JP6026113B2 - シール材 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばドアの隙間などに配置して防虫剤などの薬剤を放出するシール材に関する。
一般に、台所に食器棚などのキャビネットを配置する場合には、キャビネットと壁面との間に隙間が形成される。このような隙間にはゴキブリなどの害虫が入り込みやすいため、害虫が住み着くおそれがある。このため、衛生上の問題がある。そこで、従来、こうしたキャビネットと壁面との間に形成される隙間に害虫忌避剤を含有したシール材を貼着して防虫効果を得る防虫構造が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平8−299072号公報
ところで、特許文献1のシール材は、単に害虫忌避剤を含有させているだけであるため、害虫忌避剤が短期間で放出される。このため、防虫効果が短くなってしまうという問題がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、薬剤の効果を長期間維持することが可能なシール材を提供することにある。
上記の目的を達成するために、シール材に係る請求項1に記載の発明は、複数の糸によって構成される毛羽部を備えたシール材であって、前記糸には、薬剤がマイクロカプセルに内包された状態で含有され、前記マイクロカプセルの表皮は、前記薬剤を徐々に外部へ放出する徐放性を有したエマルジョンによって構成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、マイクロカプセルの表皮が薬剤を徐々に外部へ放出する徐放性を有したエマルジョンによって構成されているため、薬剤がゆっくりと放出される。したがって、薬剤の効果を長期間維持することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、基布に前記糸を織り込んで前記毛羽部を形成したパイル織物によって構成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、シール材がパイル織物によって構成されているため、シール材によって、例えばドアとドア枠との隙間をシールした場合に、ドアの開閉時におけるドアまたはドア枠との摺動抵抗を低減することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記基布を構成する糸に前記薬剤が含有されていることを要旨とする。
上記構成によれば、基布を構成する糸に薬剤が含有されているため、薬剤の効果を確実に得ることが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記薬剤は、ピレスロイド系の防虫剤であることを要旨とする。
上記構成によれば、薬剤がピレスロイド系の防虫剤であるため、哺乳類に悪影響を与えることなく防虫効果を得ることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記エマルジョンは、前記糸を構成する材料と相溶性のある材料を含有していることを要旨とする。
上記構成によれば、マイクロカプセルに内包された薬剤を糸に対して容易に練り込むことが可能となる。
本発明によれば、薬剤の効果を長期間維持することが可能なシール材を提供することができる。
第1実施形態におけるシール材の斜視図。 図1の2−2線矢視断面拡大模式図。 同シール材の使用状態を示す模式図。 図3の4−4線矢視断面拡大模式図。 第2実施形態におけるシール材の平面模式図。 同シール材の側面模式図。 同シール材の使用状態を示す模式図。 変更例のシール材を示す断面模式図。 第1実施形態のシール材における防虫効能の持続性の加速試験結果を示す表。 同加速試験結果を示すグラフ。 ゴキブリの忌避試験において、(a)はシェルターの平面図、(b)は(a)の要部拡大側面図、(c)はゴキブリの忌避試験の状態を示す模式図。 ゴキブリの忌避試験結果を示す表。
(第1実施形態)
以下、本発明を防虫用のシール材に具体化した第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、シール材11は、長尺帯状の基布12と、該基布12の長手方向に沿って延びるように該基布12上に複数の糸13を織り込んで形成された毛羽部14(パイル部)とを備えている。すなわち、シール材11は、パイル織物によって構成されている。
基布12はポリプロピレン製の繊維よりなるタテ糸12a及びヨコ糸12bを織り上げることにより形成された織布であるとともに、毛羽部14は基布12上にポリプロピレン製の複数本の糸13(パイル糸)をパイル織りしたものである。このパイル織りは、毛羽部14を形成する各糸13(パイル糸)をそれぞれ基布12のヨコ糸12bにU字状に絡ませるようにして織り込むものである。
基布12における毛羽部14が形成されている面とは反対側の面には、ポリプロピレンよりなるコーティング層15が形成されている。そして、このコーティング層15により、各糸13(毛羽部14)の根元と基布12とが強固に接合される。また、コーティング層15にはシール材11を使用場所へ貼着するための両面粘着テープ16が貼り付けられている。そして、この両面粘着テープ16におけるコーティング層15側とは反対側の粘着面は、剥離紙17によって覆われて保護されている。
基布12を構成するタテ糸12a及びヨコ糸12bと、毛羽部14を構成する各糸13とには、紡糸時に薬剤としてのピレスロイド系の防虫剤がマイクロカプセルに内包された状態で練り込まれた(含有された)ものが使用される。そして、このマイクロカプセルの表皮は、可撓性と、防虫剤を徐々に外部へ放出する徐放性とを有した合成樹脂のエマルジョンによって構成されている。
ピレスロイド系の防虫剤としては、ピレトリン、アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、フラメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、エムペントリン、プラレトリン、イミプロトリン、トランスフルトリン、シフルトリン、プロフルトリン、メトフルトリンなどを用いることができる。そして、本実施形態では、ピレスロイド系の防虫剤として特に残効性の高いペルメトリンが採用されている。
マイクロカプセルの表皮を構成するエマルジョンは、ポリオレフィン系重合体100重量部に対し、ポリオレフィン系重合体との相溶性が高く且つペルメトリンとの相溶性が低いブロックB1と、ペルメトリンとの相溶性が高く且つポリオレフィン系重合体との相溶性が低いブロックB2とからなり、且つポリオレフィン系重合体と相分離するブロックコポリマーを0.1〜50重量部の割合で含有したものである。
本実施形態では、エマルジョンを構成するポリオレフィン系重合体として、タテ糸12a、ヨコ糸12b、各糸13の材料と同じポリプロピレンが用いられている。したがって、マイクロカプセルの表皮を構成するエマルジョンには、タテ糸12a、ヨコ糸12b、各糸13の材料であるポリプロピレンと相溶性のある材料が含まれていると言える。
また、ブロックコポリマーは、ポリプロピレン及びペルメトリンのそれぞれに相溶性の高いポリマーユニット(ブロックB1及びブロックB2)を一つの分子内にブロック共重合の形で有するものである。そして、本実施形態において、ブロックコポリマーには、ブロックB1としてポリプロピレンとの相溶性が高いポリプロピレンブロックを有するとともに、ブロックB2としてペルメトリンとの相溶性が高いポリスチレンブロックを有する、ポリプロピレン−ポリスチレンブロック共重合体が用いられている。
次に、シール材11の作用について説明する。
図3に示すように、玄関のドア20は、ドア枠21と対向する一側面(図3では左側面)において上下一対のヒンジ22を介してドア枠21に対して回動可能に取着されている。そして、通常、ドア20と、ドア枠21及び床面23との間には、それぞれ隙間が形成される。シール材11は、こうした隙間をシール(塞ぐ)するために使用される。
さて、シール材11によってドア20と、ドア枠21及び床面23との間のそれぞれの隙間をシールする場合には、剥離紙17を剥がして両面粘着テープ16によりドア20におけるドア枠21及び床面23との対向面にそれぞれシール材11を貼り付ける。このとき、図4に示すように、各シール材11の毛羽部14の先端部は、ドア枠21または床面23に摺接する。これにより、ドア20と、ドア枠21及び床面23との間のそれぞれ隙間が、シール材11によってシールされる。
そして、シール材11において、基布12を構成するタテ糸12a及びヨコ糸12bと、毛羽部14を構成する各糸13とには、ピレスロイド系の防虫剤であるペルメトリンが内包されたマイクロカプセルが練り込まれている。そして、このマイクロカプセルの表皮は、可撓性と、ペルメトリンを徐々に外部へ放出する徐放性とを有したエマルジョンによって構成されている。
このため、シール材11からは、防虫剤であるペルメトリンが徐々に放出されるため、防虫効果が長期間維持される。したがって、ドア20と、ドア枠21及び床面23との間からの害虫の侵入が長期間にわたって効果的に抑制される。
また、ドア20の開閉時には、各シール材11の毛羽部14に対してドア枠21や床面23からの衝撃が加わることになるが、ペルメトリンが内包されたマイクロカプセルの表皮が可撓性を有するエマルジョンであるため、こうした衝撃が加わった場合でもマイクロカプセルが壊れにくい。したがって、各シール材11に衝撃が加わった場合でも、マイクロカプセルからのペルメトリンの放出速度が変化しくいので、長期間にわたる防虫効果が維持される。
以上詳述した第1実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1)シール材11において、基布12を構成するタテ糸12a及びヨコ糸12bと、毛羽部14を構成する各糸13とには、ピレスロイド系の防虫剤であるペルメトリンが内包されたマイクロカプセルが練り込まれている。そして、このマイクロカプセルの表皮は、ペルメトリンを徐々に外部へ放出する徐放性を有した合成樹脂のエマルジョンによって構成されている。このため、マイクロカプセルからペルメトリンがゆっくりと放出される。したがって、防虫効果を長期間維持することができる。加えて、マイクロカプセルの表皮は可撓性を有しているため、各糸12a,12b,13の紡糸時にこれらに投与したマイクロカプセルに熱や外力が加わっても、マイクロカプセルが壊れてペルメトリンが一気に外部へ放出されることを抑制することができる。
(2)シール材11が毛羽部14を有するパイル織物によって構成されているため、ドア20にシール材11を貼り付けてドア20とドア枠21との隙間をシールした場合に、ドア20の開閉時におけるドア枠21との摺動抵抗を低減することができる。
(3)シール材11において、基布12を構成するタテ糸12a及びヨコ糸12bと、毛羽部14を構成する各糸13とには、ピレスロイド系の防虫剤であるペルメトリンが内包されたマイクロカプセルが含有されている。このため、防虫効果を確実に得ることができる。
(4)マイクロカプセルに内包される薬剤がピレスロイド系の防虫剤であるペルメトリンであるため、哺乳類に悪影響を与えることなく防虫効果を得ることができる。特にペルメトリンは残効性が高いため、本用途に最適である。
(5)マイクロカプセルの表皮を構成するエマルジョンは、タテ糸12a、ヨコ糸12b、及び各糸13を構成する材料と同じポリプロピレンを含有している。このため、マイクロカプセルに内包された状態のペルメトリンをタテ糸12a、ヨコ糸12b、及び各糸13に対して容易に練り込むことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図5に示すように、この第2実施形態のシール材30は、編物によって構成されている。すなわち、シール材30は、ピレスロイド系の防虫剤が内包されたマイクロカプセルが練り込まれた1本のポリプロピレン製の糸31を蛇行状に編み、両側の湾曲部分を互いに平行に延びる複数本(本実施形態では3本)のポリプロピレン製の保持糸32によってそれぞれ綴じた後、中央部分を切断する(図5の矢印に沿って切断する)ことによって同時に2つ形成される。この場合、シール材30における保持糸32よりも先端側の各糸31の部分が毛羽部33とされている。
図6に示すように、シール材30における毛羽部33以外の基端部の一側面にはシール材30を使用場所へ貼着するための両面粘着テープ16が各保持糸32を覆うように貼り付けられるとともに、該両面粘着テープ16における各保持糸32側とは反対側の粘着面は剥離紙17によって覆われて保護されている。一方、シール材30における毛羽部33以外の基端部の他側面には、両面粘着テープ16を介して帯状のエラストマーよりなる化粧部材34が各保持糸32を覆うように貼り付けられている。化粧部材34におけるシール材30の基端側の端部は、直角に屈曲されてシール材30の基端側を覆って保護している。
次に、シール材30の作用について説明する。
図7に示すように、本実施形態のシール材30は、特にドア20と床面23との間の隙間をシールするために使用される。そして、シール材30によってドア20と床面23との間の隙間をシールする場合には、剥離紙17を剥がして両面粘着テープ16によりドア20における床面23との対向面と隣接する面にシール材30を貼り付ける。このとき、シール材30の毛羽部33の先端部は、床面23に摺接する。これにより、ドア20と床面23との間の隙間が、シール材30によってシールされる。
そして、シール材30において、毛羽部33を構成する各糸31には、ピレスロイド系の防虫剤であるペルメトリンが内包されたマイクロカプセルが練り込まれている。そして、このマイクロカプセルの表皮は、可撓性と、ペルメトリンを徐々に外部へ放出する徐放性とを有したエマルジョンによって構成されている。
このため、シール材30からは、防虫剤であるペルメトリンが徐々に放出されるため、防虫効果が長期間維持される。したがって、ドア20と床面23との間からの害虫の侵入が長期間にわたって効果的に抑制される。
また、ドア20の開閉時には、シール材30の毛羽部33に対して床面23からの衝撃が加わることになるが、ペルメトリンが内包されたマイクロカプセルの表皮が可撓性を有するエマルジョンであるため、こうした衝撃が加わった場合でもマイクロカプセルが壊れにくい。したがって、シール材30に衝撃が加わった場合でも、マイクロカプセルからのペルメトリンの放出速度が変化しくいので、長期間にわたる防虫効果が維持される。
以上詳述した第2実施形態によれば、上記(1)〜(5)の作用効果に加えて、次のような効果が発揮される。
(6)シール材30は、ドア20における床面23との対向面と隣接する面に貼り付けることができるので、ドア20と床面23との隙間が狭くても容易に貼り付けることができる。
(変更例)
なお、上記各実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・第1実施形態において、図8に示すように、シール材11は、ポリプロピレンの成型品により構成された長尺帯状の基材40と、該基材40上に立設された複数のポリプロピレン製の糸41よりなる毛羽部42とによって構成するようにしてもよい。すなわち、シール材11は、基材40上において該基材40の短手方向に所定距離を隔てた位置に一対の凸条40aを該基材40の長手方向に沿って延設し、基材40上における各凸条40a間の領域に、略U字状に折り曲げた状態で束ねた複数の糸41を超音波溶着することで形成される。この場合、基材40上の各凸条40aは、基材40上に各糸41を超音波溶着する際の位置決め手段として機能する。また、シール材11において、基材40及び各糸41(毛羽部42)の両方にピレスロイド系の防虫剤であるペルメトリンが内包されたマイクロカプセルが練り込まれている。なお、基材40における毛羽部42側とは反対側の面にはシール材11を使用場所へ貼着するための両面粘着テープ16が貼り付けられるとともに、この両面粘着テープ16における基材40側とは反対側の粘着面は剥離紙17によって覆われて保護されている。
・第1実施形態において、シール材11における基布12を構成するタテ糸12a及びヨコ糸12bと、毛羽部14を構成する各糸13とのいずれか一方にピレスロイド系の防虫剤であるペルメトリンが内包されたマイクロカプセルを含有するようにしてもよい。
・第1実施形態において、シール材11は、ドア枠21におけるドア20との対向面や床面23におけるドア20との対向面に貼り付けてもよい。この場合、各シール材11の毛羽部14の先端部は、ドア20に対してそれぞれ摺接する。
・第2実施形態のシール材30をドア20とドア枠21との間の隙間のシールに用いてもよい。
・各実施形態において、マイクロカプセルの表皮を構成するエマルジョンは、必ずしも各糸12a,12b,13,31と相溶性のある材料を含有する必要はない。
・各実施形態において、シール材11を構成するパイル織物の材質及びシール材30を構成する編物の材質は、ポリプロピレンに限らない。例えば、各シール材11,30全体の材質をポリアミドとしてもよい。このようにすれば、ポリアミド繊維の優れた復元力及び耐摩耗性により、耐久性や緩衝性に優れたシール材11,30を提供することができる。
・各実施形態において、防虫剤の代わりに薬剤として、芳香剤、防鼠剤、防鳥剤、防獣剤、静電防止剤などを用いてもよい。
・各実施形態におけるシール材11,30は、引き戸やサッシ窓の重なり部分の隙間のシールや、食器棚などの引き出しの隙間のシールや、食器洗い機や冷蔵庫などの家電製品と壁面との間の隙間のシールなど、あらゆる隙間のシールに用いてもよい。
以下、上記各実施形態をさらに具体化した実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
図2に示すように、上記第1実施形態のシール材11を実施例1とした。
(比較例1)
上記第1実施形態のシール材11においてピレスロイド系の防虫剤であるペルメトリンが内包されたマイクロカプセルを全く含まないようにしたものを比較例1とした。
<防虫効能の持続性の評価>
上記実施例1について、防虫効能の持続性の加速試験を以下のように行った。試験方法は、シール材11のサンプル0.5gを3つ用意し、これらにアセトン10mlを加えてペルメトリンの含有比率(%)を初期、1週間経過後、2週間経過後、3週間経過後、4週間経過後にそれぞれ測定(1週間を1年に想定)した。結果を図9の表に示す。
すなわち、3つのサンプルのペルメトリンの含有比率は、平均で初期0.264%に対し4週間経過後で0.167%という結果になった。この結果から、3つのサンプルのペルメトリンの含有比率は、4年(相当)経過後であっても、平均で初期値の63%以上を維持していることが分かる。なお、図10のグラフは、3つのサンプルのペルメトリンの含有比率の初期、1週間経過後、2週間経過後、3週間経過後、4週間経過後における平均値をそれぞれ示したものである。よって、図9及び図10の結果から、シール材11の防虫効能の持続性は良好であると言える。
<ゴキブリの忌避試験>
図11(a)、(b)に示すように、2枚の8×9cmの段ボール板50の間に、5×20mmの発泡スチロール51を略C字状にしたものを挟んだ状態で貼り合わせ、入口となる開口部52の横幅を2cmとし、さらに開口部52において上下一対の実施例1のシール材11を隙間ができるように貼り付けたものをシェルターAとする。シェルターAにおいて実施例1のシール材11を比較例1のシール材に置き換えたものをシェルターBとする。また、供試虫は、図11(c)に示すように、チャバネゴキブリGのオスとメスの各10匹(合計20匹)とする。
そして、図11(c)に示すように、明るい試験室内に載置された縦17cm、横23cm、深さ8.5cmのコンテナー53内の中央に、各シェルターA,Bをそれぞれ開口部52が外に向くように載置した後、コンテナー53内にチャバネゴキブリGのオスとメスの各10匹を放って忌避試験を開始する。観察は忌避試験開始から16時間後とした。
なお、忌避試験の繰り返しは4回とし、忌避試験開始から16時間経過後の観察時点での忌避効果の計算は、以下の式1及び式2を用いた。
有効な数=シェルターAへの侵入数+シェルターBへの侵入数・・・・・・・(式1)
忌避効果=(有効な数の半分−シェルターAの侵入数)/有効な数の半分・・(式2)
忌避試験の結果を図12の表に示す。図12の表より、シェルターAに侵入したチャバネゴキブリGの数は4回の試験全てにおいて0匹であった。すなわち、チャバネゴキブリGの忌避率は100%であった。一方、シェルターBに侵入したチャバネゴキブリGの数は4回の試験でそれぞれ20匹中、18匹、18匹、13匹、16匹であった。
<考察>
以上の結果より、実施例1のシール材11は、防虫効能の持続性が良好であって、且つ害虫(チャバネゴキブリG)に対する忌避効果が高いということが示された。
11,30…シール材、12…基布、12a…糸としてのタテ糸、12b…糸としてのヨコ糸、13,31,41…糸、14,33,42…毛羽部。

Claims (5)

  1. 複数の糸によって構成される毛羽部を備えたシール材であって、
    前記糸には、薬剤がマイクロカプセルに内包された状態で含有され、
    前記マイクロカプセルの表皮は、前記薬剤を徐々に外部へ放出する徐放性を有したエマルジョンによって構成されていることを特徴とするシール材。
  2. 基布に前記糸を織り込んで前記毛羽部を形成したパイル織物によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシール材。
  3. 前記基布を構成する糸に前記薬剤が含有されていることを特徴とする請求項2に記載のシール材。
  4. 前記薬剤は、ピレスロイド系の防虫剤であることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のシール材。
  5. 前記エマルジョンは、前記糸を構成する材料と相溶性のある材料を含有していることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のシール材。
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