JP6016174B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池の製造方法に関する。
近年、環境負荷の低いエネルギー源として、太陽電池に対する注目が高まってきている。なかでも、結晶シリコン基板などの半導体材料からなる基板を有する太陽電池に対する注目が高まってきている。
このような半導体材料からなる基板を備える太陽電池の製造に際しては、例えば半導体材料からなる基板の表面にテクスチャ構造と呼ばれる凹凸構造を形成する工程などといった基板をウェットエッチングする工程を行う必要がある(例えば特許文献1を参照)。
特開平10−303443号公報
基板をエッチングする工程などを行った後には、基板を洗浄する工程が必要となる。この洗浄工程や上述のエッチング工程などにおいては、基板の全体が均一に薬液と接触するようにする必要がある。基板に洗浄が不十分な部分やエッチングが不十分な部分が生じると、所望の太陽電池が得られない場合があり、良品率が低下する場合があるためである。
本発明の主な目的は、改善された良品率で太陽電池を製造し得る方法を提供することにある。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、半導体材料からなる基板を有する太陽電池の製造方法に関する。本発明に係る太陽電池の製造方法は、処理工程を備える。処理工程では、一の方向に沿って配した複数の基板を薬液に浸漬すると共に、薬液中に気泡または液体を供給することにより薬液を撹拌することによって複数の基板を処理する。処理工程において、基板の一の方向の一方側に供給される気泡または液体の量が基板の一の方向の他方側に供給される気泡または液体の量よりも多い第1の状態と、基板の一の方向の一方側に供給される気泡または液体の量が基板の一の方向の他方側に供給される気泡または液体の量よりも少ない第2の状態とが交互に生じるように気泡または液体を供給する。
本発明によれば、改善された良品率で太陽電池を製造し得る方法を提供することができる。
図1は、第1の実施形態におけるカセットの略図的斜視図である。 図2は、第1の実施形態におけるカセットの略図的平面図である。 図3は、第1の実施形態における処理工程を説明するための模式的正面図である。 図4は、第1の実施形態における気泡供給口と基板との関係を表す模式的平面図である。 図5は、第1の実施形態におけるパイプ15a〜15dから気泡を発生させるタイミングを説明するためのタイムチャートである。 図6は、第2の実施形態における気泡供給口と基板との関係を表す模式的平面図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
また、実施形態等において参照する各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照することとする。また、実施形態等において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。具体的な物体の寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
(第1の実施形態)
本実施形態では、半導体材料からなる基板を有する太陽電池の製造方法について説明する。半導体材料からなる基板は、結晶シリコン基板であってもよい。即ち、本発明に係る太陽電池の製造方法は、結晶シリコン太陽電池の製造方法であってもよい。
太陽電池は、例えば、半導体材料からなる基板と、基板の一主面の上に配された一の導電型を有する第1の半導体層と、基板の他主面の上に配された他の導電型を有する第2の半導体層と、第1の半導体層の上に配された第1の電極と、第2の半導体層の上に配された第2の電極とを備えていてもよい。
また、太陽電池は、例えば、半導体材料からなる基板と、基板の一主面の上に配された第1及び第2の半導体層と、第1の半導体層の上に配された第1の電極と、第2の半導体層の上に配された第2の電極とを備える裏面接合型の太陽電池であってもよい。
半導体材料からなる基板の少なくとも一方の主面には、基板への光の入射効率を高めるためのテクスチャ構造と呼ばれる凹凸構造が設けられていてもよい。テクスチャ構造は、例えば、結晶シリコン基板の表面を異方性エッチングすることにより形成することができる。
本実施形態の太陽電池の製造方法は、半導体材料からなる基板を薬液に浸漬することにより処理する処理工程を含む。処理工程の具体例としては、基板を洗浄液に浸漬することにより基板を洗浄する洗浄工程や、基板をエッチング液に浸漬することにより基板をエッチングするエッチング工程などが挙げられる。処理工程として、洗浄工程とエッチング工程との少なくとも一方を行うことが好ましい。
例えば、エッチング工程を行った後に、洗浄工程を行う場合などのように、太陽電池を製造するに際して、複数の処理工程を行う場合が考えられる。このような場合においては、複数の処理工程のうちの少なくともひとつの処理工程を本実施形態において説明する処理工程とすればよく、すべての処理工程を本実施形態において説明する処理工程と同様に行う必要は必ずしもない。
処理工程に供される基板は、半導体材料からなる基板のみにより構成されていてもよいし、表面上に半導体層や保護層などの層や、電極などの部材が設けられた半導体材料からなる基板であってもよい。
以下、本実施形態における処理工程の詳細について、図1〜図5を参照しながら詳細に説明する。
(カセット10への基板11のセット)
まず、例えば、図1及び図2に示すようなカセット10に複数の基板11をセットする。ここで、基板11は、半導体材料からなる基板であってもよいし、半導体層などが表面上に配された半導体材料からなる基板であってもよい。
カセット10は、一方向に沿って相互に間隔をおいて複数の基板11を保持可能な形状を有するものである限りにおいて特に限定されない。本実施形態では、カセット10の両側面には、複数の凹部10aが設けられている。カセット10の一方側の側面に設けられた凹部10aと、他方側の側面に設けられた凹部10aとはy軸方向に対向している。このy軸方向において対向する凹部10aの対に基板11が挿入される。これにより、複数の基板11がx軸方向に沿って相互に間隔をおいた状態で保持される。
凹部10aは、鉛直方向であるz軸方向に沿って延びている、凹部10aを構成している2つの側壁部間の間隔は、基板11側に向かって広くなっている。すなわち、凹部10aを構成している2つの側壁部間の間隔は、y軸方向における中央側に向かって広くなっている。このため、基板11がカセット10と広い面積で接触することを抑制している。
カセット10のx方向の両側に位置する側壁部には、薬液が通過するための切欠10bや開口が設けられている。また、カセット10の底部には壁面が設けられていない。従って、カセット10の下方からカセット10内に薬液や泡等が浸入可能である。
基板11の形状は、特に限定されない。基板11は、例えば、矩形状、正方形状、多角形状、円形状等であってもよい。また、基板11は、例えば、角部が直線または曲線で切り取られた形状である略矩形状、略正方形状等であってもよい。以下、基板11が、略矩形状である例について説明する。
基板11の一辺の長さは、例えば、100mm〜200mm程度とすることができる。基板11の厚さは、200μm程度以下であることが好ましく、50μm〜250μm程度であることがより好ましい。基板11の厚みに対する基板11の一辺の長さの比((基板11の一辺の長さ)/(基板11の厚み))は、400〜40000であることが好ましい。
なお、ひとつのカセット10に保持される基板11の数は、特に限定されないが、例えば、25枚〜100枚程度とすることができる。ひとつのカセット10にセット可能な基板11の枚数を多くする観点からは、x軸方向に隣接する基板11間の距離Lは、6mm以下であることが好ましく、5mm以下であることが好ましい。x軸方向に隣接する基板11間の距離Lは、基板11の一辺の長さの1/20以下であることが好ましく、1/30以下であることがより好ましい。但し、x軸方向に隣接する基板11間の距離Lが小さすぎると、基板11のセットが困難になったり、隣接する基板11どうしがウェットエッチング時に張り付く等の弊害が生じる場合がある。従って、x軸方向に隣接する基板11間の距離Lは、3mm以上であることが好ましく、4mm以上であることがより好ましい。x軸方向に隣接する基板11間の距離Lは、基板11の一辺の長さの1/42以上であることが好ましく、基板11の一辺の長さの1/32以上であることがより好ましい。
(基板11の処理工程)
次に、図3に示されるように、カセット10にセットされ、x軸方向に沿って相互に間隔をおいて配された複数の基板11を、カセット10ごと、薬液槽12に溜められた薬液13に浸漬することにより複数の基板11を処理する処理工程を行う。この処理工程は、基板11のエッチング工程や洗浄工程等である。例えばエッチング工程を行う場合は、薬液13をエッチング液とすることができる。例えば洗浄工程を行う場合は、薬液13を洗浄液とすることができる。
この処理工程においては、複数の基板11を薬液13に浸漬すると共に、薬液13中に気泡14(典型的には空気や窒素ガスなどの不活性ガス等の気泡)または液体を供給することにより、薬液13を撹拌することによって複数の基板11を処理する。本実施形態では、具体的には、薬液13に気泡14を供給する例について説明する。但し、薬液13に気泡14を供給する必要は必ずしもない。薬液13に供給されるものは、薬液13を撹拌できるものであれば特に限定されない。例えば、薬液13に、薬液13と同じ組成を有する液体を供給してもよい。もちろん、薬液13に気泡14を供給しつつ、液体をさらに供給してもよい。
詳細には、本実施形態では、処理工程において、第1の状態と第2の状態とが交互に生じるように薬液13中に気泡14を供給する。ここで、第1の状態とは、基板11のx軸方向の一方側に供給される気泡14の量が、基板11のx軸方向の他方側に供給される気泡14の量よりも多い状態である。第2の状態とは、基板11のx軸方向の一方側に供給される気泡14の量が、基板11のx軸方向の他方側に供給される気泡14の量よりも少ない状態である。
具体的には、図4に示されるように、複数の基板11の下方に、複数のパイプ15a〜15dが配されている。複数のパイプ15a〜15dは、それぞれ、開口16を有しており、開口16から複数の基板11に向けて気泡14を発生させる。
パイプ15a〜15dは、それぞれ、基板11の配列方向であるx軸方向に沿って延びている。複数のパイプ15a〜15dは、基板11の延びる方向と平行なy軸方向に沿って相互に間隔をおいて配されている。パイプ15aとパイプ15bとは、基板11のy軸方向における中央よりもy1側に配されている。パイプ15aは、パイプ15bよりも外側に配されている。パイプ15cとパイプ15dとは、基板11のy軸方向における中央よりもy2側に配されている。パイプ15dは、パイプ15cよりも外側に配されている。
パイプ15a〜15dには、基板11間のギャップ17に位置するように、複数の開口16が設けられている。各パイプ15a〜15dにおいて、複数の開口16は、ひとつおきのギャップ17に設けられている。すなわち、各パイプ15a〜15dにおいて、開口16が位置するギャップ17と、開口16が位置していないギャップ17とが、x軸方向に沿って交互に生じるように、複数の開口16が設けられている。
外側に位置するパイプ15a、15dの開口16と、内側に位置するパイプ15b、15cの開口16とは、異なるギャップ17に位置している。このため、外側に配されたパイプ15a、15dの開口16が位置しているギャップ17と、内側に配されたパイプ15b、15cの開口16が位置しているギャップ17とがx軸方向において交互に設けられている。
図5に示されるように、第1の状態においては、パイプ15a、15dの開口16から発生する気泡14の量が、パイプ15b、15cの開口16から発生する気泡14の量よりも多くなる一方、第2の状態においては、パイプ15a、15dの開口16から発生する気泡14の量が、パイプ15b、15cの開口16から発生する気泡14の量よりも少なくなるように制御される。このように制御することによって、基板11のx軸方向の一方側に供給される気泡14の量が、基板11のx軸方向の他方側に供給される気泡14の量よりも多い第1の状態と、基板11のx軸方向の一方側に供給される気泡14の量が、基板11のx軸方向の他方側に供給される気泡14の量よりも少ない第2の状態とが交互に生じる。このため、第1の状態において供給される気泡14と、第2の状態において供給される気泡とによって基板11がx軸方向に沿って振動したり揺動したりする。よって、例えば基板11のある部分が、他の基板11やカセット10と接触した状態が継続しにくく、基板11の全体が均一に薬液13と接触しやすい。従って、複数の基板11を好適に処理することができる。複数の基板11の表面に洗浄不足の部分が生じたり、エッチング不足の部分が生じたりしにくい。また、処理工程が異方性エッチングを行うことにより、所謂テクスチャ構造と呼ばれる凹凸構造を形成するエッチング工程においては、形成される凹凸構造に形状むらや寸法むらが生じにくい。従って、改善された良品率で太陽電池を製造することが可能となる。
基板11の振動や揺動をより促進する観点からは、第1の状態において、基板11のx軸方向の一方側に気泡14を供給する一方、基板11のx軸方向の他方側に気泡14を供給せず、第2の状態において、基板11のx軸方向の一方側に気泡14を供給しない一方、基板11のx軸方向の他方側に気泡14を供給するようにすることが好ましい。また、基板11のx軸方向の一方側における気泡14の供給位置と、基板11のx軸方向の他方側における気泡14の供給位置とが、基板11の延びる方向であるy軸方向において相互に異なることが好ましい。また、凹部10aが内側に向かって間隔が広くなるように設けられているため、基板11の振動や揺動がより促進されている。
例えば、基板11の厚みが200μm以下と薄い場合は、基板11が撓みやすい。よって、隣り合う基板11同士が接触し、基板11の接触部に薬液が好適に供給されにくくなる場合がある。同様に、隣り合う基板11間の間隔が、基板11の平面形状を矩形に近似したときの一辺の長さの1/20以下である場合、さらには1/30以下である場合には、隣り合う基板11同士が接触し、基板11の接触部に薬液が好適に供給されにくくなる場合がある。よって、本実施形態の技術が特に有用である。
なお、第1の実施形態では、基板11の一方側に気泡14を供給するパイプ15a、15dと、基板11の他方側に気泡14を供給するパイプ15b、15cとを、それぞれ2つずつ設ける例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。例えば、図6に示されるように、基板11の一方側に気泡14を供給するパイプ15aと、基板11の他方側に気泡14を供給するパイプ15cとを、それぞれひとつずつ設けてもよい。
また、第1の実施形態では、パイプ15a、15dの開口16から同時に基板11に気泡14を供給し、パイプ15b、15cの開口16から同時に基板11に気泡14を供給する例について説明した。ただし、本発明は、この構成に限定されない。例えば、パイプ15a、15cの開口16から同時に基板11に気泡14を供給し、パイプ15b、15dの開口16から同時に基板11に気泡14を供給してもよい。パイプ15a、15cの開口16から同時に基板11に気泡14を供給するとき、基板11は図4において時計回りの方向に基板が振動したり揺動したりする。パイプ15b、15dの開口16から同時に基板11に気泡14を供給するとき、基板11は図4において反時計回りの方向に基板が振動したり揺動したりする。
パイプ15a〜15dに設けられた開口16が、隣接する基板11間のギャップ17に位置するように設けられた例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。例えば、ギャップ17の位置や基板11の位置に関係なく、所定の基板11の一方側と他方側とにそれぞれ開口16を設けてもよい。
また、パイプをx軸方向に沿って揺動させ、パイプに設けられた開口が基板の一方側に位置する第1の状態と、他方側に位置する第2の状態とを設けてもよい。
10…カセット
10a…凹部
11…基板
12…薬液槽
13…薬液
14…気泡
15a〜15d…パイプ
16…開口
17…ギャップ

Claims (7)

  1. 半導体材料からなる基板を有する太陽電池の製造方法であって、
    一の方向に沿って配した複数の前記基板を薬液に浸漬すると共に、前記薬液中に気泡または液体を供給することにより前記薬液を撹拌することによって前記複数の基板を処理する処理工程を備え、
    前記処理工程において、前記基板の前記一の方向の一方側および前記基板に隣接する他の基板の前記一の方向の他方側に供給される気泡または液体の量が前記基板の前記一の方向の他方側および前記他の基板の前記一の方向の前記一方側に供給される気泡または液体の量よりも多い第1の状態と、前記基板の前記一の方向の一方側および前記基板に隣接する他の基板の前記一の方向の前記他方側に供給される気泡または液体の量が前記基板の前記一の方向の他方側および前記他の基板の前記一の方向の前記一方側に供給される気泡または液体の量よりも少ない第2の状態とが交互に生じるように気泡または液体を供給する、太陽電池の製造方法。
  2. 半導体材料からなる基板を有する太陽電池の製造方法であって、
    一の方向に沿って配した複数の前記基板を薬液に浸漬すると共に、前記薬液中に気泡または液体を供給することにより前記薬液を撹拌することによって前記複数の基板を処理する処理工程を備え、
    前記処理工程において、第1の状態と第2の状態とが交互に生じるように気泡または液体を供給し、
    前記第1の状態において、前記基板の前記一の方向の一方側に気泡または液体を供給する一方、前記基板の前記一の方向の他方側には気泡または液体を供給せず、
    前記第2の状態において、前記基板の前記一の方向の一方側に気泡または液体を供給しない一方、前記基板の前記一の方向の他方側には気泡または液体を供給する、太陽電池の製造方法。
  3. 前記基板の前記一の方向の一方側における気泡または液体の供給位置と、前記基板の前記一の方向の他方側における気泡または液体の供給位置とが、前記基板の延びる方向において相互に異なる、請求項1または2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 鉛直方向に沿って延び、前記基板の幅方向における端部が挿入され、前記基板側に向かって間隔が広くなる凹部を有するカセットに前記複数の基板を取り付けた状態で前記処理工程を行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記隣り合う基板間の間隔が、前記基板の平面形状を矩形に近似したときの一辺の長さの1/20以下となるように前記複数の基板を配する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記基板の厚さが200μm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の太陽電池の製造方法。
  7. 前記処理工程として、
    前記基板を洗浄液に浸漬することにより洗浄する洗浄工程と、
    前記基板をエッチング液に浸漬することによりエッチングするエッチング工程と、
    のうちの少なくとも一方を行う、請求項1〜6のいずれか一項に記載の太陽電池の製造方法。
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