JP6019867B2 - 炭素原子数4の不飽和化合物を原料とする水素化物の製造方法 - Google Patents
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った。
本発明の課題は、炭素原子数が4である不飽和化合物を液相下で、周期表の第9〜11族に属する金属元素を担体に担持させて得られる固体触媒と接触させて水素化することにより、対応する炭素原子数4の水素化物を連続的に製造するにあたり、触媒の劣化を軽減でき、且つ触媒寿命を延ばすことができる工業的に有利な水素化物を製造する方法を提供することにある。
[3]前記担体がシリカ及び珪藻土のうちの少なくとも一つである前記[1]又は[2]に記載の炭素原子数4の水素化物の製造方法。
[4]前記炭素原子数が4の不飽和化合物が1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンであり、前記対応する炭素原子数4の水素化物が2−ヒドロキシテトラヒドロフラン及び1,4−ブタンジオールのうちの少なくとも一つである前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の炭素原子数4の水素化物の製造方法。
本発明における炭素原子数が4の不飽和化合物とは、炭素−炭素二重結合及び/又は炭素−酸素二重結合を有する炭素数が4である化合物などが挙げられる。例えば炭素−炭素二重結合を含むオレフィン類、炭素−酸素二重結合を有するアルデヒド類、ケトン類、エステル類であり、化合物を構成する炭素原子数が4のものである。また、同一分子内に炭素−炭素二重結合と炭素−酸素二重結合の両方を有する不飽和アルデヒド類、不飽和ケト
ン類、不飽和エステル類なども挙げられる。これらの化合物の具体例として、1−ブテン、2−ブテン、ブタジエン、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、メタクロレイン、2−ヒドロキシブタナール、3−ヒドロキシブタナール、4−ヒドロキシブタナール、2−オキシブタナール、3−オキシブタナール、メチルエチルケトン、メチルビニルケトン、1−ヒドロキシエチルメチルケトン、2−ヒドロキシエチルメチルケトン、1−ブテノール、2−ブテノール、2−ヒドロキシ−3−ブテノール、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、ガンマブチロラクトン、フルフラール、フルフリルアルコール、2,3−ジヒドロフラン、2,5−ジヒドロフラン、フランなどである。
本発明の炭素原子数が4の不飽和化合物の溶媒1,4BG中の濃度は0.01重量%以上、50重量%以下が好ましく、更に好ましくは0.1重量%以上、30重量%以下であり、特に好ましくは0.5重量%以上、20重量%以下である。この濃度が高くなるほど水素化工程の負荷が増大し触媒量が甚大となる傾向にある。
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ノルマル−2−ブタノール、テトラヒドロフランなどである。
本発明においては、炭素原子数が4である不飽和化合物が1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンであり、且つ対応する炭素原子数4の水素化物が2−ヒドロキシテトラヒドロフラン及び1,4−ブタンジオールのうちの少なくとも一つであることが好ましい。
また、本発明の1,4−ブタンジオールには、下記式(1)で示される窒素含有化合物を含むことも好ましい。
アルキル基としては、鎖状(直鎖又は分岐)アルキル基又は環状アルキル基であり、鎖状アルキル基の場合は、通常、炭素原子数1〜20であり、好ましくは1〜12である。
その具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。また、環状アルキル基の場合、通常、炭素原子数3〜20であり、好ましくは4〜11である。その具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等である。アルキル基が有していてもよい置換基としては、本発明の効果を著しく阻害しないものであればよく特に限定されないが、例えば、アリール基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルアリーロキシ基、アミノ基、アミノアルキル基、スルフィド基などが挙げられ、通常、分子量が200程度以下のものを用いる。また、この置換基中に、酸素、窒素、硫黄、リンなどのヘテロ原子が含まれているものであってもよい。
フェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフ
ェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェ
ニル基、2,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、4−ニトロフェニル基、4−アミノフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基などである。
アミノ基としては、通常、炭素原子数0〜20であり、好ましくは0〜12である。その具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基などが挙げられる。アミノ基が有していてもよい置換基としては、本発明の効果を著しく阻害しないものであればよく特に限定されないが、例えば、アリール基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルアリーロキシ基、アミノ基、アミノアルキル基、スルフィド基などが挙げられ、通常、分子量が200程度以下のものを用いる。また、この置換基中に、酸素、窒素、硫黄、リンなどのヘテロ原子が含まれているものであってもよい。
このような化合物としては、具体的に、例えば、塩基性と1,4BG中での安定性の観点から、オクチルアミン、ノニルアミン、1−アミノデカン、アニリン、フェネチルアミン等の1級アミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルアニリン等の2級アミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等の3級アミン、1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン等のジアミン、N−ブチルピロール、N−ブチル
−2,3−ジヒドロピロール、N−ブチルピロリジン、2,3−ジヒドロ−1H−インドール等の5員環アミン、4−アミノメチルピペリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、4−アミノ−5,6−ジヒドロ−2−メチルピリミジン、2,3,5,6−テトラメチルピラジン、3,6−ジメチルピリダジン等の6員環
アミン、陰イオン交換樹脂の溶出分、中でも、N−H結合を有する1級アミンポリエチレンジアミン骨格を有する陰イオン交換樹脂の溶出分などが好ましい。なお、この陰イオン交換樹脂からの溶出分はポリアミンであり、ポリアミンとは、第一級アミノ基が2つ以上結合した直鎖脂肪族炭化水素の総称であり、本発明では、式(1)で示される窒素含有化合物のR1〜R3のいずれか1以上がアルキル基である化合物に由来する構成単位を2以上、好ましくは3〜20含有する重合体などである。更に酸素原子を含むものとしては、4−アミノブタノール、2−アミノブタノール等の鎖状アミノアルコール、2−エチルモルホリン、N−メトキシカルボニルモルホリン、プロリノール、3−ヒドロキシピペリジン、4−ヒドロキシピペリジン、テトラヒドロフルフリルアミン、3−アミノテトラヒドロピラン等の環状アミンが好ましい。更に好ましくは、塩基性の観点からトリブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等の3級アミン、N−H結合を有する1級アミンポリエチレンジアミン骨格を有する陰イオン交換樹脂の溶出分である。
また更に、本発明の1,4−ブタンジオールには窒素含有化合物としてアミドを含むことも好ましい。具体的には、カルボン酸アミドを含むことが好ましい。カルボン酸アミドとしては、1級アミド、2級アミド、3級アミドを用いることができ、N置換の置換基数は0〜2の範囲でN−アルキル置換アミド、N−アルケニル置換アミド、N−アリール置換アミドなどが用いられる。また、該置換基中にはヘテロ原子が含まれていても良く、置換基は同一でも異なっていてもよい。一方、カルボニル側の置換基としては、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基などが挙げられる。また、上記置換基はそれぞれ互いに連結して環を形成していてもよい。副反応や分解等を抑制できるという観点から、カルボニル側の置換基としてはアルキル置換基が好ましい。
であり、本発明では、式(1)で示される窒素含有化合物のR1〜R3いずれか1以上がアルキル基である化合物に由来する構成単位を2以上、好ましくは3〜20含有する重合体である。
上記範囲よりも10族金属元素成分含有量が少なく、担体含有量が多いと触媒有効成分としての10族金属元素量が不足することにより高い水素化効率を得ることができず、上記範囲よりも10族金属元素成分含有量が多く、担体含有量が少なくても、触媒強度低下のために高い水素化効率を得ることができない。
〜11族金属元素成分及び担体の含有量が少なくなって、本発明に係る固体触媒本来の水素化触媒活性、及び選択率が損なわれる恐れがある。特に1,4−ブタンジオールが高沸点副生物へと変換され消失する割合が増加してしまう。
このような固体触媒は、担体を周期表第9〜11族金属塩の水溶液中に浸漬して金属塩を担持させた後、焼成し、必要に応じて成形するなどの方法で製造することができる。本発明で水素化を行う際の反応温度は好ましくは0〜200℃、より好ましくは30〜150℃、更に好ましくは40〜120℃の範囲である。この温度が高すぎると、触媒劣化が促進されてしまう。更に高沸副生物の量が増大してしまう。反応温度が低すぎると反応はほとんど進行しない。
また、空塔基準での反応液の滞留時間は、5分以上が好ましく、より好ましくは10分以上であり、特に好ましくは30分以上である。また、100時間以下が好ましく、更に好ましくは50時間以下、特に好ましくは10時間以下である。この滞留時間が短すぎると反応はほとんど進行しない。また、長すぎる場合には触媒充填層が長大となり反応器の設備費増加及び触媒量増加により経済性が大幅に悪化してしまう。
本発明の1,4−ブタンジオールの製造方法は、炭素原子数が4の不飽和化合物を含む粗1,4BGを、周期表の第9〜11族に属する金属元素を担体に担持させて得られる固体触媒が充填された充填層に流通させて、粗1,4BG中の該不飽和化合物を対応する水素化物に変換して、炭素原子数が4の不飽和化合物の濃度が低減された1,4−ブタンジオールを製造する際に、該充填層中の窒素成分が窒素原子換算の濃度で1重量ppm以上1重量%以下であることを特徴とするものであり、その水素化に用いる固体触媒、窒素成分、及び水素化の反応条件は、本発明の水素化物の製造方法の説明において前述した通りである。
は10重量%以下であり、好ましくは7重量%以下であり、特に好ましくは5重量%以下である。この値が小さくなるほど、本発明の水素化反応における圧力、触媒量、反応温度などの負荷を低減できる傾向にある。
温水を流通させて加熱できるジャケット付きの容積500ccのガラス製クラマトグラフ管に、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製 ダイヤイオン(登録商標)、型式:WA20)を300cc充填し、このガラス製クロマトグラフ管に上部より1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを含有する1,4−ブタンジオールを215g/hrで流通させた。この際、陰イオン交換樹脂と1,4−ブタンジオールとの接触温度は55℃、圧力は常圧であった。尚、流通後の液は窒素成分を窒素原子として12重量ppm含有しており、塩化物イオン濃度、硫黄濃度共に検出限界以下であった。
水素化反応の反応条件は、反応温度100℃、反応圧3.5MPaGとした。また、反応液の流量は50cc/hとした。結果を表−1に示す。
1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:70ppm、硫黄濃度:検出限界以下、窒素濃度:検出限界以下)100gに陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製 ダイヤイオン(登録商標):型式:WA20)10gを加え、室温で2時間攪拌した。
100ccのステンレス製オートクレーブに加熱処理した触媒1g、上記陰イオン交換樹脂処理を実施した1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(窒素濃度:14ppm)40.0gを入れ、窒素置換後、水素圧0.
99MPaGとした。このオートクレーブを140℃のオイルバス内で4時間振盪させた。
反応終了後の溶液を分析した結果、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンの転化率は94.2%であった。結果を表−1に示す。
1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:70ppm、硫黄濃度:検出限界以下、窒素濃度:検出限界以下)100gにトリブチルアミンを窒素原子換算濃度で1ppmとなるように加え、この溶液4.0g(窒素濃度:1ppm)とペレット状に成型した珪藻土担持ニッケル−クロム触媒(担持量;ニッケル12重量%、クロム1.5重量%)1.0gを50ccのガラス容器に入れ、140℃のオイルバス内で5時間加熱した。
反応終了後の溶液を分析した結果、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンの転化率は97.6%であった。結果を表−1に示す。
トリブチルアミンを窒素原子換算濃度で1ppm含有する1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオールの替わりにトリブチルアミンを窒素原子換算濃度で700ppm含有する1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオールを用いた以外は実施例3と全て同様にした。
反応終了後の溶液を分析した結果、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンの転化率は98.2%であった。結果を表−1に示す。
1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:70ppm、硫黄濃度:2ppm、窒素濃度:検出限界以下)100gにトリブチルアミンを窒素原子換算濃度で5ppmとなるように加え、この溶液4.0g(窒素濃度:1ppm)とペレット状に成型したシリカ担持ニッケル触媒(担持量;ニッケル17重量%、酸化ニッケル:55重量%)1.0gを50ccのガラス容器に入れ、140℃のオイルバス内で5時間加熱した。
反応終了後の溶液を分析した結果、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンの転化率は90.3%であった。結果を表−1に示す。
1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:70ppm、硫黄濃度:2ppm、窒素濃度:検出限界以下)100gにトリブチルアミンを窒素原子換算濃度で5ppmとなるように加え、この溶液4.0g(窒素濃度:1ppm)とペレット状に成型したシリカ担持パラジウム触媒(担持量;パラジウム2重量%)1.0gを50ccのガラス容器に入れ、140℃のオイルバス内で5時間加熱した。
反応終了後の溶液を分析した結果、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンの転化率は36.8%であった。結果を表−1に示す。
メチルビニルケトンを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:検出限界以下、硫黄濃度:2ppm、窒素濃度:検出限界以下)100gにトリブチルアミンを窒素原子換算濃度で5ppmとなるように加え、この溶液4.0g(窒素濃度:1ppm)とペレット状に成型した珪藻土担持ニッケル−クロム触媒(担持量;ニッケル12重量%、クロム1.5重量%)1.0gを50ccのガラス容器に入れ、140℃のオイルバス内で5時間加熱した。
反応終了後の溶液を分析した結果、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンの転化率は38.6%であった。結果を表−1に示す。
クロトンアルデヒドを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:検出限界以下、硫黄濃度:2ppm、窒素濃度:検出限界以下)100gにトリブチルアミンを窒素原子換算濃度で5ppmとなるように加え、この溶液4.0g(窒素濃度:1ppm)とペレット状に成型した珪藻土担持ニッケル−クロム触媒(担持量;ニッケル12重量%、クロム1.5重量%)1.0gを50ccのガラス容器に入れ、140℃のオイルバス内で5時間加熱した。
反応終了後の溶液を分析した結果、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンの転化率は63.4%であった。結果を表−1に示す。
原料液である1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:70ppm、硫黄濃度:検出限界以下)を、陰イオン交換樹脂を流通させない以外は実施例1と全て同じ条件で水素化反応を行った。結果を表−1に示す。
1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:70ppm、硫黄濃度:検出限界以下、窒素濃度:検出限界以下)にトリブチルアミンを添加しなかった以外は実施例3と全て同様にした。
反応終了後の溶液を分析した結果、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンの転化率は90.2%であった。結果を表−1に示す。
1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:70ppm、硫黄濃度:2ppm、窒素濃度:検出限界以下)にトリブチルアミンを添加しなかった以外は実施例5と全て同様にした。
反応終了後の溶液を分析した結果、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンの転化率は88.2%であった。結果を表−1に示す。
1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:70ppm、硫黄濃度:2ppm、窒素濃度:検出限界以下)にトリブチルアミンを添加しなかった以外は実施例6と全て同様にした。
反応終了後の溶液を分析した結果、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンの転化率は30.5%であった。結果を表−1に示す。
メチルビニルケトンを含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:検出限界以下、硫黄濃度:2ppm、窒素濃度:検出限界以下)にトリブチルアミンを添加しなかった以外は実施例7と全て同様にした。
反応終了後の溶液を分析した結果、メチルビニルケトンの転化率は34.1%であった。結果を表−1に示す。
クロトンアルデヒドを含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:検出限界以下、硫黄濃度:2ppm、窒素濃度:検出限界以下)にトリブチルアミンを添加しなかった以外は実施例8と全て同様にした。
反応終了後の溶液を分析した結果、クロトンアルデヒドの転化率は56.5%であった。結果を表−1に示す。
100ccのステンレス製オートクレーブにペレット状に成型した珪藻土担持ニッケル−クロム触媒(担持量;ニッケル12重量%、クロム1.5重量%)を1g、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:70ppm、硫黄濃度:検出限界以下、窒素濃度:検出限界以下)40.0gを入れ、窒素置換後、水素圧0.99MPaGとした。このオートクレーブを140℃のオイルバス内で4時間振盪させた。
反応終了後の溶液を分析した結果、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンの転化率は98.2%であった。結果を表−1に示す。
100ccのステンレス製オートクレーブにペレット状に成型したシリカ担持ニッケル触媒(担持量;ニッケル17重量%、酸化ニッケル:55重量%)1.0g、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:70ppm、硫黄濃度:検出限界以下、窒素濃度:検出限界以下)40.0gを入れ、窒素置換後、水素圧0.99MPaGとした。このオートクレーブを140℃のオイルバス内で1時間振盪させた。
反応終了後の溶液を分析した結果、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンの転化率は97.6%であった。結果を表−1に示す。
100ccのステンレス製オートクレーブにペレット状に成型したシリカ担持パラジウ
ム触媒(担持量;パラジウム2重量%)1.0g、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンを10.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:70ppm、硫黄濃度:検出限界以下、窒素濃度:検出限界以下)40.0gを入れ、窒素置換後、水素圧0.99MPaGとした。このオートクレーブを100℃のオイルバス内で1時間振盪させた。
反応終了後の溶液を分析した結果、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンの転化率は42.7%であった。結果を表−1に示す。
100ccのステンレス製オートクレーブにペレット状に成型した珪藻土担持ニッケル−クロム触媒(担持量;ニッケル12重量%、クロム1.5重量%)を1g、メチルビニルケトンを2.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:70ppm、硫黄濃度:2ppm、窒素濃度:検出限界以下)40.0gを入れ、窒素置換後、水素圧0.99MPaGとした。このオートクレーブを100℃のオイルバス内で1時間振盪させた。
反応終了後の溶液を分析した結果、メチルビニルケトンの転化率は41.1%であった。結果を表−1に示す。
100ccのステンレス製オートクレーブにペレット状に成型した珪藻土担持ニッケル−クロム触媒(担持量;ニッケル12重量%、クロム1.5重量%)を1g、クロトンアルデヒドを2.0重量%含有する1,4−ブタンジオール(塩化物イオン濃度:70ppm、硫黄濃度:2ppm、窒素濃度:検出限界以下)40.0gを入れ、窒素置換後、水素圧0.99MPaGとした。このオートクレーブを60℃のオイルバス内で1時間振盪させた。
反応終了後の溶液を分析した結果、クロトンアルデヒドの転化率は65.5%であった。結果を表−1に示す。
は、触媒寿命を改善できる。また、選択率の改善も可能となる。
Claims (4)
- 原料である炭素原子数が4の不飽和化合物を液相下で、長周期型周期表の第9〜11族に属する金属元素を担体に担持させて得られる固体触媒と接触させて水素化することにより、対応する炭素原子数4の水素化物を連続的に製造する方法であって、溶媒として、下記式(1)で示される窒素含有化合物を窒素原子換算の濃度で1重量ppm以上1重量%以下含む1,4−ブタンジオールの存在下で水素化を行う炭素原子数4の水素化物の製造方法。
(上記式(1)中、R1〜R3は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよく、該置換基中にはヘテロ原子が含まれていても良い。また、R1〜R3は同一でも異なっていてもよいが、R1〜R3が全て水素原子である場合は除く。) - 前記担体がシリカ及び珪藻土のうちの少なくとも一つである請求項1に記載の炭素原子数4の水素化物の製造方法。
- 前記炭素原子数が4の不飽和化合物が1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンであり、前記対応する炭素原子数4の水素化物が2−ヒドロキシテトラヒドロフラン及び1,4−ブタンジオールのうちの少なくとも一つである請求項1又は2に記載の炭素原子数4の水素化物の製造方法。
- 炭素原子数が4の不飽和化合物を含む粗1,4−ブタンジオールを、長周期型周期表の第9〜11族に属する金属元素を担体に担持させて得られる固体触媒が充填された充填層に流通させて、該炭素原子数が4の不飽和化合物を対応する炭素原子数4の水素化物に変換し、炭素原子数が4の不飽和化合物の濃度が低減された1,4−ブタンジオールを得る、1,4−ブタンジオールの製造方法であって、前記充填層中の前記粗1,4−ブタンジオールに含まれる窒素成分が、下記式(1)で示される窒素含有化合物であって、該窒素
成分の窒素原子換算の濃度で1重量ppm以上1重量%以下である1,4−ブタンジオールの製造方法。
(上記式(1)中、R1〜R3は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよく、該置換基中にはヘテロ原子が含まれていても良い。また、R1〜R3は同一でも異なっていてもよいが、R1〜R3が全て水素原子である場合は除く。)
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