JP6024412B2 - 利得可変差動増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は、利得可変差動増幅器に関するものである。
従来から、光通信において使用される受光モジュールは、PINフォトダイオード(PIN−PD)、アバランシェフォトダイオード(APD)等のフォトダイオードと、トランスインピーダンスアンプ(以下、「TIA」と呼ぶ。)により構成される。長距離伝送やDWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing)システムなどに使用される受光モジュールでは、後段での閾値制御や電気分散補償(EDC:Electrical Dispersion Compensation)のため、広い入力パワー範囲における線形性が要求される。また、近年では、受光モジュールの小型化及びコストダウンのためのポストアンプの削減や送受信一体型ICの採用による受光モジュールの後段での感度低下を補うために、高利得でかつ線形動作範囲の広い受光モジュールの供給が必要とされている。
一般に、TIAでは、利得可変増幅器を内蔵し、その利得可変増幅器の出力をフィードバックして高い入力パワーでも出力波形が歪まないようにAGC(Auto Gain Control)構成を採用している。下記特許文献1及び下記特許文献2に記載の従来の増幅回路は、いずれもTIA(メインアンプを含む)の出力をTIAの電流−電圧(I/V)変換効率に帰還している。
特開2003−163544号公報 特開2011−205470号公報
上記の従来の増幅回路の構成では、AGCの出力をAGCの利得に帰還する構成において、出力信号の平均値を検出する部分と、出力信号のピーク値を検出する部分とが必要とされる。この構成により、増幅回路内の制御回路において平均値とピーク値を比較することによりAGCの利得の制御が実現される。このようなAGCの構成にする場合、精度を上げるために、振幅を検出する回路は増幅回路の最終段の出力部に接続するのが望ましい。このように構成することで、増幅回路全体が帰還ループの中に含まれることになるため、増幅回路全体の特性補償(温度特性及びプロセス要因のばらつきの補償)が可能となる。その一方で、AGCがオンする信号が発生した場合に、同相信号が帰還ループを経由して出力に回り込み反射特性が著しく悪化する傾向にある。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、反射特性の劣化を防止しながら回路全体の特性補償を実現することが可能な利得可変差動増幅器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一側面に係る利得可変差動増幅器は、利得可変増幅器と利得可変増幅器の出力を受けてバッファリングして出力する出力バッファとを備える利得可変差動増幅器であって、利得可変増幅器の出力に接続され、出力バッファと同一構成のダミーバッファをさらに備え、ダミーバッファにより、利得可変増幅器の出力の振幅及び平均レベルが一定に維持されるように利得可変増幅器の利得を調整する帰還ループが形成され、利得可変増幅器とダミーバッファとを含む回路の周波数特性が、利得可変増幅器と出力バッファとを含む回路の周波数帯域と実質的に等しくされている。
このような利得可変差動増幅器では、利得可変増幅器の出力を受ける出力バッファと共に、その出力に出力バッファと同一構成のダミーバッファが接続され、そのダミーバッファにより利得可変増幅器の利得調整のための帰還ループが形成され、利得可変増幅器とダミーバッファとを含む回路の周波数特性が、利得可変増幅器と出力バッファを含む回路の周波数特性と実質的に等しくされている。これにより、同相信号が帰還ループから利得可変増幅器及び出力バッファを経由して出力に回り込むことを防止することができるとともに、ピーク検出の精度が維持されて安定したAGC制御が実現される。その結果、反射特性の劣化を防止しながら回路全体の特性補償を実現することができる。
上述した利得可変差動増幅器においては、ダミーバッファの消費電力は、出力バッファの消費電力より小さくされている、ことが好適である。こうすれば、回路全体の消費電力の増加を抑えることができる。
また、ダミーバッファ及び出力バッファはいずれも差動回路を含み、差動回路を構成するトランジスタに流れる電流密度はダミーバッファと出力バッファ間で等しくされている、ことも好適である。この場合、ダミーバッファの周波数特性の劣化が防止でき、安定したAGC制御が可能になる。
さらに、ダミーバッファに含まれる差動回路を構成するトランジスタのサイズは、出力バッファに含まれる差動回路を構成するトランジスタのサイズの1/n(nは1より大きい実数)倍であり、ダミーバッファの差動回路に流れる電流は、出力バッファの差動回路を流れる電流の1/n倍であり、ダミーバッファの差動回路を構成する負荷抵抗は、出力バッファの差動回路を構成する負荷抵抗のn倍の抵抗値である、ことも好適である。かかる構成を採れば、ダミーバッファと出力バッファのとの出力振幅を合せることができ安定したAGC制御が可能になる。トランジスタのサイズを1/nとした際に、ダミーバッファに流れる電流の密度を出力バッファのそれと合致させることにより、電源電圧の温度による変動等の環境条件に対して出力振幅の特性をダミーバッファと出力バッファとの間で合わせることができ、その結果安定したAGC制御が可能となる。
或いは、本発明の他の側面に係る利得可変差動増幅器は、利得可変増幅器と、利得可変増幅器の出力を受けてバッファリングして出力する出力バッファと、出力バッファの出力する出力信号に基づき利得可変増幅器の利得を調整する利得調整回路とを備える利得可変差動増幅器であって、利得可変増幅器の出力に接続され、出力バッファと同一構成のダミーバッファをさらに備え、利得調整回路は、出力信号の振幅を検知する振幅検知回路と、利得可変増幅器の出力レベルをダミーバッファを介して検知する平均値検出回路と、を有する。
このような利得可変差動増幅器によれば、同相信号が帰還ループから利得可変増幅器及び出力バッファを経由して出力に回り込むことを防止することができるとともに、ダミーバッファを経由してピーク検出を行う必要が無いためダミーバッファの帯域を狭く設計することができる。その結果、消費電力の増加を抑えつつ反射特性の劣化を防止して回路全体の特性補償を実現することができる。
或いは、本発明の他の側面に係る利得可変差動増幅器は、利得可変増幅器と、利得可変増幅器の出力を受けてバッファリングして出力する出力バッファと、出力バッファの出力する出力信号に基づき利得可変増幅器の利得を調整する利得調整回路とを備える利得可変差動増幅器であって、利得可変増幅器の出力に接続され、出力バッファと同一構成のダミーバッファをさらに備え、利得調整回路は、出力信号の振幅を検知する振幅検知回路と、利得可変増幅器の平均出力レベルをダミーバッファを介して検知するレベル検知回路と、を有する。
このような利得可変差動増幅器によれば、同相信号が帰還ループから利得可変増幅器及び出力バッファを経由して出力に回り込むことを防止することができるとともに、ダミーバッファを経由してピーク検出を行う必要が無いためダミーバッファの帯域を狭く設計することができる。その結果、消費電力の増加を抑えつつ反射特性の劣化を防止して回路全体の特性補償を実現することができる。
本発明によれば、反射特性の劣化を防止しながら回路全体の特性補償を実現することができる。
本発明の好適な一実施形態に係る利得可変差動増幅器1の概略構成を示す回路図である。 図1の出力バッファ5の回路図である。 図1のダミーバッファ7の回路図である。 本発明の変形例に係る利得可変差動増幅器101の概略構成を示す回路図である。 本発明の別の変形例に係る利得可変差動増幅器201の概略構成を示す回路図である。 本発明の比較例に係る利得可変差動増幅器901の概略構成を示す回路図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明による利得可変差動増幅器の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の好適な一実施形態に係る利得可変差動増幅器1の概略構成を示す回路図である。同図に示すように、利得可変差動増幅器1は、前段の回路部によって光信号から変換された電気信号VIN1を受けて直流オフセット電圧Voffを基準に増幅して差動信号を出力する利得可変増幅器3と、利得可変増幅器3からの差動出力を受けてバッファリングして出力する出力バッファ5と、利得可変増幅器3に対して出力バッファ5と並列に接続され、利得可変増幅器3からの差動出力を受けてバッファリングして出力するダミーバッファ7と、ダミーバッファ7の差動出力の平均値(平均出力レベル)を検出する平均値検出回路(レベル検知回路)9と、ダミーバッファ7の差動出力のピーク値(振幅)を検出するピーク値検出回路(振幅検知回路)11と、利得可変増幅器3の制御信号を送出して利得可変増幅器3の利得を制御する利得制御回路(利得調整回路)13とを含んで構成される。この利得可変増幅器3、ダミーバッファ7、平均値検出回路9、ピーク値検出回路11、及び利得制御回路13により、利得可変増幅器3の差動出力の振幅及び平均値レベルを一定に維持するように当該利得可変増幅器3の利得を帰還制御(調整)する帰還ループが形成される。
詳細には、平均値検出回路9は、ダミーバッファ7の2つの差動出力に一端がそれぞれ接続され、他端がレベルシフト回路17を介して利得制御回路13の入力に接続された抵抗素子15a,15bを備え、この抵抗素子15a,15bの他端において生じるダミーバッファ7の差動出力の平均値を利得制御回路13に入力する。
また、ピーク値検出回路11は、ベースがダミーバッファ7の2つの差動出力にそれぞれ接続され、コレクタが電源電圧Vcc2に接続され、エミッタが共通に利得制御回路13の入力に接続されたトランジスタ19a,19bと、トランジスタ19a,19bのエミッタとグラウンドとの間に接続された定電流源21及びキャパシタ23とにより構成されている。このような構成のピーク値検出回路11において、トランジスタ19a,19b及び定電流源21によってエミッタフォロワ回路が構成され、エミッタフォロワ回路の出力がキャパシタ23によって終端されて取り出されることで、差動出力のピーク値が検出されて利得制御回路13に入力される。
また、出力バッファ5の2つの差動出力OUTP,OUTPは、それぞれ、キャパシタ27a,27b及び所定の抵抗値(例えば50Ω)の終端抵抗29a,29bを介してグラウンドに接続され、これらの2つの差動出力OUTP,OUTPから、利得可変差動増幅器1の最終的な出力が取り出される。
上記利得可変差動増幅器1では、出力バッファ5に加え、出力バッファ5と同一構成のダミーバッファ7が備えられ、平均値検出回路9とピーク値検出回路11は、ダミーバッファ7の出力を受ける構成となっている。出力バッファ5は、外部回路と接続するために適切な出力インピーダンス及び振幅で差動信号を外部出力し、反射特性の劣化の原因となる平均値検出回路9をダミーバッファ7に接続することで外部回路との接続パスから完全分離することができ、平均値検出回路9の反射特性への影響を防止できる。また、出力バッファ5はAGCの帰還ループの外になるため、その出力抵抗の低下を招くこともなくなる。
図2及び図3には、それぞれ、出力バッファ5及びダミーバッファ7の回路構成の例を示す。出力バッファ5は、2つの並列接続されたNPN型のバイポーラトランジスタ51a,51bと、それぞれのバイポーラトランジスタ51a,51bに直列接続された抵抗値R1,R2を有する2つの抵抗素子53a,53bと、バイポーラトランジスタ51a,51bに共通に接続された電流源55とを含んで構成される差動回路である。この電流源55は、トランジスタ57及び抵抗素子59により構成され、トランジスタ57には、カレントミラー回路の構成により制御電位Vrefが与えられる。出力の歪に対する耐力を上げるためにはリミット動作が働いた時の振幅を大きくとる必要があるため、トランジスタ51a,51bのサイズとともに電流源55の電流を増やす必要がある。
ダミーバッファ7は、出力バッファ5と同一構成である。すなわち、ダミーバッファ7は、バイポーラトランジスタ71a,71bと、それぞれのバイポーラトランジスタ71a,71bに直列接続された抵抗値R3,R4を有する2つの抵抗素子73a,73bと、バイポーラトランジスタ71a,71bに共通に接続された電流源75とを含んで構成される差動回路である。この電流源75は、トランジスタ77及び抵抗素子79により構成され、トランジスタ77には、カレントミラー回路の構成により制御電位Vref2が与えられる。
このような構成のダミーバッファ7においては、バイポーラトランジスタ71a,71bのサイズの縮小及び電流源75の電流の減少により、消費電力が出力バッファ5に比較して小さくされている。一般に、消費電力と動作周波数帯域は相反する関係にあり、帯域を増加させるには消費電力を増やす必要がある。ここで、ダミーバッファ7は、出力バッファ5に対してトランジスタサイズが小さくされているために、周波数特性(動作帯域)が出力バッファ5と異なってくる。一方で、ピーク値検出回路11の精度(ホールド時の振幅の精度)を上げるためには、ダミーバッファ7の周波数特性は出力バッファ5のそれに近い値にする必要がある。そこで、ダミーバッファ7では、その周波数特性の低周波側から1dB(ピーク出力の約10%)ダウンした周波数が、少なくとも利得可変差動増幅器1が扱うデータ信号のビットレートの半分程度の値となるように確保されている。このことを実現するために、ダミーバッファ7では、トランジスタサイズを小さくしても少なくともトランジスタそれ自体による帯域の劣化を生じないように、バイポーラトランジスタ71a,71bに流れる電流の電流密度を、出力バッファ5のバイポーラトランジスタ51a,51bのそれに等しくし、この電流密度に対応して負荷抵抗73a,73bの抵抗値R3,R4の値が調整されている。
すなわち、ダミーバッファ7のバイポーラトランジスタ71a,71bのサイズは、出力バッファ5のトランジスタ51a,51bの1/n(nは1より大きい実数、例えば4)倍とされ、これに対して出力の振幅を合わせるため、負荷抵抗73a,73bの抵抗値R3,R4を、負荷抵抗53a,53bの抵抗値R1,R2に対してトランジスタサイズの倍率の逆数であるn(例えば4)倍とされている。その結果、ダミーバッファ7の差動回路を流れる電流は、出力バッファ5の差動回路を流れる電流の1/n倍となる。また、ダミーバッファ7とその負荷であるピーク値検出回路11に用いられている2つのトランジスタ19a,19bのサイズとの関係でダミーバッファ7〜ピーク値検出回路11での周波数特性が低下する可能性がある。そこで、ピーク値検出回路11のトランジスタサイズも出力バッファ5に直接接続する場合に比較して1/n倍とされることで、ダミーバッファ7〜ピーク値検出回路11での周波数特性を維持することが可能になる。ただし、ピーク値検出回路11の出力にはピーク値検出用のキャパシタ23が接続されており、このキャパシタ23の充放電特性も維持する必要がある。このキャパシタ23の容量値も出力バッファ5に直接接続する場合に比較して1/n倍とすれば周波数特性の劣化を抑えることができ、ピーク値の検出精度の兼ね合いを考慮してキャパシタ23の容量値が設定されている。
さらに、温度変動、電源電圧変動、又はプロセスばらつきを補正するために、電流源75の制御電位Vref2は、出力バッファ5と同様にカレントミラー回路構成により与えられる。なお、ピーク値検出回路11に用いる19a,19bは、最小のベース−コレクタ間容量Cbcを示すサイズのものが選択される。
ここで、出力バッファ5に供給される電源電圧Vcc1とダミーバッファに供給される電源電圧Vcc2とを回路内部で共通にすると、出力パッドからのワイヤ接続による電源供給を前提にした場合に、ワイヤのインダクタンスによりダミーバッファ7経由で出力バッファ5の出力を揺らすことになり反射特性の劣化を招くため、2つの電源供給は分離されていることが望ましい。
以上説明した利得可変差動増幅器1によれば、利得可変増幅器3の出力を受ける出力バッファ5と共に、その出力に出力バッファ5と同一構成のダミーバッファ7が接続され、そのダミーバッファ7により利得可変増幅器3の利得調整のための帰還ループが形成され、利得可変増幅器とダミーバッファとを含む回路の周波数特性が、利得可変増幅器3と出力バッファ5を含む回路の周波数特性と実質的に等しくされている。これにより、同相信号が帰還ループから利得可変増幅器3及び出力バッファ5を経由して出力に回り込むことを防止することができるとともに、ピーク検出の精度が維持されて安定したAGC制御が実現される。その結果、反射特性の劣化を防止しながら回路全体の特性補償を実現することができる。
また、上述した利得可変差動増幅器1においては、ダミーバッファ7の消費電力は、出力バッファ5の消費電力より小さくされている。そのため、回路全体の消費電力の増加を抑えることができる。
また、ダミーバッファ7と出力バッファ5間で差動回路を構成するトランジスタの電流密度が等しくされている。その結果、ダミーバッファ7の周波数特性の劣化が防止でき、安定したAGC制御が可能になる。
さらに、ダミーバッファ7に含まれる差動回路を構成するバイポーラトランジスタ71a,71bのサイズは、出力バッファ5に含まれる差動回路を構成するバイポーラトランジスタ51a,51bのサイズの1/n倍であり、ダミーバッファ7の差動回路に流れる電流は出力バッファ5の差動回路を流れる電流の1/n倍であり、ダミーバッファ7の差動回路を構成する負荷抵抗73a,73bは、出力バッファ5の差動回路を構成する負荷抵抗53a,53bのn倍の抵抗値である。このような構成により、ダミーバッファ7と出力バッファ5のとの出力振幅を合せることができ安定したAGC制御が可能になる。
本実施形態の利得可変差動増幅器1の効果を、比較例と比較しつつ詳細に説明する。図6は、比較例に係る利得可変差動増幅器901の概略構成を示す回路図である。同図に示す利得可変差動増幅器901の利得可変差動増幅器1との相違点は、出力バッファ5の出力が平均値検出回路9とピーク値検出回路11に入力され、ダミーバッファ7を備えない点である。すなわち、利得可変差動増幅器901においては、利得可変増幅器3、出力バッファ5、平均値検出回路9、ピーク値検出回路11、及び利得制御回路13により、帰還ループが構成される。
利得可変差動増幅器901では、AGCがオンする信号が入力された場合、平均値検出回路9、利得制御回路13、利得可変増幅器3、出力バッファ5を経由して同相信号が出力に回り込み、反射特性を示すSパラメータであるS22が著しく劣化する問題が生じる。
利得可変差動増幅器901のS22の劣化に関して具体的に説明する。S22の劣化は回路のインピーダンスが帰還により下がることが挙げられる。もっとも、負帰還の目的の一つが入力インピーダンスの増加、出力インピーダンスの低下、および帯域の拡張にあり、インピーダンス低下は負帰還の本来的な性質である。今、AGCをオープンループとして考え、増幅器901の出力端が平均値検出回路9の入力端と切り離されているものとする。このとき、出力端信号をVout(O)、平均値検出回路9の入力端信号Vout(I)とすると、AGCのループ利得Aは、下記式;
A=Vout(O)/Vout(I)
と計算される。また、出力端に流れる電流、すなわち、出力端から回路に吸い込まれる電流をIout、負荷抵抗をRLとすると、出力端信号は、下記式;
Vout(O)=RL×Iout
で表される。従って、下記式;
A=Vout(O)/Vout(I)=(RL×Iout)/Vout(I)
が成立するので、帰還ループのコンダクタンスGは、下記式;
G=Iout/Vout(I)
で与えられる。
通常、ループ利得は20dB(10倍)程度であり、負荷抵抗値は50Ωと設定される場合が多く、その場合のコンダクタンスG〜10/50となる。従って、出力抵抗roは、1/Gで計算されるので、下記式;
ro=50/10〜5Ω
で与えられる。それゆえに、出力端から見込んだ出力インピーダンスZoは、この出力抵抗と負荷抵抗の並列回路となり、Zo〜4.5Ωと評価され、帰還による出力インピーダンスの低下が顕著に表れる結果となる。しかしながら、この出力抵抗では出力端子と負荷の間に接続される伝送線路のインピーダンスZとミスマッチになってしまう。つまり、反射係数ρは、下記式;
ρ=(Zo−50)/(Zo+50)=0.83、
S22=−2.2dB
のように計算され、極めて劣悪な値となってしまう。高周波で安定動作を望むならば、S22として−20dB程度のレベルが必要とされる。
ここで、高周波側の回路の周波数特性は容量やインダクタンスの寄生成分により決まる。帰還構成にするとこのように反射特性の劣化の問題が本質的に発生する。従来は、平均値検出回路部分(帰還ループ内)に容量を追加してカットオフ周波数fcを低域側にシフトさせ、信号周波数帯での帰還効果を打ち消していた。しかしながら、このための容量は数nF程度を必要とし、集積回路内でMIM(metal-insulator-metal)容量として組み込むにはそのサイズが大きくなってしまい、チップ外付けにする必要があった。
これに対して、本実施形態の利得可変差動増幅器1によれば、チップ部品の増加や消費電力の増加を生じることなく、S22劣化を防ぐことができる。つまり、カットオフを下げるのではなく、S22自体を下げることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、利得可変差動増幅器1においては、平均値検出回路9及びピーク値検出回路11の両方がダミーバッファ7の出力を受けていたが、図4に示す利得可変差動増幅器101のように、平均値検出回路9のみがダミーバッファ7の出力に接続されていてもよい。このような構成によれば、利得可変増幅器3の出力レベルがダミーバッファ7を介して検知される一方で、ダミーバッファ7の出力からピーク検出を行う必要がないため、ダミーバッファ7の帯域は極めて狭い設計とすることが可能である。つまり、ダミーバッファ7の差動回路構成においてバイポーラトランジスタ71a,71bのトランジスタサイズ(エミッタ長)は極力小さいものを選択することができ、動作電流をトランジスタ71a,71bが最低限動作可能な範囲に設定できる。例えば、動作電流を数百μAオーダーでの設計が可能になるため、消費電力をほとんど増やすことなく設計することが可能となる。さらに、ピーク値検出は主信号系の出力からとるため、ピーク検出が高精度に行えるという利点がある。
また、図5に示す本発明の変形例に係る利得可変差動増幅器201のように、平均値検出回路9を利得可変増幅器3の出力に直接接続し、平均値検出回路9の検出信号をシングルエンドのダミーバッファ207を介して利得制御回路13に出力するようにしてもよい。このような構成によっても、利得可変増幅器3の平均出力レベルをダミーバッファ207を介して利得制御回路13で検出することができ、同相信号が帰還ループから利得可変増幅器3及び出力バッファ5を経由して出力に回り込むことを防止することができる。
1,101,201…利得可変差動増幅器、3…利得可変増幅器、5…出力バッファ、7,207…ダミーバッファ、9…平均値検出回路(レベル検知回路)、11…ピーク値検出回路(振幅検知回路)、13…利得制御回路(利得調整回路)、51a,51b…バイポーラトランジスタ、53a,53b…抵抗素子(負荷抵抗)、71a,71b…バイポーラトランジスタ、73a,73b…抵抗素子(負荷抵抗)。

Claims (5)

  1. 利得可変増幅器と、前記利得可変増幅器の出力を受けてバッファリングして出力する出力バッファと、前記出力バッファの出力する出力信号に基づき前記利得可変増幅器の利得を調整する利得調整回路とを備える利得可変差動増幅器であって、
    前記利得可変増幅器の出力に接続され、前記出力バッファと同一構成のダミーバッファをさらに備え、
    前記利得調整回路は、
    前記出力信号の振幅を検知する振幅検知回路と、
    前記利得可変増幅器の出力レベルを前記ダミーバッファを介して検知するレベル検知回路と、を有する、
    ことを特徴とする利得可変差動増幅器。
  2. 利得可変増幅器と、前記利得可変増幅器の出力を受けてバッファリングして出力する出力バッファと、前記出力バッファの出力する出力信号に基づき前記利得可変増幅器の利得を調整する利得調整回路とを備える利得可変差動増幅器であって、
    前記利得可変増幅器の出力に接続され、前記出力バッファと同一構成のダミーバッファをさらに備え、
    前記利得調整回路は、
    前記出力信号の振幅を検知する振幅検知回路と、
    前記利得可変増幅器の平均出力レベルを前記ダミーバッファを介して検知するレベル検知回路と、を有する、
    ことを特徴とする利得可変差動増幅器。
  3. 前記ダミーバッファの消費電力は、前記出力バッファの消費電力より小さくされている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の利得可変差動増幅器。
  4. 前記ダミーバッファ及び前記出力バッファはいずれも差動回路を含み、
    前記差動回路を構成するトランジスタに流れる電流密度は前記ダミーバッファと前記出力バッファ間で等しくされている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の利得可変差動増幅器。
  5. 前記ダミーバッファに含まれる前記差動回路を構成する前記トランジスタのサイズは、前記出力バッファに含まれる前記差動回路を構成する前記トランジスタのサイズの1/n(nは1より大きい実数)倍であり、
    前記ダミーバッファの前記差動回路に流れる電流は、前記出力バッファの前記差動回路を流れる電流の1/n倍であり、
    前記ダミーバッファの前記差動回路を構成する負荷抵抗は、前記出力バッファの前記差動回路を構成する負荷抵抗のn倍の抵抗値である、
    ことを特徴とする請求項記載の利得可変差動増幅器。
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