JP6024076B2 - シリコンデバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
シリコンデバイスの製造に際しては、シリコンウェハー上に複数のシリコンデバイスを形成し、シリコンデバイスチップに分割する製造方法を用いることで、小型のシリコンデバイスが効率よく製造されている。
また、シリコンデバイスを並べた場合、角部と他のシリコンデバイスとの間に、平面視において、辺中央側部と辺端側部との段差に相当する隙間が存在する。当該隙間によって、基板に区画形成されたシリコンデバイスの外形を加工する際に、加工中のシリコンデバイスの隣のシリコンデバイスの角部に影響を与えることを抑制することができる。
貫通孔を形成することによって角部を形成する角部形成工程においては、貫通孔を形成することによって角部を形成することで、角部の平面視形状を、任意の形状にすることができる。角部形成工程において接続線部を形成することで、接続線部を任意の形状で容易に形成することができる。
貫通孔を形成することによって角部を形成する角部形成工程においては、貫通孔を形成することによって角部を形成することで、角部の平面視形状を、任意の形状にすることができる。角部形成工程において中央凹部を形成することで、中央凹部を任意の形状で容易に形成することができる。
貫通孔は、貫通孔凹部形成工程と、貫通孔凹部の底部に貫通孔凹部の反対側から孔を形成する孔貫通工程とによって形成される。貫通孔を両側から加工することで、貫通孔の開口の形状を精密に作りこむことができる。
最初に、シリコンデバイスの一例であるノズル基板25(図2参照)を有する液滴吐出ヘッド20を備える液滴吐出装置1について、図1を参照して説明する。図1は、液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図である。
次に、液滴吐出ヘッド20について、図2を参照して説明する。図2は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す図である。図2(a)は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す外観斜視図であり、図2(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視断面図であり、図2(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの部分の構造を示す断面図である。図2に示したY軸、及びZ軸は、液滴吐出ヘッド20が液滴吐出装置1に装着された状態において、図1に示したY軸、及びZ軸と一致している。
圧力室プレート51には、液滴吐出ヘッド20に供給される機能液が常に充填される液たまり55が形成されている。液たまり55は、振動板52と、ノズル基板25と、圧力室プレート51の壁とに囲まれた空間である。機能液は、機能液供給部4から液滴吐出ヘッド20に供給され、振動板52の液供給孔53を経由して液たまり55に供給される。また、圧力室プレート51には、複数のヘッド隔壁57によって区切られた圧力室58が形成されている。振動板52と、ノズル基板25と、2個のヘッド隔壁57とによって囲まれた空間が圧力室58である。
圧電素子59は、電極層と圧電材料とを積層した活性部を有している。圧電素子59は、電極層に駆動電圧を印加することで、活性部が長手方向(図2(b)又は(c)における振動板52の厚さ方向)に縮む。電極層に印加されていた駆動電圧が解除されることで、活性部が元の長さに戻る。
次に、ノズル基板25及びマザーノズル基板25Aについて、図3を参照して説明する。ノズル基板25は、複数のノズル基板25が区画形成されるマザーノズル基板25Aの形で製造される。
図3は、ノズル基板及びマザーノズル基板の概要を示す説明図である。図3(a)は、個別のノズル基板の平面形状を示す平面図であり、図3(b)は、マザーノズル基板の平面形状、及び区画形成されるノズル基板の配列を示す平面図である。
長辺27は、長辺主部271と、長辺端部273と、長辺端部274とを有している。長辺端部273と、長辺端部274とは、長辺主部271の両側にそれぞれ接続しており、長辺主部271に対して、長辺端部273と長辺端部274とが凹んでいる。長辺主部271の中央には、長辺凹部275が形成されている。長辺凹部275も、長辺主部271に対して凹んでいる。
短辺28は、短辺主部281と、短辺端部283と、短辺端部284とを有している。短辺端部283と、短辺端部284とは、短辺主部281の両側にそれぞれ接続しており、短辺主部281に対して、短辺端部283と短辺端部284とが凹んでいる。
長辺端部273、長辺端部274、短辺端部283、及び短辺端部284が、辺端側部に相当する。長辺主部271、及び短辺主部281が、辺中央側部に相当する。長辺凹部275が、中央凹部に相当する。
長辺27aと短辺28bとは、長辺27aの長辺端部274と短辺28bの短辺端部283とが面取部31を介して接続されることによって、面取部31を介して接続されている。
短辺28bと長辺27bとは、短辺28bの短辺端部284と長辺27bの長辺端部273とが円弧部29b(29)を介して接続されることによって、円弧部29を介して接続されている。
長辺27bと短辺28aとは、長辺27bの長辺端部274と短辺28aの短辺端部283とが円弧部29c(29)を介して接続されることによって、円弧部29を介して接続されている。
円弧部29が、角部曲線部に相当する。面取部31が、接続線部に相当する。
マザーノズル基板25A上に区画形成されたノズル基板25の長辺27に平行な方向をV軸方向、短辺28に平行な方向をH軸方向と表記する。マザーノズル基板25AのH軸方向における中央では、6個のノズル基板25がV軸方向に並んで形成されている。V軸方向の寸法が、V軸方向に6個のノズル基板25を並べられなくなる部分からは、V軸方向に5個のノズル基板25が並んで形成されている。V軸方向に6個並んだ列のノズル基板25のV軸方向の位置と、5個並んだ列のノズル基板25のV軸方向の位置とは、ノズル基板25のV軸方向の長さの略半分だけずれている。
同様に、V軸方向に5個並んだ列のノズル基板25のV軸方向の位置と、4個並んだ列のノズル基板25のV軸方向の位置とは、ノズル基板25のV軸方向の長さの略半分だけずれている。V軸方向に4個並んだ列のノズル基板25のV軸方向の位置と、3個並んだ列のノズル基板25のV軸方向の位置と、及びV軸方向に3個並んだ列のノズル基板25のV軸方向の位置と、2個並んだ列のノズル基板25のV軸方向の位置とは、ノズル基板25のV軸方向の長さの略半分だけずれている。
次に、マザーノズル基板25Aに吐出ノズル24などを形成し、個別のノズル基板25に分離する、ノズル基板25の製造工程について、図4、図5、及び図6を参照して説明する。図4は、ノズル基板の製造工程を示すフローチャートである。図5は、ノズル基板の製造工程におけるマザーノズル基板の断面を示す説明図である。図6は、角部貫通孔の形状例を示す説明図である。マザーノズル基板25Aは、素材のシリコンウェハーの状態の基板も、ノズル基板25を形成する途中の状態の基板も、ノズル基板25が分割すればノズル基板25となる状態に区画形成された状態の基板も、マザーノズル基板25Aと表記する。マザーノズル基板25Aが、デバイスマザー基板に相当する。
角孔凹部72を形成する第一エッチングが、貫通孔凹部形成工程に相当する。角孔凹部72が、貫通孔凹部に相当する。
薄化工程が、薄板化工程に相当する。
角孔貫通部82を形成する第二エッチングが、孔貫通工程に相当する。
図5(g)に示した吐出ノズル24は円柱状の孔であるが、吐出ノズル24の形状は、好適な吐出を実施するために、様々な形状の工夫がなされており、例えば、図2(c)に示したような断面形状を有している。複雑な断面形状の吐出ノズル24を形成するためには、開口の大きさが異なるレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程や、等方性エッチングを実施するエッチング工程や、異方性エッチングを実施するエッチング工程を適宜組み合わせて実施する。
角部貫通孔86が、貫通孔に相当する。
図6(b)に平面視形状を示した角部貫通孔861は、図6(a)にBで示した円の部分のように、長辺27bと短辺28aとの角部の形状を形成する角部貫通孔86である。角部貫通孔861には、1個のノズル基板25の長辺27bの長辺端部274、短辺28aの短辺端部283、及び円弧部29cが形成されている。短辺端部283となる部分近くの端からH軸方向に延在する分割線381は、分割された片側が短辺28aの短辺主部281となる分割線38である。長辺端部274となる部分近くの端からV軸方向に延在する分割線471は、分割された片側が長辺27bの長辺主部271となる分割線47である。
短辺端部284となる部分近くの端からH軸方向に延在する分割線382は、分割された片側が短辺28aの短辺主部281となる分割線38である。短辺端部283となる部分近くの端からH軸方向に延在する分割線383は、分割された片側が短辺28aの短辺主部281となる分割線38である。長辺端部273又は長辺端部274となる部分近くの端からV軸方向に延在する分割線472は、分割された片側が長辺27aの長辺主部271となり、片側が長辺27bの長辺主部271となる分割線47である。
長辺端部273となる部分の近くの端からV軸方向に延在する分割線473は、分割された片側が長辺27bの長辺主部271となり、片側が長辺27aの長辺主部271となる分割線47である。長辺端部274となる部分の近くの端からV軸方向に延在する分割線474は、分割された片側が長辺27bの長辺主部271となり、片側が長辺27aの長辺主部271となる分割線47である。短辺端部284又は短辺端部283となる部分近くの端からH軸方向に延在する分割線384は、分割された片側が短辺28bの短辺主部281となり、分割された片側が短辺28aの短辺主部281となる分割線38である。
短辺端部284又は短辺端部283となる部分近くの端からH軸方向に延在する分割線385及び分割線386は、分割された片側が短辺28bの短辺主部281となり、分割された片側が短辺28aの短辺主部281となる分割線38である。長辺端部273又は長辺端部274となる部分近くの端からV軸方向に延在する分割線475及び分割線476は、分割された片側が長辺27aの長辺主部271となり、片側が長辺27bの長辺主部271となる分割線47である。
短辺端部283又は短辺端部284となる部分の近くの端からH軸方向に延在する分割線387は、分割された片側が短辺28bの短辺主部281となり、分割された片側が短辺28aの短辺主部281となる分割線38である。長辺端部274となる部分の近くの端からV軸方向に延在する分割線477は、分割された片側が長辺27aの長辺主部271となり、片側が長辺27bの長辺主部271となる分割線47である。長辺端部273となる部分の近くの端からV軸方向に延在する分割線478は、分割された片側が長辺27aの長辺主部271となり、片側が長辺27bの長辺主部271となる分割線47である。
短辺端部283となる部分の近くの端からH軸方向に延在する分割線389は、分割された片側が短辺28bの短辺主部281となる分割線38である。長辺端部274となる部分の近くの端からV軸方向に延在する分割線479は、分割された片側が長辺27aの長辺主部271となり、片側が長辺27bの長辺主部271となる分割線47である。分割線479と反対側の端からV軸方向に延在する分割線480は、分割された片側が長辺27bの長辺主部271となる分割線47である。
短辺端部283又は短辺端部284となる部分の近くの端からH軸方向に延在する分割線390は、分割された片側が短辺28bの短辺主部281となる分割線38である。長辺端部274となる部分の近くの端からV軸方向に延在する分割線481は、分割された片側が長辺27aの長辺主部271となる分割線47である。
短辺端部284となる部分の近くの端からH軸方向に延在する分割線391は、分割された片側が短辺28bの短辺主部281となる分割線38である。長辺端部273となる部分の近くの端からV軸方向に延在する分割線482は、分割された片側が長辺27aの長辺主部271となり、片側が長辺27bの長辺主部271となる分割線47である。分割線482と反対側の端からV軸方向に延在する分割線483は、分割された片側が長辺27aの長辺主部271となる分割線47である。
改質層は、多光子吸収による改質領域を連続させたものである。多光子吸収は、レーザー加工装置を用いて、レーザー光を加工対象物に照射し、改質させる部分に当該レーザー光を集光させることによって生じさせる。わずかな力を加えるだけで、改質領域を起点にして、改質領域が形成された加工対象物を分断することができる。
分離する工程は、テープ担体貼り付け工程と、エキスパンド工程と、剥離工程と、を有する。テープ担体貼り付け工程は、伸縮性を有するテープ担体に、改質層を形成したマザーノズル基板25Aを貼り付ける工程である。エキスパンド工程は、テープ担体に2次元の引張力を加えて平面的に引き伸ばすことで、テープ担体に貼り付けられたマザーノズル基板25Aを、個別のノズル基板25のチップに分割する工程である。伸縮性を有するテープ担体は引き伸ばされるが、マザーノズル基板25Aは伸びることができないため、改質層が形成された分割線38及び分割線47の部分で分割される。剥離工程は、テープ担体からノズル基板25のチップを剥離させる工程である。
ステップS10を実施して、ノズル基板25の製造工程を終了する。
(1)ノズル基板25の長辺27と短辺28との角部の3個所は、円弧部29を介して接続されている。角が円弧であることによって、尖った角にくらべて、角部が硬い物体などに衝突した際に欠けたり割れたりすることを抑制することができる。
また、角部貫通孔86と吐出ノズル24とを、共通のレジスト膜71によって形成することができるため、角部貫通孔86と吐出ノズル24とを形成するためにそれぞれ個別のレジスト膜を形成する場合にくらべて、角部貫通孔86と吐出ノズル24との相対的な位置精度を高くすることができる。すなわち、吐出ノズル24に対する角部の相対的な位置精度を高くすることができる。
Claims (8)
- 平面視において多角形の外形形状を有する平板状のシリコンデバイスを製造するシリコンデバイスの製造方法であって、
前記シリコンデバイスが区画形成されたデバイスマザー基板に貫通孔を形成することによって、前記多角形の角部を形成する角部形成工程と、
前記デバイスマザー基板を前記シリコンデバイスに分離する分離工程と、を有し、
前記シリコンデバイスの前記多角形の角部の少なくとも1個は、前記多角形を構成する複数の辺における、互いに隣り合って位置している2個の辺と、2個の前記辺のそれぞれに接して前記辺を接続する角部曲線部とで形成されており、前記角部形成工程において前記角部曲線部を形成し、
前記辺の少なくとも1個は、1個の中央凹部をさらに備え、前記中央凹部は、前記角部曲線部から離間した位置に形成されており、平面視において前記辺における他の部分に対して前記シリコンデバイスが凹んだ凹部であり、前記角部形成工程は、前記デバイスマザー基板に貫通孔を形成することによって隣り合うシリコンデバイスの前記角部に臨む辺に中央凹部を形成する中央凹部形成工程を含むことを特徴とするシリコンデバイスの製造方法。 - 平面視において多角形の外形形状を有する平板状のシリコンデバイスを製造するシリコンデバイスの製造方法であって、
前記シリコンデバイスが区画形成されたデバイスマザー基板に貫通孔を形成することによって、前記多角形の角部を形成する角部形成工程と、
前記デバイスマザー基板を前記シリコンデバイスに分離する分離工程と、を有し、
前記シリコンデバイスの前記多角形の角部の少なくとも1個は、前記多角形を構成する複数の辺における、互いに隣り合って位置している2個の辺と、2個の前記辺のそれぞれと鈍角をなし接続された接続線部とで形成されており、前記角部形成工程において前記接続線部を形成し、
前記辺の少なくとも1個は、1個の中央凹部をさらに備え、前記中央凹部は、前記接続線部から離間した位置に形成されており、平面視において前記辺における他の部分に対して前記シリコンデバイスが凹んだ凹部であり、前記角部形成工程は、前記デバイスマザー基板に貫通孔を形成することによって隣り合うシリコンデバイスの前記角部に臨む辺に中央凹部を形成する中央凹部形成工程を含むことを特徴とするシリコンデバイスの製造方法。 - 前記辺の少なくとも1個は、辺中央側部と辺端側部とを備え、前記辺端側部は、平面視において前記辺中央側部に対して前記シリコンデバイスが凹んだ凹部であり、前記辺は、前記辺端側部が、前記角部曲線部又は前記接続線部と接続されており、前記角部形成工程において前記辺端側部を形成することを特徴とする、請求項1又は2に記載のシリコンデバイスの製造方法。
- 前記角部形成工程では、シリコンのドライエッチングによって前記貫通孔を形成することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリコンデバイスの製造方法。
- 前記デバイスマザー基板における、少なくとも前記シリコンデバイスが形成される部分の厚さを所定の厚さに減ずる薄板化工程をさらに有し、
前記角部形成工程は、前記デバイスマザー基板の基板面に貫通孔凹部を形成する貫通孔凹部形成工程と、前記薄板化工程によって前記貫通孔凹部の底部を除去して前記貫通孔を形成する孔貫通工程とを含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシリコンデバイスの製造方法。 - 前記デバイスマザー基板における、少なくとも前記シリコンデバイスが形成される部分の厚さを所定の厚さに減ずる薄板化工程をさらに有し、
前記角部形成工程は、前記デバイスマザー基板の基板面に貫通孔凹部を形成する貫通孔凹部形成工程と、前記薄板化工程によって前記貫通孔凹部の底部の厚さを減ずる底部薄化工程と、前記底部薄化工程によって厚さが減じた前記底部に、前記貫通孔凹部の反対側から孔を形成して前記貫通孔を形成する孔貫通工程とを含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシリコンデバイスの製造方法。 - 前記分離工程は、前記デバイスマザー基板に区画形成された前記シリコンデバイスと前記シリコンデバイスとの境界部分にレーザー光線を照射して内部改質層を形成する改質層形成工程を有することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシリコンデバイスの製造方法。
- 前記分離工程は、前記デバイスマザー基板に区画形成された前記シリコンデバイスに対して、前記デバイスマザー基板の面方向において互いに離間させる方向に力を加えるエキスパンド工程を有することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシリコンデバイスの製造方法。
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