JP2005083975A - 構造性能指標推定装置、及び構造物の構造性能リアルタイムモニタリング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第1の工程で、構造物7の各層における所定位置に計測装置3のセンサ3aを設置する。第2の工程で、計測装置3を用いて構造物7に基礎加速度が入力されたことにより観測される各層からの絶対加速度を測定し、構造性能指標推定装置本体2に直接送信する。第3の工程で、構造性能指標推定装置本体2において、演算処理を行い、構造物7の各層における減衰係数及び剛度を推定する。第4の工程で、第2の工程及び第3の工程を絶対加速度が観測される毎に繰り返して構造物7の各層毎で減衰係数及び剛性の推定値を時系列で取得し、これらを指標として構造性能をモニタリングする。
【選択図】 図1
Description
斎藤、真瀬、森田、「鉄骨造フレーム模型の振動実験結果による確率論的損傷推定」、第11回日本地震工学シンポジウム、2002年11月、pp1941〜1947
前記計測装置3は、複数のセンサ3aを備えており、該センサ3aが構造物7の各層毎に装着されて、地震や交通振動等の常時微動である基礎加速度を与えられることにより各層毎に生じる絶対加速度を検知するものである。これら出力値である絶対加速度は、観測された時間と併せて各層の振動情報8として計測装置3から前記構造性能指標推定装置本体2に送信される。
なお、該計測装置3と構造性能指標推定装置本体2とは、無線もしくは有線等の送受信手段を介して連動され、オンライン処理の可能な構成となっている。また、該計測装置3は、少なくとも絶対加速度を出力できる装置であれば何れを用いてもよい。
本実施の形態では、前記記憶装置4のデータ領域4aに、少なくとも前記計測装置3より送信された振動情報8が格納される。また、前記プログラム領域4bには、絶対加速度を用いて構造物7の各層における減衰係数及び剛性を推定する演算式が格納されている。
なお、構造物7の各層における減衰係数と剛性の推定にあたり、推定値構造性能の評価対象となる構造物7の階層数をnとし、該構造物7をn層のフレームとしてモデル化しておく。本実施の形態では、図2に示すように、構造物7を3層のフレームとしてモデル化している。 また、これらモデル化された構造物7の各層における質量mj(j=1,・・・,n)は既知としている。
このような直接推定演算式を、構造物7の各層より取得する観測値が絶対加速度のみである場合に適用するには、速度及び変位についてそれらを数値積分して求める必要が生じる。この際には、適当なハイパスフィルタ処理をして長周期の誤差が現れないようにする必要があるが、特に変位波形については長周期の誤差を完全になくすことは難しい。そこで、(1)式に代わり、(1)式について時間に関する差分を取った(6)式を用いる。
また、これにより数値積分に用いる層間加速度は、1つ前のサンプリングポイントの値をそのまま使うことで時間ずれがなくなる
また、時間Tだけ過去のデータの重みが1/eになるように設計したい場合には、(22)式によってλを決定できる。
このとき、前記計測装置3のセンサ3aは、前記構造物7の各層における絶対加速度を確実に検知できる場所であれば、何れに配置しても良い。
この後、減衰係数及び剛度に係る推定値を記憶装置4のデータ領域4aに格納する、もしくは出力装置6に出力する。
なお、モニタリングの対象となる構造物7に係る条件は、各層の質量は既知であり、互いに等しいmとする。また、各層の減衰係数及び剛性は始め各層で等しく、それぞれの各層の質量で基準化した値でcj/m=4s−1、kj/m=1000s−2とする。このうち、図5に示すように、第2層のみにt=10sで損傷が生じ、0.5sかけて減衰係数がc2/m=8s−1に増大、剛性がk2/m=500s−2に減少したと想定する。
第1層から第3層各々の減衰係数及び剛性の推定値を時系列に配置した図7〜図9をみると、減衰係数及び剛性の変化しない第1層及び第3層では、それぞれの推定値は真値にほぼ重なって一定に推定されている。また、途中で減衰係数及び剛性が急激に変化する第2層においても推定値は真値に迅速に追随し、特性の変化が完了した1〜2秒後には推定値も変化後の特性を適切に推定していることが分かる。
2 構造性能指標推定装置本体
3 計測装置
4 記憶装置
5 演算装置
6 出力装置
7 構造物
8 振動情報
Claims (2)
- 構造物の構造性能指標となる減衰係数及び剛性を推定するための構造性能指標推定装置であって、
基礎加速度の入力により出力される構造物の振動情報のなかで少なくとも絶対加速度を検知する計測装置と、
該計測装置により検知された絶対加速度を格納するデータ領域、また、該データ領域に格納された絶対加速度を用いて構造物の減衰係数及び剛性を推定する演算式が少なくとも格納されるプログラム領域を備える記憶装置、
該記憶装置のデータ領域に格納されたデータと、プログラム領域に格納された演算式とを用いて演算処理を行う演算装置、
及び該演算装置より得られる演算処理結果を出力する出力装置を備える構造性能指標推定装置本体により構成され、
前記プログラム領域に格納された演算式には、構造物への基礎加速度の入力に伴い絶対加速度、速度及び変位に係る観測値が得られる場合に適用され、力の釣り合い条件を用いて構造物の減衰係数及び剛性に係る推定値を直接算定する直接推定演算式から、
時間に関する差分を取り変位を、また絶対加速度の不完全積分を取り速度を不要にした演算式が格納されていることを特徴とする構造性能指標推定装置。 - 構造物の各層における減衰係数及び剛性を構造性能指標に適用し、請求項1に記載の構造性能指標推定装置を用いて、構造物の構造性能を把握するための構造物の構造性能リアルタイムモニタリング方法であって、
構造物の各層に、基礎加速度が入力されることにより出力される絶対加速度の測定を行うための計測点を設定した上で、該計測点に計測装置を設置する第1の工程と、
該計測装置を介して観測された構造物の各層における絶対加速度を構造性能指標推定装置本体に送信する第2の工程と、
該構造性能指標推定装置本体において、各層毎の絶対加速度を用いて構造性能指標推定装置本体に格納された演算式により構造物の各層における減衰係数及び剛性を推定する第3の工程と、
第2の工程及び第3の工程を繰り返して構造物の各層における減衰係数及び剛性に係る推定値を時系列に取得し、構造性能をモニタリングする第4の工程により構成されることを特徴とする構造物の構造性能リアルタイムモニタリング方法。
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