JP2006518605A - 小児聴覚障害のマイクロアレイに基づく診断および難聴遺伝子チップの構築 - Google Patents

小児聴覚障害のマイクロアレイに基づく診断および難聴遺伝子チップの構築 Download PDF

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Abstract

本発明は、難聴、特に小児難聴に伴う候補遺伝子の様々な領域に対するプライマーを含む診断アレイに関連する。本発明はさらに、難聴に対する原因または危険因子を診断するための様々な方法に関する。いくつかの実施形態において、これらの方法は、サンプルを患者から得ること;難聴に対する危険性に関連する少なくとも5個の遺伝子座の対立遺伝子の存在または非存在についてサンプルをスクリーニングして、スクリーニングの結果を得ること;および、結果に基づいて診断を行うことを含む。本発明はまた、サンプルのスクリーニングにおいて使用される多数のエキソンまたは1つだけのエキソンからの遺伝子配列の増幅に関する。

Description

本発明は、子供における先天性難聴に関連する様々な遺伝子を表す捕獲ヌクレオチド配列を含有するマイクロアレイを用いて小児聴覚障害を診断する方法に関する。
先天性難聴は合衆国における最も一般的な先天的欠損症の1つである。永久的な先天性難聴(PCHL)の発生率は1000人の生児出生あたり約1.2である。PCHLの原因は、内耳への振動の伝達における欠陥を伴う伝音性であり得るか、あるいは、内耳(蝸牛)での音の検出および/または脳への神経シグナルの伝達における欠陥を伴う感覚神経性(後迷路性)であり得るか、あるいは両方の混合であり得る(Sirimanna,KS(2002)、Semin Neonatal、6:511〜519)。子供における感覚神経性(感音性)難聴(SNHL)の全原因の半数は遺伝的起源を有する(Morton,CC(1991)、Ann NY Acad Sci、630:16〜31)。
幼児における難聴は、出生後数ヶ月間は検出されず進行し得る。聴覚異常の早期検出は、子供の人生におけるその後の聴覚困難を避けるために重要である。研究者は、幼児難聴の早期の介入およびリハビリ訓練は、聴覚障害児において見出される発達困難および行動困難のほとんどを緩和し得ることを見出している(Sirimanna,KS、同上)。生後3ヶ月までに増幅が与えられた幼児は、3歳〜4歳の間で受けた子供発達試験について正常のほぼ90%を得点した(Downs,MP(1995)、Int J Ped Otorhinolaryngol、32:257〜259)。聴覚障害児の場合、介入が早期に行われるほど、発語能力および言語能力の獲得の増強が大きくなることは明らかである。早期の介入は後での対策よりもはるかに効果的であることが示されており、従って、聴覚評価を周産期において完了することが望ましい。一例として、ハンディキャップとなっている聴覚障害を持つオハイオ州で生まれた子供の2/3もの多くが出生時には診断されていない(オハイオ州保健省幼児聴覚スクリーニング評価プログラム(IHSAP)、1998)。全国的には、ハンディキャップとなっている難聴の確認時の子供の平均年齢は2.5歳である。難聴の遅れた確認および子供の会話能力に対するその後の遅れた介入の結果は極めて大きい。そのような遅れて確認された聴覚障害児のための推定される特別な教育費用は、K-12(幼稚園から第12学年)の課程について子供一人あたり38,000ドルから220,000ドルまでに及ぶ。聴覚障害が遅れて診断された個人についての社会に対するさらなる見積もりは、主に特別な教育費用および失われた作業生産性において、100万ドルに近い。
残念なことに、幼児における難聴についてのスクリーニング手法は、実施および評価することが困難であり得るし、通常、難聴の正確な原因、その特性または重篤度に関して結論的でない。新生児および幼児のためのスクリーニング手法には、鼓膜聴力検査、耳音響放射(OAE)、聴性脳幹反応(ABR)および聴覚反応ゆりかごが含まれる。鼓膜聴力検査は、乳児の中耳圧力の物理的測定値を得ることを伴い、中耳内での遮断による聴覚問題を除外することができない。OAE試験時において、聴覚刺激とともに与えられたときの特定の周波数の音響振動を耳が送り返す能力が測定される。この試験は、蝸牛における無傷の有毛細胞の存在を示すことができる。これらの手法は便利であり、かつ、曖昧でない結果をもたらす一方で、難聴を引き起こす特定の異常についてスクリーニングするだけであり、他の原因を検出することができない。ABRの場合、聴覚刺激に対する脳幹での電気的応答が、電極を用いて検出および測定される。この手法は自動化することができ、かつ高感度であり、しかし、その脳幹聴覚経路が未だ完全に成熟していない幼児では、限られた周波数情報を与え、PCHLの誤診断をもたらし得る。聴覚ゆりかごでは、音響刺激に対する幼児の応答が検出および測定され、聴覚系全体の完全性を一度に試験することができる。しかし、この装置に関する感度および偽陽性率は、若年幼児でのPCHLのスクリーニングにおけるその有用性を制限している(Watkin,PM(2001)、Semin Neonatol、6:501〜509;Sirimanna、同上)。
PCHLの幼児において、難聴の原因は、伝音性とは対照的に、これらの原因のほぼ80%が感覚神経性(感音性)である。感音性難聴の原因の中で、およそ半数が遺伝的病因を有する。そのような原因の約半数が、1つの特定の遺伝子(ギャップ接合β2(GBJ2)、これは、コネキシン26として知られているギャップ接合タンパク質をコードする)における変異によるものである。難聴を引き起こすGBJ2における65を越える異なる変異が同定されている。1つの特定の変異(35delG)は明らかに最も一般的であり、GBJ2に変異を有するほとんどの北欧人において見出される(ACMG Statement(2002)、Genet Med、4:162〜171)。難聴を引き超す24個の他の遺伝子における変異が発見されており、遺伝性難聴に関与する遺伝子の数は100を越えることが予測される。これらのほぼ70%が非症候群型の難聴を引き起こす(この場合、唯一の表現型が聴覚の喪失である)(Petit,C他(2001)、Annu Rev Genet、35:589〜646)。これらの遺伝子は、常染色体劣性または常染色優性またはX連鎖の遺伝パターンを有し得るか、あるいはミトコンドリアDNA内に存在し得る。それらは、難聴を発現させるために他の遺伝的要因または環境的要因の存在を必要とする。特定の遺伝子における2つの異なる変異は、その両方により難聴が引き起こされる場合、異なる遺伝様式を有し得る。例えば、特定の遺伝子の一方の変異型対立遺伝子は性の形質をもたらし得るし、一方、その同じ遺伝子の別の対立遺伝子は劣性の形質をもたらす(Morton,CC(2002)、Hum Mol Gen、11:1229〜1240)。これらの事実は、これらの変異に対する一般的、かつ、多くの場合には識別不可能な表現型と一緒に遺伝的難聴の極端な不均一性を明らかにしている。
分子遺伝学的スクリーニング技術が、PCHLを有する子供の評価について影響を与え始めている。すべての州の2/3以上が、上記で概略された技術を使用して、難聴についてすべての新生児を体系的にスクリーニングするためのプログラムを有する。これらの物理的検査において難聴について検査陽性である子供は、次に、十分に確立されたポリメラーゼ連鎖反応に基づくプロトコルを使用して、GBJ2の最も一般的な変異について常法によりスクリーニングされる(ACMG Statement、同上)。しかしながら、これらの技術を使用して、難聴に関連する多くの他の遺伝子についてスクリーニングすることは実用的ではなく、非常に大きな費用がかかる。
本発明は、難聴についての小児スクリーニングのために使用される診断アッセイに関する。従って、本発明の実施形態には、難聴に関連づけられる核酸についての多数のプローブ配列を有するマイクロアレイ、およびそのようなアレイを使用するための方法が含まれる。
本発明の1つの実施形態は、難聴に対する原因または危険因子を診断するための方法であり、この方法は、サンプルを患者から得ること、サンプルに見出される遺伝子配列を増幅すること、難聴に対する危険性に関連する対立遺伝子の存在または非存在についてサンプルをスクリーニングすること、および、スクリーニングの結果に基づいて診断を行うことを含む。いくつかの実施形態は、ポリメラーゼ連鎖反応による遺伝子配列の増幅を特徴とする。さらなる実施形態では、表2〜表10に見出されるプライマー配列を使用して行われる遺伝子配列の増幅が含まれる。いくつかの実施形態において、増幅される遺伝子配列は、CDH23、MYO7A、OTOF、SLC26A4、USH2A、KCNQ1、KCNE1、GJB2およびGJB6からなる群から選択される遺伝子に見出される。いくつかの実施形態は少なくとも2つの隣接エキソンの配列を特徴とする。これらの実施形態のいくつかは、CDH23のエキソン2〜3、CDH23のエキソン4〜6、CDHのエキソン7〜9、CDH23のエキソン10〜11、CDH23のエキソン12〜13、CDH23のエキソン14〜16、CDH23のエキソン17〜21、CDH23のエキソン22〜27、CDH23のエキソン28〜31、CDH23のエキソン32〜36、CDH23のエキソン37〜43、CDH23のエキソン44〜46、CDH23のエキソン47〜53、CDH23のエキソン53〜68、GJB2のエキソン1〜2、GJB6のエキソン1〜4、KCNE1のエキソン1〜2、KCNQ1のエキソン3〜6、KCNQ1のエキソン7〜10、KCNQ1のエキソン12〜15、MYO7Aのエキソン5〜14、MYO7Aのエキソン16〜21、MYO7Aのエキソン16〜18、MYO7Aのエキソン22〜26、MYO7Aのエキソン28〜35、MYO7Aのエキソン36〜44、MYO7Aのエキソン45〜49、OTOFのエキソン4〜5、OTOFのエキソン6〜8、OTOFのエキソン9〜11、OTOFのエキソン12〜25、OTOFのエキソン16〜25、OTOFのエキソン16〜18、OTOFのエキソン16〜20、OTOFのエキソン19〜20、OTOFのエキソン21〜25、OTOFのエキソン16〜39、OTOFのエキソン26〜39、OTOFのエキソン40〜47、SLC26A4のエキソン1〜3、SLC26A4のエキソン4〜6、SLC26A4のエキソン11〜18、SLC26A4のエキソン19〜21、USH2Aのエキソン1〜3、USH2Aのエキソン5〜9、USH2Aのエキソン10〜11、USH2Aのエキソン12〜13、USH2Aのエキソン15〜16およびUSH2Aのエキソン17〜20からなる群から選択される多数の隣接エキソンを含有する。他の実施形態は、1つだけのエキソンに由来する遺伝子配列を含む。これらの実施形態のいくつかは、GJB2のエキソン2、KCNE1のエキソン3、KCNE1のエキソン4、KCNQ1のエキソン1、KCNQ1のエキソン2、KCNQ1のエキソン11、KCNQ1のエキソン16、MYO7Aのエキソン1、MYO7Aのエキソン2、MYO7Aのエキソン3、MYO7Aのエキソン4、MYO7Aのエキソン15、MYO7Aのエキソン21、MYO7Aのエキソン27、OTOFのエキソン1、OTOFのエキソン2、OTOFのエキソン3、USH2Aのエキソン4、USH2Aのエキソン14およびUSH2Aのエキソン21からなる群から選択されるエキソン配列を含有する。
本発明のさらなる実施形態は、難聴に対する原因または危険因子を診断するための方法であり、この方法は、サンプルを患者から得ること、難聴に対する危険性に関連する少なくとも5個の遺伝子座の対立遺伝子の存在または非存在についてサンプルをスクリーニングすること(この場合、前記遺伝子座は、CDH23、MYO7A、OTOF、SLC26A4、USH2A、KCNQ1、KCNE1、GJB2およびGJB6からなる群から選択される遺伝子に見出される配列を含む)、および、スクリーニングの結果に基づいて診断を行うことを含む。これらのさらなる実施形態のいくつかにおいて、サンプルにおける遺伝物質の量がスクリーニングの前に増大される。これらの実施形態のいくつかにおいて、増大はポリメラーゼ連鎖反応によって行われる。いくつかの実施形態において、増大では、表2〜表10から選択されるプライマーが利用される。他の実施形態において、スクリーニングは、事前の増幅または増大を伴うことなく直接的に行われる。いくつかの実施形態におけるスクリーニングのための配列は、少なくとも2つの隣接エキソンに由来する配列を含む。これらのいくつかの実施形態のいくつかにおいて、多数の隣接エキソンに由来する配列は、CDH23のエキソン2〜3、CDH23のエキソン4〜6、CDHのエキソン7〜9、CDH23のエキソン10〜11、CDH23のエキソン12〜13、CDH23のエキソン14〜16、CDH23のエキソン17〜21、CDH23のエキソン22〜27、CDH23のエキソン28〜31、CDH23のエキソン32〜36、CDH23のエキソン37〜43、CDH23のエキソン44〜46、CDH23のエキソン47〜53、CDH23のエキソン53〜68、GJB2のエキソン1〜2、GJB6のエキソン1〜4、KCNE1のエキソン1〜2、KCNQ1のエキソン3〜6、KCNQ1のエキソン7〜10、KCNQ1のエキソン12〜15、MYO7Aのエキソン5〜14、MYO7Aのエキソン16〜21、MYO7Aのエキソン16〜18、MYO7Aのエキソン22〜26、MYO7Aのエキソン28〜35、MYO7Aのエキソン36〜44、MYO7Aのエキソン45〜49、OTOFのエキソン4〜5、OTOFのエキソン6〜8、OTOFのエキソン9〜11、OTOFのエキソン12〜25、OTOFのエキソン16〜25、OTOFのエキソン16〜18、OTOFのエキソン16〜20、OTOFのエキソン19〜20、OTOFのエキソン21〜25、OTOFのエキソン16〜39、OTOFのエキソン26〜39、OTOFのエキソン40〜47、SLC26A4のエキソン1〜3、SLC26A4のエキソン4〜6、SLC26A4のエキソン11〜18、SLC26A4のエキソン19〜21、USH2Aのエキソン1〜3、USH2Aのエキソン5〜9、USH2Aのエキソン10〜11、USH2Aのエキソン12〜13、USH2Aのエキソン15〜16およびUSH2Aのエキソン17〜20からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態におけるスクリーニングのための配列は、1つだけのエキソンに由来にする配列を含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、1つだけのエキソンに由来にする配列は、GJB2のエキソン2、KCNE1のエキソン3、KCNE1のエキソン4、KCNQ1のエキソン1、KCNQ1のエキソン2、KCNQ1のエキソン11、KCNQ1のエキソン16、MYO7Aのエキソン1、MYO7Aのエキソン2、MYO7Aのエキソン3、MYO7Aのエキソン4、MYO7Aのエキソン15、MYO7Aのエキソン21、MYO7Aのエキソン27、OTOFのエキソン1、OTOFのエキソン2、OTOFのエキソン3、USH2Aのエキソン4、USH2Aのエキソン14およびUSH2Aのエキソン21からなる群から選択される配列を含む。
本発明の別の実施形態は、難聴に対する危険性に関連する対立遺伝子の存在または非存在を示す少なくとも5個の配列を含む診断用難聴マイクロアレイであり、この場合、配列は、CDH23、MYO7A、OTOF、SLC26A4、USH2A、KCNQ1、KCNE1、GJB2およびGJB6からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、本発明のマイクロアレイは多数の隣接エキソンを含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、多数の隣接エキソンに由来する配列は、CDH23のエキソン2〜3、CDH23のエキソン4〜6、CDHのエキソン7〜9、CDH23のエキソン10〜11、CDH23のエキソン12〜13、CDH23のエキソン14〜16、CDH23のエキソン17〜21、CDH23のエキソン22〜27、CDH23のエキソン28〜31、CDH23エキソン32〜36、CDH23のエキソン37〜43、CDH23エキソン44〜46、CDH23のエキソン47〜53、CDH23のエキソン53〜68、GJB2のエキソン1〜2、GJB6のエキソン1〜4、KCNE1のエキソン1〜2、KCNQ1のエキソン3〜6、KCNQ1のエキソン7〜10、KCNQ1のエキソン12〜15、MYO7Aのエキソン5〜14、MYO7Aのエキソン16〜21、MYO7Aのエキソン16〜18、MYO7Aのエキソン22〜26、MYO7Aのエキソン28〜35、MYO7Aのエキソン36〜44、MYO7Aのエキソン45〜49、OTOFのエキソン4〜5、OTOFのエキソン6〜8、OTOFのエキソン9〜11、OTOFのエキソン12〜25、OTOFのエキソン16〜25、OTOFのエキソン16〜18、OTOFのエキソン16〜20、OTOFのエキソン19〜20、OTOFのエキソン21〜25、OTOFのエキソン16〜39、OTOFのエキソン26〜39、OTOFのエキソン40〜47、SLC26A4のエキソン1〜3、SLC26A4のエキソンの4〜6、SLC26A4のエキソン11〜18、SLC26A4のエキソン19〜21、USH2Aのエキソン1〜3、USH2Aのエキソン5〜9、USH2Aのエキソン10〜11、USH2Aのエキソン12〜13、USH2Aのエキソン15〜16およびUSH2Aのエキソン17〜20からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のマイクロアレイは、1つだけのエキソンに由来する配列を含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、1つだけのエキソンに由来する配列は、GJB2のエキソン2、KCNE1のエキソン3、KCNE1のエキソン4、KCNQ1のエキソン1、KCNQ1のエキソン2、KCNQ1のエキソン11、KCNQ1のエキソン16、MYO7Aのエキソン1、MYO7Aのエキソン2、MYO7Aのエキソン3、MYO7Aのエキソン4、MYO7Aのエキソン15、MYO7Aのエキソン21、MYO7Aのエキソン27、OTOFのエキソン1、OTOFのエキソン2、OTOFのエキソン3、USH2Aのエキソン4、USH2Aのエキソン14およびUSH2Aのエキソン21からなる群から選択される配列を含む。
本発明のさらなる実施形態は、難聴に対する危険性に関連する対立遺伝子の存在または非存在を示す少なくとも5個の配列を有する本発明の診断用難聴マイクロアレイを、このマイクロアレイとともに使用される緩衝液および成分と一緒に含む、難聴の原因となる候補遺伝子を検出するためのキットである。本発明のさらなる実施形態は、マイクロアレイが固体支持体を含み、固体支持体に結合した複数の捕獲ヌクレオチド配列をさらには有する上記のキットであり、この場合、これらの配列は、難聴に対する候補遺伝子の領域を表し、かつ、キットの支持体は、標的核酸配列を含む患者由来のサンプルと接触するように適合化されている。また、この実施形態では、サンプルを支持体に接触させることを含み、この場合、接触により、標的核酸配列と、難聴に対する候補遺伝子の領域を表す捕獲ヌクレオチド配列とのストリンジェントな条件のもとでのハイブリダイゼーションが可能になる。
難聴、および、何らかの原因が存在するならば、その状態の特定の遺伝的原因について新生児をスクリーニングするための、迅速で、より確実で、かつより完全な方法が求められている。そのような方法は、罹病幼児に存在する聴覚機能障害のより正確な診断を可能にし、かつ、その患者についてのより迅速かつ適切なリハビリ訓練を可能にする。
聴覚障害は子供におけるかなり一般的な先天性欠陥であり、1000人の罹患新生児において約1人である(Petit,C、同上)。遺伝が聴覚障害において大きな役割を果たしていることが長い間認識されているが、難聴の遺伝的原因および生化学的原因の研究は最近になって開始されたにすぎない。聴覚系の生理学および難聴の遺伝的複雑性は難聴の研究を妨げている。例えば、蝸牛には、音の機械的振動から神経シグナルを作り出すことに関わっているほんの少数の有毛細胞(約10,000個)が存在するだけである。このことは、タンパク質サンプルの抽出および精製のために多量の組織を必要とする、これらの細胞の特有のタンパク質の生化学的研究を妨げている。
遺伝学的遺伝形質の従来の研究は難聴の実質的な遺伝的不均一性および表現型の一致によって妨げられていた。現在、遺伝的難聴が100以上の遺伝子におけるかなり多数の変異によって引き起こされ得ることが知られている。これらの変異の多くが、難聴以外の何らかの他の表現型を伴うことなく非症候群性難聴をもたらしている。文化的および社会的な要因により、聴覚障害者同士の結婚、および、聴覚障害者と、聴覚障害者家族の人との結婚の割合が高くなり、このことは、難聴に関連する対立遺伝子についての複遺伝子性連鎖を生じさせていた。これらの理由から、難聴の一因である別個の遺伝する遺伝的エレメントを従来の技術によって識別することは、非常に孤立した集団を除いて、非常に困難であった(Morton,CC(2002)、Hum Mol Gen、11:1229〜1240)。近年では、最新の分子生物学的技術は発見の速度を加速させており、非症候群性難聴に連鎖する遺伝子(GJB2)が1997年に最初に同定された(Zelante,L他(1997)、Hum Mol Gen、6:1605〜1609)。それ以降、60を越える遺伝学的遺伝子座が同定されており、10個の遺伝子が難聴に関係している(Petit,C、同上)。
この10年間に、多くの州が、出生直後における聴覚問題についての幼児の生理学的スクリーニングを要求し始めている。これらの日常的なスクリーニングの重要性は、難聴児の早期の介入およびリハビリ訓練により、生涯におけるその後の子供の言語能力および会話能力が大きく改善され得ることを示す研究によって裏付けられている(Downs,MP、同上)。しかしながら、いくつかのスクリーニングプロトコルは、特定の原因による難聴の症例を検出するだけであり、他のプロトコルは、受け入れがたい偽陽性率および陰性率を有し得る。検出に関するこれらの問題に加えて、現行の試験法は、多くの場合、検査が陽性であるそのような幼児における難聴の特性およびその重篤度でさえ(難聴のリハビリ訓練において非常に有益である情報)、それらに関して十分な情報をもたらしていない。難聴のリハビリ訓練には、ヒトの聴覚系によって通常的に検出される音響スペクトルの少なくとも一部の増幅が伴う。この場合、増幅量および増幅のタイプは、増幅が十分であり、かつ過度でないことを確実にするために注意深くモニターされ、かつ調節されなければならない。聴覚欠陥の正確な特性を知ることは、その重篤度の評価、および、どの周波数の音が影響を受けているかの決定を容易にすることができる。幼児患者の特定の聴覚欠陥に関してより多くの利用可能な情報は、聴覚補助デバイスの調節に役立つ得る。
この10年間において開発されたマイクロアレイ技術は、遺伝性難聴の研究および臨床の両方での検出に関する諸問題に対処することができる。マイクロアレイは、ゲノム配列決定の過程を加速することによってヒトゲノムの地図作製を支援するために1990年代初期に開発された。簡単に記載すると、マイクロアレイは、各プローブが固体支持体上の特定の位置に存在する順次連続した様式で固体支持体に固定された数千個までのDNAオリゴヌクレオチドプローブからなる。これらのプローブは、通常、基板支持体材料の表面において直接、合成され、相補的ハイブリダイゼーションの原理に基づいて複雑なRNA集団またはメッセージ集団を調べるために使用される。様々な配列の混合物を含有する核酸サンプルを標識し、マイクロアレイのDNAプローブとハイブリダイゼーションさせることができる。部分的にハイブリダイゼーションした核酸およびハイブリダイゼーションしていない核酸を除いた後、プローブDNAの配列に対して相補的な配列を有する核酸の存在を、その標識を介して検出することができる。アレイ上の標識化の位置によって、ハイブリダイゼーションしている核酸の正体を突き止めることができる。従って、マイクロアレイは、核酸サンプルを分析するための迅速かつ正確な手段を提供する。マイクロアレイは、微量の核酸を検出するために、また、数千のサンプルにおいて同時に、一塩基だけしか違わない核酸同士を区別するために使用することができる。マイクロアレイ技術は、RNA検出、核酸配列決定プロジェクトのために、また、細胞および組織の転写プロフィルを分析するために研究室において使用されている(Lichter,P他(2000)、Semin Hamatol、37:348〜357;Tusher,VG他(2001)、Proc.Natl.Acad.Sci、98:5116〜5121;Cook,SAおよびRosenzweig、A.(2002)、Circ Res、91:559〜564)。
マイクロアレイ技術は、幼児における現在および潜在的な将来の難聴の遺伝的原因について調べるための手段を提供する。典型的なマイクロアレイは、目的とする遺伝子配列またはヌクレオチド配列の選択された領域に広がる比較的小さい長さ(20mer〜25mer)の16対〜20対のオリゴヌクレオチドプローブ対からなる数セットを提供する。オリゴヌクレオチドアレイにおいて使用されるこれらのプローブ対はまた、同じRNA鎖またはメッセージ鎖にハイブリダイゼーションするために設計されている完全に一致するプローブおよびミスマッチプローブを含むことができる。完全に一致するプローブは、目的とするメッセージに対して完全に相補的である既知の配列を含有し、一方、ミスマッチプローブは、完全に一致するプローブとは異なる少なくとも1つのミスマッチヌクレオチドを含有することを除いて、その配列に関して完全に一致するプローブに類似している。本発明の1つの実施形態において、「完全に一致する」プローブは、集団において見出される優勢の遺伝子配列に対して相補的である配列を含有するプローブを示し、一方、「ミスマッチ」プローブは、1つの塩基または数塩基だけ優勢の遺伝子配列から変化するその集団において見出される特定の遺伝子変化体の配列を含有することができる。このようにして、アレイは、少数の塩基だけしか違わないか、またはほんの一塩基だけ異なる特定の遺伝子について2つの対立遺伝子の間を識別することができる。発現分析時において、サンプルヌクレオチド集団からのメッセージのハイブリダイゼーション効率が、多くのメッセージについて発現レベルを同時に評価および定量するために、完全に一致するプローブおよびミスマッチプローブに関して評価される。それぞれのプローブにより、1つの特定の配列多型が検出されるので、アレイは、複数の遺伝子の多数の対立遺伝子と同じくらい容易に、同じ遺伝子の多数の対立遺伝子を検出することができる。本発明のさらなる実施形態には、遺伝的遺伝子座に由来する特定の対立遺伝子を検出することができるアレイ、同じ遺伝的遺伝子座の多数の対立遺伝子を検出することができるアレイ、および、数多くの異なる遺伝的遺伝子座に由来する様々な対立遺伝子を検出することができるアレイが含まれ、この場合、前記の対立遺伝子は難聴の危険性に関連する。
本発明のいくつかの実施形態において、少量の血液サンプルから抽出された核酸のサンプルが、マイクロアレイスクリーニング法を行うために使用される。核酸サンプルが個体について得られると、核酸サンプルは、マイクロアレイでの分析のためにサンプルを調製するために数多くの方法で操作することができる。例えば、メッセンジャーRNAをコピーDNA(cDNA)に変換することができ、また、cDNAおよびゲノムDNAの両方を、感度およびシグナル出力を増大するために、ポリメラーゼ連鎖反応に基づく技術を用いて増幅することができる。アレイにおける検出のために核酸を標識するための様々な手段が存在する。これらの手段および上記の調製技術は当業者にはよく知られている。
マイクロアレイに基づくスクリーニングの利点は、集団で用いられたときのその正確性、簡便性、効率、および極めて大きい費用有効性である。現在のプロトコルでは、遺伝子GJB2における3つの最も一般的な別個の欠失変異についてスクリーニングすることによって、難聴の最も一般的な形態(DFNB1)だけをスクリーニングすることが可能である。現在、GJB2スクリーニングは約20%〜40%にすぎない患者においてDFNB1の診断をもたらしている(Bradshaw,JK他(2002)、Assn Res Otolaryngol、25:96〜97;Lim,LHY他(2002)、Archives of Otolaryngology Head and Neck Surgery、印刷中;Green,GE他(1999)、JAMA、281:2211〜2216)。従来の技術を使用した場合、すべての他の遺伝子のそれぞれの特定の変異についてスクリーニングすることは、無限に複雑で、費用のかかる多重実験が要求される。これらの理由により、低頻度の変異または最近になって発見された変異を取り扱うために従来のスクリーニングプロセスをスケールアップすることは、兵站学的に困難であり、また、非常に多くの費用がかかる(Ferraris,A他(2002)、Hum Mutation、20:312〜320)。
しかしながら、マイクロアレイ技術を使用した場合、スクリーニングを、聴覚障害に関連する多数の対立遺伝子について同時に行うことができ、実際には、オリゴヌクレオチドプローブ合成における使用のためにその配列データを得ることができる聴覚障害に関連する任意の対立遺伝子について行うことができる。国家レベルでのこの新規な技術の適用は、難聴児の遺伝子スクリーニングにより病理学的変異の検出率を潜在的には2倍(以上)にすることによって、マイクロアレイに基づくスクリーニングを聴覚専門家にとって刺激的なツールにしている。検出方法の有効性を向上させることのほかに、マイクロアレイ技術を使用して難聴についてスクリーニングすることによる過程で早期に難聴の原因を特定することの他の利点には、費用および時間のかかる検査の必要性、および、いくつかの検査を完了させるために一部の患者により要求される鎮静の必要性を軽減することを挙げることができる。多数の対立遺伝子に由来する配列を含有するマイクロアレイは、そのような対立遺伝子に存在する多数のエキソンに由来する配列、互いに隣接しているそのような対立遺伝子に存在する多数のエキソンに由来する配列、対立遺伝子に存在する1つだけのエキソンに由来する配列、イントロンならびに5’非翻訳領域および3’非翻訳領域を含む、対立遺伝子に存在する非翻訳領域に由来する配列、そして、上記の任意の組合せに由来する配列を含有することができる。本発明のいくつかのマイクロアレイは、上記に記載されるような遺伝子配列のさらなる組合せ、またはより少ない組合せ、または1つだけの形態を含有する他の対立遺伝子との上記の配列組合せの2つ以上を伴ういくつかの対立遺伝子を特徴とすることができる。本発明の他のマイクロアレイは、1つまたは複数の対立遺伝子の様々な1つだけのエキソンに由来する遺伝子配列を含む。
本発明の実施形態には、そのような技術を、遺伝的原因からのPCHL、ならびに、遺伝的原因からの難聴についての将来の危険性を検出するためのさらなるスクリーニング方法として現在の生理学的検査手法とともに使用することが含まれる。多数の遺伝子に由来する多数の対立遺伝子を同時にスクリーニングすることを可能にすることによって、マイクロアレイ技術は、組み合わせられたとき、難聴に対するその危険性を増大させる多数の遺伝的要素を有する患者の同定を可能にし得る。例えば、難聴に関連するGJB2または別の遺伝子(GJB6)のいずれかにおける劣性変異についてヘテロ接合である個体は、通常、正常な聴覚を有しており、しかし、そのような遺伝子の両方における劣性変異について同時にヘテロ接合である個体は、障害を受けた聴覚に悩まされ得る(Rabionet,RE他(2002)、Trends Mol Med、8:205〜212)。本発明の1つの実施形態において、マクロアレイスクリーニングにより、異なる遺伝子に由来する多数の対立遺伝子の組み合わさった影響からの難聴の危険性がある個体が容易に同定される。本発明のアレイによって検出することができる対立遺伝子の一部には、変更遺伝子の遺伝子座に存在する対立遺伝子が含まれる。1つのそのような遺伝子座が、DFNB26難聴の患者において同定されており、この場合、1つの対立遺伝子の存在により、異なる遺伝子座における別の対立遺伝子の存在に通常の場合には関連する難聴の表現型が抑制される(Riazuddin,S他(2000)、Nat Genet、26:431〜4)。本発明のアレイによって検出される他の対立遺伝子には、環境的要因または加齢との組合せで難聴の危険性に関連する対立遺伝子を挙げることができる。例えば、Johnson他は、加齢性難聴に強く関連する遺伝子の遺伝子座をマウスにおいて発見している((2000)、Genomics、70:171〜180)。本発明のいくつかの実施形態において、アレイにより、単独で、あるいは、環境的要因、他のミトコンドリアDNA配列または核ゲノムDNA配列との組合せで、個体を難聴についてより高い危険性にさらし得るミトコンドリアDNAの配列が同定される。例えば、ヒトミトコンドリアDNAの変異A1555Gは、その個体がアミノグリコシド系抗生物質にさらされたとき、難聴になりやすい素因を個体に与える(Guan,M他(2001)、Hum Mol Gen、10:573〜580)。本発明のさらなる実施形態では、特定の病原体にさらされたとき、または特定の病原体に感染したとき、個体を難聴になりやすくさせ得る1つまたは複数の対立遺伝子についてスクリーニングされる。分類不能なインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)はそのような病原体の一例である。この種の細菌細胞が破壊されたときに放出される熱安定な細胞質タンパク質は、中耳において多量のムチンの産生を開始させ、慢性の滲出性中耳炎(COME)(合衆国における伝音性難聴の主原因)を引き起こす。1つの具体的なムチン遺伝子MUC5ACが、COMEと診断された個体の中耳上皮細胞において非常に発現し、その中耳において過剰発現していることが見出された(Wang,B他(2002)、J Biol Chem、277:949〜957)。患者のゲノムには、ムチンの過剰発現を引き起こす細菌タンパク質に対する患者の反応を変化させる遺伝的エレメントが存在し得る。本発明の特定の実施形態により、このタイプの遺伝的エレメントが存在するかどうかを明らかにすることができる。これらのような危険因子の知識は医療関係者にとって有益であり、従って、医療関係者は、感染媒介の難聴についての遺伝的危険因子を有するそのような患者において、細菌感染症を、通常行うよりも積極的に処置することができる。別の実施形態において、本発明のアレイは、難聴を含む数多くの障害について危険性をもたらす症候群に関連する対立遺伝子の存在を検出するために使用される。アッシャー症候群(特にUSH3)およびアルポート症候群は、幼児における識別可能な表現型に多くの場合には関連しないが、難聴を多くの場合には伴う、その後の生涯において網膜および腎炎の障害をそれぞれ生じさせる2つの遺伝する状態である。USH3およびアルポート症候群はともに、1つまたは少数の遺伝子における変異に関連づけられており、本発明によって容易に検出することができる(Hone,S他(2001)、Semin Neonatal、6:531〜541;Longo,I他(2002)、Kidney Int、61:1947〜1956)。他の実施形態には、難聴に関連する遺伝的形質について成人および将来の親をスクリーニングすること、ならびに、体外受精卵から生じた胚に由来する胚盤胞細胞を検査することが含まれる。さらなる実施形態では、難聴についての危険性に影響を及ぼす遺伝的エレメント間の新しい相互作用を発見するために、本発明によるアレイを使用して、1名または複数の患者に由来する多数の遺伝的エレメントを分析することができる。より多くの知識が遺伝性難聴における遺伝子型−表現型の相関について得られるので、この技術は、子供における遺伝性難聴の予後および重篤度をより良好に明らかにすることにおいて大いに役立ち得る。この知識は、現在の検査システムを用いて正確な聴覚レベルを決定することが困難であるため、そのような早期の年齢において難聴に関する予後情報を提供することによって、難聴と診断された新生児において特に重要である。
マイクロアレイは、大きな効率でヒトDNAにおける目的とするすべての部位での遺伝子型を決定するという見込みをもたらすデバイスである(Lipshutz,RJ他(1999)、Nat Genet、21:20〜24)。変動検出アレイ(VDA)がそのような目的に対して使用され、成功している(Hacia,JG(1999)、Nat Genet、21:42〜47;Syvanen,A(1999)、Hum Mutat、13:1〜10)。残念ながら、少数の誤った読み取りが明らかにされており、このため、VDAには99.93%〜99.99%の正確性がもたらされている。顕著ではあるが、このエラー率は、大規模なヒトの遺伝的変動(部位あたり約8x10-4)を伴う実験については問題となる。頻度が低率であるいくつかの変異のシグナルは、そのようなエラー率によって生じるバックグラウンドノイズに対して常に検出可能であるとは限らない。しかしながら、Cutler他は、遺伝子型呼び出しの90%以上について99.9999%を越える正確性を可能にする適応可能なバックグラウンド遺伝子型呼び出しスキーム(ABACUS)と呼ばれる、遺伝子型をスコア化するための新規な統計学的枠組みを有する新しい高密度VDAの使用を報告している(Cutler,DJ他(2001)、Genome Res、11:1913〜1925)。
本発明の実施形態には、マイクロアレイ、および、難聴に関係づけられる遺伝子の小児スクリーニングのためにこれらのマイクロアレイを用いる診断方法が含まれる。本明細書中に記載される方法を使用した場合、難聴の早期発症に関連する遺伝子を候補集団において同定することができ、これらの結果は、予後および成功するリハビリテーションが子供の発話発達および言語発達の重要な期間内に行われることを可能にし得る。
難聴の早期発症に関連する既知遺伝子の、マイクロアレイに基づく変異スクリーニングツールは、新しい最新技術を使用して実現可能である。SNHL児における遺伝的変動の迅速かつ費用効果的なスクリーニングは、変異を同定することを可能にする。この方法は難聴の重篤度および予後の正確な予測を可能にし、また、成功するリハビリテーションが発話発達および言語発達の重要な期間内に行われることを可能にする。また、このスクリーニングツールは、難聴を含む障害の診断を可能にし得る。症候群性難聴の1つのそのような例がアルポート症候群であり、これは遺伝性腎炎または腎不全を早期から生じさせ、一方で、聴覚の喪失は通常、約5歳までは現れない。PCHL児の早期検出、および、遺伝的変異による聴覚困難についての危険性がある子供の早期検出は、成功する介入およびリハビリ訓練のための可能性を大きく高めることができる。
(定義)
別途定義されない限り、本明細書中で使用される技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。当業者は、本発明の実施において使用することができる、本明細書中に記載される方法および材料と類似または同等である多くの方法および材料を認識する。実際、本発明は、記載されている方法および材料に決して限定されない。本発明の目的のために、下記の用語は下記のように定義される。
「難聴」は、一方の耳または両方の耳のいずれかにおける聴覚能力の臨床的に著しい喪失または顕著な喪失または検出可能な喪失として定義される。難聴は、完全(良い方の耳で聞こえる最も静かな音が音量において95dBを越える)、重度(良い方の耳で聞こえる最も静かな音が70dB〜95dBである)、中度(良い方の耳で聞こえる最も静かな音が40dB〜70dBである)または軽度(良い方の耳で聞こえる最も静かな音が25dB〜40dBである)であり得る。個体の難聴は、その重篤度が安定した状態であり得るか、または進行性であり得る。難聴の発症は任意の年齢においてであり得る。難聴は、例えば、遺伝的要因、環境的要因、感染性媒介因子、かなり多数の物理的傷害、または前記の任意の組合せに起因し得る。
「標識」は、ポリヌクレオチドに結合することができ、検出可能なシグナルを提供する任意の成分であり、この分野で知られている標識および標識化方法はどれも本発明のために適用することができる。例えば、ヌクレオチド(捕獲ヌクレオチドおよび標的ヌクレオチド)は、検出のためにシグナルをもたらす化学基(例えば、化学発光分子、または、化学発光分子の生成を触媒する酵素、または、フルオレセインもしくはcy5のような蛍光分子、または、キレート化ランタニド金属のいずれかのような時間分解型蛍光分子、または放射性化合物など)と直接的または間接的にカップリングすることできる。あるいは、標的をプローブと反応した後、標的を1つまたは複数の標的特異的なレポーターによって標識することができる。
用語「ポリヌクレオチド」および用語「オリゴヌクレオチド」は、いくつかの状況では交換可能に使用され、2’−デオキシリボヌクレオチド(DNA)およびリボヌクレオチド(RNA)を含むヌクレオチドモノマーの一本鎖ポリマーおよび二本鎖ポリマーを意味する。ポリヌクレオチドは、全体がデオキシリボヌクレオチドから構成され得るか、または、全体がリボヌクレオチドから構成され得るか、または、それらのキメラな混合物であり得る。同様に、ポリヌクレオチドは、例えば、非天然の塩基、糖、L-DNAおよび修飾されたヌクレオチド間連結を含むヌクレオチド間アナログ、核酸塩基アナログおよび糖アナログから構成され得る。本発明の捕獲ヌクレオチド配列はこの範囲に含まれ、用語「プライマー」は捕獲ヌクレオチド配列と交換可能に使用される。「標的ヌクレオチド配列」は、捕獲ヌクレオチド配列と相互作用することができる、その存在または非存在が検出されることになる特定の候補遺伝子を示す。
用語「捕獲」は一般には、互いに親和性を有する2つ以上の分子、対象物または物質の特異的な会合を示す。本発明の特定の実施形態において、「捕獲」は、サンプルヌクレオチド配列について検出またはアッセイするために、典型的にはサンプルに由来する別のヌクレオチド配列と会合するその能力のために存在するヌクレオチド配列を示す。
典型的には、捕獲ヌクレオチド配列は、選択されたストリンジェントなハイブリダイゼーション条件のもとでハイブリダイゼーションすることを可能にするために、標的ヌクレオチド配列に対する十分な相補性を有し、また、そのTmは、一般には、室温よりも約10℃〜20℃高い(例えば、約37℃)。一般に、捕獲ヌクレオチド配列は、長さが約8ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドの範囲であり得るが、好ましくは、約15ヌクレオチド、20ヌクレオチド、25ヌクレオチドまたは30ヌクレオチドである。本明細書中で使用される「高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、少なくとも95%(好ましくは約97%〜100%)のヌクレオチド相補性(同一性)が核酸間に存在するときにハイブリダイゼーションが生じる任意の条件を意味する。いくつかの実施形態においては、様々な改変を、より低い相補性(例えば、約90%、85%、75%、50%など)を規定するためにハイブリダイゼーション条件において行うことができる。変化させることができるハイブリダイゼーション反応パラメーターには、塩濃度、緩衝液、pH、温度、インキュベーション時間、変性剤(例えば、ホルムアミドなど)の量およびタイプなどがある(例えば、Sambrook他(1989)、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版)、第1巻〜第3巻、Cold Spring Harbor Press、New York;Hames他(1985)、Nucleic Acid Hybridization、IL Press;Davis他(1986)、Basic Methods in Molecular Biology、Elsevier Sciences Publishing Inc.、New Yorkを参照のこと)。例えば、核酸(例えば、リンカーオリゴヌクレオチド)を、試験領域(例えば、マルチウエルプレートのウエル、好ましい実施形態では、96ウエルプレートまたは384ウエルプレートまたはそれ以上のウエルプレートのウエル)に、約0.1μl〜約100μlまたはそれ以上の範囲の体積(好ましい実施形態では約1μl〜約50μl、最も好ましい実施形態では約40μl)で、約0.01μM〜約5μMの範囲の濃度(好ましい実施形態では約0.1μM)で、緩衝液(例えば、6XSSPE-T(0.9MのNaCl、60mMのNaH2PO4、6mMのEDTAおよび0.05%のTritonX-100)など)において加え、約10分間から少なくとも約3時間(好ましい実施形態では少なくとも約15分間)、約4℃〜約37℃の範囲の温度(好ましい実施形態ではおよそ室温)において結合性パートナー(例えば、表面上の捕獲ヌクレオチド配列)にハイブリダイゼーションさせることができる。
動詞「結合する(させる)」ならびにその変化形態の「結合している」および「結合した」は、ある分子または物理的対象または物質と、別の分子または対象または物質との物理的な会合を示す。ある分子または対象または物質の、別の分子または対象または物質に対する結合は、不可逆的または可逆的であることが可能であり、その分子または対象または物質の特定の部分または領域を伴い得る。結合は、共有結合的な結合によって、またはイオン結合によって、または、ある種の分子の親和性結合(この場合、前記分子は本質的には、前記分子または対象または物質が結合した以前の分子または対象または物質に結合している分子または対象または物質の一部であるか、あるいは、前記分子または対象または物質が結合した以前の分子または対象または物質にそれ自身が結合している分子または対象または物質の一部である)によって達成され得る。
用語「固体支持体」は、捕獲ヌクレオチド配列を結合または固定化することができる任意の固相材料を示す。例えば、固体支持体には、ガラス、金属、シリコン、ゲルマニウム、GaAsまたはプラスチックなどが含まれ得る。固体支持体は、「樹脂」、「固相」および「支持体」などの用語を包含する。固体支持体は、有機ポリマー、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフルオロエチレン、ポリエチレンオキシおよびポリアクリルアミドなど、ならびにそれらの共重合体およびグラフト体から構成され得る。固体支持体はまた、無機物、例えば、ガラス、シリカ、細孔制御ガラス(CPG)または逆相シリカなどであり得る。固体支持体の形状は、ビーズ、球体、粒子、顆粒、ゲル、繊維または表面の形態であり得る。表面は、平面、実質的に平面、または非平面であり得る。固体支持体は多孔性または非多孔性であり得るし、また、膨潤特性または非膨潤特性を有することができる。固体支持体は、ウエル、くぼみまたは他の入れ物、スライド、プレート、容器、形体または配置場所の形態で設計することができる。複数の固体支持体をアレイにおいて設計することができる。
「アレイ」または「マイクロアレイ」は、固体支持体の表面に存在する捕獲ヌクレオチド配列の所定の空間的配置を意味する。捕獲ヌクレオチド配列は表面に直接的に結合させることができ、または、表面と会合する固体支持体に結合させることができる。アレイは1つまたは複数の「アドレス指定可能な配置場所」(すなわち、既知の捕獲ヌクレオチド配列を含む物理的な配置場所)を含むことができる。
アレイはかなり多数のアドレス指定可能な配置場所を含むことができる(例えば、1〜約100、100〜約1000、または1000以上)。また、アレイにおけるアドレス指定可能な配置場所の密度を変化させることができる。例えば、表面におけるアドレス指定可能な配置場所の密度は、必要な表面サイズを減少させるために大きくすることができる。典型的には、アレイ形式は幾何学的に規則的な形状であり、これにより、例えば、製造、取り扱い、積み重ね、試薬およびサンプルの導入、検出ならびに貯蔵を容易にすることができる。アレイは、規則的な間隔をそれぞれの配置場所の間に有する行列形式で設計することができる。あるいは、配置場所は、群で、ランダム様式で、または任意の他のパターンで配置することができる。1つの実施形態において、アレイは、それぞれの配置場所がハイスループット取り扱いのために空間的にアドレス指定可能であるように設計された複数のアドレス指定可能な配置場所を含む。本発明において使用することができるアレイの例が、例えば、米国特許第5,837,832号に記載されている。
二次元アレイでは、アドレス指定可能な配置場所が表面上の配置場所によって決定される。しかしながら、1つの実施形態において、アレイは多数の粒子(例えば、ビーズなど)を溶液中に含む。それぞれの粒子が1つまたは複数の特定タイプの捕獲ヌクレオチド配列を含む。この場合、捕獲ヌクレオチド配列の正体は粒子の特性によって決定することができる。例えば、粒子は、例えば、形状、パターン、発色団または蛍光団などの同定用の特性を有することができる。
「表面」は、本明細書中で使用されるとき、本発明のアレイの基礎をなすコア材料を示す。典型的には、表面は固体支持体であり、剛直または半剛直な表面を有する。1つの実施形態において、支持体の表面は平坦である。他の実施形態において、表面は、物理的な形体、例えば、ウエル、溝、および、盛り上がった領域、形状化された領域またはくぼんだ領域などを含むことができる。アレイを形成する捕獲ヌクレオチド配列を表面に直接的に結合させることができ、あるいは、例えば、表面に結合するか、または表面によって含有されるなどのように、自身が会合する固体支持体に結合させることができる。
捕獲ヌクレオチド配列は、例えば、市販のオリゴヌクレオチド合成機を用いて従来の技術によって、かつ/または、そのように合成された部分フラグメントを連結することによって合成することができる。例えば、事前に形成された捕獲ヌクレオチド配列を、ホトリソグラフィー結合またはシルクスクリーン化学的結合、インクジェット技術による配置、電極アレイを使用する電気化学的パターン化、あるいは、変性、その後のベーキングまたはフィルターへのUV照射を含む様々な従来技術のいずれかによって試験領域の表面上または表面内に配置するすることができる(例えば、Rava他(1996)、米国特許第5,545,531号;Fodor他(1996)、米国特許第5,510,270号;Zanzucchi他(1997)、米国特許第5,643,738号;Brennan(1995)、米国特許第5,474,796号;PCT国際特許出願公開WO92/10092;PCT国際特許出願公開WO90115070を参照のこと)。
本発明において使用されるアレイに依存して、捕獲ヌクレオチド配列と標的核酸配列との間でのハイブリダイゼーションを検出する方法は変化し得る。例えば、標的ヌクレオチド配列をマイクロアレイへの適用の前に標識することができる。標的配列がアレイ上の相補的な配列の捕獲プローブにハイブリダイゼーションすることによって、標識は、特定の配置場所においてアレイに結合し、これにより、その正体が明らかにされる。ガラス基板をマイクロアレイ設計のために利用することにより、標的配列にタグ標識するための蛍光標識の使用が可能となっている。蛍光標識は、ガラスビーズをアレイのための固体支持体として利用するマイクロアレイ設計において特に有用であり、この場合、これらのビーズはファイバー光学系を使用して調べることができ、また、シグナルの存在および強度の測定を自動化することができる(Ferguson,JA他(1996)、Nat Biotechnol、14:1681〜1684)。標的DNAをビオチンで標識すること、および、ビオチンに対する抗体を用いたアレイ上のハイブリダイゼーションした標的の検出もまた行われている(Cutler,DJ、同上)。
「対立遺伝子」は、いくつかの実施形態では、細胞内に見出される特定の染色体または核酸セグメントにおける特定の位置(すなわち、遺伝子座)を占める1対または1連の遺伝子または配列の配列またはメンバーとして定義される。この用語は一般には、生物のゲノムにおける特定の遺伝子内に存在する変異を含有するかなり多数の可能なヌクレオチド配列を示す。対立遺伝子は、同じ数の別の染色体に由来する同じ遺伝的遺伝子座の配列と比較して、欠失変異、挿入変異、トランジション変異、重複変異または反転変異、あるいは上記変異の任意の組合せを含む任意のタイプの変異または配列の違いを含むことができる。いくつかの実施形態において、「対立遺伝子」は、ミトコンドリアDNAの特定の変化体、またはミトコンドリアDNAに由来する核酸配列を示すことができる。
「候補」は、難聴の危険性、可能性、存在または非存在に関連するか、または関連し得る遺伝子配列、対立遺伝子もしくは遺伝子、または対立遺伝子もしくは遺伝子の任意の部分を示す。多くの好適な候補配列、候補遺伝子および候補対立遺伝子がこの分野では知られており、文献に報告されている。そのような候補は、特定の変異を特定するための様々な用語で標識され得る。他の実施形態において、候補配列は、特定かつ別個の変異を自身の内部に含有しており、そのいくつかが科学文献または医学文献において同定または特長づけまたは記載されているかもしれない。本発明の実施形態では、難聴に関連する任意の適切な候補配列、候補遺伝子、候補対立遺伝子および候補変異の使用が考えられる。難聴に関連する候補配列、候補遺伝子、候補対立遺伝子または候補変異は、その存在が難聴の表現型をもたらす配列、あるいは、その存在が難聴の危険性を正または負のいずれかの様式で変化させる配列であり得る。本明細書中で使用される場合、難聴の危険性に関連する「対立遺伝子」は、個体が難聴を有するか、または難聴を発達させる可能性を低下または増大させる対立遺伝子であり得る。難聴の危険性に関連する「対立遺伝子」はまた、難聴の表現型をもたらす対立遺伝子であり得る。
本明細書中で使用される用語「サンプル」は、個体から直接的または間接的に得られる一定量の生物学的材料として定義される。生物学的材料は、例えば、羊水、血液の一部、または血液サンプルの特定部分を含む流体であり得る。生物学的材料はまた、組織、細胞、排泄物、リンパ、粘液またはおりものなどのサンプルであり得る。サンプルは、サンプルが由来する供給元個体または生物学的供給源から得られているときのようにその元の状態における一定量の生物学的材料であり得るか、あるいは、サンプルは、本明細書中に記載されるアッセイプロセス、方法、技術またはキットに提供される前に処理され得るか、または調製され得るか、または、別途、操作され得る。
サンプルの供給源を規定する場合、例えば、子供由来のサンプルまたは胎児由来のサンプルの供給源を規定する場合、問題としているサンプルを前記子供または前記胎児から直接的または間接的に得ることができる。サンプルは、本発明の様々な実施形態において示されるような分析の表された目的のために個体から直接的に採取することができ、あるいは、個体から採取された生物学的材料の供給源から得ることができ、または、別の時に個体から採取されたサンプルから単離することができる。サンプルは、別のサンプルから単離された生物学的材料のサブセットであり得る。
いくつかの特定の実施形態において、「血液サンプル」は、診断が求められている個体から得られた血液のサンプル、あるいはそのサンプルの特定の成分または派生物を示す。他の実施形態において、「血液サンプル」は、その血液サンプルが採取された個体に起源を有しない血液に含有される細胞を示すことができる。これらの実施形態では、妊娠期間中または妊娠後のいずれかであっても、胎児を有する個体から採取された血液サンプルから単離することができる、胎児に起源を有する血液細胞を有するサンプルを含むことができる。
用語「上皮(の)」は一般には、1つまたは複数の細胞層から構成される膜性組織である上皮を示す。これらの細胞は身体およびその器官の最も内側表面および外側表面の表層部を形成する。本発明のいくつかの実施形態において、上皮細胞のサンプルを身体もしくは個体の表面もしくは内部のかなり多数の場所から集めることができ、または、個体から既に集められていた組織サンプルもしくは体液サンプルから集めることができる。
本明細書中で使用される「伝音性(の)」は、外耳または中耳に関する問題または事項に起因する難聴を表すために一般的に使用される。「感覚神経(感音)性(の)」は、内耳から脳の皮質の聴覚中心までの任意の場所における問題または事項に起因する難聴を表すために一般的に使用される。「症候群性(の)」は、その出現または存在が、関連した特徴または表現型の1つの群またはパターンの一部である難聴を示し、この場合、難聴は先天性であり得るか、または、個体のその後の生涯において現れることがあり、遺伝的要因、環境的要因、または様々な要因の組合せが原因であり得るし、感覚神経(感音)性、伝音性、または様々な要因の混合(これには、感覚神経(感音)性要因、伝音性要因、または、感覚神経(感音)性要因および伝音性要因の両方が含まれる)であり得る。「非症候群性(の)」は、関連した特徴または表現型の1つの群またはパターンを伴うことなく現れる難聴を示す。
用語「遺伝的」は、難聴に関連して本明細書中で使用されるとき、遺伝性である難聴または潜在的な難聴の危険因子または表現型を一般に示す。この文脈における遺伝的要因には、ゲノム配列、染色体配列、および、ミトコンドリアの配列を含む核外の核酸配列が含まれる。遺伝的エレメントおよび遺伝的要因の発現は、DNA配列、RNA配列、分子レベルもしくは視覚的に検出可能なレベルでのプロテアソームの様々な局面、または、何らかの他の測定可能もしくは検出可能な物理的形質もしくは行動的形質としてであり得る。
「環境的」は、明確に遺伝的でないそのような要因または影響を表すために一般に使用される。いくつかの実施形態において、環境的要因は、個体の妊娠期間中に存在する子宮内での要因を含むことができる。他の環境的要因には、個体がさらされるか、または前記個体を胚もしくは胎児として有する女性がさらされる物理的力、疾患媒介因子、栄養学的成分または化学化合物が含まれ得る。
用語「増幅」は、操作前よりも多量の遺伝物質を存在させることをもたらすサンプル中の遺伝物質の操作を示す。本発明のいくつかの実施形態では、増幅が本発明のスクリーニング工程の前に行われ、いくつかの実施形態では、この増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応に基づく技術の使用によって行われる。さらなる実施形態は、より多くの量の遺伝物質を作製することに加えて遺伝物質の修飾を含むことができる他の増幅技術の使用に関する。
「エキソン」は、ポリペプチドへのアミノ酸の組立てを通常の場合には導く情報を含有する遺伝子配列を示す。特定の状況のもとでは、エキソン配列は、ポリペプチドへのアミノ酸の組立てを導かなくてもよいことが可能であり、または、ポリペプチドへのアミノ酸の組立てを導くことができなくもよいことが可能である。1つのそのような状況が、ポリペプチドの合成を導く能力、またはポリペプチドの合成を導くことができる配列の能力を乱す、エキソン配列の上流側における1つまたは複数の変異の存在である。「イントロン」は、ポリペプチドについて見出されるアミノ酸の順序に関する情報を含有しない、エキソン配列の間に点在して通常の場合には見出される配列を示す。エキソン配列の情報の中身は、ポリペプチドにおけるアミノ酸の配列に限定されなくてもよいこと、および、遺伝子は、エキソンまたはイントロンのいずれでもない配列を含有することができることが当業者によって理解される。エキソンまたはイントロンのいずれでもない遺伝子配列のいくつかの例には、転写、翻訳、RNAプロセシング、RNA分解、染色体の維持および複製、または、核もしくは細胞質の他のプロセスに関与する酵素の活性を導く配列を含めて、開始コドンの前および停止コドンの後に見出される非翻訳領域が含まれる。
互いに「隣接」しているエキソンは、ポリペプチドにおいて互いに隣接して連続して見出される。隣接しているエキソンを隔てるさらなる配列が存在し得る。そのような介在配列の一例がイントロンである。他の配列もまた、2つの隣接するエキソンの間に介在することができ、これには、スペーサー領域、および翻訳されない遺伝子配列の任意の形態が含まれる。1つだけのエキソンに由来する配列は、特定の遺伝子に由来する特定のエキソンの規定された境界の内部から全体が由来し得る。1つだけのエキソンに由来する配列はまた、他の非エキソン配列(例えば、1つまたは複数のイントロンまたは他の非翻訳配列に由来する配列など)を含むことできる。
下記の実施例は本発明の様々な適用を開示するが、限定であることが意図されない。これらの実施例は、従来の小児スクリーニング方法と一緒に使用することができ、または一次スクリーニングツールとして使用することができる。
(候補遺伝子)
〔実施例1〕候補遺伝子の選択
本発明のアレイにおいて意図される候補遺伝子が、文献の再検討から得られる遺伝子、および、例えば、様々なデータベース(すなわち、NCBI、Celera、Hereditary Hearing Loss Homepage、GeneDis)に開示される遺伝子を含めるために、様々な供給源から選択される。多数の候補遺伝子がこの分野では知られている一方で、様々な候補遺伝子が依然として未だ発見されておらず、これらの遺伝子は、選択基準におけるそれらの位置に基づいて本発明の範囲内で意図される。これらの候補遺伝子は、遺伝子変異が非症候群型または症候群型の表現型をコードするかどうか、および、遺伝子変異が相対的に高い有病率、中程度の有病率または低い有病率を有するかどうかに基づいて優先順位をつけることができる。有病率カテゴリーは、難聴を引き起こす変異とともに同定された家族数に基づくことができる(高い、20を越える家族;中程度、10〜19の家族;低い、10未満の家族)。含めるために候補遺伝子に優先順位をつけるための基準は、例えば、(優先順位が低くなる順に)下記の通りである:
1)非症候群性−高い有病率;
2)症候群性(しかし、小児期早期においては容易に現れない);
3)非症候群性−中程度の有病率;および
4)非症候群性−低い有病率。
これらの候補遺伝子は、含めるために、
1)HIに関連する明確な変異の同定;および
2)候補遺伝子の変異と、早期発症、ハンディキャップとなっているHI(2歳未満)、および付随する会話能力の遅れとの関連
に基づいて選択することができる。
データは、聴覚表現型、遺伝形質、ならびに、コードDNAのエキソンおよび塩基対の数、罹患家系の有病率および疫学について集められる。この情報の組合せにより、候補遺伝子をアレイ上に含めるために選択することが可能となる。
下記の表は、本発明のアレイに含められる候補遺伝子の非限定的な例である:
Figure 2006518605
〔実施例2〕候補遺伝子の代表的な捕獲オリゴヌクレオチドの作製
候補遺伝子の遺伝子配列およびcDNA構造のすべてが、学術文献および特許文献などの資源から、ならびに利用可能なデータベース(すなわち、NCBI、Celera、Hereditary Hearing Loss Homepage、GeneDis)の分析から確認される。既知の候補遺伝子の場合のように、候補遺伝子であることが見出されたさらなる遺伝子の遺伝子配列およびcDNA構造を、この分野における知られている方法によって決定することができる。このことはこれらの候補遺伝子の任意の変異に対して適用される。遺伝子構造のこの詳細な分析は、候補遺伝子のコード領域、スプライシング接合部、同定可能なプロモーターおよび他の示される領域を増幅するためのPCRプライマーの構築において使用される。
例えば、エキソン−イントロンの境界を、ラージギャップツールSequencher4.05(Genecodes、Ann Arbor、MI)などのこの分野で利用可能なソフトウエアを使用して、cDNA配列およびゲノム配列に由来する遺伝子から同定することができる。これらのcDNA配列および/またはゲノム配列は、例えば、公開されているデータベース、文献の再検討から、ならびに実験によって得ることができる。候補遺伝子のコード配列の代表的なオリゴヌクレオチドを作製するために、様々なPCRプライマーが構築され、これらのコード配列をPCR増幅するための最適化された条件が決定される。
各エキソンのコード領域、スプライス部位、および約100bpの各イントロンを増幅する1つのそのような方法は下記の通りである:
プライマーをイントロン内に置くことができる。PrimerSelect(DNASTAR)プライマーアルゴリズムを、プライマー設計を最大にするために利用することができる。PCRが、40ngのゲノムDNAを用いて、1.50μlの緩衝液(100mMのTRIS-HCl(pH8.8)、500mMのKCl、15mMのMgCl2、0.01%(w/v)のゼラチン);各10μMのdCTP、dGTP、dTTTおよびdATPを含有し、2.5pmolの順方向プライマーおよび逆方向プライマー、ならびに0.25UのTaqポリメラーゼが補充された12μlの反応混合液において行われる。30サイクルの増幅が、94℃で30秒間、55℃(または最適化された温度)で30秒間、72℃で30秒間行われ、その後、72℃での10分の伸長が行われる。反応生成物は、アガロースゲルで分離し、直接の清浄化またはゲル精製(Qiagen Inc.、Valencia、CA)に供され、配列決定により確認することができる。
プライマーはまた、遺伝子のエキソン、イントロンまたは任意の他の非翻訳領域から遺伝子配列のみを増幅するために選ぶことができる。例えば、下記の表には、難聴に関係する特定の遺伝子(CDH23、KCNE1、KCNQ1、MYO7A、OTOF、SLC26A4およびUSH2A)から関連した配列を増幅するために使用されているプライマー対のための配列情報および増幅生成物情報が含まれる。これらの反応によって生じる増幅生成物は本発明とともに使用することができ、1つまたは複数のエキソン、イントロンおよび他の非翻訳領域に由来する配列を含有することがある。設計された特定のプライマーは、ポリメラーゼ連鎖反応型の増幅反応における最適なプライマー活性能力について選択および試験されている遺伝子配列の様々なセグメントを表している。これらのプライマー配列は、本発明とともに使用することができるさらなる手法(これには、他の増大手法および増幅手法が含まれる)において有用であり得る。これらの例示的なプライマー配列は、増幅反応において有用性をもたらす特性を有する一方で、当業者は、プライマー配列のこれらのリストが配列増幅の目的のためだけに限定されないこと、および、本発明の技術とともに使用することができる他のプライマー配列(これには、プライマー配列が下記に示される難聴遺伝子とは異なる難聴遺伝子を増幅するためのプライマー配列が含まれる)が存在し得ることを理解する。
Figure 2006518605
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下記の実施例は本発明の様々な適用を開示するが、限定であることが意図されない。これらの実施例は従来の小児スクリーニング方法と一緒に使用することができ、または、一次スクリーニングツールとして使用することができる。
〔実施例3〕「配列再決定」アレイ
小児患者のスクリーニングにおけるアレイの実施に先だって、「配列再決定」マイクロアレイが変異分析のために作製され、また、標識されたPCR生成物を検出し、かつその配列分析を行うアレイの能力の最初の特長づけを行うために作製される。1つのそのような「配列再決定」マイクロアレイが下記のように調製される:
アレイが、配列決定される可能な60,000の位置のそれぞれが8個の異なるオリゴヌクレオチド(すなわち、上部鎖および下部鎖の両方におけるそれぞれの可能な塩基について4つ)によって表されるように構築される。このように設計されると、配列読み取りの信頼性が極めて大きくなる(>99.9999%)。高密度VDAが、標準的なフォトリソグラフィー合成および固相DNA合成を使用して製造される。300,000個の形体のそれぞれが24x20μmのサイズである。1つの形体は、規定された配列を有する約25bpの長さのオリゴヌクレオチドプローブの約106コピーからなる。アレイを利用するために、PCR生成物は約75bp〜約250bpの平均サイズに加水分解され、ビオチン化に供され、そして、ハイブリダイゼーション強度分析の検出のための標準的な抗体検出方法を使用してチップにハイブリダイゼーションさせられる。
〔実施例4〕妥当性確認研究
インフォームドコンセントが得られた後、GJB2の変異型DNAが、10個の被験体(約6X105bp)において、マイクロアレイによって行われた分析と、配列決定との間で比較される。マイクロアレイの結果が、配列決定と比較されるヘテロ接合およびホモ接合の呼び出し正確性について比較される。この研究は、マイクロアレイツールが所望の仕様に従って構築されていることを保証するためのデータを提供する。また、従来の配列決定装置および製造されたアレイの両方での、難聴被験者の集団から得られたPCR生成物の配列決定を含む大規模な妥当性確認研究が行われる。好ましい実施形態において、約100名の被験体またはそれ以上がそのような妥当性確認研究のためにサンプル採取される。
〔実施例5〕第一世代の変動検出アレイ(VDA)
下記の候補遺伝子を表す捕獲ヌクレオチド配列を含有するVDAを構築する。アレイ上の捕獲ヌクレオチド配列には、スクリーニングされる特定の遺伝子についての変異型が含まれる。
Figure 2006518605
血液サンプルを小児患者から集め、DNAを、そのような目的のための市販キット(Qiagen, Inc.)を使用して血液サンプルから単離する。簡単に記載すると、商業的プロトコルに従って、患者から抜き取られた全血の200μLのサンプルを、20μLのQiagenプロテアーゼ、200μLの「緩衝液AL」、界面活性剤溶液、および4μLのQiagen RNaseストック溶液とともに微量遠心分離チューブに入れて、細胞を溶解し、細胞溶解時に放出された細胞破片を可溶化する。チューブを56℃で10分間加熱した後、チューブを微量遠心分離機で軽く遠心分離し、200μLの100%エタノールをチューブに加え、内容物を、軽くボルテックス処理することによって混合し、そして、チューブの内容物のすべてをチューブの底に集めるために微量遠心分離機で軽く遠心分離する。その後、チューブの内容物をQIAampスピンカラムに入れる。これらのカラムは、穏和な酸性pH条件のもとで核酸と結合する樹脂を含有する。カラムを微量遠心分離機において8000RPMで1分間回転することによって、溶液を樹脂に通し、血液サンプル由来の染色体DNAを樹脂に結合させる。ろ液を捨て、その後、結合したDNAを有する樹脂を、500μLの洗浄緩衝液AW1を加え、8000RPMで1分間回転することによって洗浄する。洗浄ろ液を捨て、500μLの洗浄緩衝液AW2をカラムに加える。カラムを14,000RPMで3分間回転して、ろ液を捨てる。14,000rpmで1分間のさらに1サイクルの回転を行い、カラムからの洗浄緩衝液の完全な除去を確実にする。サンプルを溶出するために、200μLの緩衝液AE(これは穏和な塩基性pHを有する)を樹脂に加え、室温で1分間インキュベーションする。インキュベーション後、微量遠心分離機での短時間の遠心分離を行い、これにより、高度に精製されたDNAサンプルを約200μLの緩衝液において6μgのDNAの典型的な収量で得る。
ゲノムDNAサンプルの特定部分をロングPCRによって増幅して、目的とする遺伝的遺伝子座を含有する特有の非反復配列のそのような領域を増幅し、マイクロアレイ配列決定プロトコルにおける使用のための十分な量のDNAを作製する。Cutler他(同上)に記載されるようなプロトコルに従って、ロングPCRプライマーを、発表されたヒトゲノム配列およびAmplify1.2プライマー設計ソフトウエアプログラムを使用して設計する。プライマーは、増幅されるゲノム配列のそのような区画に対して一義的に結合することを保証するために、長さが30塩基〜32塩基であり、45%〜60%の間のGC含有量を有し、ピリミジンヌクレオチドで終わる。PCR増幅反応が、GCが多いゲノム配列の増幅を助けるために製造者の標準的なPCR混合物にDMSOを添加するとともに、TaKaRa LA Taq酵素(TaKaRa Biomedicals, Inc.)を用いて行われる。68℃のアニーリング温度が、ミスプライミングを低下させるために、また、PCRの高い忠実度を保証するために使用される。反応液は100ngのゲノムDNAをテンプレートとして含有し、長さが約6キロベース〜7キロベースの、増幅されたゲノム配列のフラグメントをもたらす。ゲノム配列の成功した増幅は、各反応からの生成物の一部を1%アガロースゲルで分析することによって確認される。増幅されたDNAのバンドが、サイズを確認し、かつ、PCR反応の収量を見積もるために高分子量DNAラダー標準物と比較される。
このDNAサンプルを、本発明のアレイおよび標準的なアレイ分析プロトコルを使用して分析する。ヒトから得られたゲノムDNAサンプル内の変異に対する検出におけるマイクロアレイの使用の一例については、Cutler他(同上)、ならびに、Hacia,J他(1998)、Genome Res、8:1245〜1258を参照のこと。簡単に記載すると、DNAを本発明のマイクロアレイに適用する前に、増幅されたゲノムDNAは、本発明のマイクロアレイとの使用についてより好適なサイズであるゲノムDNAのフラグメントを生じさせるために、DNAseIによる短時間の消化に供される。ゲノムDNA、DNAseIおよびアセチル化ウシ血清アルブミン(BSA)(ともに、Pharmacia Biotech, Inc.から得られる製品)をスナップトップチューブに入れて、37℃の水浴で15分間インキュベーションし、その後、99℃で15分間インキュベーションして、酵素を失活させる。フラグメントは、1mMのビオチン−N6−ddATP(NEN Life Sciences)および15U/μLのrTdT酵素(Gibco BRL)を使用してビオチンによる標識化を受ける。標識化は37℃で90分間のインキュベーションのときに行われ、その後、99℃で15分間のインキュベーションが、酵素を失活させるために行われる。本発明のマイクロアレイを用いた、フラグメント化および標識されたDNAの分析が、プレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーション、洗浄および走査の4段階で行われる。プレハイブリダイゼーションでは、本発明のアレイを、3MのTMACL(テトラメチルアンモニウムクロリド)および1%のTritonX-100界面活性剤を含有する10mMのTris溶液(pH7.5)と5分間インキュベーションすることが伴う。標識されたDNAのハイブリダイゼーションが、DNAサンプル(100μg/ml)、3MのTMACL、500μg/mlのBSA、0.01%のTween20界面活性剤を含有する10mMのTris溶液(pH7.5)を使用して行われる。本発明のアレイは、この溶液と44℃で16時間、60rpmの回転のもとでインキュベーションされる。ハイブリダイゼーション期間後、サンプル溶液をアレイから除き、アレイを、6XのSSPEおよび0.01%のTween20からなる標準的な洗浄緩衝液において10分間、25℃の温度で2回洗浄する。その後、アレイを、5μg/mLのSAPE、6XのSSPE、0.01%のTween20および2mg/mlのBSAからなる溶液で15分間染色する。さらにもう1サイクルの洗浄の後、フィコエリトリン−ストレプトアビジンコンジュゲート(Molecular Probes, Inc.)による染色を室温で5分間行う。洗浄サイクル後、データが、488nmのアルゴンレーザーを備える走査型共焦点顕微鏡(Gene Chip Scanner[Affymetrix, Inc.])を用いてアレイから得られる。データは、Affymetrixから得られるソフトウエア(GeneChip Software)を使用して可視化および分析される。
(実施例6)第二世代VDA
下記の候補遺伝子を表す捕獲ヌクレオチド配列を含有するVDAを構築する。アレイ上の捕獲ヌクレオチド配列は、スクリーニングされる特定の遺伝子についての変異型を含む。
Figure 2006518605
サンプルを小児患者から集め、第2世代VDAを使用してスクリーニングする。
〔実施例7〕第3世代VDA
下記の候補遺伝子を表す捕獲ヌクレオチド配列を含有するVDAを構築する。アレイ上の捕獲ヌクレオチド配列は、スクリーニングされる特定の遺伝子についての変異型を含む。
Figure 2006518605
サンプルを小児患者から集め、第3世代VDAを使用してスクリーニングする。
〔実施例8〕DFNB1 VDAの多型
DFNB1を引き起こす変異型配列およびそれらの正常な対応体に向けられたプライマーを含有する捕獲ヌクレオチド配列を含有するVDAを構築する。1つの標的集団および/または複数の標的集団におけるサンプルを小児患者から集め、このアレイを使用してスクリーニングする。DFB1を引き起こす特定の遺伝的変異が標的集団において優勢であることがマイクロアレイデータにおいて明らかにされる。
標的集団は、DFNB1のどの変異が白人集団に関連するかを同定するために様々な白人集団をスクリーニングすることを含むことができる。同じスクリーニングを、どの変異が特定の標的集団を表し得るかを突き止めるために、任意の集団群に適用することができる。
〔実施例9〕難聴に関連する遺伝的変異についての新生児のスクリーニング
遺伝子チップマイクロアレイが、上記に概略される方法に従って構築される。スクリーニングされる正常な遺伝子配列および変異型遺伝子配列には、実施例4〜6において上記で示された遺伝子が含まれる。調査されている遺伝子全体における正常な配列が、難聴に関連する遺伝子における可能な新規なミスセンス変異、ナンセンス変異および欠失変異についてスクリーニングするために、捕獲プローブ配列の中でサンプリングされる。
DNAサンプルが幼児から集められ、増幅され、標識されたDNAサンプルが、そのような目的のための容易に得られる市販キットを使用して調製される。DNAサンプルはマイクロアレイチップに適用され、そして、Affymetrixプロトコルに従って、そのDNAが調べられ、データが処理される。
難聴に関連する対立遺伝子を保有するとして同定される幼児は、聴覚障害を確認するために生理学的方法を用いて検査される。マイクロアレイDNA分析から得られた情報を使用して、リハビリ訓練プログラムが作成され、幼児の特定の障害に従って幼児の個々の聴覚必要性に合わせて調節される。
(例示的適用)
幼児における遺伝的難聴の病因を明らかにするための本発明の診断アレイは、従来の新生児聴覚スクリーニング方法と一緒に使用することができ、または、従来の新生児聴覚スクリーニング方法のいくつかの局面の代替として使用することができる。
本発明の診断アレイは、候補遺伝子内の多型を比較するために使用することができ、これにより、既知の変異を説明することができ、また、実施例8において例示されるように候補遺伝子の新しい変異を発見することを試みることができる。標的集団をスクリーニングすることができ、そして、集団内の比較および他の標的集団に対する比較を、どのタイプの変異が特定の標的遺伝子について特定の標的集団において生じているかをより良好に同定するために明らかにすることができる。
捕獲ヌクレオチド配列を含有するアレイは特定の民族および特定の集団などに向けることができる。このことは、「デザイナー」アレイが、米国、欧州、アジア、東南アジア、中東の諸地域などにおける新生児聴覚スクリーニング方法の必要性と一致させて、これらの集団における小児難聴に関連するこれらの遺伝子の遺伝的変動性を説明するために設計されることを可能にする。
将来、本発明によって意図されるアレイは、難聴に関連づけられる障害、および/または、難聴を障害の症状として含む障害について早期に検出するために使用することができる。この情報を使用して、診断された障害の遺伝子治療に適用することができる組換え遺伝子を開発することができる。
(結論)
上記に記載された実施例は、本発明の理解を助けるためだけに示される。従って、当業者は、本発明により、小児難聴に関連する遺伝子を同定するためのマイクロアレイおよび診断方法が提供され得ることを理解する。本明細書中に記載される候補遺伝子、捕獲ヌクレオチド配列およびアレイは、現在において特定の実施形態を表し、例示であり、従って、本発明の範囲に対する限定として意図されない。本発明の精神に包含される、それらにおける様々な変化および他の使用が当業者に生じる。様々な置換および改変が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本明細書中に開示された発明に対してなされ得ることが当業者には容易に明らかである。従って、本発明は、好ましい実施形態および最適な特徴によって具体的に開示されているが、本明細書中に開示される概念の様々な改変および変化が当業者によって再建され得ること、そして、そのような改変および変化は、下記の請求項によってのみ限定される本発明の範囲に含まれると見なされることを理解しなければならない。

Claims (37)

  1. 難聴に対する原因または危険因子を診断するための方法であって、
    サンプルを患者から得ること;
    難聴に対する危険性に関連する少なくとも5個の遺伝子座の対立遺伝子の存在または非存在についてサンプルをスクリーニングして、スクリーニングの結果を得るること;
    結果に基づいて診断を行うこと
    を含む方法。
  2. 前記患者が子供である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記患者が幼児である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記患者が1歳未満である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記患者が1ヶ月未満である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記患者が胎児である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記スクリーニングが少なくとも10個の遺伝子座に関するものである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記スクリーニングが少なくとも20個の遺伝子座に関するものである、請求項7に記載の方法。
  9. 結果が、難聴に対する危険性に関連する少なくとも1個の対立遺伝子の存在である、請求項1に記載の方法。
  10. 結果が、難聴に対する危険性に関連する少なくとも2個の対立遺伝子の存在である、請求項9に記載の方法。
  11. 結果が、患者の特定の遺伝子型において同時に存在するとき、難聴に対する危険性に関連する2個以上の対立遺伝子の存在である、請求項10に記載の方法。
  12. 結果が、難聴に対する危険性に関連する対立遺伝子の非存在である、請求項1に記載の方法。
  13. 前記診断が、症候群性難聴、非症候群性難聴および非難聴からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  14. 前記診断が、感音性難聴、非感音性難聴、伝音性難聴および混合寄与難聴からなる群から選択される症候群性難聴である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記サンプルは羊水を含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記サンプルは血液を含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記サンプルは上皮細胞を含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記サンプルは、難聴の従来のスクリーニング法を受けた小児患者に由来する、請求項1に記載の方法。
  19. 前記遺伝子配列は、CDH23、MYO7A、OTOF、SLC26A4、USH2A、KCNQ1、KCNE1、GJB2およびGJB6からなる群から選択される遺伝子に見出される配列を含む、請求項1に記載の方法。
  20. 前記遺伝子配列は少なくとも2つの隣接エキソンの配列を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記多数の隣接エキソンが、CDH23のエキソン2〜3、CDH23のエキソン4〜6、CDHのエキソン7〜9、CDH23のエキソン10〜11、CDH23のエキソン12〜13、CDH23のエキソン14〜16、CDH23のエキソン17〜21、CDH23のエキソン22〜27、CDH23のエキソン28〜31、CDH23のエキソン32〜36、CDH23のエキソン37〜43、CDH23のエキソン44〜46、CDH23のエキソン47〜53、CDH23のエキソン53〜68、GJB2のエキソン1〜2、GJB6のエキソン1〜4、KCNE1のエキソン1〜2、KCNQ1のエキソン3〜6、KCNQ1のエキソン7〜10、KCNQ1のエキソン12〜15、MYO7Aのエキソン5〜14、MYO7Aのエキソン16〜21、MYO7Aのエキソン16〜18、MYO7Aのエキソン22〜26、MYO7Aのエキソン28〜35、MYO7Aのエキソン36〜44、MYO7Aのエキソン45〜49、OTOFのエキソン4〜5、OTOFのエキソン6〜8、OTOFのエキソン9〜11、OTOFのエキソン12〜25、OTOFのエキソン16〜25、OTOFのエキソン16〜18、OTOFのエキソン16〜20、OTOFのエキソン19〜20、OTOFのエキソン21〜25、OTOFのエキソン16〜39、OTOFのエキソン26〜39、OTOFのエキソン40〜47、SLC26A4のエキソン1〜3、SLC26A4のエキソン4〜6、SLC26A4のエキソン11〜18、SLC26A4のエキソン19〜21、USH2Aのエキソン1〜3、USH2Aのエキソン5〜9、USH2Aのエキソン10〜11、USH2Aのエキソン12〜13、USH2Aのエキソン15〜16およびUSH2Aのエキソン17〜20からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記遺伝子配列が1つだけのエキソンを含む、請求項19に記載の方法。
  23. 前記1つだけのエキソンが、GJB2のエキソン2、KCNE1のエキソン3、KCNE1のエキソン4、KCNQ1のエキソン1、KCNQ1のエキソン2、KCNQ1のエキソン11、KCNQ1のエキソン16、MYO7Aのエキソン1、MYO7Aのエキソン2、MYO7Aのエキソン3、MYO7Aのエキソン4、MYO7Aのエキソン15、MYO7Aのエキソン21、MYO7Aのエキソン27、OTOFのエキソン1、OTOFのエキソン2、OTOFのエキソン3、USH2Aのエキソン4、USH2Aのエキソン14およびUSH2Aのエキソン21からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記サンプルにおける遺伝物質の量が前記スクリーニングの前またはその途中で増大される、請求項1に記載の方法。
  25. 前記増大が、ポリメラーゼ連鎖反応によって行われる増幅である、請求項24に記載の方法。
  26. 前記増大は、表2〜表10に見出されるプライマー配列の使用を伴う、請求項24に記載の方法。
  27. 難聴に対する危険性に関連する対立遺伝子の存在または非存在を示す少なくとも5個の配列を含む診断用難聴マイクロアレイ。
  28. 難聴に対する危険性に関連する対立遺伝子の存在または非存在を示す少なくとも10個の配列を含む、請求項27に記載のマイクロアレイ。
  29. 難聴に対する危険性に関連する対立遺伝子の存在または非存在を示す少なくとも20個の配列を含む、請求項27に記載のマイクロアレイ。
  30. ミトコンドリアに由来し、かつ、難聴に対する危険性の存在または非存在を示す配列をさらに含む、請求項27に記載のマイクロアレイ。
  31. 前記配列が、CDH23、MYO7A、OTOF、SLC26A4、USH2A、KCNQ1、KCNE1、GJB2およびGJB6に由来する遺伝子配列からなる群から選択される、請求項27に記載のマイクロアレイ。
  32. 前記配列は多数の隣接エキソンを含む、請求項31に記載のマイクロアレイ。
  33. 前記多数の隣接エキソンが、CDH23のエキソン2〜3、CDH23のエキソン4〜6、CDHのエキソン7〜9、CDH23のエキソン10〜11、CDH23のエキソン12〜13、CDH23のエキソン14〜16、CDH23のエキソン17〜21、CDH23のエキソン22〜27、CDH23のエキソン28〜31、CDH23エキソン32〜36、CDH23のエキソン37〜43、CDH23エキソン44〜46、CDH23のエキソン47〜53、CDH23のエキソン53〜68、GJB2のエキソン1〜2、GJB6のエキソン1〜4、KCNE1のエキソン1〜2、KCNQ1のエキソン3〜6、KCNQ1のエキソン7〜10、KCNQ1のエキソン12〜15、MYO7Aのエキソン5〜14、MYO7Aのエキソン16〜21、MYO7Aのエキソン16〜18、MYO7Aのエキソン22〜26、MYO7Aのエキソン28〜35、MYO7Aのエキソン36〜44、MYO7Aのエキソン45〜49、OTOFのエキソン4〜5、OTOFのエキソン6〜8、OTOFのエキソン9〜11、OTOFのエキソン12〜25、OTOFのエキソン16〜25、OTOFのエキソン16〜18、OTOFのエキソン16〜20、OTOFのエキソン19〜20、OTOFのエキソン21〜25、OTOFのエキソン16〜39、OTOFのエキソン26〜39、OTOFのエキソン40〜47、SLC26A4のエキソン1〜3、SLC26A4のエキソンの4〜6、SLC26A4のエキソン11〜18、SLC26A4のエキソン19〜21、USH2Aのエキソン1〜3、USH2Aのエキソン5〜9、USH2Aのエキソン10〜11、USH2Aのエキソン12〜13、USH2Aのエキソン15〜16およびUSH2Aのエキソン17〜20からなる群から選択される、請求項32に記載のマイクロアレイ。
  34. 前記配列が1つだけのエキソンを含む、請求項31に記載のマイクロアレイ。
  35. 前記1つだけのエキソンが、GJB2のエキソン2、KCNE1のエキソン3、KCNE1のエキソン4、KCNQ1のエキソン1、KCNQ1のエキソン2、KCNQ1のエキソン11、KCNQ1のエキソン16、MYO7Aのエキソン1、MYO7Aのエキソン2、MYO7Aのエキソン3、MYO7Aのエキソン4、MYO7Aのエキソン15、MYO7Aのエキソン21、MYO7Aのエキソン27、OTOFのエキソン1、OTOFのエキソン2、OTOFのエキソン3、USH2Aのエキソン4、USH2Aのエキソン14およびUSH2Aのエキソン21からなる群から選択される、請求項34に記載のマイクロアレイ。
  36. 請求項27に記載されるマイクロアレイ;および
    前記マイクロアレイとともに使用される緩衝液および成分
    を含む、難聴の原因となる候補遺伝子を検出するためのキット。
  37. 前記マイクロアレイは、固体支持体に結合した複数の捕獲ヌクレオチド配列を含む固体支持体を含み、この場合、前記捕獲ヌクレオチド配列は難聴に対する候補遺伝子の領域を表し、かつ、キットの支持体は、標的核酸配列を含む患者由来のサンプルと接触するように適合化され、前記接触により、標的核酸配列と、難聴に対する候補遺伝子の領域を表す捕獲ヌクレオチド配列とのストリンジェントな条件のもとでのハイブリダイゼーションが可能になる、請求項36に記載のキット。
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