JP6025504B2 - 排ガス中のガス成分濃度計測装置 - Google Patents
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Description
ガスを吸引して測定用の配管に導く際、測定の高速化が困難である。
ガスを測定用の配管に引き込んだ後に濃度測定を行うことから、配管を流通しているガスと測定管に引き込まれたガスの状態(例えば、温度等)が異なってしまい、測定精度が低下する。
流通ガスを局所的に採取して濃度測定を行うため、局所的なガス濃度測定はできても、濃度分布を取得することができない。また、サンプリング箇所を逐次変えて濃度測定を行えば、濃度分布を取得することは可能であるが、位置毎にガスの吸引、排出が必要となり、作業が煩雑であるとともに時間がかかる。
また、同時に吸収してしまう煤塵の処理にも手間がかかる。
また、ガス計測部では一つの長孔にガスを導入して計測しているが、反射鏡に導入する前のレーザ光も排ガス中に晒されるので、散乱することで、適切なビーム形状が保持できなくなり、ノイズ信号が増大するという、問題がある。
しかし、排ガスを吸引する吸引管に煤塵等が付着する場合には、真の煤塵濃度を測定できない、という問題がある。
図1−1に示すように、実施例1に係るボイラ装置100は、ボイラ101からの燃焼排ガス(以下「排ガス」という)102中に還元剤(例えばアンモニア:NH3)を供給する還元剤供給手段であるアンモニア注入装置104と、還元剤が含まれた排ガス102中のNOxを脱硝する脱硝触媒106を備えた脱硝装置105と、前記脱硝装置105の入口側に設けられ、前記脱硝装置105に導入する前の排ガス中の煤塵濃度を計測するガス成分濃度計測装置50とを具備し、前記ガス成分濃度計測装置50の計測結果より、ガス成分の煤塵の濃度を求めるものである。
図1中、符号107は空気予熱器、108は煙突を図示する。
図3及び図4に示すように、ガス成分濃度計測装置50は、計測対象ガスである例えば排ガス102が存在する計測場の外部からレーザ光70を出射させるレーザ送光器(以下「送光器」という)11と、前記計測場を通過したレーザ光を受光し、レーザ光70の光強度を検出するレーザ受光器(以下「受光器」という)12と、前記計測場に挿入されるレーザ光用プローブ手段51とを具備し、前記レーザ光用プローブ手段51が、前記レーザ光70を入射する入射口52と、90度の角度に対向して設置された一対の反射鏡53、53を有し、入射したレーザ光70を回帰反射させる回帰反射部と、反射したレーザ光71を出射する出射口54とを備えたコーナ反射部55と、前記コーナ反射部55の入射口52に連結され、前記レーザ送光器11から出射されたレーザ光70を送光する筒状の入射送光筒56と、前記コーナ反射部55の出射口54に連結され、前記反射したレーザ光71をレーザ受光器12へ送光する筒状の受光送光筒57とを備えている。
そして、前記受光送光筒57の一部が所定距離区切られ、計測場に晒される計測領域Lを有している。
すなわち、受光送光筒57においては、所定距離57a、57b間開口された計測場に晒される計測領域Lが設けられている。
煤塵の影響で散乱された状態で、レーザ光が反射されると拡散され、十分な受光強度を確保することができず、計測不能となる。
また、レーザ光70を反射する反射鏡53、53も常にパージガス60で反射鏡の汚れを防止している。
なお、入射送光筒56と、受光送光筒57とは支持具65を介して支持するようにしている。
このように90度の角度で反射鏡53、53を設定すると、レーザ光は回帰反射となり、入射したレーザ光70に対して、平行な反射レーザ光71が反射して入射側に戻ってくることとなる。よって、入射のレーザ光70を合わせることで、戻り光の反射レーザ光71は必ず平行となる。この回帰反射部により、送光レーザ光と反射レーザ光の光軸のズレを最小限に抑制することができる。
図9に示すように、予め、大気中において、受光強度(I0)の初期データを、先ず計測しておく。
次に、排ガス中の煤塵を計測する場合、図10に示すように、所定濃度の煤塵が含まれる計測領域Lを通過した後の受光強度(I0’)を計測する。
そして、(I0’)/(I0)により煤塵による光透過率(T:%)を求める。
このような関係図を予め求めておき、光透過率から煤塵濃度を求める。
I0’は、煤塵有りガス中の透過後の光強度である。
αは、煤塵による散乱係数(g/m2)である。
cは、煤塵濃度(g/m3)である。
Lは、光路長である。
tは、温度補正値である。
この結果、リアルタイムで排ガス中の煤塵濃度を計測することができる。
このように、α、Lが既知となっていれば、(I0’)/(I0)を求めることにより、煤塵濃度(c)をリアルタイムで測定することができる。
また、この煤塵濃度の計測の結果により、脱硝装置の入口側での煤塵による閉塞を防止するための除去手段(例えばスートブロア)を操作して、スートブロアから流体を噴射し、煤塵による閉塞を防止するようにしてもよい。
本実施例では、図1−2に示すように、脱硝装置の入口側と出口側とにガス成分濃度計測装置50A、50Bを各々設けている。
実施例1では、図1−1に示すように、ガス成分濃度計測装置50Aにより、排ガス中の成分である煤塵の濃度を計測していたが、本実施例では、煤塵の計測と同時に、ガス成分であるアンモニア(NH3)又は窒素酸化物(NOx)を計測している。
そして、(I)/(I0’)によりガス成分(例えばアンモニア(NH3)又は窒素酸化物(NOx))濃度の光透過率(T)を求め、この光透過率からガス成分の濃度を求めるようにすればよい。
I0’は、煤塵有りガス中の透過後の光強度である。
α’は、煤塵による散乱係数(g/m2)である。
cは、煤塵濃度(g/m3)である。
Lは、光路長である。
tは、温度補正値である。
なお、計測対象のガス成分により、反射膜のコーティングを異なるものとすることができる。
例えば、可視・紫外分光にて計測する場合、アルミニウム(Al)膜を用いることができる。
また、ガス成分として、メタン(CH4)を計測する場合には、半導体レーザ(半導体素子:InGaAsを例示することができる。波長:1.6μm、出力:1mW程度のものを例示することができる)を用いることができる。
ここで、例えば窒素酸化物(NOx)を計測する場合には、例えばアルミニウム(Al)、SiO2多層膜を用いることができる。
例えば酸化硫黄(SO2)、メタン(CH4)を計測する場合には、反射鏡53として例えばアルミニウム(Al)膜等の金属膜を用いることができる。
この場合、可視・紫外分光にて計測する場合、それに応じた可視・紫外を効率的に反射できる例えばフッ化カルシウム(CaF2)結晶膜、アルミニウム(Al)膜、金(Au)等の金属を用いることができる。
図1−2に示すように、本実施例の脱硝装置105は、煙道103の直管部に設置されてアンモニアを注入するアンモニア注入装置104と、注入したアンモニアを排ガスと混合させる混合器(不図示)と、窒素酸化物とアンモニアとを反応させた後に水と窒素とに分解する脱硝触媒106と、アンモニア注入量等の制御を行う開度設定部109と、ガス流路に仮想的に設けられた濃度測定領域における脱硝装置105の入口側にNOx濃度と煤塵濃度を測定するガス成分濃度計測装置50Aを備え、出口側にNOx濃度とを測定するガス中のガス成分濃度計測装置50Bとを備えている。
そして、NOx濃度が基準値以上であると判断したら、脱硝不良として、制御装置20から開度設定部109に信号を送り、開度設定部109からアンモニア注入装置104に開度信号をおくって、アンモニアの供給量を調整する。
開度設定部109では、窒素酸化物濃度の平均値に基づいて総流量制御弁23の開度制御が行われ、かつ、ガス成分濃度計測装置によって得られたNOx濃度分布に基づいて流量制御元弁25の開度制御が行われる。これにより、脱硝装置105の運転を継続しながら、時定数の短いNOx濃度の測定値に応じ、複数のアンモニア供給系統26毎に分配されるアンモニア注入量を自動的に調整することができる。
そして、受光送光筒57の一部を所定距離57a、57bだけ開口させ、計測場の計測領域Lに晒すことで、この計測領域Lに存在する排ガス102中のガス成分を計測するようにしている。
この結果、煤塵の影響で散乱された状態で、レーザ光が反射されることが防止されるので、計測精度の低下を防止している。
よって、本実施例によれば、パージガス60が、入射送光筒56、入射口52、コーナ反射部55及び出射口54と通過させているので、送光するレーザ光70は、送光器11から出射されたままの状態で、反射鏡53、53で反射させて、反射レーザ光71は、所定距離57a、57bだけ開口された計測領域Lではじめて煤塵に接触することとなり、散乱が防止される。
実施例1のガス成分濃度計測装置の構成と同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図6及び図7に示すように、ガス成分濃度計測装置50は、前記レーザ送光器11とレーザ受光器12とを、計測場の壁面に取り付ける光学系取付フランジ80と、前記コーナ反射部55を取り付ける反射系取付フランジ81とを備え、光学系取付フランジ80に、レーザ送光器とレーザ受光器とを、直接固定している。
なお、図6のガス成分濃度計測装置の全体構成を示す概略図では、第2の支持筒83は図示を省略している。また、図7の図6の平面図では、受光送光筒57、受光器12の図示は省略している。
実施例1では、入射送光筒56が支持筒を兼用していたが、本実施例では入射送光筒56と受光送光筒57とを支持する支持筒82、83を別途設けているので、高温環境においても、これらの支持を確実に行うことができる。
また、パージガスをコーナ反射部55の内部まで導入し、計測領域Lまでレーザ光の散乱を防止しているので、レーザ光の散乱がなく、高い計測精度を提供することができる。
実施例1及び2のガス成分濃度計測装置の構成と同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
本実施例に係るガス中のガス成分濃度計測装置50は、実施例2のガス中のガス成分濃度計測装置において、レーザ送光器11とレーザ受光器12とが、光学系取付フランジ80に光ファイバ19、19を介して接続されている。
この接続には、レーザビーム窓15に設けた光ファイバポート(図示せず)を介して行うようにしている。
よって、コーナ反射部55の反射鏡53、53の設置距離D2を短くできるので、コーナ反射部55内での光路を短くすることとなり、光軸精度の維持を図ると共に、コーナ反射部55の軽量化を図ることができる。
12 受光器
13 反射部
15 レーザビーム窓
20 制御装置
50、50A ガス成分濃度計測装置
51 レーザ光用プローブ手段
53 反射鏡
55 コーナ反射部
56 入射送光筒
57 受光送光筒
60 パージガス
70 レーザ光
71 反射レーザ光
101 ボイラ
102 燃焼排ガス(排ガス)
103 煙道
104 アンモニア注入装置
105 脱硝装置
106 脱硝触媒
Claims (4)
- 煤塵を含む計測対象ガスが存在する計測場の外部からレーザ光を出射させるレーザ送光器と、
前記計測場を通過して前記煤塵により散乱された前記レーザ光を受光し、受光した前記レーザ光の光強度を検出するレーザ受光器と、
前記計測場に挿入されるレーザ光用プローブ手段とを具備し、
前記レーザ光用プローブ手段が、
前記レーザ光を入射する入射口と、90度の角度に対向して設置された一対の反射鏡を有し、入射した前記レーザ光を回帰反射させる回帰反射部と、回帰反射した前記レーザ光を出射する出射口とを備えたコーナ反射部と、
前記コーナ反射部の入射口に連結され、前記レーザ送光器から出射されたレーザ光を前記回帰反射部に送光する筒状の入射送光筒と、
前記コーナ反射部の出射口に連結され、回帰反射した前記レーザ光を前記レーザ受光器へ送光する筒状の受光送光筒と、
前記入射送光筒及び前記受光送光筒内に、前記計測場の外部からパージガスを導入する第1パージガス導入手段とを備えると共に、
前記レーザ送光器と前記レーザ受光器とを、前記計測場の壁面に取り付ける光学系取付フランジと、
前記コーナ反射部を取り付ける反射系取付フランジとを備え、
前記光学系取付フランジに、前記レーザ送光器と前記レーザ受光器とを、前記計測場の外側で固定し、前記光学系取付フランジと前記反射系取付フランジとの間に、前記入射送光筒が取り付けられると共に、
前記光学系取付フランジと前記反射系取付フランジとを支える支持筒を少なくとも1本以上有し、
前記受光送光筒の一部が所定距離区切られ、前記計測場に晒される計測領域を有することを特徴とする排ガス中のガス成分濃度計測装置。 - 請求項1において、
前記レーザ受光器は、受光した前記レーザ光の前記計測対象ガス中のガス成分の吸収に基づく光強度を検出することを特徴とする排ガス中のガス成分濃度計測装置。 - 請求項1又は2において、
前記支持筒内に、前記計測場の外部からパージガスを導入する第2パージガス導入手段を有することを特徴とする排ガス中のガス成分濃度計測装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
前記レーザ送光器と前記レーザ受光器とが、光ファイバを介して固定されていることを特徴とする排ガス中のガス成分濃度計測装置。
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