JP6024132B2 - シアントナー - Google Patents
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また、前記乳化重合凝集法の抱える界面活性剤の使用における問題点を改良した技術についても提案されている(特許文献3及び4参照)。
本発明のシアントナーは、非晶性樹脂と、結晶性樹脂と、シアン顔料と、離型剤とを含有するシアントナーであって、
ガラス転移温度が18℃を超え40℃未満であり、
前記シアントナー単色を用いて光沢紙上に付着量0.30mg/cm2で画像形成したときに得られる画像のCIE LabにおけるL*が50〜60、a*が−35〜−45、b*が−45〜−55であることを特徴とする。
本発明のシアントナー(以下、「トナー」と略記することがある)は、少なくとも非晶性樹脂と、結晶性樹脂と、シアン顔料と、離型剤とを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記シアントナーは、ガラス転移温度が18℃を超え40℃未満である。
前記シアントナーは、前記シアントナー単色を用いて光沢紙上に付着量0.30mg/cm2で画像形成したときに得られる画像のCIE LabにおけるL*が50〜60、a*が−35〜−45、b*が−45〜−55(本明細書において、「所望の色域」、「良好な発色」と称することがある)であり、L*が53〜55、a*が−36〜−39、b*が−49〜−52であることがより好ましい。
前記光沢紙としては、例えば、PODグロスコート(王子製紙社製、坪量158g/m2、紙厚175μm、白色度80%以上)などが挙げられる。
前記CIE Labは、例えば、X−Rite938(Xrite社製)を用いて測定することができる。その際の条件としては、例えば、以下の条件が挙げられる。
光源:D50
測光:0°受光、45°照明
測色:2°視野
光沢紙10枚を重ねて測定
一方、前記シアントナーが、前記結晶性樹脂を含有し、かつガラス転移温度が18℃を超え40℃未満であることにより、前記結晶性樹脂のシャープメルト性及び他の樹脂の溶融を促進する効果により、定着時にトナーが記録媒体上に均一かつ平滑に定着され、低付着量においても前記所望の色域が得られると考えられる。
本発明らは、シアントナーのガラス転移温度を極端に低くし、かつ結晶性樹脂を含有することにより、該トナーが低トナー付着量においても良好な発色を有することを見出した。
前記シアン顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、青色を呈色する有機顔料が好ましい。前記有機顔料としては、例えば、インディゴ、フタロシアニンなどが挙げられる。これら以外に、アントラキノン系の青色顔料であるインダンスレンブルー(Pigment Blue 60、Pigment Blue 64)、アルカリブルーなどが挙げられる。
前記有機顔料としては、銅フタロシアニン顔料が本発明の色域を再現するのに好ましい。
前記銅フタロシアニン顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタロシアニン青である銅フタロシアニンのPigment Blue15:3、銅フタロシアニンのPigment Blue 15、銅フタロシアニンのPigment Blue 76などが挙げられる。これらの銅フタロシアニン顔料は、単独でも目標の濃度(明るさ)で色域を表現することが可能であるが、より少ないトナー付着量で目標の色域を再現するためには、緑方向、即ち、−a*方向の色が好ましい。その原因は、明らかではないが、トナーの付着量が少なくなると紙の地肌の色が出やすくなったり、紙を完全にトナーで覆い尽くせないためとも考えられる。上記のとおり、本発明のトナーは、Tgを低下させ上記範囲とする他、後述のシャープメルトの結晶性樹脂を用いたりする効果も重要ではあるが、更に以下の緑味のシアン顔料等を用いることも効果があることが見いだされた。
前記緑味のシアン顔料としては、例えば、塩素化銅フタロシアニンのPigment Green 7、臭素化塩素化フタロシアニンのPigment Green 36、臭素化塩素化亜鉛フタロシアニンのPigment Green 58などが挙げられる。また、アルミニウムフタロシアニン、亜鉛フタロシアニンなどが挙げられる。
前記シアントナーにおいては、フタロシアニン青である銅フタロシアニンと、緑味のフタロシアニンとを混合して用いることができる。前記銅フタロシアニンと前記緑味のフタロシアニンとを混合して用いる場合には、例えば、銅フタロシアニンと亜鉛フタロシアニンを90/10〜50/50(質量比)で混合したもの、銅フタロシアニンとアルミニウムフタロシアニンを90/10〜50/50(質量比)で混合したものなどを用いることができる。
また、本発明のトナーにおいて、前記シアン顔料に公知の他の着色剤を混合して用いることができる。
前記マスターバッチ用の樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記非晶性樹脂などが挙げられる。
前記非晶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ポリエステル樹脂(非晶性ポリエステル樹脂)が、高光沢の画像が得られ、かつ低温定着性及び耐熱保存性が優れる点で好ましい。
相溶か非相溶かは、未変性な非晶性樹脂を有機溶媒に対して50%の質量比率で溶解させ、その溶液に各種溶液を加えたときに、二層に分離した場合は非相溶、分離しない場合は相溶であると目視で判断して行う。
前記ポリエステル樹脂(非晶性ポリエステル樹脂)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコールとカルボン酸との縮重合によって得られる。
前記アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類;その他二価のアルコール単量体などが挙げられる。
前記カルボン酸としては、例えば、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸等の二価の有機酸単量体などが挙げられる。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリンなどが挙げられる。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の三価以上の多価カルボン酸単量体などが挙げられる。
前記結晶性樹脂は、高い結晶性をもつために、定着開始温度付近において急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。このような特性を有する前記結晶性樹脂を前記シアントナーに用いることで、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性がよく、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を起こし定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性とを兼ね備えたトナーが得られる。また、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度との差)についても、良好な結果を示す。
前記ポリエステル樹脂(結晶性ポリエステル樹脂)としては、例えば、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られる。
前記ジオールとしては、例えば、飽和脂肪族ジオールなどが挙げられる。前記飽和脂肪族ジオールとしては、直鎖型飽和脂肪族ジオール、分岐型飽和脂肪族ジオールなどが挙げられるが、これらの中でも、直鎖型飽和脂肪族ジオールが好ましく、炭素数が4〜12である直鎖型飽和脂肪族ジオールがより好ましい。前記飽和脂肪族ジオールが分岐型であると、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が低下してしまうことがある。また、主鎖部分の炭素数が4未満であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合に、融解温度が高くなり、低温定着が困難となることがある。一方、炭素数が12を超えると、実用上の材料の入手が困難となる。
前記飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点で、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが好ましい。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、更に、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステル(例えば、炭素数1〜4のアルキルエステル)も挙げられる。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル(例えば、炭素数1〜4のアルキルエステル)などが挙げられる。
また、前記多価カルボン酸成分としては、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていてもよい。さらに、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸成分を含有してもよい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記融点は、示差走査熱量計(DSC)測定におけるDSCチャートの吸熱ピーク値により測定することができる。
更には、重量平均分子量(Mw)5,000〜15,000、数平均分子量(Mn)2,000〜10,000、Mw/Mn1.0〜5.0であることが好ましい。
相溶か非相溶かは、一方の材料を有機溶媒に対して50%の質量比率で溶解させ溶液を作製し、その溶液に、他方の材料を前記有機溶媒に対し50%の質量比率で溶解させた溶液を加えたときに、二層に分離した場合は非相溶、分離しない場合は相溶であると目視で判断して行う。結晶性樹脂が有機溶媒に溶解しない場合は、得られたトナーの断面を観察し、結晶性樹脂のドメインの有無により判断する。
前記離型剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、天然ワックス、合成炭化水素ワックスなどが挙げられる。
前記合成炭化水素ワックスとしては、例えば、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。
更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド系化合物;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子などを用いてもよい。
これらの中でも、天然ワックスが好ましく、植物系ワックスがより好ましく、カルナバワックスが特に好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記シアン顔料以外の顔料、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸などが挙げられる。
前記シアントナーは、コアシェル構造であることが好ましい。
前記コアシェル構造とは、コアと、シェルとからなる構造である。
前記コアシェル構造としては、例えば、前記非晶性樹脂、前記結晶性樹脂、前記シアン顔料、及び前記離型剤を含有するトナー材料を核(コア)としたトナー粒子本体の表面に、シェルとしてのアクリル樹脂微粒子が付着している構造などが挙げられる。
前記コアシェル構造は、例えば、後述する前記シアントナーの製造方法により形成することができる。
前記コアとしては、前記非晶性樹脂、前記結晶性樹脂、前記シアン顔料、及び前記離型剤を含有することが好ましい。
前記シェルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アクリル樹脂微粒子により形成されるシェルであることが好ましい。
前記アクリル樹脂微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、乳化液滴に付着した際に溶解せず、トナー粒子本体の表面に固定化されるためには、架橋重合体であることが好ましく、少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体と共重合させたものが好ましい。
前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
前記アクリル樹脂微粒子は、通常、構成成分にスチレンを含有しない。
前記アクリル樹脂微粒子のガラス転移温度は、前記シェルのガラス転移温度ということもできる。
前記体積平均粒径が10nm未満であると、スペーサ効果が十分に得られないためトナー粒子の非静電的付着力を低減することができず、更に、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい場合には、トナーの表面にアクリル樹脂微粒子や外添剤が埋没しやすくなり、長期に渡り十分な転写効率を維持することができないことがある。また、前記体積平均粒径が500nmよりも大きい場合には、トナーの流動性が悪くなり、均一転写性を阻害することがある。
前記体積平均粒径は、例えば、LA−920(堀場製作所製)で測定することができる。
しかし、前記コアシェル構造を有し、前記シェルが前記アクリル樹脂微粒子から形成されるトナーにおいては、前記アクリル樹脂微粒子が比較的大きくトナー粒子本体に埋没しにくい。特に、前記アクリル樹脂微粒子がアクリル酸エステル重合体、又はメタクリル酸エステル重合体を含む架橋樹脂の微粒子であることが好ましい。このようなアクリル樹脂微粒子は、架橋されていて比較的硬いため、現像器内での機械的ストレスによってトナー粒子表面で変形することなく、スペーサ効果も保つため外添剤の埋没も防止し、上述の付着力維持にはさらに適している。
<<融点、及びガラス転移温度(Tg)の測定方法>>
本発明における融点、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計、Q−200、TAインスツルメント社製)を用いて測定することができる。
具体的には、対象試料の融点、ガラス転移温度は、下記手順により測定できる。
まず、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する。この際、示差走査熱量計(Q−200、TAインスツルメント社製)を用いてDSC曲線を計測する。
得られるDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、対象試料の融点及びガラス転移温度を求める。なお吸熱ピークトップ温度を融点とする。
酸価は、JIS K0070−1992に準拠した方法を用いて測定することができる。
具体的には、まず、試料0.5g(酢酸エチル可溶分では0.3g)をトルエン120mLに添加して、23℃で約10時間撹拌することにより溶解させる。次に、エタノール30mLを添加して試料溶液とする。なお、試料が溶解しない場合は、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いる。さらに、電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)及び電極DG113−SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で酸価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて解析する。なお、装置の校正には、トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶媒を用いる。
〔測定条件〕
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
at maximum volume[mL] 10.0
at potential No
at slope No
after number EQPs Yes
n=1
comb.termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential1 No
Potential2 No
Stop for reevaluation No
トナーの各材料の分子量は、例えば、以下の方法で測定することができる。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)
温度:40℃
溶媒:THF
流速:0.35mL/min
試料:0.15質量%の試料を0.4mL注入
試料の前処理:トナーをテトラヒドロフランTHF(安定剤含有、和光純薬社製)に0.15質量%で溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。前記THF試料溶液を100μL注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580を用いる。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
なお、結晶性樹脂は、THFに変えてオルトジクロロベンゼンを用いて測定する。
前記シアントナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー材料相調製工程と、水系媒体相調製工程と、乳化乃至分散液調製工程と、有機溶媒除去工程と、加熱工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む製造方法などが挙げられる。
前記トナー材料相調製工程は、前記非晶性樹脂又は非晶性樹脂前駆体と、前記結晶性樹脂と、前記シアン顔料と、前記離型剤とを含有するトナー材料を有機溶媒中に溶解又は分散させて形成したトナー材料の溶解乃至分散液(トナー材料相)を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記活性水素基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミン化合物などが挙げられる。前記アミン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケチミン化合物などが挙げられる。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソシアネート基含有ポリエステル樹脂などが挙げられる。
前記有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー材料100質量部に対して40質量部〜300質量部が好ましく、60質量部〜140質量部がより好ましく、80質量部〜120質量部が特に好ましい。
前記水系媒体相調製工程としては、水系媒体中にスチレン/アクリル樹脂微粒子及びアクリル樹脂微粒子を含む水系媒体相を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどが挙げられる。
前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アニオン性界面活性剤と前記スチレン/アクリル樹脂微粒子の前記水系媒体中への添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、それぞれ、前記水系媒体に対して0.5質量%〜10質量%が好ましい。
前記アクリル樹脂微粒子は、その後前記水系媒体に加えられる。前記アクリル樹脂微粒子が前記アニオン性界面活性剤と凝集性を有する場合は、前記水系媒体を乳化前に高速せん断分散機にて分散させておくことが好ましい。
前記乳化乃至分散液調製工程としては、前記トナー材料の溶解乃至分散液(トナー材料相)と前記水系媒体相とを混合して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
乳化乃至分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができる。前記分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機などが挙げられる。前記シアントナーの製造方法においては、乳化乃至分散の際、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、を伸長反応乃至架橋反応させると、接着性基材が生成する。前記アクリル樹脂微粒子は乳化中又は乳化後に前記水系媒体に加えてもよい。前記高速せん断分散機にて分散させながら行うか、乳化後低速攪拌に切り替えて添加するかは、適宜トナーへのアクリル樹脂微粒子の付着性、固定化状況を見ながら行えばよい。
前記有機溶媒除去工程としては、前記乳化乃至分散液から前記有機溶媒を除去し脱溶媒スラリーを得る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記有機溶媒の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、前記乳化乃至分散液の油滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法、(2)前記乳化乃至分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、前記乳化乃至分散液の油滴中の有機溶媒を完全に除去する方法などが挙げられる。有機溶媒の除去が行われるとトナー粒子が形成される。
前記加熱工程としては、前記脱溶媒スラリーを加熱する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)静止状態で加熱処理する方法、(2)攪拌下で加熱処理する方法などが挙げられる。前記加熱工程が行われると、表面が平滑なトナー粒子が形成される。また、前記加熱工程はトナー粒子がイオン交換水で分散されている場合は、洗浄前に実施しても洗浄後に実施してもよい。
加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーの製造に用いる各種樹脂のガラス転移温度よりも高い温度が好ましい。
前記加熱工程を行うことにより、前記アクリル樹脂微粒子は、トナー表面に強固に固定化できる。
前記その他の工程としては、例えば、洗浄工程、乾燥工程などが挙げられる。
前記洗浄工程としては、前記有機溶媒除去工程の後であって前記加熱工程の前に、前記脱溶媒スラリーを水で洗浄する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記水としては、例えば、イオン交換水などが挙げられる。
前記乾燥工程としては、前記加熱工程で得られたトナー粒子を乾燥する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
実施例中の分子量、ガラス転移温度、酸価は、明細書中に記載の方法により測定した。
評価に用いたトナーの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるトナーは、これらの例に限定されるものではない。
<非晶性樹脂A1の合成>
攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物66部、プロピレングリコール2部、イソフタル酸7部、及びアジピン酸23部を投入し、加圧下、230℃にて5時間反応させた。次いで、該反応液を1mmHg〜10mmHgの減圧下にて5時間反応させて非晶性ポリエステルを得た。更に、トリメリット酸2.4部を添加した後、240℃で1時間反応を継続し、ポリエステルの酸価を調整し非晶性樹脂A1を得た。
得られた非晶性樹脂A1は、数平均分子量(Mn)が5,100、重量平均分子量(Mw)が16,000、ガラス転移温度(Tg)が29℃であった。
<非晶性樹脂A2〜A4の合成>
ガラス転移温度を調整するために、製造例1−1において、モノマーの量を表1に示すモノマーの量に変えた以外は、製造例1−1と同様にして、非晶性樹脂A2〜A4を製造した。得られた樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ガラス転移温度(Tg)を表1に示す。
<非晶性樹脂A5〜A6の合成>
分子量を調整するために、製造例1−3において、モノマーの量を表1に示すモノマーの量に変えた以外は、製造例1−3と同様にして、非晶性樹脂A5〜A6を製造した。得られた樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ガラス転移温度(Tg)を表1に示す。
<結晶性樹脂B1の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、1,10−デカンジカルボン酸28部、1,8−オクタンジオール21部、1,4−ブタンジオール51部、及びハイドロキノン0.1部を入れ、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、更に、8.3kPaの圧力にて2時間反応させて結晶性樹脂B1を得た。
得られた結晶性樹脂B1のオルトジクロロベンゼンの可溶分をGPC測定したところ、Mwが15,000、Mnが5,000、Mw/Mnが3.0であり、融点は、67℃であった。
<結晶性樹脂B2の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、アジピン酸48部、1,6−へキサンジオール52部、及びハイドロキノン0.1部を入れ、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、更に、8.3kPaの圧力にて2時間反応させて結晶性樹脂B2を得た。
得られた結晶性樹脂B2のオルトジクロロベンゼンの可溶分をGPC測定したところ、Mwが12,500、Mnが4,800、Mw/Mnが2.6であり、融点は、59℃であった。
<離型剤分散液(D1)の作製>
攪拌棒及び温度計をセットした容器に、300部の非晶性樹脂A1、離型剤としてパラフィンワックス100部(日本精鑞社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃)及び酢酸エチル600部を仕込み、攪拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却することで離型剤分散液D1を得た。
<銅フタロシアニン顔料の合成(シアン顔料1)>
5リットル容器に、無水フタル酸1,000部、尿素2,000部、モリブデン酸アンモニウム10部、塩化第一銅180部、及びハイゾールP(日本石油化学社製、アルキルベンゼン系溶剤)2,000部を加え、常圧下、200℃で4時間加熱反応させた。反応終了後、溶剤を減圧除去し、反応生成物を2%希硫酸水溶液20,000部に投入して、80℃で2時間攪拌し、濾過、湯洗及び濾液が中性となるまで水洗して粗製銅フタロシアニンの水性ペーストを得た。次に、この水性ペーストを90℃で乾燥し、硫酸法で測定した純度が95.5%の粗製銅フタロシアニン900部を得た。
この粗製銅フタロシアニン磨砕物のX線回折スペクトルから求めたβ型結晶の含有率は43%であった。
次いで、得られた粗製銅フタロシアニン100部を0.5リットル容器に採り、これにブチルセロソルブ30部、及び水200部を加えて常温で30分間攪拌混合し、更に、内容物を90℃に加熱し、4時間攪拌混合し混合物を得た。この混合物を1.0%希硫酸水溶液1,000部に投入し、80℃で1時間加熱処理を行った後、濾過、水洗、乾燥及び粉砕して粉末のβ型銅フタロシアニン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3)組成物を得た。これをシアン顔料1とする。
<亜鉛フタロシアニンの合成(シアン顔料2)>
1,000mLの4口フラスコ中に、フタロニトリル51.2g、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)30.4g、及びn−ペンタノール200mLを仕込み、窒素雰囲気下で加熱、撹拌した。70℃〜75℃で、これに塩化亜鉛13.62gを添加した後、95℃〜100℃で5時間加熱した。析出物を濾取して、有機溶剤で洗浄した後、乾燥、精製をして、粗製亜鉛フタロシアニンを得た。この粗製亜鉛フタロシアニンはβ型からなっていた。
2L双腕型ニーダーに、上記で得た粗製亜鉛フタロシアニン120部、粉砕した塩化ナトリウム960部、及びジエチレングリコール120部を仕込み、内容物の温度を90℃〜95℃に保って7時間摩砕を行った。その間、内容物が均一な粘調性を保つように適宜ジエチレングリコールを加えた。得られた内容物を大過剰の水で洗浄後、0.4%塩酸水溶液で洗浄し、濾過し、濾液の比電導度が原水の比電導度+20μS/cm以下となるまで水洗することによって、β型亜鉛フタロシアニン顔料のウエットケーキを得た。得られたウエットケーキを、濾過、温水洗浄、乾燥、粉砕し、実質的にβ型のみからなる亜鉛フタロシアニン顔料からなる青色顔料組成物を得た。これをシアン顔料2とする。
この青色顔料組成物は、一次粒子の平均粒子径が20nm〜50nmの範囲にあった。
<アルミニウムフタロシアニンの合成(シアン顔料3)>
フタロニトリル50.0部、1−クロルナフタレン300.0部、及び塩化アルミニウム13.0部を反応容器に仕込み、230℃で5時間反応させた。生成物を濾別後、メタノール及び2%希硫酸水溶液で順次十分洗浄し、濾過及び乾燥した。次に得られた生成物を500.0部の濃硫酸に溶解させた後、3,000部の氷水中に10℃以下の温度で注入してアルミニウムフタロシアニン(AlPc)の微粒子を析出及び結晶させ、濾別後十分に水洗してAlPcのプレスケーキを得た。
続いて、該プレスケーキ中の水分と併せて水が1,000部となるように調製し、ブチルセロソルブ20部を加えて90℃で6時間撹拌混合した。この混合物を濾過、水洗、乾燥及び粉砕して38.2部のAlPc顔料を得た。これをシアン顔料3とする。
該顔料の粒子の平均粒子径は200nm以下であり、色相は緑味の青色を示した。
<マスターバッチMB1の調製>
水500部、シアン顔料1を400部、非晶性樹脂A1を600部、及びカルナバワックス(商品名WA−05、東亜化成社製)12部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、シアンマスターバッチ(MB1)を調製した。
<マスターバッチMB2の調製>
製造例5−1において、シアン顔料1をシアン顔料2に変えた以外は、製造例5−1と同様にして、シアンマスターバッチ(MB2)を調製した。
<マスターバッチMB3の調製>
製造例5−1において、シアン顔料1をシアン顔料3に変えた以外は、製造例5−1と同様にして、シアンマスターバッチ(MB3)を調製した。
<スチレン/アクリル樹脂微粒子分散液の調製>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸n−ブチル110部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分間で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸n−ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[スチレン/アクリル樹脂微粒子分散液]を得た。[スチレン/アクリル樹脂微粒子分散液]の体積平均粒径(堀場製作所製、LA−920で測定)は14nm、酸価は45mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は300,000、Tgは60℃であった。
<シェル(アクリル樹脂微粒子)C1の調製>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(カチオンDS、花王社製)10部、メタクリル酸メチル176部、アクリル酸n−ブチル18部、過硫酸アンモニウム1部、及びエチレングリコールジメタクリレート2部を仕込み、400回転/分間で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度65℃まで昇温し10時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(アクリル樹脂微粒子C1)の水性分散液[アクリル樹脂微粒子分散液C1]を得た。[アクリル樹脂微粒子C1]の体積平均粒径(堀場製作所製、LA−920で測定)は35nm、酸価は2mgKOH/g、重量平均分子量Mwは30,000、Tgは82℃であった。
<シェル(アクリル樹脂微粒子)C2〜C6の調製>
製造例7−1において、表4に示すようにモノマーの配合を変えた以外は、製造例7−1と同様にして、アクリル樹脂微粒子C2〜C6を調製した。得られたアクリル樹脂微粒子の体積平均粒径、酸価、重量平均分子量、ガラス転移温度(Tg)を表4に示す。
<トナーの製造>
−水系媒体相Aの調製−
水660部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業社製)25部、及び酢酸エチル60部を混合撹拌し、乳白色の水系媒体相(水相)Aを得た。
表5の作製条件に従って、ビーカー内に100部の前記非晶性樹脂A1及び酢酸エチル114部を、攪拌し溶解させた。次いで、100部の前記離型剤分散液D1と、20部のマスターバッチMB1と、10部の前記マスターバッチMB3と、20部の前記結晶性樹脂B1とを仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液(トナー材料相)を調製した。
150部の水系媒体相Aを容器に入れ、ロボミックス(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これにトナー材料相100部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
脱気用配管、攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、乳化スラリーを仕込み、攪拌周速20m/分間で攪拌しながら30℃にて12時間減圧下、脱溶剤し脱溶剤スラリーを得た。
得られた脱溶剤スラリー全量を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行い、再分散したスラリーの伝導度が0.1μS/cm以上且つ10μS/cm以下になったところで終了し、洗浄スラリーを得た。
攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、得られた洗浄スラリーを攪拌周速20m/分間で攪拌しながら50℃で60分間攪拌下、加熱処理した後濾過した。
得られた濾過ケーキを順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmで篩い、トナー母体粒子を得た。
得られたトナー母体粒子100部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6部、平均粒径20nmの酸化チタン1.0部、及び平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体0.8部をヘンシェルミキサーにて混合し、トナーを得た。
実施例1のトナーの製造において、トナー材料相の調製における各材料を表6に示す種類、及び量に変えた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。なお、マスターバッチにおける非晶性樹脂及び結晶性樹脂は、表6に記載の非晶性樹脂及び結晶性樹脂を用いた。
<トナーの製造>
−水系媒体相C4の調製−
水660部、スチレン/アクリル樹脂微粒子分散液25部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業社製)25部、及び酢酸エチル60部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。更にアクリル樹脂微粒子C4を50部加え、水系媒体相C4を得た。光学顕微鏡で観察すると数百μmの凝集体が見られた。本水系媒体相C4をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8,000rpmで攪拌すると該凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。したがってこの後行われるトナー材料の乳化工程においてもアクリル樹脂微粒子は分散してトナー材料成分の液滴に付着することが期待できた。このようにアクリル樹脂微粒子は凝集を生じるがせん断によってほぐれることがトナー表面に均一に付着させる上で重要である。
ビーカー内に100部の非晶性樹脂A1、及び酢酸エチル114部を、攪拌し溶解させた。次いで、100部の離型剤分散液D1と、20部の前記マスターバッチMB1と、10部のマスターバッチMB2と、20部の結晶性樹脂B1を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスしてトナー材料相を調製した。
150部の水系媒体相C4を容器に入れ、ロボミックス(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これにトナー材料相100部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
脱気用配管、攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、前記乳化スラリーを仕込み、攪拌周速20m/分間で攪拌しながら30℃にて12時間減圧下、脱溶剤し脱溶剤スラリーを得た。
得られた脱溶剤スラリー全量を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行い、再分散したスラリーの伝導度が0.1μS/cm以上且つ10μS/cm以下になったところで洗浄スラリーとした。
攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、得られた洗浄スラリーを攪拌周速20m/分間で攪拌しながら50℃で60分間攪拌下、加熱処理しトナー表面に付着したシェルとなるアクリル樹脂微粒子を固定化処理した後濾過した。
得られた濾過ケーキを順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmで篩い、トナー母体粒子を得た。
得られたトナー母体粒子100部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6部、平均粒径20nmの酸化チタン1.0部、及び平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体0.8部をヘンシェルミキサーにて混合し、トナーを得た。
実施例6のトナー材料相の調製において、各材料(非晶性樹脂、マスターバッチ、結晶性樹脂、離型剤分散液D1)を表6に示す種類、及び量に変え、更に、実施例6の水系媒体相C4の調製において、アクリル樹脂微粒子を表6に示す種類に変えた以外は、実施例6と同様にして、トナーを得た。
なお、マスターバッチにおける非晶性樹脂及び結晶性樹脂は、表6に記載の非晶性樹脂及び結晶性樹脂を用いた。
以下の評価に供した。
<<シアン画像の作製>>
株式会社リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proを用いて、A4サイズの光沢紙に全面に画像濃度を調整しながら、前記光沢紙上にシアン色単色で、0.30mg/cm2となるようにトナー付着量で画像を出力し、画像の上、中、下における左、センター、及び右の9か所の色評価を行って平均化した。トナー付着量は、未定着画像を出力し、トナーを圧縮エアーで紙上からブロー除去することにより重量変化量で算出した。
色評価(測色)は、測色装置(Xrite社製、X−Rite938)を用い、以下の条件で行った。結果を表8に示す。
(光沢紙)
王子製紙製 PODグロスコート(光沢紙)
坪量:158g/m2
紙厚:175μm
白色度:80%以上
サイズ:A4
(測色条件)
L*、a*、b*はXrite社製(X−Rite938)の測色装置使用
光源:D50
測光:0°受光、45°照明
測色:2°視野
光沢紙10枚重ね上で測定
トナー20gをバイアル瓶中で、密閉下50℃で8時間保管した後、42メッシュの篩で2分間篩い、金網上に残ったトナーの残存率を測定した。このとき、耐熱保存性が良好なトナー程、残存率は小さい。
なお、耐熱保存性の評価基準は以下の通りとした。結果を表8に示す。
◎:残存率が10%未満
○:残存率が10%以上20%未満
△:残存率が20%以上30%未満(実使用可能下限)
×:残存率が30%以上(実使用不可能レベル)
とした。
ガラス転移温度が18℃を超え40℃未満であり、
前記シアントナー単色を用いて光沢紙上に付着量0.30mg/cm2で画像形成したときに得られる画像のCIE LabにおけるL*が50〜60、a*が−35〜−45、b*が−45〜−55であることを特徴とするシアントナーである。
<2> シアン顔料が、銅フタロシアニンを含有する前記<1>に記載のシアントナーである。
<3> シアン顔料の含有量が、シアントナー100質量部に対して5.0質量部〜7.0質量部である前記<1>から<2>のいずれかに記載のシアントナーである。
<4> 結晶性樹脂の含有量が、シアントナー100質量部に対して5.0質量部〜20.0質量部である前記<1>から<3>のいずれかに記載のシアントナーである。
<5> 結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂である前記<1>から<4>のいずれかに記載のシアントナーである。
<6> シアン顔料が、アルミニウムフタロシアニン及び亜鉛フタロシアニンの少なくともいずれかを含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のシアントナーである。
<7> 離型剤の含有量が、シアントナー100質量部に対して1.0質量部〜10.0質量部である前記<1>から<6>のいずれかに記載のシアントナーである。
<8> 顔料分散体を用いて得られ、前記顔料分散体が、非晶性樹脂と、前記顔料分散体の固形分100質量部に対して30質量部〜70質量部のシアン顔料とを含有する前記<1>から<7>のいずれかに記載のシアントナーである。
<9> 非晶性樹脂、結晶性樹脂、シアン顔料、及び離型剤を含有するコアと、シェルとからなるコアシェル構造を有し、前記シェルのガラス転移温度が、30℃〜115℃である前記<1>から<8>のいずれかに記載のシアントナーである。
<10> 非晶性樹脂、結晶性樹脂、シアン顔料、及び離型剤を含有するトナー材料を有機溶媒中に溶解又は分散させて形成したトナー材料相を、水を含有する水系媒体相中に乳化乃至分散させる工程を経て得られる前記<1>から<9>のいずれかに記載のシアントナーである。
Claims (9)
- 非晶性樹脂と、結晶性樹脂と、シアン顔料と、離型剤とを含有するシアントナーであって、
ガラス転移温度が18℃を超え40℃未満であり、
前記シアン顔料が、亜鉛フタロシアニンと銅フタロシアニンとを含有し、
前記シアントナー単色を用いて光沢紙上に付着量0.30mg/cm2で画像形成したときに得られる画像のCIE LabにおけるL*が50〜60、a*が−35〜−45、b*が−45〜−55であることを特徴とするシアントナー。 - 前記銅フタロシアニンと前記亜鉛フタロシアニンの混合割合が、90/10〜50/50(質量比)である請求項1に記載のシアントナー。
- 前記シアン顔料の含有量が、前記シアントナー100質量部に対して5.0質量部〜7.0質量部である請求項1から2のいずれかに記載のシアントナー。
- 前記結晶性樹脂の含有量が、前記シアントナー100質量部に対して5.0質量部〜20.0質量部である請求項1か3のいずれかに記載のシアントナー。
- 前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂である請求項1から4のいずれかに記載のシアントナー。
- 前記離型剤の含有量が、前記シアントナー100質量部に対して1.0質量部〜10.0質量部である請求項1から5のいずれかに記載のシアントナー。
- 非晶性樹脂、結晶性樹脂、シアン顔料、及び離型剤を含有するコアと、シェルとからなるコアシェル構造を有し、前記シェルのガラス転移温度が、30℃〜115℃である請求項1から6のいずれかに記載のシアントナー。
- 請求項1から7のいずれかに記載のシアントナーを製造するシアントナーの製造方法であって、
前記シアントナーを、顔料分散体を用いて得ることを含み、
前記顔料分散体が、非晶性樹脂と、前記顔料分散体の固形分100質量部に対して30質量部〜70質量部のシアン顔料とを含有する、
ことを特徴とするシアントナーの製造方法。 - 請求項1から7のいずれかに記載のシアントナーを製造するシアントナーの製造方法であって、
非晶性樹脂、結晶性樹脂、シアン顔料、及び離型剤を含有するトナー材料を有機溶媒中に溶解又は分散させて形成したトナー材料相を、水を含有する水系媒体相中に乳化乃至分散させる工程を経て得られる、
ことを特徴とするシアントナーの製造方法。
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