JP4537291B2 - トナー用ワックスおよびこれらのワックスを用いたトナー - Google Patents
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する。
二成分現像剤と、実質的にトナーのみからなり、キャリア粒子を使用しない一成分現像剤
とがある。一成分現像剤には、磁性粉を含有する磁性一成分現像剤と、磁性粉を含有しな
い非磁性一成分現像剤とがある。非磁性一成分現像剤では、トナーの流動性を高めるため
に、無機粉体などの流動化剤を外添することが多い。トナーとしては、一般に、結着樹脂
中にカーボンブラック等の着色剤やワックス等の離型剤、電荷調整剤、その他の添加剤を
分散させ、粒状化した着色粒子が使用されている。
要に応じてその他の添加剤とを溶融混合した後、粉砕し、次いで、所望の粒径の粒子が得
られるように分級してトナーを得ている。重合法では、重合性モノマーに、着色剤、重合
開始剤、ワックス類、必要に応じて架橋剤、電荷調整剤などの各種添加剤を均一に溶解な
いしは分散せしめた重合性単量体組成物を調製し、次いで、分散安定剤を含有する水系分
散媒体中に攪拌機を用いて分散して、重合性単量体組成物の微細な液滴粒子を形成させ、
しかる後、昇温して懸濁重合することにより、所望の粒径を有するトナー(重合トナー)
を得ている。
電子写真等においては、均一に帯電させた感光体上に像露光を行って静電荷像を形成し、
この静電荷像にトナーを付着させてトナー像(可視像)とし、このトナー像を転写紙など
の転写材上に転写し、次いで、加熱ロールに通過させて、トナーを加熱圧着して、転写材
上に融着させている。
すます高品位画像、高速現像が求められるようになり、さらに環境に配慮したいわゆる省
エネルギーが考慮されてきている。これにともない、高画質のためにトナーの着色剤、ワ
ックスは分散性のよいものが要求されてきている。又、立ち上がりの高速化、待機電力の
節減などから定着温度が低く、耐オフセット性にすぐれ、且つ定着強度の優れたものが望
まれている。
それぞれ複数回に分けて転写材に加熱融解して転写し、画像を形成するものであり、ここ
で用いられるトナーは加熱した際の溶融性および混色性が良いことが必要であり、それ故
に軟化点および溶融粘度が低いことが要求される。特にカラートナーは着色剤の濃度が高
く、分散性が悪いと溶融時の粘度が高くなり溶融時の流動性が低下して、ドラムからの剥
離性がわるくなり、いわゆるオフセット性が低下してしまう。また、溶融時の流動性低下
により重ね合わせられたトナーの溶融による混色性が悪化してしまう。
また、着色剤やワックスの分散性が悪いと透明性が損なわれるので、原稿に忠実なカラ
ー画像を得るためにも着色剤やワックスの分散性のよいものが求められていた。
カルナバワックス、エステルワックスなどのワックスが用いられているが、これらのワッ
クスでは着色剤の分散性が悪く、高品位画像のものが得られなかった。
また、特開2000−181118号にはラノリン系誘導体の離型剤が開示されている
が、低融点物質が多く、長時間使用するとトナー粒子が経時的に付着して流動性が悪くな
るなどの問題があった。
耐久安定性に優れたトナー用ワックス及び該ワックスを用いたトナーを提供することにあ
る。
スであり、該誘導体が硬質ラノリン脂肪酸の多価アルコールエステルであり、さらに硬質
ラノリン脂肪酸に含まれる炭素数16以下のラノリン脂肪酸の含有量が20重量%以下の
硬質ラノリン脂肪酸及び又は該誘導体を含有するトナー用ワックスおよびこれらのトナー
用ワックスを含有するトナーの提供である。
肪酸又はそのエステル誘導体から、蒸留や溶剤分別法により比較的低融点の成分を除いた
高融点のラノリン脂肪酸である。ラノリン脂肪酸はおおよそノルマル脂肪酸 7%、イソ
脂肪酸22%、アンテイソ脂肪酸 29%、α−ヒドロキシノルマル脂肪酸 25%、α
−ヒドロキシイソ脂肪酸 3%、未確認成分 14%などであり、これらの脂肪酸の炭素
数も9から33までと幅広い分布をもった脂肪酸である。ラノリン脂肪酸中の炭素数16
以下の成分はおおよそ45%程度である。本発明の硬質ラノリン脂肪酸では炭素数16以
下の成分が全脂肪酸中の25重量%以下のものが好ましく、より好ましくは20重量%以
下のものである。鎖長の短い脂肪酸が多いと軟質となり、トナーの経時流動性が悪くなる
からである。
留温度が低くできるので、熱劣化を防ぎ、好都合である。蒸留装置としては薄膜減圧蒸留
機、分子蒸留機などを用いることができる。蒸留条件は蒸留カットの程度により適時選択
することができるが、例えばラノリン脂肪酸メチルエステルを分子蒸留機にて、蒸留温度
170℃、真空度0.05トールにて蒸留物50%、蒸留残渣48%を得る。この蒸留残
渣をケン化分解することにより硬質ラノリン脂肪酸を得ることができる。
また、溶剤分別法ではラノリン脂肪酸またはそのエステルを有機溶媒、例えばヘキサン
、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロ
エタン等のハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコ
ール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒
、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル
等のエステル系溶媒、あるいはこれらの混合溶媒などに加熱溶解後、冷却を行い析出して
くるロウ状物を遠心分離器や加圧濾過器などにより、分別することにより得ることもでき
る。
また硬質ラノリン脂肪酸は市販のものを用いることもできる。
エタノールアミン、エチレンジアミンなどとのアミドを、一価高級アルコール類とのエス
テル、例えばステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ゲルベアルコールなどとのエ
ステルを、多価アルコール類とのエステル、例えばエチレングリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリグリセリ
ン、などとのエステルを挙げることができる。このうちアンモニア、ベヘニルアルコール
、ペンタエリスリトールなどとの誘導体は特に好ましい。
また、硬質ラノリン脂肪酸ペンタエリスリトールエステルにTDIを付加したものも好ま
しい。
用いてもよく、硬質ラノリン脂肪酸の低級アルコールエステルを出発原料とすることもで
きる。また、通常のラノリン脂肪酸誘導体を蒸留法や溶剤分別法等により、硬質ラノリン
脂肪酸誘導体を得ることもできる。
ーには、結着樹脂100重量部に対し1〜15重量部程度配合するのが好ましく、2〜1
0重量部が特に好ましい。重合法トナーに対しては2〜30重量部程度配合するのが好ま
しく、特に5〜20重量部がより好ましい。
帯電制御剤などが用いられる。
レン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロ
ピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチ
レン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(例えば、スチレン
−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フ
ェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(例えば、スチレン−メ
タクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレンーα−
クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共
重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合
体)、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレ
タン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレンーエチルアクリレート共重合体、キシ
レン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネイト樹脂などが挙げられる。
ることも出来る。さらに、これらの樹脂の製造法としては、例えば溶液重合法、懸濁重合
法、乳化重合法、塊状重合法、熱重合法、接触重合法、高圧重合法、低圧重合法等の重合
法、およびこれらの重合法の適当な組み合わせなど、従来公知の重合法において製造が可
能である。
合反応で得られるものであり、公知のものが使用可能である。この場合の多塩基酸成分と
しては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セベシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸等に代表される、脂肪族ポリカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸、脂環族ポリカルボン
酸およびそれらの無水物等が例示される。また、多価アルコールとしては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1
,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,
8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ピナコー
ル、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロ
ヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等に代表される、脂肪
族ポリアルコール、芳香族ポリアルコール、脂環族ポリアルコール等が例示される。これ
らのポリエステル樹脂は1種類だけを用いてもよいが、必要に応じて、2種類以上混合し
て用いることも出来る。
クなどが挙げられる。イエローの着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによっ
て分類されるC.I.ピグメントイエロー(1、5、12、15、17、180、93、
74)などの有機系顔料や、黄色酸化鉄、黄土などの無機系顔料などが挙げられる。さら
に、C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料や、C.I.ソルベントイエロー(
2、6、14、15、19、21)、などの油溶性染料が挙げられる。
マゼンタの着色剤としては、たとえば、C.I.ピグメントレッド(49、57:1、8
1、122)、C.I.ソルベントレッド(19、49、52)、C.I.ベーシックレ
ッド10、C.I.ディスパーズレッド15などが挙げられる。
シアンの着色剤としては、たとえば、C.I.ピグメントブルー(15、16)、C.I
.ソルベントブルー(55、70)、C.I.ダイレクトブルー(25、86)などが挙
げられる。
これらは単独で用いても2種以上混合して用いても良い。着色剤の添加量は、トナー中に
2〜15重量部が好ましい。
料、コバルト・アゾ錯体染料、サリチル酸またはその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウ
ム・ホウ素錯体または塩化合物、ナフトール酸またはその誘導体のクロム・亜鉛・アルミ
ニウム・ホウ素錯体または塩化合物、ベンジル酸またはその誘導体のクロム・亜鉛・アル
ミニウム・ホウ素錯体または塩化合物、長鎖アルキル・カルボン酸塩、長鎖アルキル・ス
ルホン酸塩などの界面活性剤類を、正帯電トナー 用として、ニグロシン染料及びその誘
導体、トリフェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、四級ピリ
ジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩等の誘導体等が例示可能である。帯電制御剤の添
加量は、トナー中に0.5〜5重量部が好ましい。
うな離型剤としてはパラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、変性ポリオレフィン
ワックス、芳香族基を有する変性ワックス、脂環基を有する炭化水素化合物、天然ワック
ス、炭素数12以上の長鎖カルボン酸、そのエステル脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、脂肪
酸ビスアミド等を例示し得る。これらのワックス類を二種以上混合して用いても良い。
、チタニア、酸化亜鉛等の金属酸化物、酸化防止剤等が必要に応じて加えられてもよい。
更に、トナー表面には、粉体流動性を調整し、感光体上へのトナーフィルミングを防止し
たり、感光体上の残留トナーのクリーニング性を向上するために各種添加剤が添加される
。これらの添加剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜
鉛等の無機酸化物、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン等の単独
または共重合体樹脂微粒子、フッ素樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子、ステアリン酸等
の高級脂肪酸 及びその金属塩、カーボンブラック、フッ化黒鉛、炭化珪素、窒化ホウ素
等が挙げられる。
。
されるものでない。
硬質ラノリン脂肪酸(ラノリン脂肪酸HH 酸価105、融点74℃、C16以下の
脂肪酸量5重量%、日本精化(株)製)1000gにペンタエリスリトール140gを加
え、減圧下に250℃で10時間加熱撹拌してエステル化を行ない、本発明のワックスを
得た。
硬質ラノリン脂肪酸(ラノリン脂肪酸H 酸価115、融点70℃、C16以下の脂
肪酸量20重量%、日本精化(株)製)1000gにペンタエリスリトール150gを加
え、減圧下に250℃で10時間加熱撹拌してエステル化を行ない、本発明のワックスを
得た。
還流管付フラスコにキシレン1000mL、ラノリン脂肪酸HH 500g、ベヘニル
アルコール300g、パラトルエンスルホン酸 10gを加え加熱をして共沸還流脱水反
応を行なった。水の流出が停止したところで、水洗をして触媒を除いた後、キシレンを
減圧留去させて本発明のワックスを得た。
実施例1のワックス 100gにトリレンジイソシアネート(コスモネートT−80
三井武田ケミカル(株)製)15gを加え、120℃、3時間撹拌して本発明のワックス
を得た。
ラノリン脂肪酸(ラノリン脂肪酸A 酸価145、融点60℃、C16以下の脂肪酸
量41重量%、日本精化(株)製)1000gにペンタエリスリトール180gを加え、
減圧下に250℃で10時間加熱撹拌してエステル化を行ない、ラノリン脂肪酸ペンタエ
リスリトールエステルを得た。
実施例1のワックス5g及びスチレン系樹脂(日本カーバイト(株)製 ニカライトX
)80g、下記着色剤14g、サリチル酸アルミニウム 1gをとり、ヘンシェルミキサ
ーにて十分撹拌混合した後、二軸の溶融押し出し式混練機で130〜140℃の温度で加
熱混練をした。混練物は分散状態を評価した。混練後、冷却し、カッター粉砕機にて粗粉
砕後、ジェットミルにて微粉砕を行い、分級をして各色相のトナーを得た。
着色剤
黒色・・・カーボンブラックMA−100(三菱化成株式会社製)
黄色・・・ジスアゾイエロー(クラリアント社製、パーマネントイエローDHG)
赤色・・・ピグメントレッド57:1(クラリアント社製、パーマネントルビンL6B0
5)
緑色・・・フタロシアニングリーン(山陽色素社製、フタロシアニングリーンSAX)
実施例5のワックスを実施例2−4,比較例1およびカルナウバワックス(野田ワック
ス(株)製1号カルナウバワックス)、ポリエチレンワックス(ペトライト社製ポリワッ
クス600)に代えた以外は、実施例5と同様にしてトナーを得た。
実施例5〜8,比較例2〜4の混練物をスライドガラス板上にとり、顕微鏡(倍率X20
0)にて観察した。その結果を表1に記する。
○:顔料粒子が凝集することなく均一に分散している。
△:僅かな凝集が認められる。
×:凝集して空隙が見られる。
上述各トナー20gをガラス瓶に入れ、50℃の高温下に72hr放置後、そのトナーを
目視で確認することにより行なった。
○:凝集トナーがなく、全く問題なし。
△:軽い軟凝集が存在するが、軽い力ですぐ解れ、実用上問題ないもの。
×:強い凝集塊が存在し、容易には解れないもので実用上問題あり。
レーザーカラープリンター(キャノン(株)製,LBP−2710)を使用し、OHPに
印刷してトナーの印字性を評価した。
○:印字の透明性が高く、色調も鮮やかで、つぶれ、かぶれもなく、全く問題なし。
△:やや透明性に欠け、色調は劣るが、実用上問題ないもの。
×:透明感がなく、色調の悪い状態の印字であり、実用上問題あり。
あり、耐熱保管性に優れ、印字特性も良好であることが分かる。
安定性に優れたトナー用ワックス及び該ワックスを用いたトナーを提供することが出来る
。
Claims (5)
- 硬質ラノリン脂肪酸と一価高級アルコールとのエステルを含有するトナー用ワックス
- 硬質ラノリン脂肪酸とエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリグリセリンから選ばれる多価アルコールとのエステルを含有するトナー用ワックス
- 顔料を含むトナーに使用することを特徴とする請求項1−2の何れか1項に記載のトナー用ワックス
- 硬質ラノリン脂肪酸に含まれる炭素数16以下のラノリン脂肪酸の含有量が20重量%以下の硬質ラノリン脂肪酸である請求項1−3の何れか1項に記載のトナー用ワックス
- 少なくとも請求項1乃至4の何れか1項に記載のトナー用ワックスを用いたトナー
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