリーニングするこ とを包含する。 このように、このような方法を用いるとにより、本発明はこれらの遺伝子、E ST、またはコードされた蛋白質、またはそのフラグメントと相互作用し、所望 により生物学的活性を向上または減少させることができる化合物を提供すると考 えられる。このような化合物は本発明に含まれると考えられる。 本発明の多くの修飾および変法も本明細書に含まれ、これは当業者には明らか である。このような本発明の組成物および方法の修飾および変法も請求の範囲に 含まれるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デボック,クリスティン アメリカ合衆国ペンシルベニア州19087、 ウェイン、ピュー・ロード667番 (72)発明者 バーグズマ,ダーク アメリカ合衆国ペンシルベニア州19312、 バーウィン、アイリッシュ・ロード271番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.2つの異なるあらかじめ特定された状態の生物において差次的に発現され る遺伝子の同定法であって: a.その上のあらかじめ特定された領域で複数の規定オリゴヌクレオチド/ポ リヌクレオチド配列を固定する第一表面を提供し(ここに、各配列は、第一状態 における少なくとも1つの選択された細胞、組織、器官または生物サンプルから 調製されたDNAライブラリーから単離されたESTのフラグメント、全EST 、遺伝子のフラグメントまたは全遺伝子からなる群から選択され、ハイブリッド 形成されるポリヌクレオチドに比べて過剰に存在する); b.その上のあらかじめ特定された領域で複数の規定オリゴヌクレオチド/ポ リヌクレオチド配列を固定する第二表面を提供し(ここに、各配列は、第二状態 における少なくとも1つの選択された細胞、組織、器官または生物サンプルから 調製されたDNAライブラリーから単離されたESTのフラグメント、全EST 、遺伝子のフラグメントまたは全遺伝子からなる群から選択され、ハイブリッド 形成されるポリヌクレオチドに比べて過剰に存在する); c.前記第一状態の前記生物からのサンプルから単離した前記第一および第二 表面ポリヌクレオチド配列のセットに検出可能にハイブリッド形成し(ここに、 前記サンプルは工程(a)の源と類似の源から選択され、前記ハイブリダイゼー ションは各第一および第二表面上で第一および第二ハイブリダイゼーションパタ ーンを形成するのに十分である); d.前記第二状態の前記生物からのサンプルから単離した前記第一および第二 表面ポリヌクレオチド配列のセットに検出可能にハイブリッド形成し(ここに、 前記サンプルは工程(c)の源と類似の源から選択され、前記ハイブリダイゼー ションは各第一および第二表面上で第三および第四ハイブリダイゼーションパタ ーンを形成するのに十分である); e.4つのハイブリダイゼーションパターンのうち少なくとも2つを比較し( ここに、前記第一および第二状態において差次的に発現された遺伝子が、あら かじめ特定された領域でのハイブリダイゼーションパターンにおける違いの存在 により同定される); f.前記パターンの違いおよびオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドが得ら れる対応するESTまたはより大きな遺伝子フラグメントに対応する各表面上の オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドを同定し、それによってESTまたはよ り大きな遺伝子フラグメントの同定がESTまたはより大きな遺伝子フラグメン トが由来する遺伝子の同定を可能とする ことからなることを特徴とする遺伝子の同定法。 2.前記第一および第二状態がそれぞれ健康および疾病;病原体未感染および 病原体感染;疾病または感染症の第一進行状態および第二進行状態;疾病または 感染症の第一治療状態および第二治療状態;または第一発育および第二発育状態 である請求項1記載の方法。 3.前記生物が植物または動物である請求項1記載の方法。 4.前記動物がヒトである請求項3記載の方法。 5.通常の健康な動物および疾病を有する動物において差次的に発現される遺 伝子の同定法であって: a.その上のあらかじめ特定された領域で複数の規定オリゴヌクレオチド/ポ リヌクレオチド配列を固定する第一表面を提供し(ここに、各配列は、健康な動 物における少なくとも1つの選択された細胞、組織、器官または生物サンプルか ら調製されたDNAライブラリーから単離されたESTのフラグメント、全ES T、遺伝子のフラグメントまたは全遺伝子からなる群から選択され、ハイブリッ ド形成されるポリヌクレオチドに比べて過剰に存在する); b.その上のあらかじめ特定された領域で複数の規定オリゴヌクレオチド/ポ リヌクレオチド配列を固定する第二表面を提供し(ここに、各配列は、前記疾病 を有する動物からの少なくとも1つの選択された細胞、組織、器官または生物サ ンプルから調製されたDNAライブラリーから単離されたESTのフラグメント 、全EST、遺伝子のフラグメントまたは全遺伝子からなる群から選択され、ハ イブリッド形成されるポリヌクレオチドに比べて過剰に存在する); c 健康な動物からのサンプルから単離した前記第一および第二表面ポリヌク レオチド配列のセットに検出可能にハイブリッド形成し(ここに、前記サンプル は工程(a)の源と類似の源から選択され、前記ハイブリダイゼーションは各第 一および第二表面上で第一および第二ハイブリダイゼーションパターンを形成す るのに十分である); d.疾病を有する動物からのサンプルから単離した前記第一および第二表面ポ リヌクレオチド配列のセットに検出可能にハイブリッド形成し(ここに、前記サ ンプルは工程(c)のサンプルと類似の細胞または組織サンプルから選択され、 前記ハイブリダイゼーションは各第一および第二表面上で第三および第四ハイブ リダイゼーションパターンを形成するのに十分である); e.4つのハイブリダイゼーションパターンのうち少なくとも2つを比較し( ここに、前記第一および第二状態において差次的に発現された遺伝子が、あらか じめ特定された領域でのハイブリダイゼーションパターンにおける違いの存在に より同定される); f.前記パターンの違いおよびオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドが得ら れる対応するESTまたはより大きな遺伝子フラグメントに対応する各表面上の オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドを同定し、それによってESTまたはよ り大きな遺伝子フラグメントの同定がESTまたはより大きな遺伝子フラグメン トが由来する遺伝子の同定を可能とする ことからなることを特徴とする遺伝子の同定法。 6.通常の健康な動物および疾病を有する動物において差次的に発現される遺 伝子の同定法であって: a.その上のあらかじめ特定された領域で複数の規定オリゴヌクレオチド/ポ リヌクレオチド配列を固定する表面を提供し(ここに、各配列は、健康な動物に おける少なくとも1つの選択された細胞、組織、器官または生物サンプルおよび 前記疾病を有する動物の類似の選択されたサンプルより選択された群から調製さ れたDNAライブラリーから単離されたESTのフラグメント、全EST、遺伝 子のフラグメントまたは全遺伝子からなる群から選択され、その両方がハイブリ ッ ド形成されるポリヌクレオチドに比べて過剰に存在する); b.健康な動物から単離された前記表面ポリヌクレオチド配列の第一コピーに 検出可能にハイブリッド形成し(ここに、前記サンプルは工程(a)のサンプル と類似の細胞または組織サンプルから選択され、前記ハイブリダイゼーションは 前記表面上で第一ハイブリダイゼーションパターンを形成するのに十分である); c.疾病を有する動物から単離された前記表面ポリヌクレオチド配列の第二コ ピーに検出可能にハイブリッド形成し(ここに、前記サンプルは工程(a)のサ ンプルと類似の細胞または組織サンプルから選択され、前記ハイブリダイゼーシ ョンは前記表面上で第二ハイブリダイゼーションパターンを形成するのに十分で ある); d.2つのハイブリダイゼーションパターンを比較し(ここに、疾病状態にお いて差次的に発現された遺伝子をあらかじめ特定された領域でのハイブリダイゼ ーションパターンにおける違いの存在により同定する); e.前記パターンの違いおよびオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドが得ら れる対応するESTに対応する各表面上のオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチ ドを同定し、それによってESTの同定がESTが由来する遺伝子の同定を可能 とする ことからなることを特徴とする遺伝子の同定法。 7.病原体に感染した動物の生物学的サンプルにおいて発現される病原体遺伝 子の同定法であって: a.その上のあらかじめ特定された領域で複数の規定オリゴヌクレオチド/ポ リヌクレオチド配列を固定する第一表面を提供し(ここに、各配列は、健康な未 感染の動物における少なくとも1つの選択された細胞、組織、器官または生物サ ンプルから調製されたDNAライブラリーから単離されたESTのフラグメント 、全EST、遺伝子のフラグメントまたは全遺伝子からなる群から選択され、ハ イブリッド形成されるポリヌクレオチドに比べて過剰に存在する); b.その上のあらかじめ特定された領域で複数の規定オリゴヌクレオチド/ポ リヌクレオチド配列を固定する第二表面を提供し(ここに、各配列は、感染動物 の少なくとも1つの選択された細胞、組織または生物サンプルより単離されたE STのフラグメント、全EST、遺伝子のフラグメントまたは全遺伝子からなる 群から選択される); c.健康な動物からのサンプルより単離された前記第一および第二表面ポリヌ クレオチド配列のセットに検出可能にハイブリッド形成し(ここに、前記サンプ ルは工程(a)のサンプルと類似の細胞または組織サンプルから選択され、前記 ハイブリダイゼーションは各第一および第二表面上で第一および第二ハイブリダ イゼーションパターンを形成するのに十分である); d.感染動物からのサンプルより単離された前記第一および第二表面ポリヌク レオチド配列のセットに検出可能にハイブリッド形成し(ここに、前記サンプル は工程(a)のサンプルと類似の細胞または組織サンプルから選択され、前記ハ イブリダイゼーションは各第一および第二表面上で第三および第四ハイブリダイ ゼーションパターンを形成するのに十分である); e.4つのハイブリダイゼーションパターンを比較し(ここに、感染動物にお いて発現された前記病原体の遺伝子をあらかじめ特定された領域でのハイブリダ イゼーションパターンにおける違いの存在により同定する); f.前記パターンの違いおよびオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドが得ら れる対応するESTに対応する各表面上のオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチ ドを同定し、それによってESTの同定がESTが由来する遺伝子の同定を可能 とする ことからなることを特徴とする遺伝子の同定法。 8.病原体に感染した動物の生物学的サンプルにおいて発現される病原体遺伝 子の同定法であって: a.その上のあらかじめ特定された領域で複数の規定オリゴヌクレオチド/ポ リヌクレオチド配列を固定する表面を提供し(ここに、各配列は、健康な動物に おける少なくとも1つの選択された細胞、組織、器官または生物サンプルおよび 前記疾病を有する動物の類似の選択されたサンプルから選択された群より調製さ れたDNAライブラリーから単離されたESTのフラグメント、全EST、遺伝 子のフラグメントまたは全遺伝子からなる群から選択され、その両方がハイブリ ッド形成されるポリヌクレオチドに比べて過剰に存在する); b.健康な動物からのサンプルより単離された前記表面ポリヌクレオチド配列 の第一コピーに検出可能にハイブリッド形成し(ここに、前記サンプルは工程( a)のサンプルと類似の細胞または組織サンプルから選択され、前記ハイブリダ イゼーションは前記表面上で第一ハイブリダイゼーションパターンを形成するの に十分である); c.感染動物からのサンプルより単離された前記表面ポリヌクレオチド配列の 第二コピーに検出可能にハイブリッド形成し(ここに、前記サンプルは工程(a )のサンプルと類似の細胞または組織サンプルから選択され、前記ハイブリダイ ゼーションは前記表面上で第二ハイブリダイゼーションパターンを形成するのに 十分である); d.2つのハイブリダイゼーションパターンを比較し(ここに、感染動物にお いて発現される病原体の遺伝子をあらかじめ特定された領域でのハイブリダイゼ ーションパターンにおける違いの存在により同定する); e.前記パターンの違いおよびオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドが得ら れる対応するESTに対応する各表面上のオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチ ドを同定し、それによってESTの同定がESTが由来する遺伝子の同定を可能 とする ことからなることを特徴とする遺伝子の同定法。 9.ハイブリダイゼーション用にその表面上のあらかじめ特定された領域で複 数の規定オリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチド配列を固定する固体表面からな るハイブリダイゼーションにおける使用に適した組成物であって、各配列が、健 康な動物の少なくとも1つの選択された細胞、組織、器官または生物サンプル、 疾病を有する前記動物の少なくとも1つの類似サンプル、微生物病原体に感染し た前記動物の少なくとも1つの類似サンプル、およびその組み合わせから選択さ れる群より調製されるDNAライブラリーから単離されるESTのフラグメント 、全EST、遺伝子のフラグメントまたは全遺伝子からなる群から選択されるこ と を特徴とする組成物。 10.請求項1に記載の方法により同定される、通常の健康な動物および疾病 を有する動物において差次的に発現される単離された遺伝子配列。 11.請求項7に記載の方法により同定される、感染した動物の組織または細 胞サンプルにおいて発現される単離された病原体遺伝子配列。 12.動物の生物学的サンプルにおける請求項10に記載の遺伝子配列を検出 可能に標的化しうる試薬を含む疾病の診断に有用な診断用組成物。 13.動物の生物学的サンプルにおける請求項11に記載の遺伝子配列を検出 可能に標的化しうる試薬を含む病原体による感染の診断に有用な診断用組成物。 14.請求項10に記載の遺伝子配列の発現により産生される単離された蛋白 質。 15.請求項11に記載の遺伝子配列の発現により産生される単離された病原 体蛋白質。 16.請求項10に記載の蛋白質および請求項15に記載の蛋白質からなる群 から選択される蛋白質またはそのフラグメントからなる治療用組成物。 17.動物における選択された疾病または感染の診断法であって: a.その上のあらかじめ特定された領域で複数の規定オリゴヌクレオチド/ポ リヌクレオチド配列を固定する第一表面を提供し(ここに、各配列は、健康な動 物の少なくとも1つの選択された細胞、組織、器官または生物サンプルから調製 されたDNAライブラリーから単離されたESTのフラグメント、全EST、遺 伝子のフラグメントまたは全遺伝子からなる群から選択され、ハイブリッド形成 されるポリヌクレオチドに比べて過剰に存在する); b.その上のあらかじめ特定された領域で複数の規定オリゴヌクレオチド/ポ リヌクレオチド配列を固定する第二表面を提供し(ここに、各配列は、前記疾病 を有する動物の少なくとも1つの前記組織から単離されたESTのフラグメント を含む); c.健康な動物からのサンプルから調製したDNAライブラリーから単離され た前記第一および第二表面ポリヌクレオチド配列のセットに検出可能にハイブリ ッ ド形成し(ここに、前記サンプルは工程(a)のサンプルと類似の細胞または組 織サンプルから選択され、前記ハイブリダイゼーションは各前記第一および第二 表面上で第一および第二ハイブリダイゼーションパターンを形成するのに十分で ある); d.疾病を有する動物からのサンプルから調製したDNAライブラリーから単 離された前記第一および第二表面ポリヌクレオチド配列のセットに検出可能にハ イブリッド形成し(ここに、前記サンプルは工程(c)のサンプルと類似の細胞 または組織サンプルから選択され、前記ハイブリダイゼーションは各前記第一お よび第二表面上で第三および第四ハイブリダイゼーションパターンを形成するの に十分である); e.4つのハイブリダイゼーションパターンを比較し(ここに、第一および第 三ハイブリダイゼーションパターンならびに第二および第四ハイブリダイゼーシ ョンパターンにおける実質的な違いは、前記動物における前記選択された疾病ま たは感染の存在を示し、前記第一および第三ハイブリダイゼーションパターンな らびに第二および第四ハイブリダイゼーションパターンにおける実質的な類似性 は、疾病または感染の不在を示す) ことからなることを特徴とする診断法。 18.動物における選択された疾病または感染の診断法であって: a.その上のあらかじめ特定された領域で複数の規定オリゴヌクレオチド/ポ リヌクレオチド配列を固定する表面を提供し(ここに、各配列は、健康な動物の 選択された細胞または組織サンプルおよび疾病を有する動物の類似の選択された 細胞または組織サンプルからなる群より調製されたDNAライブラリーから単離 されたESTのフラグメントを含む); b.健康な動物からのサンプルから単離された前記表面ポリヌクレオチド配列 の第一コピーに検出可能にハイブリッド形成し(ここに、前記サンプルは工程( a)のサンプルと類似の細胞または組織サンプルから選択され、前記ハイブリダ イゼーションは前記表面上で第一ハイブリダイゼーションパターンを形成するの に十分である); c.疾病を有する動物からのサンプルから調製したDNAライブラリーから単 離された前記表面ポリヌクレオチド配列の第二コピーに検出可能にハイブリッド 形成し(ここに、前記サンプルは工程(a)のサンプルと類似の細胞または組織 サンプルから選択され、前記ハイブリダイゼーションは各表面上で第二ハイブリ ダイゼーションパターンを形成するのに十分である); d.2つのハイブリダイゼーションパターンを比較し(ここに、第一および第 二ハイブリダイゼーションパターンにおける実質的な違いは、前記動物における 前記選択された疾病または感染の存在を示し、前記第一および第二ハイブリダイ ゼーションパターンにおける実質的な類似性は、疾病または感染の不在を示す) ことからなることを特徴とする診断法。
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