JP6013908B2 - 重荷重用タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ビード部の耐久性を向上させた重荷重用タイヤに関する。
図3(a)に示されるように、ビード部aに、ビードコアfを囲むように、断面略U字状のコード補強層bが設けられた重荷重用タイヤが提案されている。コード補強層bは、例えば、スチールコードを配列したプライからなる。このようなコード補強層bは、ビード部aの曲げ剛性を大きくし、操縦安定性を向上させる。
しかしながら、このような重荷重用タイヤは、コード補強層bによってタイヤ質量が増加し、燃費性能が低下するおそれがある。タイヤ質量を小さくするために、図3(b)に示されるように、ビード部aに断面略L字状のコード補強層bを設けた重荷重用タイヤが提案されている。
しかしながら、図3(b)のタイヤは、図3(a)のタイヤと比べると、走行時のビードの変形が大きい。また、ビード部の熱は、カーカスプライcの本体部c1とインナーライナーiとの間に配されたインスレーションゴム層e、特に、ビードコアfのタイヤ軸方向内側の領域に蓄えられ易い。このため、この部分のインスレーションゴム層dは、熱劣化によって硬化し、比較的早期に亀裂が生じ易いという問題があった。
例えば、下記特許文献1では、カーカスプライとビードコアとの間に短繊維を含むゴムからなるビードカバーを具えることにより、ビード部の耐久性を向上させた重荷重用タイヤが提案されている。しかしながら、このような重荷重用タイヤであっても、上述の問題を解決するものでは無かった。
特開2003−237324号公報
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、ビードコアのタイヤ軸方向内側でかつカーカスプライの本体部の内側面に接着された補強ゴム層を設け、かつ、該補強ゴム層の硫黄含有量及び複素弾性率を特定することを基本として、タイヤ質量の増加を抑制しつつ、ビード部の耐久性を向上させた重荷重用タイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち、請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアのタイヤ半径方向内側に至る本体部と、該本体部に連なりかつ前記ビードコアの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを含むカーカスプライからなるカーカスを具えた重荷重用タイヤであって、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記ビード部には、前記ビードコアのタイヤ半径方向内側でタイヤ軸方向にのびる内片部と、該内片部に連なり前記折返し部に沿ってタイヤ半径方向外側にのびる外片部とを含む断面略L字状のコード補強層が設けられ、前記内片部のタイヤ軸方向の内端は、前記ビードコアのタイヤ半径方向の内端よりもタイヤ半径方向内側に配され、前記ビード部には、前記本体部のタイヤ軸方向内側面に接着された補強ゴム層が設けられ、前記補強ゴム層の少なくとも一部は、前記ビードコアがタイヤ軸方向内側に投影されたビードコア投影領域に位置し、前記補強ゴム層は、硫黄含有量が2.5〜3.5phr、かつ、複素弾性率E*が3.0〜6.0MPaのゴム組成物からなることを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、前記補強ゴム層の前記ゴム組成物は、ゴム成分100質量部中に、天然ゴムを70〜100質量部含む請求項1記載の重荷重用タイヤである。
また、請求項3記載の発明は、前記補強ゴム層の厚さは、1.0〜2.5mmである請求項1又は2記載の重荷重用タイヤである。
また、請求項4記載の発明は、前記補強ゴム層は、前記ビードコア投影領域をタイヤ半径方向内側及び外側にそれぞれ越えてタイヤ半径方向にのび、前記補強ゴム層のタイヤ半径方向の長さは、20〜40mmである請求項1乃至3のいずれかに記載の重荷重用タイヤである。
また、請求項5記載の発明は、前記ビードコアは、タイヤ軸方向にのびるタイヤ半径方向の外面及び内面と、タイヤ軸方向内側で前記外面及び前記内面に連なりタイヤ半径方向にのびる内側面と、タイヤ軸方向外側で前記外面及び前記内面に連なりタイヤ半径方向にのびる外側面とを含む断面略多角形状であり、前記補強ゴム層は、前記内側面がタイヤ軸方向内側に投影された内側面投影領域において、前記本体部の前記タイヤ軸方向内側面の全面に接着される請求項1乃至4のいずれかに記載の重荷重用タイヤである。
本発明の重荷重用タイヤは、ビード部に、ビードコアのタイヤ半径方向内側でタイヤ軸方向にのびる内片部と、該内片部に連なり折返し部に沿ってタイヤ半径方向外側にのびる外片部とを含む断面略L字状のコード補強層が設けられる。また、内片部のタイヤ軸方向の内端は、ビードコアのタイヤ半径方向の内端よりもタイヤ半径方向内側に配される。このような重荷重用タイヤは、タイヤ質量の増加を抑制しつつビード部の曲げ剛性を向上させ、操縦安定性を向上させる。
本発明の重荷重用タイヤのビード部には、カーカスプライの本体部のタイヤ軸方向内側面に接着された補強ゴム層が設けられ、補強ゴム層の少なくとも一部は、ビードコアがタイヤ軸方向内側に投影されたビードコア投影領域に位置する。また、補強ゴム層は、硫黄含有量が2.5〜3.5phr、かつ、複素弾性率E*が3.0〜6.0MPaのゴム組成物からなる。このような補強ゴム層は、走行時の発熱が抑制される。このため、ビードコアのタイヤ軸方向内側でのインスレーションゴム層の熱硬化及び亀裂の発生が抑制され、ビード部の耐久性が向上する。
本発明の重荷重用タイヤの一実施形態を示す断面図である。 図1のビード部の拡大断面図である。 (a)は断面略U字状のコード補強層が設けられたビード部の拡大断面図であり、(b)は断面略L字状のコード補強層が設けられたビード部の拡大断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の重荷重用タイヤ1(以下、単に「タイヤ」ということがある)の正規状態におけるタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面図である。ここで、正規状態とは、タイヤが正規リム(図示省略)にリム組みされ、かつ、正規内圧が充填された無負荷の状態である。以下、特に言及しない場合、タイヤの各部の寸法等はこの正規状態で測定された値である。
なお前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
図1に示されるように、本実施形態の重荷重用タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6、該カーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されるベルト層7、タイヤ内腔面10を形成するインナーライナ11、及び、カーカス6とインナーライナ11との間のインスレーションゴム層12を具える。
カーカス6は、例えば1枚のカーカスプライ6Aにより構成される。このカーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5のタイヤ半径方向内側に至る本体部6aと、該本体部6aに連なりビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを含む。カーカスプライ6Aは、例えば、トッピングゴムで被覆されたコードからなり、タイヤ赤道Cに対して例えば70〜90°の角度で配列される。
ベルト層7は、本実施形態では、ベルトコードがタイヤ赤道Cに対して、例えば15〜45度の角度で傾斜して配列された4枚のベルトプライ7A乃至7Dを、ベルトコードが互いに交差する向きにタイヤ半径方向で重ね合わされてなる。このベルトコードには、例えば、スチールコードが好適に採用される。
インナーライナ11は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4に至り、タイヤ内腔面10のほぼ全域に配置される。インナーライナ11は、例えば、ゴム成分100質量部中に、ブチルゴム(又はその誘導体)を60質量部以上、好ましくは80質量部以上、さらに好ましくは100質量部配合させたブチル系ゴムなどの空気不透過性ゴムからなる。
ブチル系ゴムでは、ブチルゴム(又はその誘導体)以外の残部ゴムとして、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のジエン系ゴムを用いることができ、またブチルゴムの誘導体としては、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等のハロゲン化ブチルゴムが挙げられる。前記空気不透過性ゴムとして、前記ブチルゴム(又はその誘導体)に代えて、イソブチレン・パラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物を用いることもできる。
インスレーションゴム層12は、インナーライナ11とカーカスプライ6Aとの間に介在することにより、両者間の接着力を高めて層間剥離を防ぐ。また、インスレーションゴム層12は、加硫時のゴム流れに起因するインナーライナ11とカーカスコードとの接触を抑制する。本実施形態のインスレーションゴム層12は、例えばゴム成分100質量部中に、天然ゴム(NR)を60質量部以上、好ましくは80質量部以上、さらに好ましくは100質量部配合させたNR系ゴムが採用される。インスレーションゴム層12の残部のゴムとしては、イソプレンゴム(IR)又はブタジエンゴム(BR)が好適に使用される。
図2は、本実施形態の重荷重用タイヤのビード部4の拡大断面図である。図2に示されるように、ビード部4は、ビードコア5からタイヤ半径方向外方にのびるビードエーペックスゴム8及びコード補強層13で補強される。
ビードコア5は、例えば、ビードワイヤ19を多列多段に巻回したリング体である。ビードコア5は、例えば、タイヤ軸方向にのびるタイヤ半径方向の外面14及び内面15と、タイヤ軸方向内側で外面14及び内面15間を継ぐ内側面16と、タイヤ軸方向外側で外面14及び内面15を継ぐ外側面17とを含む断面略多角形状である。本実施形態のビードコア5は、断面が横長の偏平六角形状に形成される。
ビードコア5には、ビードワイヤ19がほどけるのを防止するラッピング層18がその周囲に巻き付けられている。該ラッピング層18としては、例えばゴム材のみによって形成されるゴム層、ゴム材中にコードを埋設させたコード層及びゴム引きのキャンバス布からなるキャンバス層など、従来のものが適宜採用されうる。
ビードエーペックスゴム8は、カーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間でタイヤ半径方向外側に断面略三角形状でのびる。ビードエーペックスゴム8は、例えば、複素弾性率E*が15〜60MPaの硬質ゴムからなる。このようなビードエーペックスゴム8は、ビード部4の曲げ剛性を効果的に大きくし、操縦安定性を向上させる。
本明細書において、ゴムの複素弾性率E*は、JIS−K6394の規定に準じ、下記の条件で(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて測定された値である。
初期歪:10%
振幅:±2%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70°C
コード補強層13は、スチールコードをタイヤ周方向に対して例えば15〜60゜の角度で傾けて配列されたスチールコードプライからなる。
コード補強層13は、ビードコア5のタイヤ半径方向内側でタイヤ軸方向にのびる内片部13aと、該内片部13aに連なり折返し部6bに沿ってタイヤ半径方向外側にのびる外片部13bとを含む断面略L字状である。内片部13aのタイヤ軸方向の内端13eは、ビードコア5のタイヤ半径方向の内端5eよりもタイヤ半径方向内側に配される。このようなコード補強層13は、図5(a)に示される断面略U字状のコード補強層と比較して軽量であり、タイヤ質量の増加を抑制しつつビード部4の曲げ剛性を向上させ、操縦安定性を向上させる。
ビード部4には、さらに、本体部6aのタイヤ軸方向内側面6sに接着された補強ゴム層20が設けられる。補強ゴム層20の少なくとも一部は、ビードコア5がタイヤ軸方向内側に投影されたビードコア投影領域25に位置する。
補強ゴム層20の配合及び物理的特性を種々変化させて実験を行ったところ、補強ゴム層20の複素弾性率E*を一定範囲に特定することで、補強ゴム層20及びインスレーションゴム層12の熱硬化が抑制されることが判明した。また、補強ゴム層20の硫黄含有量が小さくなると、加硫時、本体部6aのトッピングゴムに配合されている硫黄が補強ゴム層20へと移行する。この結果、本体部6aのトッピングゴムの加硫が不十分となり、ひいてはこの部分でビード部4の耐久性が低下することが判明した。
補強ゴム層20は、硫黄含有量が2.5〜3.5phr、かつ、複素弾性率E*が3.0〜6.0MPaのゴム組成物からなる。このような補強ゴム層20は、インスレーションゴム層12と比較して複素弾性率E*が小さく、走行時の発熱が抑制される。このため、ビードコア5のタイヤ軸方向内側でのインスレーションゴム層12の熱硬化及び亀裂の発生が抑制され、ビード部4の耐久性が向上する。
本発明の補強ゴム層20は、硫黄含有量が特定されているため、加硫中、本体部6aのトッピングゴムからの硫黄の移行が最小限に抑制される。このため、本体部6aのトッピングゴムの加硫不足が抑制され、ひいてはビード部4の耐久性の低下が抑制される。
補強ゴム層20のゴム組成物の硫黄含有量が2.5phrより小さい場合、加硫時、本体部6aのトッピングゴムの硫黄が補強ゴム層20へと移行し、本体部6aの加硫不足が生じ、ひいてはビード部4の耐久性が低下するおそれがある。逆に、補強ゴム層20のゴム組成物の硫黄含有量が3.5phrより大きい場合、補強ゴム層20及びインスレーションゴム層12の複素弾性率が大きくなって走行時の発熱が大きくなり、ひいては熱硬化によりインスレーションゴム層12に亀裂が生じるおそれがある。このため、補強ゴム層20の硫黄含有量は、好ましくは2.7phr以上、より好ましくは2.9phr以上であり、好ましくは3.3phr以下、より好ましくは3.1phr以下である。
加硫前の補強ゴム層20の硫黄含有量は、本体部6aのトッピングゴムからの硫黄の移行が考慮され、例えば、2.3〜3.3phrに設定される。これにより、上記の硫黄含有量及び複素弾性率E*の範囲内の補強ゴム層20が成形される。
補強ゴム層20のゴム組成物の複素弾性率E*が3.0MPaより小さい場合、加硫時にゴム流れが生じ、補強ゴム層20の十分な厚さを確保できないおそれがある。逆に、補強ゴム層20のゴム組成物の複素弾性率E*が6.0MPaより大きい場合、走行時、変形を繰り返すことで発生する熱が大きくなり、ひいては、補強ゴム層20及びインスレーションゴム層12の熱による劣化が発生し易くなる。このため、補強ゴム層20の複素弾性率E*は、好ましくは3.5MPa以上、より好ましくは4.0MPa以上であり、好ましくは5.5MPa以下、より好ましくは5.0MPa以下である。
補強ゴム層20を構成するゴムポリマーとしては、例えば天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ニトリルゴム(NBR)又はクロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。これらの内、力学的強度に優れる天然ゴムが特に好適に用いられる。
補強ゴム層20のゴム組成物は、ゴム成分100質量部中に、好ましくは天然ゴムを70質量部以上、より好ましくは85質量部以上、さらに好ましくは100質量部含む。このような補強ゴム層20は、補強ゴム層20の破断エネルギーを大きくし、ビード部4の耐久性を向上させる。
本実施形態では、ビードコア投影領域25には、補強ゴム層20及びインスレーションゴム層12の2層が形成される。ビードコア投影領域25は、補強ゴム層20のみから形成される領域を含んでも良い。
補強ゴム層20の厚さt1が小さい場合、ビードコア投影領域25内でのインスレーションゴム層12のゴム厚さが相対的に大きくなり、熱硬化が生じ易くなるおそれがある。逆に、補強ゴム層20の厚さt1が大きい場合、補強ゴム層20に吸収される硫黄の量が大きくなり、本体部6aの加硫不足が生じ、ひいてはビード部4の耐久性が低下するおそれがある。このため、補強ゴム層20の厚さt1は、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは1.5mm以上であり、好ましくは2.5mm以下、より好ましくは2.0mm以下である。
補強ゴム層20は、インスレーションゴム層12の亀裂を抑制する観点から、ビードコア投影領域25全体に設けられるのが望ましい。即ち、補強ゴム層20は、ビードコア投影領域25をタイヤ半径方向内側及び外側にそれぞれ越えてタイヤ半径方向にのびるのが望ましい。ビードコア投影領域25は、走行時のビード部の変形によって大きな引張り応力が作用するので、この部分に補強ゴム層20が設けられることにより、ビード部の耐久性が効果的に向上する。
補強ゴム層20の半径方向の長さL1は、好ましくは20mm以上、より好ましくは25mm以上であり、好ましくは40mm以下、より好ましくは35mm以下である。補強ゴム層20の半径方向の長さL1が小さい場合、ビードコア投影領域25内でのインスレーションゴム層12のゴムボリュームが相対的に大きくなり、熱硬化が生じ易くなるおそれがある。逆に、補強ゴム層20の半径方向の長さL1が大きい場合、本体部6aのトッピングゴムの硫黄が広い範囲で補強ゴム層20に吸収され、本体部6aの加硫不足が生じ、ひいてはビード部4の耐久性が低下するおそれがある。
ビードコア5が断面略多角形状である場合、インスレーションゴム層12の熱硬化及び亀裂は、特にビードコアの内側面16がタイヤ軸方向内側に投影された内側面投影領域26で発生し易い。このため、補強ゴム層20は、ビードコア5の内側面投影領域26において、本体部6aのタイヤ軸方向内側面6sの全面に接着されるのが望ましい。これにより、インスレーションゴム層12の熱硬化及び亀裂の発生がより効果的に抑制され、ビード部4の耐久性が向上する。
以上、本発明の重荷重用タイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施しうる。
図1の基本構造をなすサイズ11R22.5の重荷重用タイヤが、表1の仕様に基づき試作された。各試供タイヤについて、熱劣化前後の補強ゴム層の複素弾性率E*、熱劣化前後の補強ゴム層の破断エネルギー、補強ゴム層の接着力、及び、熱劣化後のビード耐久性がテストされた。補強ゴム層を有しない比較例1及び2は、ビードコア投影領域内のインスレーションゴム層について同様にテストされた。テスト方法は以下の通りである。
<熱劣化前後の補強ゴム層の複素弾性率E*>
各テストタイヤについて、未使用状態の補強ゴム層の複素弾性率E*1、及び、下記条件で熱劣化させた後の試供タイヤにおける補強ゴム層の複素弾性率E*2が測定された。
装着リム:7.50×22.5
タイヤ内圧:750kPa
熱劣化方法:温度80℃の雰囲気中に1週間放置
<熱劣化前後の補強ゴム層の破断エネルギー>
各テストタイヤについて、未使用状態の補強ゴム層の破断エネルギーe1、及び、上記条件で熱劣化させた後の補強ゴム層の破断エネルギーe2が測定された。破断エネルギーは、ブロック状の錘をビード部に自由落下させて衝突させ、ピンチカットが生じたときの錘の落下エネルギーから算出された。結果は、実施例1の熱劣化前の破断エネルギーを100とする指数であり、数値が大きい程、破断エネルギーが大きいことを示す。
<補強ゴム層の接着力>
補強ゴム層とカーカスプライとの接着力が測定された。該接着力は、補強ゴム層の1辺が10mmの正方形の単位片をカーカスプライから剥離するときの引張り強さを意味する。結果は、実施例1の接着力を100とする指数であり、数値が大きい程接着力が大きく良好であることを示す。
<熱劣化後のビード耐久性>
下記条件で熱劣化後、下記条件でドラム試験機にて連続走行させ、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間が測定された。結果は、実施例1を100とする指数であり、数値が大きい程ビード耐久性が高いことを示す。
<熱劣化条件>
装着リム:7.50×22.5
タイヤ内圧:750kPa
熱劣化方法:温度80℃、酸素濃度90%の雰囲気中に6週間放置
<ドラム試験条件>
縦荷重:76.53kN
速度:20km/h
テスト結果を表1に示す。
Figure 0006013908
Figure 0006013908
表1から明らかなように、実施例の重荷重用タイヤは、比較例に比べて、ビード耐久性が有意に向上していることが確認できた。
1 タイヤ
2 トレッド部
4 ビード部
5 ビードコア
6a 本体部
6b 折返し部
6s タイヤ軸方向内側面
6 カーカス
13a 内片部
13b 外片部
13 コード補強層
20 補強ゴム層
25 ビードコア投影領域

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアのタイヤ半径方向内側に至る本体部と、該本体部に連なりかつ前記ビードコアの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを含むカーカスプライからなるカーカスを具えた重荷重用タイヤであって、
    タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、
    前記ビード部には、前記ビードコアのタイヤ半径方向内側でタイヤ軸方向にのびる内片部と、該内片部に連なり前記折返し部に沿ってタイヤ半径方向外側にのびる外片部とを含む断面略L字状のコード補強層が設けられ、
    前記内片部のタイヤ軸方向の内端は、前記ビードコアのタイヤ半径方向の内端よりもタイヤ半径方向内側に配され、
    前記ビード部には、前記本体部のタイヤ軸方向内側面に接着された補強ゴム層が設けられ、
    前記補強ゴム層の少なくとも一部は、前記ビードコアがタイヤ軸方向内側に投影されたビードコア投影領域に位置し、
    前記補強ゴム層は、硫黄含有量が2.5〜3.5phr、かつ、複素弾性率E*が3.0〜6.0MPaのゴム組成物からなり、
    前記補強ゴム層の厚さは、1.0〜2.5mmであることを特徴とする重荷重用タイヤ。
  2. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアのタイヤ半径方向内側に至る本体部と、該本体部に連なりかつ前記ビードコアの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを含むカーカスプライからなるカーカスを具えた重荷重用タイヤであって、
    タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、
    前記ビード部には、前記ビードコアのタイヤ半径方向内側でタイヤ軸方向にのびる内片部と、該内片部に連なり前記折返し部に沿ってタイヤ半径方向外側にのびる外片部とを含む断面略L字状のコード補強層が設けられ、
    前記内片部のタイヤ軸方向の内端は、前記ビードコアのタイヤ半径方向の内端よりもタイヤ半径方向内側に配され、
    前記ビード部には、前記本体部のタイヤ軸方向内側面に接着された補強ゴム層が設けられ、
    前記補強ゴム層の少なくとも一部は、前記ビードコアがタイヤ軸方向内側に投影されたビードコア投影領域に位置し、
    前記補強ゴム層は、硫黄含有量が2.5〜3.5phr、かつ、複素弾性率E*が3.0〜6.0MPaのゴム組成物からなり、
    前記補強ゴム層は、前記ビードコア投影領域をタイヤ半径方向内側及び外側にそれぞれ越えてタイヤ半径方向にのび、
    前記補強ゴム層のタイヤ半径方向の長さは、20〜40mmであることを特徴とする重荷重用タイヤ。
  3. 前記補強ゴム層の前記ゴム組成物は、ゴム成分100質量部中に、天然ゴムを70〜100質量部含む請求項1又は2記載の重荷重用タイヤ。
  4. 前記補強ゴム層は、前記ビードコアの内側面がタイヤ軸方向内側に投影された内側面投影領域において、前記本体部のタイヤ軸方向内側面の全面に接着される請求項1乃至3のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
  5. 前記ビードコアは、タイヤ軸方向にのびるタイヤ半径方向の外面及び内面と、タイヤ軸方向内側で前記外面及び前記内面に連なりタイヤ半径方向にのびる内側面と、タイヤ軸方向外側で前記外面及び前記内面に連なりタイヤ半径方向にのびる外側面とを含む断面略多角形状であり、
    前記補強ゴム層は、前記内側面がタイヤ軸方向内側に投影された内側面投影領域において、前記本体部の前記タイヤ軸方向内側面の全面に接着される請求項1乃至4のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
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