JP6027797B2 - 建物耐震性評価システム及び建物耐震性評価方法 - Google Patents

建物耐震性評価システム及び建物耐震性評価方法 Download PDF

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本発明は、地震動に対する建物の受ける影響を推定する建物耐震性評価システム及び建物耐震性評価方法に関する。
近年、建物(建築物)の耐震性能についての関心が高まってきている。このため、対象となる建物の地震応答解析用の解析モデル(振動解析モデル)を生成し、この解析モデルを用いたコンピュータによる地震動に対する建物の地震応答解析が耐震シミュレーションとして行われている。
この解析モデルは、質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスの各々を、ぞれぞれ加速度、速度、変位に乗じて構成される、多質点系の運動方程式(常微分方程式)として生成される。
この建物の地震動による加速度を解析モデルに印加することにより、各質点における応答値の解析を行い、新築住宅の建物としての耐震設計あるいは既存住宅の耐震補強等の必要箇所の推定を実現することが可能となる(例えば、特許文献1)。
特開2008−276474号公報
しかしながら、上述した特許文献1においては、建物の応答解析(時刻歴応答解析)を行う解析モデルが、設計時点において想定した条件に対する質量マトリクス及び剛性マトリクスを用いて構成されている。
しかし、剛性マトリクスや質量マトリクスの各々は、材料特性のバラツキ、施工誤差、経年劣化、什器などの建物内部設置物の重量変動、解析上の剛性・耐力評価式の精度などにより、建物の実情とは異なる。
この結果、設計時における条件で作成した解析モデルは、実際の建物の地震における応答特性には対応しておらず、建物の実情を精度良く反映した応答解析を行うことができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、材料特性のバラツキ、施工誤差、経年劣化、什器など建物内部設置物の重量変動、解析上の剛性・耐力評価式の精度などの条件の変化に対応し、建築物の実状にあった解析モデルにより、建築物の応答解析を行う建物耐震性評価システム及び建物耐震性評価方法を提供することを目的とする。
本発明の建物耐震性評価システムは、建物の設計データから生成した解析モデルにより、当該建物の振動における応答解析シミュレーションを行う建物耐震性評価システムであり、前記建物を構成する要素として梁要素以外の要素を含む立体骨組モデルに基づいて多質点系の運動方程式が決定され、前記多質点系の運動方程式によって示される前記解析モデルにより、前記建物の前記要素に定められた評価対象位置における応力と変形量とを含む応答値を求める応答解析シミュレーションを行う応答解析シミュレーション部と、前記建物の複数の前記評価対象位置に設けられた加速度センサの振動データから得られた応力と変形量とを含む応答値と、前記応答解析シミュレーションの結果における前記評価対象位置に対応する位置における応力と変形量とを含む応答値との差分を誤差データとして求める誤差データ算出部と、前記建物に設けられた設備の重さ又は前記建物の利用者の重さの変化に応じて前記解析モデルの質量、減衰及び剛性を示す係数を変更する解析モデル変更部とを備え、前記解析モデル変更部が、前記誤差データが予め設定した閾値未満となるまで、前記係数を変化させる毎に、前記応答解析シミュレーション部に当該係数を変化させた解析モデルにより応答解析シミュレーションを実行させることを特徴とする。
本発明の建物耐震性評価システムは、常時微動の振動データから伝達関数を求め、前記係数の同定処理を行う伝達関数計算部をさらに備え、前記伝達関数計算部が、前記応答解析シミュレーション部が前記応答解析シミュレーションを行う前に、前記係数の前記同定処理を行うことを特徴とする。
本発明の建物耐震性評価システムは、前記振動データの一つが、応答解析シミュレーションで地動加速度として用いる加速度データを取得する位置に設置された前記加速度センサからの振動データであることを特徴とする。
本発明の建物耐震性評価システムは、前記振動データの他の一つが、前記建物に設置された前記加速度センサのうち最上部に位置する加速度センサからの振動データであることを特徴とする。
本発明の建物耐震性評価システムは、前記応答解析シミュレーション部が、前記地動加速度として用いる加速度データが予め設定した加速度を超えた場合に、前記応答解析シミュレーションを行うことを特徴とする。
本発明の建物耐震性評価方法は、建物の設計データから生成した解析モデルにより、当該建物の振動における応答解析を行う建物耐震性評価方法であり、応答解析シミュレーション部が、前記建物を構成する要素として梁要素以外の要素を含む立体骨組モデルに基づいて多質点系の運動方程式が決定され、前記多質点系の運動方程式によって示される前記解析モデルにより、前記建物の前記要素に定められた評価対象位置における応力と変形量とを含む応答値を求める応答解析シミュレーションを行う応答解析シミュレーション過程と、誤差データ算出が、前記建物の複数の前記評価対象位置に設けられた加速度センサの振動データから得られた応力と変形量とを含む応答値と、前記応答解析シミュレーションの結果における前記評価対象位置に対応する位置における応力と変形量とを含む応答値との差分を誤差データとして求める誤差データ算出過程と、解析モデル変更部が、前記建物に設けられた設備の重さ又は前記建物の利用者の重さの変化に応じて前記解析モデルの少なくとも質量及び剛性の係数を変更する解析モデル変更過程とを含み、前記解析モデル変更部が、前記誤差データが予め設定した閾値未満となるまで、前記係数を変化させる毎に、前記応答解析シミュレーション部に当該係数を変化させた解析モデルにより応答解析シミュレーションが実行されることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、振動によって得られる振動データにより、解析モデルにおける係数を更新することにより、その時点における建物の状態に応じた解析モデルにより、建物の応答解析シミュレーションを行うことが可能となり、経年劣化や各階に設置された什器などの重量などの条件の変化に対応し、実情にあった建物の応答解析を行うことができる。
本発明の第1の実施形態による建物耐震性評価システムの構成例を示す概念図である。 第1の実施形態による建物耐震性評価システムにおける建物100の各階(各質点)における応答値を求める動作例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態による建物耐震性評価システムの構成例と、評価対象の建物に設けた加速度センサの配置例とを示す概念図である。 伝達関数計算部18が行う常微振動による質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスの各々の要素の同定を行う処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態による建物耐震性評価システムにおける建物100の各階(各質点)における応答値を求める動作例を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、図を用いて本発明の第1の実施形態の建物耐震性評価システムの説明を行う。図1は、本発明の第1の実施形態による建物耐震性評価システムの構成例と、評価対象の建物に設けた加速度センサとが接続された構成を表す概念図である。
図1において、建物耐震性評価システム1は、インターネットなどからなる情報通信網Iを介して、建物100に設けられている加速度センサS、S及びSの各々から地震動の振動データとして加速度データが供給される。加速度センサSは、地上階に設けられており、耐震評価の対象の建物の最下層部分に印加される加速度を測定する。また、加速度センサS、S及びSの各々は、自身に印加される加速度の加速度値を加速度データとして、常時、情報通信網Iを介して建物耐震性評価システム1に対して送信している。
ここで、加速度センサは、建物のそれぞれ異なる高さの箇所に2個以上の複数個を配置する必要がある。すなわち、後述する解析モデルを生成する際、最も精度を向上させるためには、建物の各階に設置することが望ましい。また、少ない個数の加速度センサによって精度を向上させる場合、少なくとも最下層(あるいは最下部)と最上層(あるいは最上部)とに最低2個が必要となる。
建物耐震性評価システム1は、解析モデル生成部10、応答解析シミュレーション部11、誤差データ算出部12、送受信部13、解析モデル変更部14、損傷箇所推定部15、データベース16及び表示部17を備えている。
送受信部13は、加速度センサS、S及びSの各々からの加速度データを情報通信網Iを介して受信し、この加速度データを加速度データに付加されているセンサの各々を識別するセンサ識別情報とともに、受信した加速度データを時系列にデータベース16に対し、建物100に対応させて書き込んで記憶させる。
また、送受信部13は、推定された損傷箇所を示す解析データなどを、情報通信網Iを介して図示しない建物100の管理を行う管理センタに設けられた端末(サーバあるいはパーソナルコンピュータ)に送信する。
表示部17は、画像を表示する表示装置であり、例えば液晶表示装置などである。
解析モデル生成部10は、解析モデルを生成するため、この解析モデルを生成する基本モデル(後述する(1)式)と、設計図書などにおける解析対象の内部領域の地盤及び建物の動特性マトリクス(後述する質量、減衰及び剛性各々のマトリクス)を演算するための設計データとをデータベース16から読み出す。この設計データは、例えば、建物内部領域の地盤各層毎の物性値(密度、弾性波速度、減衰定数など)や、建物の振動特性を示す各階の定数(質量、剛性、減衰定数など)がある。また、基本モデルは、建物100の後述する第1世代の解析モデルを生成するためのモデル式であり、解析モデル生成部10により、解析モデルを生成する対象の建物100の階数及び各階の定数により拡張されて解析モデルの第1世代とされる。したがって、この(1)式の基本モデルから、設計図書などにて第1世代の解析モデルが生成される際、建物100の階数及び建物の振動特性を示す各階の定数に対応して拡張されることになる。
また、上記解析モデルは、質点系モデルまたは立体骨組モデルとすることができる。この質点系モデルとする場合は、建物の立体骨組弾塑性解析モデル(立体フレームモデル)などから求めた、振動における多質点系の運動方程式である。
ここで、例えば、解析モデルを生成するための基本モデルは、以下の(1)式に示す運動方程式である。
[M]{x’’} + [C]{x’} + [K]{x}=−[M]y’’…(1)
この(1)式において、[M]は質量マトリクスであり、[C]は減衰マトリクスであり、[K]は剛性マトリクスである。また、質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]、剛性マトリクス[K]の各々のマトリクス要素(以下、単に要素とする)は、要素の列数及び行数がディフォルト値となっている。y’’は、解析モデルの最下層における地震の加速度(地動加速度、地表面に対して平行な方向における加速度)を示している。
また、この(1)式において、x’’は地震の加速度(地動加速度、地表面に対して平行な方向における加速度)を示し、x’は速度、xは変位量を示している。{x’’}は地表面に対して垂直方向における解析位置(評価対象位置)である質点の地表面における、各質点の平行方向の加速度を示す列ベクトル(m×1型の行列)である。以下に示すように、(1)式における加速度{x’’}、速度{x’}及び変位{x’}の各々は、下記式に示す列ベクトルとなっている。以下の式においては、建物の階数を便宜的にm階としている。
Figure 0006027797
すなわち、(1)式における列ベクトルである加速度{x’’}は、地表面に垂直方向の解析位置である各質点(例えば、建物の階数に対応)における、地表面に対する平行方向の加速度を示す列ベクトルである。速度{x’}は、地表面に垂直方向の解析位置である各質点における、地表面に対して平行方向の速度を示す列ベクトルである。変位{x}は、地表面に垂直方向の解析位置である各質点における、地表面に対して平行方向の変位を示す列ベクトルである。
解析モデル生成部10は、(1)式における質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]の各々のディフォルトの次元のマトリクス要素を、建物100の階数、及び上記設計データからそれぞれ有限要素法などにより算出して求めた次元のマトリクス要素に変更する。
また、各マトリクスの要素を予め設計データから算出し、建物100の階数及び設計データに対応させてデータベース16予め書き込んで記憶させておく。そして、解析モデル生成部10がデータベース16から、建物100に対応して各マトリクスの要素を読み出し、このマトリクス各々の要素の次元にあわせて基本モデルを拡張して変更し、建物の解析モデルの第1世代を生成するようにしても良い。
そして、解析モデル生成部10は、基本モデルにおける質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]の各々の要素の次元を建物100の階数に対応させて変更(拡張して変更)することにより、質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]を求め、加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x}の縦ベクトルを階数に応じてベクトルの要素数を拡張する。そして、解析モデル生成部10は、この求めた質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]と、加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x}の列ベクトルとを用いて、(1)式を以下の(2)に変更し、解析対象の建物100の第1世代の解析モデルを生成する。
[M]{x’’} + [C]{x’} + [K]{x}=−[M]y’’…(2)
この(2)式において、x’’は地震の加速度(地表面に対して平行な方向における加速度)を示し、x’は速度、xは変位量を示している。この加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x’}は、すでに説明したように、各階を質点とした応答値とした構成である。
そして、解析モデル生成部10は、生成した(2)式の解析モデルを、建物100に対応させて(建物100を識別する識別情報に対応させて)、データベース16に書き込んで記憶させる。
応答解析シミュレーション部11は、耐震評価を行う対象の建物100に対応する(2)式をデータベース16から読み出し、この(2)式に対して加速度センサSから供給される加速度データである加速度y’’(建物100の最下層に設置された加速度センサSの検出する加速度値)を用いて、質点としての各階における列ベクトルである加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x’}の各々の応答値を求める(応答解析シミュレーションを行う)。
すなわち、応答解析シミュレーション部11は、細かい時間間隔Δt毎に(2)式の運動方程式に加速度y’’を代入することにより、列ベクトルである加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x’}の各々を算出する。
誤差データ算出部12は、データベース16から時系列の加速度センサS、S、Sの各々の加速度を読み出し、読み出した時系列の加速度y’’、y’’、y’’の各々を積分し、速度y’、y’、y’を求める。
同様に、誤差データ算出部12は、求めた加速度センサS、S、Sの解析位置の速度y’、y’、y’の各々を積分し、変位y、y、yを求める。
ここで、加速度y’’、y’’、y’’の各々は、それぞれ加速度x’’、x’’、x’’に対応し、速度y’、y’、y’の各々は、それぞれ速度x’、x’、x’に対応し、変位y、y、yの各々は、それぞれ変位x、x、xに対応する。
誤差データ算出部12は、算出された列ベクトルである加速度{x’’}から、加速度センサS、S及びSの各々の配置位置(質点としての階)に対応した位置の加速度x’’、x’’、x’’を抽出する。
同様に、誤差データ算出部12は、算出された列ベクトルである速度{x’}から、加速度センサS、S及びSの各々の配置位置に対応した位置の速度x’、x’、x’を抽出する。
また、誤差データ算出部12は、算出された列ベクトルである変位{x}から、加速度センサS、S及びSの各々の配置位置に対応した位置の変位x、x、xを抽出する。
誤差データ算出部12は、同一の時刻において、加速度y’’、y’’、y’’の各々と、加速度x’’、x’’、x’’の各々とのそれぞれの差分Δa、Δa及びΔaを求める。
同様に、誤差データ算出部12は、速度y’、y’、y’の各々と、速度x’、x’、x’の各々とのそれぞれの差分Δv、Δv及びΔvを求める。
また、誤差データ算出部12は、変位y、y、yの各々と、変位x、x、xの各々とのそれぞれの差分Δd、Δd及びΔdを求める。
ここで、誤差データ算出部12は、例えば、誤差行列{E}={(Δa +Δa +Δa 1/2 (Δv +Δv +Δv 1/2 (Δd +Δd +Δd 1/2}で示す各々の要素の誤差値の合計である誤差Eが予め設定した判定閾値を超える場合、マトリクスの各要素の調整を指示する制御情報を、それぞれの要素の誤差値を付加して、解析モデル変更部14に対して送信する。
解析モデル変更部14は、上述したマトリクスの各要素の調整を指示する制御情報とともに、それぞれの要素の誤差値が供給されると、マトリクス(質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K])の要素の変更処理を行う。例えば、解析モデル変更部14は、全ての要素を予め設定した変化率により変化させ、総当たりで、誤差Eが判定値以下となる、マトリクスの要素を決定する。このとき、応答解析シミュレーション部11は、各マトリクスの要素が変更される度に応答解析のシミュレーションを実行する。そして、解析モデル変更部14は、誤差データ算出部12から、解析モデルの各マトリクスの要素の変更を指示する制御情報が供給される毎に、各マトリクスの要素を変更する処理を行う。ここで、誤差値Eの大きさに応じて、各要素の変化率を調整するようにしても良い。
また、解析モデル変更部14は、解析モデルの質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]の各々において、要素を変更することにより、それぞれ質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]、剛性マトリクス[K]とし、データベース16における建物100に対する解析モデルを以下の(3)式に書き換える。
[M]{x’’} + [C]{x’} + [K]{x}=−[M]y’’…(3)
この(3)式において、x’’は地震の加速度(例えば、地表面に対して平行な方向、あるいは垂直な方向における加速度)を示し、x’は速度(例えば、地表面に対して平行な方向、あるいは垂直な方向における速度)、xは変位量(例えば、地表面に対して平行な方向、あるいは垂直な方向における変位量)を示している。
また、本実施形態における総当たりは、一例である。解析モデル変更部14が行う誤差Eを減少させるアルゴリズムは他の方法を用いてもよい。例えば遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)、局所探索 、シミュレーテッドアニーリング(Simulated Annealing:SA)などを使用しても良い。
また、例えば、誤差値の大きい種類の応答値(加速度、速度、変位)のマトリクスのみの要素を総当たりで調整し、ここで調整された最小値のマトリクスの要素のまま、次に誤差値の大きい種類のマトリクスの要素を調整するというようなアルゴリズムを用いても良い。
損傷箇所推定部15は、応答解析シミュレーション部11が算出した列ベクトルの加速度{x’’}、列ベクトルの速度{x’}、列ベクトルの変位{x}として、解析対象の建物の解析モデルの質点の位置毎(すなわち、質点に対応する階毎)の応答値を得る。
また、損傷箇所推定部15は、質点系モデルを用いた場合、上述した(3)式における動的弾塑性解析から得た加速度、速度及び変位により、最大層せん断力及び最大層間変形角の少なくとも一方を導出する。また、損傷箇所推定部15は、立体骨組モデルを用いた場合、動的弾塑性解析から得た加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x}に加え、建物100の部材(柱、梁、壁、ブレースなど)にかかる応力と変形とを同時に求め、建物100における損壊状態を導出する。ここで、損傷箇所推定部15は、変位ベクトルである列ベクトルの変位{x}から各部材の変形量を、予め設定されている位置など幾何学的な条件から算出する。そして、損傷箇所推定部15は、算出された変形量に基づき、剛性マトリクス[K]を介して応力を求める。
そして、損傷箇所推定部15は、応答解析シミュレーションに質点系モデルを用いた場合、最大層せん断力及び最大層間変形角の少なくとも一方を用いて、建物100の立体架構モデルにおける静的弾塑性解析を行い、建物100に用いられている部材(柱、梁、壁、ブレースなど)毎に損傷状態を推定する。ここで、損傷箇所推定部15は、予め解析モデル内に作成される部材毎の応力と変形との関係から、求められた応力の程度(レベル)に応じた損壊状態が設定されており、求めた応力に対応する損壊状態を、部材毎に出力する。
ここで、各部材の損傷状態に対応させて、損傷状態となる最大層せん断力及び最大層間変形角の少なくとも一方の数値を閾値とし、予めデータベース16に対して、建物単位で各階の部材毎のテーブルとして、書き込んで記憶させる。
そして、損傷箇所推定部15は、導出した最大層せん断力及び最大層間変形角の少なくとも一方の数値に対応し、上述したテーブルから階毎の各部材の各々の損傷状態を求めて出力する。
データベース16は、解析モデルとしての(2)式、(3)式が書き込まれて記憶され、また解析モデルで算出した応答値、加速度センサから供給される加速度データなどが建物100毎に書き込まれて記憶される。
また、データベース16には、建物100毎に設計図書や設計データが予め書き込まれて記憶されている。
次に、図2を用いて本発明の第1の実施形態による建物耐震性評価システムの動作を説明する。この図2は、第1の実施形態による建物耐震性評価システムにおける建物100の各部における応答値を求める動作例を示すフローチャートである。
ステップS1:
解析モデル生成部10は、建物100の解析モデルを生成するため、建物100の設計データと、解析モデルを生成する基本モデルの(1)式とを、データベース16から読み出す。
そして、解析モデル生成部10は、読み出した設計データから、(1)式における質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]、剛性マトリクス[K]各々の各要素を求め、質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]の各要素を求める。
また、解析モデル生成部10は、読み出した設計データにおける建物100の階数から、(1)式の加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x}の列ベクトルの要素を階数に対応するように拡張する。
この結果、解析モデル生成部10は、拡張された質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]と、加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x}の列ベクトルとにより、建物100の設計データに基づく解析モデルの初期モデル(第1世代モデル)である(2)式を生成する。
また、解析モデル生成部10は、生成した建物100の解析モデルである(2)式を、データベース16に対して建物100に対応させて書き込み(例えば、建物100の識別情報とともに書き込み)、記憶させる。
ステップS2:
応答解析シミュレーション部11は、建物100に設けられた加速度センサSから供給される加速度データが供給されると、予め建物100に対して設定された加速度閾値をデータベース16から読み込む。加速度センサS、S及びSの各々は、それぞれが検出可能な(検出感度以上の)加速度値が印加された場合、検出した加速度値を加速度データとして、情報通信網Iを介し、建物耐震性評価システム1に対して送信する。
そして、応答解析シミュレーション部11は、加速度センサSから供給された加速度値が加速度閾値を超えたか否かの判定を行う。
すなわち、地震であれば、建物100の設置されている地盤が揺れて、建物100の最下部に加速度を与える揺れの力が印加されるため、初期において、加速度センサSが他の加速度センサS及びSより高い加速度値を検出することになる。このため、本実施形態においては、加速度センサSの加速度値を、応答解析のシミュレーションを行うか否かを決定するパラメータとして用いている。すなわち、加速度センサS、S及びSの検出感度が同様である場合、加速度センサSやSから加速度データが供給されたとしても、建物100が揺れているのは地震ではなく風や車の走行の振動を原因とする、建物100の固有振動に基づく常時微動による振動と考えられるからである。
このとき、応答解析シミュレーション部11は、加速度値が加速度閾値以上の場合、処理をステップS3へ進め、一方、加速度値が加速度閾値未満の場合、ステップS2の処理を繰り返して行う。
また、加速度閾値を設けない構成として、応答解析シミュレーション部11は、上述したステップS2の処理をせずに、加速度センサSから加速度データが供給される毎に、各マトリクスの要素の変更を行いつつ、建物100の応答解析のシミュレーションを行う構成としても良い。
ステップS3:
応答解析シミュレーション部11は、フローチャートにおけるループの1回目であるとき、建物100の解析モデルである(2)式の解析モデルをデータベース16から読み込む。また、フローチャートにおけるループの2回目以降であるとき、建物100の解析モデルである(3)式の解析モデルをデータベース16から読み込む。
次に、応答解析シミュレーション部11は、加速度センサSから時系列(例えば、Δtの周期毎)に供給される加速度値y’’を、(2)式(2回目以降は(3)式)におけるy’’に代入し、応答値としての加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x}を、前記Δt毎に算出する。
そして、応答解析シミュレーション部11は、建物100に対応させて、時系列に算出した加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x}を、データベース16に対して、算出した順番に書き込んで記憶させる。
このとき、送受信部13は、加速度センサSから時系列に読み込み、加速度y’’として用いたむ加速度データとともに、加速度センサS及びSの各々から時系列に供給される加速度y’’、y’’それぞれを、加速度センサS、S及びSから供給された順番にデータベース16に対して書き込んで記憶させる。このとき、速度y’、y’、y’の各々と、加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x}の各々との順番が対応するように、データベース16に書き込まれて記憶されている。また、送受信部13は、加速度センサS、S及びSの各々から供給される加速度データを同一のタイミングによって、読み込む。
また、応答解析シミュレーション部11は、応答値を建物100に対応させて、時系列に求めた応答値をデータベース16に書き込んで記憶させる。
そして、応答解析シミュレーション部11は、加速度センサSから供給される加速度データの加速度値が加速度閾値以下となると、建物100に対する応答解析のシミュレーションを終了する。また、加速度データの時間範囲を予め設定して、加速度値によらずに、この設定した時間範囲における応答解析シミュレーションを行うように、応答解析シミュレーション部11を構成してもよい。
応答解析のシミュレーションの終了後、応答解析シミュレーション部11は、建物100に対する応答解析のシュミレーションが終了したことを示す終了信号を、建物100を識別する情報を付加して誤差データ算出部12に対して出力する。
ステップS4:
誤差データ算出部12は、応答解析のシミュレーションの終了を示す終了信号が応答解析シミュレーション部11から供給されると、データベース16から、時系列に従って建物100の加速度y’’、y’’、y’’の各々を読み出し、読み出した順番に順次積分して、それぞれ速度y’、y’、y’を求める。
そして、誤差データ算出部12は、求めた速度y’、y’、y’を時系列に建物100に対応させてデータベース16に書き込んで記憶させる。このとき、速度y’、y’、y’と、加速度y’’、y’’、y’’との順番が対応するように、データベース16に書き込まれて記憶されている。
また、誤差データ算出部12は、データベース16から、時系列に建物100の速度y’、y’、y’の各々を読み出し、読み出した順番に順次積分して、それぞれ変位y、y、yを求める。
そして、誤差データ算出部12は、求めた速度y’、y’、y’を時系列に建物100に対応させてデータベース16に書き込んで記憶させる。このとき、変位y、y、yと、加速度y’’、y’’、y’’との順番が対応するように、データベース16に書き込まれて記憶されている。
次に、誤差データ算出部12は、加速度y’’、y’’、y’’と、この対応する加速度y’’、y’’、y’’に質点の位置の加速度x’’、x’’、x’’とをデータベース16から読み出す。
そして、誤差データ算出部12は、加速度y’’及び加速度x’’の差分Δaと、加速度y’’及び加速度x’’の差分Δaと、加速度y’’及び加速度x’’の差分Δaとを求める。
また、誤差データ算出部12は、速度y’及び速度x’の差分Δvと、速度y’及び速度x’の差分Δvと、速度y’及び速度x’の差分Δvとを求める。
また、誤差データ算出部12は、変位y及び変位xの差分Δdと、変位y及び変位xの差分Δdと、変位y及び変位xの差分Δdとを求める。
誤差データ算出部12は、誤差行列{E}として、例えば{(Δa +Δa +Δa 1/2 (Δv +Δv +Δv 1/2 (Δd +Δd +Δd 1/2}を算出する。
そして、誤差データ算出部12は、(Δa +Δa +Δa 1/2+(Δv +Δv +Δv 1/2+(Δd +Δd +Δd 1/2を計算して誤差Eを算出する。
ここで、誤差データ算出部12は、地震の発生した事象において、データベース16に時系列に書き込まれている加速データの全てに対応させ、実際に加速度センサS、S及びSの各々から得られた加速度、速度、変位と、応答解析のシミュレーションで求めた加速度、速度、変位とにより、誤差Eを求める。
誤差データ算出部12は、データベース16に時系列に記憶されている加速度、速度、変位の全てに対する誤差Eの算出が終了すると、時系列に算出した誤差Eの最大値を抽出する。
ステップS5:
誤差データ算出部12は、時系列に算出した誤差Eにおいて最大値として抽出された誤差Eが予め設定されている判定閾値以下であるか否かの判定を行う。
このとき、誤差データ算出部12は、抽出された誤差Eが判定閾値以下でない(誤差Eが判定閾値を超える)場合、解析モデルにおけるマトリクスである質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスの各々の要素の変更処理を行う制御情報を、解析モデル変更部14に対して送信し、処理をステップS6へ進める。
ここで、誤差データ算出部12は、フローチャートにおけるループの1回目の質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスにおける要素の変更処理の場合、質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]の各々の要素の変更処理を示す制御情報を解析モデル変更部14に対して出力する。すなわち、フローチャートにおけるループの1回目のマトリクスの変更処理においては、(2)式における質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]の各々の要素が変更され、(3)式における質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]の各々の要素となる。
また、誤差データ算出部12は、フローチャートにおけるループの2回目以降の質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスにおける要素の変更処理の場合、質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]の各々の要素の変更処理を示す制御情報を解析モデル変更部14に対して出力する。すなわち、フローチャートにおけるループの1回目のマトリクスの変更処理においては、(3)式における質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]の各々の要素の更新処理となる。
一方、誤差データ算出部12は、抽出された誤差Eが判定閾値以下である場合、建物100の質点に対応する箇所の所定の精度における応答値が算出されたことを示す結果情報を損傷箇所推定部15に対して出力し、処理をステップS7へ進める。
また、誤差データ算出部12は、時系列に得られた応答値である加速度{x’’}、速度{x’}及び変位{x}を、建物100及び地震を示す識別情報とともに、データベース16に順次書き込んで記憶させる。
この場合、誤差データ算出部12は、質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]の各々の要素により、解析モデルが所定の精度の応答値を算出していると判定する。
ステップS6:
解析モデル変更部14は、誤差データ算出部12から質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスにおける要素の変更を示す制御情報が供給されると、データベース16から解析モデルを読み出す。
すでに述べたように、解析モデル変更部14は、フローチャートにおけるループの1回目の変更処理の場合、(2)式の解析モデルをデータベース16から読み出す。そして、解析モデル変更部14は、予め設定したアルゴリズムにより、質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]の各々の要素を変更し、質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]として、(3)式を生成し、生成した(3)式をデータベース16に書き込んで記憶させる。
一方、解析モデル変更部14は、フローチャートにおけるループの2回目以降の変更処理の場合、(3)式の解析モデルをデータベース16から読み出す。そして、解析モデル変更部14は、予め設定したアルゴリズムにより、質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]の各々の要素を変更し、解析モデルの(3)式を更新し、更新した(3)式をデータベース16に書き込んで記憶させる。
ここで、予め設定したアルゴリズムとは、質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスの各々のマトリクスにおいて、マトリクスにおける変更する要素の選択方法、さらには選択した要素の変化率などが規定されているアルゴリズムを示している。例えば、誤差データ算出部12の算出した誤差値に対応して、遺伝的アルゴリズムやシミュレーテッドアニーリングなどを用いてもよい。
ステップS7:
損傷箇所推定部15は、結果情報が誤差データ算出部12から供給されると、データベース16から対応する建物100及び地震に対応した、応答解析により得られた応答値(加速度{x’’}、速度{x’}及び変位{x})を読み出す。
そして、損傷箇所推定部15は、読み出した応答値に基づいて、応答解析シミュレーションに質点系モデルを用いた場合、例えば建物100の解析モデルの質点間、すなわち建物100の層の加速度x’’、速度x’及び変位xに基づいて、この建物100の各階における最大層せん断力及び最大層間変位角を算出する。
次に、損傷箇所推定部15は、解析対象とする建物100の立体架構モデルにおける静的弾塑性解析を行い、建物100に用いられている部材(柱、梁、壁、ブレースなど)毎に損傷状態を推定する。
この立体架構モデルは、建物構造情報に基づいて作成される。なお、応答解析シミュレーションに立体骨組モデルを用いた場合、応答解析と同時に部材などの損傷状態が推定できる。
また、この建物構造情報は、解析対象とする建物100の構造種別、建物用途、建物階数、延べ床面積、建築面積の各情報と、必要に応じて非構造部材(間仕切り壁、非構造床、天井、外装(外壁仕上げ、サッシ)、設備機器、設備配管など)の各々に関する情報が含まれる。
そして、損傷箇所推定部15は、応答解析シミュレーションに質点系モデルを用いた場合、静的弾性解析の結果として、節点毎の損傷を推定し、すなわち建物100の個々の柱、梁、壁、ブレースなどの要素の損傷箇所及びその損傷箇所の損傷状態(損傷度合い)を推定する。
また、損傷箇所推定部15は、得られた建物100の個々の要素の損傷箇所及びその損傷箇所の損傷状態を、表示部17に対して表示する建物100の立体架構モデルの3次元画像に対して付加する。
例えば、損傷状態のレベルを示す色を予め設定しておき、損傷箇所推定部15は、建物100の損傷箇所毎に、表示部17に対してその箇所の損傷状態に対応して色を表示し、操作者に対してビジュアルな損傷情報を通知する。
また、損傷箇所推定部15は、得られた建物100の損傷箇所とその損傷箇所の損傷状態とを損傷情報として、建物100の管理センタに設けられた端末等に送信する。
この結果、管理センタの端末においても、建物耐震性評価システム1における表示部17と同様の表示により、建物100の損傷箇所とその箇所の損傷状態を確認することができる。
上述したように、本実施形態によれば、建物100の設計図書から生成した解析モデルを、経時的な変化に対応させて初期モデルから順次変更し、最も現状に近い解析モデルにより、地震の加速度による各質点における応答値の解析が可能となる。
すなわち、設計図書から生成された解析モデルは、建物のみの状態を示しているが、オフィスとして使用する場合、机、いす、什器、コピーマシンなどの設備や、そこで仕事をする人間などの重さが加わるため、設計図書で作成した解析モデルの初期モデルにおける質量マトリクス、減衰マトリクスの要素が異なることになる。さらに、テナントが変わる場合にも、質量マトリクス、減衰マトリクスが変更されることになる。また、経時変化により建物100の部材の剛性も劣化し、剛性マトリクス及び減衰マトリクスの各々の要素も変化することになる。
したがって、本実施形態によれば、地震が起こる毎に、そのときの建物100の状態に対応した解析モデルに変更しつつ、建物100の質点毎の応答解析を行うため、得られた応答位置に基づく損傷箇所及びその箇所の損傷状態の推定を高い精度で行うことができる。
<第2の実施形態>
以下、図を用いて本発明の第2の実施形態の建物耐震性評価システムの説明を行う。図3は、本発明の第2の実施形態による建物耐震性評価システムの構成例と、評価対象の建物に設けた加速度センサの配置例とを示す概念図である。この図3において、第1の実施形態における図1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第2の実施形態による建物耐震性評価システム1は、解析モデル生成部10、応答解析シミュレーション部11、誤差データ算出部12、送受信部13、解析モデル変更部14、損傷箇所推定部15、データベース16、表示部17及び伝達関数計算部18を備えている。第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、常時微動の加速度データにより伝達関数を求め、この伝達関数により質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスの係数を更新する伝達関数計算部18が新たに設けられたことである。以下、第2の実施形態が第1の実施形態と異なる構成及び動作のみの説明を行う。
伝達関数計算部18は、初期モデル(第1世代モデル)を変更するため、周期的に常微振動(常時微動)の測定記録から、質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]に変更し、さらに質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]に変更する処理を行う。
ここで、常微振動とは、地震によらず通常の状態であっても、風力、交通振動、波浪、地球深部の振動、建物内における人間の動きなどを震動源とする、人体には感じられないほどの非常に小さな振幅の振動を意味している。
伝達関数計算部18は、加速度センサSから供給される加速度データの加速度値が加速度閾値を超えない状態において、建物100の現状に対応するように、質量マトリクス、減衰マトリクス及び質量マトリクスの各々の要素の変更を行う。
すなわち、伝達関数計算部18は、共振振動数の推定をカーブフィットにより行い、質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスの各要素の同定を行う。
次に、図4は、伝達関数計算部18が行う常微振動による質量マトリクス、減衰マトリクス及び質量マトリクスの各々の要素の同定を行う処理を示すフローチャートである。伝達関数計算部18は、以下に説明するフローチャートの処理を、ある周期毎に行う。
ステップS21:
伝達関数計算部18は、一定時間内において、加速度センサS、S及びS各々から供給される加速度データを、時系列にデータベース16に書き込んで記憶させる。
そして、伝達関数計算部18は、一定時間内における加速度センサS、S及びS各々から供給される加速度データの記録が終了すると、処理をステップS22へ進める。
ステップS22:
次に、伝達関数計算部18は、建物の異なる質点の位置に設けられている2つの加速度センサ、例えば、加速度センサSと加速度センサSとの常時微動の加速度値(加速度y’’、y’’)の時系列な記録を、データベース16から順次読み出す。
そして、伝達関数計算部18は、読み出し加速度値の時系列変化により求められる建物の応答波形から、建物100の伝達特性、例えば以下の(4)式に示す伝達関数(印加される加速度値に対する応答加速度値の比)を求める。
y’’+2hω・y’+ω・y …(4)
この(4)式において、ω(=2π/T)は角振動数であり、hは減衰定数である。また、(4)式の角振動数ωにおいて、Tは振動の固有周期である。
ここで、伝達関数を求める際に2つの加速度センサを用いる際、建物100において離れた位置に設けたれた加速度センサ、すなわち、加速度センサS及びSを用いることにより、建物100に対応した伝達関数をより高い精度で求めることができる。
ステップS23:
次に、伝達関数計算部18は、データベース16から順次読み出した常時微動による加速度値から推定される建物の伝達特性を最も良く表す、(4)式における振動パラメータ(減衰定数h、固有周期T)を決定する。
すなわち、伝達関数計算部18は、ステップS22で求めた伝達関数に対し、任意振動系の応答倍率(加速度応答倍率)曲線を最小二乗法で近似する。
そして、伝達関数計算部18は、伝達関数に対する応答倍率曲線の近似の結果、任意振動系の固有周期T及び減衰定数hを同定する。
ステップS24:
次に、伝達関数計算部18は、以下の(5)式及び(6)式の各々に示すように、それぞれ質量マトリクス[M]、剛性マトリクス[K]を定義する。
[M]=α[M] …(5)
[K]=β[K] …(6)
そして、伝達関数計算部18は、以下の(7)式及び(8)式を解くことにより、固定周期T及び減衰定数hが、固有周期T及び減衰定数hに最も近くなるように、(5)式の係数α及び(6)式の係数βを同定する。
|(−2π/T)[M]+[K]|=0 …(7)
[C]=a[M]+a[K] …(8)
この(8)式における係数a及びaは、求める減衰定数hにより、以下の(9)式の関係から定まる係数である。(9)式におけるωは一次円振動数を示している。
=(1/2)・((aω)+(aω)) …(9)
次に、図5を用いて本発明の第2の実施形態による建物耐震性評価システムの動作を説明する。この図5は、第2の実施形態による建物耐震性評価システムにおける建物100の各部における応答値を求める動作例を示すフローチャートである。
この図5のフローチャートは、ステップS1Bの「伝達関数による解析モデルの係数の同定処理」の処理が、第1の実施形態における図2のフローチャートに追加されている点である。このステップS1Bは、すでに説明した図4のフローチャートが示している、常微振動による質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスの更新処理である。他のステップS1からステップS7までの処理は、第1の実施形態と同様のため、説明を省略する。また、ステップS1Bの処理により、質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性マトリクス[K]の各々が、予め設定された加速度閾値を超える加速度値y0’’が得られない場合、ステップS2を通過するループの2回目までの変更処理によってステップS3までに、質量マトリクス[M]、減衰マトリクス[C]及び剛性メトリクス[K]へと更新される。したがって、ステップS3における応答解析の計算には、(3)式が用いられることになる。
上述したように、伝達関数計算部18は、所定の周期毎に、加速度センサS、S、Sから供給される加速度データを、送受信部13を介して受信し、質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスの各々の要素を更新する処理を行う。
これにより、本実施形態によれば、地震が発生して解析モデルで応答値を得るための精度を有さないy0’’しか得られなくとも、解析モデルにおける質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスを、周期的にその時点の建物100の状態に対応する要素に更新することが可能となるため、第1の実施形態における質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスを調整するためのループ回数を低減することができる。
なお、図1、図3における建物耐震性評価システムを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより建物の耐震性の評価(地震による損壊の推定など)の処理動作を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
1…建物耐震性評価システム
10…解析モデル生成部
11…応答解析シミュレーション部
12…誤差データ算出部
13…送受信部
14…解析モデル変更部
15…損傷箇所推定部
16…データベース
17…表示部
18…伝達関数計算部
100…建物
200…基礎
I…情報通信網
,S,S…加速度センサ

Claims (6)

  1. 建物の設計データから生成した解析モデルにより、当該建物の振動における応答解析シミュレーションを行う建物耐震性評価システムであり、
    前記建物を構成する要素として梁要素以外の要素を含む立体骨組モデルに基づいて多質点系の運動方程式が決定され、前記多質点系の運動方程式によって示される前記解析モデルにより、前記建物の前記要素に定められた評価対象位置における応力と変形量とを含む応答値を求める応答解析シミュレーションを行う応答解析シミュレーション部と、
    前記建物の複数の前記評価対象位置に設けられた加速度センサの振動データから得られた応力と変形量とを含む応答値と、前記応答解析シミュレーションの結果における前記評価対象位置に対応する位置における応力と変形量とを含む応答値との差分を誤差データとして求める誤差データ算出部と、
    前記建物に設けられた設備の重さ又は前記建物の利用者の重さの変化に応じて前記解析モデルの質量、減衰及び剛性を示す係数を変更する解析モデル変更部と
    を備え、
    前記解析モデル変更部が、前記誤差データが予め設定した閾値未満となるまで、前記係数を変化させる毎に、前記応答解析シミュレーション部に当該係数を変化させた解析モデルにより応答解析シミュレーションを実行させる
    ことを特徴とする建物耐震性評価システム。
  2. 常時微動の振動データから伝達関数を求め、前記係数の同定処理を行う伝達関数計算部をさらに備え、
    前記伝達関数計算部が、前記応答解析シミュレーション部が前記応答解析シミュレーションを行う前に、前記係数の前記同定処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の建物耐震性評価システム。
  3. 前記振動データの一つが、
    応答解析シミュレーションで地動加速度として用いる加速度データを取得する位置に設置された前記加速度センサからの振動データである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の建物耐震性評価システム。
  4. 前記振動データの他の一つが、
    前記建物に設置された前記加速度センサのうち最上部に位置する加速度センサからの振動データである
    ことを特徴とする請求項3に記載の建物耐震性評価システム。
  5. 前記応答解析シミュレーション部が、
    前記地動加速度として用いる加速度データが予め設定した加速度を超えた場合に、前記応答解析シミュレーションを行うことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の建物耐震性評価システム。
  6. 建物の設計データから生成した解析モデルにより、当該建物の振動における応答解析を行う建物耐震性評価方法であり、
    応答解析シミュレーション部が、前記建物を構成する要素として梁要素以外の要素を含む立体骨組モデルに基づいて多質点系の運動方程式が決定され、前記多質点系の運動方程式によって示される前記解析モデルにより、前記建物の前記要素に定められた評価対象位置における応力と変形量とを含む応答値を求める応答解析シミュレーションを行う応答解析シミュレーション過程と、
    誤差データ算出が、前記建物の複数の前記評価対象位置に設けられた加速度センサの振動データから得られた応力と変形量とを含む応答値と、前記応答解析シミュレーションの結果における前記評価対象位置に対応する位置における応力と変形量とを含む応答値との差分を誤差データとして求める誤差データ算出過程と、
    解析モデル変更部が、前記建物に設けられた設備の重さ又は前記建物の利用者の重さの変化に応じて前記解析モデルの少なくとも質量及び剛性の係数を変更する解析モデル変更過程と
    を含み、
    前記解析モデル変更部が、前記誤差データが予め設定した閾値未満となるまで、前記係数を変化させる毎に、前記応答解析シミュレーション部に当該係数を変化させた解析モデルにより応答解析シミュレーションが実行される
    ことを特徴とする建物耐震性評価方法。
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