JP2001524311A - 遺伝子転写における環境刺激性物質の毒性/病理学上の影響を同定する方法 - Google Patents

遺伝子転写における環境刺激性物質の毒性/病理学上の影響を同定する方法

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Abstract

(57)【要約】 DNAグリッドにおける「フィンガープリント」ハイブリダイゼーションパターンの測定による、選択した環境刺激または薬剤の哺乳類細胞における毒性または病理学上の影響を評価する方法を開示する。フィンガープリントパターンは、遺伝子転写における共通の有害な影響を有する、化学的または構造的に異なる刺激または薬剤に特有のものである。フィンガープリントに対する類似のグリッドにおけるハイブリダイゼーションパターンを比較することによって、類似の毒性の影響について試験化合物をスクリーニングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、遺伝子転写における毒性または病理学上の影響についての、医薬上
の化合物、物理的な要素(factor)、感染性の病原体などのごとき、環境要素の
スクリーニング用ゲノム(またはcDNA)ライブラリー由来の哺乳類遺伝子配
列断片のアレイまたはグリッドの使用に関する。
【0002】 哺乳類細胞は、しばしば外因性の刺激に応答して、転写速度を変える。例えば
、紫外線、医薬上の化合物およびその他多くのごとき環境要素に哺乳類細胞を曝
すと、該細胞によって生産されるメッセンジャーRNAの量が増加または減少し
うる。転写調節におけるこれらの変化は、哺乳動物による毒性または病理学上の
応答の結果を生じる。例えば、外因性の刺激が長時間のUV線への曝露である場
合、哺乳動物の毒性の応答は日焼けである。外因性の刺激が、肝細胞毒性を有す
ることが知られている化合物である場合、その応答は肝臓の損傷である。外因性
の刺激が発癌性物質である場合、毒性の応答は統制されていない細胞増殖である
【0003】 様々な疾病、感染その他の治療または予防を目的とする新しい医薬上の化合物
および/または治療法の開発は、起りうる毒性または病理学上の応答についての
候補化合物のスクリーニング能力に非常に大きく依存している。通常の医薬開発
においては、新規の化学的化合物、新規の生物学的組成物などは一連のインビト
ロの評価と安全性(すなわち、毒性の欠如)および有効性を確かめるための実験
動物における評価を通過する。
【0004】 新しい医薬品の開発に関連するコストは、特に新しい組成物が臨床試験に入る
ときに、常に増加する。有望な医薬上の候補が適当な実験室試験を通過して費用
のかかる動物およびヒトの臨床試験の段階に入り、その結果、目的の哺乳動物、
通常ヒトの患者に対するインビボの状態で毒性または病理学上の影響を現すに過
ぎないことは珍しくない。製品開発におけるこのような遅い段階で当初は有望で
あった薬剤の候補を排除することは、結局最終的な臨床試験を通過する新しい有
効な薬剤の高いコストの主要な要素である。かかる毒性化合物の遅い排除はまた
、不要なヒトの苦痛と無駄な労力という結果も生じる。
【0005】 いわゆる「高密度DNAアレイ」またはグリッドを使用する遺伝子発現および
同定について情報を得る方法は記載されている。例えば、M.Cheeら、Sc
ience、274:610〜614(1996)およびその中で引用されてい
るその他の引用文献を参照。かかるグリッディングアッセイ(gridding assay)
は、エクスプレスド・シーケンス・タグ(EST)[Adamsら、Science、252:16
51-1656(1991)]といわれる所定の新規の遺伝子配列を同定するために用いら れている。遺伝子産物に基づく特定の遺伝子配列を同定する様々な技術が記載さ
れている。例えば、1991年5月30日に公開された国際特許出願WO91/
07087を参照。さらに、目的の配列を増幅する方法が記載されている。例え
ば、1991年11月14日に公開された国際特許出願WO91/17271を
参照。
【0006】 したがって、新しい医薬品開発と新しい治療法のために遺伝子転写における毒
性/病理学上の影響を同定するための、新規な薬剤、その他の環境刺激または要
素のさらに効率的なスクリーニング方法の必要性が存在している。
【0007】 1の態様においては、本発明は、選択した環境要素の哺乳類対象に対する遺伝
子的影響を評価する方法であって、 (a)各グリッドが、上記哺乳類の種の正常な構成員から得た遺伝子または遺
伝子断片を含むオリゴヌクレオチド配列である複数の特徴的で明らかな遺伝子配
列断片を予め定めた領域に固定化した表面を含んでなる、複数の同一グリッドを
準備する工程と; (b)哺乳類細胞、組織または器官を、十分な時間環境要素に曝して、該細胞
のメッセンジャーRNAの転写に影響を与える工程と; (c)工程(b)の上記曝露細胞、組織または器官からmRNAを抽出および
単離する工程と; (d)上記要素に曝していない哺乳類細胞、組織または器官から対照mRNA
を抽出および単離する工程と; (e)工程(c)および(d)のmRNAを標識する工程と; (f)曝露細胞、組織または器官由来の標識mRNAを第1の同一グリッドに
ハイブリダイズさせて、グリッドの残余との対照における蛍光の増加量によって
検出可能な第1のハイブリダイゼーションパターンを生産する工程と; (g)標識対照mRNAを第2の同一グリッドにハイブリダイズさせて、第2
の、対照ハイブリダイゼーションパターンを生産する工程と; (h)第1のハイブリダイゼーションパターンと第2のハイブリダイゼーショ
ンパターンとを比較して、上記の要素に曝した上記の哺乳類細胞、組織または器
官の転写調節に対する影響を示す、対照パターンからの上記第1のパターンのあ
らゆる変化を同定する工程とを含んでなる方法を提供する。
【0008】 したがって、本発明では以下の工程を使用する。複数の同一DNAグリッドを
調製する。グリッド表面上の予め定めた領域に、複数の明らかな増幅遺伝子配列
(またはオリゴヌクレオチド配列)を固定化する。これらの遺伝子配列は、哺乳
類の種の正常な構成員の細胞(または細胞ライブラリー)から得た、既知もしく
は未知の遺伝子または遺伝子断片であることが好ましい。選択した環境刺激に曝
していない哺乳類細胞からメッセンジャーRNAを単離および抽出して、「対照
」RNAを作成する。選択した刺激に十分な時間曝して遺伝子転写に影響を与え
た哺乳類細胞から「試験mRNA」を抽出する。対照および試験mRNAを無作
為に標識し、各mRNA調製物を同一グリッドに適用する。各々のハイブリダイ
ゼーションパターンを比較して、刺激に曝した哺乳類細胞の転写調節における影
響を示す、試験パターンにおける対照パターンからのあらゆる変化を同定する。
毒性または病理学上の影響を有する刺激の決定は、例えば新しい医薬品および治
療のスクリーニングおよび開発において有用である。
【0009】 本発明の方法で使用するゲノム(またはcDNA)ライブラリー由来の哺乳類
遺伝子配列断片のアレイまたはグリッドは高密度DNAアレイまたは遺伝子であ
ってよい。
【0010】 別の態様においては、哺乳類細胞への曝露における共通する毒性または病理学
上の影響(例えば肝細胞毒性)を生じる刺激(例えば、化学的または医学上の化
合物)の「クラス」について上記の方法を実施する。該方法は、例えば肝細胞毒
性の刺激についての「フィンガープリント」ハイブリダイゼーションパターンを
生じる。したがって、薬剤開発の初期の段階で試験ハイブリダイゼーションパタ
ーンを上記フィンガープリントと比較することにより、哺乳類細胞において肝細
胞毒性を生じる見込みについて、試験候補薬剤組成物をスクリーニングできる。
上記フィンガープリントと試験パターンとの類似性によって、候補薬剤の考慮か
らの早い時期での排除が可能になり、したがって非肝細胞毒性化合物のみを薬剤
開発に進めることができる。
【0011】 さらに別の態様においては、本発明の方法を実施して、ある外因性の刺激に特
有な毒性の影響に最もよく応答する遺伝子を同定することができる。
【0012】 さらなる態様においては、本発明は、化学的および医薬上の刺激と同様に様々
な異種の物理的刺激の起りうる毒性または病理学上の影響を同定する方法を提供
する。
【0013】 その他の本発明の目的、特徴、効果および態様を、以下の記載から当業者に明
らかにする。しかしながら、以下の記載や具体例、さらに示されている好ましい
実施態様は説明の目的でのみ記載していると理解されるべきである。開示した発
明の精神や範囲内での様々な変更や修飾は、以下の説明や本明細書の他の部分を
読むことにより当業者にとっては容易に明らかになるであろう。
【0014】 本発明は、DNAグリッディング技術を用いた、哺乳類対象での遺伝子発現に
おけるあらゆる環境要素または刺激の影響を評価する方法を提供することにより
、本分野の要求に応じるものである。下記にように用いる、かかる技術は、試験
化合物に対する応答を示す遺伝子の同定を可能にし、試験化合物に対する応答に
おける既知の生理的影響に特有のハイブリダイゼーションパターンの同定を可能
にし、所定の選択した毒性の影響の「フィンガープリンティング(fingerprinti
ng)」を可能にする。フィンガープリントは新しい化合物または薬剤候補の起り
うる毒性についてのスクリーニングおよび他の環境刺激の遺伝子転写における影
響についてのスクリーニングにおいて有用である。これによって得られた情報を
、医薬産業において使用して新しい薬剤を同定でき、作業環境の職業上の安全評
価に使用でき、また、ヒトおよびその他の哺乳動物に有害な影響を及ぼす環境刺
激を測定して是正する必要がある他の産業および状況において使用できる。
【0015】 本明細書を通じて使用するいくつかの語句を以下に定義する:
【0016】 本明細書で使用する「遺伝子」なる用語は、cDNA配列を導くゲノムヌクレ
オチド配列をいう。遺伝子なる用語は古典的には過程上で異なるRNAを生産で
きるゲノム配列をいう。
【0017】 「遺伝子産物」なる用語は、遺伝子によってコードされるあらゆるポリペプチ
ド配列、ペプチドまたはタンパク質をいう。「ゲノムライブラリー」なる用語は
プラスミドライブラリー、ゲノムライブラリー由来のPCR産物、cDNAライ
ブラリーおよび既知の配列を包含するが、これに限定されるものではない。かか
るライブラリーの構築方法は当業者に周知である。ゲノムライブラリーを調整し
て、単一のゲノム挿入に存在する全遺伝子の数を最少にし、ほぼ1遺伝子にでき
る。この調整技術は当業者に周知である。
【0018】 「単離」とは「人間の手によって」その天然の状態から改変されたことを意味
する。すなわち、それが天然に存在する場合、それが改変、あるいはその元の環
境から移動させられているか、その双方であることを意味する。例えば、本来の
状態で生存動物に天然に存在するポリヌクレオチドやポリペプチドは「単離」さ
れたものではないが、その本来の状態で共存する物質から分離された、その同一
のポリヌクレオチドやポリペプチドは、本明細書で用いる用語である「単離」さ
れたものである。例えば、ポリヌクレオチドであれば、単離なる用語は、それが
天然の状態で存在する染色体や細胞から分離されることを意味する。
【0019】 本明細書で用いる「病原性の影響」または「病理学上の影響」なる用語は、疾
病または疾患を引き起こしうる遺伝子発現における変化をいう。以下に詳細に記
載するように、該変化は哺乳動物または哺乳類細胞をある種の環境刺激に曝露す
ることによる。
【0020】 本明細書で使用する「固体支持体」なる用語は、固定化ポリヌクレオチド配列
と試料中の他のポリヌクレオチドとの検出可能なハイブリダイゼーションを可能
にする任意の利用可能な方法による、ゲノムライブラリーから得た複数の明らか
な物質の固定化に有用なあらゆる物質をいう。多くの利用可能な固体支持体の中
で、一の好ましい例は、1991年5月30日に公開された国際特許出願WO9
1/07087に記載された支持体である。他の有用な支持体の例は、ニトロセ
ルロース、ナイロン、ガラス、シリカおよびポール・バイオダイン(Pall BIOD
YNE)Cメンブレンを包含するが、これらに限定されるものではない。本発明に おいて慣用的な固体支持体をさらに改良することもまた予期される。
【0021】 「グリッド」なる用語は、ゲノムライブラリーの明らかな物質を結合または固
定化した固体支持体上の通常2次元のあらゆる構造をいう。好ましくは本発明に
従い、3タイプのグリッドが有用である。本発明において有用な一のグリッドは
その明らかなオリゴヌクレオチド物質として、同定された全ヒト遺伝子由来の特
徴的な核酸配列[または「タグ」;またはエクスプレスド・シーケンス・タグ(
EST)を含む。第2の有用なグリッドは組織またはセルラインからクローン化
した遺伝子由来の特徴的な核酸ESTを含む。さらに本発明において有用な第3
のタイプのグリッドは、選択した環境毒性に特に関連するものとして分類された
遺伝子由来の特徴的な核酸タグを含む。好ましくは、化合物安全性の前臨床評価
に使用される動物種からグリッドを構築する。
【0022】 本明細書で使用する「予め定めた領域」なる用語は、特定の増幅遺伝子領域も
しくは配列の1種または多種のコピーを固定化し、そのクローンの試料ポリヌク
レオチドへのハイブリダイゼーションが起る場合にはその位置でクローンがハイ
ブリダイゼーションできるようにした固体支持体上に配置された領域をいう。
【0023】 「固定化」なる用語は遺伝子の固体支持体への結合をいうことを意図する。固
定化手段は当業者にとって既知および慣用的であり、使用する支持体のタイプに
依存する。
【0024】 本明細書で使用する「環境要素」または「環境刺激」なる用語は、哺乳動物自
身またはかかる哺乳類細胞の培養物が当該要素に曝された場合に哺乳類細胞にお
いて遺伝子転写の変化を生じさせる、多様な物理的、化学的または生物学的要素
をいう。例えば、物理的環境刺激は、哺乳動物の食物、温度の上昇または低下;
電離放射線または紫外放射線に対する曝露の増加または減少、などを包含しうる
がこれに限定されるものではない。生物学的/化学的刺激は、哺乳動物への導入
遺伝子の投与、または哺乳動物からの遺伝子の除去;外来性合成化合物または外
来性因子または内在性化合物、因子もしくはそのアナログの哺乳動物への投与を
包含しうるがこれに限定されるものではない。
【0025】 例示すると、外来性合成化合物は、医薬上の化合物、毒性の化合物、タンパク
質、ペプチド、化学組成物などでありうる。外来性因子は遺伝子転写を変化させ
うる微生物病原体のごとき天然の病原体を包含しうる。病原体の例は、哺乳動物
に感染して当該哺乳動物の細胞または組織内で自身の核酸配列を複製できる細菌
、ウイルス、ならびに真菌、酵母、カビおよび単純な多細胞生物のごとき下等真
核細胞を包含する。かかる病原体は一般的に感染哺乳動物の病状に関連する。
【0026】 内在性化合物は、体内で自然に生じる化合物である。その例は、ホルモン、酵
素、レセプター、リガンドなどを包含する。アナログは、好ましくは組換え技術
によって生産される内在性化合物であり、上記の自然に生じる内在性化合物とは
幾分異なる。
【0027】 「転写上の影響」とは、刺激に曝された哺乳類細胞における転写速度の増加ま
たは減少をいう。
【0028】 本明細書で用いる「フィンガープリント」は、共通する毒物学的応答、すなわ
ち類似する組織損傷の結果を与える遺伝子転写の類似する増加を表す、グリッド
上の特徴的なハイブリダイゼーションパターンとして定義される。例えば、本明
細書に記載した方法を使用して、肝臓に毒性の影響を有すると思われる化合物を
同定するために使用できる「肝細胞毒性」フィンガープリントなどを作ることが
できる。
【0029】 本明細書で用いる「標識」とは、容易にmRNAに結合して検出可能なシグナ
ルを生じることができ、その強度がグリッド上のDNA断片(オリゴヌクレオチ
ド)へのmRNAのハイブリダイゼーションの相対量を表す慣用的なあらゆる分
子をいう。好ましい標識は蛍光分子または放射性分子である。様々な周知の標識
を使用できる。
【0030】 発明の方法: A.グリッド 本発明に従い、選択した環境刺激を遺伝子転写の変化に関連付けられる方法を
提供する。この技術の特有の適用の1つは、上記の刺激のごとき環境操作および
修飾に対する毒性反応の理解と予測である。別の適用は前臨床および臨床薬剤開
発におけるもので、別の刺激の影響との比較により本発明の方法が遺伝子転写に
おける類似する毒性の影響を有する化合物のスクリーニングを可能にする。
【0031】 本方法の実施において、複数の同一グリッドを調製し、予め定めた領域に固定
化した複数の特徴的で明らかな遺伝子(オリゴヌクレオチド)配列を各グリッド
の固体表面上に荷した。グリッド上に固定化した遺伝子配列は上記の通り、すな
わち全ヒトもしくは他の哺乳類遺伝子由来、または選択した組織(例えば、網状
赤血球または肝臓)または選択したセルライン由来、または環境毒性(例えば、
肺、腎臓、心臓、血球)に関連することが既知の遺伝子由来などの特徴的な核酸
タグのごときである。グリッド上に固定化したこれらの遺伝子または遺伝子断片
は哺乳動物種、例えばヒトの正常な構成員のオリゴヌクレオチドライブラリーか
ら得ることができる。他の目的の哺乳動物は、ヒト以外の霊長類、齧歯動物、イ
ヌを包含する。
【0032】 本発明の目的のためには、グリッドが単一の標的組織を反映する必要はないが
、かかる特異的な標的グリッドを使用することもできる。遺伝子転写に影響する
様々な環境刺激に対する哺乳類細胞の応答は他の細胞の遺伝子のありふれたもの
であることが予期される。したがって、特定の毒物学的影響が肝臓または他の特
定の組織に対する損傷である場合でも、赤血球、白血球、網状赤血球または未分
化細胞からグリッドを調製できる。別法として、肝細胞のみから、または影響を
受けた器官または組織のみからかかるグリッドを調製することもできる。すべて
のグリッドは、肝細胞毒性であることが既知の薬剤または刺激に対する曝露にお
ける同じハイブリダイゼーションパターンを表すことが予期される。このことは
は、毒物学的損傷のタイプ、例えば、心臓損傷、腎臓損傷、造血細胞損傷などに
関わらず同様である。
【0033】 既知の技術を用いて、グリッド上に固定化される遺伝子断片を標的哺乳動物の
ランダムcDNAライブラリーから得ることができる。別法として、グリッド上
に固定化する配列のソースとして、選択した器官または組織由来の遺伝子のcD
NAライブラリーを調製することができる。Sambrookら(MOLECULAR CL
ONING, A LABORATORY MANUAL, 2nd Ed; Cold Spring Harbor Laboratory Press,
Cold Spring Harbor Lab Press, Cold Spring Harbor, NY 1989)によって開示
されているような分子生物学の標準的方法を用いて、RNAを単離し、cDNA
に逆転写する。ついで、Fleischmannら(Science, 1995, 269:496-5
12.)によって開示された方法に従って、cDNAライブラリーを構築する。本 発明の目的では、cDNAライブラリーはプラスミドライブラリー、cDNAラ
イブラリー由来のPCR産物、または既知の配列を含みうる。
【0034】 既知か無作為で未知かに関わらず、選択したライブラリー由来の複数の遺伝子
または遺伝子断片を、固体支持体表面上の予め定めた位置または領域に、好まし
くは6×範囲でグリッドに据える。「ゲノムライブラリー由来の複数の物質」と
は、固体支持体表面上の予め定めた位置または領域にスポットして生育させた個
々のクローン;または固体支持体表面上の予め定めた位置または領域に固定化し
た、上記のライブラリーから単離したプラスミドクローン、プラスミドクローン
由来のPCR産物、またはプラスミドクローン配列由来のオリゴヌクレオチドを
包含することを意図するが、これに限定されるものではない。発癌、アポトーシ
ス、炎症、化合物の代謝などに関する遺伝子の選択として使用することができる
【0035】 本発明で用いるグリッドは、例えば5,000の遺伝子または遺伝子断片を含
む。グリッドは、好ましくは1,500までの遺伝子または遺伝子断片、例えば
100〜1,500の遺伝子または遺伝子断片、より好ましくは約1,000の
遺伝子または遺伝子断片を含む。
【0036】 多くの慣用方法を用いてこれらの遺伝子配列(オリゴヌクレオチド)を様々な
固体支持体表面に固定化する。例えば、Affinity Techniques, Enzyme Purifica
tion: Part P, Methods in Enzymology, Vol. 34, W.B. Jakoby, M. Wilcheck 編, Acad. Press, NY (1971);Immobilized Biochemicals and Affinity Chroma
tography, Advances in Experimental Medicine and Biology, Vol. 42, R. Dun
lap編, Plenum Press, NY (1974);米国特許第4,762,881号;米国特許第4,542,1
02号; ヨーロッパ特許公開第391,608号(1990年10月10日);または米 国特許第4,992,127(1989年11月21日)を参照。
【0037】 これらの物質を固体支持体に結合させる好ましい方法の1つは、国際出願PCT/
US90/06607(1991年5月30日公開)に記載されている。要するに、この方 法は、固体支持体表面上の物質を固定化できる予め定めた領域の形成に関する。
該方法は、予め定めた領域の選択的活性化を可能にする、表面へ結合させた結合
物質を利用する。活性化において、これらの結合物質は、ゲノムライブラリー由
来の物質を結合して固定化することが可能になる。
【0038】 当業者は、ハイブリダイゼーション用に、表面上の予め定めた領域でヌクレオ
チド配列を結合するのに適した既知のあらゆる固体支持体と、それに核酸配列を
結合させる方法を本発明に従って使用できる。
【0039】 上記のように、遺伝子または遺伝子断片は機能が既知または未知であってよい
。本方法は、毒性に特有の経路を調べることができるものではなく、環境要素へ
の応答における遺伝子発現のパターンの違いを調べるものなので、フィンガープ
リンティング法においては、すべての遺伝子の機能を知ることは必要でない。
【0040】 B.グリッドへのハイブリダイゼーション用のmRNAの入手 転写の変化について試験する選択した哺乳類細胞、組織または器官を十分な時
間環境刺激に課して細胞内のメッセンジャーRNAの転写に影響を与える。正常
な生存動物またはヒトを刺激に対して処理し、または曝すことによって、この「
曝露」段階を行うことができる。例えば、選択した哺乳動物に、上記のごとき外
来性のまたは内在性の化合物を投与できる。別法として、哺乳動物を物理的刺激
、例えば紫外線照射に曝すことができる。
【0041】 別法として、哺乳類細胞培養物または組織培養物、または生存器官(例えば、
肝臓、心臓など)をインビトロで刺激に曝すことができる。対照mRNAソース
は非処理動物、組織、器官または細胞培養物である。
【0042】 特有の身体的影響(例えば、肝細胞損傷、癌など)を引き起こす刺激たりうる
ことが知られている環境刺激への曝露を十分な時間行い、このように曝露した細
胞を正常な転写レベルから変化させる。この十分な時間は実験を行う特定の刺激
に依存し、実際には十分な刺激時間の決定は当業者に周知である。
【0043】 mRNAソースが細胞培養物である場合、ついで、選択した組の、インビトロ
またはインビボの定められた条件下でインキュベートし、試験培養物を生産する
。さらに、非曝露細胞を同じ組の定められた条件下で培養し、対象培養物を生産
する。「定められた条件」とは、正常(すなわち非発病性の)として認識される
標準的なインビトロ培養条件、ヒートショック、栄養要求、浸透圧ショック、抗
生物質もしくは薬剤選択/様々な炭素原の添加、および好気的または嫌気的条件
のごときインビボの発病の設定(条件)を反映または模倣するインビトロの条件
ならびにインビボの発病の条件をいうが、これらに限定されるものではない。非
曝露細胞の最大の増殖が可能となるように、かかる条件を予め定めることが好ま
しい。
【0044】 ついで、慣用手段によって、動物、器官、組織または細胞培養物から細胞を収
集する。細胞の様々な増殖段階に収集を行い、異なる増殖段階における特定の遺
伝子の不可欠性を確認できる。例えば、対数増殖期初期、対数増殖期後期、定常
期増殖、定常期後期増殖において収集を行う。ついで、当業者に既知の標準的な
方法論を用い、対照培養物の収集非曝露細胞からRNA(またはDNA)を抽出
し単離し、試験培養物の、刺激へ曝露した細胞からRNAを抽出し単離する。
【0045】 ついで、対照培養物の細胞および試験培養物の細胞から抽出したmRNAを用
いて標識プローブを生産する。対照および試験細胞由来のmRNAを用いて標識
プローブを生産する場合、ランダムプライマー、好ましくは六量体、および逆転
写酵素を用いる標準的な方法に従って、単離したmRNAを標識する。かかる方
法は当業者によって慣用的に実施される。ニックトランスレーション、マルチプ
ライム標識またはその他の一般的に用いられる酵素的標識方法論のごとき慣用手
段によって「対照」または「曝露」ソース由来の全RNAを無作為に標識する。
mRNA配列を標識する既知の慣用方法を用いて、固定化された物質のハイブリ
ダイゼーションを検出可能にできる。例えば、本発明において、蛍光、放射性、
光活性化、ビオチニル化、エネルギー移動、半導体を用いた回路などを用いるこ
とができる。
【0046】 C.グリッドへのハイブリダイゼーション ついで、これらの標識mRNAを同一の高密度グリッドに対するハイブリダイ
ゼーションプローブとして用いる。試験培養物から抽出したmRNAから調製し
た標識プローブを1のグリッドにハイブリダイズさせて、「試験」ハイブリダイ
ゼーションパターンを生産する。対照培養物の細胞から抽出したmRNA由来の
標識プローブを第2の同一のグリッドにハイブリダイズさせて、「対照」ハイブ
リダイゼーションパターンを生じさせる。
【0047】 ついで、生産した試験ハイブリダイゼーションパターンおよび対照ハイブリダ
イゼーションパターンを比較する。対照パターンにおいて、mRNAは、正常細
胞における所定の遺伝子のmRNAの発現に比例してグリッドのかかる遺伝子ま
たは遺伝子断片に結合する。グリッドの残余におけるその他よりも多い量で正常
に発現しているこれらの遺伝子のグリッド上の位置で検出可能なシグナル(例え
ば蛍光)の量の増加によってこのパターンを検出できる。
【0048】 試験グリッドにおいては、刺激によって転写が促進された遺伝子は、より多量
の標識mRNAによる結合を受け、刺激によって転写が制限された遺伝子は、よ
り少量の標識mRNAによる結合を受け、これによりハイブリダイゼーションパ
ターンが対照のものから変化する。試験パターンと対照パターンとの比較により
、グリッド上の予め定めた位置に位置する所定の遺伝子の転写における試験化合
物の効果が明らかになる。
【0049】 D.フィンガープリント したがって、試験化合物または刺激が、生理的な影響、例えば主要な組織(例
えば、肝臓、心臓、心臓、血球)の損傷に至る対象の毒性の応答を引き起こすこ
とが知られている刺激である場合、本発明の方法を実施して、その損傷と相関す
るハイブリダイゼーションパターンを得ることができる。最も好ましくは、本発
明に従った前臨床薬剤スクリーニングのために、既知の同じ生理学的影響、例え
ば、肝細胞毒性、を有する構造的に異なる毒物を本方法に用いて、肝細胞毒性刺
激に特徴的な「フィンガープリント」ハイブリダイゼーションパターンを生産で
きる。
【0050】 かかる既知の毒物に共通のハイブリダイゼーションパターンを生産したい場合
、グリッドの組を、同じ病理学上/毒物学上の応答;例えば肝細胞毒性または腎
毒性を生じさせる種々の構造の毒物のレパートリーを用いて較正する。換言すれ
ば、既知の毒物に曝した哺乳類細胞ソース由来の標識RNAを同一のグリッドに
ハイブリダイズさせて、共通の毒物ハイブリダイゼーションパターンを生産する
。種々の既知の毒物が特徴的な共通のハイブリダイゼーションパターンを生じる
場合、共通の毒物学的応答は、類似の組織損傷に至る、選択された遺伝子の転写
における類似の増加の結果であると考えられる。この毒物学的なフィンガープリ
ントパターンを「対照」パターンと共に使用して、機能または結果が未知の試験
化合物/刺激のパターンと比較できる。したがって、例えば肝細胞毒性について
の共通のフィンガープリントを用いて機能または影響が未知の刺激をスクリーニ
ングし、その刺激が哺乳動物において肝細胞毒性を生じると思われるかどうかを
決定できる。
【0051】 「試験」パターンにおける肝細胞毒性フィンガープリントの類似性により、試
験化合物を肝細胞毒性化合物として推定的に同定できる。したがって、試験化合
物が薬剤候補であった場合、グリッド上で測定された遺伝子転写における影響に
基づき、薬剤開発の初期の段階で、その化合物を考慮から排除することができる
。同様に、放射などのごとき環境要素が例えば作業空間に存在する場合、本方法
により試験化合物または刺激を起りうる健康の危険として同定し、是正できる。
【0052】 したがって、本方法に従い、すべての既知の毒物について一群のフィンガープ
リントハイブリダイゼーションパターンを調製できる。肝臓損傷、腎臓損傷、造
血系の損傷などを生じるその他の既知の刺激についての標準フィンガープリント
との比較による上記の方法により、考えられる毒物学上の影響について、あらゆ
る新しい薬剤候補またはその他の環境刺激をスクリーニングできる。かかるスク
リーニング方法により環境刺激、特に新しい薬剤候補の迅速で初期の排除が可能
になる。
【0053】 フィンガープリントハイブリダイゼーションパターンをデータベースに蓄積し
、自動データ処理によりパターンマッチングを実施できる。
【0054】 E.本方法の前臨床の具体例 特に好ましい本発明の方法の具体例においては、本発明の方法を用いて、血球
での遺伝子発現における化合物の薬理学上適切な濃度のインビトロの影響を試験
する。上記のように核を有する血球、例えば網状赤血球、白血球を種々の毒物に
曝すことにより、本方法論によって、遺伝子発現フィンガープリントを開発する
。結果として得られたフィンガープリントをその後使用して、新規な化合物が類
似の病理学上の反応も生じると考えられるかどうかを予測する。その情報は、毒
性の正確で早い予測を通じて、臨床開発に進めるべき化合物についての決定を補
助し、診療所における安全性を高める。
【0055】 本発明の別の具体例は、血球での遺伝子発現における化合物の薬理学上適切な
濃度のインビトロの影響の分析である。
【0056】 本方法によって同定された遺伝子およびタンパク質: さらに別の具体例においては、上記の方法、および/または所定の選択した毒
性について生産したフィンガープリントは、化合物の毒性に重要な影響を有しう
る新規の遺伝子の同定に有用である。上記のごとき本発明の構成および方法の適
用により、1以上の既知の毒物の毒性の結果に著しく反応性である、あらゆる単
離遺伝子配列のごとき他の構成をも提供する。
【0057】 例えば、好ましい具体例においては、本発明は臨床上の設定で有用である。遺
伝子発現グリッドは、ヒト試験の少数の患者における病理学上の反応および毒性
の発生の根底にある機構の同定を助けることができる。ヒトグリッドを使用し、
臨床試験における質問で副作用の経験があることが分かっている患者/ボランテ
ィア由来の細胞における遺伝子発現を残りの正常な者からの遺伝子発現と比較で
きる。理想的には上記のように標的組織の細胞からmRNAを得るが、転写が変
化した血球、例えば白血球から得たmRNAを含んでもよい。影響を受けた患者
対正常な患者についてのハイブリダイゼーションの比較により、明らかな遺伝フ
ィンガープリントまたは有意な程度まで相違して発現した遺伝子を得ることがで
きる。
【0058】 本発明の具体例は、本明細書に記載した方法によって同定したあらゆる遺伝子
配列である。毒性反応に関するこれらの遺伝子配列を用いて、慣用方法により完
全長cDNAクローンを得る。その遺伝子をさらに詳細に、例えば並列決定およ
び変異分析を通じて研究できる。
【0059】 これらの遺伝子配列を慣用方法に使用して、それによってコードされる単離タ
ンパク質を生産できる。本発明のタンパク質を生産するためには、本発明の方法
を用いて同定された本発明の目的の遺伝子またはその一部のDNA配列を適当な
発現系に挿入する。好ましい具体例においては、タンパク質をコードするヌクレ
オチド配列をヒトタンパク質を発現させる異種発現調節配列に実施可能に連結し
て組換え分子またはベクターを構築する。哺乳類(ヒトを含む)、昆虫、酵母、 真菌および細菌発現用の、多くのタイプの適切な発現ベクターと宿主細胞系が当
業者に既知である。
【0060】 哺乳類、細菌、真菌または昆虫のいずれかに関わらず、適切な宿主細胞または
適切なウイルスへのこれらのベクターの形質移入の結果として選択したタンパク
質が発現する。形質移入に適切な宿主細胞、セルラインおよびウイルスならびに
、かかる宿主細胞およびウイルスの構築および形質移入の方法は当業者に周知で
ある。形質移入、培養、増幅、スクリーニングならびに生産物の生産および精製
の適切な方法もまた当業者に既知である。
【0061】 一の実施例においては、本発明によって同定された必須の遺伝子およびこれに
よってコードされるタンパク質を、慣用の診断分析による疾病または感染の診断
に有益な診断用組成物として用いることができる。例えば、動物の生物学的試料
中の本発明の遺伝子配列またはタンパク質を検出可能に標的にする診断用試薬を
開発できる。かかる試薬は、相補ヌクレオチド配列、抗体(モノクローナル、組
換え体またはポリクローナル)または化学的に誘導されたアゴニストまたはアン
タゴニストであってよい。別法として、必須の遺伝子およびこれによってコード
されるタンパク質、その断片またはその相補配列自身を診断用試薬として使用で
きる。所望により、これらの試薬を例えばラジオアイソトープまたは比色定量用
酵素を用いて検出可能に標識できる。適切な診断分析形式および検出系の選択は
この分野の技術常識範囲内であり、診断における豊富な手段によって、さらなる
説明を必要とすることなく容易に選択できる。
【0062】 さらに、本発明によって同定された遺伝子およびタンパク質を治療的に用いる
ことができる。たとえば、本方法に従って必須であるとして同定された遺伝子と
これによってコードされるタンパク質を、環境刺激への曝露に関連する疾病状態
の治療のための治療用薬剤として有用性を有する天然または合成化学化合物のス
クリーニングおよび開発の標的として供することができる。例えば、必須の遺伝
子によってコードされ、その結果生物学的活性を妨げるタンパク質に結合できる
化合物は、環境刺激への哺乳類細胞の曝露の結果である疾病または疾患を予防す
る薬剤成分として有用である可能性がある。別法として、必須遺伝子の発現を阻
害する化合物はまた治療上有用であると考えられる。さらに、生物の生育に必須
の遺伝子の発現を促進する化合物もまた特定の生物の生育を調節するために使用
できる。
【0063】 かかる薬剤のスクリーニングおよび開発のために慣用的な分析および技術を使
用できる。例えば、これらの遺伝子配列によってコードされるタンパク質に特異
的に結合または阻害する化合物の同定方法は、選択したタンパク質または遺伝子
産物を試験化合物に接触させ、試験化合物のタンパク質への結合を可能にする段
階;タンパク質への結合があるとすれば、タンパク質に結合した試験化合物の量
の決定段階、を単純に含みうる。かかる方法は試験化合物および固体支持体に固
定化されたタンパク質のインキュベーションを含みうる。さらに、他の薬剤スク
リーニングの慣用的な方法は、適切なコンピュータープログラムを使用した、遺
伝子産物またはその一部の構造と類似するまたは相補的な構造を有する化合物の
決定、およびそのタンパク質に拮抗的に結合する化合物のスリーニングを含みう
る。同一の化合物を単独で、または他の活性成分とともに適切な治療上の処方に
取り入れることができる。治療上の組成物の処方の方法と適切な医薬上のキャリ
アーなどは当業者に周知である。
【0064】 したがって、かかる方法の使用を通じて、本発明は、これらの遺伝子、コード
されたタンパク質またはその断片と相互作用し、および生物学的活性を促進また
は抑制する化合物を要望通り提供すると考える。したがって、これらの化合物も
また本発明に包含される。
【0065】 以下に限定されるものではないが、本明細書で引用した特許および特許出願を
含む全ての刊行物は、個々の刊行物が具体的におよび個別的に、完全に記載され
ているものとして出典明示により本明細書に組み込む。
【0066】 本発明の多くの修飾および変形は上記で明らかにした明細書に含まれ、また当
業者にとって明白であると考えられる。本発明の組成物と方法のかかる修飾と変
更は特許請求の範囲に包含されると考えられる。
【0067】 本発明を以下の例によって説明する。
【0068】 例 マイクロアレイを用いる遺伝子発現測定 クローン化する配列のソース いくつかのソースから配列を得た。IMAGEクローン(細菌プラスミドに挿
入されたヒト由来cDNA)を2重にリサーチ・ジェネティックス(Research G
enetics)から入手した。ストックを寒天プレート上にまき。クローン当り3つ のコロニーを遺伝子特異的プライマーを用いてPCRスクリーニングし、正しい
配列を含むクローンを決定した。ついで、ポジティブクローンを配列決定(AB
I自動シーケンサー)し、クローンが正しいことを確かめるために配列データベ
ースで確認した。PCRによってSBヒトcDNAから6クローンをデノボ(de
novo)調製した。遺伝子特異的プライマーを用いた逆転写酵素−PCR(RT −PCR)によって種特異的RNAラット、マウスおよびイヌクローンをデノボ
(de novo)調製し、配列の確認も行った。グリセロールストックとして正しい クローンを含むストックを調製した。合計でマイクロアレイは45の異なる哺乳
動物遺伝子および5の酵母遺伝子配列を表す77配列からなる。
【0069】 マイクロアレイ用DNAの調製 BSKおよびpT7T3(Pharmacia)に特異的なベクタープライマーの混合 物を用い、パーキン・エルマー9600サーマル・サイクラー(Perkin Elmer 9
600 Thermal Cycler)上の96穴プレートでDNAを増幅した。全反応容量は1
00μlで、以下:正しいクローンを含むストック由来の培養物 1μl、10
×PCR緩衝液(10×=300mM トリシン、20mM 塩化マグネシウム
。50mM βメルカプトエタノール) 10μl、パーキン・エルマー(Perk
in Elmer)Taqポリメラーゼ(5U/μl) 0.5μl、200μM dN
TP’s(Amersham)、ユニバーサルフォワードおよびリバース(Universal Fo
rward and Reverse)とファルマシア(Pharmacia)pT7T3ベクターに対して
作成した2つのプライマーとを含む各プライマー 50μg を含む。38増幅
サイクルを実行した:94℃で2分間 開始時の浸漬(1サイクル);94℃で
35秒間(自動増加 サイクル当り1秒間);55℃で30秒間;72℃で1分 45秒間(自動増加 サイクル当り1秒間)および72℃で10分間 終了時の 延長期間。
【0070】 アガロースゲルによってPCR収率および特異性を確かめ、以下のようにヌン
ク(Nunc)96穴V底プレート中で生産物をエタノール沈殿させた。PCR反応
物 100μlに3M酢酸ナトリウム 10μlを添加し、混合し、ついで10
0%エタノール 275μlを添加し、再び混合した。プレートを−20℃で2
0分間静置し、ベックマン・マイクロプラス・キャリアー(Beckman Microplus
carriers)を用いてベックマン(Beckman)GS−6R卓上遠心機で3000r pm、4℃で30分間遠心した。穴(well)の底のペレットを目視して、70%
エタノール 50μlで洗浄し、再び3000rpmで20分間遠心した。ペレ
ットを風乾し、蒸留水に300ng/μlで再懸濁した。
【0071】 マイクロアレイの調製 各懸濁PCR産物の部分標本10μlを等容量の11M NaSCN(J. T.
Baker)と混合し、96穴マイクロプレート(Nunc)の各穴に入れた。各試料の 約1nlを高速ロボティックス(robotics)(Dynamics Generation II Microar
ray System)を用いて、シラン処理(3−アミノプロピル トリメトキシ シラ
ン 処理)したグラススライド上に配列した。各配列要素の平均直径を測定する
と、215ミクロンであり、スポット中心間の距離は500ミクロンであった。
プリント後、スライドを風乾し、80℃で2分間真空乾燥機中に置いた。ハイブ
リダイゼーションの前に、スライドを10分間イソプロパノ−ル中で洗浄し、d
dH2O中で5分間煮沸し、風乾した。
【0072】 cDNAプローブの調製 発蛍光団の存在下で逆転写と標識を同時に行ってプローブを調製した。Gib
coBRL SuperscriptII(商標)キット(第1鎖cDNA合成
用プレ増幅システム)を用いて、下記のようにこの反応を実施した。
【0073】 Quiagen(商標)精製した試料RNA 10μgをDEPC処理水中で
固定オリゴdt20(Cambio)2μgと混合し、最終容量を11.2μlとした。
この混合物を65℃で10分間加熱し、1分間氷中にもどした。
【0074】 PCR反応混合物を調製し、使用時まで氷上に保持した:×10PCR緩衝液
(キットで供給) 2μl、25mM MgCl2 2μl、dNTPミックス(
各最終濃度500μMのdATP、dGTPおよびdTTP、最終濃度280μ
MのdCTPを与える) 1μl、Cy3(商標)dCTP(Amersham) 0. 8μl(最終濃度40μM)および0.1M DTT 2μlで、全容量7.8 μl。
【0075】 PCR反応混合物 7.8μlに、氷上で、アニーリングしたRNA(11.
2μl)を添加し、緩やかに混合し、ついで39.5℃で5分間インキュベーシ
ョンした。1μlのSuperscriptII(商標)(200U/μl)を
添加し、穏やかに混合し、この混合物を39.5℃でさらに60分間インキュベ
ーションした。さらに1μlのSuperscriptII(商標)を添加し、
39.5℃でさらに60分間インキュベーションした。68℃で5分間Supe
rscriptIIを不活性化し、熱により反応を停止させた。
【0076】 RNaseH(2U/μl)を添加し、39.5℃で20分間インキュベーシ
ョンし、製造者の使用説明書に従ってQuaquick(商標)PCRカラムを
通過させてプローブを精製した。
【0077】 リボプローブ・インビトロ転写システム(Riboprobe in vitro Transcription
System)(Promega)を使用し、クローン化したYGL097、YDR432、
YML113、YFL021およびYGR014cDNAのインビトロの転写に
よって、酵母対照RNAを作成した。質を保証する目的で、反応物に酵母RNA
を各々1:1,00、1:1,000、1:5,000、1:10,000および1
:20,000(wt/wt)の割合で添加した。反応物を39.5℃で60分 間インキュベーションした後、さらに1μlのSuperscriptII R
Tを添加し、さらに39.5℃で120分間インキュベーションした。反応の停
止後、1μlのRNaseA(10μg/μl)および1μlのRNaseHを
添加して、39.5℃で20分間インキュベーションした。製造者の使用説明書
に従って反応物をQuaquickPCR精製キット(Qiagen)に通して、取り
込まれなかった標識を除去した。プローブ中に取り込まれなかったヌクレオチド
が全く無いことを確実にするために、プローブを減圧乾固する前に、上記の方法
を繰り返した。
【0078】 ハイブリダイゼーション プローブを乾燥して、12μl(完全長カバーグラス用)または4μl(小カ
バーグラス用)のハイブリダイゼーション緩衝液(5×SSC、0.1% SD
S、0.25μM pA20)に再懸濁し、100℃で5分間インキュベーショ
ンした。プローブ混合物をピペットでマイクロアレイ表面上に移し、カバーグラ
スを被せて、合成ゴム接着剤で密封した。マイクロアレイをハイブリダイゼーシ
ョンオーブンに移して、42℃で15時間インキュベーションした。
【0079】 洗浄 接着剤とカバーグラスを取り除き、マイクロアレイスライドを室温で低ストリ
ンジェンシー(stringency)緩衝液(2×SSC、0.1%SDS)浴中に間浸
し、該スライドを5分間インキュベーションした。ついで、スライドを平床振盪
機上の高ストリンジェンシー(stringency)洗浄液(0.5×SSC、0.1%
SDS)中で5分間洗浄した。高ストリンジェンシー(stringency)洗浄を繰り
返した後、すぐにマイクロアレイスライドを50mlファルコン(Falcon)試験
管に入れ、遠心(200×gで2分間)して残った洗浄緩衝液を完全に除去した
【0080】 データ収集 モレキュラー・ダイナミクス・ジェンII(Molecular Dynamics Gen II)スキ ャナーを用いてマイクロアレイからの蛍光を検出し定量した。蛍光シグナルをm
2当りの強度として測定した。各スポットのバックグラウンド測定を各スポッ ト周辺の領域で行った。
【0081】 データ分析 マイクロアレイの遺伝子発現分析 全スポット濃度の合計に対するスポット濃度の比を計算することにより、バッ
クグラウンドを差し引いた各スポットの濃度を「標準化」し、nDxA(単位面
積当りの標準化濃度)として表した。各処理および時点の各スポットについて対
照の値に対する処理の値の比(T/C)を計算した。これをスポット組1および
スポット組2について独立して行った。>2および<0.5のT/C比を有する
スポット組1配列での開始を、異なる遺伝子発現を示すものとして同定した。処
理試料および対照試料の両方について両方のスポット組でシグナルが弱い(<0
.35)場合、その試料は検出可能範囲外であるとして分析から取り除いた。正
しくない濃度値を与えうるダスト(dust)スポットまたは他の「ノイズ」につい
て、同定された各配列のスポット像を確認した。異なって発現した配列の各々を
倍の増加/減少によって分類した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 スミスクライン・ビーチャム・パブリッ ク・リミテッド・カンパニー SmithKline Beecham p.l.c. イギリス国ミドルセックス・ティーダブリ ュ8・9イーピー、ブレンフォード、ニュ ー・ホライズンズ・コート (72)発明者 ティモシー・バートラム イギリス、エイエル6・9エイアール、ハ ートフォードシャー、ウェルウィン、ザ・ フリス、スミスクライン・ビーチャム・フ ァーマシューティカルズ (72)発明者 マイケル・ジェイ・ブラウン イギリス、シーエム19・5エイダブリュ ー、エセックス、ハーロウ、サード・アベ ニュー、ニュー・フロンティアーズ・サイ エンス・パーク・サウス、スミスクライ ン・ビーチャム・ファーマシューティカル ズ (72)発明者 ピーター・バジェルスキー イギリス、エイエル6・9エイアール、ハ ートフォードシャー、ウェルウィン、ザ・ フリス、スミスクライン・ビーチャム・フ ァーマシューティカルズ (72)発明者 ポール・イングランド イギリス、シーエム19・5エイダブリュ ー、エセックス、ハーロウ、サード・アベ ニュー、ニュー・フロンティアーズ・サイ エンス・パーク・サウス、スミスクライ ン・ビーチャム・ファーマシューティカル ズ (72)発明者 イアン・ミッチェル イギリス、エイエル6・9エイアール、ハ ートフォードシャー、ウェルウィン、ザ・ フリス、スミスクライン・ビーチャム・フ ァーマシューティカルズ (72)発明者 アンドリュー・ラット イギリス、シーエム19・5エイダブリュ ー、エセックス、ハーロウ、サード・アベ ニュー、ニュー・フロンティアーズ・サイ エンス・パーク・サウス、スミスクライ ン・ビーチャム・ファーマシューティカル ズ (72)発明者 グウィン・モーガン イギリス、エイエル6・9エイアール、ハ ートフォードシャー、ウェルウィン、ザ・ フリス、スミスクライン・ビーチャム・フ ァーマシューティカルズ Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA19 CA01 CA09 CA12 GA18 HA11 HA13 HA20 4B063 QA01 QA08 QA19 QQ02 QQ53 QQ79 QQ96 QR32 QR56 QR82 QS03 QS33 QS34 QX02 QX05 4H045 AA10 BA10 CA40 EA20 EA50 FA74

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 選択した環境要素の哺乳類対象に対する遺伝子的影響を評価
    する方法であって、 (a)各グリッドが、上記哺乳類の種の正常な構成員から得た遺伝子または遺
    伝子断片を含むオリゴヌクレオチド配列である複数の特徴的で明らかな遺伝子配
    列断片を予め定めた領域に固定化した表面を含んでなる、複数の同一グリッドを
    準備する工程と; (b)哺乳類細胞、組織または器官を、十分な時間環境要素に曝して、該細胞
    のメッセンジャーRNAの転写に影響を与える工程と; (c)工程(b)の上記曝露細胞、組織または器官からmRNAを抽出および
    単離する工程と; (d)上記要素に曝していない哺乳類細胞、組織または器官から対照mRNA
    を抽出および単離する工程と; (e)工程(c)および(d)のmRNAを標識する工程と; (f)曝露細胞、組織または器官由来の標識mRNAを第1の同一グリッドに
    ハイブリダイズさせて、グリッドの残余との対照における蛍光の増加量によって
    検出可能な第1のハイブリダイゼーションパターンを生産する工程と; (g)標識対照mRNAを第2の同一グリッドにハイブリダイズさせて、第2
    の、対照ハイブリダイゼーションパターンを生産する工程と; (h)第1のハイブリダイゼーションパターンと第2のハイブリダイゼーショ
    ンパターンとを比較して、上記の要素に曝した上記の哺乳類細胞、組織または器
    官の転写調節に対する影響を示す、対照パターンからの上記第1のパターンのあ
    らゆる変化を同定する工程とを含んでなる方法。
  2. 【請求項2】 上記グリッドがヒト遺伝子由来の特徴的な核酸配列タグを含
    んでなる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記グリッドが、選択した組織またはセルラインからクロー
    ン化した遺伝子由来の特徴的な核酸配列タグを含んでなる請求項1または2記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 上記グリッドが、選択した毒性の同定に特に関連する遺伝子
    由来の特徴的な核酸配列タグを含んでなる上記請求項のいずれか1項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 上記哺乳類細胞をインビボまたは培養中で曝露してなる上記
    請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 上記哺乳動物を曝す環境要素が、該哺乳動物の食事または物
    理的状態の変化である上記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 上記曝露工程が、 a)上記哺乳動物への導入遺伝子の投与; b)上記哺乳動物からの遺伝子の除去; c)上記哺乳動物への外来性化合物の投与; d)上記哺乳動物への内在性化合物またはそのアナログの投与;または e)上記哺乳動物または細胞の病原性微生物への曝露 を含んでなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 転写上の影響が、曝露哺乳動物細胞、組織または器官におけ
    るmRNA転写の増加または減少である上記請求項のいずれか1項に記載の方法
  9. 【請求項9】 上記哺乳動物が、ヒト以外の霊長類、齧歯動物、イヌおよび
    ヒトから選択される上記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 上記検出可能な標識が蛍光分子である上記請求項のいずれ
    か1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 上記明らかな遺伝子配列が既知の遺伝子またはその断片で
    ある上記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 上記明らかな遺伝子配列が未知の遺伝子またはその断片で
    ある上記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 選択した化合物の哺乳類対象に対する毒性の影響を予測す
    る方法であって、該方法が、 (a)哺乳類対象に対して共通する既知の毒性の影響を有し、該共通する毒性
    の影響に特徴的な共通の「フィンガープリント」ハイブリダイゼーションパター
    ンを生じる、既知で構造上異なる複数の毒物を用いるグリッドの較正により請求
    項1の方法を実施する工程と; (b)試験化合物をスクリーニングし、試験ハイブリダイゼーションパターン
    を生じさせる請求項1の工程(a)〜(f)に記載の工程と; (c)試験ハイブリダイゼーション化合物を上記フィンガープリントハイブリ
    ダイゼーションパターンと比較する工程とを含んでなり、 フィンガープリントと試験パターンとの間の実質的同一性が、上記試験化合物が
    上記共通する毒性の影響を有することを示す方法。
  14. 【請求項14】 フィンガープリントと実質的に同一であるハイブリダイゼ
    ーションパターンに基づく、初期の段階の薬剤開発からの試験化合物の排除をさ
    らに含んでなる請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 環境要素への曝露に反応して転写が変化し、および請求項
    1記載の方法によって同定される単離遺伝子配列。
  16. 【請求項16】 請求項15の遺伝子配列の発現によって生産される単離タ
    ンパク質。
  17. 【請求項17】 請求項15の遺伝子配列の発現を調節でき、上記環境要素
    に対する毒性の反応の予防において使用する治療用化合物。
  18. 【請求項18】 請求項16のタンパク質の活性を調節でき、上記環境要素
    に対する毒性の反応の予防または該毒性の反応の治療に使用する治療用化合物。
  19. 【請求項19】 請求項15の遺伝子配列を検出可能に標的にできる試薬を
    含んでなる、環境要素に対する毒性の反応の診断に有用な診断用組成物。
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