JP6025143B2 - 2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物及びその製造方法 - Google Patents

2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物及びその製造方法に関する。
リン脂質の中で、ホスファチジルセリンは脳において生理機能を有することが知られている。ホスファチジルセリンを製造する方法として、ホスファチジルコリンにホスホリパーゼDを作用させてホスファチジルセリンを得る方法が知られている(特許文献1及び特許文献2)。
一方、リン脂質の一種であるリゾリン脂質は、グリセリン骨格に脂肪酸が1つ結合しているリン脂質のことを指し、通常のリン脂質よりも分子量が小さいため、体内への吸収性が高いと考えられる。したがって、リゾリン脂質とホスファチジルセリンの両方の構造を有するリゾホスファチジルセリンは、体内に吸収されやすく、優れた生理活性を有することが期待できる。
リゾリン脂質の中でも、2−アシル−リゾリン脂質は、グリセリン骨格のsn−1位に脂肪酸を有しておらず、sn−2位のみに有しているものである。sn−1位のみに脂肪酸を有している1−アシル−リゾリン脂質よりも、界面張力、表面張力及び乳化安定性が優れていることが知られている(例えば、特許文献3)。
2−アシル−リゾリン脂質は、リン脂質のsn−1位のエステル結合を加水分解して脂肪酸を切り離すことで得られる。sn−1位のエステル結合の加水分解を行う酵素として、ホスホリパーゼA1が知られており、特許文献4では、魚類の卵巣から抽出したホスホリパーゼA1を用いて、また、特許文献5では、微生物から産生されたホスホリパーゼA1を用いて、リン脂質を2−アシル−リゾリン脂質に変換する方法を開示している。
特開平9−121879号公報 特開2002−218991号公報 特開平9−227895号公報 特開2006−197842号公報 特開2006−325485号公報
しかしながら、リン脂質としてホスファチジルコリン又はホスファチジルセリンを用いた場合、ホスホリパーゼA1によってsn−1位の脂肪酸の加水分解反応を行っても、ホスホリパーゼA1のホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンに対する反応性が悪く、リン脂質がリゾリン脂質に変換される割合(リゾ化率)が低いという問題点があった。
そこで、本発明は、2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物を製造するにあたって、ホスホリパーゼA1によりリン脂質からリゾリン脂質に変換される割合(リゾ化率)を高めることを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究した結果、ホスホリパーゼA1の酵素反応の条件を改良することで、ホスホリパーゼA1のホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンに対する反応性が高まり、リゾ化率を高めることができることを見出した。
すなわち、本発明は、2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物の製造方法であって、(a)ホスファチジルコリンを含有する原料に、セリン存在下でホスホリパーゼDを作用させて、ホスファチジルセリンを含有する組成物を得る工程と、(b)前記ホスファチジルセリンを含有する組成物に、下記の(I)、(II)及び(III)からなる群から選択される一種以上の添加剤の存在下でホスホリパーゼA1を作用させて、2−アシル−リゾホスファチジルセリンを含有する組成物を得る工程と、を含み、(I)は、1価のカチオンの、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩及び酒石酸塩からなる群より選択される一種以上の塩であり、(II)は、ガム類であり、(III)は、乳化剤である、方法を提供する。
また、本発明は、2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物の製造方法であって、(c)ホスファチジルコリンを含有する原料に、下記の(I)、(II)及び(III)からなる群から選択される一種以上の添加剤の存在下でホスホリパーゼA1を作用させて、2−アシル−リゾホスファチジルコリンを含有する組成物を得る工程と、(d)前記2−アシル−リゾホスファチジルコリンを含有する組成物に、セリン存在下でホスホリパーゼDを作用させて、2−アシル−リゾホスファチジルセリンを含有する組成物を得る工程と、を含み、(I)は、1価のカチオンの、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩及び酒石酸塩からなる群より選択される一種以上の塩であり、(II)は、ガム類であり、(III)は、乳化剤である、方法を提供する。
これらの方法によれば、(I)、(II)及び(III)から選択される特定の添加剤の存在下でホスホリパーゼA1の酵素反応を行うことにより、ホスホリパーゼA1のホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンに対する反応性が高まり、リン脂質からリゾリン脂質に変換される割合(リゾ化率)を高めることができる。
添加剤が少なくとも(I)を含み、1価のカチオンの塩の濃度が0.25〜2.0Mであることが好ましい。この範囲の塩濃度の添加剤の存在下で酵素反応を行うことにより、さらにリゾ化率を高めることができる。
また、添加剤が少なくとも(I)を含み、1価のカチオンの硫酸塩が、硫酸アンモニウム及び/又は硫酸ナトリウムであることが好ましい。添加剤が硫酸アンモニウム及び/又は硫酸アンモニウムであると、さらにリゾ化率を高めることができる。
また、添加剤が少なくとも(II)を含み、ガム類が、キサンタンガム、グアーガム、タマリンドガム、タラガム、アラビアガム及びローカストビーンガムからなる群より選択される一種以上であることが好ましい。また、添加剤が少なくとも(III)を含み、乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル系乳化剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル系乳化剤及びポリソルベート系乳化剤からなる群より選択される一種以上であることが好ましい。これらの添加剤によっても、さらにリゾ化率を高めることができる。
また、ホスファチジルコリンを含有する原料が、海産物由来及び/又は植物由来であることが好ましい。海産物由来のホスファチジルコリンはsn−2位にドコサヘキサエン酸及びエイコサペンタエン酸等の高度不飽和脂肪酸を含んで構成されることが多く、得られる2−アシル−リゾホスファチジルセリンがsn−2位にドコサヘキサエン酸及びエイコサペンタエン酸等の高度不飽和脂肪酸が結合された2−アシル−リゾホスファチジルセリンとなる。また、植物由来のホスファチジルコリンを原料として用いると、リゾ化率を高めることができる。
また、本発明は、リゾリン脂質を固形分当たり質量基準で26〜51%含有する、2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物を提供する。リゾリン脂質を固形分当たり質量基準で37〜51%含有することがより好ましい。また、2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物中の総リン脂質に対するリゾリン脂質の割合が、質量基準で40〜73%であることが好ましく、より好ましくは57〜73%である。また、2−アシル−リゾホスファチジルセリンが、sn−2位に高度不飽和脂肪酸が結合した2−アシル−リゾホスファチジルセリンであることが好ましく、該高度不飽和脂肪酸はドコサヘキサエン酸及び/又はエイコサペンタエン酸であることが好ましい。ドコサヘキサエン酸及びエイコサペンタエン酸は記憶学習能力の向上等の生理活性を持っているため、これらの脂肪酸が結合した2−アシル−リゾホスファチジルセリンも同様の生理活性を持つと考えられる。このような2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物は、上記製造方法により初めて得られるものである。
本発明の方法によれば、2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物を製造するにあたって、ホスホリパーゼA1によりリン脂質からリゾリン脂質に変換される割合(リゾ化率)を高めることができる。
本発明の方法にかかる2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物を製造する方法を説明するフロー図である。
以下、適宜添付図面を参照して、本発明の方法を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る、2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物を製造する方法を説明するフロー図である。本実施形態に係る方法は、図1に示すルート1の方法とルート2の方法とに大別できる。
ルート1及びルート2は、共に、原料としてホスファチジルコリンを含有する原料を用い、酵素としてホスホリパーゼA1(PLA1)とホスホリパーゼD(PLD)とを用い、最終生成物として2−アシル−リゾホスファチジルセリンを含有する組成物を得る、という点で共通している。異なる点は、PLA1とPLDの酵素反応を行う順序である。すなわち、ルート1では、PLDの酵素反応を先に行い(工程(a))、PLDの酵素反応によりできた生成物に対してPLA1を作用させる(工程(b))。また、ルート2では、PLA1の酵素反応を先に行い(工程(c))、PLA1の酵素反応によりできた生成物に対してPLDを作用させる(工程(d))。本明細書中で特に断らない限り、ルート1と2とでは、同じ原料を用いてもよく、同じ酵素(PLD又はPLA1)を用いてもよい。以下、ルート1とルート2の方法について、まずルート1の方法から説明する。
<ルート1について>
ルート1の方法は、(a)ホスファチジルコリンを含有する原料に、セリン存在下でPLDを作用させて、ホスファチジルセリンを含有する組成物を得る工程と、(b)ホスファチジルセリンを含有する組成物に、PLA1を作用させて、2−アシル−リゾホスファチジルセリンを含有する組成物を得る工程と、を含む。
まず、工程(a)について説明する。工程(a)で用いられる、ホスファチジルコリンを含有する原料は、ホスファチジルコリンを豊富に含有するものであれば特に限定されない。例えば、一般的な油脂製造原料として知られている大豆、菜種、アマニ、トウモロコシ、綿実、ヒマワリ、米胚芽、大麦、エンバク、サフラワー等の植物由来の原料の他、魚油、魚肉、魚卵、魚の内臓類、貝の身、貝の内臓類、牛肉、牛脳、豚肉、鶏肉及び卵黄等の動物由来の原料を用いることができる。さらに、これらの原料から、公知の方法により抽出したリン脂質を、ホスファチジルコリンを含有する原料として用いてもよい。原料に含まれるホスファチジルコリンは、sn−2位に高度不飽和脂肪酸が結合しているものが好ましい。該高度不飽和脂肪酸としては、特に限定されないが、不飽和脂肪酸の炭素数が16以上であることが好ましく、18以上であることがより好ましく、20以上であることがさらに好ましい。また、不飽和脂肪酸の二重結合の数が2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましく、5以上であることがさらに好ましい。また、不飽和脂肪酸はn−3脂肪酸又はn−6脂肪酸であることが好ましく、n−3脂肪酸であることがより好ましい。具体的には、高度不飽和脂肪酸は、ドコサヘキサエン酸(DHA)又はエイコサペンタエン酸(EPA)であることが好ましく、より好ましくはDHAである。DHAを有するホスファチジルコリンを含む原料としては、例えば、イカ、オキアミ、マグロ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、アジ、イクラ、ホタテ及びムール貝等の魚介類の組織から抽出された海産物由来の原料、牛脳、遺伝子組み換えブタ及び卵黄等の動物組織から抽出された原料、並びに、DHA産生海洋細菌、藻類(クロレラ等)等の微生物から抽出された原料が挙げられる。イカ又はオキアミのリン脂質はsn−2位にDHAが結合したホスファチジルコリンを多量に含有していることから、イカ又はオキアミ由来の原料がさらに好ましい。前記した原料は、単独で又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。
本発明の製造方法において、ホスファチジルコリンを含有する原料は、PLDの酵素反応に適した溶媒に溶解又は懸濁させて用いることができる。このような溶媒としては、例えば、クロロホルム、エーテル、水、酢酸エチル、石油エーテル、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ピリジン、ジクロロメタン及び緩衝液が挙げられる。これらの溶媒の中でも、クロロホルム、水及びエーテルから選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。一般的に、リン脂質の酵素反応において、エーテルはホスホリパーゼの活性化効果があると言われている。しかしながら、目的生成物を食品用途に利用する場合は、生体に無害であるため、水を用いることがさらに好ましい。前記した溶媒は、目的生成物の用途等に応じて、単独で又は複数の種類を適宜組み合わせて用いることができる。
工程(a)で用いられるホスホリパーゼD(PLD)は、リン脂質又はリゾリン脂質に対して作用し、ホスファチジル基変換反応を起こし、リン脂質のリン酸基に結合したコリンをセリンに変換する。PLDは、放線菌、及び、キャベツ、ほうれん草、ピーナッツ等の植物に存在し、本発明の製造方法においては、ホスファチジル基変換反応の効率が良いものであれば特に限定されず、用いることができる。このようなPLDとして、具体的には、ホスホリパーゼD(名糖産業社製)、ホスホリパーゼD(ナガセケムテックス社製)、ホスホリパーゼD(生化学工業社製)、Phospholipase D(旭化成社製)及びPLD(Biomol international社製)等が挙げられる。本発明においては、好ましくはホスホリパーゼD(名糖産業社製)及びPhospholipase D(旭化成社製)が挙げられる。
工程(a)において、ホスファチジルコリンを含有する原料に、セリン存在下でPLDを作用させるには、例えば、ホスファチジルコリンを含有する原料を反応溶媒に溶解させて反応溶液を作製し、該反応溶液にセリンを添加し、これにPLDを添加すればよい。PLDの添加量としては、ホスファチジルコリンを含有する原料1gに対して好ましくは20〜500単位、より好ましくは50〜200単位、さらに好ましくは100単位である。酵素反応の反応条件としては、特に限定されないが、例えば、酵素の至適反応条件の範囲で作用させることができる。例えば、反応温度としては、20〜70℃が好ましく、30〜50℃がより好ましく、40℃がさらに好ましい。また、例えば、反応時間としては、1〜48時間が好ましく、8〜24時間がより好ましく、18時間がさらに好ましい。例えば、反応溶媒としては、上で説明した溶媒の中から選択できる。本発明においては、水又は緩衝液等の水系溶媒とエーテル等の有機溶媒とから構成される2層系の反応が好ましいが、目的生成物を食品用途に利用する場合は、水又は緩衝液等の水系溶媒の反応系が好ましい。例えば、反応pHは、pH4.5〜7.0が好ましく、pH5.0〜6.5がより好ましく、pH5.5がさらに好ましい。また、セリンの添加量として、ホスファチジルコリンを含有する原料1gに対して、好ましくは0.5〜2g、より好ましくは0.7〜1.5g、さらに好ましくは1gを用いることができる。また、反応溶液にPLDの反応活性化剤を加えてもよい。このような反応活性化剤としては、例えば、塩化カルシウムを挙げることができる。反応活性化剤として塩化カルシウムを用いる場合、塩化カルシウムは、ホスファチジルコリンを含有する原料1gに対して、塩化カルシウム2水和物として、好ましくは0.5〜2g、より好ましくは0.7〜1.5g、さらに好ましくは1gを用いることができる。
酵素反応の終了後、反応溶液に対して適宜抽出、濃縮、乾燥等の操作を行い、反応溶液からホスファチジルセリンを含有する組成物を得ることができる。
次に、工程(b)について説明する。本発明の(b)工程で用いられるホスホリパーゼA1(PLA1)は、リン脂質に対して作用し、リン脂質のsn−1位のエステル結合を加水分解してsn−1位に結合していた脂肪酸を遊離させ、2−アシル−リゾリン脂質を生成する。PLA1は、動物の膵臓及び肝臓、魚類の卵巣、微生物などに存在し、本発明の製造方法においては、sn−2位のエステル結合を加水分解して脂肪酸を遊離させることが少なく、かつ、2−アシル−リゾリン脂質が高収率で得られるものであれば特に限定されず、用いることができる。このようなPLA1として、具体的には、アスペルギルス(Aspergillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、シーワネラ(Shewanella)属、シュードアルテロモナス(Pseudoalteromonas)属、ビブリオ(Vibrio)属及びセラチア(Serratia)属微生物が産生するPLA1、並びに、カツオ、マグロ、サバ、サケ、マス及びタラ等の魚類卵巣から抽出されたPLA1が挙げられる。好ましくは、ホスホリパーゼA1(三菱化学社製)(アスペルギルス・オリゼ由来ホスホリパーゼA1)、Lecitase Ultra(登録商標、ノボザイムズ社製)、Lecitase Novo(登録商標、ノボザイムズ社製)、及び、特開2006−325485号に記載のPseudomonas sp.(HFKI0020株)培養上清から得られるPLA1等が挙げられる。
リン脂質に対してPLA1を過剰に添加すると、リン脂質中のsn−1位だけでなくsn−2位の脂肪酸のエステル結合までもが加水分解され、目的とする2−アシル−リゾリン脂質の収量が低下する可能性があるため、PLA1の添加量としては、ホスファチジルセリンを含有する組成物1gに対して、好ましくは20〜500単位、より好ましくは50〜200単位、さらに好ましくは100単位である。
工程(b)において、本発明の方法では、下記の(I)、(II)及び(III)からなる群から選択される一種以上の添加剤の存在下でPLA1を作用させることにより、PLA1によりリン脂質から2−アシル−リゾリン脂質に変換される割合(リゾ化率)を高めることができる。(I)は、1価のカチオンの、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩及び酒石酸塩からなる群より選択される一種以上の塩であり、(II)は、ガム類であり、(III)は、乳化剤である。
添加剤(I)は、1価のカチオンの、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩及び酒石酸塩からなる群より選択される一種以上の塩であるが、よりリゾ化率が高くなることから、これらの塩の中でも特に1価のカチオンの硫酸塩であることが好ましい。1価のカチオンの硫酸塩の中でも、さらにリゾ化率が高くなることから、添加剤(I)は、硫酸アンモニウム及び/又は硫酸ナトリウムであることが好ましい。例えば、添加剤(I)として硫酸アンモニウムを用いる場合、硫酸アンモニウムの反応系における濃度が約0.25〜2.0Mであることが好ましく、より好ましくは約1Mであることが好ましい。また、例えば、添加剤(I)として硫酸ナトリウムを用いる場合、硫酸ナトリウムの反応系における濃度が約0.25〜2.0Mであることが好ましく、より好ましくは約0.75Mであることが好ましい。このような高濃度の塩類を加えることで、リゾ化率を極めて高くすることができる。
添加剤(II)は、ガム類である。このようなガム類としては、よりリゾ化率が高くなることから、キサンタンガム、グアーガム、タマリンドガム、タラガム、アラビアガム、ローカストビーンガムからなる群より選択される一種以上であることが好ましい。また、添加剤(I)と添加剤(II)とを併用すると、添加剤(I)又は(II)を単独で用いる場合よりも、リゾ化率をより高くすることができるので、添加剤(I)と添加剤(II)とを併用することが好ましい。添加剤(II)と併用する添加剤(I)としては、硫酸塩が好ましく、硫酸ナトリウム又は硫酸アンモニウムであることがより好ましい。また、併用する添加剤(II)としては、アラビアガムであることが好ましい。
添加剤(III)は、乳化剤である。このような乳化剤としては、よりリゾ化率が高くなることから、ショ糖脂肪酸エステル系乳化剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル系乳化剤及びポリソルベート系乳化剤からなる群より選択される一種以上であることが好ましい。また、これらの乳化剤は、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が10以上であることが好ましい。また、添加剤(I)と添加剤(III)とを併用すると、添加剤(I)又は(III)を単独で用いる場合よりも、リゾ化率をより高くすることができるので、添加剤(I)と添加剤(III)とを併用することが好ましい。添加剤(III)と併用する添加剤(I)としては、硫酸塩が好ましく、硫酸ナトリウム又は硫酸アンモニウムであることがより好ましい。また、併用する添加剤(III)としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル系乳化剤又はポリソルベート系乳化剤であることが好ましい。
工程(b)において、ホスファチジルセリンを含有する組成物に、(I)、(II)及び(III)からなる群から選択される一種以上の添加剤の存在下でPLA1を作用させるには、例えば、(a)で得られたホスファチジルセリンを含有する組成物を反応溶媒に溶解させて反応溶液を作製し、該反応溶液に上記添加剤を添加し、これにPLA1を添加すればよい。酵素反応の反応条件としては、特に限定されないが、例えば、酵素の至適反応条件の範囲で作用させることができる。例えば、反応温度としては、10〜50℃が好ましく、30〜50℃がより好ましい。反応時間については、反応時間の経過に伴って2−アシル−リゾリン脂質生成量が増加するが、適切な反応時間を超過すると、PLA1がリン脂質のsn−1位だけでなくsn−2位のエステル結合の加水分解も引き起こし、目的とする2−アシル−リゾリン脂質の収率が低下してしまうため、適切な反応時間でPLA1を作用させることが好ましい。適切な反応時間とは、1〜24時間であり、より好ましくは1〜4時間である。例えば、反応溶媒としては、エーテル又は酢酸エチルなどの有機溶媒と水等の水系溶媒とから構成される2層系又は水等の水系溶媒の反応系が挙げられる。特に、溶媒としてエーテルを使用することが好ましいが、目的生成物を食品用途に利用する場合は、水等の水系溶媒の反応系が好ましい。例えば、反応pHは、pH4〜8が好ましく、pH4.5〜6.5がより好ましく、pH6.5がさらに好ましい。
酵素反応の終了後、反応溶液に対して適宜抽出、濃縮、乾燥等の操作を行って、反応溶液から2−アシル−リゾホスファチジルセリンを含有する組成物が得られる。
<ルート2の方法について>
続いて、ルート2の方法について説明する。ルート2の方法は、(c)ホスファチジルコリンを含有する原料に、ホスホリパーゼA1(PLA1)を作用させて、2−アシル−リゾホスファチジルコリンを含有する組成物を得る工程と、(d)2−アシル−リゾホスファチジルコリンを含有する組成物に、セリン存在下でホスホリパーゼD(PLD)を作用させて、2−アシル−リゾホスファチジルセリンを含有する組成物を得る工程と、を含む。
工程(c)は、PLA1によりリン脂質から2−アシル−リゾリン脂質を得る工程であり、工程(b)と同様の反応条件を用いることができる。すなわち、本発明の方法では、工程(c)において、(I)、(II)及び(III)からなる群から選択される一種以上の添加剤の存在下でPLA1を作用させることにより、リン脂質がリゾリン脂質に変換される割合(リゾ化率)を高めることができる。PLA1は、工程(b)の説明で挙げたものを用いることができ、添加剤(I)、(II)及び(III)は、それぞれ工程(b)の説明で挙げた添加剤(I)、(II)及び(III)である。また、ホスファチジルコリンを含有する原料は、工程(a)の説明で挙げた原料を用いることができる。酵素反応の終了後、反応溶液に対して適宜抽出、濃縮、乾燥等の操作を行って、反応溶液から2−アシル−リゾホスファチジルコリンを含有する組成物が得られる。
工程(d)は、工程(c)で得られた2−アシル−リゾホスファチジルコリンのリン酸基に結合したコリンを、PLDの作用により、セリンに変換する工程であり、工程(a)と同様の反応条件を用いることができる。例えば、PLD、セリン及び反応活性化剤は、それぞれ工程(a)の説明で挙げたものを用いることができる。酵素反応の終了後、反応溶液に対して適宜抽出、濃縮、乾燥等の操作を行って、反応溶液から2−アシル−リゾホスファチジルセリンを含有する組成物が得られる。
本発明の方法によれば、ルート1又はルート2のいずれの方法を用いても、PLA1のホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンに対する反応性を高めることができ、リン脂質がリゾリン脂質に変換される割合(リゾ化率)を高め、目的とする2−アシル−リゾホスファチジルセリンを高収率で得ることができる。なお、本明細書でいう「リゾ化率」は実施例に記載した方法により決定できる。
本発明の方法において、2−アシル−リゾホスファチジルセリンを含有する組成物を得るために、ルート1又はルート2のいずれの方法を用いても構わない。
<2−アシル−リゾホスファチジルセリンについて>
上述の方法により得られる2−アシル−リゾホスファチジルセリンを含有する組成物は、固形分当たりのリゾリン脂質の含有量が高いことが好ましい。脂質の中でもリゾリン脂質が優れた生理活性機能を持つためである。例えば、リゾリン脂質を固形分当たり質量基準で26〜51%含有し、より好ましくは37〜51%含有する。また、組成物中の総リン脂質に対するリゾリン脂質の割合が高いことが好ましい。例えば、総リン脂質に対するリゾリン脂質の割合が質量基準で40〜73%であることが好ましく、より好ましくは57〜73%である。なお、上記「総リン脂質に対するリゾリン脂質の割合」は、(リゾリン脂質の含有量)/(総リン脂質の含有量)×100%で決定できる。「総リン脂質の含有量」及び「リゾリン脂質の含有量」はそれぞれ実施例に記載した方法により決定できる。
さらに、組成物中に含まれる2−アシル−リゾホスファチジルセリンが、特定の生理活性機能を有する脂肪酸を含むことが好ましい。このような特定の生理活性機能を有する脂肪酸としては、高度不飽和脂肪酸が挙げられる。高度不飽和脂肪酸は体内の生理活性物質として働く。高度不飽和脂肪酸がドコサヘキサエン酸(DHA)及び/又はエイコサペンタエン酸(EPA)であることがより好ましい。これらの高度不飽和脂肪酸は、それぞれ記憶学習能力の向上等の生理活性機能を持つことが知られている。これらの高度不飽和脂肪酸の中でも、DHAが好ましい。DHAは、魚介類等の海産物に多く含まれており、特に生理活性機能が優れている高度不飽和脂肪酸である。
本発明の方法により提供される組成物に含まれる2−アシル−リゾホスファチジルセリン等のリゾリン脂質は、生理活性物質として機能する。したがって本発明の方法により得られる組成物を配合して生理活性機能を付与した飲食品及び医薬品を提供できる。その場合、本発明の方法により得られる上記組成物は、リゾリン脂質の組成物中における含有量が高いことから、組成物の配合量が少量でも高い効果が得られる。また、組成物中に含まれる2−アシル−リゾホスファチジルセリンのsn−2位に、DHA、EPA等の高度不飽和脂肪酸が結合している場合、記憶学習能力の向上等の優れた生理活性機能が付与された飲食品及び医薬品を提供できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、特に記載のない限り「%」は「w/v%」を表す。
以下に記載した総リン脂質含量、リゾリン脂質含量及びリゾ化率の分析方法は、以下の測定方法によって得た値である。
1.<総リン脂質含量の分析方法>
総リン脂質含有量は以下の方法により決定された。
(A):試料溶液の測定波長500nmでの吸光度
(B):総リン脂質標準液の測定波長500nmでの吸光度
総リン脂質含有量(質量%)=(A)/(B)×100(質量%)
試料を20mg/mLになるように塩酸メタノールに溶解した溶液を、65℃で30分間加温した。室温に戻した後、溶液に等量の水、次いで等量のヘキサンを加えて、十分に撹拌混合した。溶液を遠心分離(3000回転、5分間)した後、溶液の下層10μLを下記の組成の総リン脂質分析用酵素発色試薬1.0mLに添加した。その溶液を37℃で20分間発色させた後、測定波長500nmでの吸光度(A)を測定した。
総リン脂質分析用酵素発色試薬の組成;
0.1M トリス‐塩酸(pH8.0)
0.2% トリトンX100
10mM 塩化カルシウム
0.1% フェノール
0.1% 4‐アミノアンチピリン
0.2U/mL グリセロホスフォリルコリンホスフォジエステラーゼ
5U/mL グリセロ燐酸オキシダーゼ
10U/mL ペルオキシダーゼ
一方、総リン脂質標準液(AVT社製卵黄ホスファチジルコリンを20mg/mLになるように塩酸メタノールに溶解したもの)を試料として上記と同様の操作を行い、吸光度(B)を測定した。総リン脂質含量は(A)/(B)×100(質量%)によって求めた。
2.<リゾリン脂質含量の分析方法>
リゾリン脂質含有量は以下の方法により決定された。
(C):試料溶液の測定波長500nmでの吸光度
(D):リゾリン脂質標準液の測定波長500nmでの吸光度
リゾリン脂質含有量(質量%)=(C)/(D)×100(質量%)
試料を10mg/mLになるように2%トリトンX100に溶解した溶液10μLを、下記の組成のリゾリン脂質分析用酵素発色試薬1.0mLに添加し、37℃で20分間反応させた後、測定波長500nmでの吸光度(C)を測定した。
一方、リゾリン脂質標準液(AVT社製卵黄リゾホスファチジルコリンを10mg/mLになるように2%トリトンX100に溶解したもの)を試料として上記と同様の操作を行い、吸光度(D)を測定した。リゾリン脂質含量は(C)/(D)×100(質量%)によって求めた。
リゾリン脂質分析用酵素発色試薬の組成;
0.1M トリス‐塩酸(pH8.0)
0.2% トリトンX100
10mM 塩化カルシウム
0.1% フェノール
0.1% 4‐アミノアンチピリン
4U/mL リゾホスフォリパーゼ
0.2U/mL グリセロホスフォリルコリンホスフォジエステラーゼ
5U/mL グリセロ燐酸オキシダーゼ
10U/mL ペルオキシダーゼ
3.<リゾ化率の分析方法>
リゾ化率は以下の方法により決定された。
(E):PLA1反応後の溶液のリゾリン脂質の測定波長500nmでの吸光度
(F):原料中の総リン脂質の測定波長500nmでの吸光度
リゾ化率(モル%)=(E)/(F)×100(モル%)
試料リン脂質が5%になるように溶解させた0.1M酢酸緩衝液(pH5.5)1.0mLに、ホスホリパーゼA1(1000単位/mL)水溶液5μLを添加し、40℃で4時間攪拌し、リゾ化反応を行った。反応後、1.0mLのヘキサンを加えてリン脂質の抽出を行った。ヘキサン相10μLを採取し、減圧下でヘキサンを除去した。これに上記リゾリン脂質分析用酵素発色試薬1.0mLを添加し、37℃で20分間反応を行い、測定波長500nmでの吸光度(E)を測定した。吸光度(E)は、リゾリン脂質のモル濃度に比例する。
一方、前記へキサン相500μLを試験管に移し、減圧下でヘキサンを溜去した。これに塩酸メタノール0.75mLを添加し、65℃で30分間反応を行った。室温に戻した後、水0.75mL、次いでヘキサン0.75mLを加え、脂質成分を抽出した。下層30μLを、上記総リン脂質分析用酵素発色試薬1.0mLに添加して、37℃で20分間発色させた後、測定波長500nmでの吸光度(F)を測定した。吸光度(F)は、総リン脂質のモル濃度に比例する。リゾ化率は(E)/(F)×100(モル%)によって求めた。
[実施例1]
<ホスファチジルセリンの調製>
オキアミ油100gをアセトン処理して得たリン脂質(オキアミホスファチジルコリン)50gに、精製水450mLを加え攪拌した。これに1M酢酸緩衝液(pH5.5)80mL、塩化カルシウム35g、セリン68gを順次添加して溶解させた。この溶液に精製水200mLを追加した後、ホスホリパーゼD(名糖産業社製)5000単位を添加して、40℃で18時間攪拌しながら反応を行った。この反応液にヘキサン800mLを添加し、室温で30分間抽出を行った。ヘキサン相を集めてロータリーエバポレーターで減圧乾固し、ホスファチジルセリン(オキアミホスファチジルセリン)含有固形物42gを得た。
[実施例2]
<PLA1による酵素反応に及ぼす硫酸塩の影響>
0.1M酢酸緩衝液(pH5.5)、5%のアラビアガムもしくはアラビアガム無添加、5%の実施例1で調製したホスファチジルセリン含有固形物、及び、1Mの各種塩類から調製される反応液1.0mLに、ホスホリパーゼA1(1000単位/mL)水溶液5μLを添加し、40℃で4時間攪拌し、酵素反応をおこなった。反応終了後、上述の3.<リゾ化率の分析方法>に従ってリゾ化率を測定した。結果を表1に示した。アラビアガム無添加の場合も、硫酸アンモニウム((NHSO)、硫酸ナトリウム(NaSO)、リン酸一ナトリウム(NaHPO)、硝酸ナトリウム(NaNO)、クエン酸三ナトリウム(Na−Citrate)、酒石酸二ナトリウム(Na−Tartarate)存在下でリゾ化率が高く、PLA1による酵素反応に対するこれらの塩の促進効果が認められた。アラビアガムを添加した場合、特に硫酸アンモニウム及び硫酸ナトリウム存在下でリゾ化率がより高くなり、優れた酵素反応促進効果が認められた。
Figure 0006025143
<PLA1によるリゾ化反応に及ぼす硫酸塩の塩濃度の影響>
酵素反応促進効果の高かった硫酸アンモニウム及び硫酸ナトリウムについて、塩濃度のリゾ化率に及ぼす影響について検討した。硫酸アンモニウム又は硫酸ナトリウムを表2に示す塩濃度で、5%アラビアガム共存下において、PLA1による酵素反応を行った。結果を表2に示す。硫酸アンモニウム及び硫酸ナトリウム共に、濃度が0.75〜1.0M附近のときに、最大の酵素反応促進効果があった。
Figure 0006025143
[実施例3]
<PLA1による酵素反応に及ぼすガム類の影響>
硫酸塩無添加又は硫酸塩存在下での、各種ガム類のリゾ化率に及ぼす影響を検討した。0.1M酢酸緩衝液(pH5.5)、1Mの硫酸ナトリウムもしくは硫酸ナトリウム無添加、5%の実施例1で調製したホスファチジルセリン含有固形物、及び、表3に示す濃度のガム類から調製される反応液1.0mLに、ホスホリパーゼA1(1000単位/mL)水溶液5μLを添加し、40℃で4時間攪拌し、酵素反応を行った。反応終了後、上述の3.<リゾ化率の分析方法>に従ってリゾ化率を測定した。表3に示したように、キサンタンガム、グアーガム、タマリンドガム、タラガム、アラビアガム、ローカストビーンガム等に酵素反応促進効果が見られ、硫酸塩共存下で更に高い酵素反応促進効果が確認された。
Figure 0006025143
[実施例4]
<PLA1による酵素反応に及ぼす乳化剤の影響>
硫酸塩無添加および硫酸塩存在下での、各種乳化剤のリゾ化率に及ぼす影響を検討した。0.1M酢酸緩衝液(pH5.5)、1Mの硫酸ナトリウムもしくは硫酸ナトリウム無添加、5%の実施例1で調製したホスファチジルセリン含有固形物、及び、表4に示す濃度の乳化剤から調製される反応液1.0mLに、ホスホリパーゼA1(1000単位/mL)水溶液5μLを添加し、40℃で4時間攪拌し、酵素反応を行った。反応終了後、上述の3.<リゾ化率の分析方法>に従ってリゾ化率を測定した。表4に示したように、ショ糖脂肪酸エステル系、ポリグリセリン脂肪酸エステル系、ポリソルベート系乳化剤に酵素反応促進効果が見られ、硫酸塩共存下で更なる酵素反応促進効果が得られた。
Figure 0006025143
※エタノール−水で分散してある乳化剤については、表の濃度で「1%」とある場合、反応液中で乳化剤が1%になるように量を調整して添加した。
[実施例5]
<各種リン脂質に対する添加剤の効果>
リン脂質として、実施例1で得たオキアミホスファチジルセリン及びオキアミホスファチジルコリン、実施例1に準じて調製したイカホスファチジルセリン及びイカホスファチジルコリン、並びに、大豆リン脂質(ホスファチジルコリンとホスファチジルエタノールアミンの混合物)の各種リン脂質を用い、硫酸アンモニウム及びアラビアガム存在下で、PLA1による酵素反応を行った。なお、オキアミホスファチジルコリン及びイカホスファチジルコリンを原料とする反応は、ルート2に対応する。それぞれの反応生成物のリゾ化率を測定した。結果は表5に示すように、セリン含有リン脂質及びコリン含有リン脂質の由来にかかわらず、酵素反応に対する添加剤の促進効果が確認された。
Figure 0006025143
[実施例6]
<リゾホスファチジルセリンの調製及び含量分析>
実施例1で得たホスファチジルセリン含有固形物42gを、800mLの0.1M酢酸緩衝液(pH5.5)、1M硫酸アンモニウム、5%のアラビアガムを含有する溶液に溶解させた後、4000単位のPLA1(三菱化学社製)を添加し、40℃で4時間攪拌しながらリゾ化反応を行った。この反応液にヘキサン800mLを添加し、抽出を行った。ヘキサン相を回収してロータリーエバポレーターで減圧乾固させた後、アセトン沈殿処理を行った。得られた固形分を少量のヘキサンに溶解させた後、ロータリーエバポレーターで減圧乾固させ、リゾホスファチジルセリンを含有する脂質19gを得た。この脂質のリゾリン脂質含量を、上述の2.<リゾリン脂質含量の分析方法>によって分析した結果、51.1質量%であった。さらに1.<総リン脂質含量の分析方法>によって総リン脂質含量を測定した結果、69.8質量%であった。よって総リン脂質中に占めるリゾリン脂質の割合は73.2質量%であった。
[実施例7]
<各条件下での含量分析>
実施例2〜6の各種条件下で得られた反応生成物中の総リン脂質含量を上述の1.<総リン脂質含量の分析方法>にて、リゾリン脂質含量を上述の2.<リゾリン脂質含量の分析方法>によって分析した結果、以上の2つの値より算出される総リン脂質中に占めるリゾリン脂質の割合を表6に示した。
Figure 0006025143
[実施例8]
<DHA含量の分析>
実施例5において、イカホスファチジルセリンの脂肪酸部分、及び、イカホスファチジルセリンに、1M硫酸アンモニウム及び5%アラビアガム存在下で、PLA1を作用させて得られた2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物の脂肪酸部分について、ガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成の分析を行った。表7に示すように、PLA1による酵素反応前のホスファチジルセリンと比較して、酵素反応後に生成された2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物については、ドコサヘキサエン酸(DHA)が濃縮されていた。
Figure 0006025143

Claims (7)

  1. 2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物の製造方法であって、
    (a)ホスファチジルコリンを含有する原料に、セリン存在下でホスホリパーゼDを作用させて、ホスファチジルセリンを含有する組成物を得る工程と、
    (b)前記ホスファチジルセリンを含有する組成物に、下記の(I)、(II)及び(III)からなる群から選択される一種以上の添加剤の存在下でホスホリパーゼA1を作用させて、2−アシル−リゾホスファチジルセリンを含有する組成物を得る工程と、を含み、(I)は、1価のカチオンの、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩及び酒石酸塩からなる群より選択される一種以上の塩であり、
    (II)は、キサンタンガム、グアーガム、タマリンドガム、タラガム、アラビアガム及びローカストビーンガムからなる群より選択される一種以上のガム類であり、
    (III)は、乳化剤であり、
    前記ホスホリパーゼA1は、アスペルギルス・オリゼ由来ホスホリパーゼA1である、
    方法。
  2. 2−アシル−リゾホスファチジルセリン含有組成物の製造方法であって、
    (c)ホスファチジルコリンを含有する原料に、下記の(I)、(II)及び(III)からなる群から選択される一種以上の添加剤の存在下でホスホリパーゼA1を作用させて、2−アシル−リゾホスファチジルコリンを含有する組成物を得る工程と、
    (d)前記2−アシル−リゾホスファチジルコリンを含有する組成物に、セリン存在下でホスホリパーゼDを作用させて、2−アシル−リゾホスファチジルセリンを含有する組成物を得る工程と、を含み、
    (I)は、1価のカチオンの、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩及び酒石酸塩からなる群より選択される一種以上の塩であり、
    (II)は、キサンタンガム、グアーガム、タマリンドガム、タラガム、アラビアガム及びローカストビーンガムからなる群より選択される一種以上のガム類であり、
    (III)は、乳化剤であり、
    前記ホスホリパーゼA1は、アスペルギルス・オリゼ由来ホスホリパーゼA1である、
    方法。
  3. 前記添加剤が少なくとも前記(I)を含み、前記1価のカチオンの塩の濃度が0.25〜2.0Mである、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記添加剤が少なくとも前記(I)を含み、前記1価のカチオンの硫酸塩が、硫酸アンモニウム及び/又は硫酸ナトリウムである、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記添加剤が少なくとも前記(III)を含み、前記乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル系乳化剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル系乳化剤及びポリソルベート系乳化剤からなる群より選択される一種以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記ホスファチジルコリンを含有する原料が、海産物由来及び/又は植物由来である、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記ホスファチジルコリンを含有する原料が、海産物由来である、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
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